裁決要旨 3第二次納税義務
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令070046
- 裁決年月日
- 令和7年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.141
要旨
○ 請求人は、請求人が滞納者から受けた土地6筆(本件各土地)の贈与(本件贈与)に係る、国税徴収法(徴収法)第39条≪無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務≫に規定する「受けた利益」の額は、本件各土地の固定資産税評価額から算出される実勢価格又は請求人が依頼した不動産業者による査定額に基づくべきであり、原処分庁が判断した請求人の「受けた利益」の額は、当該金額が社会通念上不相当に高額で違法である旨、また、審判所において不動産鑑定士による本件各土地の鑑定評価を実施して、その鑑定評価額に基づいて算出される「受けた利益」の額を超える部分を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、徴収法第39条に規定する「受けた利益」の額の算定に当たっては、公売財産の評価に準じて算定するのが相当であり、審判所において行った不動産鑑定士による鑑定評価に不合理な点はなく、同評価による鑑定評価額を本件贈与時における本件各土地の時価であると認めるのが相当であり、原処分庁の主張額は、当該鑑定評価による金額の範囲内であるから取り消すべき部分はない。(令7.10.23 大裁(諸)令7-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070033
- 裁決年月日
- 令和7年10月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.141
要旨
○ 原処分庁は、債権者(本件債権者)から金銭を借り受けた債務者(本件債務者)の債務(本件債務)の連帯保証人であった本来の納税義務者(滞納者)が、自己所有土地を競売による売却手続によって売却されたことにより、滞納者が本件債務者に対する求償債権(本件求償債権)を取得し、その後、滞納者が本件債務者に対し本件求償債権を免除した(本件債務免除)という事実関係において(その後、請求人が本件債務者を吸収合併した。)、本件債務免除時に、本件債権者が滞納者に対し、本件求償債権を放棄するよう求めていた事情は存せず、本件求償債権の全部又は一部の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるような特別な事情があったとは認められないことから、請求人が本件債務免除により受けた利益が現に存する限度の額は本件求償債権の額面上の金額と同額となる旨主張する。しかしながら、金銭債権の評価に当たっては、債務者の資産状況、支払能力等の債務者側の事情を踏まえて算定するのが相当であるところ、本件債務者は、本件債務免除当時、法的整理(再生手続、破産手続等)の開始決定や事業の休廃業等の事実はなかったものの、本件債務の弁済を差し置いて、本件債務者が保有する資産を換価するなどした上で、本件求償債権に対する弁済を行うことは、事実上不可能ないし著しく困難であったと認められる。そうすると、本件債務者には本件求償債権の全部又は一部の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるような特別な事情があったと認められ、その支払能力等を考慮すると、本件債務免除時における本件求償債権の価額は零円と評価するのが相当であるから、本件債務者(本件債務者を吸収合併した請求人)が本件債務免除により受けた利益の額は現に存しない。(令7.10. 1 東裁(諸)令7-33)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令070002
- 裁決年月日
- 令和7年8月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第38条《事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務に基づく第二次納税義務の納付告知処分を受けたことに対し、滞納者(本件滞納者)は請求人の出資者ではないため同条に規定する特殊関係者には該当しない旨主張する。しかしながら、特殊関係者に該当するかどうかの判定(国税徴収法施行令第13条《納税者の特殊関係者の範囲》第1項第5号)は、納税者がその事業を譲渡した時の現況による旨規定しているところ、本件滞納者は、事業譲渡時において請求人の全出資持分の100分の50を超える出資持分を保有している。したがって、本件滞納者は、請求人の特殊関係者に該当する。(令7. 8.22 札裁(諸)令7-2)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令070002
- 裁決年月日
- 令和7年8月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第38条《事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務》に基づく第二次納税義務の納付告知処分を受けたことに対し、同条に規定する譲受財産とは、積極財産から消極財産を控除した額と解すべきである旨主張する。しかしながら、同条は、事業の譲渡に伴い、譲渡人の国税の引き当てとなっていた財産が譲受人に譲渡されたことによって、国税の確保に支障が生じることから、譲受人が譲渡人の特殊関係者である場合に限り、その譲受人に対し、譲渡人の国税の引き当てとなっていた譲受財産の価額を限度として、二次的に譲渡人の国税についての納税義務を負わせることとしたものとし、同条にいう「譲受財産」は、滞納処分の対象となっていた事業用資産等の積極財産をいい、当該事業に係る債務等の消極財産を含まないと解するのが相当である。(令7. 8.22 札裁(諸)令7-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060267
- 裁決年月日
- 令和7年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った滞納法人(本件滞納法人)の滞納国税(本件滞納国税)に係る第二次納税義務の納付告知処分について、本件滞納法人は国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する、滞納者がその財産につき行った政令で定める無償又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く。)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分(本件処分)時から本件滞納国税が発生するまでの間に本件滞納国税の20倍を超える財産を取得したと推認されることから、滞納法人の国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すること(徴収不足)は本件処分に基因しない旨主張する。しかしながら、本件滞納国税については徴収不足であると認められ、本件処分がなかったならば、原処分庁は本件処分に係る財産に滞納処分を執行することにより、本件滞納国税の総額を徴収でき、徴収不足は生じなかったであろうということができるから、本件滞納国税の徴収不足は、本件処分に基因すると認められる。(令7. 6.23 東裁(諸)令6-267)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060267
- 裁決年月日
- 令和7年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、滞納法人(本件滞納法人)が第三者割当増資により取得した株式(本件株式)の当該取得時における評価額が、本件滞納法人が本件株式を取得するために請求人に払い込んだ出資額(本件出資額)と比べ著しく低額であることから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する、滞納者がその財産につき行った政令で定める無償又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く。)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分に該当するとして、請求人に対し第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)をした。これに対し、請求人は、本件株式の発行価額は会社法等の規定に基づき決定した適正な価額であって、税法に第三者割当増資の発行価額に関する規定がないにもかかわらず、原処分庁が著しく低額である旨認定して行った本件納付告知処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件滞納法人が本件出資額の対価として取得した本件株式は取引相場のない株式であり、その評価に当たっては評価の対象となる法人の規模、財務状況、将来の収益獲得能力等を総合的に判断して合理的と判断される評価方法を適用することが相当である。そして、本件株式の評価に当たっては、原処分庁が採用した評価方法は合理性があると認められ、他に合理的な評価方法があるなどの特別な事情は認められず、その一方で本件株式の発行価額が適正であると認めるに足りる証拠はない。したがって、本件滞納法人が取得した本件株式の評価額は、本件出資額に比べ著しく低い額の対価と認めるのが相当である。(令7. 6.23 東裁(諸)令6-267)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060267
- 裁決年月日
- 令和7年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った滞納法人(本件滞納法人)の滞納国税(本件滞納国税)に係る第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)について、原処分庁は、滞納法人の国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足する(徴収不足)ことを明らかにしていないのであるから、徴収不足は認められない旨主張する。しかしながら、徴収不足が認められる場合とは、第二次納税義務に係る納付告知処分時の現況において、本来の納税義務者の財産で滞納処分により徴収することのできるものの価額が、同人の滞納国税の総額に満たないと客観的に認められる場合をいうものと解されるところ、本件滞納法人は、本件納付告知処分時において本件滞納国税の総額を徴収できる財産を有していなかったと認められることから、本件滞納国税について、徴収不足が認められる。(令7. 6.23 東裁(諸)令6-267)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060071
- 裁決年月日
- 令和7年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305044
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/4債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各工事請負契約(本件各請負契約)の請負代金を受領したことについて、その関係者(各注文者)は滞納法人と契約しているという認識を持っておらず、また、本件各請負契約に係る請負契約書の書式は、請求人が以前から使用していた書式を流用したものであって、そのために滞納法人の名称が記載されているにすぎないから、本件各請負契約の請負者は請求人であり、当該請負代金を受領したことは、国税徴収法第39条≪無償又は著しい定額の譲渡人当の第二次納税義務≫に規定する、滞納法人(本件滞納法人)から請求人に対する無償又は著しく低い額の対価による譲渡、債務の免除その他第三者に利益を与える処分(無償譲渡等の処分)に該当しない旨主張する。しかしながら、本件各請負契約に係る契約書には滞納者の記名はあるものの請求人の正確な商号の記載はなく、また、本件各請負契約に係る各注文者の申述によれば、各注文者が、本件各請負契約の請負者は滞納法人であると認識して契約を締結したと認められること、本件各請負契約に係る代金は、いずれも請求人の代表者らからの指示に従って請求人名義口座に振り込まれたことからすると、本件各請負契約の請負者は本件滞納法人と認めるのが相当であるから、本件各請負契約に係る代金を請求人が受領したことは無償譲渡等の処分に該当する。(令7. 6.17 関裁(諸)令6-71)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060071
- 裁決年月日
- 令和7年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納者から無償で土地(本件土地)の譲渡(本件譲渡)を受けたことについて、原処分庁から国税徴収法第32条≪第二次納税義務の通則≫第1項の規定に基づく第二次納税義務の納付告知処分を受けたところ、請求人が受けた利益の額の算定に当たり原処分庁が算定した本件土地の時価は、不動産の売買需要のない不人気エリアであるため現実的な価額ではないことや、土地の造成費用を踏まえれば高額にすぎる旨主張する。しかしながら、原処分庁は本件土地の時価の算定に当たり、委託した不動産鑑定業者による鑑定評価(本件鑑定評価)に係る鑑定評価額を参考に本件土地の本件譲渡時における時価を算定し、請求人が受けた利益の額を判断しているところ、本件鑑定評価は不動産鑑定評価基準に準拠して行われているものと認められ、その過程に不合理な点は見当たらないから、本件鑑定評価による鑑定評価額(本件鑑定評価額)は譲渡時の客観的価値を表しているものと認められる。また、本件土地について、本件鑑定評価で考慮された造成費以上に造成費相当額を考慮すべきとは認められず、請求人が主張する金額が本件土地の時価であることを裏付ける客観的な証拠も見当たらないから、本件土地の本件譲渡時における時価は、本件鑑定評価額と同額と認められる。(令7. 6.17 関裁(諸)令6-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060210
- 裁決年月日
- 令和7年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①滞納国税(本件滞納国税)には国税徴収法(徴収法)第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の対象とはならない国税が含まれており、②請求人が取得した自動車(本件自動車)について、売買契約に基づき滞納会社の代表者(買主)が滞納会社(売主)に対して支払った金額があるから、徴収法第39条の受けた利益の額の算出に当たっては、本件自動車の取得時の価額(本件価額)から当該支払金額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、①本件滞納国税の法定納期限のうち最も新しい日の1年前の日が本件における無償譲渡の日となり、第二次納税義務の対象となる国税は本件滞納国税の全額と認められ、②滞納会社とその代表者との間で本件自動車の売買契約が成立したとは認められず、請求人は本件自動車の取得に際し滞納会社に対価を支払っていないのであり、また、滞納会社は本件価額から控除すべきとする支払金額を減算する会計処理を行っていないことから、請求人は、無償譲渡により滞納会社から本件自動車を取得したと認められる。(令7. 5.20 東裁(諸)令6-210)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060210
- 裁決年月日
- 令和7年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社所有の自動車(本件自動車)が、請求人を新所有者として移転登録(本件移転登録)がされたのは、①滞納会社の代表者(本件代表者)が行った不貞行為に係る慰謝料請求権の代物弁済として請求人が譲り受けたから、又は、②引渡先を本件代表者ではなく請求人とした第三者のためにする売買契約に基づき譲り受けたからであり、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「無償による譲渡」に該当しない旨主張する。しかしながら、本件移転登録に際し、滞納会社及び請求人の印鑑登録証明書等などが添付されているほか請求人自らが必要な書類を用意したなどの客観的事情を考慮すると、特段の事情がない限り、滞納会社と請求人は双方合意の下、本件自動車の所有権を滞納会社から請求人に譲渡したものと認めるのが相当である。また、滞納会社と本件代表者との間で本件売買契約が成立していたとは認められず、本件代表者が無償譲渡の意思表示を行ったと認められるほか、滞納会社は請求人から対価を得ていないのであるから、請求人は、滞納会社から無償譲渡により本件自動車を取得したと認められる。(令7. 5.20 東裁(諸)令6-210)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060211
- 裁決年月日
- 令和7年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社所有の自動車(本件自動車)が、請求人を新所有者として移転登録(本件移転登録)がされたのは、①監護役務の提供に係る支払請求権の代物弁済若しくは誕生日プレゼントとして請求人が譲り受けたから、又は、②引渡先を本件代表者ではなく請求人とした第三者のためにする売買契約に基づき譲り受けたからであり、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「無償による譲渡」に該当しない旨主張する。しかしながら、本件移転登録に際し、滞納会社及び請求人の印鑑登録証明書等などが添付されているほか請求人自らが必要な書類を用意したなどの客観的事情を考慮すると、特段の事情がない限り、滞納会社と請求人は双方合意の下、本件自動車の所有権を滞納会社から請求人に譲渡したものと認めるのが相当である。また、滞納会社と本件代表者との間で売買契約が成立していたとは認められず、客観的事情からすると本件代表者が無償譲渡の意思表示を行ったと認められるほか、滞納会社は請求人から対価を得ていないのであるから、請求人は、滞納会社から無償譲渡により本件自動車を取得したと認められる。(令7. 5.20 東裁(諸)令6-211)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060211
- 裁決年月日
- 令和7年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①滞納国税(本件滞納国税)には国税徴収法(徴収法)第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の対象とはならない国税が含まれており、②請求人が取得した自動車(本件自動車)について、売買契約に基づき滞納会社の代表者(買主)が滞納会社(売主)に対して支払った金額があるから、徴収法第39条の受けた利益の額の算出に当たっては、本件自動車の取得時の価額(本件価額)から当該支払金額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、①滞納国税の法定納期限のうち最も新しい日の1年前の日が本件における無償譲渡の日となり、第二次納税義務の対象となる国税は本件滞納国税の全額と認められ、②滞納会社とその代表者との間で本件自動車の売買契約が成立したとは認められず、請求人は本件自動車の取得に際し滞納会社に対価を支払っていないのであり、また、滞納会社は本件価額から控除すべきとする支払金額を減算する会計処理を行っていないことから、請求人は、無償譲渡により滞納会社から本件自動車を取得したと認められる。(令7. 5.20 東裁(諸)令6-211)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令060001
- 裁決年月日
- 令和6年7月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、①滞納者の本店所在地であった建物について、請求人を賃借人かつ転貸人、滞納者を転借人として、それぞれ契約を締結している(本件転貸借)ところ、滞納者から請求人へ支払った家賃の額から、請求人が賃貸人に支払った額の差額(本件差額)は、本件転貸借により滞納者が請求人へ支払っている家賃の額が、滞納者が通常人の経済活動から乖離した、経済的合理性を著しく欠いた本件転貸借を締結することにより、必要額以上の家賃の支払を長期間にわたって行っていたこと、滞納者の代表取締役であった者からの申述から、滞納者の実質経営者が請求人代表者に何らかの形で小遣いを渡したかったと思われること等から、本件差額は、滞納者から請求人へ贈与され、財産権が移転したものと同視できること、また、②請求人が購入した車両の購入代金(本件代金)は、滞納者の資金が原資であり、滞納者から請求人へ贈与され、財産権が移転したものであることから、①及び②について、いずれも国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償による譲渡に該当すると主張する。しかしながら、①滞納者から請求人への支払は、法的な原因による金銭の授受であり、その金額も相当であると認められ、また、請求人から賃貸人への支払も、法的な原因による金銭の授受であると認められることから、いずれも対価性が認められる。また、②滞納者名義の預金口座から現金出金されていることは認められるが、滞納者と請求人との間において、財産権の移転があったことをうかがわせる証拠はないことから、滞納者から請求人に対して財産権の移転があったとは認められない。さらに、滞納者名義の預金口座から自動車ディーラーの預金口座に振込送金されていることは認められるが、滞納者と請求人との間において、贈与契約の成立に必要な意思の合致があったとは認められないことから、滞納者から請求人に対して財産権を移転する合意があったとは認められない。以上のことから、本件差額及び本件代金について、無償譲渡の事実があったとは認められない。(令6. 7.17 高裁(諸)令6-1)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令060002
- 裁決年月日
- 令和6年7月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、第三者の預金口座(本件口座)をいわゆる名義口座として利用していた滞納者が、本件口座を経由して請求人に対し行った振込送金の額のうち、請求人から滞納者に対する貸付金の返済とした一部の金額を除いた差額(本件差額)は、滞納者から請求人に贈与され、財産権が移転したものである旨主張する。しかしながら、本件差額について滞納者から請求人に対して財産権の移転が認められるものの、本件差額について、滞納者から請求人に対する贈与であることを確認できる証拠はなく、審判所に提出された関係資料を精査しても、滞納者から請求人に対する贈与であることを推認できる証拠は見当たらない。そうすると、本件差額について、滞納者と請求人との間で、贈与契約の成立に必要な意思の合致があったとは認められず、当審判所の調査によっても、滞納者と請求人との間で無償譲渡の存在を推認させる証拠は見当たらない。したがって、滞納者から請求人に対して、本件差額について国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡による財産権の移転の事実があったとは認められない。(令6. 7.17 高裁(諸)令6-2)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令060002
- 裁決年月日
- 令和6年7月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、国税徴収法第32条《第二次納税義務の通則》により行った納付告知処分(本件処分)は、請求人に対して滞納者の滞納国税の金額の限度額以上の納税義務を課しているものではなく、適法である旨主張する。しかしながら、滞納者から請求人に対して、同法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡があったと認めることはできないことから、本件処分は滞納国税等の金額の限度内の適法なものであるか否かについて判断するまでもなく、本件処分は同法第39条に規定する要件を満たさない。(令6. 7.17 高裁(諸)令6-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050022
- 裁決年月日
- 令和6年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.134
要旨
○ 請求人は、滞納者(本件亡滞納者)が、生前に請求人に対し行った請求人名義口座への振込みによる金銭の交付(本件金銭交付)は、別居していた請求人に対する将来の生活費及び医学部に進学する子のための学資等である婚姻費用の前払であり、社会通念上相当と認められる範囲の金銭の交付であるから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償による譲渡に該当しない旨主張する。しかしながら、本件亡滞納者は、請求人に対し、本件金銭交付に先立ち、相当程度に高額な金銭を送金し、本件金銭交付後も生活費として毎月一定額の送金を継続していること、本件金銭交付に係る金員が、将来的には、子の学資等の原資となるとしても、本件金銭交付の時点においては、学資等として具体的な支払の予定があったとはいえないことからすると、請求人親子と本件亡滞納者が別居し、請求人に収入がなかったために、本件亡滞納者において婚姻費用あるいは生活費及び学資等を負担する必要があったとしても、その前払として本件金銭交付をすべき必要があったとは認められない。したがって、本件金銭交付は、生活費及び学費等に充てるためにした社会通念上相当と認められる範囲の金銭交付に該当せず、無償による譲渡に該当する。(令6. 1.29 関裁(諸)令5-22)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050022
- 裁決年月日
- 令和6年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.134
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした亡滞納者(本件亡滞納者)の各滞納国税(本件各滞納国税)に係る第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)について、本件亡滞納者が、株式の売却代金や相当程度の給与収入を得ていたことからすると、原処分庁が遅滞なく滞納処分を行っていれば、徴収不足を生じることはなかったにもかかわらず、原処分庁が換価の猶予を行って本件亡滞納者の財産の散逸を見過ごしたために徴収不足となったのであるから、本件各滞納国税の徴収不足は、請求人が本件亡滞納者から受けた金銭交付(本件金銭交付)に基因しない旨主張する。しかしながら、徴収不足が認められる場合とは、第二次納税義務に係る納付告知処分時の現況において、本来の納税義務者の財産で滞納処分により徴収することのできるものの価額が、同人の滞納国税の総額に満たないと客観的に認められる場合をいうものと解され、また、徴収不足が無償譲渡等の処分に基因すると認められるときとは、当該無償譲渡等の処分がなかったならば当該納付告知処分時現在の徴収不足を生じなかったであろうということができる場合をいうものと解するのが相当であるところ、本件各滞納国税の納付義務を承継した相続財産法人は、本件納付告知処分時において徴収不足であると認められ、本件金銭交付に係る金額は、本件各滞納国税の金額を上回ることからすると、本件金銭交付がなかったならば本件納付告知処分時の徴収不足を生じなかったであろうということができるから、本件各滞納国税の徴収不足は本件金銭交付に基因すると認められる。(令6. 1.29 関裁(諸)令5-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050052
- 裁決年月日
- 令和5年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.133
要旨
○ 請求人は、滞納会社(本件滞納会社)が請求人へ支給した役員退職慰労金(本件支給)の金額は、不相当に高額であるとはいえないから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、役員退職給与の不相当に高額な部分が、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するか否かの判断においては、平均功績倍率法によって求めた相当とされる役員退職給与の金額と実際に支給された役員退職給与の金額の乖離の程度に加えて、当該役員の職務又は功労の内容、程度、勤務年数のほか当該役員退職給与が支給されるに至った具体的事情等を考慮し、その役員退職給与の支給が無償譲渡等の処分に該当するか否かを判断するのが相当であるところ、本件支給の金額は、平均功績倍率法により求められる請求人の役員退職慰労金として相当と認められる金額の7倍を超えており、その乖離の程度が大きく、また、本件滞納会社における請求人の主な業務は社員教育であり、経営を担っていたとはいえない。加えて、本件支給の経緯や請求人の職務内容からすれば、本件支給がされたのは、本件滞納会社が滞納国税の徴収などを回避するためであり、本件支給の額は、本件滞納会社が所有する不動産及び保険契約を請求人に得させるために設定されたもので、請求人の職務及び功労と役員退職慰労金の金額との対価的均衡を考慮した上で決定されたものではなかったことが認められる。したがって、本件支給の額は、請求人の本件滞納会社における役員としての職務執行及び功労との対価的均衡を著しく欠くものであり、本件支給は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当する。(令5.12.14 東裁(諸)令5-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050052
- 裁決年月日
- 令和5年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.133
要旨
○ 請求人は、滞納会社(本件滞納会社)から役員退職慰労金として支給を受けた不動産(本件不動産)について、①本件滞納会社に売却したことにする売買契約(本件売買契約)をしたのは、同社の使途不明金を請求人に対する貸付金に振り替えた残高が膨れ上がり、その金額を消し込むための便法として、帳簿上、同社から請求人に対する売買代金の支払を発生させ、請求人の役員貸付金と相殺したものであり、飽くまで帳簿上の処理にすぎないこと、②本件滞納会社を賃貸人、請求人を賃借人として締結した賃貸借契約(本件賃貸借契約)は、本件滞納会社の帳簿上のつじつまを合わせるために締結され、賃料収入を計上していたものにすぎず、実際には請求人は本件滞納会社に賃料を支払っていないこと、③本件不動産の固定資産税等は、本件売買契約後も引き続き請求人が負担していたことからすれば、本件売買契約は仮想の取引であって、本件不動産の所有権は本件滞納会社へ移転していないから、当該支給によって請求人に譲渡された財産ではない旨主張する。しかしながら、①本件滞納会社の使途不明金は、その発生や処理されてきた経緯からすれば、単に帳簿上に計上されていただけのものとは言い難く、実体のあるものであったというべきであること、②本件賃貸借契約により、請求人の役員報酬から本件不動産の賃料が控除されており、本件滞納会社が本件売買契約に沿って、本件不動産の所有権を取得した買主として振る舞っていたといえること、③本件不動産の固定資産税等は、本件売買契約が締結された翌年度以降は本件滞納会社名義で支払われていることからすれば、本件売買契約が実体のない仮装売買であったとは認められず、本件不動産の所有権は、役員退職慰労金の支給決議によって、請求人に移転したと認められる。(令5.12.14 東裁(諸)令5-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050053
- 裁決年月日
- 令和5年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社(本件滞納会社)が請求人に生命保険契約(本件保険契約)の契約上の地位を役員退職慰労金として支給したこと(本件支給)は、請求人の役員勤務年数を考慮すれば、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、役員退職給与の不相当に高額な部分が、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するか否かの判断においては、平均功績倍率法によって求めた相当とされる役員退職給与の金額と実際に支給された役員退職給与の金額の乖離の程度に加えて、当該役員の職務又は功労の内容、程度、勤務年数のほか当該役員退職給与が支給されるに至った具体的事情等を考慮し、その役員退職給与の支給が無償譲渡等の処分に該当するか否かを判断するのが相当であるところ、本件支給の額は、平均功績倍率法により求められる請求人の役員退職慰労金として相当と認められる金額の6倍を超え、その乖離の程度は大きく、また、請求人は、本件滞納会社において従業員教育を行っていたものの、経営を担っていたとはいえない。加えて、本件支給の経緯や請求人の職務内容からすれば、本件支給がされたのは、本件滞納会社が滞納国税の徴収などを回避するためであり、本件支給の額は、本件保険契約を請求人に得させるために設定されたもので、請求人の職務及び功労と役員退職慰労金の金額との対価的均衡を考慮した上で決定されたものではなかったことが認められる。したがって、本件支給の額は、請求人の本件滞納会社における役員としての職務執行及び功労との対価的均衡を著しく欠くものであり、本件支給は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当する。(令5.12.14 東裁(諸)令5-53)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令050003
- 裁決年月日
- 令和5年12月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が購入した車両及び土地(本件各車両等)に係る購入代金の現金による各支払に際して、当該各支払が行われた日の直前1か月間において、請求人名義口座から当該各購入代金に相当する出金がない一方で、滞納者(本件滞納者)名義口座からは、それぞれ当該各購入代金を上回る金額が現金で出金されていること、また、振込みによる支払に際して、本件滞納者名義口座から振込みを行っていることや振込みの直前に同口座に購入代金相当額の入金(本件各入金)があったことからすると、本件各車両等は本件滞納者の資金によって購入されたと認められ、このことは、本件滞納者から請求人に対して、本件各車両等の購入資金を贈与する黙示の合意があったものと判断することができるから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「無償による譲渡」に該当する旨主張する。しかしながら、本件滞納者は、取引先からの入金があれば、すぐにその振込入金の額に相当する金額を出金する傾向があるから、本件滞納者名義口座からの出金と本件各車両等の購入代金の現金による支払との間に直ちに強い関連性があると認めることはできない。また、本件各入金は、現金自動預払機から現金で行われているため、その原資が明らかでなく、加えて、本件滞納者の配偶者でその事業を手伝っていた等の事情がある請求人が、本件各車両等の購入代金の振込みを行うに当たり、本件滞納者名義口座を用いることも否定できないことからすると、本件各車両等の購入代金の負担者が本件滞納者であるとまで断定することはできず、そのことは飽くまで可能性に留まり、推測の域を出ない。したがって、本件滞納者から請求人に対し、本件各車両等に係る購入資金の無償譲渡があったとは認められない。(令5.12. 7 高裁(諸)令5-3)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令050003
- 裁決年月日
- 令和5年12月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が滞納者へ建築を依頼した各建物(本件各建物)の建築代金について、各建物の敷地に係る購入代金の支払日から、建築工事が竣工された日以降の半年間に、請求人名義の預貯金口座から建築代金に相当する金額の出金がないほか、手元の現金で支払った旨の請求人の主張を裏付ける証拠がないことからすると、請求人から本件滞納者に対して本件各建物に係る建築代金が支払われた事実はなく、このことは、本件滞納者から請求人に対し、本件各建物に係る建築代金の支払を免除する黙示の意思表示があったものと判断できるから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「債務の免除」に該当する旨主張する。しかしながら、原処分庁が主張する各事実は、請求人から本件滞納者に本件各建物に係る建築代金の支払の現実の提供がない可能性があることを推測させるに留まるものであるから、かかる事実をもって直ちに本件滞納者から請求人に対して建築代金の支払を免除したとは認めることはできず、また、当審判所に提出された関係資料を精査しても、本件滞納者が請求人に対して建築代金の支払を免除した事実があったと認める証拠は見当たらない。したがって、請求人は、本件滞納者から債務の免除を受けたとはいえない。(令5.12. 7 高裁(諸)令5-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040142
- 裁決年月日
- 令和5年6月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、建物賃借人である滞納会社(本件滞納会社)の破産管財人が建物賃貸人である請求人との間で、建物(本件建物)の原状回復義務の免除と引き換えに、本件建物の賃貸借契約(本件賃貸借契約)に基づき預け入れた保証金(本件保証金)の返還請求権を放棄(本件放棄)することに合意(本件合意)したことは、破産裁判所の許可が得られることを停止条件とした停止条件付債務免除契約に該当するから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に該当し、さらに、債務免除された本件保証金の返還請求権の額の算定に当たり、本件保証金から控除すべき原状回復工事費用は、本件合意の時点で有効期間が経過していた見積書(本件見積書)の金額によるべきではなく、原処分庁が納付通知書を発した時点の現況において現に確定した金額とすべきである旨主張する。この点、国税徴収法第39条に規定する債務の免除には、民法第519条《免除》の規定による債務の免除のほか、契約による免除も含まれると解され、本件放棄は契約による免除に該当し得るものである。しかしながら、本件賃貸借契約において、本件保証金の返還請求権は、本件保証金を請求人に対する一切の債務に充当した後になお残額があれば、その残額を返還するものである旨定められていることから、本件放棄によって、債務免除があったというためには、本件保証金を本件滞納会社に対する債務に充当するなどした上で、請求人が本件滞納会社へ返還すべき本件保証金に残額がなければならないところ、本件放棄の効力が生じた当時、原状回復工事は未実施であったことから、原状回復工事費用は、唯一存在していた本件見積書における金額で算定するほかなく、本件保証金から本件見積書における原状回復工事費用を控除すると本件保証金に残額は生じない。したがって、本件放棄は、国税徴収法第39条に規定する債務の免除に当たらない。(令5. 6.27 東裁(諸)令4-142)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040142
- 裁決年月日
- 令和5年6月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、滞納会社(本件滞納会社)は、破産手続廃止が確定し、建物賃借人である本件滞納会社の破産管財人と建物賃貸人である請求人との間で、建物の原状回復義務の免除と引き換えに預け入れた保証金の返還請求権を放棄(本件放棄)した後に、滞納国税(本件滞納国税)を徴収できる財産を取得している事実は認められないため、本件滞納国税の徴収すべき額に不足することが、本件放棄に基因する旨主張する。しかしながら、本件放棄は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に当たらないから、本件滞納国税の徴収すべき額に不足することが、本件放棄に基因するかについて判断するまでもなく、原処分庁がした第二次納税義務の納付告知処分は、同法第39条に規定する要件を満たさない。(令5. 6.27 東裁(諸)令4-142)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030029
- 裁決年月日
- 令和4年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人を滞納法人(本件滞納法人)の清算人に選任する旨の株主総会の決議(本件決議)があった旨記載した議事録(本件議事録)は、請求人の父(本件父)が請求人に無断で作成したものであり、本件決議が存在しないこと、②請求人が当該清算人に就任することを承諾した旨記載した承諾書(本件承諾書)は、本件父が請求人に無断で作成したものであり、当該清算人に就任することを承諾しておらず、黙示に承諾した事実もないこと、③本件父に対して本件滞納法人の清算事務を一任した事実はないことなどから、国税徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》第1項に規定する清算人ではない旨主張する。しかしながら、①本件滞納法人は、その発行済株式の全部を本件父が所有する株式会社であり、このようないわゆる一人会社の場合には、その一人の株主が出席すればそれで株主総会が成立し、招集手続を要しないことから、本件父が、請求人を本件滞納法人の清算人に選任した旨の登記をするため、司法書士に依頼して作成させた本件議事録に押印したという事実関係に照らすと、本件決議があったということができること、②本件承諾書の印影は、請求人の実印により顕出されたものと認められ、反証がない限り、当該印影が請求人の意思に基づいて顕出されたと推定され、本件承諾書が真正に成立したものと推定されるところ、当該印影は、本件父が請求人から当該実印を預託された趣旨の範囲内で押印したことにより顕出されたものであり、当審判所の調査によってもその推定を覆すに足りる証拠がないことから、本件承諾書の成立の真正が認められ、本件承諾書によって、請求人が当該清算人に就任することを承諾したものと認められること、③請求人は、自らが本件滞納法人の清算事務を遂行する意思がなく、本件父が当該清算事務を遂行することを容認しており、本件父に当該清算事務を一任したものと認められることから、請求人は、国税徴収法第34条第1項に規定する清算人に該当する。(令4. 4.20 関裁(諸)令3-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030025
- 裁決年月日
- 令和4年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が請求人らに対して行った、滞納者(本件滞納者)の滞納国税(本件滞納国税)に係る第二次納税義務の各納付告知処分(本件各納付告知処分)について、本件滞納者が存命であり、現在も抵当権の設定がされていない資産を有しており、本件各納付告知処分時までに、原処分庁がこれらの資産から本件滞納国税を回収することができたはずであることから、本件滞納国税につき徴収不足が認められず、当該徴収不足が、本件滞納者から請求人らに対する金銭の各財産移転行為(本件各移転)及び不動産の各贈与(本件各贈与)に基因しない旨主張する。しかしながら、本件各納付告知処分時の現況において、本件滞納者の財産で滞納処分により徴収することのできるものの価額が、本件滞納国税の総額に満たないと客観的に認められ、本件各移転及び本件各贈与がされてから本件各納付告知処分時までに、本件滞納者が本件滞納国税の総額を徴収することができる財産を取得した事実はなく、本件各移転及び本件各贈与がなかったならば、これらに係る各財産に対して滞納処分を執行することによって本件滞納国税を徴収することができ、本件各納付告知処分時の徴収不足は生じなかったということができることから、本件滞納国税につき徴収不足が認められ、当該徴収不足は本件各移転及び本件各贈与に基因すると認められる。(令4. 4. 6 関裁(諸)令3-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030025
- 裁決年月日
- 令和4年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、滞納者(本件滞納者)から請求人らに対する金銭の各財産移転行為(本件各移転)及び不動産の各贈与(本件各贈与)について、弁護士及び司法書士の立会いの下、本件滞納者が決めたことであり、本件各贈与の一部が生前贈与として非課税で処理され、本件各移転の一部が本件滞納者の借入金の支払のためであることなどから、いずれも国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、無償譲渡等の処分とは、広く第三者に利益を与える処分行為をいい、第三者に利益を与える処分行為である限り、その態様に制限はないと解されるところ、請求人らは、本件各移転に際して本件滞納者に対価を支払った事実がなく、また、本件各贈与に負担が付されておらず、本件滞納者に対して何らかの債権を有していた事実も認められないことから、本件各移転又は本件各贈与によって、本件滞納者から本件各移転に係る金銭の額又は本件各贈与に係る不動産の価額相当の利益を無償で取得したということができる。したがって、本件各移転及び本件各贈与は、いずれも国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当する。(令4. 4. 6 関裁(諸)令3-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030014
- 裁決年月日
- 令和3年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人を売主とし、請求人を買主として行われた不動産の売買契約(本件売買契約)について、会社法第356条《競業及び利益相反取引の制限》の規定による利益相反取引に該当するなどとして、滞納法人が請求人に対して有する代金債権が不存在であり、滞納法人から債務免除を受けたとは認められないことから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除により義務を免れた者に該当しない旨主張する。しかしながら、会社法第356条の規定について、取締役が会社の利益の犠牲において自己又は第三者の利益を図ることを防止することが趣旨であると解されており、親会社の取締役が子会社を代表して親会社と取引する場合にも、子会社に当該親会社以外の株主が存するときは適用がある一方、親会社が子会社の発行済株式総数の100%を保有するときは親子会社間に利害の対立がなく適用がないと解されるところ、請求人は、本件売買契約の締結の際に、滞納法人の株式を100%保有する完全親会社の立場にあり、当該各規定の適用はないと解するのが相当であることから、本件売買契約は成立している。また、民法第519条の規定による債務の免除は、債務者の意思に関係なく、債権者が債権を放棄する旨の意思を表示し、それが債務者に到達した以上、その効果が生じると解されるところ、滞納法人からの債権放棄通知書による意思表示は、請求人に到達したことにより、民法上の債務の免除の効果として、滞納法人が請求人に対して有する代金債権が消滅したと認められることから、国税徴収法第39条に規定する債務の免除に当たる。したがって、請求人は、国税徴収法第39条に規定する債務の免除により義務を免れた者に該当する。(令3. 9. 1 東裁(諸)令3-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020027
- 裁決年月日
- 令和3年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税の所得金額の計算上、滞納法人(本件滞納法人)に対する借入金債務(本件借入金債務)の一部を返済することでその残額を放棄する旨の合意(本件合意)に係る同債務の免除額を益金の額に算入して、それに対応する法人税等の税額を負担したから、本件合意により受けた利益が現に存する限度の額は、同債務の免除額からそれに対応する法人税等の税額を控除した額とすべきである旨主張する。しかしながら、債務の免除を受けた者が国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する第二次納税義務を負う場合における同条に規定する受けた利益が現に存する限度については、債務者の支払能力等を考慮して債権を換価する場合と同様に算定した債務の免除時における債権の価額を、債務の免除により受けた利益の額とした上、この利益の額から債務の免除を受けるために支払った対価や費用等の額及び債務の免除を受けたことを直接の理由とする特別の消費等の額を控除した額を、現に存するものと推定することになるところ、証拠資料等によれば、本件合意により免除を受けた部分に係る債権の価額は、その額面上の金額と同額といえ、当該免除を受けるために請求人が対価又は費用を支払ったなどの事情は見当たらず、また、請求人に対する第二次納税義務の納付告知処分時までに、本件合意により受けた利益が消失したなどの特段の事情も見当たらない。したがって、本件合意による受けた利益が現に存する限度の額は、本件合意に係る本件借入金債務の免除額と同額であると認められる。(令3. 5.21 関裁(諸)令2-27)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020027
- 裁決年月日
- 令和3年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人(本件滞納法人)には、滞納国税(本件滞納国税)の税額に見合う所得により形成された資産が存在するはすであり、徴収不足があったとは認められないことなどから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する第二次納税義務の成立要件を満たすとは認められない旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条に規定する第二次納税義務が無償譲渡等の処分により権利を取得し、又は義務を免れた第三者に対して本来の納税義務者からの徴収不足額につき補充的に課される義務であることに照らすと、徴収不足が認められる場合とは、第二次納税義務に係る納付告知処分時の現況において、本来の納税義務者の財産で滞納処分により徴収することのできるものの価額が、同人の滞納に係る国税の総額に満たないと客観的に認められる場合をいうものと解され、徴収不足が無償譲渡等の処分に基因すると認められるときとは、当該無償譲渡等の処分がなかったならば当該納付告知処分時現在の徴収不足を生じなかったであろうということができる場合をいうものと解するのが相当であるところ、請求人に対する第二次納税義務の納付告知処分時の現況において、本件滞納法人の財産で滞納処分により徴収することのできるものの価額が本件滞納国税の総額に満たないと客観的に認められ、徴収不足があったといえることなどから、同条に規定する第二次納税義務の成立要件を満たすと認められる。(令3. 5.21 関裁(諸)令2-27)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020027
