裁決要旨 10債務免除
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令050003
- 裁決年月日
- 令和5年12月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が滞納者へ建築を依頼した各建物(本件各建物)の建築代金について、各建物の敷地に係る購入代金の支払日から、建築工事が竣工された日以降の半年間に、請求人名義の預貯金口座から建築代金に相当する金額の出金がないほか、手元の現金で支払った旨の請求人の主張を裏付ける証拠がないことからすると、請求人から本件滞納者に対して本件各建物に係る建築代金が支払われた事実はなく、このことは、本件滞納者から請求人に対し、本件各建物に係る建築代金の支払を免除する黙示の意思表示があったものと判断できるから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「債務の免除」に該当する旨主張する。しかしながら、原処分庁が主張する各事実は、請求人から本件滞納者に本件各建物に係る建築代金の支払の現実の提供がない可能性があることを推測させるに留まるものであるから、かかる事実をもって直ちに本件滞納者から請求人に対して建築代金の支払を免除したとは認めることはできず、また、当審判所に提出された関係資料を精査しても、本件滞納者が請求人に対して建築代金の支払を免除した事実があったと認める証拠は見当たらない。したがって、請求人は、本件滞納者から債務の免除を受けたとはいえない。(令5.12. 7 高裁(諸)令5-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040142
- 裁決年月日
- 令和5年6月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、建物賃借人である滞納会社(本件滞納会社)の破産管財人が建物賃貸人である請求人との間で、建物(本件建物)の原状回復義務の免除と引き換えに、本件建物の賃貸借契約(本件賃貸借契約)に基づき預け入れた保証金(本件保証金)の返還請求権を放棄(本件放棄)することに合意(本件合意)したことは、破産裁判所の許可が得られることを停止条件とした停止条件付債務免除契約に該当するから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に該当し、さらに、債務免除された本件保証金の返還請求権の額の算定に当たり、本件保証金から控除すべき原状回復工事費用は、本件合意の時点で有効期間が経過していた見積書(本件見積書)の金額によるべきではなく、原処分庁が納付通知書を発した時点の現況において現に確定した金額とすべきである旨主張する。この点、国税徴収法第39条に規定する債務の免除には、民法第519条《免除》の規定による債務の免除のほか、契約による免除も含まれると解され、本件放棄は契約による免除に該当し得るものである。しかしながら、本件賃貸借契約において、本件保証金の返還請求権は、本件保証金を請求人に対する一切の債務に充当した後になお残額があれば、その残額を返還するものである旨定められていることから、本件放棄によって、債務免除があったというためには、本件保証金を本件滞納会社に対する債務に充当するなどした上で、請求人が本件滞納会社へ返還すべき本件保証金に残額がなければならないところ、本件放棄の効力が生じた当時、原状回復工事は未実施であったことから、原状回復工事費用は、唯一存在していた本件見積書における金額で算定するほかなく、本件保証金から本件見積書における原状回復工事費用を控除すると本件保証金に残額は生じない。したがって、本件放棄は、国税徴収法第39条に規定する債務の免除に当たらない。(令5. 6.27 東裁(諸)令4-142)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040142
- 裁決年月日
- 令和5年6月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、滞納会社(本件滞納会社)は、破産手続廃止が確定し、建物賃借人である本件滞納会社の破産管財人と建物賃貸人である請求人との間で、建物の原状回復義務の免除と引き換えに預け入れた保証金の返還請求権を放棄(本件放棄)した後に、滞納国税(本件滞納国税)を徴収できる財産を取得している事実は認められないため、本件滞納国税の徴収すべき額に不足することが、本件放棄に基因する旨主張する。しかしながら、本件放棄は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に当たらないから、本件滞納国税の徴収すべき額に不足することが、本件放棄に基因するかについて判断するまでもなく、原処分庁がした第二次納税義務の納付告知処分は、同法第39条に規定する要件を満たさない。(令5. 6.27 東裁(諸)令4-142)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030014
- 裁決年月日
