国有資産等所在市町村交付金法
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国有資産等所在市町村交付金法

 国有資産等所在市町村交付金法

(用語の意義)

 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 地方公共団体 都道府県、市町村、特別区及びこれらの組合をいう。

 固定資産 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百四十一条第一号に規定する固定資産に該当するものをいう。

 土地 地方税法第三百四十一条第二号に規定する土地に該当するものをいう。

 家屋 地方税法第三百四十一条第三号に規定する家屋に該当するものをいう。

 償却資産 地方税法第三百四十一条第四号に規定する償却資産に該当するものをいう。

(市町村に対する交付金の交付)

 国又は地方公共団体は、毎年度、当該年度の初日の属する年の前年(以下「前年」という。)の三月三十一日現在において所有する固定資産で次の各号に掲げる固定資産に該当するものにつき、当該固定資産所在の市町村に対して、国有資産等所在市町村交付金(以下「市町村交付金」という。)を交付する。💬 参照

 当該固定資産を所有する国又は地方公共団体以外の者が使用している固定資産(次号及び第三号に掲げるものを除く。)💬 参照

 空港(空港法(昭和三十一年法律第八十号)第四条第一項各号に掲げる空港及び同法第五条第一項に規定する地方管理空港をいう。以下同じ。)の用に供する固定資産(次号に掲げるものを除く。)又は国が自衛隊の設置する飛行場若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二条第四項(a)の規定に基づき日本国政府若しくは日本国民が使用する飛行場(空港の機能を果たすものとして政令で定めるものに限る。)において一般公衆の利用に供する目的で整備し、かつ、専ら一般公衆の利用に供する施設の用に供する固定資産(次号に掲げるものを除く。)💬 参照

 国有林野の管理経営に関する法律(昭和二十六年法律第二百四十六号)第二条第一項の国有林野に係る土地

 発電所、変電所又は送電施設の用に供する固定資産(第一号に掲げるもの並びにダムの用に供する洪水吐ゲート及び放流のための管(これらの設備と一体となつてその効用を全うする施設及び工作物を含む。)で洪水調節に資するものとして政令で定めるもの(政令で定める部分に限る。)を除く。)💬 参照

 水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第八項に規定する水道施設若しくは工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)第二条第六項に規定する工業用水道施設のうちダム(ダムと一体となつてその効用を全うする施設及び工作物を含む。以下同じ。)以外のものの用に供する土地又は水道若しくは工業用水道の用に供するダムの用に供する固定資産で、政令で定めるもの(第一号に掲げるもの並びにダムの用に供する洪水吐ゲート及び放流のための管(これらの設備と一体となつてその効用を全うする施設及び工作物を含む。)で洪水調節に資するものとして政令で定めるもの(政令で定める部分に限る。)を除く。)💬 参照

 石油の備蓄の確保等に関する法律(昭和五十年法律第九十六号)第二十九条に規定する国家備蓄施設の用に供する固定資産

 国又は地方公共団体は、前項第一号及び第三号に掲げる固定資産のうち、次に掲げるものについては、同項の規定にかかわらず、市町村交付金を交付しない。

 皇室の用に供する固定資産💬 参照

 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)第十条の公邸及び同法第十二条の無料宿舎の用に供する固定資産💬 参照

 国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三条に規定する行政財産又は普通財産で同法第二十二条第一項第二号(同法第十九条又は第二十六条において準用する場合を含む。)の規定により地方公共団体が保護を要する生活困窮者の収容の用に供する固定資産

 地方税法第三百四十三条第六項の土地又は農地で、国が買収し、又は収納した日から国が当該土地又は農地を他人に売り渡し、その所有権が売渡しの相手方に移転する日までの間において国が所有するもの

 国有林野の管理経営に関する法律第十条第一号又は第十七条の三第一号の分収造林契約又は分収育林契約の目的たる国有林野(国有林野法の一部を改正する法律(昭和五十九年法律第二十七号)附則第二条の規定によりなお従前の例によることとされる部分林を含む。)で当該国有林野所在の市町村その他の地方公共団体で政令で定めるものが造林者又は国有林野の管理経営に関する法律第十七条の二に規定する費用負担者であるものに係る土地(分収育林契約に係るものにあつては、当該土地のうち、当該地方公共団体に係る部分として政令で定める部分)💬 参照

