裁決要旨 1差押えの通則
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070082
- 裁決年月日
- 令和7年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、投資信託の受益権に対する差押処分(本件差押処分)に係る配当処分について、①督促は国税の徴収権の時効中断事由に該当しないとの主張を前提として、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権は、法定納期限から5年を経過し、本件差押処分時において時効により消滅していた旨、②本件差押処分は、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》(本件通達)の定めに反し、事前に催告されることなく行われており無効である旨主張する。しかしながら、①本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、時効の中断を繰り返していることから、本件差押処分時において時効により消滅していない。また、②本件通達の定めは、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないため、事前催告の有無は差押処分の違法又は無効事由にならない。(令7.12.22 東裁(諸)令7-82)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070083
- 裁決年月日
- 令和7年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法(徴収法)第47条≪差押の要件≫第1項第1号は、機械的な差押えを命じるものではなく、比例原則及び相当性の観点から適正な徴収を求めるものであるため、差押対象が居住や生活に関わる敷金返還請求権である場合は、より慎重な判断が求められるから、敷金返還請求権(本件債権)の差押処分(本件差押処分)は相当ではなく、また、日本国憲法第29条に反する財産権の不当な制約である旨主張する。しかしながら、本件債権は徴収法第5章第1節第6款≪差押禁止財産≫に規定する差押禁止財産に該当しない上、本件差押処分は、徴収法第48条≪超過差押及び無益な差押の禁止≫第1項の超過差押え又は同条第2項の無益な差押えにも該当せず、原処分庁が徴収法第47条第1項柱書及び同項第1号の規定に基づき行った本件差押処分は適法であり、また、当審判所は、国税に関する法律に基づく処分が違法であるか否かを判断する機関であって、日本国憲法に違反しているかどうかについての判断はその権限に属さないことであり、審理の限りではない。(令7.12.22 東裁(諸)令7-83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070083
- 裁決年月日
- 令和7年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401080
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/8差押調書
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った債権の差押処分(本件差押処分)について、国税徴収法(徴収法)第54条≪差押調書≫の作成及びその謄本の交付については、財産の特定、差押理由の明示及び理解可能な情報提供が必要であるところ、本件差押処分には手続的瑕疵がある旨、また、行政手続法第14条《不利益処分の理由の提示》は処分の内容及び理由について、滞納者が具体的に理解できる情報提供を求めているところ、本件差押処分に係る差押調書謄本(本件差押調書謄本)の記載は同条の規定に反し、違法である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、徴収法第54条の規定に基づき請求人に対して本件差押調書謄本を送付していることから、本件差押処分に手続的瑕疵はなく、また、本件差押調書謄本には、本件差押処分の根拠条文が記載されるとともに、滞納税金等が具体的に記載されており、本件差押調書謄本は、行政庁の判断の恣意抑制及び処分の名宛人の不服申立ての便宜という行政手続法第14条第1項本文の理由提示の趣旨を充足する程度に具体的に処分理由を明示しているものと認められることから、本件差押調書謄本の理由の提示に本件差押処分を取り消すべき違法はない。(令7.12.22 東裁(諸)令7-83)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令070001
- 裁決年月日
- 令和7年7月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.140
要旨
○ 原処分庁は、差し押さえた商品(本件商品)の販売代金に係る支払請求権(本件債権)の帰属について、①本件商品は、滞納法人(本件滞納法人)の従業員が本件債権の第三債務者(本件第三債務者)に持参して納品されたものであること、②本件第三債務者は、差押処分時に、本件債権の債権者が本件滞納法人であることを明記した「債務承認書」を提出しており、請求人とは取引をしていないとの認識があること、③本件滞納法人の一切の業務を請求人へ移管する旨(本件業務移管)のお知らせ文書について、本件第三債務者は、請求人が単に本件滞納法人から名称変更しただけであると認識したものであるから、本件第三債務者の取引の相手方が本件滞納法人であることに変わりはなく、本件債権は本件滞納法人に帰属する等主張する。しかしながら、本件第三債務者が使用するシステムは、本件債権の差押えまでには請求人に移管されていたことや、本件商品の販売代金について、請求人は総勘定元帳に計上しているが本件滞納法人の総勘定元帳には計上がないこと等からすると、本件商品の売買契約は、本件第三債務者と請求人との間で成立したと認められる。また、本件第三債務者には、売買契約の相手方について民法第95条≪錯誤≫第1項第1号に規定する錯誤があったものと認められるが、本件第三債務者は、本件滞納法人から本件業務移管の説明を受けた後も同売買契約につき同号に基づく取消しの意思表示をしておらず、納品を受けた本件商品の返品等を行っていない上、原処分庁所属の徴収職員に本件債権の全額を給付したことから、本件第三債務者において民法第125条≪法定追認≫第1号の追認をしたものと認められる。よって、上記売買契約は有効であるため、本件債権は請求人に帰属する。(令7. 7. 3 広裁(諸)令7-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060266