- 令和3年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人を売主とし、請求人を買主として行われた不動産の売買契約(本件売買契約)について、会社法第356条《競業及び利益相反取引の制限》の規定による利益相反取引に該当するなどとして、滞納法人が請求人に対して有する代金債権が不存在であり、滞納法人から債務免除を受けたとは認められないことから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除により義務を免れた者に該当しない旨主張する。しかしながら、会社法第356条の規定について、取締役が会社の利益の犠牲において自己又は第三者の利益を図ることを防止することが趣旨であると解されており、親会社の取締役が子会社を代表して親会社と取引する場合にも、子会社に当該親会社以外の株主が存するときは適用がある一方、親会社が子会社の発行済株式総数の100%を保有するときは親子会社間に利害の対立がなく適用がないと解されるところ、請求人は、本件売買契約の締結の際に、滞納法人の株式を100%保有する完全親会社の立場にあり、当該各規定の適用はないと解するのが相当であることから、本件売買契約は成立している。また、民法第519条の規定による債務の免除は、債務者の意思に関係なく、債権者が債権を放棄する旨の意思を表示し、それが債務者に到達した以上、その効果が生じると解されるところ、滞納法人からの債権放棄通知書による意思表示は、請求人に到達したことにより、民法上の債務の免除の効果として、滞納法人が請求人に対して有する代金債権が消滅したと認められることから、国税徴収法第39条に規定する債務の免除に当たる。したがって、請求人は、国税徴収法第39条に規定する債務の免除により義務を免れた者に該当する。(令3. 9. 1 東裁(諸)令3-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020027
- 裁決年月日
- 令和3年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人(本件滞納法人)に対する借入金債務(本件借入金債務)について、その一部を返済することで残額を放棄する旨を記載した合意書(本件合意書)の作成までに、本件滞納法人に対して有する債権を反対債権として、本件借入金債務の残額と対当額で相殺する合意をしていたところ、本件合意書は、これらの債権債務の消滅を確認したものにすぎず、本件合意書による合意(本件合意)が本件借入金債務の残額を免除したものであったとは認められない旨主張する。しかしながら、本件合意書は、本件滞納法人及び請求人の意思に基づいて作成されたものであるから、本件合意の内容は、特段の事情のない限り、本件合意書に記載された文言に即して認定すべきであり、それによると、本件滞納法人が本件借入金債務に係る債権の残額を放棄する旨を合意するもの、すなわち、請求人からみれば、本件借入金債務の残額を免除する旨を合意するものであったと認められることになる。また、証拠資料等を精査しても、特段の事情があったなどとうかがわせる事情はない。したがって、本件合意は、本件借入金債務の一部を免除するものであったと認められる。(令3. 5.21 関裁(諸)令2-27)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010020
- 裁決年月日
- 令和2年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に該当するためには、合理的な理由のない利益が与えられたことが必要であり、本件では、いわゆる過払金の引き直し計算につき、複数の計算方法が容認されていた状況において、貸付先との間で裁判手続によることなく和解(本件和解)を行い、時間的・費用的な負担等を軽減するという合理的な理由が存在したのであるから、本件和解によって同条に規定する債務の免除を受けたとはいえない旨主張する。しかしながら、法第39条は、「債務の免除」と規定するのみで他の要件を付加しておらず、第二次納税義務の制度趣旨からすれば、第三者に利益を与える典型的な法律行為そのものである債務の免除に当たりさえすれば、同条に規定する債務の免除に当たる。加えて、請求人は、複数の計算方法が容認されていた状況である旨の証拠として、期限の利益の再度付与が認められていない裁判例を挙げるが、本件とは事案を異にするものである。よって、請求人は本件和解によって債務の免除を受けたと認められる。(令2.4.1名裁(諸)令元-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010017
- 裁決年月日