 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国有の財産の管理に関する法律(昭和二十七年法律第百十号)第二条の規定により使用させている固定資産

 前各号に掲げるもののほか、地方税法第三百四十八条第二項第一号、第三号から第六号まで、第八号から第十一号まで及び第十二号に掲げる固定資産(第二号に掲げるものを除き、住宅(専ら人の居住の用に供する家屋をいう。以下同じ。)及び住宅の用に供する土地を除く。)並びに同条第九項各号に掲げる固定資産

 前各号に掲げるもののほか、これらに類する固定資産で政令で定めるもの💬 参照

 国又は地方公共団体は、第一項第二号に掲げる固定資産のうち、前項第二号及び第四号に掲げるもの、地方税法第三百四十八条第二項第五号に掲げるもの、税関、出入国管理及び検疫の用に供するものその他の固定資産で政令で定めるものについては、第一項の規定にかかわらず、市町村交付金を交付しない。💬 参照

 国は、独立行政法人又は国立大学法人等(国立大学法人及び大学共同利用機関法人をいう。以下この項において同じ。)に出資した固定資産のうち、当該独立行政法人又は国立大学法人等が当該年度において地方税法第五条第二項第二号及び第七百四十条の固定資産税(以下「固定資産税」という。)を課されるべきものについては、第一項の規定にかかわらず、当該年度分の市町村交付金を交付しない。💬 参照

 地方公共団体は、地方独立行政法人に出資した固定資産のうち、当該地方独立行政法人が当該年度において固定資産税を課されるべきものについては、第一項の規定にかかわらず、当該年度分の市町村交付金を交付しない。

(交付金額の算定)

 市町村交付金として交付すべき金額(以下「交付金額」という。)は、交付金算定標準額に百分の一・四を乗じて得た額とする。💬 参照

 前項の交付金算定標準額は、固定資産の価格とする。

 国又は地方公共団体が所有する固定資産に係る前項の固定資産の価格は、それぞれ国有財産法第三十二条第一項の台帳若しくは物品管理法(昭和三十一年法律第百十三号)第三十六条の帳簿又は地方公共団体がその所有する財産について備える台帳(以下「国有財産台帳等」という。)に記載され、又は記録された当該固定資産の価格とする。ただし、国有財産法第四条第二項の各省各庁の長(以下「各省各庁の長」という。)又は地方公共団体の長が第八条又は第九条第二項の規定によつて交付金算定標準額の基礎とすべき価格を通知した固定資産第十条第一項に規定する固定資産を除く。)については、当該通知に係る固定資産の価格とし、第十条第一項に規定する固定資産については、各省各庁の長又は地方公共団体の長が同条同項、第二項又は第四項の規定によつて配分し、及び通知した価格とする。💬 参照

(交付金算定標準額の特例)

 第二条第一項第一号及び第二号に掲げる固定資産のうち住宅及び住宅の用に供する土地に係る交付金算定標準額は、前条第二項の規定にかかわらず、同項の価格の五分の二(一般住宅用地(地方税法第三百四十九条の三の二第一項に規定する住宅用地で小規模住宅用地(同条第二項に規定する小規模住宅用地をいう。以下この項において同じ。)以外のものをいう。)に相当する土地にあつては前条第二項の価格の三分の一、小規模住宅用地に相当する土地にあつては同項の価格の六分の一)の額とする。

 第二条第一項第二号に掲げる固定資産(前項の規定の適用を受けるものを除く。)に係る交付金算定標準額は、前条第二項の規定にかかわらず、同項の価格の二分の一の額とする。