- 裁決年月日
- 令和3年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人(本件滞納法人)に対する借入金債務(本件借入金債務)について、その一部を返済することで残額を放棄する旨を記載した合意書(本件合意書)の作成までに、本件滞納法人に対して有する債権を反対債権として、本件借入金債務の残額と対当額で相殺する合意をしていたところ、本件合意書は、これらの債権債務の消滅を確認したものにすぎず、本件合意書による合意(本件合意)が本件借入金債務の残額を免除したものであったとは認められない旨主張する。しかしながら、本件合意書は、本件滞納法人及び請求人の意思に基づいて作成されたものであるから、本件合意の内容は、特段の事情のない限り、本件合意書に記載された文言に即して認定すべきであり、それによると、本件滞納法人が本件借入金債務に係る債権の残額を放棄する旨を合意するもの、すなわち、請求人からみれば、本件借入金債務の残額を免除する旨を合意するものであったと認められることになる。また、証拠資料等を精査しても、特段の事情があったなどとうかがわせる事情はない。したがって、本件合意は、本件借入金債務の一部を免除するものであったと認められる。(令3. 5.21 関裁(諸)令2-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020076
- 裁決年月日
- 令和3年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305080
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人が請求人に対しその所有する建物(本件建物)を固定資産税相当額で貸与したことについて、本件建物の貸与の対価として当該固定資産税相当額のみならず本件建物の敷地(本件土地)の借地料をも負担しており、その合計金額が本件建物の適正賃料をはるかに上回るものであることから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「第三者に利益を与える処分」には該当しない旨主張する。しかしながら、本件建物の適正賃料は、原処分庁が本件建物の適正賃料を算定した際、本件建物の所有者である滞納法人に本件土地の利用権原がないことを前提として市場性減価をしていたところ、滞納法人には本件土地の利用権原があると認められることから、市場性減価前の金額とすることに相当性が認められる。そうすると、本件建物の貸与の対価として請求人が負担した、本件建物に係る固定資産税及び本件土地の借地料の合計額は、本件建物の適正賃料をはるかに下回るものであることから、本件建物を適正賃料より著しく低い額で貸与していたものとみるのが相当である。したがって、滞納法人は、請求人に対し国税徴収法第39条に規定する「第三者に利益を与える処分」をしたものと認められる。(令3. 4.22 東裁(諸)令2-76)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令020011
- 裁決年月日
- 令和3年4月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社法第762条《新設分割計画の作成》の規定に基づく新設分割(本件新設分割)により滞納法人から事業(本件事業)を譲り受け、本件事業に係る契約上の地位のほか、本件事業に属する消極財産を承継した後、滞納法人が本件新設分割により取得した請求人の全株式を第三者法人に譲渡した上で、本件事業の用に供するための資産(本件資産)である積極財産を時価で譲り受けた(本件資産譲渡)ことから、本件資産が国税徴収法第38条《事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務》にいう譲り受けた事業に属する譲受財産に該当せず、請求人が本件資産を譲り受けた時点で同条及び国税徴収法施行令第13条《納税者の特殊関係者の範囲》第1項第5号に規定する特殊関係者に該当しない旨主張する。しかしながら、本件新設分割において、請求人が本件事業を間断なく継続して運営するためには、本件資産の承継が前提となっており、滞納法人が本件資産譲渡に関する手続を本件新設分割と並行して行っていたことから、本件事業の譲渡は、本件新設分割と本件資産譲渡という2つの法形式により完成したことが認められる。加えて、近時は事業譲渡が複数の取引により行われることも通常みられ、複数の取引が1つの企業結合を構成している場合には、それらを一体として取り扱うとされていることから、複数の取引による事業譲渡については、いずれの取引により譲渡されたものであっても譲受財産に当たると解するのが自然である。したがって、本件事業の譲渡は、複数の取引による事業譲渡に当たると認められ、それらの取引の一つである本件資産譲渡により譲渡された本件資産は、国税徴収法第38条にいう譲受財産に該当すると解する。また、特殊関係者の判定は、本件資産に係る事情を踏まえると、請求人が本件新設分割の時点において特殊関係者であれば足りるというべきであることから、請求人は、国税徴収法第38条及び国税徴収法施行令第13条第1項第5号に規定する特殊関係者に該当する。ただし、原処分庁が認定した譲受財産には、原処分庁の差押えにより請求人への引渡しが不能となった債権が含まれ、この場合あらかじめ請求人と滞納法人との間において譲渡対価を減額する旨の合意をしていたことから、本件資産譲渡に係る契約の一部を合意解除したものと解され、当該債権は国税徴収法第38条に規定する譲受財産には含まれない。(令3. 4.12 高裁(諸)令2-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020021
- 裁決年月日
- 令和2年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、滞納者が購入した高級外車について、請求人を所有者として新規登録されたこと(本件行為1)に対して、滞納者が請求人に無断で行ったものであり、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く。)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分」(無償譲渡等の処分)に該当しない旨主張する。しかしながら、自動車の新規登録申請に際しては、新規登録申請書又は委任状への所有者の実印の押印と印鑑登録証明書の添付が必要であるとされているところ、請求人は、これらの書類を準備するなど、当該高級外車の新規登録手続に関与したことが推認され、滞納者は請求人との合意の下、本件行為1により無償譲渡等の処分をしたと認められる。また、請求人は、同人が購入した高級外車の購入代金の一部を滞納者が自身の預金口座から売主の預金口座に振り込んだこと(本件行為2)について、滞納者が請求人に無断で行ったものであり、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、当該高級外車は、請求人所有の自動車の下取り及び滞納者による購入代金の一部負担が行われたのちに新規登録されており、その際には書面への請求人の実印の押印と印鑑登録証明書の添付が必要であることからすると、滞納者と請求人の合意の下、当該高級外車の購入代金の一部を請求人に代わって支払ったと認められる。したがって、本件行為2は、無償譲渡等の処分に該当する。(令2.10.21大裁(諸)令2-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020006
- 裁決年月日
- 令和2年7月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305080
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№120
要旨
○原処分庁は、請求人を所有者とする不実の登記がされた本件各不動産について、①本件各不動産の売買代金を仮払金として計上していた滞納法人が、売買後、これを請求人に対する貸付金に振り替え(本件会計処理)、請求人が、本件各不動産の賃料収入を売買時から遡って計上したこと、②滞納法人の代表者が請求人も支配できる立場にあり、税務調査を切り抜けるためにこれらの会計処理をしたこと等からすれば、本件会計処理の日に本件各不動産の所有権は滞納法人から請求人に移転している旨主張する。しかしながら、滞納法人は、本件会計処理の日以降も本件各不動産の賃料収入を受領しており、その余の事情を考慮しても、本件各不動産の所有権が請求人に移転したと認めるに足りる証拠もないことから、本件会計処理の日に本件各不動産の所有権が滞納法人から請求人に移転したとは認められない。 (令2.7.28東裁(諸)令2-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020006
- 裁決年月日
- 令和2年7月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№120
要旨
○請求人は、買主を滞納法人とする4月付の売買契約(4月売買契約)は解除合意(本件解除合意)がされ、その後、買主を請求人とする5月付の売買契約(5月売買契約)が成立しており、これを無効とする事情はないから、5月売買契約に基づいて、請求人名義で不実の登記がなされた各不動産(本件各不動産)を取得した旨主張する。しかしながら、事実関係からすれば、請求人が5月売買契約に係る契約書(5月売買契約書)を作成する意思は有していたとしても、その作成によって、本件各不動産を請求人が買い受ける旨の意思表示がされたものとは認められない。仮に5月売買契約書等の作成によって、請求人等がこれらの書面に記載されたとおりの意思表示をしたと認められるとしても、事実関係を前提とすれば、内心の意思とは異なる意思表示がされ、これを売主も認識していたといえるから、いずれにしても民法第93条《心裡留保》ただし書の規定により、5月売買契約等は無効となる。 (令2.7.28東裁(諸)令2-6)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令020001
- 裁決年月日
- 令和2年7月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№120
要旨
○請求人は、滞納法人から無償で金員(本件各金員)を譲り受けた事実はない旨主張する。しかしながら、請求人、滞納法人の代表者及び取引先等の関係者による各申述、本件各金員の移動状況及び取引先等の本件各金員に係る帳簿の記帳状況から、本件各金員の一部は、滞納法人から請求人が無償で譲り受けたものと認められる。したがって、原処分庁の請求人に対する第二次納税義務の納付告知処分は、本件各金員のうち無償で譲り受けたものと認められる金員に基づき算出された納付すべき限度額までは適法であり、これを超える部分については違法なものとして取り消すべきである。(令2.7.9札裁(諸)令2-1)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令020001
- 裁決年月日
- 令和2年7月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№120
要旨
○原処分庁は、滞納法人が受け取るべき売上金として、請求人の指示の下、請求人の知人が主宰する法人を発行元とした各請求書に基づき、各取引先から支払われた金員が請求人に交付されたことについて、請求人、滞納法人の代表者及び請求人の知人(請求人ら)が認めていることから、滞納法人から請求人に対して、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償の譲渡があった旨主張する。しかしながら、一部の取引先について、請求人らから、滞納法人に帰属する売上げを請求したものであるとの具体的な申述はなく、当該取引先の原処分庁に対する回答書には、滞納法人に帰属する売上げであるなどの具体的な記載もない。また、本件の全証拠を検討しても、滞納法人に係る売上げであると断定するに足りる証拠は認められない。(令2.7.9札裁(諸)令2-1)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令010014
- 裁決年月日
- 令和2年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、滞納法人名義の預金口座から請求人の母(請求人母)名義の預金口座(本件請求人母口座)への振替入金(本件振替入金)について、本件請求人母口座の金員の処分行為は飽くまで請求人母の意思に基づくものであり、請求人が必要に応じて同口座の管理及び運用を任されていただけであることから、滞納法人から請求人に対する譲渡には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件請求人母口座を実質的に支配及び管理しており、本件請求人母口座に入金された時点で一旦請求人の支配下に入り、請求人がその利益を得たものと認められることから、本件振替入金は滞納法人から請求人に対する譲渡には該当する。(令2.6.23高裁(諸)令元-14)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令010014
- 裁決年月日
- 令和2年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、滞納法人の所有する不動産の売却代金が滞納法人名義の預金口座から請求人名義及び同人の母(請求人母)名義の預金口座に振替入金されたことについて、滞納法人に対する貸付金の返済を受けただけであり、無償譲渡には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人及び請求人母が滞納法人に対して貸金債権を有していたか否かについては、金銭消費貸借の成立のために必要な要件である金銭の交付及び金銭の返還の合意があったか否かが問題となるところ、金銭消費貸借契約書等、貸付金に関する書類が提出されていないことから、本審査請求に係る全証拠等によって、請求人及び請求人母と滞納法人との間に金銭の交付があったと推認することができるものの、金銭の返還の合意があったと認めることができない。したがって、請求人及び請求人母が滞納法人に対して貸金債権を有していたと認めることはできない。(令2.6.23高裁(諸)令元-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010050
- 裁決年月日
- 令和2年5月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、①請求人に所有権移転登記又は所有権保存登記された各不動産(本件各不動産)の購入等に係る費用を負担したことなどから、本件各不動産の実質的な所有者は請求人である旨、②滞納者が本件各不動産を売却したことによる受領金を請求人名義の口座に入金したこと(本件移転1及び本件移転2)については、滞納者が経営する法律事務所が不動産の購入時の借入金を立て替えたことの返済や、請求人が立て替えた滞納者の納税資金等の返済である旨、③滞納者との間で離婚までに財産分与及び慰謝料に係る合意をしていた旨主張する。しかしながら、①及び②については、請求人はこれらを明らかにする証拠を提出せず、当審判所の調査の結果によっても、そのような事情は認められず、③については、請求人は、当該合意によってどのような範囲及び内容の権利が具体的に形成されたかを明らかにする証拠を提出せず、当審判所の調査の結果によっても、当該合意があったなどの事情は認められない。(令2.5.27関裁(諸)令元-50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010020
- 裁決年月日
- 令和2年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305044
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/4債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○貸金業等を営む請求人は、貸付先である滞納者(本件滞納者)が約定返済日に支払を遅延した場合には、約定返済日の経過をもって期限の利益を喪失し、その翌日以降は、利息制限法所定の遅延損害金利率が適用されるため、過払金は発生していない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件滞納者が約定返済日に支払を遅延した以降も、多数回の追加貸付けに応じていた上、期限の利益が喪失されたことを理由に残元利金の一括支払を請求することもなく、本件滞納者に対して返済金は通常利息に充当する旨の通知がされていたと推定される等の事実関係から、請求人は、本件滞納者が返済した都度、期限の利益を再度付与していたものとして、利息制限法所定の制限利率を適用して引き直し計算を行うこととなり、過払金が発生している。(令2.4.1名裁(諸)令元-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010020
- 裁決年月日
- 令和2年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に該当するためには、合理的な理由のない利益が与えられたことが必要であり、本件では、いわゆる過払金の引き直し計算につき、複数の計算方法が容認されていた状況において、貸付先との間で裁判手続によることなく和解(本件和解)を行い、時間的・費用的な負担等を軽減するという合理的な理由が存在したのであるから、本件和解によって同条に規定する債務の免除を受けたとはいえない旨主張する。しかしながら、法第39条は、「債務の免除」と規定するのみで他の要件を付加しておらず、第二次納税義務の制度趣旨からすれば、第三者に利益を与える典型的な法律行為そのものである債務の免除に当たりさえすれば、同条に規定する債務の免除に当たる。加えて、請求人は、複数の計算方法が容認されていた状況である旨の証拠として、期限の利益の再度付与が認められていない裁判例を挙げるが、本件とは事案を異にするものである。よって、請求人は本件和解によって債務の免除を受けたと認められる。(令2.4.1名裁(諸)令元-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010020
- 裁決年月日
- 令和2年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇貸金業等を営む請求人は、貸付先に対して負う過払金返還請求権(本件過払金返還請求権)は、「商行為によって生じた債権」として5年の商事消滅時効が適用されるから時効により消滅している旨主張する。しかしながら、本件過払金返還請求権は、金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権であり、民事上の一般債権としてその消滅時効期間は10年となるから、時効により消滅しているとはいえない。(令2.4.1名裁(諸)令元-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010017
- 裁決年月日
- 令和2年3月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成20年4月以降、滞納法人に対し業務委託を行っておらず、過去の税務調査の際の誤った指導に基づき、関与税理士事務所の職員が滞納法人に対する業務委託費等に係る未払金(本件債務)を計上する会計処理を続けたものであって、本件債務を負っていなかった旨、滞納法人が本件債務に対応する債権を放棄する書面(本件書面)を作成したのは、請求人の誤った会計処理を是正するための形式的なものであり、債務の免除には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人は、①税務調査の指摘に従って、平成20年4月から平成26年11月までの間、業務委託費を滞納法人に対する費用として計上し、業務委託費及び水道光熱費等の合計額の8割を超える金額を滞納法人に継続して支払っていたこと、②平成24年6月期に、総勘定元帳において業務委託費が減額されているのは、滞納法人に係る広告宣伝業務の縮小に連動して行われたものであり、実情に即した会計処理がされていること、③請求人と滞納法人の取締役が、関与税理士等に業務委託費の金額を報告し、関与税理士等がその経理処理について毎月監査していることや、当該取締役が、業務委託費に関して出金伝票を毎月作成し帳簿に計上していることからすれば、業務委託費の金額は、請求人と滞納法人が決定し、帳簿に適正に計上されていたものであると認められ、④滞納法人の事務所が所在する建物は、滞納法人が賃借人として契約し、請求人も当該建物を事務所として使用し、その対価として一定の金額を実際に支払っていたことから、業務委託費及び水道光熱費等は実質を伴う費用であり、以上から、本件債務は存在していたと認められる。そして、本件滞納法人は本件書面を作成していたところ、本件書面の内容を別異に解する特段の事情も認められないことから、滞納法人は本件債務に対応する債権を放棄したことが認めれる。したがって、本件滞納法人が行った本件債務の免除は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に該当する。(令2. 3. 3 名裁(諸)令元-17)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平300009
- 裁決年月日
- 令和元年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305041
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/1土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、納税者(本件滞納者)が所有し、請求人と同居していた各不動産(本件各不動産)の請求人への所有権移転(本件所有権移転)は、平成28年8月から平成29年9月までの間の所得税等の調査を契機として請求人と本件滞納者の関係が悪化したことにより行われたもので、その実態は、平成30年11月に請求人と本件滞納者とが離婚したこと(本件離婚)を前提とした財産分与であり、必要かつ合理的な理由に基づくものであるから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、本件離婚があったのは本件所有権移転から約1年2か月後であり、また、請求人は、本件所有権移転がなされた平成29年9月から1年以上にわたり本件各不動産において本件滞納者と同居していたことが認められることに加え、当審判所の調査の結果によっても、本件所有権移転が本件離婚を前提として行われた財産分与であると認めるに足る証拠はなく、請求人のその他の主張についても各原処分を取り消すべき違法は認められない。(令元. 6.18 仙裁(諸)平30-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300043
- 裁決年月日
- 令和元年6月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人らは、国税徴収法39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の受けた利益の限度の算出に当たり、①仮に、贈与者が各係争不動産(本件各係争不動産)を贈与したこと(本件各贈与)がなかったならば、本件各係争不動産は別件各公売不動産と一緒に公売されていたと想定されるから、広大地評価による減価を考慮して算定すべきである旨、また、②建物(本件建物1)は、その贈与当時、賃貸されていたが、耐用年数が経過していることから、建物の取壊費用相当額を減額すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らの主張は、①本件各贈与がなかったという仮定に基づくものにすぎず、実際には本件各贈与が行われており、前提を欠き、②本件建物1の経済的残存耐用年数は6年だったこと、賃貸としての利用が最有効使用であること等から、価額の算定に際し、更地価額から建物の取壊費用相当額を減額するのは合理的ではない。一方、原処分庁は、譲受財産の価額を財産評価基本通達(評価通達)により算定することは特段不合理ではない旨主張する。しかしながら、評価通達は、相続税等の課税価格計算の基礎となる財産の評価を定めたものであり、譲受財産の価額の算定に評価通達を適用すべきとする法令等の規定は存在せず、本件では、当審判所が原処分庁とは異なる算定をした本件各係争不動産のうち、建物の一部が隣接地との境界を越えて建っていること、一部の土地上に経済的合理性を有しない賃貸用建物が存在すること、建物の所有者に使用借権があること、一部の土地が共有関係にあることなどを考慮して算定する必要があるにもかかわらず、原処分庁が算定した価額では、これらの事情が適切に考慮されていないから、これらの価額の算定に際して評価通達を参考にするのは妥当とはいえない。(令元. 6. 4 関裁(諸)平30-43)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平300007
- 裁決年月日
- 平成31年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№114
要旨
○ 請求人は、国税徴収法(平成28年法律第15号による改正前のもの)(徴収法)第38条《事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務》に規定する「事業を営んでいる場所」とは、タクシー事業においては、道路運送法第5条《許可申請》第1項第3号に規定する営業所を指すと解するべきであり、車庫は営業所には含まれないから事業を営んでいる場所には当たらず、請求人は同一の場所で事業を営んでいるとはいえない旨主張する。しかしながら、徴収法第38条の「同一とみられる場所」とは、同一の場所のほか、社会通念上同一の場所と認められる場所をいうと解するのが相当であるところ、請求人は、第二次納税義務の納付告知処分時において、滞納法人が車庫として使用していた場所を営業所としてタクシー事業を営んでおり、同営業所は滞納法人の営業所とは地理的に異なった場所であるが、タクシー事業における車庫は、その確保が事業許可の要件となっているだけでなく、その場所についても営業所と近接していなければならないという制限があるなど、営業所と相互に密接に関連付けて利用・管理され、有機的一体として機能する財産の一部であり、また、車庫に保管されている営業用車両が収益を生み出す基礎となるというタクシー事業の特質に鑑みると、車庫は、タクシー事業を営む者が事業活動を行っていくために、運行管理業務等を行う営業所と同視できる程度に重要かつ必要不可欠な場所であると認められる。加えて、請求人の営業所は、滞納法人の営業所と、物理的に異なる場所とはいえ県道を挟んだ斜め向かいに位置し、いずれも当該県道に面しているほか、直線距離で42メートルしか離れていないことも踏まえると、請求人の事業と滞納法人の事業は外形的に同一性を有するということができるから、請求人の事業は社会通念上同一の場所と認められる場所で営まれているものと認められる。(平31. 3.26 高裁(諸)平30-7)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平300007
- 裁決年月日
- 平成31年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№114
要旨
○ 請求人は、請求人の株式について、関係会社間で譲渡(本件株式譲渡)された後の請求人と本件株式譲渡前の請求人とは、株主が異なり別法人であるから、請求人は滞納法人の事業を譲り受けていない旨、また、国税徴収法(平成28年法律第15号による改正前のもの)(徴収法)第38条《事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務》に規定する、納税者と特殊な関係のある同族会社で政令で定めるもの(特殊関係者)に該当するか否かについては、納付告知処分時の株主構成を前提とし、滞納法人の株主を判定の基礎とすべきである旨主張する。しかしながら、特殊関係者に該当するかどうかの判定は、納税者が事業を譲渡した時の現況による(国税徴収法施行令(平成28年政令第157号による改正前のもの)第13条2項)とされているところ、本件においては、滞納法人は、事業譲渡時に請求人の発行済株式の全部を保有する株主であるから、請求人は同族会社に該当し、同項6号に規定する「納税者を判定の基礎として同族会社に該当する会社」に該当するから、徴収法第38条に規定する事業を譲り受けた特殊関係者に該当する。(平31. 3.26 高裁(諸)平30-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平300003
- 裁決年月日
- 平成31年3月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№114
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》は、滞納者である主たる納税者が贈与等を行った場合の規定であるところ、被相続人から請求人への土地の贈与(本件贈与)は、請求人が被相続人(本件被相続人)から受けたものであって、相続人(本件相続人ら)から受けたものではないため、滞納者である主たる納税者(本件相続人ら)が請求人に対して贈与等を行った事実はなく、本件贈与は、本件被相続人の死亡後においては、国税徴収法第39条に規定する滞納者が行ったとの要件を満たさないから、滞納者であった本件被相続人が行った無償譲渡等の処分により権利を取得した請求人は、本件被相続人の死亡後においては、第二次納税義務を負わない旨主張する。しかしながら、納税者の国税の法定納期限の1年前の日以後に同人がその財産につき無償譲渡等の処分を行い、その後死亡した場合には、死亡後の第二次納税義務を負わせるかどうかの判定をしようとする時の現況において、死亡により相続人に承継された国税につき滞納が生じており、滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められ、かつ、その不足することが当該無償譲渡等の処分に基因すると認められるときは、当該無償譲渡等の処分により権利を取得した者は第二次納税義務を負うと解するのが相当である。ただし、本件相続人らは、本件被相続人の死亡により本件被相続人の滞納国税の納付義務を承継しているため、当該納付すべき限度の額については、民法第900条及び第901条の規定によるその相続分(2分の1)であん分して計算した額となる。そうすると、本件における各納付告知処分は、納付すべき限度の額を超える部分はいずれも違法となる。 (平31. 3.18 沖裁(諸)平30-3)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300018ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成31年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各土地は実質的に請求人らに帰属しており、第二次納税義務の制度趣旨にいう「滞納者に財産が帰属していると認めても公平を失しないような場合」ではないから、第二次納税義務が課せられる場合に該当せず、各土地の売却価額は正当な金額である旨主張する。しかしながら、第二次納税義務の制度は、形式的には第三者に財産が帰属しているものの、実質的には、なお滞納者にその財産が帰属していると認めても公平を失しないような場合には、その形式的権利の帰属を否定しながら、しかも、私法秩序を乱すことを避けつつ、形式的に財産が帰属している第三者に対し、補充的に滞納者の納税義務を負担させることによって租税徴収の確保を図る制度であるから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の「著しく低い額」に該当するか否かは、当該財産の種類、数量の多寡、時価と対価の差額の大小等を総合的に勘案して、社会通念上、通常の取引に比べ著しく低い額の対価であるかどうかによって判定すべきものと解するのが相当であり、対象となる財産が土地のように値幅のある財産である場合には、当該取引価額が、一般市場において、当該土地の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額(時価のおおむね2分の1に満たない価額)をもって、特段の事情のない限り、「著しく低い額」と解するのが相当である。本件においては、請求人らは、各土地の売却により、各土地を時価の2分の1を下回る価額で買い受けており、売却価額が国税徴収法第39条の「著しく低い額」ではないとする特段の事情も見当たらないから、当該価額は、社会通念上、通常の取引に比べ著しく低い額の対価であるといえる。(平31. 2.15 広裁(諸)平30-18)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300018ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成31年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁の行った滞納者の財産調査は不十分であり、原処分庁は、各土地が売却された後、速やかに、売却代金から滞納国税を徴収すべきであって、そうすれば、納付告知処分(本件納付告知処分)の処分時の徴収不足は生じなかった旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する第二次納税義務が、第三者に対して本来の納税義務者からの徴収不足額につき補充的に課される義務であることに照らすと、徴収不足が認められる場合とは、納付告知処分時の現況において、本来の納税義務者の財産で滞納処分により徴収することのできるものの価額が、同人の滞納国税の総額に満たないと客観的に認められる場合をいうものと解される。本件においては、原処分庁が滞納者について可能な限りの財産調査を合理的な裁量の範囲内で行った結果、本件納付告知処分を行ったときの現況において、滞納者の財産で滞納処分により徴収することのできる財産は、原処分庁が差し押さえた債権及び少額の預金のみであり、滞納者の財産で滞納処分により徴収することのできるものの価額は、滞納国税の総額に満たないと客観的に認められる。したがって、滞納国税について、徴収不足が認められる。(平31. 2.15 広裁(諸)平30-18)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300018ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成31年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仮に徴収不足が認められるとしても、その徴収不足は、滞納国税の法定納期限の1年前の日以後を含む過去における滞納者の事業活動などから生じたものであり、また、各土地の売却が低額譲渡であったとしても、滞納者は、当該売却により利益を得ているのであるから、滞納国税の徴収不足は、各土地を低額譲渡したことには基因しない旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》が規定する徴収不足が無償譲渡等の処分に基因すると認められるときとは、当該無償譲渡等の処分がなかったならば徴収不足を生じなかったであろうということができる場合をいうものと解される。本件においては、滞納国税について徴収不足が認められる場合に該当するところ、仮に、各土地の売却がなかったならば、原処分庁は、各土地に対して滞納処分を執行することにより、滞納国税の総額を徴収でき、徴収不足は生じなかったであろうということができるから、滞納国税の徴収不足は、各土地を低額譲渡したことに基因する。(平31. 2.15 広裁(諸)平30-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300013
- 裁決年月日
- 平成30年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①納税者(本件納税者)が請求人に交付した金員(本件金員)は本件納税者に帰属するものではなく、②仮に本件金員が本件納税者に帰属するとしても、本件金員は請求人が本件納税者に請求人名義の預金口座を使用させること等の対価として支払われたものであり、また、③本件金員は高額家賃等に充てるため直系血族相互間の扶養義務として社会通念上相当と認められる範囲内の金銭の交付であるから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する滞納者がその財産につき行った無償による譲渡に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件金員は本件納税者に帰属するものであり、②請求人の債務の返済及び生活費の援助として贈与されたものと認められ、また、③本件金員の交付時に、請求人は成人し、自己の収入によって生活を維持することが十分に可能な程度の給与収入を得て、独立して生活していたものであるから、本件納税者に請求人の生活扶助義務があったとは認められないことから、本件金員の交付は、本件納税者がその財産につき行った無償による譲渡に該当する。(平30.11.13 関裁(諸)平30-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300014
- 裁決年月日
- 平成30年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元代表取締役である本来の納税義務者ら(本件納税者ら)が請求人の借入金債務を代位弁済し、これにより取得した各求償債権(本件各求償債権)を免除したこと(本件各債務免除)について、①代位弁済は本件納税者らの請求人に対する損害賠償債務及び経営責任の履行として行われたものであるから本件各求償債権は実質的には発生していないこと、②企業の再生実務において、対象企業が金融機関に債権放棄を求める案件では、経営責任の観点から、経営者が対象企業に対する債権の全額を放棄することが通常であることから、本件各債務免除は国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件納税者らは、請求人の金融機関などに対する各借入金債務について代位弁済をしたことにより本件各求償債権を取得し、当該求償債権から各人の請求人に対する借入金債務額を控除した後の残高について、免除する旨の意思表示をしたことが認められ、②本件納税者らが経営責任の観点から本件債務免除を行ったとしても、それは単に本件各債務免除を行った動機にすぎず、そのことをもって本件各求償債権が実質的には発生していないとはいえないから、本件各債務免除は同条に規定する債務の免除に該当する。(平30.11.13 関裁(諸)平30-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300014
- 裁決年月日
- 平成30年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元代表取締役である本来の納税義務者らが請求人の借入金債務を代位弁済し、これにより取得した各求償債権(本件各求償債権)を免除したこと(本件各債務免除)により受けた利益について、①本件各債務免除当時、請求人を清算した場合、その清算価値は零円であったから、本件各求償債権の評価額は零円であること、②「保証債務の特例における求償権の行使不能に係る税務上の取扱いについて(通知)」(平成14年12月25日付課資3−14ほか2課共同)(本件通知)の取扱いに照らしても、本件納税者らは本件各求償債権の行使が不能であったことから、請求人が本件各債務免除により受けた利益が現に存する限度の額は零円である旨主張する。しかしながら、①金銭債権の評価に当たっては、債権金額の全部又は一部の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるような特別な事情が認められる場合には、当該事情による減価を適切に見込んで評価すべきであるが、当該事情が認められない場合には、額面上の金額で評価するのが相当であるところ、請求人には当該特別な事情があったとは認められず、②本件通知の取扱いは、飽くまでも代表者等が保証債務の履行に伴い取得した求償権の金額を譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなすか否かという所得税の課税標準の判断における基準を示しているにすぎず、徴収確保の観点から債権の時価を算定するものである第二次納税義務における債権の評価とは、その判断基礎を異にするものであるから、請求人が本件各債務免除により受けた利益の額が現に存する限度の額は、本件各求償債権の額面上の金額となる。(平30.11.13 関裁(諸)平30-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290136
- 裁決年月日
- 平成30年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 請求人は、債務免除(本件債務免除)当時における請求人の財務状況等から、その時点で請求人が破産した場合、一般債権者への配当はなかったこと、また、債務免除前に、事実上支払停止に陥っており支払能力はなかったことを理由に、滞納者が債務免除をした貸付金(本件貸金債権)の本件債務免除の時の価額は零円であるから、請求人が本件債務免除により受けた利益の額は零円である旨主張する。しかしながら、債権の評価に当たっては、債務者の資産状況、支払能力等の債務者側の事情を踏まえて算定するのが相当であるところ、請求人は、本件債務免除当時、①手形交換所における取引停止処分や法的整理(再生手続、破産手続等)の開始決定及び事業の休廃業等の事実はなく、②事業活動は継続されており、本件債務免除の前後において相当の売上高を計上していたこと、③本件貸金債権の額を大きく上回る流動資産を有していたこと、④本件債務免除は、主要取引銀行に対し、請求人の代表者である滞納者の経営責任を明確にするために行われたものであり、本件貸金債権の回収が不可能又は著しく困難であるとして債務免除が行われたものではないことからすると、本件貸金債権の全部又は一部の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるような特別な事情があったとは認められないから、債務免除により請求人が受けた利益の額は、本件貸金債権の額面上の金額と同額であるとするのが相当である。(平30. 6. 7 東裁(諸)平29-136)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290136
- 裁決年月日
- 平成30年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 請求人は、債務免除(本件債務免除)の時において、請求人の当時の代表者取締役(本件滞納者)は、本件債務免除により請求人に第二次納税義務が生じることを認識しておらず、仮にそれを知っていれば、本件滞納者は本件債務免除をすることはなかったのであり、本件債務免除は第二次納税義務が生じないことを前提としたものであるという黙示の動機の表示が認められ、本件滞納者も錯誤の存在を認めているから、本件債務免除は錯誤により無効である旨主張する。しかしながら、意思表示の動機の錯誤が法律行為の要素の錯誤としてその無効を来たすためには、その動機が相手方に表示されて法律行為の内容となり、もし錯誤がなかったならば表意者がその意思表示をしなかったであろうと認められる場合であることを要すると解されるところ、本件滞納者は、本件債務免除当時、第二次納税義務の制度自体を知らなかったのであるから、請求人が主張する本件滞納者の動機は、そのことが念頭になかったために行為に至ったことをいうにすぎず、黙示にも表示はなかったと認められ、また、本件債務免除は、主要取引銀行に対し、本件滞納者が代表者としての経営責任を明確にするために行われたものと認められるところ、本件滞納者は、本件債務免除の後、請求人に第二次納税義務が生じる可能性があることを知った後も、本件債務免除を無効とすべく特段の行動をした事実は認められず、かえって請求人の代表者として、本件債務免除を前提とした請求人の決算及び確定申告等に係る一連の行動をしていたことが認められるから、もし請求人に第二次納税義務が生じることを知っていたならば、本件滞納者が、本件債務免除を行わなかったであろうと認められる場合には当たらない。したがって、本件債務免除は錯誤により無効ではない。(平30. 6. 7 東裁(諸)平29-136)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290058
- 裁決年月日
- 平成30年5月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人に対して国税徴収法第35条《同族会社の第二次納税義務》に基づく納付告知処分(本件納付告知処分)行うに当たって、財産調査及び意見聴取を一切行わなかったのであるから、本件納付告知処分の手続には、取消事由となる違法がある旨主張する。しかしながら、国税徴収法上、第二次納税義務を負うべき者に対し財産調査又は意見聴取をした上で第二次納税義務の納付告知処分を行わなければならない旨の規定は設けられていないから、第二次納税義務を負うべき者に対する財産調査又は意見聴取の有無は、第二次納税義務の納付告知処分の取消事由とはなり得ない。(平30. 5.29 関裁(諸)平29-58)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290058
- 裁決年月日
- 平成30年5月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 原処分庁は、国税徴収法第35条《同族会社の第二次納税義務》の規定に基づき、請求人が負うべき第二次納税義務の限度となる株式(本件株式)の価額を、請求人に納付通知書(本件納付通知書)を発する日の直前の決算期末の貸借対照表(本件貸借対照表)に記載されている金額により算定したことは、国税徴収法基本通達第35条関係の13《資産及び負債の額の計算》に基づいて本件株式の適正な時価を反映させた適法なものである旨主張する。しかしながら、当該通達が、特に徴収上支障がない場合には、直前の決算期の貸借対照表等を参考とすることを認めているのは、納付通知書を発した日の時価評価を簡便に行えるようにすることを企図するものである一方、飽くまで「参考」とすることができるにとどめているのは、国税徴収法第35条第2項の「当該会社の資産の総額から負債の総額を控除した額」は、同族会社に対し納付通知書を発する時の客観的な時価を標準として計算されるべきものであることを踏まえたものと解され、納付通知書を発する日の直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、納付通知書を発した日における金額が明らかになっている資産又は負債が含まれている場合や、具体的な経済的価値を有しているとはいい難い資産や、その債務の発生が確実といえないような負債が含まれている場合には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて、納付通知書を発した日における客観的な時価を算定するのが相当である。本件においては、現金や預金など本件納付通知書を発した日における金額が明らかとなっている資産等があると認められる以上、一定の修正を加えて本件株式の客観的な時価を算定するのが相当であり、原処分庁が本件貸借対照表に記載されている金額をそのまま用いて算定した本件株式の価額は、適正な時価を反映して算出された適法なものとはいえない。(平30. 5.29 関裁(諸)平29-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290120
- 裁決年月日
- 平成30年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が滞納者から債務免除(本件債務免除)を受けたことに基づいて原処分庁からされた国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく第二次納税義務の納付告知処分(本件告知処分)につき、本件債務免除により受けた利益(本件債務免除益)は債務の返済に充てられ既に消滅しているから、本件告知処分の時において現存していない旨主張する。しかしながら、請求人が主張するように、本件債務免除益が債務の返済に充てられたとしても、本件債務免除益によって、他の現有財産等の減少を免れることになるのであるから、本件債務免除益は、この減少を免れた現有財産等の価値相当分として現存していることとなり、消滅したことにはならない。(平30. 5. 8 東裁(諸)平29-120)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290019
- 裁決年月日
- 平成30年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第二次納税義務の徴収権は主たる納税義務とは別個に独立して時効消滅すると解すべきであり、請求人に対する第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)に係る滞納法人の滞納国税(本件滞納国税)のうち、その最も古い法定納期限から既に5年以上経過していることから、本件納付告知処分に係る第二次納税義務の徴収権は、時効により消滅している旨主張する。しかしながら、第二次納税義務は、既に確定している主たる納税義務者の納税義務を補完するものにすぎずこれと別個独立に発生するものではなく、また、主たる納税義務が発生し存続する限り、必要に応じいつでも課せられる可能性を有するものであるから、第二次納税義務の徴収権が主たる納税義務の徴収権と別個独立して時効により消滅することはないと解されるところ、本件滞納国税の徴収権は、督促状の送付及び納付計画書の提出により、それぞれの時点で時効の中断が生じていると認められ、本件納付告知処分時においても時効により消滅していないから、本件納付告知処分に係る第二次納税義務の徴収権は、時効により消滅していない。(平30. 3.14 名裁(諸)平29-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290019
- 裁決年月日
- 平成30年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600304000
- 争点
- 3第二次納税義務/4共同事業者の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第37条《共同的な事業者の第二次納税義務》に規定する「財産に関して生ずる所得が納税者の所得となっている場合」とは、同族株主等の所有する財産を同族会社が時価より低額で賃借している場合であるとした上で、滞納法人は請求人の所有する不動産(本件不動産)を時価相当額で賃借していることから、時価に相当する借賃の金額と低額な借賃の金額との差額が滞納法人の所得となっていない旨主張する。しかしながら、同条に規定する「財産に関して生ずる所得が納税者の所得となっている場合」とは、同族株主等の所有する財産をその同族会社が時価より低額で賃借している場合に限定されるものではなく、納税者が重要な財産を店舗や工場等として使用することにより所得が生じるなど、重要な財産から直接又は間接に生ずる所得が納税者の所得となっている場合及び所得税法その他の法律の規定又はその規定に基づく処分により納税者の所得とされている場合をいうものと解される。そうすると、滞納法人は、重要な財産である本件不動産を使用して事業を行い、かかる事業から生ずる収入を滞納法人の収益に計上しているのであるから、本件不動産に関して生ずる所得は、滞納法人の所得となっているということができる。(平30. 3.14 名裁(諸)平29-19)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平290004