- 裁決年月日
- 令和7年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の滞納国税(本件滞納国税)を徴収するためにした振替株式の差押処分(本件差押処分)について、本件滞納国税の課税の経緯について原処分庁による説明責任が果たされておらず、また、先行する差押処分(本件先行差押処分)の不服申立期間内に行われたものであることから、不当な処分である旨主張する。しかしながら、請求人は本件差押処分が行われるまでの2年以上の間、原処分庁から複数回の納税の催告を受けたにもかかわらず、課税の経緯に納得していないとして、本件滞納国税について具体的な納付計画を提示せず、自主納付もしなかったことからすると、自主納付による完納の見込みがあったとはいえないから、本件差押処分を行う必要性は高かったと認められ、また、差押財産の選択に関する原処分庁の判断が特段不合理であったとも認められない。そのため、本件差押処分において、差押えの必要性、差押えの時期又は差押財産に関する選択に裁量権の逸脱又は濫用はなく、また、本件先行差押処分のみによって本件滞納国税の全額を徴収できるとはいえない状況において、併せて本件差押処分に係る振替株式を差押財産として選択した原処分庁の判断は、法や制度の趣旨及び目的に照らして特段不合理とは認められない。(令7. 6.20 東裁(諸)令6-266)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060196
- 裁決年月日
- 令和7年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納国税(本件滞納国税)を徴収するためにした不動産や債権等の差押処分(本件各差押処分)は、本件滞納国税に係る課税処分が再調査の請求によってその有効性について係争中であり、著しい現実の経済的不利益を与えるものであること、差し押さえる財産の選択に当たっては、請求人の生活の維持に与える資料が少ない財産を選択するよう配意すべきであるところ、請求人とその家族が生活する自宅の不動産の差押処分は、請求人に対して著しい現実の経済的不利益を与えるものであることから、徴収権を濫用した違法な処分である旨主張する。しかしながら、国税通則法第105条《不服申立てと国税の徴収との関係》第1項本文の規定により、本件滞納国税に係る課税処分について再調査の請求中であったとしても、滞納処分の執行は妨げられないことから、当該再調査の請求中であることを理由として差押財産の選択が制限されるわけでもないこと、また、請求人は原処分庁に対して本件滞納国税に係る納付計画を提示しておらず、原処分庁による差押財産の選択が特段不合理であるとは認められないことからすると、本件各差押処分は、差押えの必要性、差押えの時期又は差押財産の選択に関する徴収職員の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用してされたものとは認められない。したがって、本件各差押処分は徴収権を濫用した違法な処分ではない。(令7. 5. 8 東裁(諸)令6-196)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060149
- 裁決年月日
- 令和7年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401033
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/3動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.138
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った国税徴収法第58条《第三者が占有する動産等の差押手続》第2項の規定に基づく動産(本件動産)の引渡命令処分(本件処分)について、本件動産は、請求人が寄託契約に基づき参加人から寄託を受けて保管していることからすると、参加人の所有財産である可能性がある旨主張する。しかしながら、本件動産は、滞納者が取引先から取得したと認められ、その後、滞納者が本件処分までの間に、参加人を含む第三者に所有権を移転したとは認められないから、本件処分時において、本件動産は、本件処分時において滞納者の所有財産であったと認められる。(令7. 3.17 東裁(諸)令6-149)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060036
- 裁決年月日
- 令和7年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った請求人の有する債権の差押処分(本件差押処分)に係る各滞納国税等(本件各滞納国税等)について、①本件各滞納国税等に係る一件別徴収カードの記録を根拠として、本件各滞納国税等に係る期限後申告書の提出、無申告加算税の賦課決定通知書の送達及び督促状の送達があったことにはならないこと、②納付誓約書及び債務承認書に署名及び押印した認識がないことから、本件差押処分当時、本件各滞納国税等の徴収権の消滅時効が中断していたことには疑義がある旨主張する。しかしながら、①一件別徴収カードは、債権管理のための基礎帳票として使用されるものであり、職員が職務上、申告書の提出日、納期限、収納済額等を入力した上で本税及び加算税等の現在額等を管理しているものであって、誤りが混入するおそれは小さく、その記載内容は正確で信用できるところ、請求人は、原処分庁所属の徴収職員等による納付折衝や徴収手続等の中で特に異議を述べることもなく、数年にわたり本件各滞納国税等の納付を継続してきたことからすれば、請求人が期限後申告書を提出し、賦課決定通知書及び督促状の送達を受けたと認められ、②納付誓約書及び債務承認書の記載内容からすれば、請求人が本件各滞納国税等の内容を認識した上で自ら署名及び押印したことが認められるから、本件各滞納国税等の徴収権の消滅時効は本件差押処分時に完成しておらず、本件差押処分は適法である。(令7. 3. 4 関裁(諸)令6-36)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令060011