 第二条第一項第五号に掲げるダムの用に供する固定資産のうち家屋及び償却資産に係る交付金算定標準額は、前条第二項の規定にかかわらず、当該家屋及び償却資産について市町村交付金が交付されることとなつた年度から五年度分の市町村交付金については、同項の価格の二分の一の額とし、その後五年度分の市町村交付金については、同項の価格の四分の三の額とする。

(大規模の償却資産に係る交付金算定標準額の特例等)

 国又は地方公共団体は、各省各庁の長がそれぞれ管理し、又は一の地方公共団体が所有する償却資産のうち第二条の規定によつて市町村交付金を交付すべきもので一の市町村(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市を除く。以下この条及び次条において同じ。)内に所在するものに係る交付金算定標準額となるべき価格(前条の規定の適用を受けるものにあつては、同条の規定によつて交付金算定標準額となるべき額とする。以下同じ。)の合計額が次の表の上欄に掲げる市町村において同表の下欄に掲げる金額を超えるもの(以下「大規模の償却資産」という。)については、前二条の規定にかかわらず、同表の下欄に掲げる金額(人口三万人以上の市町村にあつては、当該大規模の償却資産の交付金算定標準額となるべき価格の十分の四の額が当該市町村に係る同表の下欄に掲げる金額を超えるときは、当該交付金算定標準額となるべき価格の十分の四の額とする。以下この条及び次条において「大規模の償却資産に係る算定定額」という。)を交付金算定標準額として当該市町村に市町村交付金を交付するものとする。💬 参照

市町村の区分金額
人口五千人未満の町村五億円
人口五千人以上一万人未満の市町村人口六千人未満の場合にあつては五億四千四百万円、人口六千人以上の場合にあつては五億四千四百万円に人口五千人から計算して人口千人を増すごとに四千四百万円を加算した額
人口一万人以上三万人未満の市町村人口一万二千人未満の場合にあつては七億六千八百万円、人口一万二千人以上の場合にあつては七億六千八百万円に人口一万人から計算して人口二千人を増すごとに四千八百万円を加算した額
人口三万人以上二十万人未満の市町村人口三万五千人未満の場合にあつては十二億八千万円、人口三万五千人以上の場合にあつては十二億八千万円に人口三万人から計算して人口五千人を増すごとに八千万円を加算した額
人口二十万人以上の市四十億円

 前年度の地方交付税の算定の基礎となつた基準財政収入額からこれに算入された大規模の償却資産に係る市町村交付金の収入見込額(地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条第二項の基準率をもつて算定した市町村交付金の収入見込額をいう。以下この項において同じ。)を控除した額に、当該大規模の償却資産について前項の規定を適用した場合において当該年度分として交付されるべき市町村交付金の収入見込額を加算した額(以下この項において「基準財政収入見込額」という。)が前年度の地方交付税の算定の基礎となつた基準財政需要額(以下この項において「前年度の基準財政需要額」という。)の百分の百六十に満たないこととなる市町村については、当該市町村の大規模の償却資産に係る算定定額を、基準財政収入見込額が前年度の基準財政需要額の百分の百六十に達することとなるように増額して前項の規定を適用する。この場合において、当該市町村に大規模の償却資産が二以上あるときは、当該大規模の償却資産のうち交付金算定標準額となるべき価格の低いものから順次当該価格を限度として当該市町村の基準財政収入見込額が前年度の基準財政需要額の百分の百六十に達することとなるように当該市町村の大規模の償却資産に係る算定定額を増額するものとする。💬 参照

 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、当該各省各庁の長が管理し、又は当該地方公共団体が所有する償却資産で交付金算定標準額となるべき価格の合計額が第一項の表の上欄に掲げる市町村において同表の下欄に掲げる金額を超えるものがある場合においては、前年の九月三十日までに、総務省令で定めるところにより、当該償却資産の交付金算定標準額となるべき価格の合計額その他必要な事項を当該償却資産が所在する市町村を包括する都道府県の知事に通知しなければならない。ただし、前年前に通知した事項に異動がないものについては、この限りでない。