- 裁決年月日
- 平成30年1月11日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№110
要旨
○ 原処分庁は、滞納者(請求人の元夫)から請求人に対する預金債権及び生命保険契約等に係る解約返戻金の支払請求権(本件各債権)の譲渡は、滞納者が営んでいた事業(本件事業)の請求人への引継ぎに伴い無償で譲渡されたものであり、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡、債務の免除その他第三者に利益を与える処分」(無償譲渡等の処分)に該当する旨主張する。しかしながら、本件事業の引継ぎに伴い、滞納者から請求人に対し本件各債権の無償による譲渡があったとは認められず、滞納者と請求人の離婚協議の場で作成された合意書その他の状況等を踏まえると、本件各債権は離婚に伴う財産分与により滞納者から請求人に譲渡されたものと認めることが相当である。そして、離婚に伴う財産分与が民法第768条《財産分与》の規定の趣旨に反して不相当に過大であるか否かは、財産の額や婚姻期間中の状況等の諸事情を考慮して、清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素に相当する額をそれぞれ算定した上で判断するのが相当であるところ、請求人が滞納者から財産分与により取得した財産の価額は、上記要素に基づき算定した財産分与相当額を下回るものであり、不相当に過大ではないから、無償譲渡等の処分があったとは認められない。(平30. 1.11 福裁(諸)平29-4)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平290002
- 裁決年月日
- 平成29年12月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305080
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№109
要旨
○ 請求人は、生命保険の代理店業を営む滞納会社(本件滞納会社)には、保険会社との代理店業務委託契約における契約上の地位を第三者に譲渡する権限はないこと、代理店手数料は請求人自らが行った業務の対価として、請求人が受け取るべきものといえることなどを理由に、本件滞納会社から請求人への代理店の変更によって、本件滞納会社から国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する利益は受けていない旨主張する。しかしながら、本件滞納会社及び請求人による保険会社に対する代理店の継承に係る承認申請等(本件申請)は、代理店としての地位を譲渡する手続を履践する目的で行われたものと認められ、本件申請から保険会社による承認までの一連の行為(本件委託先代理店変更)によって、本件滞納会社の代理店たる契約上の地位(本件契約上の地位)が請求人に譲渡された結果、請求人が代理店手数料を受領することとなったことが認められる。また、代理店手数料は、保険募集業務の遂行に基づく保険契約の獲得がなければ発生しないものである一方、保険契約の締結に至った場合には、解約等の事象が発生しない限り、保険契約者は契約期間にわたって保険料を支払うこととなるのであるから、当該保険料に係る代理店手数料は、その発生について高度の蓋然性があるということができ、本件契約上の地位には財産的価値が認められる。したがって、本件契約上の地位は、国税徴収法第39条の処分の対象たる積極財産に該当し、本件委託先代理店変更によって、請求人は、本件契約上の地位を本件滞納会社から無償で譲り受けた結果、本件契約上の地位の評価額に相当する利益を受けたといえることから、本件委託先代理店変更は、国税徴収法第39条に規定する第三者に利益を与える処分に該当するものと認められる。ただし、原処分庁が算定した納付すべき限度の額の一部については、本件契約上の地位の内容には含まれていない月分の代理店手数料等を考慮して算定されており、当該金額については納付すべき限度の額に含めることはできない。(平29.12.14 仙裁(諸)平29-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290007
- 裁決年月日
- 平成29年12月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№109
要旨
○ 原処分庁は、国税徴収法第35条≪同族会社の第二次納税義務≫の規定に基づき、請求人の負うべき第二次納税義務の各限度額(本件各限度額)を、請求人の直前の決算期末の貸借対照表に記載されている簿価により算出したことは、国税徴収法基本通達35条関係の13≪資産及び負債の額の計算≫に定める「特に徴収上支障がない」場合に該当することから、株式の適正な時価を反映させた適法なものである旨主張する。しかしながら、当該通達が、特に徴収上支障がない場合には、直前の決算期の貸借対照表等を参考とすることを認めているのは、納付通知書を発した日の時価評価を簡便に行えるようにすることを企図するものである一方、国税徴収法第35条第2項の「当該会社の資産の総額から負債の総額を控除した額」は、同族会社に対し納付通知書を発する時の客観的な時価を標準として計算されるべきものであることを踏まえ、飽くまで「参考」とすることができるにとどめているものと解される。そうであるとすると、直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる債権などのように、額面どおりの経済的価値があるとはいい難い資産や、その債務の発生が確実といえないような負債が含まれている場合には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて客観的な時価を算出するのが相当であり、本件各限度額は、請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出された適法なものとはいえない。(平29.12.13 名裁(諸)平29-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290022
- 裁決年月日
- 平成29年8月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産(本件不動産)を譲り受けたのは、請求人の有する立替金等の債権に対する代物弁済という趣旨であって、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分を受けた事実はない旨主張する。しかしながら、本件不動産について、請求人に対する贈与を原因とする所有権移転登記がなされていることに加え、請求人は、その後も登記原因に沿う贈与税の申告書等を提出し、当該贈与税の申告書に記載された請求人の納付すべき金額を納付し、また、本件不動産に係る固定資産税も請求人単独で納付し、さらに、請求人は、本審査請求に至るまで、本件不動産の譲渡が請求人に対する立替金等の債務の弁済の趣旨で行われたものであるとの申述等をしていない。これらのことを総合すると、請求人は本件不動産の贈与を受けたものと認められる。(平29. 8.22 東裁(諸)平29-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290022
- 裁決年月日
- 平成29年8月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人が譲り受けたのは、滞納者である父の所有不動産(本件不動産)の2分の1(共有持分)のみであり、かつ②その譲渡は、請求人が有していた立替金等の債権に対する代物弁済という趣旨であるから、無償譲渡等の処分によって請求人の受けた利益の額は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分の時の現況による本件不動産の価額の2分の1相当額から上記立替金等の額を差し引いた額である旨主張する。しかしながら、請求人は、本件不動産全部の贈与を受けたものと認められ、また、請求人の主張する代物弁済の合意がなされたと認めることはできないから、無償譲渡等の処分によって請求人の受けた利益の額は、同処分時の現況による本件不動産の価額を基礎として、そこから請求人が支払った登録免許税等の額を控除した金額とするのが相当である。(平29. 8.22 東裁(諸)平29-22)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280046
- 裁決年月日
- 平成29年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№107
要旨
○ 請求人は、第二次納税義務の告知処分(本件納付告知処分)が滞納者がした請求人に対する不動産の贈与(本件贈与)があったとき及び原処分庁が本件贈与の事実を把握していたであろうときから相当期間経過後にされたものであること、これにより延滞税がかさむこととなったのは原処分庁の怠慢であること並びに請求人には詐害の意思がないことをもって、本件納付告知処分には、国税の徴収権を濫用した違法がある旨主張する。しかしながら、単に、税務署長等において本来の納税義務者から国税の徴収を怠ったというにとどまらず、本来の納税義務者が十分な財産を有し、本来の納税義務者から滞納に係る国税を徴収することが極めて容易であるにもかかわらず、税務署長等が本来の納税義務者又は第三者の利益を図る目的をもって恣意的に本来の納税義務者から国税の徴収を行わず、国税徴収法(平成28年法律第15号による改正前のもの。)第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づき、第二次納税義務を負わせたというような場合においては、当該納付告知処分が形式的には租税法規に適合するものであっても、正義公平の観点からみて国税の徴収権の行使として許容できず、国税の徴収権の濫用に当たると解するのが相当であるところ、請求人の主張する事情が認められたとしても、本件納付告知処分が国税の徴収権の濫用となるものではない。(平29. 5.29 関裁(諸)平28-46)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平280016
- 裁決年月日
- 平成29年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人から支給された退職金(本件退職金)については、滞納法人の退職金規定に基づき算定され受領したものであり、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償又は著しく低い額の対価による譲渡、債務の免除その他第三者に利益を与える処分(無償譲渡等)に該当しない旨主張する。しかしながら、本件退職金のうち、相殺により滞納法人の請求人に対する退職金支払債務が消滅した後に、請求人が滞納法人に支払うべき消費税等相当額を補うため滞納法人が追加支給したと認められる退職金については、一連の経緯から、請求人が本件消費税等相当額を本件滞納法人に支払わなくてもよいようにするためであったと認められ、退職金としての支払根拠を欠くものであるから、請求人に対する無償譲渡等に該当する。(平29. 5.10 広裁(諸)平28-16)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平280002
- 裁決年月日
- 平成29年3月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№106
要旨
○ 請求人は、国税の滞納者との間で行った金銭消費貸借取引(本件取引)は、本件取引1と本件取引2との二つに分かれており、前後二個の貸付取引が成立・存在するためには、原則として二個の基本契約の成立が要求されるところ、本件取引2においても、本件取引1とは法律的同一性を欠く基本契約が締結されていたものであり、本件取引1の終了時から10年を経過し、本件取引1に係る過払金返還債務は時効により消滅している旨主張する。確かに、本件取引1における最終の弁済から本件取引2の最初の貸付までの期間は約1年11か月であり、本件取引1と本件取引2では、約定利率の変更がされるなどの事実が認められるが、本件取引2の開始日において、基本契約が締結され、契約書が取り交わされた事実は認められず、本件取引1の最終弁済後も、将来において取引を再開し、新たな借入金債務の発生が見込まれる状態にあったことに照らせば、本件取引は、その全体が本件取引に係る基本契約に基づく一個の貸付取引であると認めるのが相当である。過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては、同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は、同取引が終了した時から進行するものとされており(最高裁平成21年1月22日判決)、したがって、一個の貸付取引である本件取引の終了日は、本件取引(本件取引2)の最終弁済日であり、過払金返還請求権の消滅時効は、同日から進行する。(平29. 3.24 金裁(諸)平28-2)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平280002
- 裁決年月日
- 平成29年3月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№106
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人に対して行った国税徴収法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく納付告知処分は、裁判外の和解(本件和解)で定められた条項に基づいて滞納者から過払金返還債務の一部免除(本件免除)を受けたことを同条に規定する「債務の免除」とするものであるが、和解契約全体として手続上も内容上も合理性を有する場合には、同条の「債務の免除」があったとはいえない旨主張する。しかしながら、本件和解は、滞納者が請求人に対して停止条件付で債務を免除する旨を合意した契約であり、このような契約による免除も同条の「債務の免除」に含まれると解されるところ、本件免除は同条の制度趣旨に合致するといえるだけの実質を有するものと評価できることから、同条に規定する「債務の免除」に該当する。(平29. 3.24 金裁(諸)平28-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280102
- 裁決年月日
- 平成29年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人を含めた和解における債務者らから滞納法人の株主であると主張する者らに対し、裁判上の和解に基づく和解金(本件和解金)が交付されたことにつき、国税徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》に規定する残余財産の分配に当たるとして、滞納法人の清算人である請求人に対し、同条の規定に基づく第二次納税義務の納付告知処分をしたことについて、①株主であると主張する者らは名目上の株主にすぎないこと、②本件和解金の交付は、あくまでも裁判上の和解に基づく金員の支払いであること、③当該金員は、個人資金から捻出されたものであるから滞納法人の残余財産を分配したものではないなどを理由に第二次納税義務を負わない旨主張する。しかしながら、滞納法人の株主と認められる者らにその持株割合に応じて、滞納法人の残余財産と認められる金員を、本件和解金として交付しているのであるから、本件和解金の交付は、清算人である請求人が滞納法人の株主にその残余財産の分配をしたものと認められ、請求人は、国税徴収法第34条の規定により、分配したと認められる残余財産の価額を限度に滞納国税につき第二次納税義務を負う。(平29. 3.24 東裁(諸)平28-102)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280103
- 裁決年月日
- 平成29年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、裁判上の和解に基づく和解金(本件和解金)を受領しているところ、当該和解に至った経緯等からすると、請求人らの滞納法人の残余財産分配請求等をめぐる紛争解決のためにされた和解であると認められ、本件和解によって確定した滞納法人の残余財産について、滞納法人の清算人が、本件和解金として、請求人らへその持株割合に応じた金員を交付しているのであるから、本件和解金は、滞納法人が納付すべき国税を納付せず、残余財産を株主にその持株割合に応じて分配したものであると解されるから、請求人らは、国税徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》の規定に基づき、それぞれが受領した本件和解金の額を限度として、滞納国税につき、第二次納税義務を負う。(平29. 3.24 東裁(諸)平28-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280103
- 裁決年月日
- 平成29年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、役員退職慰労金(本件退職金)の支給を決定した臨時株主総会の召集手続に瑕疵があり、当該決議は不存在であるから、当該決議を根拠に当該役員に支給された本件退職金の支出は違法であって、所得税法上の退職所得には当たらず、滞納法人において本件退職金についての所得税の源泉徴収義務及び納税義務も不存在であるから、第二次納税義務が生ずる余地はない旨主張する。しかしながら、仮にある金員の移動が不法、違法な利得であったとしても、また、その原因となった法律行為が無効であったとしても、当該金員が所得を構成するという判断を左右するものではなく、たとえ、本件退職金の支給を決定した臨時株主総会の決議が不存在で、当該支出が会社法の規定に反するものであったとしても、当該役員に対し、役員退任を基因とした退職所得に該当する経済的利益が生じている事実がある以上、その退職所得に該当する支出をした滞納法人には、本件退職金についての所得税の源泉徴収義務及び納税義務がある。(平29. 3.24 東裁(諸)平28-103)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280034
- 裁決年月日
- 平成29年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人(本件滞納法人)の取引先(本件取引先)から請求人名義の預金口座(本件請求人口座)に入金された金員(本件金員)は、請求人を当事者とする労働者派遣契約に基づくものであり、本件取引先との新規取引の困難性等から、やむを得ず本件滞納法人の名義を使用したに過ぎず、真の当事者は請求人であるから、請求人が本件金員を受領したことは国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人と本件取引先との間で、請求人が労働者派遣をすることについての合意等は一切されておらず、本件取引先が労働者派遣をしているのは請求人であることを認識した後においても、本件取引先が追認したとうかがわれるような事情が見いだせないことからすると、請求人と本件取引先との間で、労働者派遣に関して何らの契約もされていないものということができる。他方、本件取引先は、本件滞納法人から労働者派遣を受けているとの認識の下、本件滞納法人名義の請求書に基づき本件金員を支払ったことが認められ、本件滞納法人と本件取引先との間の労働者派遣契約が解除されたことをうかがわせる証拠資料も存しない。これらのことから、本件取引先は、本件滞納法人との間の労働者派遣契約の履行として、本件金員の支払を行ったものということができるから、本件金員は、当該労働者派遣契約の一方当事者である本件滞納法人が受領すべきものということができる。そして、請求人は、本件金員を本件請求人口座に振込みを受ける方法で受領したところ、これは、請求人と本件滞納法人が、本件請求人口座を指定して本件滞納法人宛の振込依頼があった場合に入金されるよう手続した上で、本件取引先に、本件滞納法人名義で作成した請求書に基づき本件金員を本件請求人口座に振り込ませたことにより実現したものであり、これらの事情に照らせば、請求人と本件滞納法人との間で、本件取引先から本件滞納法人に支払われるべき派遣料金を請求人が受領することについての合意がされていたと認められるから、本件滞納法人は、本件金員について、無償譲渡等の処分をしたものとみるのが相当である。(平29. 3.23 関裁(諸)平28-34)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280034
- 裁決年月日
- 平成29年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人(本件滞納法人)の取引先(本件取引先)に請求人の従業員を派遣したことと、本件取引先から請求人名義の預金口座(本件請求人口座)に入金された金員(本件金員)を受領したこととの間には対価関係がある旨主張する。しかしながら、本件取引先は、本件滞納法人との間の労働者派遣契約の履行として、本件金員の支払を行ったのであり、本件金員の支払と、請求人が本件取引先に従業員を派遣したこととの間に対価関係があるとは認めることができない。なお、請求人と本件滞納法人との間には、請求人が本件滞納法人に代わり、本件取引先に従業員を派遣することについて何らかの合意があったものと考えられるものの、請求人の代表者と本件滞納法人の代表者が相談の上、本件滞納法人の略称と誤認されるような名称の請求人を設立した上、請求人が、本件滞納法人の従業員であった者を雇用して本件取引先に派遣し、本件滞納法人宛の送金を本件請求人口座で受領できるように手続を行い、本件滞納法人名義で派遣料金を請求して本件金員を受領していたというのであるから、請求人と本件滞納法人との間の上記合意は、本件取引先との間の労働者派遣契約の当事者たる地位そのものを本件滞納法人から請求人に秘かに移転することを画策したものというべきであり、そうすると、請求人が本件滞納法人に代わって本件取引先に労働者を派遣し、本件滞納法人がその対価として本件金員を支払ったものとみることもできない。(平29. 3.23 関裁(諸)平28-34)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280034
- 裁決年月日
- 平成29年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人(本件滞納法人)の取引先(本件取引先)から請求人名義の預金口座(本件請求人口座)に入金された金員(本件金員)に係る労働者派遣契約の当事者が本件滞納法人であったとするならば、本件滞納法人は本件取引先や他の取引先に対し、本件金員が本件請求人口座に入金された以後も、派遣料金の支払請求権を取得し続けており、本件滞納法人の徴収不足は解消されていたのであるから、本件滞納法人の徴収不足は本件金員についての国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分に基因するものではない旨主張する。しかしながら、納付告知処分の時点において、本件滞納法人は国税徴収法第39条に規定する徴収不足と認められる場合に該当するところ、本件滞納法人は、現代表者が代表取締役に就任した後も財務状況が改善せず、本件金員が本件請求人口座に入金された以後も滞納国税を納付するために融資の申込手続を行うような状況において、請求人に対し、本件金員について無償譲渡等の処分をしたというのであるから、本件金員について無償譲渡等の処分がなかったならば、納付告知処分の時点において、本件金員相当額の徴収不足を生じなかったであろうということができるから、徴収不足と本件金員の無償譲渡等の処分との間に基因関係を認めるのが相当である。(平29. 3.23 関裁(諸)平28-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280022
- 裁決年月日
- 平成28年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》所定の無償譲渡等の処分があったとされるときから約7年も経過したところで、請求人に対して第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)を行い、その間の延滞税を含めて請求人に納付させようとしており、これは徴収権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、本件においては、原処分庁所属の徴収職員は、再三にわたり、滞納会社に対して本件滞納国税に係る納税を求めていた事実が認められ、滞納法人の利益を図り、又は請求人に損害を与える目的をもって、恣意的に滞納法人から徴収しなかったなど、第二次納税義務の納付告知処分を行うことが正義に反し、権利の行使として是認し得ないと評価できるような事情は認められないから、本件納付告知処分は、徴収権を濫用した違法なものとはいえない。(平28. 9. 1 東裁(諸)平28-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280022
- 裁決年月日
- 平成28年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社から受領した金員(本件金員)は、第三者が滞納会社からの退職慰労金として受領すべき金員を、当該第三者から融通してもらったものであり、滞納会社から贈与されたものではなく、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》における無償譲渡等の処分には当たらない旨主張する。しかしながら、滞納会社の預金口座から払い戻され、請求人名義の預金口座へ振り込まれた本件金員は、①請求人名義の預金口座に振り込まれてから2週間程度の後に請求人の債務弁済に費消されていること、②本件金員の交付に関し、滞納会社と請求人との間に売買契約等の存在は認められず、何らかの対価関係があることをうかがわせる事情は見当たらないこと、③本件金員に係る振込等の手続が、滞納会社の実質的経営者と同人と内縁関係にあった請求人との二者のみの間で行われたことなどを併せ鑑みれば、滞納会社が請求人に無償で与えたもの、すなわち贈与されたものであると認められる。(平28. 9. 1 東裁(諸)平28-22)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平270015
- 裁決年月日
- 平成28年5月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№103
要旨
○ 原処分庁は、滞納者の自宅売却代金(本件売却代金)の一部が滞納者の預金口座から請求人の預金口座に振込入金(本件入金)されたところ、①滞納者が請求人に対して本件入金に係る金員の返還を求める意思を示していないこと、②請求人が本件入金を自宅のリフォーム費用に充てていることなどから、本件入金は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》が規定する無償譲渡等の処分に該当する旨主張する。しかしながら、滞納者が本件売却代金を原資とする滞納者の債務弁済に係る事務を請求人に委任していた事実(本件委任)が認められることからすると、本件入金は、請求人が本件委任に係る事務に関連して行ったものというべきであるから、本件入金をもって国税徴収法39条が規定する無償譲渡等の処分があったということはできない。(平28. 5.10 広裁(諸)平27-15)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270041
- 裁決年月日
- 平成28年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件滞納者から請求人に対する送金(本件送金)につき、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分に該当するとして、請求人に対して第二次納税義務の納付告知処分をしたことについて、本件送金に係る金員については事業収入として申告しており、税務官庁が課税面と徴収面で異なる認識をしているのは矛盾する旨主張する。しかしながら、当該金員について、そもそも請求人が事業収入として申告をしたからといって、課税庁が事業収入と判断したものではないから、請求人の主張はその前提を欠いており、また、事業収入として申告したことは、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するか否かの判断を左右するものではない。(平28. 3.23 関裁(諸)平27-41)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270041
- 裁決年月日
- 平成28年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、本件滞納者から請求人に対する送金(本件送金)が国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分に該当するとして、請求人に対して第二次納税義務の納付告知処分をしたのに対し、滞納者から送金された金員は、請求人とチャットを行うという事業活動としての役務の対価であるから、同条に規定する無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、①滞納者は、請求人に対してチャットサイトの運営会社を通さずに他の通信手段による直接のやりとりを求め、請求人はこれに応じたものの、その内容や料金に関する事項については、具体的な取決めがなかったこと、②滞納者から請求人への送金について、その送金額や送金日は、滞納者の任意によるものであり、請求人が滞納者に料金等を請求したことがなかったこと、③滞納者は、請求人を独占したいという気持ちなどから、請求人に対し、生活費としての送金に加え、不定期に旅行代やプレゼントなどとして送金を繰り返していたことが認められる。そして、当審判所は、請求人の主張に関し、請求人に釈明及び証拠資料の提出を求めたものの、請求人は、審査請求書の提出以後、何らの資料も提出することなくこれに応じなかったところ、滞納者と請求人との間のライブチャット等のやりとりは明らかでなく、当該やりとりに係る報酬等の取決めがなかったことも踏まえると、滞納者から請求人への送金が役務の対価を含むものであるとは認めるに足りない。したがって、本件の事実関係においては、本件送金が国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当すると認めるのが相当である。(平28. 3.23 関裁(諸)平27-41)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270093
- 裁決年月日
- 平成28年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納者の国税(本件滞納国税)につき徴収すべき額に不足すること(徴収不足)となったのは、請求人が滞納者から金銭の贈与を受けたこと(本件贈与)に基因するものではなく、本件贈与以前に原処分庁が無益な差押処分をしたことによって、滞納者がやむなく本件贈与を行ったものであるから、本件滞納国税の徴収不足は本件贈与に基因しない旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》が規定する徴収すべき額に不足すると認められることが無償譲渡等の処分に基因すると認められるときとは、当該無償譲渡等の処分がなかったならば、徴収不足を生じなかったであろうということができる場合をいうものと解されるところ、請求人が主張する事情は、本件贈与(無償譲渡等の処分)以前の事情であるから、本件贈与と本件滞納国税の徴収不足との間の基因関係に何ら影響しない。(平28. 2.15 東裁(諸)平27-93)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270019
- 裁決年月日
- 平成28年1月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納国税を徴するために請求人に対して行った国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく納付告知処分は裁判上の和解(本件和解)で定められた条項に基づいて滞納法人から支払義務の免除(本件免除)を受けたことを同条に定める「債務の免除」とするものであるが、請求人が滞納法人に対して有していた損害賠償請求権等については本件和解により滞納法人の責任を問わないとしたことなどから、相応の対価を出捐しており、同条規定の「受けた利益が現に存する」とはいえない旨主張する。しかしながら、本件免除による利益が消滅したような事情は特に認められず、また、本件和解において、滞納法人及び請求人との間の債権債務の存否及び額の立証の難易等を含めた諸般の事情を勘案した上で、包括的な合意として請求人が負う支払義務の額等が定められ、それと同時にその他の債権債務は清算されたといえるから、請求人が主張するような反対債権等は、本件和解により清算されたものというべきである。(平28. 1.15 名裁(諸)平27-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270019
- 裁決年月日
- 平成28年1月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納国税を徴するために請求人に対して行った国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく納付告知処分は裁判上の和解(本件和解)で定められた条項に基づいて滞納法人から支払義務の免除(本件免除)を受けたことを同条に定める「債務の免除」とするものであるが、本件免除に係る本件和解上の条項は、請求人が滞納法人に支払うとされた金額の履行を確保するために設けられたものであり、請求人が期限の利益を喪失した場合を除いて何ら意味を持つものではないから、同条に定める「債務の免除」には該当しない旨主張する。しかしながら、本件和解は、滞納法人が請求人に対して停止条件付で債務を免除する旨を合意した契約であり、このような契約による免除も国税徴収法第39条の「債務の免除」に含まれると解されるところ、本件免除は同条の制度趣旨に合致するといえるだけの実質を有するものと評価できることから、同条に定める「債務の免除」があったといえる。(平28. 1.15 名裁(諸)平27-19)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平270007
- 裁決年月日
- 平成27年10月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№101
要旨
○ 原処分庁は、滞納法人が同社の100%子会社の株主総会において第三者割当増資による新株の発行に係る議案について議決権を行使したことにより、滞納法人の代表者である請求人が著しく低い価額で当該子会社の新株(本件新株式)を取得したことは、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「その他第三者に利益を与える処分」に該当するとして、請求人に第二次納税義務の納付告知処分をした。これに対して、請求人は、原処分庁が本件新株式の評価に当たって、一般に用いられる相続税の評価方法を準用せず、ディスカウント・キャッシュ・フロー法(DCF法)を加味して評価したことには合理性がなく、そもそも、本件新株式の取得価額は時価相当額であるから、本件新株式を取得したことによって「受けた利益」(時価相当額と取得価額との差額)は生じていない旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条の第二次納税義務の限度額について、「受けた利益」が金銭以外のものであるときの財産の評価方法として、同法上、相続税の評価方法を適用又は準用する旨の規定はなく、取引相場のない株式の評価に当たり、DCF法と時価純資産法の併用を採用した原処分庁の評価方法に不合理な点は認められず、請求人には本件新株式を取得したことによって「受けた利益」が生じている。(平27.10.28 仙裁(諸)平27-7)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平270001
- 裁決年月日
- 平成27年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600304000
- 争点
- 3第二次納税義務/4共同事業者の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第37条《共同的な事業者の第二次納税義務》に規定する「財産に関して生じる所得が納税者の所得となっている場合」とは、同族会社の判定の基礎となった株主等の所有する財産を時価より低額で賃貸借している場合であり、滞納している法人4社(本件各滞納法人)との間で請求人は店舗の賃貸借契約を直接には締結しておらず、また、本件各滞納法人の各店舗(本件各店舗)を低額な賃料で貸し付けてもいないことから、本件各店舗に係る賃料に時価との差額は生じておらず本件各滞納法人の所得にはなっていない旨主張する。しかしながら、同条に規定する「財産に関して生じる所得が納税者の所得となっている場合」とは、重要財産から直接又は間接に生じる収入が納税者の収益に帰属している場合をいうものと解され、同族会社の判定の基礎となる株主等が所有する財産をその同族会社が時価より低額で賃貸借されている場合に限定されるものではない。そうすると、本件各店舗から生ずる収入が本件各滞納法人の収益に帰属していることから、本件各店舗に関して生ずる所得は、本件各滞納法人の所得となっているということができる。(平27. 7. 3 仙裁(諸)平27-1)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平270001
- 裁決年月日
- 平成27年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600304000
- 争点
- 3第二次納税義務/4共同事業者の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、詐害意思及び詐害事実のあることが国税徴収法第37条《共同的な事業者の第二次納税義務》の成立要件となるとの解釈を前提に、請求人は前所有者から正当に特殊浴場業を営む法人4社(特殊浴場4社)が入居する各店舗を取得したものであり、詐害意思及び詐害事実がないにもかかわらず行われた第二次納税義務の各納付告知処分は違法である旨主張する。しかしながら、滞納者に詐害意思及び詐害事実のあることは同条に規定する第二次納税義務の適用要件ではない。(平27. 7. 3 仙裁(諸)平27-1)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平270001
- 裁決年月日
- 平成27年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600304000
- 争点
- 3第二次納税義務/4共同事業者の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が特殊浴場等を営む法人4社(特殊浴場4社)の滞納国税につき、請求人に対して国税徴収法第37条《共同的な事業者の第二次納税義務》第2号の規定に基づき各納付告知処分を行ったのに対し、①特殊浴場4社の法人税申告書に請求人のみが株主と記載されていたのは、株主が変更したことの記載を失念していたものであること、②請求人は、特殊浴場4社の各店舗の事務代行以外には、経営に関与した事実はないことなどを理由に、特殊浴場4社に出資している事実はない旨主張する。しかしながら、①特殊浴場4社のうち2社の株式を請求人が譲り受ける旨の売買契約書が存在すること、②特殊浴場4社のうち3社の臨時株主総会において、当該3社の株式の全てを請求人が譲り受けることについて承認されていること、③特殊浴場4社の株式につき、請求人が前の所有者から引き受けた際の取引の仕訳を記載した書面を請求人が所持しており、この仕訳と請求人の帳簿が一致すること、④請求人は、平成18年12月1日から平成25年11月30日までの各事業年度の末日の各貸借対照表に特殊浴場4社の株式を計上していたこと、⑤特殊浴場4社の各滞納国税に係る期間に対応する各法人税申告書の別表二(同族会社等の判定に関する明細書)において、請求人が全株式を保有している旨が記載されていることからすれば、請求人は、特殊浴場4社の各滞納国税に係る期間において、特殊浴場4社の同族会社の判定の基礎となる株主に該当する。(平27. 7. 3 仙裁(諸)平27-1)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平260010
- 裁決年月日
- 平成27年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、滞納法人の滞納国税を徴収するため、請求人が新車を購入する際に滞納法人から下取車(本件旧車)の提供等の利益供与を受けたとして、請求人に国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)を行ったのに対し、下取車として供与されるまでの間に本件旧車を差し押さえずに、新車購入から2年以上も経過した後に行われた本件納付告知処分は、原処分庁の担当職員の職務怠慢による責任を請求人に転嫁するものであることから、違法又は不当な処分である旨主張する。しかしながら、①原処分庁は継続して滞納法人の財産調査を行っていること、②原処分庁は、滞納法人が有する差押えすべき債権について差押処分を行っていること、③本件旧車の登録所有者は滞納法人ではなかったため、本件旧車を差押えすべき財産として把握できなかったこと、及び④原処分庁は本件納付告知処分に先立ち、滞納法人の事務所内等を滞納処分のための捜索をしたが、本件旧車を含め差押えすべき財産を発見できなかったことが認められ、これらのことから判断すると、本件旧車を差押えの対象とせずに本件納付告知処分を行ったことについて、徴収権の裁量の範囲を逸脱、濫用した点はなく、また、原処分庁の判断に第二次納税義務の制度の趣旨及び目的に反している点も見当たらない。(平27. 3. 5 高裁(諸)平26-10)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平260004
- 裁決年月日
- 平成27年2月26日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、原処分庁が請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)について、請求人は、滞納会社に帰属する業務代金の支払請求権(本件支払請求権)に係る金員を受領していることから適法である旨主張する。しかしながら、請求人と取引先の間で当該業務に係る書類等が取り交わされ、請求人が当該業務を完了させた後、業務代金の授受がなされていることからすると、本件支払請求権は、請求人に帰属していたというべきであるから、本件納付告知処分は取り消されるべきである。(平27. 2.26 札裁(諸)平26-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260067
- 裁決年月日
- 平成27年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305010
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/1処分の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集NO98
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分(本件告知処分)について、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の第二次納税義務を課すには詐害の意思が必要であるところ、滞納者が請求人に対して行った土地の持分の贈与(本件譲渡)には詐害の意思はないから、本件譲渡は無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、同条の規定によれば、滞納者に詐害の意思のあることは同条所定の第二次納税義務の成立要件ではないと解されるから、本件譲渡に詐害の意思がないことを理由に、本件告知処分が違法であるということはできない。 (平27. 1.19 東裁(諸)平26-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260067
- 裁決年月日
- 平成27年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第二次納税義務の制度趣旨は滞納国税の迅速な徴収の確保を図ることにあるから、贈与から約10年という長期間が経過してから、第二次納税義務の納付告知処分をすることは、上記制度趣旨に反し、徴収権の濫用として違法であり、仮に違法でなくても不当である旨主張する。しかしながら、第二次納税義務は、主たる納税義務が発生し存続する限り、その納付告知処分ができると解されることからすると、本来の納税義務者が十分な財産を有し、同人から徴収することが極めて容易であったにもかかわらず、原処分庁が、同人若しくは第三者の利益を図り、又は第二次納税義務者に損害を与える目的をもって、恣意的に、本来の納税義務者から徴収をせず、同人が徴収不足に陥ったのを機に第二次納税義務の徴収手続を執ったなど、第二次納税義務の納付告知処分を行うことが正義に反し権利の行使として是認し得ないと評価できるような事情が認められない限り、当該納付告知処分が徴収権を濫用したものとして違法と評価されることはないと解するのが相当である。また、第二次納税義務の納付告知処分に当たり、原処分庁の裁量権の行使が第二次納税義務制度の趣旨等に照らして不合理である事情が認められない限り、当該納付告知処分が不当であると評価されることはないと解するのが相当である。そして、本件における第二次納税義務の納付告知処分(本件告知処分)には、正義に反し権利の行使として是認し得ないと評価できるような事情も、第二次納税義務制度の趣旨等に照らして裁量権の不合理な行使があったという事情も認められないから、本件告知処分は、徴収権を濫用した違法なものでも、不当なものでもない。(平27. 1.19 東裁(諸)平26-67)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260026
- 裁決年月日
- 平成26年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分について、滞納法人から支給を受けた各金員(本件各金員)は、滞納法人が支払うべき債務を請求人が立て替えて支払ったことに対する弁済金であるから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償による譲渡の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、本件各金員については、滞納法人に支払うべき債務があったとは認められないこと、滞納法人の資金を原資として支払われたと認められること、他に請求人が滞納法人から何らかの対価として支給を受けたとは認められないことから、滞納法人が請求人に本件各金員を支給したことは、請求人に利益を与える処分となり、国税徴収法第39条に規定する無償による譲渡の処分に当たる。(平26.12. 2 関裁(諸)平26-26)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平260002
- 裁決年月日
- 平成26年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、滞納法人から請求人への金員(本件各金員)の支払は無償譲渡等の処分であるとして、請求人に第二次納税義務の納付告知処分を行ったことに対し、本件各金員の原資は滞納法人代表者夫妻の個人資金であり、また、本件各金員は滞納法人代表者夫妻が居住している請求人所有の不動産(本件不動産)に係る家賃等であることから、無償譲渡等の処分ではない旨主張する。しかしながら、本件各金員は滞納法人の預金口座から出金した金員により支払われたものであり、また、本件不動産に係る賃貸借契約締結の事実は認められないことから、請求人は滞納法人から本件各金員を無償で譲り受けたと認められ、請求人の主張には理由がない。(平26.12. 1 札裁(諸)平26-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成26年9月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№96
要旨
○ 請求人は、原処分庁が納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために、請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額について、請求人は本件滞納者から売掛金債権(本件売掛金債権)を譲り受けたが、請求人が本件滞納者に支出した香典代等(本件香典代等)は、請求人が本件滞納者に利益を与える行為であるから、「受けた利益の限度」の額の算定上、本件香典代等を控除すべきである旨主張する。しかしながら、第二次納税義務の制度の趣旨に鑑みれば、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「受けた利益の限度」の額については、譲り受けた財産の額、免れた債務の額、又は享受した利益の額から、これらと直接の対価関係にあると認められる支出又は負担を控除した残額をいうところ、本件香典代等の支出は、本件売掛金債権の譲渡と直接の対価関係にあるとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平26. 9. 9 関裁(諸)平26-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260002
- 裁決年月日
- 平成26年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、原処分庁が請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)について、請求人は滞納法人から金銭の無償譲渡を受けていることから、適法である旨主張する。しかしながら、①滞納法人は一人会社であるところ、唯一の株主である請求人と滞納法人の間で、未払報酬があることが確認されている以上、遅くともこの時点までに請求人に対する報酬額が決定したものと認められること、②請求人は滞納法人の代表取締役として役務提供の実体が認められ、滞納法人から委任された事務を履行していること、③請求人が当該期間中の役員報酬を受け取ってたことを証する証拠も存在しないことから、当該譲渡の一部は役務提供の対価としての取締役報酬の支払であり、そうすると、請求人が滞納法人から受けた金銭の一部は無償譲渡には該当しないから、本件納付告知処分の一部は取り消されるべきである。(平26. 7. 1 東裁(諸)平26-2)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平250002
- 裁決年月日