- 裁決年月日
- 令和7年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.138
要旨
○ 請求人は、原処分庁による債権(本件債権)の差押処分時には、本件債権が第三者に帰属しているから、当該差押処分(本件差押処分)は無効である旨主張する。しかしながら、審査請求が違法又は不当な処分によって侵害された不服申立人の権利利益の救済を図るものであることからすれば、不服申立人は、自己の権利又は法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由として取消しを求めることができないと解するのが相当である。これを本件についてみると、仮に本件債権が第三者に帰属するという請求人の主張する事実が存在したとしても、本件差押処分によって不利益を受けるのは当該第三者であって請求人ではなく、請求人がかかる事実を違法事由として主張することは、自己の法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由とするものであるから、請求人の主張は審査請求の理由として取消しを求めることができないものである。(令7. 1.24 札裁(諸)令6-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060042
- 裁決年月日
- 令和6年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.137
要旨
○ 請求人は、①民法第885条《相続財産に関する費用》本文の「費用」には相続財産管理人(管理人)の報酬や立替経費が含まれ、管理人が同法第929条《公告期間満了後の弁済》ただし書の「優先権を有する債権者」に該当すること、②相続財産の清算手続は破産手続に類似し、国税徴収法(徴収法)第9条《強制換価手続の費用の優先》の準用又は類推適用により、管理人の報酬債権が国税に優先するとした上で、管理人の予定報酬額は、管理人名義預金口座(本件預金口座)の残高を上回ることから、本件預金口座の残高の一部の払戻請求権を差し押さえた(本件差押処分)ことは、無益な差押えに当たり徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第2項に反する旨主張する。しかしながら、①相続財産法人に対する債権者は、相続財産法人について管理人による清算が行われている場合であっても、強制執行や滞納処分を行うことが妨げられないところ 、滞納処分においては、徴収法第8条《国税優先の原則》により、徴収法第2章《国税と他の債権との調整》に別段の定めがある場合を除き国税は他の債権に優先すると規定されているのであるから、上記民法の規定は管理人の報酬が国税に優先することの根拠となるものではなく、②破産手続では国税債権者は滞納処分の執行が制限される一方で破産管財人に交付要求手続を行うことで破産財団から随時弁済や配当を受けることができるのに対し、相続財産の清算手続では、滞納処分の執行は制限されないことや、相続財産をもって相続債権者等に対する債務を完済することができないと認めるときには管理人は破産手続開始の申立てができることに鑑みれば、管理人による清算手続は、破産手続とその性質を異にするものであって、強制換価手続に相当するものとはいえないから、徴収法第9条は準用又は類推適用されない。したがって、管理人の報酬債権は国税に優先せず、他に被差押債権につき国税に優先する債権は確認できなかったから、本件差押処分は無益な差押えに該当しない。(令6.10. 4 東裁(諸)令6-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060021
- 裁決年月日
- 令和6年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式に対する各差押処分(本件各差押処分)に係る配当処分(本件配当処分)について、本件各差押処分に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押処分から本件各差押処分までの間に、時効中断措置がとられておらず、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権は、本件各差押処分時において会計法の定める消滅時効期間である5年を経過し、時効により消滅していたから、その後の処分である本件配当処分は成立し得ない無効な処分である旨主張する。しかしながら、本件滞納国税の徴収権は、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)等の規定による時効の中断を繰り返しており、本件各差押処分時において時効により消滅していない。また、本件配当処分は、国税徴収法第129条《配当の原則》第1項、同法131条《配当計算書》、同法132条《換価代金等の交付期日》及び国税徴収法施行令第49条《配当計算書の記載事項等》所定の要件を充足している。(令6. 8.27 東裁(諸)令6-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050046
- 裁決年月日
- 令和6年5月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401010
