裁決要旨 8利益を与える処分

裁決要旨 8利益を与える処分

支部名
東京
裁決番号
令020076
裁決年月日
令和3年4月22日
裁決結果
棄却
争点番号
600305080
争点
3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、滞納法人が請求人に対しその所有する建物(本件建物)を固定資産税相当額で貸与したことについて、本件建物の貸与の対価として当該固定資産税相当額のみならず本件建物の敷地(本件土地)の借地料をも負担しており、その合計金額が本件建物の適正賃料をはるかに上回るものであることから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「第三者に利益を与える処分」には該当しない旨主張する。しかしながら、本件建物の適正賃料は、原処分庁が本件建物の適正賃料を算定した際、本件建物の所有者である滞納法人に本件土地の利用権原がないことを前提として市場性減価をしていたところ、滞納法人には本件土地の利用権原があると認められることから、市場性減価前の金額とすることに相当性が認められる。そうすると、本件建物の貸与の対価として請求人が負担した、本件建物に係る固定資産税及び本件土地の借地料の合計額は、本件建物の適正賃料をはるかに下回るものであることから、本件建物を適正賃料より著しく低い額で貸与していたものとみるのが相当である。したがって、滞納法人は、請求人に対し国税徴収法第39条に規定する「第三者に利益を与える処分」をしたものと認められる。(令3. 4.22 東裁(諸)令2-76)

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支部名
東京
裁決番号
令020006
裁決年月日
令和2年7月28日
裁決結果
全部取消し
争点番号
600305080
争点
3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
事例集登載頁
裁決事例集№120

要旨

○原処分庁は、請求人を所有者とする不実の登記がされた本件各不動産について、①本件各不動産の売買代金を仮払金として計上していた滞納法人が、売買後、これを請求人に対する貸付金に振り替え(本件会計処理)、請求人が、本件各不動産の賃料収入を売買時から遡って計上したこと、②滞納法人の代表者が請求人も支配できる立場にあり、税務調査を切り抜けるためにこれらの会計処理をしたこと等からすれば、本件会計処理の日に本件各不動産の所有権は滞納法人から請求人に移転している旨主張する。しかしながら、滞納法人は、本件会計処理の日以降も本件各不動産の賃料収入を受領しており、その余の事情を考慮しても、本件各不動産の所有権が請求人に移転したと認めるに足りる証拠もないことから、本件会計処理の日に本件各不動産の所有権が滞納法人から請求人に移転したとは認められない。 (令2.7.28東裁(諸)令2-6)

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支部名
仙台
裁決番号
平290002
裁決年月日
平成29年12月14日
裁決結果
一部取消し
争点番号
600305080
争点
3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
事例集登載頁
裁決事例集№109

要旨

○ 請求人は、生命保険の代理店業を営む滞納会社(本件滞納会社)には、保険会社との代理店業務委託契約における契約上の地位を第三者に譲渡する権限はないこと、代理店手数料は請求人自らが行った業務の対価として、請求人が受け取るべきものといえることなどを理由に、本件滞納会社から請求人への代理店の変更によって、本件滞納会社から国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する利益は受けていない旨主張する。しかしながら、本件滞納会社及び請求人による保険会社に対する代理店の継承に係る承認申請等(本件申請)は、代理店としての地位を譲渡する手続を履践する目的で行われたものと認められ、本件申請から保険会社による承認までの一連の行為(本件委託先代理店変更)によって、本件滞納会社の代理店たる契約上の地位(本件契約上の地位)が請求人に譲渡された結果、請求人が代理店手数料を受領することとなったことが認められる。また、代理店手数料は、保険募集業務の遂行に基づく保険契約の獲得がなければ発生しないものである一方、保険契約の締結に至った場合には、解約等の事象が発生しない限り、保険契約者は契約期間にわたって保険料を支払うこととなるのであるから、当該保険料に係る代理店手数料は、その発生について高度の蓋然性があるということができ、本件契約上の地位には財産的価値が認められる。したがって、本件契約上の地位は、国税徴収法第39条の処分の対象たる積極財産に該当し、本件委託先代理店変更によって、請求人は、本件契約上の地位を本件滞納会社から無償で譲り受けた結果、本件契約上の地位の評価額に相当する利益を受けたといえることから、本件委託先代理店変更は、国税徴収法第39条に規定する第三者に利益を与える処分に該当するものと認められる。ただし、原処分庁が算定した納付すべき限度の額の一部については、本件契約上の地位の内容には含まれていない月分の代理店手数料等を考慮して算定されており、当該金額については納付すべき限度の額に含めることはできない。(平29.12.14 仙裁(諸)平29-2)