- 平成26年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が主たる納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)について、請求人は本件滞納者から金銭(本件金員)を無償で譲り受けた事実はないとして、本件納付告知処分の全部の取消しを求めている。しかしながら、請求人は、本件滞納者の代表取締役が所有する不動産(本件不動産)を競落する目的で設立されたこと、本件金員が入札保証金として請求人名義で裁判所口座に振り込まれたこと、請求人が競落により本件不動産を取得したこと、本件金員の裁判所口座への振込みは、有償行為である本件滞納者からの貸付け、出資、又は債務の弁済に基づくものでなかったことからすると、請求人は本件滞納者から本件金員を無償で譲り受けたと認められることから、請求人の主張には理由がない。(平26. 1. 7 高裁(諸)平25-2)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平250003
- 裁決年月日
- 平成26年1月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№94
要旨
○ 原処分庁は、原処分庁が主たる納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)について、請求人と本件滞納者との間に債権債務関係はなく、本件滞納者の預金口座から出金された金銭(本件金員)が、請求人の預金口座(本件請求人口座)に入金されていたことから、請求人は本件滞納者から本件金員を無償で譲り受けており、本件納付告知処分は適法である旨主張する。しかしながら、本件金員が本件請求人口座に入金された後、請求人が本件請求人口座の預金を費消等することはなく、本件金員と同額の金員が、本件請求人口座から出金され、本件滞納者の代表取締役が実質的に支配する別法人(本件関連法人)の預金口座に入金された後、同代表取締役が所有していた自宅不動産の競落資金に充てられたことなどからすると、本件金員の請求人口座への入金は、本件関連法人によって競落資金として利用されるまでの資金移動の一過程であったというべきであり、請求人が本件滞納法人から金銭を無償で譲り受けたとは認められないことから、本件納付告知処分はその全部を取り消すべきである。(平26. 1. 7 高裁(諸)平25-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250023
- 裁決年月日
- 平成25年12月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、主たる納税者の滞納国税を徴収するために請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分について、信義則上、請求人に第二次納税義務を負わせるべきではない旨主張する。しかしながら、租税法規に適合する処分について、法の一般原理である信義則の法理の適用によりこれを違法として取り消すことができるのは、租税法規の適用における納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお、当該処分による滞納国税の徴収を免れしめて納税者の信頼を保護しなければならない特別の事情が存在する場合に限られるべきであり、この特別の事情が存在するか否かの判断に当たっては、税務官庁が納税者に対し公的見解を表示したことにより、納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したところ、後に当該表示に反する処分が行われ、そのために納税者が経済的不利益を受けることになったかどうか、また、納税者が税務官庁の当該表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて納税者の責めに帰すべき事由がないかどうかという点の考慮は不可欠なものであるというべきである。請求人の主張する事実は上記各要件のいずれにも該当せず、かつ、当審判所の調査によっても、他に上記各要件を満たす事実は認められない。(平25.12. 9 関裁(諸)平25-23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250023
- 裁決年月日
- 平成25年12月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 原処分庁は、主たる納税者(本件滞納会社)の滞納国税を徴収するために、請求人に対して国税徴収法第35条《同族会社の第二次納税義務》に基づきなされた第二次納税義務の限度額について、当該限度額は滞納者が所有する株式の価額であり、その株式の価額は納付通知書を発する時における同族会社の資産から負債の総額を控除した額をその株式の数で除した額を基礎として計算した額によると規定されているところ、請求人が発行した株式(本件株式)は原処分庁が差し押さえていることから、本件滞納会社が請求人に新株を発行させたこと(本件増資)は、本件株式の価値を減少させる行為であり、請求人は原処分庁に対し新株発行の効力を主張できず、本件株式の価額は本件増資前の株式の総数を前提に計算するべきである旨主張する。しかしながら、そもそも差押処分による処分禁止効とは、被差押財産そのものに対する処分を禁止する効力をいい、本件増資は、被差押財産である本件株式そのものに対しての処分ではないことから、本件株式の価額は、本件増資後の発行済株式の総数を持って評価すべきである。したがって、請求人は当該評価額を限度として第二次納税義務を負うべきであり、この額を超えて請求人に負わせた原処分庁の第二次納税義務は違法であるから、その一部を取り消すべきである。(平25.12. 9 関裁(諸)平25-23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250023
- 裁決年月日
- 平成25年12月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、主たる納税者(本件滞納会社)の滞納国税を徴収するために請求人に対して行った国税徴収法第35条《同族会社の第二次納税義務》に基づきなされた第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)について、本件納付告知処分の時点において、本件滞納会社は請求人の株式(本件株式)を既に譲渡しており所有していなかったことから、第二次納税義務は負わない旨主張する。しかしながら、本件滞納会社が本件株式を他に譲渡したことを認定するに足る証拠はないことから、本件納付告知処分が行われた時点において、本件滞納会社は本件株式を有していたものと認められる。(平25.12. 9 関裁(諸)平25-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、滞納者の滞納国税を徴収するために、請求人に対して第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)を行ったことに対し、本件納付告知処分は信義則の法理の適用により違法なものであるから取り消すべきである旨主張する。しかしながら、信義則の法理の適用の是非を考えるべき特別の事情が存在するといえるためには、少なくとも税務官庁が納税者に対して信頼の対象となる公的見解を表示したことが必要であるが、そのような事実を認めることはできないことから、請求人の主張は採用することができない。(平25. 7. 4 東裁(諸)平25-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人は、請求人が第二次納税義務を負う場合であっても、請求人は国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲譲受人等の第二納税義務》に規定する「親族その他の特殊関係者」に該当せず、財産分与(本件財産分与)により受けた利益が現に存する限度に限り責任を負うというべきである旨主張する。しかしながら、請求人は本件財産分与の時点において、滞納者の配偶者であり「親族その他の特殊関係者」に該当することから、請求人が負う第二次納税義務の範囲(限度額)は、本件財産分与により受けた利益の限度である。(平25. 7. 4 東裁(諸)平25-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人は、離婚に伴い滞納者である夫から財産分与(本件財産分与)として不動産(本件分与財産)を譲り受けたが、本件財産分与は不相当に過大ではないから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二納税義務》が規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」に該当しない旨主張する。しかしながら、離婚における財産分与が同条の「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」等の処分に当たるか否かは、夫婦間における諸事情を考慮して清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素を算定した上で当該財産分与が不相当に過大か否かを判断するのが相当であるところ、本件分与財産の価額は、財産分与相当額の8倍以上であるから、本件財産分与は、国税徴収法第39条が規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」に該当する。(平25. 7. 4 東裁(諸)平25-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240222
- 裁決年月日
- 平成25年6月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№91
要旨
○ 吸収分割により滞納会社(本件滞納会社)から事業を譲り受けた法人(本件法人)の権利義務の全部を数次の吸収合併によって承継した請求人は、当該吸収分割についての本件滞納会社の臨時株主総会による承認決議の時には本件法人は本件滞納会社の特殊関係者に該当しないから、国税徴収法第38条《事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務》に規定する第二次納税義務を負わない旨主張する。しかしながら、国税徴収法施行令第13条《納税者の特殊関係者の範囲》第2項は、特殊関係者であるかどうかの判定は納税者がその事業を譲渡した時の現況による旨規定しているところ、吸収分割による事業の譲渡があった時とは、吸収分割による効力発生日であり、その効力発生と同時に吸収分割会社が吸収分割承継株式会社の株主になると解されるので、その時に吸収分割承継株式会社が吸収分割会社の特殊関係者に該当するかどうかを判定するのが相当である。そうすると、本件滞納会社は、本件吸収分割の効力が発生し、事業の譲渡が行われたのと同時に、本件法人の発行済株式の100分の50を超える株式の株主となったのであるから、本件法人は本件滞納会社の特殊関係者に該当する。(平25. 6. 5 東裁(諸)平24-222)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240213
- 裁決年月日
- 平成25年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№91
要旨
○請求人は、滞納法人は費用不足で破産手続廃止となったことにより、その法人格が消滅し、その納税義務も消滅したから、請求人に対する第二次納税義務の納付告知処分、不動産の差押処分及び債権の差押処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、滞納法人の破産手続は、破産法第220条《破産手続終結の決定》第1項が規定する配当等による終結ではなく、同法第217条《破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定》第1項が規定する異時廃止によって終了していることから、会社法第475条《清算の開始原因》に規定する清算が行われた場合と同じであるということはできず、そうすると、破産手続開始の決定による解散の効果として、同条第1号の規定により清算しなければならず、同法第476条《清算株式会社の能力》の規定により、清算の目的の範囲内で滞納法人の法人格は存続していることから、請求人の主張はその前提を欠くものであって採用できない。(平25. 5.21 東裁(諸)平24-213)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平240016
- 裁決年月日
- 平成25年5月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305070
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/7低額譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、契約書や登記簿上は滞納者が請求人に対し直接不動産を譲渡したことにはなっておらず、滞納者が中間者に対してまず譲渡し(第一譲渡)、さらに中間者が請求人に対して譲渡したことになっているが(第二譲渡)、第一譲渡は仮装譲渡であったこと、中間者には実体がなく、滞納者が中間者を意のままに利用したことなどから、実際には滞納者が請求人に対し第二譲渡の内容で直接譲渡したものであり、かつ、この譲渡は低額譲渡であったから、請求人は、滞納者の滞納国税について、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づき第二次納税義務を負うなどと主張する。確かに、第一譲渡は、滞納者にも中間者にも真実譲渡する意思がなかったにもかかわらず、滞納者の債権者からの差押えを免れる目的で所有名義を移転させたものであり、仮装譲渡であったと認められる。しかし、第一譲渡が仮装譲渡であっても、滞納者が請求人に対し第二譲渡の内容で直接譲渡したというためには、結局、滞納者と請求人との間において第二譲渡の内容で譲渡の合意が成立していなければならない。そして、滞納者は第二譲渡の当時第二譲渡の実行を知らなかったと認められること、中間者は当時休眠会社ではあったものの第一譲渡及び第二譲渡に関しては独自の主体として行動していたというべきであること、滞納者は第二譲渡において定められた譲渡代金の全額に相当する金員を受け取っておらず、受け取っていない分についての支払時期や支払方法等が定められた形跡等もないことなどからすると、滞納者と請求人との間において第二譲渡の内容で譲渡の合意が成立したとは認められない。また、本件の事情をこれ以外にどのように法的に構成しても、滞納者が請求人に直接不動産を取得させたと認めることはできない。したがって、請求人は、滞納者の滞納国税について、第二次納税義務を負わない。(平25. 5. 7 福裁(諸)平24-16)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平240016
- 裁決年月日
- 平成25年5月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305010
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/1処分の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の第二次納税義務は、滞納者から直接無償譲渡等の処分を受けた者が負うのであるが、直接といっても、表面的に解するべきではなく、「財産権の移転」等の状況を踏まえて実質的に解するべきである旨主張する。しかしながら、租税法律主義の観点からは、条文の文言を実質的に拡大するような解釈をすることはできない。同条は、「これらの処分により権利を取得し・・・た者は、・・・その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う」と規定し、滞納者の処分により権利等を取得した者に第二次納税義務を負わせることを明記しているから、当然に、滞納者の処分により直接権利等を取得した第三者に第二次納税義務を負わせることを予定していると解するほかない。原処分庁の主張は、必ずしもそのような趣旨とは断言できず、同条の文言の内容を実質的に拡大し直接の第三者以外の者も第二次納税義務者に含ませる恐れを排除できないから、採用することはできない。(平25. 5. 7 福裁(諸)平24-16)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240020
- 裁決年月日
- 平成25年3月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№90
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、請求人所有の建物の賃借人(本件滞納法人)からの申出により、賃貸借契約(本件賃貸借契約)を賃貸借期間の途中で解約するに当たり、本件滞納法人との間でした、本件滞納法人が請求人に対して敷金(本件敷金)の返還請求権(本件敷金返還請求権)を放棄する旨の合意(本件合意)に基づき、その放棄を受けたことは、本件滞納法人による国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「債務の免除」に該当する旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条にいう債務の免除とは、広く第三者に利益を与えるものというと解されるところ、本件合意は、本件滞納法人がその賃借する建物を本件合意で定めたとおり明け渡すことを条件として、本件賃貸借契約の解約によって発生する損害賠償の額を予定し、その損害賠償請求権と本件敷金返還請求権等とを相殺することを定めたものであり、社会通念上、損害賠償の額を予定し、相殺することについて合理的な期待を有すると認められる範囲内にあるから、本件合意による約定は有効と認められ、これにより請求人の損害賠償の額が本件敷金等に相当する額に制限された上、その損害賠償請求権と本件敷金返還請求権等とが相殺されて消滅することとなることからすると、本件合意により請求人が利益を受けたということはできない。(平25. 3.27 広裁(諸)平24-20)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240064
- 裁決年月日
- 平成25年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産の無償譲渡を受けたことについて、平成6年の仮処分登記によりこれを公知の事実とし、安定した事実状態が存在していたにもかかわらず、無償譲渡を受けた平成6年から18年以上も経過した時点において、第二次納税義務を課することは権利の濫用又は信義則違反に当たる旨主張する。しかしながら、①当該無償譲渡に係る所有権移転登記は平成22年に経由され、それによって初めて、請求人に第二次納税義務が成立し、原処分庁が請求人に対して納付告知処分をすることが可能な状況となったこと、②当該所有権移転登記が平成22年まで経由されなかったことについて、長期間にわたって請求人が所有権移転登記手続を求める訴訟を提起しなかったことに帰責性が認められることから、請求人に対して第二次納税義務の納付告知処分をしたことが権利の濫用又は信義則違反に当たると解することはできない。(平25. 3.25 大裁(諸)平24-64)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240064
- 裁決年月日
- 平成25年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、不動産の無償譲渡によって請求人が「受けた利益」の額について、財産評価基本通達に定める倍率方式により算定した額(相続税評価額)を0.8で除した金額を基として算定したことにつき、相続税評価額は相続税法第22条にいう「時価」そのものではなく、評価上の安全を考慮して公示価格の80%程度の金額となるように設定されているから、これを0.8で除すことは不合理ではない旨主張する。しかしながら、請求人が無償譲渡を受けた不動産は、公示区域内になく、その近隣に地価公示に係る標準地がない土地であるから、当該不動産には、通常の取引価額の算定の規準とすべき公示価格は存在しておらず、また本件においては、当該不動産につき、相続税評価額について更に0.8で除すことによって、公示価格相当額、ひいては「受けた利益」の額を算定することが可能となるというに足りる具体的な事情、証拠があるとも認めることができないから、原処分庁の主張は採用することができず、本件においては、「受けた利益」の額について相続税評価額を基に算定することが相当というべきである。(平25. 3.25 大裁(諸)平24-64)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240064
- 裁決年月日
- 平成25年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305020
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/2譲渡等の時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、無償譲渡の対象となった不動産について、処分禁止の仮処分登記が経由されている場合には、当該仮処分登記の時を基準として、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の規定する「国税の法定納期限の1年前の日以後」であるか否かを判断すべきである旨主張する。しかしながら、滞納者の不動産に処分禁止の仮処分登記が経由された場合であっても、所有権移転登記が経由されていない場合は、仮処分債権者や滞納者は所有権移転を第三者に対抗することができず、確定的に所有権移転が生じたということはできないから、仮処分登記により第二次納税義務が成立すると解することはできず、不動産の無償譲渡等が「国税の法定納期限の1年前の日以後」にされたか否かを判断するに当たっては、当該無償譲渡等を原因とする所有権移転登記が経由された時点が「国税の法定納期限の1年前の日以後」であるか否かによって決するのが相当と解される。(平25. 3.25 大裁(諸)平24-64)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240021
- 裁決年月日
- 平成24年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納国税があることを知らなかった期間に係る延滞税について、第三者である請求人が第二次納税義務を負担する理由はなく、納付通知書到達以前の期間に係る延滞税を含んだ納付告知処分(本件納付告知処分)並びに不動産及び債権の各差押処分(本件各差押処分)は違法である旨主張する。延滞税は、国税通則法第15条《納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定》第3項第6号の規定により、そもそも納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税とされており、本税が存する限り、本税に併せて納付しなければならないものとされている。そして、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》は、処分により受けた利益が現に存する限度において、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負うと規定し、この滞納に係る国税から延滞税を除くという特段の定めもないことからすれば、本税について第二次納税義務が発生するならば、それに附帯する延滞税もまた第二次納税義務に含まれると解するのが相当である。したがって、納付通知書到達以前の期間に対応する延滞税についても第二次納税義務が発生することとなるので、本件納付告知処分は適法であり、また本件各差押処分が本件納付告知処分を理由として違法となることはない。(平24.12. 6 名裁(諸)平24-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240089
- 裁決年月日
- 平成24年11月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社が同社の解散に当たり、役員である株主に対して役員退職慰労金(本件退職金)の支給として行った小切手の交付等について、役員退職慰労金として適正な金額に相当する部分は、正当な債務の弁済であるから、国税徴収法(平成19年3月法律第6号による改正前のもの)第34条《清算人等の第二次納税義務》に規定する残余財産の分配には当たらない旨主張する。しかしながら、本件退職金の決定経緯、その金額及びその支給形態などを総合して検討すれば、本件退職金の支給に係る株主総会決議は、真の意味で役員に対する役員退職慰労金の支給を決議したものではなく、役員退職慰労金支給の名目で株主らに残余財産を分配し、更にはその一部を関連会社に移転させるための仮装の決議にすぎないと推認することができるから、当該小切手の交付等は、正当な債務の弁済とみることはできず、残余財産の分配に当たる。なお、本件退職金の支給の際に各受給者から徴収して納付した源泉徴収税額等については、株主らに交付されていないので、当該金員の相当額については、残余財産を分配したとみることはできないから、その部分については納付すべき限度の額を取り消すべきである。(平24.11.12 東裁(諸)平24-89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240090ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成24年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社が同社の解散に当たり、同社の株主であると同時に役員である請求人に対して役員退職慰労金(本件退職金)の支給として行った小切手の交付について、役員退職慰労金として適正な金額に相当する部分は、正当な債務の弁済であるから、国税徴収法(平成19年法律第6号による改正前のもの)第34条《清算人等の第二次納税義務》に規定する残余財産の分配には当たらない旨主張する。しかしながら、本件退職金の決定経緯、その金額及びその支給形態などを総合して検討すれば、本件退職金の支給に係る株主総会決議は、真の意味で役員に対する役員退職慰労金の支給を決議したものではなく、役員退職慰労金支給の名目で株主らに残余財産を分配し、更にはその一部を関連会社に移転させるための仮装の決議にすぎないと推認することができるから、当該小切手の交付は正当な債務の弁済とみることはできず、残余財産の分配に当たる。(平24.11.12 東裁(諸)平24-90)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240092
- 裁決年月日
- 平成24年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社が同社の解散に当たり、同社の株主であると同時に役員である請求人に対して役員退職慰労金(本件退職金)の支給として行った小切手の交付等について、正当な債務の弁済に当たるから、国税徴収法(平成19年法律第6号による改正前のもの)第34条《清算人等の第二次納税義務》に規定する残余財産の分配には当たらない旨主張する。しかしながら、本件退職金の決定経緯、その金額及びその支給形態などを総合して検討すれば、本件退職金の支給に係る株主総会決議は、真の意味で役員に対する役員退職慰労金の支給を決議したものではなく、役員退職慰労金支給の名目で株主らに残余財産を分配し、更にはその一部を関連会社に移転させるための仮装の決議にすぎないと推認することができるから、当該小切手の交付等は正当な債務の弁済とみることはできず、残余財産の分配に当たる。(平24.11.12 東裁(諸)平24-92)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240093
- 裁決年月日
- 平成24年11月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社が同社の解散に当たり、役員である株主に対して役員退職慰労金(本件退職金)の支給として行った小切手の交付等について、役員退職慰労金として適正な金額に相当する部分は、正当な債務の弁済であるから、国税徴収法(平成19年法律第6号による改正前のもの)第34条《清算人等の第二次納税義務》に規定する残余財産の分配には当たらない旨主張する。しかしながら、本件退職金の決定経緯、その金額及びその支給形態などを総合して検討すれば、本件退職金の支給に係る株主総会決議は、真の意味で役員に対する役員退職慰労金の支給を決議したものではなく、役員退職慰労金支給の名目で株主らに残余財産を分配し、更にはその一部を関連会社に移転させるための仮装の決議にすぎないと推認することができるから、当該小切手の交付等は、正当な債務の弁済とみることはできず、残余財産の分配に当たる。なお、本件退職金の支給の際に各受給者から徴収して納付した源泉徴収税額等については、株主らに交付されていないので、当該金員の相当額については、残余財産を分配したとみることはできないから、その部分については納付すべき限度の額を取り消すべきである。(平24.11.12 東裁(諸)平24-93)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240093
- 裁決年月日
- 平成24年11月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法律的には清算人に就任しているが、これは形式的なものであり、実質的には一社員にすぎず、会社の解散や役員退職慰労金(本件退職金)の支給の決定には関与していないことから、国税徴収法(平成19年法律第6号による改正前のもの)第34条《清算人等の第二次納税義務》に規定する清算人には該当しないと主張する。しかしながら、同条に規定する清算人には、清算人としての善管注意義務や忠実義務に係る義務違反の責めを免れない清算人も含まれ、上記善管注意義務には、他の清算人が行う清算事務が適正に行われるようにこれを監視し、検証して、必要に応じて是正措置等を講じる義務も含まれると解されるところ、請求人には上記義務違反が認められ、その責めを免れ得ないというべきであるから、請求人は同条に規定する清算人に該当すると認められる。(平24.11.12 東裁(諸)平24-93)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240004
- 裁決年月日
- 平成24年7月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、滞納法人から請求人への金員(本件各金員)の支払は無償譲渡等の処分であるとして、請求人に第二次納税義務の納税告知処分(本件告知処分)を行ったことに対し、本件各金員の支払は職務遂行の対価としての適法な役員報酬の支給であり、無償譲渡等の処分ではない旨主張する。しかしながら、株式会社等の取締役に対する職務執行の対価としての報酬等の支払であっても、当該支払のために滞納者である株式会社等が納税を満足にすることができないような資産状態に立ち至らせた場合には、その限度において第三者に利益を与えるものとして、無償譲渡等の処分に該当し、第二次納税義務の追及は可能であると解されるところ、本件各金員のうち少なくとも滞納法人が本来納付すべき租税の額に相当する部分については、請求人に利益を与えるものとして、無償譲渡等の処分に該当する。以上のことからは、請求人は滞納法人が本来納付すべき租税の額を限度として第二次納税義務を負うべきであるところ、当該額を超えて請求人に第二次納税義務を負わせた本件告知処分はその限りにおいて違法であるから、その一部を取り消すべきである。(平24. 7.12 大裁(諸)平24-4)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230025
- 裁決年月日
- 平成24年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が滞納者からマンションの住戸(本件住戸)を著しく低い額の対価により譲り受けたこと(低額譲渡)と滞納者の国税(滞納国税)につき徴収すべき額に不足すること(徴収不足)との間に国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の基因関係はない旨主張する。この点、低額譲渡と徴収不足との間に基因関係が認められる場合とは、その低額譲渡がなかったならば、現在の徴収不足は生じなかったであろう場合をいうものと解される。債務超過になっていた滞納者は、請求人に対し低額譲渡を行い、これによって損失を生じさせた一方、低額譲渡により取得した譲渡代金も債権者への支払に全て費消した。すなわち、低額譲渡の日において、低額譲渡が直接の原因となって、滞納国税の徴収不足が生じたといわざるを得ず、低額譲渡の日から請求人に対する第二次納税義務の納付告知処分に至るまでの間に、滞納者の納付資金が回復したと認められる事情もなく、低額譲渡により生じた徴収不足の状態が、当該納付告知処分の時点まで継続していたものと認められる。そうすると、低額譲渡がなかったならば、当該納付告知処分の時点において、滞納国税を全く納付できないという事態は生じなかったであろうといえるから、低額譲渡と徴収不足との間に基因関係が認められる。(平24.6.15 福裁(諸)平23-25)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230025
- 裁決年月日
- 平成24年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が滞納者からマンションの住戸(本件住戸)を著しく低い額の対価により譲り受けたこと(低額譲渡)と滞納者の国税(滞納国税)につき徴収すべき額に不足すること(徴収不足)との間に国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の基因関係はない旨主張する。この点、低額譲渡と徴収不足との間に基因関係が認められる場合とは、その低額譲渡がなかったならば、現在の徴収不足は生じなかったであろう場合をいうものと解される。債務超過になっていた滞納者は、請求人に対し低額譲渡を行い、これによって損失を生じさせた一方、低額譲渡により取得した譲渡代金も債権者への支払に全て費消した。すなわち、低額譲渡の日において、低額譲渡が直接の原因となって、滞納国税の徴収不足が生じたといわざるを得ず、低額譲渡の日から請求人に対する第二次納税義務の納付告知処分に至るまでの間に、滞納者の納付資金が回復したと認められる事情もなく、低額譲渡により生じた徴収不足の状態が、当該納付告知処分の時点まで継続していたものと認められる。そうすると、低額譲渡がなかったならば、当該納付告知処分の時点において、滞納国税を全く納付できないという事態は生じなかったであろうといえるから、低額譲渡と徴収不足との間に基因関係が認められる。(平24.6.15 福裁(諸)平23-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230200
- 裁決年月日
- 平成24年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№87
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230200
- 裁決年月日
- 平成24年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№87
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230200
- 裁決年月日
- 平成24年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305020
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/2譲渡等の時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法定納期限の1年前以前の日に、理事会を開催し、研究助成金として寄附金を受け入れることを承認可決していることから、滞納者の請求人に対する寄附(本件寄附)は、法定納期限の1年前以前の日に行われた旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の無償譲渡等の処分が行われた時期については、処分行為によって当該財産が国税債権の引当てとなる一般財産から離脱し、相手方に帰属したときを基準として判断するのが相当と解され、金銭については、滞納者が無償譲渡等の処分をしても、現実の引渡しをしていない限り、当該財産を滞納者に帰属する財産として滞納処分をなし得るものであるから、処分の日とは、処分行為により、現実に金銭の引渡しが行われた時というものと解するのが相当であるところ、本件寄附に係る金銭の授受は、法定納期限の1年前の日以後に行われており、請求人の主張には理由がない。(平24. 4. 6 東裁(諸)平23-200)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230071
- 裁決年月日
- 平成24年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人から購入した車両8台の譲渡代金(本件車両代金)について、請求人、滞納法人及び滞納法人代表者の三者間で、滞納法人が同法人代表者に対して負っていた借入金債務について肩代わりをし、この借入金債務の肩代わりをもって本件車両代金の支払に代える旨の合意をしたのであるから、本件車両代金の債務は支払済であり免除されたのではない旨主張する。しかしながら、この請求人主張を裏付ける証拠はなく、むしろ、当該車両8台の売買契約書の記載内容、原処分庁が原処分前に行った質問調査における滞納法人代表者の申述内容、及び、滞納法人が請求人に対し本件車両代金の請求をしていないこと等の諸事情を総合的に勘案すると、滞納法人は、請求人に対し、本件車両代金について債務の免除をしたとみるのが相当である。(平24. 3.27 関裁(諸)平23-71)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230029
- 裁決年月日
- 平成23年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、納付告知処分が第二次納税義務者とされた者に対してその義務の発生を知らしめるための徴収処分であるから、納付告知を受けた者の納税義務の存否・範囲は納付告知処分の前提問題にすぎず、納付告知処分によって第二次納税義務が公定力をもって確定されるものではないところ、滞納法人から請求人に対する無償譲渡等は存在しないから、本件充当処分は、請求人が第二次納税義務を負うとの事実誤認に基づき行われた違法なものである旨主張するが、納付告知処分は、抽象的に成立していた第二次納税義務を具体的に確定する性格を有するもので、独立の課税処分であると解されるから、納付告知を受けた者の納税義務の存否・範囲は納付告知処分の前提問題にすぎないということはできず、充当処分は、確定した租税債権の強制的実現を目的とする徴収処分手続の一環であって、納付告知処分と充当処分は、それぞれ別個の独立した法律効果の発生を目的とする手続であるから、納付告知処分の違法性が充当処分には承継されず、納付告知処分が重大かつ明白な瑕疵により当然無効であるか、当該納付告知に係る第二次納税義務が取り消されない限り、当該第二次納税義務に対する当該充当処分の効力に影響が及ぶことはないものと解されるところ、本件においては、本件納付通知書に重大かつ明白な瑕疵は認められず、請求人は、本件納付告知処分に対する不服申立てをしておらず、当審判所の調査の結果によっても、本件充当処分がされた時点において、本件納付告知処分に係る第二次納税義務の取消処分等がされた事実は認められないことから、本件充当処分の効力に影響が及ぶ事情が存するとは認められない。(平23.12.15 大裁(諸)平23-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230027
- 裁決年月日
- 平成23年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納者に対して貸付金を有しており、本件滞納者が、請求人が購入したマンションの不動産業者に対してした振込み(本件振込み)は、当該貸付金の返済の一部であるから、無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、本件滞納者は、請求人から借入金は無い旨を一貫して申述していたこと、本件貸付金を証明する資料は何もないこと、請求人の答述は不合理であり、答述を変遷させた理由に合理的な説明がないことから、請求人が主張する当該貸付金の存在は認められず、本件振込みは無償譲渡等の処分に該当する。(平23. 7.26 東裁(諸)平23-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220236
- 裁決年月日
- 平成23年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納国税に係る第二次納税義務を負うことになるから本件滞納国税を納付すべきこととなり、この納付すべき国税には、当然、延滞税も含まれる。そして、徴収不足の判定は、第二次納税義務の告知処分時において判断すべきであると解されるところ、第二次納税義務者に対する告知処分以前の延滞税を除いた滞納国税について第二次納税義務を負う旨の規定はないから、請求人の主張には理由がない。(平23. 6.27 東裁(諸)平22-236)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220236
- 裁決年月日
- 平成23年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305044
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/4債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件賃貸人は、平成7年5月25日付の賃貸借契約(第一契約)を解除することによって発生した本件滞納法人に係る敷金返還請求権について、平成17年12月20日付の賃貸借契約(第二契約)を締結した請求人の敷金に充てたと認められるところ、これは、本件賃貸人が、第一契約に基づく敷金返還請求権の弁済として本件滞納法人に交付すべき金員を請求人の第二契約に基づく敷金として充てたものであり、第二契約は、第一契約に基づき発生した本件滞納法人の敷金返還請求権を、第二契約において請求人の敷金とすることに、本件滞納法人と請求人の双方の合意があったものと認められる。したがって、これは、第三者に利益を与える処分に当たるものと認められるから、請求人は本件滞納国税の法定納期限の1年前の日以後に締結した第二契約に伴い、本件滞納者から、敷金相当額の利益を受けたことになる。(平23. 6.27 東裁(諸)平22-236)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220207
- 裁決年月日
- 平成23年5月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305080
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が滞納法人から受けた利益配当(本件配当)は、有用な使途もないまま剰余金を無駄に内部留保することを避ける目的で、滞納法人が出資していたファンドの解散及びファンド関連事業の終了に伴い発生した多額の剰余金を株主に還元するため必要かつ合理的に行われたものであるから、純粋な経済的動機から行われたもので「第三者に利益を与える処分」に該当しないと主張するが、本件滞納法人が計上した売上の一部については、本件滞納法人と関係法人との業務委託契約が、関係外国法人に留保していた利益を関係内国法人に移動する手段として、その外形を整えるために作出された契約であり、代表者らは、当該利益を、いったん関係内国法人に帰属させることにより、課税させることを防ぐとともに、関係内国法人を経由して、代表者らが当初より合意していた内容の分配を実現するという枠組みを整えたものと認められる。したがって、本件滞納法人に帰属する当該利益は、関係者の合意により、当該利益を関係者間で定めた割合で分配することを前提として、本件滞納法人の預金口座に振り込まれた金員であって本件配当の原資となり得る性格の金員ではない。このように、代表者らは、当該利益を分配する意図をもって当該利益を本件滞納法人に帰属させ、上記のとおりの枠組みを作ることにより、その所得金額を圧縮し、これにより租税負担の回避という形で利益を享受することとなったものであるから、本件配当のうち当該利益の金額は、純粋な経済的動機に基づくものであると認めることはできない。したがって、本件配当のうち上記金額については、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「第三者に利益を与える処分」に該当する。(平23. 5.23 東裁(諸)平22-207)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220071
- 裁決年月日
- 平成23年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、本件滞納者と本件滞納者が代表取締役を務めていた本件法人の双方から、両者が共有していた不動産の信託受益権の譲渡代金の残余金等(本件残余金等)の管理処分を任され、本件残余金等が振り込まれた本件法人の預金口座をはじめ、本件滞納者、請求人及び請求人の妻名義の預金口座のすべてを請求人の管理下に置いて入出金を行っていた。また、本件滞納者は、上記譲渡代金によって、自己及び本件法人の債務を弁済して余剰が出た場合には、請求人に贈与する意思を有し、請求人に対し、当該余剰の交付や返還を求めていないところ、本件残余金等のうち本件滞納者が取得すべき額の金員が、本件法人の取得すべき額の金員とともに本件法人の預金口座に振り込まれ、その後、その一部が、請求人の管理下にあった本件滞納者名義の預金口座、請求人名義の預金口座及び請求人の妻名義の口座に振り替えられ、さらに、請求人名義の定期預金等として請求人の管理下に移転したと認められる。このような一連の事実経過をみると、実質的に、本件滞納者の財産が請求人に対して無償譲渡されたと認められ、その額は原処分の限度を超えるから、原処分は適法である。(平23. 3.23 関裁(諸)平22-71)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220072
- 裁決年月日
- 平成23年3月23日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 原処分庁は、本件滞納者が受領すべき譲渡代金の一部が、本件滞納者が代表取締役を務めていた法人の普通預金口座から請求人の普通預金口座(本件請求人口座)に振り替えられたことにより、当該振替金(本件振替金)は本件滞納者から請求人の処分権限内に移り、本件振替金が本件滞納者に還流した事実も本件滞納者に対する対価等の支払の事実も認められないから、本件振替金は、本件滞納者から請求人に無償で譲渡された旨主張する。しかしながら、本件請求人口座については、本件振替金の入金当時、本件滞納者の子であり請求人の配偶者であるEにおいて自由に出金できる状態にあり、入出金のすべてをEが行っているだけでなく、その口座の動向について、請求人が何ら把握していないのであって、引き出された金員が請求人個人の用途に使用されたことを認めるに足りる証拠がないだけでなく、かえって出金のあった日にE名義の預金口座に相応額の入金があるという同人のために費消されたことをうかがわせる事実が認められるのであり、Eが請求人の配偶者であることを併せて考えると、本件請求人口座が請求人に帰属すると認定することはできず、同口座はEの管理下にあったいわゆる借名口座であるとみるのが相当である。そうすると、本件請求人口座に本件振替金が入金されたことをもって、請求人の処分権限内に本件振替金が移転したとはいえないから、本件滞納者から請求人への財産の無償譲渡があったということはできず、ほかにこれを認めるに足りる証拠もない。(平23. 3.23 関裁(諸)平22-72)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220053
- 裁決年月日
- 平成23年2月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、徴収不足の判定時期は、本件滞納法人が請求人から代物弁済を受けた各貸付金の返還請求権(本件各貸金債権)の差押処分を原処分庁に要請した時点とすべきであり、原処分庁が遅滞なく差押処分に着手していれば本件滞納国税を徴収できたのであるから、徴収不足が生じたのは当該代物弁済に基因するのではない旨主張する。しかしながら、徴収不足の判定の時期は、納付通知書を発するときの現況によるものと解するのが相当であり、その時期を請求人主張の時点とすると、その後、納付告知書を発する時点までの間に無償譲渡等の処分がされた場合に、その譲渡等を受けた者に対し第二次納税義務を負わせることができず、国税徴収法第39条《無償又は著しい定額の譲受人等の第二次納税義務》の存在意義の大半が失われる結果となり、また、無償譲渡等の処分がなかったならば、徴収不足を生じなかったであろうということができる場合には、広く基因関係を認めるのが相当であって、差押えに当たって必要な換価の容易性などの認定判断にはある程度の時間を要するのであるから、滞納者が自己の財産について自主的に差押えの要請をした場合に、徴収職員がこれを直ちに差し押さえなかったからといって、その基因関係を否定して納付告知処分が不当又は違法となるものではない。(平23. 2.18 関裁(諸)平22-53)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220053
- 裁決年月日
- 平成23年2月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人が有していた各貸金債権の代物弁済によって本件滞納法人の請求人に対する短期貸付金(本件短期貸付金)の消滅の効果が発生するためには、代わりの給付を現実に行うことが必要であるところ、当該各貸金債権の一部については、債権譲渡の第三者対抗要件が具備され、代わりの給付が現実にされたということができるとともに、主債務者及び保証人に資力がなく弁済を受けることが事実上不可能なものであるから、無価値物による代物弁済として国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の無償譲渡等の処分があったといえる。しかしながら、他の貸金債権については、債務者対抗要件である債務者への通知を欠いており、代わりの給付が現実になされたとはいえず、本件短期貸付金のうち、当該貸金債権の代物弁済によって消滅したとされる部分は、いまだ消滅せず、本件滞納法人に帰属しているとみることができるから、国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分があったとは認められない。(平23. 2.18 関裁(諸)平22-53)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平220008
- 裁決年月日
