所得税基本通達 法第51条(資産損失の必要経費算入)関係
(ソフトウエアの除却)
ソフトウエアにつき物理的な除却、廃棄、消滅等がない場合であっても、次に掲げるように当該ソフトウエアを今後業務の用に供しないことが明らかな事実があるときは、当該ソフトウエアの未償却残高から処分見込価額を控除した金額を必要経費に算入することができる。(平12課所4-30追加)
自己の業務の用に供するソフトウエアについて、そのソフトウエアによるデータ処理の対象となる業務が廃止され、当該ソフトウエアを利用しなくなったことが明らかな場合、又はハードウエアやオペレーティングシステムの変更等によって他のソフトウエアを利用することになり、従来のソフトウエアを利用しなくなったことが明らかな場合
複写して販売するための原本となるソフトウエアについて、新製品の出現、バージョンアップ等により、今後、販売を行わないことが販売流通業者への通知文書等で明らかな場合
(親族の有する固定資産について生じた損失)
不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を営む者が自己と生計を一にする配偶者その他の親族の有する固定資産又は繰延資産を当該事業の用に供している場合には、当該事業を営む者が当該資産を所有しているものとみなして法第51条第1項の規定を適用することができるものとする。ただし、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族が法第72条第1項(雑損控除)の規定の適用を受ける場合は、この限りでない。
(保険金等の見込控除)
法第51条第1項、第3項又は第4項に規定する「保険金、損害賠償金その他これらに類するもの」(以下この項において「保険金等」という。)の額が損失の生じた年分の確定申告書を提出する時までに確定していない場合には、当該保険金等の見積額に基づいてこれらの規定を適用する。この場合において、後日、当該保険金等の確定額と当該見積額とが異なることとなったときは、そ及して各種所得の金額を訂正するものとする。(昭49直所2-23改正)💬 参照
山林に係る保険金等の額のうち法第51条第3項に規定する損失の金額を超える部分の金額は、令第94条第1項(事業所得の収入金額とされる保険金等)の規定により、その確定した年分の事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上総収入金額に算入される。
(事業の遂行上生じた売掛金、貸付金等に準ずる債権)
自己の事業の用に供する資金の融資を受ける手段として他から受取手形を取得し、その見合いとして借入金を計上し、又は支払手形を振り出している場合のその受取手形に係る債権
自己の製品の販売強化、企業合理化等のため、特約店、下請先等に貸し付けている貸付金
事業上の取引のため、又は事業の用に供する建物等の賃借りのために差し入れた保証金、敷金、預け金等の債権
使用人に対する貸付金又は前払給料、概算払旅費等
(貸金等の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ)
貸金等について次に掲げる事実が発生した場合には、その貸金等の額のうちそれぞれ次に掲げる金額は、その事実の発生した日の属する年分の当該貸金等に係る事業の所得の金額の計算上必要経費に算入する。(昭57直所3-1、平11課所4-25、平12課所4-30、平16課個2-23、課資3-7、課法8-8、課審4-33、平18課個2-18、課資3-10、課審4-114、平22課個2-16、課法9-1、課審4-30改正)💬 参照
更生計画認可の決定又は再生計画認可の決定があったこと。 これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額
特別清算に係る協定の認可の決定があったこと。 この決定により切り捨てられることとなった部分の金額
法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で、次に掲げるものにより切り捨てられたこと。 その切り捨てられることとなった部分の金額
債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの
行政機関又は金融機関その他の第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容がイに準ずるもの
債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その貸金等の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し債務免除額を書面により通知したこと。 その通知した債務免除額
(一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸倒れ)