- 令和2年3月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成20年4月以降、滞納法人に対し業務委託を行っておらず、過去の税務調査の際の誤った指導に基づき、関与税理士事務所の職員が滞納法人に対する業務委託費等に係る未払金(本件債務)を計上する会計処理を続けたものであって、本件債務を負っていなかった旨、滞納法人が本件債務に対応する債権を放棄する書面(本件書面)を作成したのは、請求人の誤った会計処理を是正するための形式的なものであり、債務の免除には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人は、①税務調査の指摘に従って、平成20年4月から平成26年11月までの間、業務委託費を滞納法人に対する費用として計上し、業務委託費及び水道光熱費等の合計額の8割を超える金額を滞納法人に継続して支払っていたこと、②平成24年6月期に、総勘定元帳において業務委託費が減額されているのは、滞納法人に係る広告宣伝業務の縮小に連動して行われたものであり、実情に即した会計処理がされていること、③請求人と滞納法人の取締役が、関与税理士等に業務委託費の金額を報告し、関与税理士等がその経理処理について毎月監査していることや、当該取締役が、業務委託費に関して出金伝票を毎月作成し帳簿に計上していることからすれば、業務委託費の金額は、請求人と滞納法人が決定し、帳簿に適正に計上されていたものであると認められ、④滞納法人の事務所が所在する建物は、滞納法人が賃借人として契約し、請求人も当該建物を事務所として使用し、その対価として一定の金額を実際に支払っていたことから、業務委託費及び水道光熱費等は実質を伴う費用であり、以上から、本件債務は存在していたと認められる。そして、本件滞納法人は本件書面を作成していたところ、本件書面の内容を別異に解する特段の事情も認められないことから、滞納法人は本件債務に対応する債権を放棄したことが認めれる。したがって、本件滞納法人が行った本件債務の免除は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に該当する。(令2. 3. 3 名裁(諸)令元-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300014
- 裁決年月日
- 平成30年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元代表取締役である本来の納税義務者ら(本件納税者ら)が請求人の借入金債務を代位弁済し、これにより取得した各求償債権(本件各求償債権)を免除したこと(本件各債務免除)について、①代位弁済は本件納税者らの請求人に対する損害賠償債務及び経営責任の履行として行われたものであるから本件各求償債権は実質的には発生していないこと、②企業の再生実務において、対象企業が金融機関に債権放棄を求める案件では、経営責任の観点から、経営者が対象企業に対する債権の全額を放棄することが通常であることから、本件各債務免除は国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件納税者らは、請求人の金融機関などに対する各借入金債務について代位弁済をしたことにより本件各求償債権を取得し、当該求償債権から各人の請求人に対する借入金債務額を控除した後の残高について、免除する旨の意思表示をしたことが認められ、②本件納税者らが経営責任の観点から本件債務免除を行ったとしても、それは単に本件各債務免除を行った動機にすぎず、そのことをもって本件各求償債権が実質的には発生していないとはいえないから、本件各債務免除は同条に規定する債務の免除に該当する。(平30.11.13 関裁(諸)平30-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290136
- 裁決年月日
- 平成30年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 請求人は、債務免除(本件債務免除)の時において、請求人の当時の代表者取締役(本件滞納者)は、本件債務免除により請求人に第二次納税義務が生じることを認識しておらず、仮にそれを知っていれば、本件滞納者は本件債務免除をすることはなかったのであり、本件債務免除は第二次納税義務が生じないことを前提としたものであるという黙示の動機の表示が認められ、本件滞納者も錯誤の存在を認めているから、本件債務免除は錯誤により無効である旨主張する。しかしながら、意思表示の動機の錯誤が法律行為の要素の錯誤としてその無効を来たすためには、その動機が相手方に表示されて法律行為の内容となり、もし錯誤がなかったならば表意者がその意思表示をしなかったであろうと認められる場合であることを要すると解されるところ、本件滞納者は、本件債務免除当時、第二次納税義務の制度自体を知らなかったのであるから、請求人が主張する本件滞納者の動機は、そのことが念頭になかったために行為に至ったことをいうにすぎず、黙示にも表示はなかったと認められ、また、本件債務免除は、主要取引銀行に対し、本件滞納者が代表者としての経営責任を明確にするために行われたものと認められるところ、本件滞納者は、本件債務免除の後、請求人に第二次納税義務が生じる可能性があることを知った後も、本件債務免除を無効とすべく特段の行動をした事実は認められず、かえって請求人の代表者として、本件債務免除を前提とした請求人の決算及び確定申告等に係る一連の行動をしていたことが認められるから、もし請求人に第二次納税義務が生じることを知っていたならば、本件滞納者が、本件債務免除を行わなかったであろうと認められる場合には当たらない。したがって、本件債務免除は錯誤により無効ではない。(平30. 6. 7 東裁(諸)平29-136)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290120