- 平成22年12月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、①請求人の平成14年9月期ないし平成20年5月期までの各期の法人税確定申告書に添付された貸借対照表に係る仮払金明細によれば、平成16年5月期までは、滞納者に対する仮払金が計上されているものの、その額は、当該仮払金債権の1割程度にすぎず、また、平成17年5月期以降は、滞納者に対する仮払金が計上されておらず、さらに、平成20年5月期においても、当該仮払金債権の発生原因となるような事実は存在せず、加えて、②請求人が融資を受けていた金融機関に提出した請求人の決算書及び財務資料にも、滞納者を相手とする仮払金は計上されていないとして、請求人が滞納者から当該仮払金債権の弁済として金員の交付を受けた時点において、同債権が存在していたとは認められないから、当該金員の交付は、債務の弁済とは認められず、無償による譲渡に該当する旨主張する。しかしながら、請求人ほか3社が滞納者に対して債権を有することを請求人ほか3社と滞納者が相互に確認し、滞納者が所有財産を処分して当該債権の全額を弁済する旨記載され、滞納者の署名・押印のある合意書が存在するところ、滞納者の答述及び請求人代表者の答述からすれば、請求人ほか3社と滞納者との間で当該合意書に記載された内容どおりの合意が成立したものと認められ、当該仮払金債権は、滞納者に交付されたことに基因するものと推認できるところ、請求人は、平成10年9月期以降平成20年5月期に至るまで、グループ会社間で資金移動を行う方法により、当該仮払金を各決算期末において一時的に会計帳簿から減少させ、翌決算期首に増加させるという経理処理を行っていることからすれば、当該仮払金債権は、平成20年4月16日の合意書の作成時において存在していたものと認められる。そして、請求人は、平成20年5月28日付で、滞納者に対する仮払金がそれぞれ同額減少した旨の経理処理をしていることからすると、滞納者は、当該合意書及び代物弁済契約書の内容に基づき、当該仮払金債権を弁済するために金員を請求人に交付したものと認められるから、滞納者の請求人に対する当該金員の交付が、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に当たるということはできない。(平22.12.10 熊裁(諸)平22-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220028
- 裁決年月日
- 平成22年11月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- №81
要旨
○ 原処分庁は、請求人と本件滞納法人との間における不動産の売買を仲介した仲介業者が、請求人分の仲介手数料(本件仲介手数料)として金員を受領し、請求人あての領収証が発行されているところ、当該金員は本件滞納法人が自ら調達した金員により支払われたものであるから、請求人に本件滞納法人に対する本件仲介手数料に相当する債務が発生し、同時に、本件滞納法人が当該債務を免除した旨主張する。しかしながら、上記不動産の売買契約においては、請求人が支払わなければならない当該不動産の代価や仲介手数料を含む売買に関して生ずる請求人が負担すべき一切の費用は、請求人が上記不動産の購入資金として借り入れた金員から賄われるべきものであったと認めるのが相当であり、本件滞納法人が本件仲介手数料を自ら調達した金員で支払ったのは、請求人が上記不動産の購入資金として借り入れた金員の中から本件仲介手数料が支払われるべきところ、請求人が当該不動産の購入資金として借り入れた金員から借入れに伴う事務手数料や登記費用等を控除した金額の全額が請求人の普通預金口座から上記不動産の抵当権者の普通預金に直接振り替えられたため、本件仲介手数料の支払に充てることができなくなったことによるものと認められる。したがって、請求人が負うべき本件仲介手数料の支払債務を本件滞納法人が履行したと認めることはできず、そうすると、本件滞納法人には請求人に対する本件仲介手数料に相当する額の返還請求権は発生せず、それを無償放棄することもあり得ないのであるから、請求人が本件滞納法人から本件仲介手数料に相当する債務の免除を受けたと認めることはできない。(平22.11.25 名裁(諸)平22-28)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220034
- 裁決年月日
- 平成22年11月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、滞納法人に帰属する預金口座から出金された金員が滞納法人の代表者である請求人の事業資金として流用されたと認められ、当該金員について反対的給付が認められないことから、当該金員を請求人の事業資金に流用したことが国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の無償譲渡等の処分に該当する旨主張する。しかしながら、原処分庁は、上記預金口座からの出金状況は把握したものの、当該出金に係る金員が請求人にいつどのようにして引き渡されたかという点、すなわち具体的な処分行為の存在について確認してしておらず、原処分関係資料によっても当該処分行為の存在を認めるに足りないことから、上記預金口座から出金された金員について国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分がされたと認めることができない。(平22.11.10 大裁(諸)平22-34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220011
- 裁決年月日
- 平成22年8月6日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305020
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/2譲渡等の時期
- 事例集登載頁
- №80
要旨
○ 本件告知処分が適法であるとするためには、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受等の第二次納税義務》の無償譲渡等の処分の効力が、本来の納税者である請求人の父が納付すべき国税(本件国税)の法定納期限の1年前の日以後に発生していることが要件となるが、父から請求人へ贈与された不動産等(本件贈与不動産等)のうち農地法上の農地については、所有権を移転する場合には、農地法第3条《農地又は採草放牧地の権利移動の制限》又は第5条《農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限》の規定により、農業委員会又は都道府県知事の許可を受けなければならず、この許可は農地の所有権移転についての効力発生要件と解されているところ、これらの不動産については、農地法が定める所有権移転のための許可を得ていないのであるから、本件告知処分時においてこれらの不動産について無償譲渡等の処分の効力が発生したということはできない。また、その他の不動産等についてみると、請求人が父から不動産等を贈与されたのは、本件国税の法定納期限の1年前の日よりも前であること、更に、不動産のように、第三者に対する対抗要件として登記を要するものについては、第三者対抗要件を具備したときに無償譲渡等の処分の効力が発生すると解したとしても、本件国税の法定納期限の1年前の日から本件告知処分時までの間において、請求人は、本件贈与不動産等につき第三者対抗要件を具備していないから、「国税の法定納期限の1年前の日以後に無償譲渡等の処分が行われたこと」という国税徴収法第39条の適用要件を欠くこととなる。なお、原処分庁は、無償譲渡等の処分の効力の発生時期に関し、本件贈与不動産等につき、贈与を原因とする請求人への所有権移転登記手続を命ずる判決の確定によって、請求人は当該不動産についての所有権移転登記手続をなし得る権利を取得したのであり、同判決の確定がなければ請求人は第三者対抗要件を具備することはできないのであるから、本件においては同判決の確定をもって国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分の効力が発生したと解するのが相当である旨主張するが、同判決の確定によってはじめて贈与による所有権移転の効果が生じるものではなく、同判決を債務名義として請求人が単独で所有権移転登記手続をなし得るとしても、同判決の確定によって請求人が第三者対抗要件を具備したことにならないことは明らかであるから、原処分庁の主張には理由がない。(平22. 8. 6 大裁(諸)平22-11)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平210024
- 裁決年月日
- 平成22年6月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、滞納法人から請求人が破産管財人を務める破産法人の預金口座に振り込まれた各金員が国税徴収法第39条に規定する無償譲渡によるものである旨主張する。しかしながら、各金員については借用証書が作成され、破産法人が短期借入金として会計処理を行っていること、当該各金員が滞納法人の破産法人に対する貸付金であるとして差押処分を行った際に、破産法人が原処分庁に対して債務承認書を提出していること等からすれば、上記借用証書に記載不備があり、無担保、無利息での貸付けであるとしても、各金員は滞納法人から破産法人に対する貸付けであると認めるのが相当であり、当該各金員が破産法人の預金口座に振り込まれた後に当該貸付金について債務免除があった事実もうかがわれないことからすれば、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡があったと認めることはできず、上記差押処分後に破産法人の民事再生手続を受任した弁護士から当該各金員は貸付金としての実質はなく、寄附を受けたと認識している旨の文書が原処分庁に提出されているとしても、当該文書は、民事再生手続をスムーズに進めるために作成されたものと推認できるから、当該文書によって国税徴収法第39条の無償譲渡があったということはできない。(平22. 6.30 札裁(諸)平21-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210188
- 裁決年月日
- 平成22年6月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600304000
- 争点
- 3第二次納税義務/4共同事業者の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 原処分庁は、請求人が本件各滞納法人の株主又は社員である旨主張する。しかしながら、本件各滞納法人が所轄税務署長に提出した定款等の記載によれば、請求人が、本件各滞納法人の設立の際、本件各滞納法人に出資したとは認められず、直接的な資料により、請求人が本件各滞納法人の増資を引き受け、又は、出資を譲り受けた事実を認定することもできない。また、同族会社においては、所有と経営の分離が行われていない場合が多いから、役員等が会社を自由に操作している事実が認められる場合には、その事実は、当該役員等が当該会社の出資者であることをうかがわせる重要な間接事実となるが、請求人は、本件各滞納法人が経営する各店舗の売上金を集金した以外には、本件各滞納法人の経営に関与した事実は全く認められないから、請求人が本件各滞納法人を自由に操作していたということはできず、請求人が本件各滞納法人の実質的な出資者であると推認することもできない。さらに、本件各滞納法人が平成19年及び平成20年に提出した法人税申告書の別表二には、請求人が本件各滞納法人の株式又は出資を100%保有している旨記載されているが、本件各滞納法人が平成11年中に提出した法人税申告書の別表二には、株主として、請求人以外の者の氏名が記載され、平成12年から平成18年までの間に提出した法人税申告書の別表二には、請求人が本件各滞納法人の株主又は社員である旨の記載はないから、原処分庁が指摘する2年分の法人税申告書の別表二の記載のみから、請求人が本件各滞納法人の株主又は社員であったと認定することは到底できない。加えて、これら2年分の法人税申告書の決算業務を行った税理士法人の担当者は、だれが株主であるか分からなかったので、資産のオーナーである請求人を出資者とするのが妥当であると判断した旨の答述をするが、請求人が店舗不動産の登記名義人であるということと、本件各滞納法人の出資者がだれかということとは直接関係がないから、請求人が本件各滞納法人の出資者であることの根拠とはなり得ない。以上のとおり、請求人が本件各滞納法人の同族会社の判定の基礎となる株主又は社員に該当すると認めるに足る証拠はないから、原処分は国税徴収法第37条第2号の要件を欠く違法な処分であるといわざるを得ず、その全部を取り消すのが相当である。(平22. 6.22 東裁(諸)平21-188)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210183
- 裁決年月日
- 平成22年6月21日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600305080
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、原処分庁が、審査請求人に対し、国税徴収法第39条に基づく第二次納税義務の告知処分をしたのに対し、無償又は低額譲渡の事実はないとして、その全部の取消しを求めているが、審査請求による行政処分の取消しを求めるには、その処分が現に存在していることが必要であるところ、当審判所の調査によれば、本件告知処分は、原処分庁において既に取り消されていることが認められる。よって、本件告知処分の取消しを求める審査請求は、その対象を欠く不適法なものである。(平22. 6.21 東裁(諸)平21-183)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210114
- 裁決年月日
- 平成22年5月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305041
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/1土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①甲建物については、義父らからもらった金員をその建築資金の一部として支出しているから、滞納者から贈与を受けたのは滞納者の所有権ではなく、共有持分(15/23)であり、また、貸家の評価によるべきである旨、②乙土地については、その現況(無道路地)に応じたしんしゃくをして価額を算定すべきである旨、それぞれ主張し、第二次納税義務の限度額の一部の取消しを求めている。上記の請求人の主張の①については、滞納者が甲建物を自己の単独所有と認識し、それを請求人に贈与したものと認識していること、滞納者は不動産取引業を営み、共有持分登記の知識はあったものの甲建物の共有持分登記が行われていないこと、請求人の自己資金の存在とそれが甲建物の建築資金に充てられた旨の証拠が請求人及び滞納者の記憶以外にないことから、甲建物の建築に当たり、請求人に自己資金が存在しそれを建築資金に充てたとの主張は認めることはできない。しかし、甲建物には贈与の前後を通じて賃借人が入居していたから、貸家の評価によるべきである。また、上記の請求人の主張の②については、受贈により請求人が受けた利益は、乙土地の現況に応じた通常の取引価額(時価)を基に算定すべきであり、公示価格が一般の土地取引価格の指標となるものであるから、通常の取引価額(時価)は、路線価を公示価格の水準に引き直して算定した上で、これに乙土地の現況(無道路地)を考慮して、財産評価基本通達20−2の評価方法によるしんしゃくを行うべきである。(平22. 5.20 関裁(諸)平21-114)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210116
- 裁決年月日
- 平成22年5月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納者から地上権の負担のある本件土地の底地権を○○○円で取得したのであるから、低額譲渡には当たらないと主張する。しかしながら、所有者に大きな負担となる地上権のような権利の設定を認めるには、当事者が何らかの理由で強固な権利を設定することを意図したと認められるべき特段の事情を必要とするところ、本件においてはそのような特段の事情は認められない。また、滞納者は不動産業者としての相応の知識を持っているにもかかわらず、当該地上権設定に関する契約書は作成されておらず、地上権の登記もされていないのであるから、本件売買契約書の「所有権底地権」との記載をもって、地上権の設定がなされているとはいえず、請求人は、本件譲渡を原因として地上権の負担のない本件土地の所有権の全部を取得したと認めるのが相当である。ところで、本件建物の所有者(滞納者)が賃借人と締結した賃貸契約は、滞納者が本件土地の所有者であったことから、賃借人は土地所有権の機能に属する本件土地の利用権(敷地利用権)も有していると解されるから、本件譲渡日の本件土地の評価額は、財産評価基本通達26に定める貸家建付地として評価した価額によるのが相当であるところ、本件土地の貸家建付地としての評価額は○○○○円と認められるから、請求人は、本件土地をその時価の2分の1に満たない○○○円で取得したことになり、本件譲渡は国税徴収法第39条に規定する低額譲渡に当たる。(平22. 5.20 関裁(諸)平21-116)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210104
- 裁決年月日
- 平成22年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは本件滞納国税を滞納していた本件被相続人から本件各贈与により本件各不動産の本件各持分を譲り受けたものの、本件各不動産の譲渡に係る譲渡代金を受け取っていないのであるから、請求人らには国税徴収法第39条に規定する「受けた利益」が存在しない旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条にいう「受けた利益の限度」の額は、無償譲渡等の処分によって受益が生じた時を基準として算定すべきものであるから、無償譲渡等の処分によって受益が生じた後における受益財産の滅失や価額の減少のほか、受益財産の売却代金を受領していないなどの事情は、同条の第二次納税義務の限度に影響を与えるものではないと解するのが相当である。(平22. 4.26 関裁(諸)平21-104)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210084
- 裁決年月日
- 平成22年3月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 保険契約者が保険金の受取人を第三者とするいわゆる他人のための生命保険契約に基づく保険料の払込みは、保険会社に対して生命保険契約に基づく義務を履行するものではあるが、保険事故が発生したときに当該第三者に利益を与える目的を達成するために、自己の積極財産を減少させる行為であるから、保険金受取人は、保険事故が発生した場合、保険契約者の行った保険料の払込みという積極財産を減少させる行為によって、無償で保険金支払請求権を取得し、利益を受けたということができる。そして、保険金の支払請求権は、保険事故の発生により、保険金受取人が原始取得するものであり、保険金は滞納者である保険契約者からではなく保険会社から支払われるものであるから、滞納者である保険契約者が保険金受取人に対して直接財産処分行為をしたとはいえないが、国税徴収法第39条の条文からすれば、滞納者の財産処分行為と保険金受取人の受けた利益との間に基因関係が認められれば足り、滞納者が保険金受取人に対して直接財産処分行為を行っていることまで要するものではないと解するのが相当である。もっとも、国税徴収法第39条が、国税債権の確保のための詐害行為取消権の行使による逸出財産の取戻しを行うのと同様の効果を得ようとするものであること、同条にいう「無償譲渡等の処分」が、第三者に異常な利益を与える積極財産の減少行為をいうものと解され、本件のような被保険者が死亡した場合にその遺族に保険金が支払われる生命保険契約が、被保険者の死亡後における遺族の生活を保障するために締結されるものであり、保険料の払込みが当該契約に基づく債務の履行にすぎないことからすれば、保険契約者の職業や地位、資力、遺族の人数・年齢、国税の納付・徴収と保険料の払込みとの関係等を総合的に考慮して、当該保険料の払込みと保険事故発生後の保険金の支払が保険金受取人に異常な利益を与えるものであるといえない限り、保険料の払込みが国税徴収法第39条の「無償譲渡等の処分」に当たらないと解するのが相当である。これを本件についてみると、本件滞納者は、滞納国税のほか多額の債務を抱えていた状況の下で、本件各滞納国税のうち法定納期限が最も古い国税の法定納期限の1年前の日以後本件滞納者が死亡するまでの納付回数は6回にとどまる一方、国税の月平均納付額の倍以上の保険料を毎月継続的に払い込んだこと、請求人が受領した死亡保険金の総額が極めて多額であって、遺族が請求人と成人していた子であることからすれば、本件滞納者が請求人とともに事業を営み、相当の収入を得ていたこと、また、一般的には遺族を受取人とする生命保険契約が、被保険者の死亡後における遺族の生活を保障するために締結されるものであり、本件においても、本件滞納者の死亡後における請求人と子の生活を保障するものとして締結されたものであると考えられることを考慮しても、本件各生命保険契約に基づいて本件滞納者がした保険料の払込みは、請求人に異常な利益を与えるための積極財産の減少行為として、国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分に当たるといわざるを得ない。そうすると、請求人は、本件滞納者が本件各生命保険契約に基づいてした保険料の払込みという無償譲渡等の処分により、本件滞納者の積極財産の減少額である払込保険料と同額の利益を受けたものと認められる。(平22. 3. 9 関裁(諸)平21-84)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210075
- 裁決年月日
- 平成22年2月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ C名義の普通預金口座から出金された金員の一部が請求人名義の本件定期預金2として預け入れられているが、C名義の普通預金口座には、本件滞納者の本件除外資金が入金されている一方、C個人の資金も入金されている以上、C名義の普通預金口座の預金が本件滞納者に帰属していると認めることはできないから、C名義の普通預金口座から出金された金員の一部について、請求人が本件滞納者から無償で譲り受けたと認めることはできない。(平22. 2.16 関裁(諸)平21-75)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210075
- 裁決年月日
- 平成22年2月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 本件滞納者預金口座から出金された資金を原資として、本件定期預金A及び本件定期預金Bが設定されていると認められるところ、これらの預金はいずれもC名義で設定されているものの、本件滞納者が本件除外資金を隠ぺいするためにC名義の定期預金としたものであって、本件滞納者に帰属すると認めるのが相当であり、本件滞納者に帰属するこれらの各定期預金を原資として請求人名義の本件定期預金1として預け入れられているところ、本件定期預金1として預け入れられた金員が本件滞納者から請求人への借入金の返済あるいは何らかの対価の支払等であると認められないことからすれば、請求人は本件滞納者から同金員を無償で譲り受けたと認めるのが相当である。(平22. 2.16 関裁(諸)平21-75)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210075
- 裁決年月日
- 平成22年2月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、請求人が取得した本件各不動産の取得資金について、Cから譲り受けたとして、自己資金ではなかったことを認めており、原処分庁は、本件各不動産の取得代金のうち、現金や小切手で支払っているもの及びC名義の預金口座から出金して振り込んだ金額部分の金員は、本件滞納者から請求人に無償で譲渡されたものである旨主張するが、?現金や小切手で支払がされたものについてはC個人の資金であった可能性を否定できず、本件滞納者の資金であったと認めるに足りる証拠もなく、また、?C名義の預金口座から出金して振り込んだものについても、当該預金口座には本件滞納者の除外資金が入金されていたと認められるとしても、当該預金口座の預金はCに帰属するといわざるを得ず、さらに、同預金口座から出金された資金が本件滞納者の除外資金であったと認めるに足りる証拠もないから、本件各不動産の取得代金が本件滞納者から請求人に無償で譲渡されたと認めることはできない。(平22. 2.16 関裁(諸)平21-75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210057
- 裁決年月日
- 平成21年11月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600304000
- 争点
- 3第二次納税義務/4共同事業者の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・518ページ
要旨
○ 原処分庁は、第二次納税義務により徴収しようとする国税の課税期間の全期間において、重要財産である本件不動産1が事業の用に供されていると主張するが、当審判所の調査によれば、本件滞納法人は、当該期間の中途において養鶏場を閉鎖した事実が認められるから、第二次納税義務を告知した期間のうち養鶏場を閉鎖した期間に対応する国税について第二次納税義務を課した部分は取消しを免れない。(平21.11.13 東裁(諸)平21-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210057
- 裁決年月日
- 平成21年11月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600304000
- 争点
- 3第二次納税義務/4共同事業者の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・518ページ
要旨
○ 請求人は、養鶏場である本件各不動産について、本件滞納法人が別個独立の事業(原料鶏卵の生産と液卵の販売)を行っており、養鶏場がなくても事業の遂行に支障がないのであるから、国税徴収法第37条に規定する「重要な財産」に該当しないと主張するが、本件滞納法人の事業は、自ら生産した原料鶏卵をN社に卸す一方、同社から原料鶏卵の重量に見合う液卵を仕入れ、さらにV社へ販売するというものであったことが認められ、そうすると、原料鶏卵の生産と液卵の販売とは、別個独立の事業ではなく、鶏卵を取り扱う一体の事業であったというべきであり、本件各不動産が事業に供されていた期間の原料鶏卵の売上げの90パーセント以上は、N社に対するものであって、これらが本件各不動産から出荷されていることからすれば、本件各不動産がなければ、本件滞納法人は、上記事業を遂行できなくなるおそれがあったと認められるから、本件各不動産は、本件滞納法人の事業遂行上不可欠な「重要財産」に当たるというべきである。(平21.11.13 東裁(諸)平21-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210057
- 裁決年月日
- 平成21年11月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600304000
- 争点
- 3第二次納税義務/4共同事業者の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・518ページ
要旨
○ 請求人は、本件各不動産に関して生ずる所得がほとんどないと主張するが、国税徴収法第37条の趣旨・目的に照らせば、例えば、納税者の事業の収支計算では損失が生じていても、重要財産から直接又は間接に生ずる収入が納税者の収益に帰属しているときや、同族会社の判定の基礎となった株主又は社員の所有する財産をその同族会社が時価より低額な賃料で賃借しているため、時価相当の賃料額とその低額な賃料額の差額に相当するものが同族会社の実質的な所得となっているときなどは、同条の「当該財産に関して生ずる所得が納税者(滞納者)の所得になっていること」という要件を満たすと解すべきところ、本件滞納法人は、請求人から本件各不動産を無償で借り受けて事業の用に供していたのであり、本件各不動産の賃料額に相当するものが、本件滞納法人の実質的な所得となっていると認められるから、重要財産である本件各不動産に関して生ずる所得が本件滞納法人の所得になっている場合に当たる。(平21.11.13 東裁(諸)平21-57)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210005
- 裁決年月日
- 平成21年10月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、請求人は滞納者から債務免除を受けたとして、請求人に対して第二次納税義務の納付告知処分を行ったのに対し、請求人は、当該債務免除の日を含む事業年度(以下「本件事業年度」という。)の総勘定元帳に記載された借入先ごとの借入金残高によれば、その大半が滞納者の主宰法人(以下「滞納者主宰法人」という。)であり、滞納者に貸付資力がなかったため、当該債務の債権者は滞納者主宰法人である。したがって、滞納者から債務免除されたものではない旨主張する。しかしながら、①請求人の本件事業年度前の法人税の各確定申告書において、滞納者からの借入金が毎期計上されていること、②滞納者は、請求人が滞納者から資金を借り入れた理由やその会計処理等及び滞納者自身が貸し付けた資金の大半は滞納者法人からの借入れである旨答述していること、③請求人及び滞納者法人の前顧問税理士は、滞納者と滞納者法人間等の貸借を間違えないよう、請求人の本件事業年度の総勘定元帳に滞納者の資金調達先ごとに便宜上区分して借入金を記載したが、請求人の借入先はあくまでも滞納者である旨答述していること、④滞納者の滞納者主宰法人からの借入金は、滞納者主宰法人の決算書に毎期滞納者への貸付金として計上されていることなどからすれば、上記債務免除をした債権者は滞納者であることが明らかであり、請求人の主張は採用できない。(平21.10. 6 名裁(諸)平21-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210005
- 裁決年月日
- 平成21年10月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納者から債務免除を受けた事実があったとしても、債務免除時の当該債権を換価するものとして評価した価額以上に債務が存在することから、債務免除により受けた利益はない旨主張する。しかしながら、債務免除が行われた場合、債務免除時点において、資力が乏しく将来においても収入を得る見込みもないような場合や、債務者の資力が乏しいために債務免除が行われたがその直後に会社更生手続や民事再生手続が開始され受けた利益をその名目額とすることが妥当性を欠く特殊な場合でない限り、受けた利益の額はその名目額とすることが相当であるところ、請求人は、上記債務免除を受けた後も、債務超過状態にあるものの、当該債務免除後に会社更生手続や民事再生手続が開始された事実はなく、事業は継続され、毎期売上を計上しており、免除された債務の名目額を受けた利益の額とすることが酷となる特殊な場合には該当しないことは明らかであるから、免除された債務の名目額を受けた利益の額とするのが相当であり、したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平21.10. 6 名裁(諸)平21-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210010
- 裁決年月日
- 平成21年9月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納法人が売上計上漏れ分について高額な報酬を受けたとする役員賞与という形で法人税の修正申告を行い、それに伴い、原処分庁から所得の種類を給与とする役員賞与から源泉徴収すべき所得税の納税告知を受けている課税上の処理からも、本件金員を無償譲渡等の処分によって取得したものではないと主張する。しかしながら、法人が取締役に対して金員を支給した場合、法人税法上、役員賞与と認定されるものがあるが、役員賞与として認定されたものが常に職務執行の対価として支給されるものでないことは明らかである。そして、本件においては、本件金員が職務執行の対価として支給されたものではないことから、原処分庁が法人税法上役員賞与と認定し、また、これに伴い役員賞与から源泉徴収すべき所得税について納税告知処分を行ったとしても、国税徴収法第39条を適用するに際しては、無償譲渡等の処分によるものと解するのが相当であり、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平21. 9. 8 関裁(諸)平21-10)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平210001
- 裁決年月日
- 平成21年7月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、滞納法人の請求人に対する金員の交付は国税徴収法第39条に規定する無償譲渡によるものであると主張するが、請求人と滞納法人の代表者の答述等によれば、両者の答述等には一致しない部分はあるものの、請求人の貸付金の額が30,000,000円であることや、請求人と滞納法人の代表者(滞納法人の代表者としてであるか、代表者個人としてであるかはともかく)との間で、当該金員に係る貸借行為が行われたこと及びその返済の一部として当該金員の交付が行われたことについては、原処分前から終始一貫して同様の主張をしており、請求人は、原処分後には滞納法人に対する貸付金が存在する資料として金銭借用証書を提示しており、当該金銭借用証書が原処分後に作成されたものであることをうかがわせる事実はない。また、請求人は、当該金銭借用証書と一体ともいうべき領収証を所持しており、当該領収証の記載からすれば、請求人は原処分前から当該領収証と上記金銭借用証書を所持していたと認めるのが相当であり、さらに、請求人が貸付金の担保として滞納法人から交付を受けた約束手形の存在も考慮すると、原処分庁が主張するように、上記金銭借用証書等に記載の不備等があり、請求人と滞納法人の代表者の答述内容にやや不自然、不合理な部分か認められるとしても、請求人は上記金員の貸付けを行ったと推認でき、上記金員が請求人に交付される前に返済された事実が認められないことからすれば、当該金員は貸付金の返済として、請求人に交付されたものと認められ、このことは、仮に、貸付先が滞納法人ではなくその代表者であったとしても第三者の弁済として有効であるので、国税徴収法第39条に規定する処分行為があったということはできない。したがって、原処分はその全部を取り消すのが相当である。(平21. 7.30 札裁(諸)平21-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210001
- 裁決年月日
- 平成21年7月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納法人甲社(以下「本件滞納法人」という。)の納税保証人である乙社の財産を差し押さえたのみで、その換価手続を行っていないので、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「滞納者の国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」(以下「徴収不足」という。)に該当しない旨主張する。しかしながら、徴収不足と認められる場合とは、第二次納税義務者に対し国税徴収法第32条《第二次納税義務の通則》第1項の規定に基づく納付通知書により告知した時の現況において、差押えができる滞納者の財産の見積価額の総額が徴収しようとする国税の額に不足すると認められるときをいうものと解されており、滞納者の財産の換価手続を行った上で徴収不足の額を具体的に確定することまで求められているものではないと解するのが相当であるから、本件滞納法人及び乙社の財産について換価手続がされていないからといって、徴収不足の判断結果に影響を与えることはなく、また、本件滞納法人は、原処分庁が請求人に第二次納税義務の告知処分を行ったときにはすでに清算結了しており、さらに、その直前に乙社が所有していた財産の価額は、滞納国税の額に満たないことは明らかである。したがって、本件告知処分が行われた時点において、本件滞納法人は本件の滞納国税につき徴収不足であったと認められ、請求人の主張には理由がない。(平21. 7. 6 名裁(諸)平21-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210001
- 裁決年月日
- 平成21年7月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が取得した土地建物(以下「本件土地建物」という。)の代金の一部に充てた金員(以下「本件金員」という。)は、滞納法人乙社(以下「本件滞納法人」という。)から贈与されたものではなく、請求人が勤務先である甲社に対して有する未収給与債権及び貸付金・立替金債権(以下、併せて「本件各債権」という。)の弁済金として、甲社が本件滞納法人から借り入れた金員が交付されたものであり、贈与されたものではない旨主張する。しかしながら、請求人が当審判所に提出した書類は、請求人が甲社に対して有していたとする本件各債権の存在を示す証拠とならず、請求人が本件各債権の額を算定する上での根拠を示すにとどまるものといわざるを得ない。また、甲社が本件滞納法人から本件金員を借り入れたことや、甲社に本件各債権の支払義務があることを裏付ける帳簿等の証拠はない上、請求人及び本件滞納法人の代表者である丙の供述をみても、請求人が本件各債権の弁済として本件金員の支払を求め、甲社がその弁済として本件金員の支払を承諾した事実をうかがわせるものではなく、本件滞納法人が請求人に対し何らかの弁済義務を負っていたことを証する証拠もない。以上によれば、請求人が甲社に対して本件各債権を有していたと認めることはできず、また、本件滞納法人が請求人に対し本件金員を交付しなければならないとする理由もない。そして、請求人及び丙が、本件滞納法人が売却した不動産の代金によって得た利益を共謀の上隠匿したこと、その隠匿した利益の使途について、請求人及び丙が本件土地建物の代金の一部に充てた旨供述していること、これらの供述に沿う本件滞納法人名義の預金口座(以下「「本件滞納法人預金口座」という。)への不動産売却代金の入金状況、本件滞納法人預金口座から請求人名義の預金口座への金員の移動状況等及び本件土地建物の代金の支払状況からすると、本件金員は、隠匿された不動産売却により得た利益を原資とするものであることが認められる。さらに、請求人と本件滞納法人との間に本件金員支払の原因となる貸借関係等があったことを示す客観的な資料はなく、請求人は本件滞納法人との関係を否定するものの、本件滞納法人が国税局査察部の調査を受け、当該調査の結果により立件された刑事事件の確定した判決で認定された公訴事実において、請求人は本件滞納法人の経理責任者として経理事務全般を掌握していたと認められるのであるから、請求人が本件滞納法人と関係がなく本件金員を受け取る理由など全くないとは認められず、むしろ本件滞納法人の資金を自らの意図のまま動かすことは容易にできたものと認めるのが相当である。そうすると、本件金員は、隠匿された不動産の売却により得た利益を原資として、請求人が本件土地建物の代金の一部に充てる目的で本件滞納法人から交付させた金員とみるのが相当であり、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分とは、必ずしも贈与、売買、債務免除、財産分与等特定の行為類型に属することを必要とせず、これら各類型に類似する行為であっても、それによって第三者に異常な利益を与えるものであるか否かにより判断することとなると解されるところ、請求人は、本件金員を交付させることにより、本件土地建物の代金支払債務の一部を請求人自身による実質的な負担なく履行することができたことは明らかであるので、本件滞納法人は、第三者である請求人に対し、本件金員の交付により異常な利益を与えたというべきである。したがって、本件金員の交付は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当し、請求人の主張には理由がない。(平21. 7. 6 名裁(諸)平21-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200063
- 裁決年月日
- 平成21年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・582ページ
要旨
○ 請求人は、事業譲渡に係る財産には資産及び負債の双方が含まれることが前提であるから、国税徴収法第38条にいう「譲受財産」には、積極財産のみならず消極財産を含む旨主張する。しかしながら、国税徴収法第38条は、事業の譲渡に伴い、譲渡人の国税の引き当てとなっていた財産が譲受人に譲渡されたことによって、国税の確保に支障が生じることから、譲受人が譲渡人の特殊関係者である場合に限り、その譲受人に対し、譲渡人の国税の引き当てとなっていた譲受財産を限度として、二次的に譲渡人の国税についての納税義務を負わせることとしたものと解されるのであるから、同条にいう「譲受財産」は、滞納処分の対象となっていた積極財産をいい、消極財産を含まないと解するのが相当であり、したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平21. 6.22 関裁(諸)平20-63)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200063
- 裁決年月日
- 平成21年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・582ページ
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第38条にいう「譲受財産を限度」とは、第二次納税義務の納付告知処分時点で残存する財産の価額で判断すべきである旨主張する。しかしながら、国税徴収法第38条は「譲受財産」という財産自体を限度としているのであって、財産の価額を限度とする規定ではなく、また、同条にいう「譲受財産」には、その財産の異動により取得した財産及びこれらの財産に基因して取得した財産が含まれ、さらに、同条は、第二次納税義務の限度を同法第39条のような「現に存する限度」としていることからすれば、同条の第二次納税義務の責任の範囲としては、告知処分時点において残存しているもののみと解することはできず、「譲受財産」そのものと解するのが相当である。(平21. 6.22 関裁(諸)平20-63)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200059
- 裁決年月日
- 平成21年6月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が実際に現金等を支払って本件未払金債務を弁済したと認めるに足りる証拠がないところ、請求人が本件滞納者に対して本件未払金債務を負っていないことからすれば、請求人は本件未払金債務について本件滞納者から本件未払金債務の免除を受けたと認められる旨主張する。しかしながら、請求人は、同人の代表者甲から本件未払金債務の額に相当する額の現金を借り入れ、本件滞納者に対する本件未払金債務の支払に充てたとする経理処理をし、本件滞納者は、請求人に対する売掛金の支払として、本件未払金債務と同額の現金を受け取り、その現金をAに対する未払金の支払として支払った旨の経理処理をしており、双方の経理処理に矛盾するところはなく、また、請求人は、後日、本件未払金債務の額と同額を甲に返金したとする経理処理をしていることからすると、甲から本件未払金債務の額に相当する額の現金を借り入れた請求人が、本件滞納者に対して本件未払金債務を弁済したことが推認できる。そうすると、本件未払金債務を弁済したとする領収証等の証拠がないことは不自然ではあるものの、そのことのみをもって、直ちに請求人が本件未払金債務を弁済していないとまでは認めることはできないから、請求人及び本件滞納者の帳簿の記録から推認できる本件未払金債務についての弁済の事実を覆した上で、請求人が本件未払金債務について債務免除を受けたと認定することはできない。(平21. 6.17 関裁(諸)平20-59)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200059
- 裁決年月日
- 平成21年6月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納者から債務免除を受けたが、本件滞納者に対してこれとは別に貸付金等の債権を有しているから、当該債務免除によって受けた利益の額から当該債権の額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、無償譲渡等の処分により「受けた利益」の額は、譲り受けた財産の額、免れた債務の額又は享受しようとした利益の額から、これらと直接の対価関係にあると認められる支出ないし負担を控除した残額をいうものと解するのが相当であるところ、当該債権は、当該債務免除と直接の対価関係にあるとは認められないから、請求人が受けた利益の額から控除することはできない。(平21. 6.17 関裁(諸)平20-59)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200060
- 裁決年月日
- 平成21年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納者からの債務の弁済のために振り出した手形の返却を受け、改めて代表者らから借り入れた現金で本件仮受金債務を弁済した旨主張する。しかしながら、請求人の主張を裏付ける証拠としては、請求人の経理処理及び請求人の代表者の答述しかないところ、この答述を具体的に裏付ける他の証拠がない上、本件滞納者の残高試算表の記載内容とも整合しないことなどからすれば、請求人の主張を認めるに足りる証拠はないといわざるを得ず、他に請求人の主張を認めるに足りる証拠はない。そして、本件仮受金債務が存在したこと及び本件仮受金債務が弁済されたとする経理処理がされたころに本件仮受金債務が消滅したことについては、争いがなく、原処分関係資料からもかかる事実を認めることができるところ、請求人が本件滞納者に対し本件仮受金債務の弁済をしたと認めることはできないのであるから、請求人が本件仮受金債務の免除を受けたものと認めるのが相当である。(平21. 6.17 関裁(諸)平20-60)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200060
- 裁決年月日
- 平成21年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件未払金債務を弁済するため、平成15年3月25日に本件滞納者に対して手形を振り出し、その支払期日である同年9月30日に請求人の代表者からの借入れにより弁済した旨、また、本件滞納者は、請求人からの弁済を受けると、同日、本件滞納者の債権者であるA社へ同額の現金を支払った旨主張する。しかしながら、請求人の主張を裏付ける証拠としては、請求人の経理処理及び請求人の代表者・経理担当者の答述しかないところ、これらの答述を具体的に裏付ける他の証拠がない上、本件滞納者の経理処理やA社の経理処理とも整合しないものであることなどからすれば、請求人の主張を認めるに足りる証拠はないといわざるを得ず、他に請求人の主張を認めるに足りる証拠はない。そして、平成15年3月25日までは本件未払金債務が存在していたこと及び本件未払金債務が弁済されたとする経理処理がされた同年9月30日ころに本件未払金債務が消滅していたことについては争いがなく、原処分関係資料からもかかる事実を認めることができるところ、請求人が本件滞納者に対し本件未払金債務の弁済をしたと認めることはできないのであるから、請求人が本件未払金債務の免除を受けたものと認めるのが相当である。(平21. 6.17 関裁(諸)平20-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200153
- 裁決年月日
- 平成21年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納者の相続人が全員相続放棄をしているにもかかわらず、相続財産管理人を選任することなく行われた本件納付告知処分は、違法であり無効である旨主張する。しかしながら、民法第951条は、相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人とする旨規定しているところ、同法第952条は、当該法人の代理人の選任方法を定めたものであって、法人成立の要件ではなく、また、国税通則法第5条第1項は、相続があった場合には、民法第951条の法人がその被相続人の国税の納税義務を承継する旨規定しているところ、第二次納税義務は納税者と一定の関係にあった者に対して納税者の納税義務の全部又は一部を補充的に負担させるものであるが、第二次納税義務について納税の告知をする場合に、直接、本来の納税義務者に対する納税の告知その他の処分等が必要となるものではないから、本件の相続財産法人に対しても納税の告知その他の処分等をする必要はなく、相続財産に対する処分等の通知を受領する代理人となる相続財産管理人の選任は必要ないこととなる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21. 4. 7 東裁(諸)平20-153)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200153
- 裁決年月日
- 平成21年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件納付告知処分の前にされた納付告知処分(以下「先行告知処分」という。)についての職権取消しがなければ、先行告知処分を取り消す裁決があったことが想定され、そうすると、本件納付告知処分はできないはずであったから、本件納付告知処分は不当である旨主張する。しかしながら、原処分庁が誤った処分をした場合に、職権で当該処分を取り消すことを禁止する法文はないから、原処分庁に処分の誤りを認識した時点において取消し又は一部取消しを行い、再度処分を行うことは妨げられず、先行納付告知処分についての取消しの裁決はされていないのであるから、取消裁決の拘束力によって処分が禁止されることもない。したがって、仮定に基づく請求人の主張には理由がない。また、請求人は、原処分庁が審査請求の対象となった原処分を取り消した場合、再度同様の処分をすることは審査制球人の不服審査の機会を奪うものであるから、許されない旨主張する。しかしながら、原処分が職権による取消しにより不存在となった場合には、審査請求の利益が消滅するのであるから、不服審査の機会が奪われた旨の請求人の主張は前提を欠いており理由がない。(平21. 4. 7 東裁(諸)平20-153)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200153
- 裁決年月日