債務者について次に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対して有する売掛債権(売掛金、未収請負金その他これらに準ずる債権をいい、貸付金その他これに準ずる債権を含まない。以下この項において同じ。)の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れになったものとして、当該売掛債権に係る事業の所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。(昭46直審(所)19、昭57直所3-1改正)💬 参照
債務者との取引の停止をした時(最後の弁済期又は最後の弁済の時が当該停止をした時より後である場合には、これらのうち最も遅い時)以後1年以上を経過したこと(当該売掛債権について担保物のある場合を除く。)。
同一地域の債務者について有する売掛債権の総額がその取立てのために要する旅費その他の費用に満たない場合において、当該債務者に対し支払を督促したにもかかわらず弁済がないこと。
(1)の取引の停止は、継続的な取引を行っていた債務者につきその資産状況、支払能力等が悪化したため、その後の取引を停止するに至った場合をいうのであるから、例えば、不動産取引のようにたまたま取引を行った債務者に対して有する当該取引に係る売掛債権については、この取扱いの適用はない。
(金銭債権の譲渡損失)
金銭債権を譲渡したことにより生じた損失の金額については、当該損失が当該譲渡により実質的に贈与したと認められる場合に生じたものである場合を除き、当該損失の金額に相当する金額の貸倒れによる損失が生じたものとして、法第51条第2項若しくは第4項、第63条(事業を廃止した場合の必要経費の特例)又は第64条(資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例)の規定を適用する。
(返品により減少した収入金額の処理)
令第141条第1号(必要経費に算入される損失の生ずる事由)に規定する販売した商品の返戻により減少することとなる収入金額は、その商品の返戻につき、その発送をした旨の通知を受けた日(その商品の返戻について承諾を必要とする場合には、その承諾をした日)の属する年分の総売上高から控除する。ただし、その者が継続して同一の経理を行うときは、その商品を受け取った日の属する年分の総売上高から控除して差し支えない。(平11課所4-1改正)
(返品債権特別勘定の設定)
出版業を営む者で青色申告書を提出する居住者のうち、常時、その販売する出版業に係る棚卸資産の大部分につき、一定の特約を結んでいるもの(以下この項において「特定事業者」という。)が、雑誌(週刊誌、旬刊誌、月刊誌等の定期刊行物に限る。以下51-21までにおいて同じ。)の販売に関し、その取次業者又は販売業者(以下この項においてこれらの者を「販売業者」という。)との間に次の(1)及び(2)に掲げる事項を内容とする特約を結んでいる場合には、その販売した年において51-21に定める繰入限度額以下の金額を返品債権特別勘定に繰り入れ、その繰り入れた金額に相当する金額をその年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。(平11課所4-1、平30課個2-19、課審5-2改正)
その年12月31日において販売業者がまだ販売していない雑誌(その年最後の発行に係るものを除く。以下51-21までにおいて「店頭売れ残り品」という。)に係る売掛金に対応する債務を同日において免除すること。
店頭売れ残り品をその年12月31日において当該特定事業者に帰属させること。
一定の特約とは、次に掲げる事項を内容とする特約とする。
販売業者からの求めに応じ、その販売した棚卸資産を当初の販売価額によって無条件に買い戻すこと。
販売業者において、当該特定事業者から棚卸資産の送付を受けた場合にその注文によるものかどうかを問わずこれを購入すること。
(返品債権特別勘定の繰入限度額)
返品債権特別勘定の繰入限度額は、次のいずれかの金額とする。(平11課所4-1、平30課個2-19、課審5-2改正)
その年12月31日における雑誌の販売に係る売掛金(その年最後の発行に係るものを除く。)の帳簿価額の合計額に当該雑誌の返品率を乗じて計算した金額から店頭売れ残り品の同日における価額に相当する金額を控除した金額
その年12月31日以前2月間における雑誌の販売の対価の額(その年最後の発行に係るものを除く。)の合計額に当該雑誌の返品率を乗じて計算した金額から店頭売れ残り品の同日における価額に相当する金額を控除した金額
上記(1)及び(2)の返品率とは、その年及びその前年における当該雑誌の販売の対価の額の合計額のうちに51-20(注)1に規定する特約に基づく当該雑誌の買戻しに係る対価の額の合計額の占める割合をいう。
(返品債権特別勘定の金額の総収入金額算入)
返品債権特別勘定の金額は、その繰り入れた年の翌年分の事業所得の金額の計算上総収入金額に算入する。(平11課所4-1改正)
(明細書の添付)
返品債権特別勘定への繰入れを行う場合には、その繰入れを行う年分に係る確定申告書に、返品債権特別勘定の繰入額の計算に関する明細を記載した書類を添付するものとする。(平11課所4-1改正)
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