- 裁決年月日
- 平成30年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が滞納者から債務免除(本件債務免除)を受けたことに基づいて原処分庁からされた国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく第二次納税義務の納付告知処分(本件告知処分)につき、本件債務免除により受けた利益(本件債務免除益)は債務の返済に充てられ既に消滅しているから、本件告知処分の時において現存していない旨主張する。しかしながら、請求人が主張するように、本件債務免除益が債務の返済に充てられたとしても、本件債務免除益によって、他の現有財産等の減少を免れることになるのであるから、本件債務免除益は、この減少を免れた現有財産等の価値相当分として現存していることとなり、消滅したことにはならない。(平30. 5. 8 東裁(諸)平29-120)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平280002
- 裁決年月日
- 平成29年3月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№106
要旨
○ 請求人は、国税の滞納者との間で行った金銭消費貸借取引(本件取引)は、本件取引1と本件取引2との二つに分かれており、前後二個の貸付取引が成立・存在するためには、原則として二個の基本契約の成立が要求されるところ、本件取引2においても、本件取引1とは法律的同一性を欠く基本契約が締結されていたものであり、本件取引1の終了時から10年を経過し、本件取引1に係る過払金返還債務は時効により消滅している旨主張する。確かに、本件取引1における最終の弁済から本件取引2の最初の貸付までの期間は約1年11か月であり、本件取引1と本件取引2では、約定利率の変更がされるなどの事実が認められるが、本件取引2の開始日において、基本契約が締結され、契約書が取り交わされた事実は認められず、本件取引1の最終弁済後も、将来において取引を再開し、新たな借入金債務の発生が見込まれる状態にあったことに照らせば、本件取引は、その全体が本件取引に係る基本契約に基づく一個の貸付取引であると認めるのが相当である。過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては、同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は、同取引が終了した時から進行するものとされており(最高裁平成21年1月22日判決)、したがって、一個の貸付取引である本件取引の終了日は、本件取引(本件取引2)の最終弁済日であり、過払金返還請求権の消滅時効は、同日から進行する。(平29. 3.24 金裁(諸)平28-2)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平280002
- 裁決年月日
- 平成29年3月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№106
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人に対して行った国税徴収法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく納付告知処分は、裁判外の和解(本件和解)で定められた条項に基づいて滞納者から過払金返還債務の一部免除(本件免除)を受けたことを同条に規定する「債務の免除」とするものであるが、和解契約全体として手続上も内容上も合理性を有する場合には、同条の「債務の免除」があったとはいえない旨主張する。しかしながら、本件和解は、滞納者が請求人に対して停止条件付で債務を免除する旨を合意した契約であり、このような契約による免除も同条の「債務の免除」に含まれると解されるところ、本件免除は同条の制度趣旨に合致するといえるだけの実質を有するものと評価できることから、同条に規定する「債務の免除」に該当する。(平29. 3.24 金裁(諸)平28-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270019
- 裁決年月日
- 平成28年1月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納国税を徴するために請求人に対して行った国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく納付告知処分は裁判上の和解(本件和解)で定められた条項に基づいて滞納法人から支払義務の免除(本件免除)を受けたことを同条に定める「債務の免除」とするものであるが、本件免除に係る本件和解上の条項は、請求人が滞納法人に支払うとされた金額の履行を確保するために設けられたものであり、請求人が期限の利益を喪失した場合を除いて何ら意味を持つものではないから、同条に定める「債務の免除」には該当しない旨主張する。しかしながら、本件和解は、滞納法人が請求人に対して停止条件付で債務を免除する旨を合意した契約であり、このような契約による免除も国税徴収法第39条の「債務の免除」に含まれると解されるところ、本件免除は同条の制度趣旨に合致するといえるだけの実質を有するものと評価できることから、同条に定める「債務の免除」があったといえる。(平28. 1.15 名裁(諸)平27-19)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240020
