請求人の主張は、審査請求の理由として取消しを求めることができないものであるから、この点に関する請求人の主張には理由がなく、差押処分は国税徴収法所定の要件を充足しており適法であるとした事例(債権の差押処分・棄却)
- 令和7年1月24日裁決
- 裁決事例集 第138集
ポイント
本事例は、被差押債権が第三者に帰属するという請求人主張の事実が存在したとしても、本件差押処分によって不利益を受けるのは当該第三者であり請求人ではないとして、違法事由の主張制限をしたものである。
要旨
請求人は、原処分庁による債権(本件債権)の差押処分時には、本件債権が第三者に帰属しているから、当該差押処分(本件差押処分)は無効である旨主張する。
しかしながら、審査請求が違法又は不当な処分によって侵害された不服申立人の権利利益の救済を図るものであることからすれば、不服申立人は、自己の権利又は法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由として取消しを求めることができないと解するのが相当である。これを本件についてみると、仮に本件債権が第三者に帰属するという請求人の主張する事実が存在したとしても、本件差押処分によって不利益を受けるのは当該第三者であって請求人ではなく、請求人がかかる事実を違法事由として主張することは、自己の法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由とするものであるから、請求人の主張は審査請求の理由として取消しを求めることができないものである。
参照条文等
行政事件訴訟法第10条第1項
参考判決・裁決
平成30年6月19日裁決(裁決事例集No.111) 平成19年11月28日裁決(裁決事例集No.74) 平成18年10月16日裁決(裁決事例集No.72)
裁決本文
《裁決書(抄)》
1 事実
(1) 事案の概要
本件は、原処分庁が、審査請求人(以下「請求人」という。)の滞納国税を徴収するため、債権の差押処分をしたのに対し、請求人が、当該債権は第三者に帰属するとして、当該差押処分の全部の取消しを求めた事案である。
(2) 関係法令
(3) 基礎事実及び審査請求に至る経緯
なお、請求人は、令和6年4月1日に所在地をe市f町○-○から肩書地へ移転した。
2 当審判所の判断
(1) 本審査請求の適法性について
この点、本件再調査請求は、請求の利益を欠く不適法なものであるとして却下されていることから、まず、本審査請求の適法性について検討する。
この点、請求人は、本件差押処分の名宛人であり、本件差押処分により、その法律上の効果を受ける者であるから、本件差押処分の取消しを求めることができることは明らかである。
そうすると、請求人には、不服申立適格及び請求の利益が認められるところ、ほかに本件再調査請求が不適法であるとする事情は認められないから、本件再調査請求は適法である。
(2) 本件差押処分の適法性について
しかしながら、審査請求が違法又は不当な処分によって侵害された不服申立人の権利利益の救済を図るものであることからすれば、不服申立人は、自己の権利又は法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由として取消しを求めることができないと解するのが相当である。
これを本件についてみると、請求人の主張は、本件債権が第三者に帰属するというものであり、仮に当該主張の事実が存在したとしても、本件差押処分によって不利益を受けるのは当該第三者であり、請求人ではないから、結局、請求人がかかる事実を違法事由として主張することは、自己の法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由とするものである。
したがって、請求人の主張は、審査請求の理由として取消しを求めることができないものであるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。
(3) 結論
よって、本審査請求は理由がないから、これを棄却することとする。
別表1 本件滞納国税(省略)
別表2 本件債権(省略)
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