使用貸借により長男の事業兼居住の用に供していた建物及びその敷地を譲渡する場合に支払った立退料等のうち、長男が建物に投下した建物改造費用の現存価額並びに閉店及び移転に要した費用は、譲渡費用に当たるとした事例
- 平成元年11月29日裁決
- 裁決事例集 第38集 72頁
要旨
請求人は、使用貸借により長男が事業兼居住の用に供していた建物及びその敷地を譲渡する際、その建物から長男を立ち退かせるために立退料等の金員を支払ったが、使用貸借においては借主に借家権があるとは認められないので、本件立退料のうち借家権の消滅の対価の額に相当する金員については、これを支払う理由はなく、譲渡費用に該当しない。しかし、借主が借受物件に投下した有益費については、使用貸借においても借主が借受物件を返還する際に、貸主は償還業務を負うとされており、その有益費の額は現存価額とされているところ、本件においては、借主である長男は、建物改造費用を負担していることが認められるから、本件立退料のうちその残存価額に相当する部分の金額については譲渡費用とするのが相当である。また、営業補償名義の金員については、長男がチラシ、ポスター等の作成費用等閉店のために支出した費用の実費を補てんするため、請求人が長男に支払ったものと認められるから、これを譲渡費用とするのが相当である。
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