- 裁決年月日
- 平成25年3月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№90
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、請求人所有の建物の賃借人(本件滞納法人)からの申出により、賃貸借契約(本件賃貸借契約)を賃貸借期間の途中で解約するに当たり、本件滞納法人との間でした、本件滞納法人が請求人に対して敷金(本件敷金)の返還請求権(本件敷金返還請求権)を放棄する旨の合意(本件合意)に基づき、その放棄を受けたことは、本件滞納法人による国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「債務の免除」に該当する旨主張する。しかしながら、国税徴収法第39条にいう債務の免除とは、広く第三者に利益を与えるものというと解されるところ、本件合意は、本件滞納法人がその賃借する建物を本件合意で定めたとおり明け渡すことを条件として、本件賃貸借契約の解約によって発生する損害賠償の額を予定し、その損害賠償請求権と本件敷金返還請求権等とを相殺することを定めたものであり、社会通念上、損害賠償の額を予定し、相殺することについて合理的な期待を有すると認められる範囲内にあるから、本件合意による約定は有効と認められ、これにより請求人の損害賠償の額が本件敷金等に相当する額に制限された上、その損害賠償請求権と本件敷金返還請求権等とが相殺されて消滅することとなることからすると、本件合意により請求人が利益を受けたということはできない。(平25. 3.27 広裁(諸)平24-20)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230071
- 裁決年月日
- 平成24年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納法人から購入した車両8台の譲渡代金(本件車両代金)について、請求人、滞納法人及び滞納法人代表者の三者間で、滞納法人が同法人代表者に対して負っていた借入金債務について肩代わりをし、この借入金債務の肩代わりをもって本件車両代金の支払に代える旨の合意をしたのであるから、本件車両代金の債務は支払済であり免除されたのではない旨主張する。しかしながら、この請求人主張を裏付ける証拠はなく、むしろ、当該車両8台の売買契約書の記載内容、原処分庁が原処分前に行った質問調査における滞納法人代表者の申述内容、及び、滞納法人が請求人に対し本件車両代金の請求をしていないこと等の諸事情を総合的に勘案すると、滞納法人は、請求人に対し、本件車両代金について債務の免除をしたとみるのが相当である。(平24. 3.27 関裁(諸)平23-71)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220028
- 裁決年月日
- 平成22年11月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- №81
要旨
○ 原処分庁は、請求人と本件滞納法人との間における不動産の売買を仲介した仲介業者が、請求人分の仲介手数料(本件仲介手数料)として金員を受領し、請求人あての領収証が発行されているところ、当該金員は本件滞納法人が自ら調達した金員により支払われたものであるから、請求人に本件滞納法人に対する本件仲介手数料に相当する債務が発生し、同時に、本件滞納法人が当該債務を免除した旨主張する。しかしながら、上記不動産の売買契約においては、請求人が支払わなければならない当該不動産の代価や仲介手数料を含む売買に関して生ずる請求人が負担すべき一切の費用は、請求人が上記不動産の購入資金として借り入れた金員から賄われるべきものであったと認めるのが相当であり、本件滞納法人が本件仲介手数料を自ら調達した金員で支払ったのは、請求人が上記不動産の購入資金として借り入れた金員の中から本件仲介手数料が支払われるべきところ、請求人が当該不動産の購入資金として借り入れた金員から借入れに伴う事務手数料や登記費用等を控除した金額の全額が請求人の普通預金口座から上記不動産の抵当権者の普通預金に直接振り替えられたため、本件仲介手数料の支払に充てることができなくなったことによるものと認められる。したがって、請求人が負うべき本件仲介手数料の支払債務を本件滞納法人が履行したと認めることはできず、そうすると、本件滞納法人には請求人に対する本件仲介手数料に相当する額の返還請求権は発生せず、それを無償放棄することもあり得ないのであるから、請求人が本件滞納法人から本件仲介手数料に相当する債務の免除を受けたと認めることはできない。(平22.11.25 名裁(諸)平22-28)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210005