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/1滞納国税の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした差押処分(本件差押処分)に係る相続税の滞納国税(本件滞納国税)について、所轄税務署長が行った当初申告分並びに修正申告分の各延納許可(本件各延納許可)及び各延納条件変更許可(本件各変更許可)には担保不足等の瑕疵があるから効力は生じておらず、また、その後にされた各延納許可取消処分、各督促処分(本件各督促処分)及び担保の処分のための差押処分(本件担保物処分の差押え)について、その通知書等が請求人の生活の本拠ではない住所地(本件住所地)へ送達されており、請求人の住所には送達されていないことなどから、本件滞納国税の徴収権は時効により消滅しており、本件差押処分の対象となった本件滞納国税の全部が存在しない旨主張する。しかしながら、本件各延納許可及び本件各変更許可において、原処分庁はその手続に誤りがあったことを自認しているものの、その誤りが重大かつ明白な瑕疵に該当するとまではいえないから、本件各延納許可及び本件各変更許可はいずれもその効力が生じている。また、請求人は、本件滞納国税に係る申告書等の住所欄にいずれも本件住所地を記載しているほか、請求人が本件住所地以外に住所を有して居住していたことを示す明確な事実は認められないことからすれば、本件住所地は、国税通則法第12条≪書類の送達≫第1項に規定する「住所又は居所」にあたるというべきであり、延納許可取消処分等に係る通知書等は、請求人へ送達されたと認めるのが相当である。したがって、本件各延納許可及び本件各変更許可の効力は、いずれも生じており、また、本件各督促処分及び本件担保物処分の差押えも有効であるから、本件滞納国税の徴収権の消滅時効はいまだ完成しておらず、本件差押処分に係る本件滞納国税は、その全部が存在している。(令6. 5. 7 大裁(諸)令5-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050082
- 裁決年月日
- 令和6年3月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、投資信託の受益権に対する差押処分(本件差押処分)に係る配当処分について、本件差押処分に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えが、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》(本件通達)の定めに反し、事前に催告されることなく行われたことから無効であり、時効中断の効力は生じていないとして、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権が本件差押処分時において時効により消滅した旨主張する。しかしながら、本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、時効の中断を繰り返していることから、本件差押処分時において時効により消滅していない。また、本件通達の定めは、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、事前催告の有無は差押処分の違法又は無効事由にならない。(令6. 3.21 東裁(諸)令5-82)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050083
- 裁決年月日
- 令和6年3月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした換価代金等の配当処分(本件配当処分)について、同処分に先立つ株式に対する各差押処分(本件各差押処分)が行われるまでの間、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権は、時効中断措置がとられておらず、本件各差押処分時において時効により消滅していたから、その後の処分である本件配当処分は成立し得ない無効な処分である旨主張する。しかしながら、本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、時効の中断を繰り返していることから、本件各差押処分時において時効により消滅していない。(令6. 3.21 東裁(諸)令5-83)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令050008
- 裁決年月日
- 令和6年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.134
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした公売公告処分(本件公売公告処分)に先行する差押処分(本件差押処分)について、徴収法は目的として私法秩序との調整を規定しているため、徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第2項の無益な差押えとは、差押時における対象財産の処分予定価額が滞納処分費及び優先債権額の合計額を超える見込みがない場合だけでなく、差押財産の見積価額が分割納付額に満たない場合も含むと広く解釈されるべきであり、そうすると本件差押処分は無益な差押えの禁止に反し違法であるから、これに続く本件公売公告処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、差押えの対象となる財産の価額がその差押えに係る滞納処分費及び優先債権額の合計額を超える見込みのないことが一見して明らかでない限り、直ちに当該差押えが違法となるものではないと解するのが相当であるところ、本件差押処分当時、その対象となる財産の処分予定価額が滞納処分費及び優先債権額の合計額を超える見込みのないことが一見して明らかではないことから、本件差押処分に無益な差押えの禁止に反する違法はない。 (令6. 3.11 仙裁(諸)令5-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050067
- 裁決年月日
