地方税法
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地方税法

第四節 第二次納税義務

(第二次納税義務の通則)

 地方団体の長は、納税者又は特別徴収義務者の地方団体の徴収金を次条から第十一条の十まで又は第十二条の二第二項若しくは第三項の規定により第二次納税義務を有する者(以下「第二次納税義務者」という。)から徴収しようとするときは、その者に対し、納付又は納入すべき金額、納付又は納入の期限及び納付又は納入の場所その他必要な事項を記載した納付又は納入の通知書により告知しなければならない。💬 参照

 第二次納税義務者が地方団体の徴収金を前項の納付又は納入の期限までに完納しないときは、地方団体の長は、第十三条の二の規定により繰上徴収をする場合を除き、その期限後二十日以内に納付又は納入の催告書を発して督促しなければならない。

 第二次納税義務者の財産の換価は、その財産の価額が著しく減少するおそれがあるときを除き、第一項の納税者又は特別徴収義務者の財産を換価に付した後でなければ、することができない。💬 参照

 第二次納税義務者が第一項の告知、第二項の督促又はこれらに係る地方団体の徴収金に関する滞納処分につき出訴したときは、その訴の係属する間は、その財産の換価をすることができない。

 次条から第十一条の十まで並びに第十二条の二第二項及び第三項の規定は、第二次納税義務者から第一項の納税者又は特別徴収義務者に対してする求償権の行使を妨げない。

(合名会社等の社員の第二次納税義務)

 合名会社若しくは合資会社又は税理士法人、弁護士法人、外国法事務弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人、弁理士法人、司法書士法人、行政書士法人、社会保険労務士法人若しくは土地家屋調査士法人が地方団体の徴収金を滞納した場合において、その財産につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、その社員(合資会社及び監査法人にあつては、無限責任社員)は、当該滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。この場合において、その社員は、連帯してその責めに任ずる。💬 参照

(清算人等の第二次納税義務)

 法人が解散した場合において、その法人に課されるべき、又はその法人が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金を納付し、又は納入しないで残余財産の分配又は引渡しをしたときは、その法人に対し滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合に限り、清算人及び残余財産の分配又は引渡しを受けた者(前条の規定の適用を受ける者を除く。以下この項において同じ。)は、当該滞納に係る地方団体の徴収金につき第二次納税義務を負う。ただし、清算人は分配又は引渡しをした財産の価額を限度として、残余財産の分配又は引渡しを受けた者はその受けた財産の価額を限度として、それぞれその責めに任ずる。💬 参照

 信託法第百七十五条に規定する信託が終了した場合において、その信託に係る清算受託者(同法第百七十七条に規定する清算受託者をいう。以下この項において同じ。)に課されるべき、又はその清算受託者が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金(その納付し、又は納入する義務が信託財産責任負担債務となるものに限る。以下この項において同じ。)を納付しないで信託財産に属する財産を残余財産受益者等(同法第百八十二条第二項に規定する残余財産受益者等をいう。以下この項において同じ。)に給付をしたときは、その清算受託者に対し滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合に限り、清算受託者(信託財産に属する財産のみをもつて当該地方団体の徴収金を納付し、又は納入する義務を履行する責任を負う清算受託者に限る。以下この項において「特定清算受託者」という。)及び残余財産受益者等は、その滞納に係る地方団体の徴収金につき第二次納税義務を負う。ただし、特定清算受託者は給付をした財産の価額の限度において、残余財産受益者等は給付を受けた財産の価額の限度において、それぞれその責めに任ずる。

(同族会社の第二次納税義務)