- 裁決年月日
- 平成21年10月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、請求人は滞納者から債務免除を受けたとして、請求人に対して第二次納税義務の納付告知処分を行ったのに対し、請求人は、当該債務免除の日を含む事業年度(以下「本件事業年度」という。)の総勘定元帳に記載された借入先ごとの借入金残高によれば、その大半が滞納者の主宰法人(以下「滞納者主宰法人」という。)であり、滞納者に貸付資力がなかったため、当該債務の債権者は滞納者主宰法人である。したがって、滞納者から債務免除されたものではない旨主張する。しかしながら、①請求人の本件事業年度前の法人税の各確定申告書において、滞納者からの借入金が毎期計上されていること、②滞納者は、請求人が滞納者から資金を借り入れた理由やその会計処理等及び滞納者自身が貸し付けた資金の大半は滞納者法人からの借入れである旨答述していること、③請求人及び滞納者法人の前顧問税理士は、滞納者と滞納者法人間等の貸借を間違えないよう、請求人の本件事業年度の総勘定元帳に滞納者の資金調達先ごとに便宜上区分して借入金を記載したが、請求人の借入先はあくまでも滞納者である旨答述していること、④滞納者の滞納者主宰法人からの借入金は、滞納者主宰法人の決算書に毎期滞納者への貸付金として計上されていることなどからすれば、上記債務免除をした債権者は滞納者であることが明らかであり、請求人の主張は採用できない。(平21.10. 6 名裁(諸)平21-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200059
- 裁決年月日
- 平成21年6月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が実際に現金等を支払って本件未払金債務を弁済したと認めるに足りる証拠がないところ、請求人が本件滞納者に対して本件未払金債務を負っていないことからすれば、請求人は本件未払金債務について本件滞納者から本件未払金債務の免除を受けたと認められる旨主張する。しかしながら、請求人は、同人の代表者甲から本件未払金債務の額に相当する額の現金を借り入れ、本件滞納者に対する本件未払金債務の支払に充てたとする経理処理をし、本件滞納者は、請求人に対する売掛金の支払として、本件未払金債務と同額の現金を受け取り、その現金をAに対する未払金の支払として支払った旨の経理処理をしており、双方の経理処理に矛盾するところはなく、また、請求人は、後日、本件未払金債務の額と同額を甲に返金したとする経理処理をしていることからすると、甲から本件未払金債務の額に相当する額の現金を借り入れた請求人が、本件滞納者に対して本件未払金債務を弁済したことが推認できる。そうすると、本件未払金債務を弁済したとする領収証等の証拠がないことは不自然ではあるものの、そのことのみをもって、直ちに請求人が本件未払金債務を弁済していないとまでは認めることはできないから、請求人及び本件滞納者の帳簿の記録から推認できる本件未払金債務についての弁済の事実を覆した上で、請求人が本件未払金債務について債務免除を受けたと認定することはできない。(平21. 6.17 関裁(諸)平20-59)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200060
- 裁決年月日
- 平成21年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納者からの債務の弁済のために振り出した手形の返却を受け、改めて代表者らから借り入れた現金で本件仮受金債務を弁済した旨主張する。しかしながら、請求人の主張を裏付ける証拠としては、請求人の経理処理及び請求人の代表者の答述しかないところ、この答述を具体的に裏付ける他の証拠がない上、本件滞納者の残高試算表の記載内容とも整合しないことなどからすれば、請求人の主張を認めるに足りる証拠はないといわざるを得ず、他に請求人の主張を認めるに足りる証拠はない。そして、本件仮受金債務が存在したこと及び本件仮受金債務が弁済されたとする経理処理がされたころに本件仮受金債務が消滅したことについては、争いがなく、原処分関係資料からもかかる事実を認めることができるところ、請求人が本件滞納者に対し本件仮受金債務の弁済をしたと認めることはできないのであるから、請求人が本件仮受金債務の免除を受けたものと認めるのが相当である。(平21. 6.17 関裁(諸)平20-60)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200060
- 裁決年月日