- 令和6年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が各滞納会社(本件各滞納会社)に対して行った各差押処分に係る各預金債権(本件各預金債権)について、取引先が請求人の取引代金を間違えて本件各滞納会社名義の各預金口座(本件各預金口座)へ振り込んでしまったこと及び本件各滞納会社は既に解散した法人で事業活動は行っていないことから、本件各預金債権の全てが間違い振込みによって構成されるとして、本件各預金債権は請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、振込依頼人から受取人の銀行の預金口座に振込みがあったときは、振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在するか否かにかかわらず、受取人と銀行との間に振込金額相当の預金契約が成立し、受取人が銀行に対して当該振込金額相当の預金債権を取得するものと解するのが相当である。そうすると、仮に請求人の主張する取引先による振込先の誤り等があったとしても、振込依頼人から本件各預金口座に振り込まれた以上、受取人である本件各滞納会社と各銀行との間に振込金額相当の普通預金契約又は当座預金契約がそれぞれ成立し、受取人である本件各滞納会社が各銀行に対して当該振込金額相当の預金債権を取得することとなる。(令6. 2.16 東裁(諸)令5-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050037
- 裁決年月日
- 令和5年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた株式(本件差押株式)の価額は滞納国税(本件滞納国税)の2倍を超える額であるため、当該差押処分(本件差押処分)は、国税徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第1項に規定する超過差押えに当たる旨主張する。しかしながら、差押処分時に差押財産の換価額を正確に予測することは困難であり、差押財産が換価されるまでに延滞税が加算され、滞納国税の額が増加する場合があるのみならず、滞納処分費を要する場合もあること等に鑑みると、滞納者の財産を差し押さえる場合、どの財産をどの範囲で差し押さえるかは、徴収職員の合理的な裁量に委ねられていると解されるから、差押財産の価額が滞納国税の額を超過した場合においても、直ちにその差押えが超過差押えとして違法となるものではなく、滞納国税の額に比較して差押財産の価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であると認められる特段の事情がある場合に初めて違法となると解するのが相当である。そして、本件差押株式の見積価額は、本件滞納国税の額を超えてはいるものの、滞納国税の額に比較して、その見積価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であると認められる特段の事情があるとは認めることはできないから、本件差押処分は超過差押えには当たらない。(令5.11. 1 東裁(諸)令5-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050016
- 裁決年月日
- 令和5年9月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各株式の差押え(本件各差押処分)に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えが、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》(本件通達)の定めに反し、事前に催告されることなく行われたため無効であり、時効中断の効力は生じていないから、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権は本件各差押処分時において時効により消滅しており、同処分に基づく配当処分は成立し得ない無効な処分である旨主張する。しかしながら、本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、時効の中断を繰り返しており、本件各差押処分時において時効により消滅していたとは認められない。また、本件通達は、督促から相当期間経過して差押えを行う場合、望ましい行政措置として滞納者に事前に納付の催告をする旨を定めたものと解されるところ、普通預金の払戻請求権等の差押え前に「未納国税の納付について」と題する書面が請求人へ送付されており、本件通達の定めによる催告がされていたと認められることから、請求人の主張はその前提を欠いている。(令5. 9.13 東裁(諸)令5-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040050
- 裁決年月日
- 令和5年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした差押処分(本件差押処分)について、本件差押処分に係る相続税(本件滞納国税)は、原処分庁によって瑕疵ある延納許可(本件延納許可)及び延納条件変更許可(本件変更許可)が行われたために、請求人が上記延納に係る担保不動産の価値減少分を負担したことなどによって生じたものであること、また、本件差押処分は納付誓約書どおりの納付を履行していたにもかかわらず行われたのであるから、徴収権を濫用した違法な処分である旨主張する。しかしながら、本件延納許可及び本件変更許可に本件滞納国税の存在に影響を与えるような瑕疵は認められず、また、原処分庁は、請求人が新たに滞納を発生させる一方で本件滞納国税を完納させる具体的な納付計画を立てることがない状況であったことから、本件差押処分に至ったことが認められる。そうすると、本件差押処分に関する徴収職員の判断が、事実の基礎を欠くか又は社会通念上著しく妥当性を欠き、差押財産の選択又は差押えの時期に関する徴収職員の裁量権の範囲を逸脱し又は濫用してされたとは認められず、当該判断が法の趣旨及び目的に反して不合理であるとも認められないため、本件差押処分は徴収権を濫用した違法な処分であるとはいえない。(令5. 3.28 大裁(諸)令4-50)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040050