 滞納者がその者を判定の基礎となる株主又は社員として選定した場合に法人税法第二条第十号に規定する会社に該当する会社(以下本章において「同族会社」という。)の株式又は出資を有する場合において、その株式又は出資につき次に掲げる理由があり、かつ、その者の財産(当該株式又は出資を除く。)につき滞納処分をしてもなお徴収すべき地方団体の徴収金に不足すると認められるときは、その者の有する当該株式又は出資(当該滞納に係る地方団体の徴収金の法定納期限(この法律又はこれに基づく条例の規定により地方税を納付し、又は納入すべき期限(修正申告、期限後申告、更正若しくは決定、繰上徴収又は徴収の猶予に係る期限その他政令で定める期限を除く。)をいい、地方税で納期を分けているものの第二期以降の分については、その第一期分の納期限をいい、督促手数料、延滞金、過少申告加算金、不申告加算金、重加算金及び滞納処分費については、その徴収の基因となつた地方税の当該期限をいう。以下本章において同じ。)の一年前までに取得したものを除く。)の価額を限度として、当該会社は、当該滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。💬 参照

 その株式又は出資を再度換価に付してもなお買受人がないこと。

 その株式若しくは出資の譲渡につき法律若しくは定款に制限があり、又は株券の発行がないため、これらを譲渡することにつき支障があること。

 前項の同族会社の株式又は出資の価額は、第十一条第一項の納付又は納入の通知書を発する時における当該会社の資産の総額から負債の総額を控除した額をその株式又は出資の数で除した額を基礎として計算した額による。

 第一項の同族会社であるかどうかの判定は、第十一条第一項の納付又は納入の通知書を発する時の現況による。

(実質課税額等の第二次納税義務)

 滞納者の次の各号に掲げる地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、第一号に定める者は同号に規定する収益が生じた財産(その財産の異動により取得した財産及びこれらの財産に基因して取得した財産(以下この条及び次条において「取得財産」という。)を含む。)を限度として、第二号に定める者は同号に規定する貸付けに係る財産(取得財産を含む。)を限度として、第三号に定める者はその受けた利益の額を限度として、第四号に定める者は同号に規定する事業の用に供する財産(取得財産を含む。)を限度として、それぞれその滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。💬 参照

 第二十四条の二の二若しくは第二百九十四条の二の二の規定により課された道府県民税若しくは市町村民税の所得割に係る地方団体の徴収金、道府県民税若しくは市町村民税の法人税割で法人税法第十一条の規定により課された法人税の課税に基づいて課されたものに係る地方団体の徴収金又は第七十二条の二の三の規定により課された事業税に係る地方団体の徴収金 その道府県民税若しくは市町村民税の所得割、法人税又は事業税の賦課の基因となつた収益が法律上帰属するとみられる者

 第七十二条の七十九の規定により課された地方消費税の譲渡割消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第二条第一項第八号に規定する貸付けに係る部分に限る。)に係る地方団体の徴収金 その地方消費税の譲渡割の賦課の基因となつた当該貸付けを法律上行つたとみられる者

 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第百五十七条の規定による計算がなされた所得に基づいて課された道府県民税若しくは市町村民税の所得割に係る地方団体の徴収金若しくは個人の事業税に係る地方団体の徴収金、法人税法第百三十二条、第百三十二条の二若しくは第百三十二条の三の規定による計算がなされた所得に基づいて課された道府県民税若しくは市町村民税の法人税割に係る地方団体の徴収金若しくは法人の事業税に係る地方団体の徴収金又は第七十二条の四十三の規定により課された法人の事業税に係る地方団体の徴収金 これらの規定により否認された納税者の行為(否認された計算の基礎となつた行為を含む。)につき利益を受けたものとされる者

 第七百一条の三十三の規定により課された事業所税に係る地方団体の徴収金 その事業所税の賦課の基因となつた事業を法律上行うとみられる者

(共同的な事業者の第二次納税義務)

 次の各号に掲げる者が納税者又は特別徴収義務者の事業の遂行に欠くことができない重要な財産を有し、かつ、当該財産に関して生ずる所得が納税者又は特別徴収義務者の所得となつている場合において、その納税者又は特別徴収義務者がその供されている事業に係る地方団体の徴収金を滞納し、その地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、当該各号に掲げる者は、当該財産(取得財産を含む。)を限度として、当該滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。💬 参照