- 平成21年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件未払金債務を弁済するため、平成15年3月25日に本件滞納者に対して手形を振り出し、その支払期日である同年9月30日に請求人の代表者からの借入れにより弁済した旨、また、本件滞納者は、請求人からの弁済を受けると、同日、本件滞納者の債権者であるA社へ同額の現金を支払った旨主張する。しかしながら、請求人の主張を裏付ける証拠としては、請求人の経理処理及び請求人の代表者・経理担当者の答述しかないところ、これらの答述を具体的に裏付ける他の証拠がない上、本件滞納者の経理処理やA社の経理処理とも整合しないものであることなどからすれば、請求人の主張を認めるに足りる証拠はないといわざるを得ず、他に請求人の主張を認めるに足りる証拠はない。そして、平成15年3月25日までは本件未払金債務が存在していたこと及び本件未払金債務が弁済されたとする経理処理がされた同年9月30日ころに本件未払金債務が消滅していたことについては争いがなく、原処分関係資料からもかかる事実を認めることができるところ、請求人が本件滞納者に対し本件未払金債務の弁済をしたと認めることはできないのであるから、請求人が本件未払金債務の免除を受けたものと認めるのが相当である。(平21. 6.17 関裁(諸)平20-60)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200037
- 裁決年月日
- 平成20年12月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・555ページ
要旨
○ 原処分庁は、建物賃貸人である請求人が建物賃借人である滞納者(賃借人)から敷金及び建設協力金の返還債務の免除を受けたことが国税徴収法(以下「徴収法」という。)第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する債務の免除に該当すると主張する。しかしながら、敷金については、未払賃料と明渡し費用に充てられた結果、その返還請求権は発生しなかったと認められ、建設協力金については、建物賃貸借契約に定められた「賃借人の事情による中途解約の場合、賃借人が当該契約と同等以上の条件で新たな賃借人を斡旋し、新たな契約が締結されない限り、賃借人は敷金及び建設協力金の残額の返還請求権を放棄する。」とする条項が、滞納者の事情による中途解約の場合に生ずる請求人の損害の賠償に代えて、建設協力金の残額の返還請求権を放棄し、その後請求人に生じた損害の多寡を問わず清算しないこととしたものと解され、建設協力金の残額の返還請求権の放棄は、損害の賠償に代えて行われる違約金債務の弁済と同視することができるところ、建設協力金の額は本件建物の工事代金以下であり不相当に高額でなく、また、その返済期間は建物の賃貸借期間と同期間であり不相当に長期間であるともいえないことからすれば、請求人に対して一方的に不相当な利益を与えるものとはいえず、したがって、建設協力金の残額の返還請求権の放棄は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分には該当せず、請求人は第二次納税義務を負わないことから、第二次納税義務の納付告知処分は違法なものとして取り消されるべきである。(平20.12. 3 名裁(諸)平20-37)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190054
- 裁決年月日
- 平成20年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、商号変更日をもって、借財が一切ない法人として零からスタートしたので、請求人が債務免除を受けた事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、平成13年9月期の末日現在、本件滞納者から借入金債務を負っていたと認められ、平成16年7月12日現在においても当該借入金債務を負っていたと認められるところ、請求人の資力等からすれば、商号変更前に弁済等があったとは認められず、商号変更後においては当該借入金債務を負っていないと主張していること、本件滞納者は商号変更の際請求人に対する貸付金がなくなった旨を聞かされても特に異議を述べたり返済を求めるなどの行動をとっていないこと、請求人の平成16年9月期の決算書等に本件滞納者に対する債務が一切計上されていないこと、平成13年9月期末日以降商号変更日までの間、請求人に本件借入金債務を弁済できる資力がなかったと認められることからすれば、本件借入金債務は、本件滞納者による債務免除により消滅したものと推認できる。加えて、請求人を譲り受けるに当たり本件借入金債務の整理を求めたAが休眠中の請求人を利用して事業を開始することをについて、本件滞納者が了承し、請求人の印鑑や通帳等をAに渡していたことが認められ、これらの行為は、本件滞納者が、請求人の借入金債務を免除する趣旨を含んでいたものと推認できる。そうすると、請求人は、平成16年7月12日から商号変更日までの間に、本件滞納者から借入金債務について債務免除を受けたと認めるのが相当である。(平20. 6.26 関裁(諸)平19-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180331
- 裁決年月日