- 裁決年月日
- 令和5年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401010
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/1滞納国税の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした差押処分(本件差押処分)について、請求人に対して本件差押処分に係る相続税(本件滞納国税)の各延納許可取消処分など(本件各延納許可取消処分)の通知がされていないか、仮に通知がされていたとしても請求人の生活の本拠ではない住所地(本件住所地)へ通知書が送達されていることなどから、本件差押処分時において、本件滞納国税は存在しない旨主張する。しかしながら、原処分庁の職員が、本件各延納許可取消処分に係る決議書に文書番号及び文書日付を記載しておきながら、通知書を発送しないことは通常考え難く、また、請求人は、本件滞納国税に係る申告書、延納申請書及び延納許可取消処分に係る弁明聴取書の住所欄にいずれも本件住所地を記載して提出していることに加え、原処分庁が本件住所地以外の請求人の住所又は居所を把握した事実は認められないことからすれば、本件住所地は、国税通則法第12条《書類の送達》第1項に規定する「住所又は居所」にあたるというべきであり、本件各延納許可取消処分はいずれも請求人に対して送達されたと認めるのが相当である。したがって、本件各延納許可取消処分の効力はいずれも生じていると認められるから、本件差押処分時において、本件滞納国税は存在している。(令5. 3.28 大裁(諸)令4-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040106
- 裁決年月日
- 令和5年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、投資信託の受益権に対する差押処分(本件差押処分)に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えは、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》(本件通達)の定めによる事前の催告を欠いているため、本件通達及び民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)第153条《催告》の規定に反して無効であり、時効中断の効力は生じていないので、請求人の滞納国税の徴収権は本件差押処分時において時効により消滅した旨主張する。しかしながら、本件通達の定めは、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、事前催告の有無は差押処分の違法又は無効事由にならない。また、民法第153条は、催告は、6月以内に裁判上の請求、差押え等の措置を講じなければ、当該催告に時効中断の効力が生じない旨の規定であり、督促後6月以内に差押えをしなければ時効中断の効力が生じない旨を規定したものではない。(令5. 3.27 東裁(諸)令4-106)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040038
- 裁決年月日
- 令和5年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした不動産(本件不動産)の差押処分(本件差押処分)は、第三者である請求人の母が居住する建物を対象とするもので、同人の生存権を侵害しており、憲法違反であるほか、国税徴収法基本通達第47条関係17に定める第三者の利益を害することが少ない財産であることとの点への配慮を欠く処分であるから、本件差押処分には、差押財産の選択につき裁量権の逸脱又は濫用がある旨主張する。しかしながら、差押財産の選択については、国税徴収法の各規定の制限の範囲内において、徴収職員の合理的な裁量に委ねられていると解されるところ、原処分庁は、本件差押処分の時点において、本件不動産以外に請求人の滞納国税を徴収できる他の財産を発見しておらず、また、本件不動産について第三者が有する権利を害するような事情があったとも認められない。さらに、本件不動産が国税徴収法の規定する差押禁止財産等に該当せず、原処分庁が請求人に対して本件不動産の差押処分を行う旨説明していることからすれば、本件差押処分は、事実の基礎を欠くか又は社会通念上著しく妥当性を欠き、差押財産の選択又は差押えの時期に関する裁量権の範囲を逸脱し又は濫用してされたとは認められない。また、請求人は、本件差押処分が憲法違反である旨主張するが、当審判所は、国税に関する法律に基づく処分が違法又は不当なものであるか否かを判断する機関であって、取消しを求める対象の処分が憲法に違反しているかどうかについての判断は、当審判所の権限に属さないことであり、審理の限りでない。(令5. 3.13 大裁(諸)令4-38)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040038
- 裁決年月日
- 令和5年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った不動産(本件不動産)の差押処分(本件差押処分)について、その四方を他の土地に囲まれ、路面に面していないため、実質的には換価が困難な不動産であり、国税徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》に規定する無益な差押えに該当する旨主張する。しかしながら、本件不動産は、処分予定価額が成立する一方で、本件差押処分時点において、滞納処分費も優先債権等も存在せず、差し押さえようとする財産の処分予定価額がその差押えに係る滞納処分費及び優先債権等の金額の合計額を超える見込みのないことが一見して明らかとはいえない。また、本件不動産は接道しており、請求人の主張はその前提を欠くものである。したがって、本件差押処分は、無益な差押えに該当しない。(令5. 3.13 大裁(諸)令4-38)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040010