- 平成21年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が請求人の父である滞納者から贈与を受けた土地は、請求人の夫が建物を新築する際に、本件滞納者に50万円か60万円の権利金を支払い、借地権を取得していたこと、また、平成7年12月1日付の賃貸借契約書の約定どおり、固定資産税を下回らないぐらいの地代を継続して支払っていたのであるから、贈与を受けた土地には請求人の夫の借地権が存在しており、したがって、当該土地の評価に当たっては借地権相当額を差し引くべき旨主張する。しかしながら、本件建物を新築する際(昭和62年6月29日)には、滞納者と請求人の夫との間で賃貸借契約書を取り交わしておらず、本件建物を新築する際に、権利金その他の一時金を授受したことを認めるに足りる証拠はないこと、請求人の夫が当該建物を所有して贈与を受けた土地を占有していた間、滞納者に対して、地代を支払ったことを認めるに足りる証拠はないこと、滞納者の顧問弁護士及び請求人が、当該土地と同様に当該建物の底地である隣接地についての平成14年の競売事件に際して、執行官に対し、上記の賃貸借契約書を呈示しておらず、請求人の夫から滞納者に対して地代の授受がない旨陳述していることからすると、権利金その他の一時金及び地代の支払があったとは認められない。そして、滞納者と請求人の夫は、娘婿という親族関係にあり、当該建物が請求人夫婦の住居であったことをも考慮すると、滞納者と請求人の夫との間には、当該建物を新築する際、贈与を受けた土地について無償で使用することを認める使用貸借の合意があったことを推認することができる。(平21. 4. 7 東裁(諸)平20-153)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200154ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成21年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・567ページ
要旨
○ 請求人は、特定贈与者から生前贈与を受けて相続時精算課税を選択していた場合、国税徴収法第39条の規定により受贈者が負う第二次納税義務の限度となる「受けた利益の限度」を算定するに当たっては、相続時精算課税による相続税額を控除すべきであると主張する。しかしながら、同条にいう「受けた利益の限度」の額は、同条が滞納者の親族その他の特殊関係者に、その受けた利益が後に現存しなくてもなお受けた利益の限度において第二次納税義務を負担させていることからすれば、その算定上受益財産の価額から控除すべき対価及び費用は、当該受益の時においてその存否及び数額が法律上客観的に確定しているものであることを要すると解するのが相当であるところ、贈与税の申告に当たって相続時精算課税を選択した相続時精算課税適用者が、その後納付する相続税又は還付を受けることとなる贈与税相当額は、特定贈与者の死亡による相続開始の時に、当該贈与により取得した財産と相続又は遺贈により取得した財産とを合計した価額から相続債務や葬式費用、基礎控除等を控除した価額を基に相続税額を計算した上、既に支払った贈与税額を控除して算出するものであり、贈与によって取得した財産の価額のみならず、当該贈与から特定贈与者の死亡までの財産の得喪及び債務の増減、相続開始日までの推定相続人の人数の増減、当該贈与を受けた者が相続又は遺贈によって取得した財産の価額や相続債務等により、その存否又は納付すべき税額が決定されるのであるから、受益の時においてその存否及び数額が法律上客観的に確定しているとはいえない。したがって、当該相続税は、国税徴収法第39条の「受けた利益の限度」の額の算定に当たり、受益財産の価額から控除することができないと解するのが相当である。(平21. 4. 7 東裁(諸)平20-154)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200155
- 裁決年月日
- 平成21年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、特定贈与者から生前贈与を受けて相続時精算課税を選択していた場合、国税徴収法第39条の規定により受贈者が負う第二次納税義務の限度となる「受けた利益の限度」を算定するに当たっては、相続時精算課税による相続税額を控除すべきであると主張する。しかしながら、同条にいう「受けた利益の限度」の額は、同条が滞納者の親族その他の特殊関係者に、その受けた利益が後に現存しなくてもなお受けた利益の限度において第二次納税義務を負担させていることからすれば、その算定上受益財産の価額から控除すべき対価及び費用は、当該受益の時においてその存否及び数額が法律上客観的に確定しているものであることを要すると解するのが相当であるところ、贈与税の申告に当たって相続時精算課税を選択した相続時精算課税適用者が、その後納付する相続税又は還付を受けることとなる贈与税相当額は、特定贈与者の死亡による相続開始の時に、当該贈与により取得した財産と相続又は遺贈により取得した財産とを合計した価額から相続債務や葬式費用、基礎控除等を控除した価額を基に相続税額を計算した上、既に支払った当該贈与税額を控除して算出するものであり、贈与によって取得した財産の価額のみならず、当該贈与から特定贈与者の死亡までの財産の得喪及び債務の増減、相続開始日までの推定相続人の人数の増減、当該贈与を受けた者が相続又は遺贈によって取得した財産の価額や相続債務等により、その存否又は納付すべき税額が決定されるのであるから、受益の時においてその存否及び数額が法律上客観的に確定しているとはいえない。したがって、当該相続税は、国税徴収法第39条の「受けた利益の限度」の額の算定に当たり、受益財産の価額から控除することができないと解するのが相当である。(平21. 4. 7 東裁(諸)平20-155)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200047
- 裁決年月日
- 平成21年2月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法(以下「徴収法」という。)第39条の趣旨が、第二次納税義務を負う者が得た利益の範囲で納税義務を課し、その返還を求めていることからすると、無償譲渡等により取得した不動産が換価されずに残り、当該不動産の価額が極端に下落した場合の同条に規定する「受けた利益の額」は、下落した価額を限度とすべきである旨主張する。しかしながら、滞納者から不動産を無償譲渡等により取得した者が親族である場合の徴収法第39条に規定する「受けた利益の額」は、無償譲渡等の処分がされた時の現況によるそのものの価額が限度となり、その後の経済事情の変動により不動産の価額が下落したとしても、当該下落を考慮する旨を定めた取扱いはないことを併せてみると、無償譲渡等により取得した不動産の価額が著しく下落した場合における徴収法第39条に規定する「受けた利益の額」は、当該下落した価額を限度とすることはできない。(平21. 2. 2 名裁(諸)平20-47)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200037
- 裁決年月日
- 平成20年12月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・555ページ
要旨
○ 原処分庁は、建物賃貸人である請求人が建物賃借人である滞納者(賃借人)から敷金及び建設協力金の返還債務の免除を受けたことが国税徴収法(以下「徴収法」という。)第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に該当すると主張する。しかしながら、敷金については、未払賃料と明渡し費用に充てられた結果、その返還請求権は発生しなかったと認められ、建設協力金については、建物賃貸借契約に定められた「賃借人の事情による中途解約の場合、賃借人が当該契約と同等以上の条件で新たな賃借人を斡旋し、新たな契約が締結されない限り、賃借人は敷金及び建設協力金の残額の返還請求権を放棄する。」とする条項が、滞納者の事情による中途解約の場合に生ずる請求人の損害の賠償に代えて、建設協力金の残額の返還請求権を放棄し、その後請求人に生じた損害の多寡を問わず清算しないこととしたものと解され、建設協力金の残額の返還請求権の放棄は、損害の賠償に代えて行われる違約金債務の弁済と同視することができるところ、建設協力金の額は本件建物の工事代金以下であり不相当に高額でなく、また、その返済期間は建物の賃貸借期間と同期間であり不相当に長期間であるともいえないことからすれば、請求人に対して一方的に不相当な利益を与えるものとはいえず、したがって、建設協力金の残額の返還請求権の放棄は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分には該当せず、請求人は第二次納税義務を負わないことから、第二次納税義務の納付告知処分は違法なものとして取り消されるべきである。(平20.12. 3 名裁(諸)平20-37)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200021
- 裁決年月日
- 平成20年11月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納者から債務免除等により利益を受けていたことは認めるものの、本件滞納者に対して本件貸付金を有していることから、請求人が債務免除等によって受けた利益の額から本件貸付金の額を控除すべき旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条に規定する「受けた利益」の額とは、譲り受けた財産の額、免れた債務の額、又は享受した利益の額から、これらと直接の対価関係にあると認められる支出ないし負担を控除した残額をいうものと解するのが相当であるところ、請求人の受益財産と本件貸付金の間には直接の対価関係があるとはいえないから、本件貸付金は請求人が受けた利益の額から控除することはできない。(平20.11.27 関裁(諸)平20-21)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200021
- 裁決年月日
- 平成20年11月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件金員は、請求人がA社を買収するための資金として、本件滞納者が請求人に対して贈与したものと認められる旨主張する。しかしながら、本件滞納者は、A社及びA社の債権者との間の合意に基づいてA社の債務の引受け等をした上で、本件金員により当該債務を支払うことによってA社に対して求償権を取得し、これを本件滞納者はA社に対する貸付金として会計処理したものと認められる。したがって、本件金員は、本件滞納者から請求人に対する贈与とは認められないから、原処分を取り消すのが相当である。(平20.11.27 関裁(諸)平20-21)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200008
- 裁決年月日
- 平成20年11月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人の請求人に対する役員報酬25,000,000円(以下「本件役員報酬」という。)は、請求人の滞納法人に対する役員としての役務の対価として、あるいは、滞納法人の請求人に対する出資金の払戻し、未払金及び立替金の清算及び退職金として支払われるべきものであるから、無償譲渡の処分に当たらない旨主張する。しかしながら、本件役員報酬は、請求人の滞納会社に対する役務提供の対価と認めることはできず、また、請求人に対する出資金の払戻し、請求人に対する未払金及び請求人の滞納法人に対する立替金の清算、あるいは、請求人に対する退職金の支払としての性質を有するものと認めることができないのであるから、滞納法人の請求人に対する不動産売買代金との相殺によって本件役員報酬が支払われたのと同様の効果が生じた限度で、請求人は無償譲渡等の処分により滞納法人から利益を受けたと認めるのが相当である。(平20.11.17 熊裁(諸)平20-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200021
- 裁決年月日
- 平成20年11月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納者名義の預金から請求人が受け入れた金員は、本件滞納者に預けてあった漁業補償金の支払及び貸付金の弁済を受けたものであり、国税徴収法第39条の無償譲渡等に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が本件滞納者に対する貸付金等の発生及び返済の状況を証する資料として当審判所に提出した総勘定元帳の一部の写しの記載内容は不十分で、信用できるものとは認められず、当審判所の調査によっても貸付金等の有無及びその額を認定することができないから、本件滞納者名義預金口座から請求人に出金された金額から請求人が当該預金口座に返金した額を差し引いた後、最終的に請求人が受領すべき漁業補償金を超過する○○○○円は、請求人への対価性のない支払であるから、請求人は、この限度において第二次納税義務を負うこととなり、原処分のうち当該金額を超える部分は取り消すのが相当である。(平20.11. 6 大裁(諸)平20-21)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200007
- 裁決年月日
- 平成20年10月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305044
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/4債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・521ページ
要旨
○ 請求人は、本件滞納法人が事業を廃止した場合の廃止日現在における累計保証料を請求人が収受する旨を定めた本件契約第9条は、本件滞納法人が業務を廃止した場合には本件滞納法人が保証していた請求人の貸金債権についての信用保証業務を請求人が引き継ぐ旨の規定であるから、請求人が本件累計保証料相当額を受け入れたことは無償譲渡等の処分には該当しない旨主張し、原処分庁は、本件滞納法人が本件債務を負担したことには対価性がなく国税徴収法39条の無償譲渡等の処分に該当する旨主張する。しかしながら、本件契約第9条は、本件滞納法人の業務廃止後における損害賠償債務又は保証債務の履行に代えて、本件滞納法人が請求人に対して累計保証料相当額の金銭債務を負うこととしたものと解され、当該債務の履行により本件滞納法人の損害賠償債務又は保証債務が消滅するのであるから、その消滅する損害賠償債務又は保証債務が本件債務の履行の対価であるというべきであるところ、本件滞納法人の業務廃止時における請求人の貸金残高に予想される貸倒率を乗じて算出される額、あるいは、本件滞納法人の業務廃止に伴って請求人に生じた貸倒れの額を超える部分は無償譲渡等の処分に該当すると認めることが相当である。そうすると、請求人は、本件累計保証料相当額について、本件滞納法人から現実に金員の交付を受けたわけではないが、本件滞納法人に対する請求人の借入金との相殺により、同額について請求人が本件債務を履行を受けたのと同視でき、この金額から請求人の平成15年3月期における貸倒損失の額○○○○円を控除した額○○○○円の部分については、請求人が本件滞納法人から無償譲渡等の処分により利益を受けたというべきである。したがって、この額を超える部分についての第二次納税義務の納付告知処分は、取り消されるべきである。(平20.10.27 熊裁(諸)平20-7)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200007
- 裁決年月日
- 平成20年10月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・521ページ
要旨
○ 請求人は、本件納付通知書には、どの事実が国税徴収法第39条に該当するのか記載がないため不服申立てができず、教示したことにはならないので、本件納付通知書には瑕疵があり違法である旨主張する。しかしながら、第二次納税義務の納付通知書に記載すべき事項を定める国税徴収法施行令第11条第1項は、①納税者の氏名及び住所又は居所、②滞納に係る国税の年度、税目、納期限及び金額、③滞納に係る国税の金額のうち第二次納税義務者から徴収しようとする金額並びにその納付の期限及び場所、④その者につき適用すべき第二次納税義務に関する規定を記載するにとどまり、どの事実が国税徴収法第39条に該当するかなどの第二次納税義務者の納付告知処分の理由を納付通知書に記載すべきことを定めた明文の規定は存在せず、また、第二次納税義務者が本来の納税者と同一の納税上の責任を負わせても公平を失しないような特別の関係にある者であることからすれば、納付通知書に適用すべき第二次納税義務者に関する規定の記載があれば、どの事実が国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するかを理解することができると考えられるのであるから、その点についての記載がないとしても、そのことをもって本件納付告知処分が違法であるということはできない。(平20.10.27 熊裁(諸)平20-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200021
- 裁決年月日
- 平成20年10月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・542ページ
要旨
○ 請求人は、請求人が夫から贈与を受けた不動産には、債務者を夫とする担保権が設定されており、いつ担保権を実行されてもおかしくない状況にあったこと、その後、当該担保権の被担保債権について保証したことから、当該贈与により請求人が受けた利益の額は零円となるため、請求人が負うべき第二次納税義務はない旨主張する。しかしながら、贈与された不動産に担保権が設定されていたとしても、一般に、担保権が実行されるか否かは不確実であり、また、担保権が実行されたとしても債務者に求償することが可能であるから、受贈者が贈与とともに債務も引き受けた場合や贈与を受けた時に債務者が弁済不能の状態にあるため担保権を実行されることが確実であり、かつ、債務者に求償しても弁済を受ける見込みがないという場合を除き、担保権が設定された贈与不動産の価額は、担保権が付されていないとした場合の不動産の時価によるべきところ、請求人及びその夫にはこれらの事情が認められないず、また、債務を保証したとしても、当然に債務を引き受けたことにはならないので、請求人が当該贈与により受けた利益の額は、請求人が贈与税の課税価格として申告した額(以下「贈与価額」という。)と同額となり、そうすると、請求人は、贈与価額を限度として、夫の滞納国税に係る第二次納税義務を負うことになる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20.10.22 名裁(諸)平20-21)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200016
- 裁決年月日
- 平成20年10月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社法第762条の規定に基づいて設立された請求人の株式が滞納法人から第三者に譲渡された時に初めて事業の譲渡があったものであり、その時点において請求人は国税徴収法第38条に規定する特殊関係者に該当しないから、特殊関係者への事業の譲渡には該当しない旨主張する。しかしながら、滞納法人の分割計画書において、①新設分割により滞納法人の事業を請求人が承継し、②資産及び負債並びに労働契約上の地位を請求人が承継し、③請求人が請求人の発行株式のすべてを滞納法人に交付することが定められ、平成19年3月○日に新設分割により請求人の設立登記がなされているから、当該設立登記と同時に滞納法人から請求人に対し事業の譲渡がなされ、滞納法人が請求人の発行済株式のすべてを所有したものというべきである。そして、特殊関係者の判定は、国税徴収法施行令第13条第2項の規定によれば、事業の譲渡の時の現況によると規定されているところ、事業譲渡の時、すなわち請求人の設立登記の時において、滞納法人は請求人の発行済株式のすべてを所有しており、請求人は滞納法人の特殊関係者である。以上によれば、本件事業譲渡は、国税徴収法第38条に規定する特殊関係者への事業の譲渡に該当する。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20.10. 1 名裁(諸)平20-16)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200005
- 裁決年月日
- 平成20年9月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・497ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件滞納会社の清算人であった請求人が行った本件滞納会社の元代表者亡Cと内縁関係があったWに対する支払、本件滞納会社の元役員Bに対するの支払、Yに対する支払及びZに対する支払は、本件滞納会社の債務の弁済ではなく、Cの死亡によりCの出資持分を承継した相続人のために、C個人の債務を弁済したことにほかならず、また、Cの死亡により本件滞納会社が受領した本件生命保険金の使途が明らかでないものを含めた○○○○円が国税徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》に規定する残余財産の分配又は引渡しに該当すると主張する。しかしながら、本件滞納会社の解散時における出資者はCの相続人だけであると認められるところ、Cの相続人に交付された本件滞納会社の財産は、本件滞納会社の債務の弁済資金としてCの妻に交付された金員だけであると認められ、原処分庁が主張する他の支払も、Cの相続人のために残余財産の分配に代えて行われたものと認めることはできず、その使途が明らかでないものについても、これがCの相続人に交付されたともC個人の債務の弁済に充てられたとも認めることができないから、請求人が本件滞納会社の社員に対して残余財産の分配又は引渡しを行ったと認めることはできない。(平20. 9.19 熊裁(諸)平20-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200004
- 裁決年月日
- 平成20年8月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305080
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・583ページ
要旨
○ 本件各滞納国税の滞納者であるJ、K、L及びMは、平成8年1月に、所有していた不動産を譲渡しているところ、請求人の会計担当取締役でもある滞納者Kの当審判所に対する答述内容、請求人の代表取締役V及び滞納者Mの文書回答内容からすれば、上記不動産の譲渡価額合計額○○○○円が現在請求人が所有している本件テナントビルの購入資金に充てられたと認められる。そして、請求人は、上記不動産の譲渡代金について、金額は不明であるが、相続解決金などを支払い、その残額を各滞納者から借り入れたものであると主張し、請求人の帳簿上も各滞納者からの借入金として処理されているが、その金額が極めて多額であるにもかかわらず、金銭消費貸借契約書又はそれに準じる契約書は保存されておらず、担保も設定されていない上、弁済期や利息の支払に関する取決めもないなど、極めて不自然な取引であるといわざるを得ず、また、現在においては、各滞納者からの借入額がいくらであるか不明となっており、請求人が各滞納者に弁済を行ったこともなく、各滞納者が請求人に対して弁済の督促を行ったこともないと認められることからすれば、請求人が各滞納者から借り入れたとする金員は、各滞納者が請求人貸し付けたものではなく、各滞納者が請求人に対して無償譲渡等の処分により利益を与えたと認めるのが相当である。(平20. 8.11 熊裁(諸)平20-4)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200004
- 裁決年月日
- 平成20年8月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・583ページ
要旨
○ 国税徴収法第32条第1項は、「税務署長は、納税者の国税を第二次納税義務者から徴収しようとするときは、その者に対し、政令で定めるところにより、徴収しようとする金額、納付の期限その他必要な事項を記載した納付通知書により告知しなければならない。」と規定し、国税徴収法施行令第11条第1項は、「国税徴収法第32条第1項に規定する納付通知書には、①納税者の氏名及び住所又は居所、②滞納に係る国税の年度、税目、納期限及び金額、③滞納に係る国税の金額のうち第二次納税義務者から徴収しようとする金額並びにその納付の期限及び場所、④その者につき適用すべき第二次納税義務に関する規定を記載しなければならない」と規定するにとどまり、第二次納税義務の告知処分の理由を記載すべきことを定めた明文の規定は存在せず、また、国税徴収法の定める第二次納税義務が、本来の納税者と同一の納税上の責任を負わせても公平を失しないような特別の関係にある第三者に対して主たる納税義務についての遅行責任を補充的に負わせるものであり、国税徴収法第33条ないし第41条においてそれぞれの第二次納税義務の要件を定めていることからすれば、国税徴収法施行令第11条第1項に規定する事項が納付通知書に記載されていれば、第二次納税義務者は第二次納税義務の納付告知処分の理由を理解できるものと考えられるところ、原処分庁は、本件納付通知書に、国税徴収法施行令第11条第1項に規定する事項をすべて記載しているのであるから、処分理由が記載されていないとしても、そのことをもって理由不備の違法があるとはいえない。(平20. 8.11 熊裁(諸)平20-4)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200004
- 裁決年月日
- 平成20年8月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・583ページ
要旨
○ 請求人は、本件告知処分に係る第二次納税義務の徴収権の消滅時効が成立しているから、本件告知処分は無効であり、無効な本件告知処分に続く本件督促処分及び本件各差押処分も無効である旨主張する。しかしながら、第二次納税義務の時効が主たる納税義務の時効と別個独立に進行し、完成することはなく、主たる納税義務が発生し存続する限り、必要に応じいつでも第二次納税義務を課すことができるものと解される。これを本件についてみると、本件滞納国税の時効は、その納期限の翌日から進行を開始したが、消滅時効完成前に督促並びに延納担保物についての差押処分及び参加差押処分が行われたことにより、消滅時効は中断していると認められ、本件滞納国税は存続しているのであるから、本件告知処分に係る第二次納税義務の徴収権の消滅時効が完成しているとはいえない。(平20. 8.11 熊裁(諸)平20-4)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平190012
- 裁決年月日
- 平成20年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305044
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/4債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・760ページ
要旨
○ 請求人の銀行口座に滞納会社の取引先から売掛債権相当額が振り込まれているところ、原処分庁は、無償譲渡等の処分によるものであり、請求人が同額の利益を受けたと主張し、一方、請求人は、当該売掛債権はもともと請求人に帰属するものであるから、国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分によるものではない、仮に、当該売掛債権がもともと滞納会社に帰属するものであるとしても、滞納会社の営業を譲り受けた請求人は当該売掛債権に係る金員を受領した後に滞納会社の債務を弁済しているので、無償譲渡等の処分による利益は存在しないと主張する。請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、経営が悪化していた滞納会社と請求人の間では、滞納会社の取引先との取引の継続を目的として、請求人に滞納会社の工場(製造部門)と従業員を引き継ぎ、取引先との取引を継続することについての合意が成立したものと認められるが、本件売掛債権が発生する前にその旨の合意が成立したと認めることはできないから、本件売掛債権はもともと滞納会社に帰属していたと認めるのが相当である。そして、請求人は、滞納会社が負っていた従業員に対する給与の支払債務の弁済資金を確保するために本件売掛債権を譲り受けたものと認められるから、当該給与支払債務相当額部分については、国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分により請求人が利益を受けたということはできない。しかし、その余の部分については、その相当額を請求人が滞納会社に返還した形跡を認めることができず、滞納会社も請求人に請求した事実が認められないことからすれば、同条の無償譲渡等の処分により請求人が利益を受けたものと認めるのが相当である。(平20. 6.30 熊裁(諸)平19-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190054
- 裁決年月日
- 平成20年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、商号変更日をもって、借財が一切ない法人として零からスタートしたので、請求人が債務免除を受けた事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、平成13年9月期の末日現在、本件滞納者から借入金債務を負っていたと認められ、平成16年7月12日現在においても当該借入金債務を負っていたと認められるところ、請求人の資力等からすれば、商号変更前に弁済等があったとは認められず、商号変更後においては当該借入金債務を負っていないと主張していること、本件滞納者は商号変更の際請求人に対する貸付金がなくなった旨を聞かされても特に異議を述べたり返済を求めるなどの行動をとっていないこと、請求人の平成16年9月期の決算書等に本件滞納者に対する債務が一切計上されていないこと、平成13年9月期末日以降商号変更日までの間、請求人に本件借入金債務を弁済できる資力がなかったと認められることからすれば、本件借入金債務は、本件滞納者による債務免除により消滅したものと推認できる。加えて、請求人を譲り受けるに当たり本件借入金債務の整理を求めたAが休眠中の請求人を利用して事業を開始することをについて、本件滞納者が了承し、請求人の印鑑や通帳等をAに渡していたことが認められ、これらの行為は、本件滞納者が、請求人の借入金債務を免除する趣旨を含んでいたものと推認できる。そうすると、請求人は、平成16年7月12日から商号変更日までの間に、本件滞納者から借入金債務について債務免除を受けたと認めるのが相当である。(平20. 6.26 関裁(諸)平19-54)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190054
- 裁決年月日
- 平成20年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税局長が差押解除をしなければ、本件滞納国税が徴収できたはずであるから、本件は、本件滞納国税につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足する場合に該当しない旨主張する。しかしながら、第二次納税義務の成立に関し、滞納者の国税につきあらかじめ滞納処分を執行することは必要とされておらず、本件は、国税徴収法第39条に規定する「徴収すべき額に不足すると認められる場合」に該当するというべきであるから、請求人の主張は採用できない。(平20. 6.26 関裁(諸)平19-54)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190042ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成19年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件営業譲渡日に、請求人が受領した本件金員を含め、請求人ら個人株主が受領した金員は、同人らが所有していた本件滞納法人の株式の譲渡代金であるから、請求人ら個人株主が当該金員を受領したことは、国税徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》の残余財産の分配に当たらない旨主張する。 しかしながら、①本件滞納法人は、本件営業譲渡日に、営業譲渡契約に基づき、筆頭株主に対する債務を除き、資産・負債のすべてをA社に譲渡しており、A社は、当該金員を営業譲渡代金25,900,000円の一部と認識し、その旨の経理をしていること、②本件滞納法人の株式に経済的価値がないこと、③本件滞納法人の株式譲渡に必要な取締役会の承認もないこと、④本件滞納法人の代表者は営業譲渡に際し、請求人ら個人株主を含む社員に迷惑をかけないと考えていたこと、⑤請求人ら個人株主が交付を受けた金員が、本件滞納法人への出資相当額であることなどからすれば、当該金員は、株式の譲渡代金ではなく、本件営業譲渡の対価の一部を請求人ら個人株主に分配したものと認めるのが相当である。また、本件滞納法人は、本件営業譲渡日から解散決議に至るまで何ら資産を有せず、また、事業活動を行っていないことからすると、本件営業譲渡は本件営業譲渡日において解散を前提に行われたものと認められる。 そうすると、請求人に対する本件金員の交付は、国税徴収法第34条に規定する、法人が解散した場合において、残余財産の分配をしたときに当たり、請求人は、本件金員の額を限度として第二次納税義務を負うこととなる。(平19.12.21 名裁(諸)平19-42)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190045ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件営業譲渡日に、請求人が受領した本件金員を含め、請求人ら個人株主が受領した金員は、同人らが所有していた本件滞納法人の株式の譲渡代金であるから、請求人ら個人株主が当該金員を受領したことは、国税徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》の残余財産の分配に当たらない旨主張する。 しかしながら、①本件滞納法人は、本件営業譲渡日に、営業譲渡契約に基づき、筆頭株主に対する債務を除き、資産・負債のすべてをA社に譲渡しており、A社は、当該金員を営業譲渡代金25,900,000円の一部と認識し、その旨の経理をしていること、②本件滞納法人の株式に経済的価値がないこと、③本件滞納法人の株式譲渡に必要な取締役会の承認もないこと、④本件滞納法人の代表者は営業譲渡に際し、請求人ら個人株主を含む社員に迷惑をかけないと考えていたこと及び⑤請求人ら個人株主が交付を受けた金員が、本件滞納法人への出資相当額であることなどからすれば、当該金員は、株式の譲渡代金ではなく、本件営業譲渡の対価の一部を請求人ら個人株主に分配したと認めるのが相当である。また、本件滞納法人は、本件営業譲渡日から解散決議に至るまで何ら資産を有せず、また、事業活動を行っていないことからすると、本件営業譲渡は本件営業譲渡日において解散を前提に行われたものと認められる。 そうすると、請求人に対する本件金員の交付は、国税徴収法第34条に規定する、法人が解散した場合において、残余財産の分配をしたときに当たり、請求人は、本件金員の額を限度として第二次納税義務を負うこととなる。(平19.12.21 名裁(諸)平19-45)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190048
- 裁決年月日
- 平成19年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件営業譲渡日に、請求人が受領した本件金員を含め、請求人ら個人株主が受領した金員は、同人らが所有していた本件滞納法人の株式の譲渡代金であるから、請求人ら個人株主が当該金員を受領したことは、国税徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》の残余財産の分配に当たらない旨主張する。 しかしながら、①本件滞納法人は、本件営業譲渡日に営業譲渡契約に基づき、筆頭株主に対する債務を除き、資産・負債のすべてをA社に譲渡しており、A社は、当該金員を譲渡代金25,900,000円の一部と認識し、その旨の経理をしていること、②本件滞納法人の株式に経済的価値がないこと、③本件滞納法人の株式譲渡に必要な取締役会の承認もないこと、④本件滞納法人の代表者は営業譲渡に際し、請求人ら個人株主を含む社員に迷惑をかけないと考えていたこと⑤請求人ら個人株主が交付を受けた金員が、本件滞納法人への出資相当額であることなどからすれば、当該金員は、株式の譲渡代金ではなく、本件営業譲渡の対価の一部を請求人ら個人株主に分配したものと認めるのが相当である。また、本件滞納法人は、本件営業譲渡日から解散決議に至るまで何ら資産を有せず、また、事業活動を行っていないことからすると、本件営業譲渡は本件営業譲渡日において解散を前提に行われたものと認められる。 そうすると、請求人に対する本件金員の交付は、国税徴収法第34条に規定する、法人が解散した場合において、残余財産の分配をしたときに当たり、請求人は、本件金員の額を限度として第二次納税義務を負うこととなる。(平19.12.21 名裁(諸)平19-48)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190049ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成19年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件営業譲渡日に、請求人が受領した本件金員を含め、請求人ら個人株主が受領した金員は、同人らが所有していた本件滞納法人の株式の譲渡代金であるから、請求人ら個人株主が当該金員を受領したことは、国税徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》の残余財産の分配に当たらない旨主張する。 しかしながら、①本件滞納法人は、本件営業譲渡日に、営業譲渡契約に基づき、筆頭株主に対する債務を除き、資産・負債のすべてをA社に譲渡しており、A社は、当該金員を営業譲渡代金25,900,000円の一部と認識し、その旨の経理をしていること、②本件滞納法人の株式に経済的価値がないこと、③本件滞納法人の株式譲渡に必要な取締役会の承認もないこと、④本件滞納法人の代表者は営業譲渡に際し、請求人ら個人株主を含む社員に迷惑をかけないと考えていたこと及び⑤請求人ら個人株主が交付を受けた金員が、本件滞納法人への出資相当額であることなどからすれば、当該金員は、株式の譲渡代金ではなく、本件営業譲渡の対価の一部を請求人ら個人株主に分配したものと認めるのが相当である。また、本件滞納法人は、本件営業譲渡日から解散決議に至るまで何ら資産を有せず、また、事業活動を行っていないことからすると、本件営業譲渡は本件営業譲渡日において解散を前提に行われたものと認められる。 そうすると、請求人に対する本件金員の交付は、国税徴収法第34条に規定する、法人が解散した場合において、残余財産の分配をしたときに当たり、請求人は、本件金員の額を限度として第二次納税義務を負うこととなる。(平19.12.21 名裁(諸)平19-49)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190052
- 裁決年月日
- 平成19年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件営業譲渡日に、請求人が受領した本件金員を含め、請求人ら個人株主が受領した金員は、同人らが所有していた本件滞納法人の株式の譲渡代金であるから、請求人ら個人株主が当該金員を受領したことは、国税徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》の残余財産の分配に当たらない旨主張する。 しかしながら、①本件滞納法人は、本件営業譲渡日に、営業譲渡契約に基づき、筆頭株主に対する債務を除き、資産・負債のすべてをA社に譲渡しており、A社は、当該金員を営業譲渡代金25,900,000円の一部と認識し、その旨の経理をしていること、②本件滞納法人の株式に経済的価値がないこと、③本件滞納法人の株式譲渡に必要な取締役会の承認もないこと、④本件滞納法人の代表者は営業譲渡に際し、請求人ら個人株主を含む社員に迷惑をかけないと考えていたこと、⑤請求人ら個人株主が交付を受けた金員が、本件滞納法人への出資相当額であることなどからすれば、当該金員は、株式の譲渡代金ではなく、本件営業譲渡の対価の一部を請求人ら個人株主に分配したと認めるのが相当である。また、本件滞納法人は、本件営業譲渡日から解散決議に至るまで何ら資産を有せず、また、事業活動を行っていないことからすると、本件営業譲渡は本件営業譲渡日において解散を前提に行われたものと認められる。 そうすると、請求人に対する本件金員の交付は、国税徴収法第34条に規定する、法人が解散した場合において、残余財産の分配をしたときに当たり、請求人は、本件金員の額を限度として第二次納税義務を負うこととなる。(平19.12.21 名裁(諸)平19-52)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190053
- 裁決年月日
- 平成19年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・465ページ
要旨
○ 請求人は、①本件営業譲渡日に、Bら個人株主が受領した本件金員は、同人らが所有していた本件滞納法人の株式の譲渡代金であり、②Bら個人株主が本件金員を受領したのは、本件滞納法人の解散決議前であるから、Bら個人株主が本件金員を受領したことは、国税徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》の残余財産の分配に当たらない旨主張する。 しかしながら、①本件滞納法人は、本件営業譲渡日に、営業譲渡契約に基づき、本件滞納法人の代表者である請求人とその親族がそのすべての株式を所有する筆頭株主C社に対する債務を除き、資産・負債のすべてをD社に譲渡しており、D社は、本件金員を営業譲渡代金25,900,000円の一部と認識し、その旨の経理をしていること、②本件滞納法人の株式に経済的価値がなく、D社が本件滞納法人の株式を取得する経済的合理性も必要性もないこと、③本件滞納法人の株式譲渡に必要な取締役会の承認もないこと、④請求人は営業譲渡に際し、Bら個人株主を含む社員に迷惑をかけないと考えていたこと、⑤本件金員の額が、Bら個人株主の本件滞納法人への出資相当額であることなどからすれば、本件金員は、株式の譲渡代金ではなく、本件営業譲渡の対価の一部をBら個人株主に分配したものと認めるのが相当である。 また、本件滞納法人は、本件営業譲渡日から解散決議に至るまで何ら資産を有せず、また、事業活動を行っていないことからすると、本件営業譲渡は本件営業譲渡日において解散を前提に行われたものと認められる。さらに、請求人は、本件滞納法人の代表取締役として、本件金員の交付を行い、その後、清算人となったのであるから、本件金員の交付は、国税徴収法第34条に規定する、法人が解散した場合において、残余財産の分配をしたときに当たり、清算人である請求人は、Bら個人株主に分配した財産の価額の限度として第二次納税義務を負うこととなる。(平19.12.21 名裁(諸)平19-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190080
- 裁決年月日
- 平成19年12月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が贈与と認定し、国税徴収法第39条に規定する第二次納税義務を課した本件滞納者による請求人名義預金口座への各入金(以下「本件各入金」という。)について、本件滞納者が自己の債務を弁済をするために通過的に入金したもの又は物上保証の履行として請求人名義の各借入金(以下「本件各借入金」という。)の返済に充てられ、その対価として求償権が発生しているから、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等には該当しない旨主張する。 しかしながら、①本件各借入金の申込人は請求人であって、その申込書を請求人自身が作成していること、②本件各借入金の使途は請求人名義不動産の取得であること、③本件各借入金の毎月の返済者が請求人であること等からすれば、本件各借入金の債務者は名実ともに請求人であると認められ、また、本件各借入金の弁済の経緯を見れば、本件各借入金の弁済は本件各入金を原資として請求人が行った行為であって、本件滞納者が代位弁済したものと認めるに足りる証拠は見当たらない。そして、本件滞納者と請求人との関係を考えると、二人の間に本件各入金に係る金員について返済の請求及び履行は行わないという意思があったと推認されるから、当該弁済は債務者である請求人が、自己の債務を自己の預金をもって弁済したものであり、本件滞納者から請求人に対する求償権又は返還請求権は発生していないといえる。 以上のとおり、本件各入金は、求償権又は返還請求権の債権という形で本件滞納者に財産権を残すことなく財産の移転がなされた金銭の贈与というべきであり、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等に該当する。(平19.12. 7 東裁(諸)平19-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190063
- 裁決年月日
- 平成19年11月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305070
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/7低額譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 国税徴収法第39条の第二次納税義務に係る「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」にいう「対価」とは、売買契約の場合における売買代金のように単一の契約において財産処分と対価的牽連関係にあるものがこれに当たることはいうまでもないが、こうした単一の双務契約上の法形式的な対価の関係にあるものに限られるものではなく、経済的に当該財産処分と他の契約との間において、当該財産処分がなされたがために、双務契約上の対価的牽連関係に類似した形で当該他の契約上の給付ないし負担がなされたという内容及び程度の関連性が認められる場合には、当該他の契約上の給付ないし負担も当該財産処分の「対価」に当たることがあり得ると解すべきである。 原処分は、滞納法人が請求人に額面29,151,875円の債権を1円で譲渡したことが「著しく低い額の対価による譲渡」であるとして上記第二次納税義務を納付告知したものであるが、当該債権の譲渡契約時において、①請求人は、滞納法人に対し、当該債権を上回る売掛金債権を有していたと認められること、②請求人と滞納法人との間においては、滞納法人の清算結了及び請求人の滞納法人に対する債権の整理を目的とした契約又は合意が成立していたと認められること、③滞納法人は、②の契約又は合意に基づいて当該債権を他の残余財産とともに請求人に譲渡する一方で、請求人は滞納法人に対する売掛金債権の免除をしたとみるべきであることからすれば、請求人がした滞納法人に対する債務免除と当該債権の譲渡との関係には、債務免除がなされるがために当該債権の譲渡がなされたという関連性があるものと推認され、本件においては債務免除が当該債権の譲渡の「対価」に当たるとみるべきであるから、当該債権の譲渡は、著しく低い額の対価による譲渡であるとは認められない。 したがって、本件の納付告知処分は、法律の適用を誤った違法がある。(平19.11. 8 東裁(諸)平19-63)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190025
- 裁決年月日
- 平成19年10月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社から受領した毎月25万円(以下「本件金員月額」という。)、合計875万円の金員(以下「本件金員」という。)は、滞納会社に対する請求人の役務の対価である旨主張する。 しかしながら、請求人が滞納会社の経理事務に従事していたと主張する期間のうちには、本件金員月額を受領していない月があること、また、請求人が別会社に就職した平成14年4月以降、請求人の滞納会社への勤務が土曜日のみの週1日になったにもかかわらず、本件金員月額は減額されていないことが認められる。さらに、本件金員が滞納会社に対する請求人の役務の対価であるならば、源泉徴収された正規の報酬と区別した上で、滞納会社の元取締役Aを経由して支払われる必要性がないにもかかわらず、Aから本件金員月額が請求人に渡されており、そのほか、本件金員月額については所得税の源泉徴収もされず、本件金員につき請求人も所得税の確定申告をしていないことが認められる。 加えて、本件金員の原資は、滞納会社の売上除外によって得られたものであるから、本件金員の支払の実質は、簿外利益の分配と何ら異なるものではなく、本件金員が、滞納会社と請求人との間において、必要かつ合理的な理由に基づいて滞納会社から請求人に支払われたものであるとは認められない。 以上のことからすると、本件金員は、滞納会社に対する請求人の役務の対価とは認められず、請求人は、滞納会社から無償譲渡等により本件金員を受領したと判断するのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平19.10.22 名裁(諸)平19-25)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平190003ほか 5件
- 裁決年月日
- 平成19年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600303000
- 争点
- 3第二次納税義務/3実質課税額等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、主たる納税者に対する繰上請求処分及び更正処分の違法を理由に本件告知処分を取り消すべきである旨主張する。 まず、徴収処分相互間における違法性の承継については、第二次納税義務が、本来の納税義務者の財産に対して滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められる場合に限って、納税義務を負担させるものであることからすると、本来の納税義務者に対する徴収手続と第二次納税義務者に対する徴収手続は、それぞれが全く別個独立の手続であるということはできず、本来の納税義務者に対する徴収手続上の瑕疵は、第二次納税義務者の告知処分に承継されると解するのが相当である。そこで、主たる納税者に対する繰上請求処分についてみると、当該繰上請求処分には違法な点は認められないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。 次に、課税処分と徴収処分との間における違法性の承継については、第二次納税義務の納付告知を受けた者の納税義務と本来の納税義務者の納税義務は、別個のものであるから、本来の納税義務者の納税義務を確定した課税処分等が不存在又は無効でない限り、納付告知を受けた第二次納税義務者は、当該納付告知に対する不服申立てにおいて、本来の納税義務者の納税義務の存否又は数額を争うことはできないと解するのが相当である。そこで、主たる納税者に対する更正処分についてみると、当該更正処分は争いがあるものの有効に存在していると認められるから、この点に関する請求人の主張は失当といわざるを得ない。(平19. 7. 4 金裁(諸)平19-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180331
- 裁決年月日