- 平成19年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 滞納会社が請求人に対して計上していた不動産購入に係る未収入金を請求人に対する賞与として処理したことについて、原処分庁が、国税徴収法第39条に該当する債務免除と認定して第二次納税義務の告知処分を行ったのに対し、請求人は、①滞納会社からの不動産購入代金は支払済みで、滞納会社が計上していた未収入金は値引き相当分を誤って計上したもので元々存在しないこと、②仮に未収入金が不動産購入時に存在したとしても時効により消滅したこと、③未収入金を賞与に振替処理しても、経理上の処理に過ぎず実体法上の債務免除等は存しないこと、などを理由として告知処分は違法である旨主張する。 しかしながら、①滞納会社の元帳及び請求人の不動産譲渡内訳書記載の代金額から、不動産の当初の売買代金に未払残額があったことが認められ、これが値引きされたとの事実を認めるに足る証拠はなく、その後滞納会社が各事業年度において当該未収入金を継続して計上していることが過誤によるものとの証拠も見当たらないこと、②そして、請求人は滞納会社の設立以来、当初は代表者として、その後は監査役として、同社の重要な意思決定をし、また、未収入金が計上された滞納会社の決算報告書を用い又は適法かつ適正である旨表明していることから、未収入金債権についての消滅時効の中断事由となる債務承認を毎決算期においてしていたというのが相当であること、③未収入金を賞与に振替処理するに当って「覚書」が作成されているが、当該書面が作成された趣旨は、請求人が債務免除により免除益が出ることを認識し、債務を承認したものと認めるのが相当であることから、上記の未収入金を請求人に対する賞与として処理したことは債務の免除に当たり、請求人の主張には理由がない。(平19. 6.21 東裁(諸)平18-331)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成11年10月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件敷金は滞納法人との賃貸料と同額の賃貸料でA産業と契約することを条件として滞納法人から受け取ったものであるから、債務の免除ではないと主張する。しかしながら、敷金から差し引かれる未払賃料及び原状回復義務の債務の存在は認められない。また、滞納法人は平成7年9月分までの賃借料を支払い、A産業が同年10月1日から賃借を開始していることから、本件土地の賃貸借契約は、同年9月末日に終了し、同日に滞納法人が本件土地を明け渡したと認めるのが相当であり、本件契約が終了した同日の同年10月1日において、請求人には700,000円の敷金返還債務が発生することとなる。そうすると、滞納法人が本件敷金の返還請求権を放棄した理由は、請求人が本件土地をA産業に賃貸するに当たって、A産業が本件契約と同額の賃借料で契約することを要望したことから、滞納法人は、本件店舗の売却を進めるため請求人と新賃借人間の契約の成立を願い、請求人に対して本件敷金の返還請求権を放棄したものと認めるのが相当である。よって、本件敷金から差し引く債務の存在もないことから、滞納法人が本件敷金の返還請求権を放棄した行為は、請求人が滞納法人から債務の免除を受けたものと認めるのが相当であり、請求人の主張は採用できない。(平11.10. 6熊裁(諸)平11-7)、(平11.10. 6熊裁(諸)平11-8、9)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110010
- 裁決年月日
- 平成11年10月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305100
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/10債務免除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、違約金を受領することを約し、本件敷金を相殺した旨主張する。しかし、敷金から差し引かれる未払賃料及び原状回復義務の債務の存在は認められない。また、滞納法人は平成7年9月分までの賃借料を支払っており、B産業が同年10月1日から賃借を開始していることから、本件契約は同年9月末に終了し、本件土地を明け渡したと認めるのが相当であり、本件契約が終了した翌日の同年10月1日において、請求人には1,020,000円の敷金の返還債務が発生することとなる。本件契約の中途解約がどのような合意の下に行われたかを判断すると、本件契約の中途解約に伴う賃貸借期間の満了とともに、Cの斡旋するB産業と請求人との間において、滞納法人と請求人との契約条件とほぼ同一条件での契約の締結が行われることを条件に、滞納法人が請求人に対して敷金の返還債務を放棄したと認めるのが相当である。そうすると、請求人が相殺したと主張する反対債権を有していたとは認められず、請求人は滞納法人に対して負っている敷金返還債務について滞納法人から当該債務の免除を受けたと認められることから、請求人には理由がない。(平11.10. 6熊裁(諸)平11-10)
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