 市町村長は、第七条、第八条若しくは第九条第二項の規定によつて固定資産の価格の通知を受けた場合又は第十条第一項、第二項若しくは第四項の規定によつて固定資産の価格の配分の通知を受けた場合において、当該各省各庁の長が管理し、又は当該地方公共団体が所有する償却資産についてその交付金算定標準額となるべき価格の合計額が第一項の表の上欄に掲げる市町村において当該市町村の大規模の償却資産に係る算定定額(第二項の規定によつて当該金額を増額したときは、当該増額された後の金額とする。)を超えるものがあるときは、遅滞なく、総務省令で定めるところにより、当該償却資産の交付金算定標準額となるべき価格の合計額その他必要な事項を当該市町村を包括する都道府県の知事に通知しなければならない。💬 参照

(新設大規模償却資産に係る交付金算定標準額の特例)

 国又は地方公共団体は、各省各庁の長がそれぞれ管理し、又は一の地方公共団体が所有する償却資産のうち第二条の規定によつて市町村交付金を交付すべきもので、一の市町村内に所在する新たに建設された一の工場又は発電所若しくは変電所(以下この項において「一の工場」と総称する。)(一の工場に増設された設備で一の工場に類すると認められるものを含む。)の用に供するものに係る交付金算定標準額となるべき価格の合計額が、当該償却資産について同条の規定によつて市町村交付金を交付することとなつた最初の年度から五年度間のうちいずれか一の年度において、前条第一項の表の上欄に掲げる市町村において同表の下欄に掲げる金額を超えることとなるもの(以下この条において「新設大規模償却資産」という。)がある場合においては、当該超えることとなつた最初の年度から六年度分の市町村交付金に限り、地方税法第三百四十九条の五第一項及び第二項並びに同条第五項に基づく政令の規定の例により、当該市町村の大規模の償却資産に係る算定定額を増額して前条第一項の規定を適用し、当該新設大規模償却資産に係る交付金算定標準額となるべき金額を算定し、及び当該金額を交付金算定標準額として市町村交付金を交付するものとする。💬 参照

 一の市町村の区域内に新設大規模償却資産が二以上ある場合及び新設大規模償却資産と新設大規模償却資産以外の大規模の償却資産とがある場合における当該新設大規模償却資産又は当該大規模の償却資産について大規模の償却資産に係る算定定額を増加するための計算方法は、地方税法第三百四十九条の五第三項及び第四項に基く総務省令の規定の例による。

(台帳価格等の通知)

 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、当該各省各庁の長が管理し、又は当該地方公共団体が所有する固定資産のうち第二条の規定によつて市町村交付金を交付すべきものについて、総務省令で定めるところにより、前年の三月三十一日現在において国有財産台帳等に記載され、又は記録された当該固定資産の価格その他交付金額の算定に関し必要な事項を前年の十一月三十日までに当該固定資産の所在地の市町村長に通知するものとする。ただし、前年前に通知した事項に異動がないものについては、この限りでない。💬 参照

(価格の修正通知)

 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、第二条の規定によつて市町村交付金を交付すべき固定資産について、国有財産台帳等に記載され、又は記録された当該固定資産の価格が当該固定資産に類似する固定資産で固定資産税を課されるものに係る固定資産税の課税標準の基礎となるべき価格と著しく異なると認める場合においては、前年の十一月三十日までに、国有財産台帳等に記載され、又は記録された固定資産の価格と異なる価格を当該固定資産の所在地の市町村長に当該固定資産に係る交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格として通知することができる。この場合においては、各省各庁の長又は地方公共団体の長は、当該通知に係る固定資産の価格の算定の根拠をあわせて通知しなければならない。💬 参照

(価格の修正の申出等)