- 平成19年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 滞納会社が請求人に対して計上していた不動産購入に係る未収入金を請求人に対する賞与として処理したことについて、原処分庁が、国税徴収法第39条に該当する債務免除と認定して第二次納税義務の告知処分を行ったのに対し、請求人は、①滞納会社からの不動産購入代金は支払済みで、滞納会社が計上していた未収入金は値引き相当分を誤って計上したもので元々存在しないこと、②仮に未収入金が不動産購入時に存在したとしても時効により消滅したこと、③未収入金を賞与に振替処理しても、経理上の処理に過ぎず実体法上の債務免除等は存しないこと、などを理由として告知処分は違法である旨主張する。 しかしながら、①滞納会社の元帳及び請求人の不動産譲渡内訳書記載の代金額から、不動産の当初の売買代金に未払残額があったことが認められ、これが値引きされたとの事実を認めるに足る証拠はなく、その後滞納会社が各事業年度において当該未収入金を継続して計上していることが過誤によるものとの証拠も見当たらないこと、②そして、請求人は滞納会社の設立以来、当初は代表者として、その後は監査役として、同社の重要な意思決定をし、また、未収入金が計上された滞納会社の決算報告書を用い又は適法かつ適正である旨表明していることから、未収入金債権についての消滅時効の中断事由となる債務承認を毎決算期においてしていたというのが相当であること、③未収入金を賞与に振替処理するに当って「覚書」が作成されているが、当該書面が作成された趣旨は、請求人が債務免除により免除益が出ることを認識し、債務を承認したものと認めるのが相当であることから、上記の未収入金を請求人に対する賞与として処理したことは債務の免除に当たり、請求人の主張には理由がない。(平19. 6.21 東裁(諸)平18-331)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180064
- 裁決年月日
- 平成19年4月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305080
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は遺産分割協議に国税徴収法第39条が適用されるとしても、遺産分割協議に「詐害の意思」がある事案に限って適用されると主張する。民法第424条《詐害行為取消権》はいわゆる詐害の意思を要件としているところ、国税徴収法第39条には、滞納者の詐害の意思を要件とする旨の規定はない。そして同条は、滞納国税の法定納期限の1年前以後にされた無償譲渡等の処分を対象とするなど、時期及び対象を限定し、また、特殊関係者の場合を除き利益が現に存する限度において第二次納税義務を負うものとされ、さらに訴訟手続を要しないことなど、民法第424条とは明らかに異なる法律的構成となっている。また、国税通則法第42条《債権者代位権及び詐害行為取消権》は民法第424条を国税の徴収に関して準用する旨規定しているにもかかわらず、それとは別に国税徴収法第39条が設けられていることなどを考えれば、この制度の目的は、簡易、迅速に国税の徴収権を実現することとし、滞納者の詐害の意思を要件としない代わりに、時期、対象等を限定したものと解すべきである。そうすると、国税徴収法第39条を適用するに当たっては、滞納者がその財産につき無償譲渡等の処分をしたこと等の全ての成立要件を充足すれば当然に適用が可能であり、滞納者の詐害の意思は必要ではない。(平19. 4.13 関裁(諸)平18-64)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180064
- 裁決年月日
- 平成19年4月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305010
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/1処分の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 遺産分割協議は、相続の開始によって共同相続人の共有となった相続財産の全部又は一部を各相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移行させることによって、相続財産の帰属を確定させるものであることから、その法的性格は、財産権を目的とする法律行為であると解され、滞納者の積極財産の減少をもたらす結果となる場合は、第三者に利益を与えることとなる処分に当たり、国税徴収法第39条に規定する「無償譲渡等の処分」に該当する。(平19. 4.13 関裁(諸)平18-64)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180052
- 裁決年月日
- 平成19年4月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第二次納税義務の限度額の算定において、請求人が、滞納法人(以下「本件滞納法人」という。)の会長的存在として、本件滞納法人設立時から会社の経営に携わっていたこと、原処分庁が、本件滞納法人の課税処分において、請求人を経営に従事している役員であると認めたこと、本件滞納法人は、その前身である法人(以下「本件別法人」という。)と実質的には同一の法人として継続しており、本件別法人における請求人の月額報酬額が約5,000,000円であったことから、本件滞納法人から退職金名目で支給された本件金員のうち60,000,000円(当該月額を本件金員が支払われた1年間に適用した額)は請求人の職務の対価としての正当な役員報酬として認めるべきであるから、請求人が第二次納税義務を負うべき額は、本件金員の額から上記報酬額を控除した金額である旨主張する。 しかしながら、本件滞納法人において、請求人が勤務の実体を有していたとは認められないこと、本件滞納法人と請求人との間には雇用関係がないこと、本件別法人が本件滞納法人の前身又は本件滞納法人と実質的に同一の法人であるとはいえず、本件別法人での請求人の功労を基に請求人に報酬を支給する合理的な理由はないこと、法人税法上、役員報酬に該当するか否かという問題と、徴収法上、無償譲渡等の処分に該当するかどうかという問題とは観点が異なることから請求人の主張には理由がなく、 むしろ、請求人は、本件滞納法人への強い影響力を与え得る立場を利用して、取締役会議事録を仮装し、本件金員を支給させたのであり、本件滞納法人の本件金員の支払は、無償譲渡等の処分に該当し、全額、第二次納税義務が課せられる。(平19. 4. 2 名裁(諸)平18-52)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180053
- 裁決年月日
- 平成19年4月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第二次納税義務の限度額の算定において、滞納法人(以下「本件滞納法人」という。)に類似した企業は存在していないことから、同業者比較法を採用することには根拠がなく、請求人職務相当額は、本件滞納法人の従業員のうち、職務内容、年齢及び経験等最も適合していると認められる従業員の給与支給額を参酌して算定した月額400,000円を本件支払期間に適用して算定した11,600,000円であるから、第二次納税義務の限度額は、請求人に支払われた役員報酬額(以下「本件受取額」という。)との差額である旨主張する。 しかしながら、請求人の職務の内容及び程度からすると、請求人職務相当額は、同業者比較法により算定された額3,690,000円を上回るとは認められず、請求人が本件滞納法人から受けた利益の額の範囲は、少なくとも、本件受取額から3,690,000円を控除した金額となるところ、本件告知処分における第二次納税義務の限度額は、これを超えるものではないことから、本件告知処分は適法である。(平19. 4. 2 名裁(諸)平18-53)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180008
- 裁決年月日
- 平成19年3月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、手形について、請求人の事務員が滞納会社名を裏書すべきところ、誤って請求人名を裏書したものであり、また、滞納会社の入金として経理処理されており、同社の買掛金の支払に充てられているから、請求人が受領したことにはならない旨主張する。しかしながら、①滞納会社が裏書人とされたことはないこと、②手形のあて名の加筆(請求人名に変更)は事務員ではなく請求人の代表者又は滞納会社の代表者によるものと推認されること、③同時に受け取った小切手についても請求人に裏書され、請求人の預金口座で取り立てられていることを併せ考慮すると、請求人の代表者又は滞納会社の代表者が、手形を請求人に譲渡する意思を持って請求人名に裏書し、併せてあて名に加筆したと推認するのが相当である。また、手形が滞納会社の入金として経理処理されている事実のみをもってこの認定が覆されるものでないことは明らかであるから、請求人の主張は採用できない。(平19. 3.16 札裁(諸)平18-8)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180008
- 裁決年月日
- 平成19年3月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納会社に帰属すると主張する取引先5社に対する売掛債権は、請求人に帰属するものであり、請求人に帰属する売掛債権を自ら受領したのであるから、無償譲渡等の処分に該当する事実は存在しない旨主張する。しかしながら、原処分関係資料及び請求人の代表者の答述によると、取引先1社に対する売掛債権については、請求人が設立される前の請求分と認められ、また、残り4社は、滞納会社の社名が請求人名に変更されたもので、滞納会社との取引が続いていると認識していたことが認められるため、各売掛債権は滞納会社に帰属すると認めるのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。(平19. 3.16 札裁(諸)平18-8)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180008
- 裁決年月日
- 平成19年3月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売掛債権のうち5月請求分の売掛債権に係る金員について、滞納会社の債務の支払に充てているから、無償譲渡等による利益を受けていない旨主張する。しかしながら、無償譲渡等の処分により受けた利益の額は、譲り受けた財産の額、免れた債務の額、又は享受した利益の額から、これらと直接の対価関係があると認められる支出ないし負担を控除した残額をいうものと解されるところ、請求人と滞納会社との間において、当該売掛債権に係る入金をもって滞納会社の買掛金を支払い、その残額を同社へ支払うことの合意はされていなかったと認められるため、当該売掛債権に係る入金額と滞納会社の債務等の支払及び同社への残額の支払との間に直接の対価関係があったと認めることはできない。したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平19. 3.16 札裁(諸)平18-8)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180008
- 裁決年月日
- 平成19年3月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、取引先の調査の結果、滞納会社に帰属する売掛債権に係る金員を請求人が現金で受領したことが認められる旨主張する。しかしながら、原処分庁は、取引金額の一部を振込みで残金を現金で支払ったとする取引先の役員の申述を基に現金の受領があったと認定しているが、取引先の経理担当者が当該役員の指示により振り込んだ金額及び請求人が発行した当該売掛債権に係る請求書の明細から判断すると、請求人が現金を受領した事実は認められない。したがって、原処分庁の主張は採用できない。(平19. 3.16 札裁(諸)平18-8)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180001
- 裁決年月日
- 平成18年10月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 滞納会社の預金口座から請求人の預金口座への3件の振込みについて、請求人は、滞納会社に対する貸付金の返済として受領した旨主張するが、原処分庁は、請求人がその貸付けの根拠を示さず、事実を確認できないから、当該振込みは国税徴収法第39条の無償譲渡等に該当するとした第二次納税義務の納付告知処分を行った。 しかしながら、滞納会社の帳簿書類、金融機関との取引関係資料及び法人税確定申告書添付資料からすれば、当該振込みはいずれも請求人からの借入金の返済としてなされたものであると認めるのが相当であり、無償譲渡等に該当しないため、当該納付告知処分はその全部を取り消すべきである。(平18.10.18 札裁(諸)平18-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180014ほか 4件
- 裁決年月日
- 平成18年9月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305070
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/7低額譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、滞納会社が請求人に同社の保有していた株式を低額で譲渡した旨主張する。 しかしながら、請求人及び同社の元代表者甲の各答述からすれば、甲が請求人の名義を使用して本件譲渡に係る株式を取得したことが認められるところ、一方、請求人が株式を譲り受けた事実を推認することはできないことから、本件第二次納税義務の告知処分は違法である。(平18. 9.25 関裁(諸)平18-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180005ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成18年7月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・633ページ
要旨
○ 国税徴収法第39条に規定する徴収不足か否かの判定において、貸付債権を評価する場合は、「公売財産の評価事務提要の制定について(通達)」に定める算式によって得られた結果のみにとらわれることなく、「その債権に担保が付されていることの有無及び第三債務者の資力状況によってその価値に差異があることに留意する」旨の当該通達の定めのとおり、当該貸付債権が公売に適する財産であるか否かという観点からも検討すべきであり、そのためには、貸付債権の契約条件等をも考慮に入れ、特定の者の主観的価値や愛着的価値によることなく、客観的な交換価値、すなわち一般の市場性をもった交換価値であるか否かという総合的な見地から評価するのが相当である。(平18. 7.12 東裁(諸)平18-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180005ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成18年7月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・633ページ
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第39条に規定する徴収不足の判定に当たって、滞納会社が有する貸付債権だけでも滞納国税を上回る価値を有し、滞納国税の額に不足しない旨主張する。 しかしながら、滞納会社が有する貸付債権は、その貸付契約においては、①貸付金額が多額であるにもかかわらず無担保でかつ連帯保証人もないこと、また、②無担保であるにもかかわらず長期でかつ低利であること、さらに、③返済期限が不確定要素を含み、かつ、債務不履行に関する約定がないことに加え、④第三債務者の資力等から相当のリスクを伴うことが予想されることから、当該貸付債権は一般の債権市場で取引される債権とは異なり、その市場は相当限られ、その評価額は極めて低い額とならざるを得ない。むしろ、当該貸付債権は、返済期限に不確定要素を含んでいること及び債務不履行に関する約定がないことからすれば、適正な評価額を算出することができず、公売財産としては不適当であり、このような契約に基づく債権は市場性をもった交換価値を認めることもできないことから、徴収不足の判定から除外するのが相当である。(平18. 7.12 東裁(諸)平18-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170206
- 裁決年月日
- 平成18年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305044
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/4債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債権の譲渡は国税徴収法(以下「徴収法」という。)第39条に規定する著しく低い額の譲渡ではない旨主張する。ところで、徴収法第39条に規定する著しく低い額の対価による譲渡か否かは、当該財産の種類、数量の多寡、時価と対価の差額等を総合して、時価に比して、社会通念上著しく低いと認められるか否かにより判断すべきものと解される。そして、上場株式、社債等のように一般に時価が明確な財産については、時価と対価との差が比較的僅少であっても、著しく低いと判断すべき場合があるのに対し、不動産や履行期限が未到来である本件債権のように値幅のある財産については価額の差がある程度開いても直ちには、著しく低いとはいえない場合もあるが、少なくとも時価のおおむね50%に満たない場合は、特段の事情のない限り、著しく低いということができると解されるが、このおおむね50%とは、50%を境に著しく低い額の譲渡か否かを峻別する趣旨ではなく、50%前後のある程度の幅をもった概念と解するのが相当である。 そして、債権の評価は、公売財産評価事務提要に定めるとおり、その債権に担保が付されていることの有無及び第三債務者の資力状況によって判断することになり、評価に当たって採用する割引率は、当事者間に金利の約定がないとしても、昨今の低金利の経済情勢にかんがみ、商事法定利率だけではなく金融機関等の精通者の意見を参考とするのが相当である。また、債権の評価は、公売財産評価事務提要に定めるとおり、その債権に付されている担保の有無及び債務者の資力によって判断することには合理性が認められる。 本件は、精通者の意見から適用する割引率は6%が相当と認められ、請求人の負担した額は、譲渡時の債権の時価の約56.2%であり、おおむね50%の対価で譲渡されたものであることから、著しく低い額の対価による譲渡であることが認められ、請求人に対する徴収法第39条に基づく第二次納税義務の告知処分は適法である。(平18. 6.26 東裁(諸)平17-206)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170013
- 裁決年月日
- 平成18年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が滞納法人から交付を受けた金員等は、請求人の亡夫(滞納法人の元代表者)の死亡退職金を遺族に交付する旨の公正遺言証書の記載等から、滞納法人から請求人が死亡退職金として受け取るべきものであり、国税徴収法第39条の「無償譲渡等」に該当しない旨主張する。 亡夫の当該意思内容は、滞納法人との間で合意され、当該金員の交付は有効なものと解することができるが、滞納法人は法人としての業務実績が認められず、かつ、亡夫は滞納法人の役員としての職務にほとんど従事しておらず、その功労も認めることはできない。 そうすると、当該金員等は、亡夫の滞納法人における役員在職中における職務執行の対価として支給されたものということはできないので、死亡退職金としての対価性を認められず、原処分庁が国税徴収法第39条の無償譲渡等に当たるとして行った第二次納税義務の告知処分は適法である。(平18. 5.26 熊裁(諸)平17-13)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170020ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成17年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第39条の適用は、納税者の無償譲渡等の行為が詐害行為等の要件を充足しているか否かの実質的判断を経て行われなければならない旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条の第二次納税義務は、滞納者の悪意を要件としないものと解されていることに加えて、無償又は著しく低い額による財産処分のみを対象としていること、財産処分が国税の法定納期限の1年前の日以後にされたものであること、特殊関係者の場合を除き、利益が現に存する限度に限られること、訴訟手続は要しないことなどの点において詐害行為取消しとは法律的構成を異にしているし、また、国税通則法第42条は民法第424条の準用規定であるにもかかわらず、それとは別に国税徴収法第39条が設けられていることなどを考えれば、この制度目的は、徴税手続の合理化及び効率化を図ることにあると解すべきである。そうすると、国税徴収法第39条の適用においては、無償譲渡等の行為が詐害行為等に該当するか否かの判断まで求められるものではなく、同条が明文で規定するすべての要件を充足すれば当然に適用が可能であるから、請求人の主張は採用できない。(平17.12.2金裁(諸)平17-20)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170020ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成17年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、連帯納付義務者の相続財産に対して滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるか否かの明確な判断も行わず、請求人に対する説明もしていないのであるから、本件告知処分は補充性に違反する旨主張する。しかしながら、第二次納税義務者に対する告知処分に当たり、主たる納税義務者である相続税法第34条第1項に基づく連帯納付義務者につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められることを説明しなければならない旨を定めた法令上の規定はなく、また、国税徴収法第39条に規定する「徴収すべき額に不足すると認められる場合」とは、国税徴収法基本通達第39条関係1のとおり解するのが相当と認められるところ、本件についてみると、国税徴収法第39条に規定する要件を満たしていると認められることから、請求人の主張は採用できない。(平17.12.2金裁(諸)平17-20)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170022ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第34条第1項に基づく連帯納付義務については告知が必要であり、納期限を明示した告知をしておれば、同期限が国税徴収法第39条で規定する法定納期限となる旨主張する。しかしながら、国税通則法第36条第1項が納税の告知を要する場合として列挙する各号は限定的なものと解されており、また、他に相続税法第34条第1項について告知を要する旨を定めた法令上の規定はないことからすれば、請求人の主張は採用できない。(平17.12.2金裁(諸)平17-22)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170022ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170022ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第39条は、詐害行為等があった場合に適用されるべき規定であるから、同条中の「法定納期限の一年前の日」とは、主たる納税義務者(相続税法第34条第1項の連帯納付義務者)に督促状、あるいは、「相続税の連帯納付義務のお知らせ」が送達された日と解すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張するように解すべき法令上の規定はなく、連帯納付義務者である主たる納税義務者の法定納期限は、本来の納税義務者の法定納期限と同一と解されるところ、その1年前の日が当該「法定納期限の一年前の日」に当たると解するのが相当であって、請求人が主張するように解する余地はない。(平17.12.2金裁(諸)平17-22)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170023ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成17年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、主たる納税義務者に相続税法第34条第1項の連帯納付義務を課すことは違法あるいは信義則違反、徴収権の濫用として許容されないのであるから、第二次納税義務の本件告知処分も違法である旨主張する。ところで、第二次納税義務の納付告知を受けた者は、主たる納税義務が不存在又は無効でない限り、当該納付告知の取消しを求める訴えにおいて、主たる納税義務の存否又は数額を争うことはできないと解されており、また、相続税法第34条第1項の連帯納付義務は、相続税の徴収を確保するため、相互に各相続人等に課した特別の責任であって、その義務履行の前提条件をなす連帯納付義務の確定は、各相続人等の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生ずるものであると解されている。そうすると、連帯納付義務の不存在又は無効の判断は、本来の納税義務が不存在又は無効であるかにより判断すべきところ、本来の納税義務者の申告手続には無効となるべき重大かつ明白な暇疵は認められないから、請求人の主張は採用できない。(平17.12.2金裁(諸)平17-23)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160095ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年4月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、①昭和63年以前において請求人名義であった株式(以下「本件株式」という。)の売買等に基づく所得が、最高裁判決により滞納者に帰属するとの判断が確定したが、当該係争年分より後の年分について、請求人から、本件株式から生ずる所得は請求人に帰属するとの内容の確定申告がされたこと、②上記①の確定申告に対する所得税調査の際に、滞納者が「本件株式は請求人に贈与した。」と任意回答した(以下「本件申述」という。)こと、及び、③税務署長が本件申述及び他の調査結果を踏まえ、申告額を是認する処理をしたことをもって、本件株式が滞納者から請求人に無償譲渡されたと認定し、国税徴収法第39条の規定により第二次納税義務を課した。しかしながら、請求人は、本件株式の売買取引に基づく所得がすべて滞納者に帰属するとした更正処分の取消しを求めて裁判で争っていたという事情を考慮すれば、請求人が本件株式から生ずる所得を自己の所得として申告したことは、むしろ当然という見方もでき、本件株式が、滞納者から請求人に無償譲渡されたと認定する決め手となるものではないこと、また、本件申述は、税務署長が、昭和63年末時点で本件株式を滞納者の所有であると認定することを前提としてなされており、滞納者及び請求人が、この前提を争っていることは明らかであるから、本件申述をもって、本件株式が、滞納者から請求人に無償譲渡されたと直ちに認定することはできないこと、さらに、税務署長は、本件申述及び他の調査結果を踏まえた上で、申告額を是認する処理をしているが、申告額を是認する処理をしたからといって、本件株式が滞納者から請求人に無償譲渡されたと推認することはできない。以上のとおり、上記①ないし③の各事実からは、請求人が滞納者から無償で本件株式を取得した事実を認めることはできず、これらの事実を総合しても、上記事実を認定するには至らない。(平17.4.15名裁(諸)平16-95)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305020
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/2譲渡等の時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第39条の「法定納期限の一年前の日」とは、本件督促状が送達された日、あるいは、本件お知らせ文書が送達された日と解すべきである旨主張する。しかしながら、そのように解すべき法令上の規定はなく、連帯納付義務者の法定納期限は、本来納税者の法定納期限と同一と解されるところ、その1年前の日が「法定納期限の一年前の日」に当たると解するのが相当であり、請求人の主張するように解する余地はない。(平16.2.6金裁(諸)平15-8)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件贈与は現金でなされたものであり、既に費消されており存在しない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件贈与により「受けた利益が現に存する限度」において国税徴収法第39条に規定する第二次納税義務を負うものであり、この「受けた利益が現に存する限度」については、すでに消失した利益は含まれないが、利益が原形のまま又は受けた利益が原形において存在するというのではなく形を変えて残っている場合にはその利益の限度となり、したがって、金銭等を受益し、その金銭等を生活費その他により消費した場合もその金銭等に相当する利益は現存するものと推定されると解されている。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.2.6金裁(諸)平15-8)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第34条第1項の連帯納付義務を課すことは公平性を欠き違法、不当なものであるから、第二次納税義務の本件告知処分も違法である旨主張する。ところで、第二次納税義務の納付告知を受けた者は、主たる納税義務が不存在又は無効でない限り、当該納付告知の取消しを求める訴えにおいて、主たる納税義務の存否又は数額を争うことはできないと解されており、また、相続税法第34条第1項の連帯納付義務は、相続税の徴収を確保するため、相互に各相続人等に課した特別の責任であって、その義務履行の前提条件をなす連帯納付義務の確定は、各相続人等の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生ずるものであると解されている。したがって、主たる納税義務の不存在又は無効とは、主たる納税義務が相続税法第34条第1項の連帯納付義務の場合、連帯納付義務の不存在又は無効の判断は、本来の納税義務が不存在又は無効であるかにより判断すべきところ、その申告手続には無効となるべき重大かつ明白な瑕疵は認められないことから、連帯納付義務等の違法を理由に本件告知処分は違法であるとする請求人の主張は採用できない。(平16.2.6金裁(諸)平15-8)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305010
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/1処分の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第39条の適用は、本件贈与が詐害行為等に該当するとの実質的判断を経て行わなければならない旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条の第二次納税義務は、①滞納者の悪意を要件としないものと解されていること、②無償譲渡等の処分のみを対象としていること、③無償譲渡等の処分が国税の法定納期限の1年前の日以後にされたものであること、④特殊関係者の場合を除き、利益が現に存する限度に限られること、⑤訴訟手続は要しないことなどの点において詐害行為取消しとは法律的構成を異にしている。また、国税通則法第42条は民法第424条の準用規定であるにもかかわらず、それとは別に国税徴収法第39条が設けられていることなどを考えれば、この制度の目的は、徴税手続の合理化及び効率化を図ることにあると解すべきである。そうすると、国税徴収法第39条の適用においては、無償譲渡等の行為が詐害行為等に該当するか否かの判断まで求められるものではなく、あくまでも同条に規定する客観的要件に即して判断すべきであって、同条が明文で規定するすべての要件を充足すれば当然に適用が可能であるから請求人の主張は採用できない。(平16.2.6金裁(諸)平15-8)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第34条第1項に基づく連帯納付義務についても告知が必要であり、納期限を明示した告知をしておれば同期限が国税徴収法第39条で規定する法定納期限となる旨主張するが、国税通則法第36条第1項が納税の告知を要する場合として列挙する各号は限定的なものと解されており、また、他に相続税法第34条第1項について告知を要する旨を定めた法令上の規定はないことからすれば、この点についての請求人の主張は採用できない。(平16.2.6金裁(諸)平15-8)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納税義務者に対して滞納処分を行ってもなおその徴収すべき額に不足すると認められるのか否か、明確な判断もされないまま、かつ、全く請求人に対する説明もないまま本件告知処分がなされたものであるから本件告知処分は補充性に違反する旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条に規定する「徴収すべき額に不足すると認められる場合」とは、国税徴収法基本通達第39条関係1のとおり解するのが相当と認められるところ、補充性の判断においては、納税者に帰属する財産の減価理由までも要求するものではないことは明らかである。また、第二次納税義務者に対し、主たる納税義務者である相続税法第34条第1項に基づく連帯納付義務者のその本来の納税義務者に係る延納の担保の内容等を明らかにすべき旨を定めた法令上の規定はなく、したがって、この点についての請求人の主張は採用できない。(平16.2.6金裁(諸)平15-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150165
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、本件取引に関して所得税の更正処分と第二次納税義務の告知処分を受けたことは、同一取引に関して実質的に極めて不当な二重課税の結果を招来しており、この原因は、本件取引が滞納国税の徴収を何ら害するものではないにもかかわらず告知処分をしたことにあり、従って本件滞納国税の徴収不足は本件取引に基因しない旨主張する。しかしながら、第二次納税義務の告知処分は、実質的には滞納者に対する徴収処分であり、課税処分とは別個のものであるから、同一取引であっても同時に課税処分と徴収処分の両要件を満足するような場合には、審査請求人に対し、課税処分をすることも、第二次納税義務の告知処分をすることもできるのであるから、この点についての請求人の主張は採用できない。(平16.1.29東裁(諸)平15-165)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150165
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、本件滞納法人の特殊関係人に当たらないから、仮に第二次納税義務を負うとしても、受けた利益が現に存する限度の金額(以下「現存利益」という。)にとどまるところ、本件取引に係る所得税の納税やその他の費消で現存利益はない旨主張する。しかしながら、現存利益の算定に当たって、受けた利益の額から控除すべき費用は、本件取引時において、その存否及び数額が法律上客観的に確定しているものであることを要すると解されているところ、本件取引に係る所得税は、当該年分の他の所得等との関連において課税標準等が異動するものであり、本件取引時においては法律上客観的に確定できない。さらに、その他の費消については、原処分関係資料及び当審判所の調査によっても当該事実を示す証拠は確認することはできないし、請求人から当該事実を示す証拠の提出もないことから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.1.29東裁(諸)平15-165)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150165
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、本件取引は、本件取引に当たり取り交わした覚書等に基づいて行われたもので、当事者間で将来の買戻しを予定した上で、もともと時価以下で売却した株式を、時価以下で買い戻したものであるから、本件取引時の時価がいくらであろうとも低額譲渡には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が主張する覚書の合意事項が本件取引を拘束するとは認められない。そうすると、本件株式は時価の1割にも満たない価額で譲渡されたこととなり、本件取引の対価は、本件株式の時価の2分の1を大きく下回ることになるから、本件取引は、無償譲渡等の処分に当たるといわざるを得ない。(平16.1.29東裁(諸)平15-165)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150165
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、国税徴収法第39条に規定する第二次納税義務は、民法第424条に規定する詐害行為取消しと同趣旨であるから、本件取引前に国税債権の存在を前提として成立するものであるにもかかわらず、本件取引前には、国税の発生やその見込みがなかったのであり、もともと本件滞納法人が本件滞納国税を納付できるような資力がない状態であったところに課税がされたにすぎないから、本件取引と徴収不足には基因性が認められない旨主張する。しかしながら、同法に規定する第二次納税義務は、詐害行為取消しの成立要件と同一ではなく、また無償譲渡等の処分の日を法定納期限の1年前の日まで遡って適用できる旨規定している。そして仮に無償譲渡等を原因とする租税の滞納と他の租税の滞納とがある場合については、第二次納税義務の適用に不均衡が生じてしまうこととなり、また無償譲渡等の処分によって滞納者に生じた所得を他の所得と分離して、滞納者の国税に含めないと解する根拠、法律の定めはない。そうすると、本件滞納法人は、本件取引により本件株式を売却し、その結果徴収不足に至ったと認められることから、本件滞納法人の徴収不足は、本件取引に基因していると解することが相当である。(平16.1.29東裁(諸)平15-165)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150041
- 裁決年月日
- 平成16年1月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 国税徴収法第39条に基づく第二次納税義務の告知処分に対して、請求人は、滞納者から第二次納税義務を負うような財産の無償譲渡、債務の免除は受けていない旨主張する。しかしながら、請求人は、滞納者の滞納国税の法定納期限の1年前の間に、滞納者から現金の贈与を受けていることが認められるので、受贈した金額相当額の第二次納税義務が存在する。また、所有者名義の移転登録をうけた車両について、①請求人と滞納者の慰謝料について公正証書が作成されているが、車両の新規登録は公正証書作成後に行われているのにかかわらず、何ら記載がないこと、②請求人は徴収を担当する職員に対し、車両は慰謝料とは別にもらったものである旨申述していること、③滞納者所有の他の車両についても同日に親族等に名義変更されていることを併せ考えると、請求人に対する慰謝料と認めることはできず、無償譲渡等により取得したことは明らかであるので、そのときの中古車市場の相場価格相当額が告知処分時に現存する利益の額となる。以上のとおり、請求人には第二次納税義務が存在すると認められるので原処分は適法である。(平16.1.28名裁(諸)平15-41)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150042
- 裁決年月日
- 平成16年1月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が請求人の父からの贈与により取得した本件法人の出資持分(以下「本件持分」という。)の価額について、①本件法人が本件外法人の取引先を承継し事業規模が拡大したこと、及び②請求人が出資口数すべてを取得しているから、その経営権をも掌握していることを理由に、設立時の本件持分の価額が減少したとは認められないから、請求人が本件持分の贈与により受けた利益の額は、設立時の本件持分の価額と同額であり、また、事業継続を前提としている法人の出資金の時価評価に純資産価額方式を用いるべきではない旨主張する。しかしながら、たとえ原処分庁が主張する上記①及び②の事実が存したとしても、これらの事実をもって直ちに本件持分の価額がいくらであるかを評価できるものではなく、本件持分の価額が設立時の本件持分の価額と同額であることを裏付けることはできないというべきである。また、取引相場のない株式等について国税徴収法基本通達第39条関係15に定める時価を算定するにあたり、相続税財産評価に関する基本通達に定める評価の方法、すなわち純資産価額により算定することには合理性があるものと認められ、この方法により本件持分の価額を算定すると、請求人の主張額と同額となる。以上のことから、請求人はこの額を限度額として第二次納税義務を負うべきであり、この額を超えて請求人に第二次納税義務を負わせた本件告知処分はその限りにおいて違法であるから、その一部を取り消すべきである。(平16.1.28名裁(諸)平15-42)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150030
- 裁決年月日
- 平成15年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、車両の所有者名義を滞納者から請求人に移転登録したのは、精神的苦痛に対する慰謝料として滞納者から車両をもらったためであり、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡には当たらず、請求人には第二次納税義務はないので、告知処分は取消すべき旨主張する。しかしながら、請求人と滞納者の申述によると慰謝料の発生原因に整合性がないこと、請求人は滞納者の身元引受人となっており、また、滞納者の母親の滞納処分調査に立合っていることなどの事実からすると請求人と滞納者との間には依然として強い信頼関係が継続していると推認され、慰謝料の支払いがされたとは考えにくく、その上、当該車両の名義が請求人に変更された日と同日に当該車両以外の車両も滞納者からその親族等に所有者の名義が変更されていることを併せ考えると、当該車両が慰謝料として請求人に引き渡された結果、名義変更されたものと認めることはできない。そして、請求人は、本件車両の名義変更に際し、滞納者に代金を支払っていないので、当該車両は無償により譲渡されたものであると認められる。したがって、原処分庁が国税徴収法第39条の規定を適用して、請求人に第二次納税義務があるとして行った告知処分は適法である。(平15.11.26名裁(諸)平15-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150071
- 裁決年月日
- 平成15年10月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が無償譲渡と主張している金額は、滞納組合の借入金の返済、組合費用の支払に充てられた金額であり、滞納組合から請求人に無償譲渡された金額はない旨主張する。しかしながら、原処分庁関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、原処分庁主張の金額のうち一部については、請求人の借入金返済や請求人の不動産の購入資金として費消され、又は、請求人の処分権限内に移った後、滞納組合に還流した事実が認められず、滞納組合から請求人に対し無償で譲渡され、請求人において利益を得た金額と認められ、かつ、この利益は原処分時に現に存するものと推定されるところ、この推定を覆すに足る証拠はない。したがって、請求人は国税徴収法第39条の規定により、上記認定額の限度において、本件滞納国税の第二次納税義務を負うこととなるから上記認定額を超える部分については取り消されるべきである。(平15.10.6東裁(諸)平15-71)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150010
- 裁決年月日
- 平成15年8月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・363ページ
要旨
○ 請求人は、滞納会社の破産管財人が裁判所に提出した財産報告書によれば、本件告知処分の時点において、滞納会社には相当の財産があると思われることから、本件告知処分は国税徴収法第24条第1項に規定する要件を満たしていない旨主張するが、当審判所の調査によると、仮に請求人の主張する財産の価額を滞納会社から徴収できる価額とみても、本件告知処分時の同社の滞納国税の総額はそれを上回ることが認められる。したがって、滞納会社の財産につき滞納処分により徴収できるものの価額が滞納国税の総額に満たない(いわゆる徴収不足)と認められることから、請求人の主張には理由がない。(平15.8.8大裁(諸)平15-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150010
- 裁決年月日
- 平成15年8月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・363ページ
要旨
○ 請求人は、本件契約について、請求人と滞納会社の破産管財人との間で破産法の否認権行使の対象となるか否かの訴訟が係属中にもかかわらず、その判決の出る前に請求人に対してなされた本件告知処分は不当である旨主張するが、本件告知処分は、国税徴収法に基づき適法になされたものであり、また、否認権行使の効果は、否認の対象となった債権譲渡行為が破産管財人と請求人との間でさかのぼって無効となるにすぎず、そうすると、否認権訴訟の裁判の結果が原処分庁の行った本件告知処分の適法性に影響を及ぼすものではない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.8.8大裁(諸)平15-10)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140012ほか 6件
- 裁決年月日
- 平成15年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1024ページ
要旨
○ 請求人は、延納担保物を処分しても相続税を回収できなかったのは、税務署長の相続税の本来の納税義務者に対する徴収行為及び同人が延納の担保として差し入れた株式の管理行為に違法があったことに基因しているのであるから、同株式が減価した経緯まで明らかにしなければ、「滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足する」についての判断とは言えず、第二次納税義務の補充性に違反する旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条文中の「徴収すべき額に不足すると認められる場合」とは、国税徴収法第39条の補充性の判断において、納税者に帰属する財産の減価理由までも要求するものではないことは明らかであるし、また、第二次納税義務者に対し、主たる納税義務者である相続税法第34条第1項に基づく連帯納付義務者のその本来の納税義務者に係る延納の担保の内容等を明らかにすべき旨を定めた法令上の規定はないから、請求人の主張は採用できない。(平15.06.26.金裁(諸)平14-12)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140012ほか 6件
- 裁決年月日
- 平成15年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1024ページ
要旨
○ 請求人は、相続税法第34条第1項に基づく連帯納付義務については告知が必要であり、納期限を明示した告知をしておれば、同期限が国税徴収法第39条で規定する法定納期限となる旨主張する。しかしながら、国税通則法第36条第1項が納税の告知を要する場合として列挙する各号は限定的なものと解されており、また、他に相続税法第34条第1項について告知を要する旨を定めた法令上の規定はないことからすれば、請求人の主張は採用できない。(平15.06.26.金裁(諸)平14-12)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140012ほか 6件
- 裁決年月日
- 平成15年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1024ページ
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第39条は、詐害行為等があった場合に適用されるべき規定であるから、同条中の「法定納期限の一年前の日」とは、主たる納税義務者(相続税法第34条第1項の連帯納付義務者)に督促状、あるいは、「相続税の連帯納付義務のお知らせ」が送達された日と解すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張するように解すべき法令上の規定はなく、連帯納付義務者である主たる納税義務者の法定納期限は、本来の納税義務者の法定納期限と同一と解されるところ、その1年前の日が当該「法定納期限の一年前の日」に当たると解するのが相当であって、請求人が主張するように解する余地はない。(平15.06.26.金裁(諸)平14-12)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140012ほか 6件
- 裁決年月日
- 平成15年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1024ページ
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140012ほか 6件
- 裁決年月日
- 平成15年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1024ページ
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140012ほか 6件
- 裁決年月日
- 平成15年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1024ページ
要旨
