(納税者の悪意)
5 法第42条の規定に基づく取消権は、納税者が自己の行為により債権者を害する結果になることをその行為の当時知っている場合でなければ成立しないが、債権者を害する意図があることまでは要しない(昭和35.4.26最高判参照)。
また、この納税者の悪意は、一般的に債権者を害することを知っていれば足り、特に租税債権者を害することを知っていることは必要でない。
(注)
1 納税者が善意であるときは、それについて過失があっても、取消権が成立しないことに留意する(大正5.10.21大判参照)。
2 納税者の行為が相当の対価を得てした財産の処分行為(民法第424条の2)である場合は、その対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿、無償の供与その他の債権者を害することとなる処分(以下第42条関係において「隠匿等の処分」という。)をする意思を納税者が有している必要がある(同条第2号参照)。
3 納税者の行為が既存の債務についての担保の供与又は債務の消滅に関する行為(民法第424条の3参照)である場合は、納税者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもってその行為を行っている必要がある(同条第1項第2号、第2項第2号参照)。