 市町村長は、当該市町村内に所在する各省各庁の長が管理し、又は地方公共団体が所有する固定資産で第二条の規定によつて市町村交付金を交付されるべきものについては、国有財産台帳等に価格が記載され若しくは記録されていないものがある場合又は国有財産台帳等に記載され若しくは記録された当該固定資産の価格若しくは前条の規定による通知に係る当該固定資産の価格が当該固定資産に類似する固定資産で固定資産税を課されるものに係る固定資産税の課税標準の基礎となるべき価格と著しく異なると認める場合においては、前年の十二月三十一日までに、当該固定資産を管理する各省各庁の長又は当該固定資産を所有する地方公共団体の長に対して、その理由をつけて、交付金算定標準額の基礎とすべき価格として当該固定資産の価格を通知し、又は国有財産台帳等に記載され若しくは記録された当該固定資産の価格と異なる価格若しくは前条の規定による通知に係る固定資産の価格を修正した価格を交付金算定標準額の基礎とすべき価格として通知すべき旨を申し出ることができる。💬 参照

 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、前項の申出があつた場合において、その申出について正当な理由があると認めるときは、交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格を当該固定資産の所在地の市町村長に通知しなければならない。💬 参照

 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、第一項の申出があつた場合において、その申出について正当な理由がないと認めたため、交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格を通知しないときは、その旨及びその理由を当該固定資産の所在地の市町村長に通知しなければならない。

 前二項の規定による通知は、おそくとも第一項の申出のあつた日から起算して二月以内にしなければならない。

 市町村長は、第一項の申出をした場合において、当該申出をした日から起算して二月以内に第二項若しくは第三項の通知がないとき、又は当該通知に係る事項について不服があるときは、総務大臣に対してその旨を申し出ることができる。

 総務大臣は、前項の申出を受けた場合において、その申出について正当な理由があると認めるときは、各省各庁の長又は地方公共団体の長に対してその意見を申し出ることができる。

(二以上の市町村にわたる固定資産の価格の配分等)

 第二条第一項第一号、第二号、第四号又は第五号に掲げる固定資産のうち、船舶その他二以上の市町村にわたつて使用される償却資産又は空港の用に供する固定資産、発電、変電若しくは送電の用に供する固定資産、水道若しくは工業用水道の用に供するダムの用に供する固定資産その他二以上の市町村にわたつて所在する固定資産については、当該固定資産を管理する各省各庁の長又は当該固定資産を所有する地方公共団体の長は、総務省令で定めるところにより、当該固定資産が所在するものとされる市町村を定め、及び国有財産台帳等に記載され又は記録された当該固定資産の価格第八条の規定によつて交付金算定標準額の基礎とすべき価格を通知した固定資産にあつては、当該通知に係る固定資産の価格とする。)を当該市町村に配分し、これを前年の十一月三十日までに当該市町村の市町村長に通知しなければならない。💬 参照

 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、前項の通知をした後において、前条第二項(第四項において準用する場合を含む。)の規定により交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格を通知した場合においては、前項の規定によつて配分し、及び通知した価格を修正し、これを当該市町村の市町村長に通知しなければならない。

 第一項の規定によつて固定資産の価格の配分を受けるべきであると認められるのにかかわらず配分を受けなかつた市町村の市町村長又は同項の規定による固定資産の価格の配分に錯誤があると認める市町村長は、前年の十二月三十一日までに、当該固定資産を管理する各省各庁の長又は当該固定資産を所有する地方公共団体の長に対して、その理由をつけて、当該市町村に固定資産の価格を配分し、又は当該市町村に配分すべき固定資産の価格を修正すべきことを申し出ることができる。

 前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格を当該固定資産の所在地の市町村長」とあるのは「当該市町村に固定資産の価格を配分し、又は当該市町村に配分すべき固定資産の価格を修正して市町村長」と、同条第三項中「交付金算定標準額の基礎とすべき固定資産の価格を通知しないときは、」とあるのは「当該市町村に固定資産の価格を配分せず、又は当該市町村に配分した固定資産の価格を修正しないときは、」と読み替えるものとする。💬 参照

(交付金の請求)

 市町村長は、総務省令で定めるところにより、国が所有する固定資産については当該固定資産を管理する各省各庁の長に、地方公共団体が所有する固定資産については当該固定資産を所有する地方公共団体の長に対して、毎年四月三十日までに、交付金交付請求書を送付するものとする。💬 参照