 納税者又は特別徴収義務者が個人である場合 その者と生計を一にする配偶者その他の親族で納税者又は特別徴収義務者の経営する事業から所得を受けているもの

 納税者又は特別徴収義務者がその事実があつた時の現況において同族会社である場合 その判定の基礎となつた株主又は社員

(事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務)

 納税者又は特別徴収義務者が生計を一にする親族その他納税者又は特別徴収義務者と特殊の関係のある個人又は被支配会社(当該納税者を判定の基礎となる株主又は社員として選定した場合に法人税法第六十七条第二項に規定する会社に該当する会社をいい、これに類する法人を含む。)で政令で定めるものに事業を譲渡し、かつ、その譲受人が同一又は類似の事業を営んでいる場合において、納税者又は特別徴収義務者の当該事業に係る地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、その譲受人は、譲受財産の価額の限度において、当該滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。ただし、その譲渡が当該滞納に係る地方団体の徴収金の法定納期限より一年以上前にされている場合は、この限りでない。💬 参照

(無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)

 滞納者の地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合において、その不足すると認められることが、当該地方団体の徴収金の法定納期限の一年前の日以後に滞納者がその財産につき行つた政令で定める無償又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く。)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分に基因すると認められるときは、これらの処分により権利を取得し、又は義務を免れた者は、これらの処分により受けた利益が現に存する限度(これらの者がその処分の時にその滞納者の親族その他滞納者と特殊の関係のある個人又は同族会社(これに類する法人を含む。)で政令で定めるものであるときは、これらの処分により受けた利益の限度)において、当該滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。💬 参照

(偽りその他不正の行為により地方団体の徴収金を免れた株式会社の役員等の第二次納税義務)

 偽りその他不正の行為により地方団体の徴収金を免れ、又は地方団体の徴収金の還付を受けた株式会社、合資会社又は合同会社がその地方団体の徴収金を納付し、又は納入していない場合において、その株式会社、合資会社又は合同会社に対し滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められるとき(合資会社にあつては、第十一条の二の無限責任社員に対し滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合に限る。)は、その偽りその他不正の行為をしたその株式会社の役員又はその合資会社若しくは合同会社の業務を執行する有限責任社員(その役員又は有限責任社員を判定の基礎となる株主又は社員として選定した場合にその株式会社、合資会社又は合同会社が法人税法第六十七条第二項に規定する会社に該当する場合におけるその役員又は有限責任社員に限る。以下この条において「特定役員等」という。)は、その偽りその他不正の行為により免れ、若しくは還付を受けた地方団体の徴収金の額又はその株式会社、合資会社若しくは合同会社の財産のうち、その偽りその他不正の行為があつた時以後に、その特定役員等が移転を受けたもの及びその特定役員等が移転をしたもの(その株式会社、合資会社又は合同会社の取引の内容その他の事情を勘案して、当該取引の相手方との間で通常の取引の条件に従つて行われたと認められるその株式会社、合資会社又は合同会社の各事業年度の収益に係る売上原価、販売費又は一般管理費の額の基因となる取引その他の政令で定める取引として移転をしたものを除く。)の価額のいずれか低い額を限度として、当該滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。💬 参照

(自動車等の売主の第二次納税義務)

 第百四十五条第三号に規定する自動車又は第四百四十二条第三号に規定する軽自動車等(以下この条において「自動車等」という。)の買主が当該自動車等に対して課する自動車税の種別割又は軽自動車税の種別割に係る地方団体の徴収金を滞納した場合において、その者の財産につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、当該自動車等の売主は、当該自動車等の譲渡価額として政令で定める額を限度として、当該滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。💬 参照

 道府県又は市町村は、自動車等の所在及び買主の住所又は居所が不明である場合において、当該自動車等の売主が当該自動車等の売買に係る代金の全部又は一部を受け取ることができなくなつたと認められるときは、当該受け取ることができなくなつたと認められる額を限度として、当該自動車等の売主の前項の規定による第二次納税義務に係る地方団体の徴収金の納付の義務を免除するものとする。

 前項の規定は、自動車等の売主から同項の規定の適用があるべき旨の申告があり、当該申告が真実であると認められるときに限り、適用する。

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