○ 請求人は、主たる納税義務者に相続税法第34条第1項の連帯納付義務を課すことは違法あるいは信義則違反、徴収権の濫用として許容されないのであるから、第二次納税義務の本件告知処分も違法である旨主張する。ところで、第二次納税義務の納付告知を受けた者は、主たる納税義務が不存在又は無効でない限り、当該納付告知の取消しを求める訴えにおいて、主たる納税義務の存否又は数額を争うことはできないと解されており、また、相続税法第34条第1項の連帯納付義務は、相続税の徴収を確保するため、相互に各相続人等に課した特別の責任であって、その義務履行の前提条件をなす連帯納付義務の確定は、各相続人等の固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して、法律上当然に生ずるものであると解されている。そうすると、連帯納付義務の不存在又は無効の判断は、主たる納税義務が不存在又は無効であるかにより判断すべきところ、本来の納税義務者の申告手続には無効となるべき重大かつ明白な瑕疵は認められないから、請求人の主張は採用できない。(平15.06.26.金裁(諸)平14-12)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140012ほか 6件
- 裁決年月日
- 平成15年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1024ページ
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第39条の適用は、納税者の無償譲渡等の行為が詐害行為等の要件を充足しているか否かの実質的判断を経て行われなければならない旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条の第二次納税義務は、滞納者の悪意を要件としないものと解されていることに加えて、無償又は著しく低い額による財産処分のみを対象としていること、財産処分が国税の法定納期限の1年前の日以後にされたものであること、特殊関係者の場合を除き、利益が現に存する限度に限られること、訴訟手続は要しないことなどの点において詐害行為取消しとは法律的構成を異にしているし、また、国税通則法第42条は民法第424条の準用規定であるにもかかわらず、それとは別に国税徴収法第39条が設けられていることなどを考えれば、この制度の目的は、徴税手続の合理化及び効率化を図ることにあると解すべきであるから、国税徴収法第39条の適用においては、無償譲渡等の行為が詐害行為等に該当するか否かの判断まで求められるものではなく、同条が明文で規定するすべての要件を充足すれば当然に適用が可能であるから、請求人の主張は採用できない。(平15.06.26.金裁(諸)平14-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140074
- 裁決年月日
- 平成15年5月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305041
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/1土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1047ページ
要旨
○ 請求人らは、本件持分譲渡は滞納者に対する立替金の返還を求めないことを対価として取得したものであり、国税徴収法第39条にいう無償又は著しく低い額の対価による譲渡には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人らが覚書を証拠として主張する立替金については、①その立て替えたとする金額が確定できないこと、②親子間に特有の資金交流と認められること、③金銭消費貸借契約書等の作成もないこと、④覚書は、審査請求の段階で初めてその存在が主張されたこと、及び⑤請求人らは、審査請求前は上記主張とは別の説明していたことが認められる。そうすると、覚書は、その内容が実態を伴っておらず、滞納者と請求人らとの間で覚書記載のとおりの合意がされたものとは認められない。したがって、本件持分譲渡は、国税徴収法第39条の規定する第二次納税義務の無償による譲渡等の処分に該当する。(平15.05.12.大裁(諸)平14-74)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140070
- 裁決年月日
- 平成15年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305030
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/3徴収不足との関係
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1068ページ
要旨
○ 請求人らは、滞納者及び連帯納付義務者には滞納国税を十分徴収できる財産を有しており、本件贈与が徴収不足を生じさせたとして行った本件告知処分は、国税徴収法第39条の要件を欠いた違法な処分である旨主張する。しかしながら、徴収不足が無償譲渡等の処分に基因するとは、広く、その処分がなかったとすれば徴収不足を生じなかったであろうことをいい、また、徴収不足の判定は、本件告知処分時の現況によるべきであると解される。そうすると、当審判所の調査によると、本件贈与がなければ、本件贈与により受けた利益の金額を滞納国税に充てることが可能であったといえるから、本件贈与と徴収不足との間に基因関係を認めることができるから、請求人らの主張には理由がない。(平15.04.16.大裁(諸)平14-70)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140070
- 裁決年月日
- 平成15年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1068ページ
要旨
○ 請求人らは、納付通知書に記載した納税者名が誤っていることから、本件告知処分が無効な処分である旨主張する。しかしながら、本件納付通知書の納税者欄には、第二次納税義務の基因となった連帯納付義務者が記載されるべきであるが、同人が死亡しており、連帯納付義務は本来の納税者に承継されていることから、納付通知書の納税者欄に本来の納税者を記載したことは、国税徴収法第32条第1項に照らしても、適法であり、無効とする重大な暇疵があるとはいえない。したがって、請求人らの主張は採用できない。(平15.04.16.大裁(諸)平14-70)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140070
- 裁決年月日
- 平成15年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305042
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/2建物
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1068ページ
要旨
○ 請求人は、贈与を受けたとする建物が自己資金により取得したもので、贈与財産ではない旨主張する。しかしながら、①当該建物は、登記上では贈与により請求人らに所有権移転されていること、②請求人らは、①に伴い、贈与税の申告をしていること、③請求人らは、自己資金で当該建物を取得したとする証拠書類等を提出しなかったことから、請求人が自己資金で当該建物を取得したとは認められず、請求人の主張は採用することはできない。(平15.04.16.大裁(諸)平14-70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130078
- 裁決年月日
- 平成14年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と滞納会社が引継契約書を基に、後日、引継貸借対照表を作成して引継資産を追認したものであるから、譲受財産は引継貸借対照表に記載されたものであるにもかかわらず、原処分庁が滞納会社の積極財産すべてを譲受財産として、納付通知書により金銭での納付強要を行ったことから納付したものであり、請求人の第二次納税義務額は7.262.580円であるから、過誤納金の還付を求める旨主張するが、(1)引継契約書及び引継貸借対照表は審査請求に至って初めて存在が明らかになったものであり、譲受財産は、請求人の社員総会議事録及び滞納会社の株主総会議事録に記載のとおり、資産負債一切と認めるのが相当であること、(2)原処分庁に違法な強要があったとは認められないこと、(3)譲受財産を限度とする第二次納税義務については、譲受財産を限度として主たる納税者の滞納税額の全額が範囲であると解されているところ、請求人から金銭での任意納付がされたことから、原処分庁は残余の第二次納税義務額を追求しないこととしたことが認められ、請求人の第二次納税義務として納付すべき額は、滞納会社の滞納国税と同額となるので、請求人の主張には理由がない。(平14. 5.21名裁(諸)平13-78)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130078
- 裁決年月日
- 平成14年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600301000
- 争点
- 3第二次納税義務/1第二次納税義務の通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が滞納会社から事業を譲り受けたことにより負うべきこととなった滞納会社の滞納国税に係る第二次納税義務に関し、原処分庁が請求人に告知した国税徴収法第32条に規定する「納付通知書」には、本来譲受財産のみを記載すべきところ、記載を要しない金額を記載し、当該金額の納付しょうようを行ったことは、無効な納付通知書により、違法な納付強要を行ったものである旨主張するが、当該納付通知書には、国税徴収法施行令第11条に規定する納付通知書の記載事項のすべてが適正に記載され、譲受財産それぞれに付された金額及びその合計金額については、本来、納付通知書には、記載をすることとはされていないが、請求人が譲受財産の処分により受けた金銭の額及び請求人が譲受金額として帳簿に記載した金額を記載した上、譲受財産ではあるが、その換価価額が不明な財産について、譲渡者における帳簿価額を記載したにすぎず、いわば、財産の換価の前に請求人が金銭で一時に納付する場合の金額の参考として記載されたものとも認められ、金額が記載されていることに原処分を取り消すまでの違法は認められない。(平14. 5.21名裁(諸)平13-78)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130068
- 裁決年月日
- 平成14年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納会社の売上金額から請求人名義等の預金口座に入金があったとして請求人に第二次納税義務を負わせた金額のうち、請求人名義等の預金口座への入金額の一部は売上金ではなくまた、請求人名義等の預金口座への入金額の一部は滞納会社のために支出した旨主張する。しかしながら、(1)滞納会社の公表外預金口座からの出金と同日に同額かそれ以下の金額で請求人名義等の預金口座への入金がされていること、(2)請求人は、請求人名義等の預金口座への入金額の一部が自己資金であったとの証拠資料を一切提示しないことから、入金額の一部は売上金ではないとの請求人の主張は採用できない。更に、請求人名義等の預金口座から滞納会社のために支出したとする証拠資料を一切提示しないことをも併せ考えると、請求人名義等の預金口座に入金された各金員は、いずれも請求人が取得したものと認めることができ、本件告知処分は適法である。(平14. 4.22名裁(諸)平13-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130069
- 裁決年月日
- 平成14年3月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の夫は財産分与当時、請求人に分与すべき財産は存在しなかったから、財産分与の実質は、単なる贈与というべきであり、また、請求人の夫は本件土地建物を請求人に贈与したことによって無資力となったのであるから、当該贈与は国税徴収法第39条に規定する無償又は著しく低い額の対価による譲渡等の処分に該当すると主張していたが、滞納国税は、当審判所が平成○年○月○日付で全部を取り消す裁決をしたため、存在しないこととなり、第二次納税義務を負担することはないから、本件告知処分は、違法であって、その全部を取り消すべきである。(平14. 3.28大裁(諸)平13-69)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130015
- 裁決年月日
- 平成14年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人代表者Aは滞納会社の出資者ではないことから、滞納会社とは国税徴収法第38条に規定する「親族その他の特殊関係者」には該当しない旨主張する。しかしながら、(1)滞納会社がB税務署に提出している法人税の確定申告書等によれば、Aは滞納会社の出資者であり、滞納会社はAを判定の基礎となる株主とする同族会社に該当することが確認され、また、(2)請求人がC税務署に提出している法人税の確定申告書によれば、請求人はAを判定の基礎となる株主とする同族会社に該当することが確認されることから、請求人は、滞納法人の特殊関係者と認められる。(平14. 3. 5.熊裁(諸)平13-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130106
- 裁決年月日
- 平成13年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の役員報酬の増額には合理的な理由があり、請求人の退職金の額も役員退職慰労金支給規定に従った適正なものであるから、第二次納税義務の告知処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人の退職金の額は滞納会社の退職金支給規定に基づかないで算定されており過大であるというべきであるから、請求人は滞納会社から、その差額に相当する金員を無償で譲り受けたといわざるを得ない。したがって、国税徴収法第39条に基づきなされた第二次納税義務の告知処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平13.12.21東裁(諸)平13-106)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130107
- 裁決年月日
- 平成13年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の給料の増額には合理的な理由があり、請求人の退職金の額も適正であるから、第二次納税義務の告知処分は違法である旨主張する。しかしながら、滞納会社は、新会社を設立することにより実態を変えることなく「退職者」を作り出し、その者に高額な退職金を支給することによって保険金に係る法人税の課税を回避することとし、そのため、請求人等の給料を増額したものであると認めるのが相当であって、請求人の給料の増額には合理的な理由はなく、したがって、請求人に対して支給された退職金は過大であるといわざるを得ない。したがって、国税徴収法第39条に基づきなされた第二次納税義務の告知処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平13.12.21東裁(諸)平13-107)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平130006
- 裁決年月日
- 平成13年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、甲法人の滞納国税に充てるため、同社の無限責任社員で第二次納税義務のある乙の財産に対しては追求を行わず、請求人の不動産について差押処分をしたことは違法である旨主張する。しかしながら、平成12年8月18日付の差押調書によると、請求人の不動産に対する差押処分は、請求人の滞納国税を徴収するために行われたものであり、甲法人の滞納国税を徴収するために行われたものではないので、請求人の主張には理由がない。(平13.12.14沖裁(諸)平13-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130097
- 裁決年月日
- 平成13年12月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金員は請求人が取得したものではなく、憶測や推論に基づく誤った判断により請求人に無償譲渡されたとしてなされた第二次納税義務の告知処分は違法である旨主張するが、本件金員は請求人が取得し、本件定額貯金に預け入れた後、請求人が出金して費消したことが認められるから、本件金員が本件滞納会社から請求人に無償譲渡され、請求人が本件金員相当額の利益を得たというべきである。(平13.12. 5.東裁(諸)平13-97)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130007
- 裁決年月日
- 平成13年10月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305044
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/4債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁のした本件滞納法人の滞納国税を徴収するため、滞納法人の元代表者であった請求人の夫の認定賞与とされた本件金員を対象とした、請求人に対する第二次納税義務の告知処分について、本件金員は本件滞納法人から夫に支払われた過去の地代家賃及び支払利息の精算金であり、これを請求人が相続財産として取得したものであるから、違法である旨主張する。しかしながら、(1)本件滞納法人と夫との間に不動産の賃貸借契約書の作成がなく、(2)本件滞納法人は本件金員の支払に対応する期間の各事業年度の確定決算において未払地代家賃及び未払利息を計上していないこと及び(3)夫の同期間における所得税の確定申告書に不動産収入、及び利息収入の計上がないことから本件滞納法人と夫との間における不動産の貸借及び貸付金契約は使用貸借及び無利息貸付契約であったと認めるのが相当であり、本件金員に役務の対価性は認められない。また、本件金員は夫の死亡後に支払が決定され請求人の預金口座に振り込まれていることから、死者に対する贈与契約は成立し得ないので夫に対する無償の利益供与とみることもできない。そうすると、本件金員は請求人が直接受け取っていることから請求人に対する無償の利益供与(贈与)と認めるのが相当である。したがって、本件告知処分は適法である。(平13.10.24高裁(諸)平13-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130017
- 裁決年月日
- 平成13年10月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社が本件滞納国税を分割して納付していたにもかかわらず、原処分庁が本件督促処分を行ったことは違法である旨主張するが、国税徴収法第32条第2項に規定する納付の督促は、同条の要件に該当する場合に納付催告書によって督促するとされており、また、納税者又は第二次納税義務者が滞納国税を分割して納付している場合には督促を行わない旨を規定した法令上の規定はないから、本件滞納国税が分割して納付されていたとしても、本件督促処分が違法となるものではない。(平13.10.24関裁(諸)平13-17)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平130002
- 裁決年月日
- 平成13年7月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁から滞納者から財産の寄付を受けたとして国税徴収法第39条の第二次納税義務の告知処分を受け、更に第二次納税義務に基づいて財産差押処分を受けたが、(1)本件の寄付契約は成立してないこと、(2)本件の寄付契約は要素の錯誤に当たり無効であることを理由に当該処分の取消しを求めているが、贈与者と受贈者である請求人の間で贈与の合意が存在しており、寄付行為は有効に成立していると認められ、また、第二次納税義務を負わされることを知っていたならば寄付契約を結ばなかったとしても、それは動機の錯誤にすぎず寄付行為の要素の錯誤をなすべきものではないから、請求人の主張は認められない。(平13. 7. 5.金裁(諸)平13-2)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120045
- 裁決年月日
- 平成13年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 業種
- 同族会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、法人の代表者が法人の定期預金解約して自己の借入金の返済に充てたことをもって無償譲渡と認定し、徴収法第39条((無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務))の規定を適用して、返済金額を限度とする本件告知処分を行ったが、返済金額のうちの一部は、請求人個人の預金からねん出されていると認められるため、当該部分に係る限度額を取り消すべきである。(平13.6.21福裁(諸)平12−45)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平120023ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年4月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305041
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/1土地
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120015
- 裁決年月日
- 平成13年1月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、徴収法第39条((無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務))に基づく告知処分について、滞納法人に帰属していた預金を解約又は出金したというような無償譲渡等の処分は一切受けていないから、本件告知処分は違法であり取り消すべき旨主張する。しかしながら、請求人は、当審判所の本件についての主張の具体的釈明、資料の提出等の求めに対して、これに応じなかった。また、当該預金が解約された当時の滞納法人の役員は、請求人一人であることが認められる。そうすると、請求人は、滞納法人の経営、経理全般に従事していたことが推認されるから、請求人が滞納法人からの財産の無償譲渡処分を受けたというほかなく、請求人の主張には理由がない。(平13.1.24熊裁(諸)平12−15)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120015
- 裁決年月日
- 平成13年1月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人の清算人であるが、自己に対してされた徴収法第34条に基づく告知処分について、清算人として滞納法人の預金を解約し出金したというような残余財産の分配行為は一切行っていないから、違法であり取り消すべき旨主張する。しかしながら、請求人は、当審判所の本件についての主張の具体的釈明、資料の提出等の求めに対して、これに応じなかった。そうすると、請求人は清算人としての責任を免れることはできず、請求人の主張には理由がない。(平13.1.24熊裁(諸)平12−15)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120016
- 裁決年月日
- 平成13年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600302000
- 争点
- 3第二次納税義務/2清算人等の第二次納税義務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、徴収法第34条に基づく告知処分について、滞納法人の残余財産である預金についての分配は一切受けていないから、違法であり取り消すべき旨主張する。しかしながら、請求人は、当審判所の本件についての主張の具体的釈明、資料の提出等の求めに対して、審理のための面談を回避する等これに応じなかった。そうすると、滞納法人が解散した後において預金が解約され、出金された金員は請求人に帰属するというほかなく、残余財産の分配を受けたと認められることから、請求人の主張には理由がない。(平13.1.24熊裁(諸)平12−16)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120016
- 裁決年月日
- 平成13年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、徴収法第39条に基づく告知処分について、滞納法人に帰属していた預金を解約したというような無償譲渡等の処分は一切受けていないから、本件告知処分は違法であり取り消すべき旨主張する。しかしながら、請求人は、当審判所の本件についての主張の具体的釈明、資料の提出等の求めに対して、審理のための面談を回避する等これに応じなかった。そうすると、解約又は出金された金員は請求人に帰属するというほかはなく、滞納法人から無償譲渡処分を受けたと認められるから、請求人の主張には理由がない。(平13.1.24熊裁(諸)平12−16)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120007
- 裁決年月日
- 平成12年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、徴収法第39条((無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務))に基づく告知処分について、無償譲渡されたと認定された金員は、貸付金の返済を受けたものであり何等の利益を得ているわけではないから、本件告知処分は違法であり取り消すべき旨主張する。しかしながら、本件貸付金については、これを証明する金銭消費貸借契約書及び領収書等が作成されておらず、また、返済期限及び利息等の取決めもないことから貸付の事実が確認できないこと、また、平成8年に滞納者が請求人に不動産を売却した際に、請求人は支払代金につき滞納者に対する前払家賃を相殺している事実があるが、このとき当時存在していたという本件貸付金について相殺していないのは不自然であること等から、本件貸付金は存在していたとは認められない。したがって、本件告知処分は適法である。(平12.11.22福裁(諸)平12−7)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110035
- 裁決年月日
- 平成12年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件告知処分は違法であるから、本件差押処分も違法である旨主張するが、第二次納税義務に係る本件告知処分は適法であり、本件差押処分も適法になされていることから、請求人の主張には理由がない。なお、第二次納税義務告知処分と差押処分とは、別個の処分であり、第二次納税義務告知処分の違法を理由に差押処分の取消しを求めることはできず、この点からも請求人の主張には理由がない。(平12. 6.20熊裁(諸)平11-35)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110035
- 裁決年月日
- 平成12年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地建物及び本件会員権の購入資金は、いずれも滞納者からの金銭の贈与によるものであるとして第二次納税義務の告知処分を受けたところ、これは、自己資金及び知人からの借入金並びに滞納者である母親への貸付け金の返済である旨主張する。しかしながら、これらの資金はいずれも滞納者が出捐したものであり、滞納者から請求人へ金銭の贈与と認められることから、徴収法第39条にいう資産の無償譲渡に当たり、請求人に対する第二次納税義務の告知処分は適法である。(平12. 6.20熊裁(諸)平11-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110154
- 裁決年月日
- 平成12年5月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・435ページ
要旨
○ 徴収法第39条に規定する「著しく低い額の対価」と認められるか否かは、その財産の種類、数量の多寡、時価と対価の差額の大小、その他諸般の事情を総合的に考慮して、当該取引価格が通常の取引価格、すなわち時価に比較して社会通念上著しく低い額と認められるか否かにより判断するほかなく、不動産のように、時価が必ずしも明確ではなく、人によりその評価を異にする値幅のある財産については、徴基通第39条関係の注書の1に定めるように、時価のおおむね2分の1に満たない額をもって、著しく低い額による対価と解するのが相当である。これを本件についてみると、納税者甲が請求人に本件不動産を譲渡した日における当該不動産の時価は165,000,000円、対価は100,000,000円であり、当該対価は時価の約61%と当該時価の2分の1を相当上回っていることが認められるから、本件対価は「著しく低い額の対価」に該当せず、請求人に対してなされた第二次納税義務告知処分は違法である。原処分庁は、対価が時価の2分の1に満たないことは一応の目安であって、画一的な基準ではないし、本件譲渡については、①時価と対価の差額が高額であること、②請求人は、不動産業を営む会社であり、もともと不動産取引に精通しているところ、本件においては特に、滞納者乙(甲の納税義務を承継した者)の資産状況等を承知の上で譲渡を受けたものであること、③本件対価から甲らに対する債権を差し引いてその回収を図る一方、甲が他の債権者からの追及を免れるため、本件譲渡に係る所有権移転登記手続を契約書作成前に了することに協力していることなど、徴基通第89条関係6に定める特別の事情があるというべきであり、したがって、本件対価は、なお社会通念上「著しく低い額の対価」といえる旨主張する。確かに、著しく低いかどうかは社会通念上の総合判断であり、本件通達に定める「おおむね2分の1」という基準も、文字通り幅のある概念であるから、その財産の種類、数量の多寡、時価と対価の差額の大小、その他諸般の事情によっては、対価が時価の2分の1を多少超える場合でも、なお、社会通念上、「著しく低い額の対価」というべき場合があることは否定できないが、本件対価については、上記のとおり、時価の約61%とその2分の1を相当上回っている上、請求人は、税金の納付等のため本件不動産の売却を急ぐ甲らに懇願されて、特に需要もなく転売の見込みもない本件不動産を譲り受けることとし、実際、現在に至るまで転売もしていないのであって、このような状況を考えると、本件対価とその時価の差額が65,000,000円に及ぶからといって、請求人に補充的に納税義務を負わせなければ公平の理念に反するとはいえず、原処分庁の主張には理由がない。(平12. 5.31東裁(諸)平11-154)裁決事例集 №59・435ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件賃貸借契約等は、何ら特殊関係にない請求人と滞納会社が、自由な意思に基づいて合意し、その内容についても熟知して締結されたものと認められるから、放棄条項による放棄金額が過大なものでない限り、本件賃貸借契約等は有効である。本件の場合は、放棄金額は30,000,000円で、月額家賃1,612,950円に比較して約18倍であるから、放棄金額が著しく過大なものとはいえないので、本件賃貸借契約は有効である。徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分は、当該行為によって、第三者は異常な利益を与えるものであれば足りるものの、一方、形式的には無償譲渡等の処分であっても、それが実質的にみて必要かつ合理的な理由に基づくもので、不相当に高額ではないと認められる場合は、無償譲渡等の処分には当たらないと解されている。本件の場合、滞納会社が本件保証金等を放棄したことによって、形式的には請求人に利益があったと認められるが、①本件賃貸借契約の特殊性、②原状回復費用や逸失利益、③滞納者の差し入れた保証金等の捻出に至る経緯及び④請求人が物上保証人として請求人の債務を代位弁済しているという事実をも考慮すると、実質的に見ても請求人は利益を受けていると認定することはできない。したがって、本件保証金等の没収行為は、徴収法第39条にいう無償譲渡等の行為には該当しないと認められる。(平11.10. 8関裁(諸)平11-11)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成11年10月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件敷金は滞納法人との賃貸料と同額の賃貸料でA産業と契約することを条件として滞納法人から受け取ったものであるから、債務の免除ではないと主張する。しかしながら、敷金から差し引かれる未払賃料及び原状回復義務の債務の存在は認められない。また、滞納法人は平成7年9月分までの賃借料を支払い、A産業が同年10月1日から賃借を開始していることから、本件土地の賃貸借契約は、同年9月末日に終了し、同日に滞納法人が本件土地を明け渡したと認めるのが相当であり、本件契約が終了した同日の同年10月1日において、請求人には700,000円の敷金返還債務が発生することとなる。そうすると、滞納法人が本件敷金の返還請求権を放棄した理由は、請求人が本件土地をA産業に賃貸するに当たって、A産業が本件契約と同額の賃借料で契約することを要望したことから、滞納法人は、本件店舗の売却を進めるため請求人と新賃借人間の契約の成立を願い、請求人に対して本件敷金の返還請求権を放棄したものと認めるのが相当である。よって、本件敷金から差し引く債務の存在もないことから、滞納法人が本件敷金の返還請求権を放棄した行為は、請求人が滞納法人から債務の免除を受けたものと認めるのが相当であり、請求人の主張は採用できない。(平11.10. 6熊裁(諸)平11-7)、(平11.10. 6熊裁(諸)平11-8、9)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110010
- 裁決年月日
- 平成11年10月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、違約金を受領することを約し、本件敷金を相殺した旨主張する。しかし、敷金から差し引かれる未払賃料及び原状回復義務の債務の存在は認められない。また、滞納法人は平成7年9月分までの賃借料を支払っており、B産業が同年10月1日から賃借を開始していることから、本件契約は同年9月末に終了し、本件土地を明け渡したと認めるのが相当であり、本件契約が終了した翌日の同年10月1日において、請求人には1,020,000円の敷金の返還債務が発生することとなる。本件契約の中途解約がどのような合意の下に行われたかを判断すると、本件契約の中途解約に伴う賃貸借期間の満了とともに、Cの斡旋するB産業と請求人との間において、滞納法人と請求人との契約条件とほぼ同一条件での契約の締結が行われることを条件に、滞納法人が請求人に対して敷金の返還債務を放棄したと認めるのが相当である。そうすると、請求人が相殺したと主張する反対債権を有していたとは認められず、請求人は滞納法人に対して負っている敷金返還債務について滞納法人から当該債務の免除を受けたと認められることから、請求人には理由がない。(平11.10. 6熊裁(諸)平11-10)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110001
- 裁決年月日
- 平成11年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・324ページ
要旨
○ 請求人は、本件滞納国税の納付相談に応じてほしい旨の請求人の代表取締役及び滞納会社の清算人の要請を徴収担当職員が了解していたにもかかわらず、原処分庁がこの了解事項を一方的に破棄し、本件告知処分を行ったことは信義誠実の原則に反する旨主張する。しかしながら、徴収担当職員がこの要請を容認した事実は認められず、請求人が代表取締役等の要請を徴収担当職員が拒否しなかったことからこの要請を了解していた旨の主張は、請求人の一方的な理解に過ぎず、他にこれを認めるに足りる証拠もない。そうすると、代表取締役等が信頼し、その信頼に基づいて行動したとする原処分庁が公的見解を表示した事実は認められず、本件において、税法法規の適用における納税者の平等、公平を犠牲にしても、なお請求人の信頼、利益を保護しなければ正義に反するというような特別な事情があるとは認められない。(平11. 7. 1仙裁(諸)平11-1)裁決事例集 №58・324ページ
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110001
- 裁決年月日
- 平成11年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600399000
- 争点
- 3第二次納税義務/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・324ページ
要旨
○ 請求人は、滞納会社に対する滞納処分の手続が十分行われていたとはいえないことから、本件告知処分には法律的な瑕疵がある旨主張する。しかしながら、徴収法第38条に規定する第二次納税義務の告知処分は、同条に規定する第二次納税義務のいずれの要件にも該当する場合に成立するとされており、また、滞納会社に対する徴収手続が尽くされた後でなければ第二次納税義務を課すことはできない旨を定めた法令上の規定はないことから、本件告知処分は適法である。(平11. 7. 1仙裁(諸)平11-1)裁決事例集 №58・324ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平100036
- 裁決年月日
- 平成11年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・553ページ
要旨
○ 請求人は、協同組合である滞納法人から、請求人を含む各組合員に対し、既に徴収した賦課金の返還を名目に分配された本件払戻しは徴収法第39条の無償譲渡には該当しない旨主張する。しかしながら、滞納法人が各事業年度において剰余金が生じるような賦課金を各組合員から徴収していた事実は認められず、また、本件払戻しの原資は、滞納法人の建物等の譲渡による剰余金であると認められることから、本件払戻しは、滞納法人の各組合員に対する利益剰余金の分配すなわち配当と認められる。そうすると、利益剰余金を分配するに当たり、当該剰余金の分配に関し規定した滞納法人の定款によらず、賦課金の返還の名目で分配した滞納法人の行為は、請求人に対する贈与であると認められることから、徴収法第39条の無償譲渡に該当すると認められる。(平11. 4.23熊裁(諸)平10-36)裁決事例集 №57・553ページ、(平11. 4.23熊裁(諸)平10-37〜46)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平100036
- 裁決年月日
- 平成11年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・553ページ
要旨
○ 請求人は、仮に本件払戻しが徴収法第39条に規定する無償譲渡に該当するとしても、請求人の負担した法人税等を控除すべきである旨主張する。しかしながら、徴収法第39条に規定する受けた利益の額は、当該受益の時を基準として算定すべきものであるから、その算定上受益財産から控除すべき費用等は、その受益の時においてその存否及び数額が法律上客観的に確定しているものであることを要すると解されており、請求人が受けた剰余金の配当に係る源泉所得税及び当該配当に係る法人所得に対応する法人税等の額はこれに当たらない。(平11. 4.23熊裁(諸)平10-36)裁決事例集 №57・553ページ、(平11. 4.23熊裁(諸)平10-37〜46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100001
- 裁決年月日
- 平成10年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305041
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/1土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、離婚に伴い滞納者である夫から財産分与として全財産(土地・建物)を譲り受けたが、この財産分与は婚姻(復縁)の際の約定に基づくものであり、また、滞納者の不行跡を考慮すれば慰謝料として相当であり、徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分には当たらないから、第二次納税義務は負わない旨主張する。しかしながら、財産分与が当事者間の契約に基づいて履行された場合であっても、民法第768条第3項の規定の趣旨に反し不相当に過大であれば徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するというべきであり、また、本件については、①分与された財産のすべてが、滞納者の特有財産であること、②財産分与に当たっては、配偶者の法定相続分が2分の1(民900一)であること等を考慮し、清算的要素、扶養的要素、慰謝料的要素を含め総合的に判断すれば、請求人が離婚前どおりの生活を維持するうえで必要な土地、建物(全財産の約2分の1強)を除く財産は不相当に過大な財産分与として無償譲渡等の処分に該当すると認めることが相当であり、原処分庁が徴収法第39条の規定を適用して第二次納税義務の告知処分を行ったことは適法である。(平10. 7. 2東裁(諸)平10- 1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090109
- 裁決年月日
- 平成10年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305049
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社からの請求人及び同人の妻名義の借入金22,275,000円は、実質的には滞納会社が借り入れたものであるから、滞納会社の有する保険金解約返戻金で当該借入金の返済をしても、原処分庁の主張するような無償譲渡等の処分には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人及び関係者の答述等からすると、本件借入金は請求人の意思に基づいて借り入れられたもので、実質的に請求人の借入金と認められ、したがって、滞納会社の資金により返済された同金額については滞納会社から請求人に対して無償譲渡等の処分があったと認められる。(平10. 6. 2関裁(諸)平 9-109)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090114
- 裁決年月日
- 平成10年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305090
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/9受けた利益額の算定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・757ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が主張する徴収法第39条に規定する受けた利益は、滞納会社と請求人がそれぞれ所有し共同で売却した本件不動産の売買代金の配分額に含めて受領した、(1)本件土地の高価購入による損失補償及び(2)A工場の閉鎖、廃業に伴う損失補てん(以下「本件損失補償等」という。)の額であり、受けるべき合理的な理由があるので、第二次納税義務を負うものではない旨主張する。しかしながら、本件土地の高価購入の損失補償については、いかなる理由で本件土地を時価に比して高額で購入せざるを得なかったのかは証拠上明らかではなく、また、仮に高額で取得した土地を売却時の時価の同倍率の価額で売却できないとしてもそれを損失ということはできないから、請求人の主張は採用することができず、A工場の閉鎖、廃業に伴う損失補てんについては、利益が生じている工場を直ちに閉鎖、廃業することは通常の経済人の選ぶところではなく、その補てん額については、売却準備開始直前決算期の年間利益の5年分を相当とする理由についての主張もないから、請求人の主張は採用することはできない。したがって、本件不動産の売却代金については、それぞれが所有する不動産の持分等に応じて配分を受けるのが相当であるところ、請求人は、その受けるべき配分額を超えて滞納会社から利益を受けたと認められるから、その受けた利益の範囲内でなされた第二次納税義務の告知処分は適法である。(平10. 2.26東裁(諸)平 9-114) 裁決事例集No55・757ページ
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平080040
- 裁決年月日
- 平成9年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305045
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/4無償譲渡と認めた事例/5金銭等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納者から供与を受けた金員は請求人の社員総会の承認を得て、請求人と滞納者間で締結した金銭消費貸借契約書に基づき借り入れた借入金である旨主張するが、当該金員は、滞納者の全財産に相当する譲渡物件を売却処分し、譲渡所得課税がされ、相当額の納税が必要となることを承知しながら納税資金を確保することなく、取得した資金のほとんどを請求人の借入金返済、営業資金その他に供与し、処分した事実が認められる。このような滞納者が純粋な経済的動機からは考えられないような処分行為をしたことによって国税の徴収を免れる結果を招来した場合においては、その行為は、必ずしも贈与、売買、債務免除、財産分与等特定の行為類型に属することを必要とせず、これら各種の要因を帯有する行為であっても、それによって第三者に異常な利益を与えるものであれば、徴収法第39条所定の処分行為に該当する。したがって、滞納者の資金供与が金銭消費貸借の形で行われているものであっても、これにかかわりなく、利益を受けている請求人は、滞納者の納付すべき国税について、受けた利益を限度として納付義務を負担すべきことは、第二次納税義務の制度上当然というべきである。(平 9. 6.30高裁(諸)平 8-40)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平080036
- 裁決年月日
- 平成9年6月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305050
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/5無償譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人がA銀行から借り入れた自宅建築用資金の返済を、請求人の母であるBが不動産を売却して得た資金の一部で行っていることから、この行為はBからの資金贈与に該当すると主張し、Bの不動産売却に係る滞納国税を徴収するため、請求人に対して徴収法第39条の規定を適用して第二次納税義務の告知処分をした。これに対して、請求人は、Bから金員の贈与を受けた事実はなく、上記借入金の返済資金は請求人及びB等親族が役員であるC法人からの借入金によるものであるから、処分は違法であり、取り消すべきである旨主張する。ところで、請求人は、借入金の元本の返済及び利息の支払をC法人との契約に基づき約定どおり行っており、これらの内容はC法人の決算書上に反映されていることが認められ、C法人と請求人との間の金銭消費貸借契約の約定は、契約当時の経済情勢からも妥当性があり、かつ、請求人の所得状況等からも適正であると認められる。これらの事実関係から判断すると、Bから請求人に対して、純粋な経済的動機からは考えられないような処分行為をしたことによる異常とまでいえるほどの利益の提供はないとものと判断され、原処分庁が行った第二次納税義務の告知処分は、取り消すのが相当である。(平 9. 6.25高裁(諸)平 8-36)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080064
- 裁決年月日
- 平成9年4月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平080038
- 裁決年月日
- 平成9年3月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納者に対する貸付金の回収のため滞納者の所有していた不動産を代物弁済により取得したことが、徴収法第39条に規定する無償又は著しい低額の譲渡等に該当するとしてなされた第二次納税義務の告知処分について、(1)告知処分に係る調査において、徴収担当職員が威圧的な言動や事実に反する発言を行ったこと、(2)法定の要件に該当しないのに行われた告知処分は手続に誤りがあることから、違法である旨主張する。しかしながら、(1)徴収担当職員が威圧的な言動や事実に反する発言を行ったという事実は認められず、また、(2)滞納者と請求人の間でなされた不動産の代物弁済は、低額譲渡等による処分に該当し、徴収法第39条に規定する要件を満たしていることから、告知処分の手続に誤りはなく、請求人の主張は採用できない。なお、原処分庁が、滞納者から請求人への代物弁済による低額譲渡等の処分であると認定した不動産のうち、その一部は、滞納者から請求人以外の第三者へ代物弁済が行われた後、当該第三者の代物弁済として請求人へ所有権が移転しており、代物弁済のすべてが滞納者から請求人への代物弁済とは認められないことから、告知処分は、その一部を取り消すべきである。(平 9. 3.28熊裁(諸)平 8-38)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平080035
- 裁決年月日
- 平成9年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305990
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/11その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、徴収法第39条の規定によりなされた第二次納税義務の告知処分の基となった贈与に係る贈与税申告書の贈与者欄は、申告の際面接した税務署の職員が勝手に記載したものであり、贈与者を誤ってなされた告知処分は違法である旨主張する。しかし、当該贈与税申告書は、請求人の親権者により自発的に提出されたものであること及び贈与された財産が現金であることから判断すると、贈与者がだれであるかは親権者である請求人の申立てによらなければ署の職員には分からないと認められることから、請求人の主張には理由がない。(平 9. 3.26熊裁(諸)平 8-35)、(平 9. 3.26熊裁(諸)平 8-36)
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