 前項の交付金交付請求書には、総務省令で定める様式により、固定資産の価格、当該固定資産に係る交付金算定標準額及び交付金額その他必要な事項を記載しなければならない。

(交付金の交付)

 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、前条第一項の交付金交付請求書の送付を受けた場合においては、毎年六月三十日までに、当該交付金交付請求書に記載された交付金額を固定資産所在の市町村に交付するものとする。💬 参照

(違法又は錯誤に係る交付金額の修正)

 各省各庁の長又は地方公共団体の長は、交付金額の算定について違法又は錯誤があると認める場合においては、第十一条第一項の交付金交付請求書の送付を受けた日から起算して三十日以内に、市町村長に対して当該交付金交付請求書に記載された交付金額の修正を求めることができる。💬 参照

 市町村長は、前項の求めがあつた場合において交付金額の算定について違法又は錯誤があると認めるときは、第十一条第一項の交付金交付請求書に記載された交付金額を修正しなければならない。

(都道府県に対する交付金の交付)

 国又は地方公共団体は、大規模の償却資産が所在する市町村を包括する都道府県に対して、当該大規模の償却資産に係る交付金算定標準額となるべき価格のうち第五条第一項及び第二項並びに第六条の規定によつて当該大規模の償却資産所在の市町村の市町村交付金の交付金算定標準額となるべき額を超える部分の額を交付金算定標準額として国有資産等所在都道府県交付金(以下「都道府県交付金」という。)を交付するものとする。💬 参照

 都道府県知事は、国又は地方公共団体が所有する償却資産で前項の規定によつて当該都道府県に対して都道府県交付金が交付されるべきであると認められるものがある場合においては、前年の十月三十一日までに、これを指定し、その旨を当該償却資産を管理する各省各庁の長又は当該償却資産を所有する地方公共団体の長及び当該償却資産の所在地の市町村長に通知するものとする。

 都道府県知事は、第一項の規定によつて都道府県交付金を交付するものとされる償却資産に係る交付金算定標準額となるべき価格及び都道府県交付金に係る交付金算定標準額を、毎年一月三十一日までに、当該償却資産を管理する各省各庁の長又は当該償却資産を所有する地方公共団体の長及び当該償却資産の所在地の市町村長に通知しなければならない。

 第三条第一項、第七条から第九条まで、第十一条から前条まで及び第十八条の規定は、第一項の都道府県交付金の交付について準用する。💬 参照

(都の特例)

 都の特別区の存する区域内に所在する国又は地方公共団体の所有する固定資産について交付すべき市町村交付金は、都に対して交付するものとする。この場合においては、第七条の規定による台帳価格等の通知、第八条の規定による固定資産の価格の通知、第九条の規定による価格の修正の申出若しくはこれに係る通知、第十条の規定による固定資産の価格の配分の通知及びこれに係る修正の申出、第十一条の規定による市町村交付金の請求又は第十三条の規定による交付金額の修正の要求は、それぞれ都知事が行い、又は都知事に対して行うものとする。

 前項の規定によつて都に対して市町村交付金を交付する場合においては、第五条及び第六条の規定は、適用しない。

 都の特別区の存する区域に対する第十条第一項の規定の適用については、同項中「二以上の市町村」とあるのは、「二以上の市町村(都の特別区の存する区域にあつては、特別区の存する区域を合して一の市の区域とみなす。)」とする。

(使用料等の限度額の特例)

 地方公共団体が所有する第二条第一項第一号に掲げる固定資産の使用料等(使用料、貸付料その他何らの名義をもつてするを問わず、当該固定資産を使用する者がその使用について支払うべき金額をいう。以下同じ。)の限度額について法律の定めがある場合において、当該限度額の算定の基礎に固定資産税に相当する額が加算されていないときは、地方公共団体は、当該固定資産については、当該法律の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、当該固定資産につき交付されることとなるべき市町村交付金又は都道府県交付金の交付金額に相当する額を超えない範囲内の額を当該法律に規定する使用料等の限度額に加算した額をもつて当該法律に規定する使用料等の限度額とすることができる。

(交付金の交付の特例等)