支部名
東京
裁決番号
平220207
裁決年月日
平成23年5月23日
裁決結果
一部取消し
争点番号
600305080
争点
3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が滞納法人から受けた利益配当(本件配当)は、有用な使途もないまま剰余金を無駄に内部留保することを避ける目的で、滞納法人が出資していたファンドの解散及びファンド関連事業の終了に伴い発生した多額の剰余金を株主に還元するため必要かつ合理的に行われたものであるから、純粋な経済的動機から行われたもので「第三者に利益を与える処分」に該当しないと主張するが、本件滞納法人が計上した売上の一部については、本件滞納法人と関係法人との業務委託契約が、関係外国法人に留保していた利益を関係内国法人に移動する手段として、その外形を整えるために作出された契約であり、代表者らは、当該利益を、いったん関係内国法人に帰属させることにより、課税させることを防ぐとともに、関係内国法人を経由して、代表者らが当初より合意していた内容の分配を実現するという枠組みを整えたものと認められる。したがって、本件滞納法人に帰属する当該利益は、関係者の合意により、当該利益を関係者間で定めた割合で分配することを前提として、本件滞納法人の預金口座に振り込まれた金員であって本件配当の原資となり得る性格の金員ではない。このように、代表者らは、当該利益を分配する意図をもって当該利益を本件滞納法人に帰属させ、上記のとおりの枠組みを作ることにより、その所得金額を圧縮し、これにより租税負担の回避という形で利益を享受することとなったものであるから、本件配当のうち当該利益の金額は、純粋な経済的動機に基づくものであると認めることはできない。したがって、本件配当のうち上記金額については、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「第三者に利益を与える処分」に該当する。(平23. 5.23 東裁(諸)平22-207)

支部名
東京
裁決番号
平210183
裁決年月日
平成22年6月21日
裁決結果
却下
争点番号
600305080
争点
3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 審査請求人は、原処分庁が、審査請求人に対し、国税徴収法第39条に基づく第二次納税義務の告知処分をしたのに対し、無償又は低額譲渡の事実はないとして、その全部の取消しを求めているが、審査請求による行政処分の取消しを求めるには、その処分が現に存在していることが必要であるところ、当審判所の調査によれば、本件告知処分は、原処分庁において既に取り消されていることが認められる。よって、本件告知処分の取消しを求める審査請求は、その対象を欠く不適法なものである。(平22. 6.21 東裁(諸)平21-183)

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支部名
熊本
裁決番号
平200004
裁決年月日
平成20年8月11日
裁決結果
一部取消し
争点番号
600305080
争点
3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
事例集登載頁
裁決事例集No.76・583ページ

要旨

○ 本件各滞納国税の滞納者であるJ、K、L及びMは、平成8年1月に、所有していた不動産を譲渡しているところ、請求人の会計担当取締役でもある滞納者Kの当審判所に対する答述内容、請求人の代表取締役V及び滞納者Mの文書回答内容からすれば、上記不動産の譲渡価額合計額○○○○円が現在請求人が所有している本件テナントビルの購入資金に充てられたと認められる。そして、請求人は、上記不動産の譲渡代金について、金額は不明であるが、相続解決金などを支払い、その残額を各滞納者から借り入れたものであると主張し、請求人の帳簿上も各滞納者からの借入金として処理されているが、その金額が極めて多額であるにもかかわらず、金銭消費貸借契約書又はそれに準じる契約書は保存されておらず、担保も設定されていない上、弁済期や利息の支払に関する取決めもないなど、極めて不自然な取引であるといわざるを得ず、また、現在においては、各滞納者からの借入額がいくらであるか不明となっており、請求人が各滞納者に弁済を行ったこともなく、各滞納者が請求人に対して弁済の督促を行ったこともないと認められることからすれば、請求人が各滞納者から借り入れたとする金員は、各滞納者が請求人貸し付けたものではなく、各滞納者が請求人に対して無償譲渡等の処分により利益を与えたと認めるのが相当である。(平20. 8.11 熊裁(諸)平20-4)

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支部名
関東信越
裁決番号
平180064
裁決年月日
平成19年4月13日
裁決結果
棄却
争点番号
600305080
争点
3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/8利益を与える処分
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は遺産分割協議に国税徴収法第39条が適用されるとしても、遺産分割協議に「詐害の意思」がある事案に限って適用されると主張する。民法第424条《詐害行為取消権》はいわゆる詐害の意思を要件としているところ、国税徴収法第39条には、滞納者の詐害の意思を要件とする旨の規定はない。そして同条は、滞納国税の法定納期限の1年前以後にされた無償譲渡等の処分を対象とするなど、時期及び対象を限定し、また、特殊関係者の場合を除き利益が現に存する限度において第二次納税義務を負うものとされ、さらに訴訟手続を要しないことなど、民法第424条とは明らかに異なる法律的構成となっている。また、国税通則法第42条《債権者代位権及び詐害行為取消権》は民法第424条を国税の徴収に関して準用する旨規定しているにもかかわらず、それとは別に国税徴収法第39条が設けられていることなどを考えれば、この制度の目的は、簡易、迅速に国税の徴収権を実現することとし、滞納者の詐害の意思を要件としない代わりに、時期、対象等を限定したものと解すべきである。そうすると、国税徴収法第39条を適用するに当たっては、滞納者がその財産につき無償譲渡等の処分をしたこと等の全ての成立要件を充足すれば当然に適用が可能であり、滞納者の詐害の意思は必要ではない。(平19. 4.13 関裁(諸)平18-64)

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