 市町村が所有する第二条第一項第一号若しくは第四号に掲げる固定資産が当該市町村の区域内に所在する場合若しくは都が所有する同項第一号若しくは第四号に掲げる固定資産が都の特別区の存する区域内に所在する場合又は都道府県が所有する大規模の償却資産が当該都道府県の区域内に所在する場合において、当該固定資産又は大規模の償却資産がそれぞれ当該市町村又は都道府県の特別会計に所属するものであるときは、当該市町村又は都道府県は、当該固定資産又は大規模の償却資産につき、第三条から第六条まで又は第十四条第一項の規定の例によつて算定した市町村交付金又は都道府県交付金に係る交付金額に相当する額を当該特別会計から一般会計に繰り入れることができる。

 前項の場合においては、当該一般会計に繰り入れた額は、当該固定資産につき交付されることとなるべき市町村交付金又は都道府県交付金の交付金額に相当する額とみなして前条の規定を適用する。

(国有財産台帳等の閲覧の請求等)

 市町村長は、交付金額の算定のため必要があると認める場合においては、各省各庁の長若しくは地方公共団体の長に対して国有財産台帳等の閲覧を求め、又は国有財産台帳等に記載され、若しくは記録された事項を記録することができる。この場合においては、各省各庁の長又は地方公共団体の長は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。💬 参照

(空港の用に供する固定資産の所有者等)

 空港法第四条の規定により国土交通大臣が管理する空港の用に供する固定資産で地方公共団体が所有するものについては国が、同法第五条第一項の規定により地方公共団体が管理する空港の用に供する固定資産で国が所有するものについては当該空港を管理する地方公共団体が所有する第二条第一項第二号の固定資産とみなして、この法律の規定を適用する。この場合において、地方公共団体が所有する固定資産にあつては地方公共団体の長、国が所有する固定資産にあつては当該固定資産を管理する各省各庁の長は、国有財産台帳等に記載され、又は記録された当該固定資産の価格を前年の六月三十日までに当該空港を管理する者に通知するものとする。ただし、前年前に通知した事項に異動がないものについては、この限りでない。💬 参照

 空港法第四条の規定により国土交通大臣が管理する空港の用に供する固定資産で国土交通大臣以外の各省各庁の長が国有財産法の規定により管理するものについては、第七条、第十条第一項及び第二項、第十一条第一項並びに第十二条の規定にかかわらず、第七条の通知、第十条第一項の市町村の決定及び配分の通知、同条第二項の修正の通知並びに第十二条の市町村交付金の交付は国土交通大臣が行い、第十一条第一項の交付金交付請求書は市町村長が国土交通大臣に対して送付するものとする。この場合においては、前項後段の規定を準用する。

(多目的ダムに係る市町村交付金等)

 特定多目的ダム法(昭和三十二年法律第三十五号)第二条第一項に規定する多目的ダムについては、当該多目的ダムの用に供する固定資産のうち発電又は水道若しくは工業用水道の用に供する部分を、国土交通大臣が管理する場合(同法第十七条の規定によるダム使用権の設定前の場合を含む。)にあつては国が、都道府県知事が管理する場合にあつては当該都道府県が所有する第二条第一項第四号に掲げる固定資産又は同項第五号に掲げるダムの用に供する固定資産と、当該固定資産につき政令で定める方法により算出した額を国有財産台帳等に記載され又は記録された当該固定資産の価格とみなして、この法律の規定第十八条を除く。)を適用する。💬 参照

(端数計算)

 交付金算定標準額を計算する場合において、その額に千円未満の端数があるとき、又はその全額が千円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。

 交付金額の確定金額に百円未満の端数があるとき、又はその全額が百円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。

(政令への委任)

 この法律に定めるもののほか、交付金額の算定、市町村交付金及び都道府県交付金の交付手続、市町村の廃置分合又は境界変更があつた場合(都道府県の境界にわたつて市町村の設置又は境界の変更があつたため都道府県の境界に変更があつた場合を含む。)におけるこの法律の規定の適用の特例その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

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