- 裁決年月日
- 令和5年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人が滞納者(本件滞納者)と共同で所有する不動産の滞納者持分(本件持分)の差押処分(本件差押処分)を行ったことに対し、本件差押処分より前に、本件滞納者等を被告として、本件持分の帰属を争う訴訟(本件訴訟)を提起しており、本件訴訟は現在も係属していることから、本件差押処分の時点において、本件持分が本件滞納者に帰属するとはいえず、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、登記はその記載事項につき事実上の推定力を有するから、登記事項は反証のない限り真実であると推定すべきであるところ、本件訴訟が係属中であり、司法機関の最終判断が下されていないとの事情は、事実上の推定を覆す反証とはならず、本件持分は、本件差押処分の時点で、本件滞納者に帰属する財産であったと認められる。(令5. 2.21 名裁(諸)令4-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040012
- 裁決年月日
- 令和4年10月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401010
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/1滞納国税の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産の各差押処分(本件各差押処分)に係る滞納国税の基因となった所得税等(本件所得税等)の申告に関し、離婚の際に行った株式の譲渡において金銭の授受がなかったにもかかわらず譲渡所得が生じることに納得がいかないから、本件各差押処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、差押処分は、既に確定した租税債権の履行を強制的に実現することを目的として行われる滞納処分手続であるから、徴収すべき滞納国税が存在している以上、差押処分それ自体に瑕疵がない限り違法となるものではないところ、本件各差押処分は、その処分時に本件所得税等が徴収すべき滞納国税として存在していたほか、国税徴収法第47条《差押の要件》第1項第1号所定の要件を充足していることが認められる。そして、請求人が主張する事情は、本件各差押処分それ自体の瑕疵に当たらないことは明らかである。(令4.10. 5 関裁(諸)令4-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030123
- 裁決年月日
- 令和4年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式に対する各差押処分(本件各差押処分)に係る配当処分について、本件各差押処分に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えが、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》の定めに反し、事前に催告されることなく行われたことから無効であり、時効中断の効力は生じていないとして、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権が本件各差押処分時において時効により消滅した旨主張する。しかしながら、国税徴収法基本通達第47条関係18の定めは、督促から相当期間経過して差押えを行うときは、滞納者に事前に納付の催告をすることが望ましいことを考慮し、行政措置として滞納者に対し事前に催告した後差押えを行うこととするのが適当であるとして、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、事前催告がなかったとしても当該差押えが違法、無効となるものではない。また、本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、納付等により時効の中断を繰り返していることから、本件各差押処分時において時効により消滅していない。(令4. 6. 7 東裁(諸)令3-123)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令030011
- 裁決年月日
- 令和4年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った債権(本件債権)の差押処分(本件差押処分)について、①先行の差押処分が違法であること、②第三債務者の所在地が原処分庁の管轄区域外であるにもかかわらず、国税徴収法第182条《税務署長又は国税局長による滞納処分の執行》第2項に規定する滞納処分の引継ぎをすることなく行われていること、③差押調書謄本に記載された本件債権の表示が事実と異なること等から違法である旨主張する。しかしながら、①本件差押処分に先立つ差押処分が適法であることは、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおりであり、その後、同処分が権限ある機関によって取り消された事実はなく、当審判所の調査によっても、適法であるとの判断を左右する事実は認められないこと、②国税通則法第43条《国税の徴収の所轄庁》第1項は、国税の徴収は、その徴収に係る処分の際におけるその国税の納税地を所轄する税務署長が行う旨規定しているところ、請求人の所得税等の納税地を所轄しているのは原処分庁であるから、原処分庁の管轄区域外に第三債務者が所在していたとしても、当該第三債務者の有する債権を差し押さえることができること、③本件債権の表示は、国税徴収法施行令第27条《債権差押通知書の記載事項》に規定する要件を充足し、第三債務者が確知できる程度に記載されていること等からすれば、本件差押処分に違法はない。(令4. 6. 2 広裁(諸)令3-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030064
- 裁決年月日
- 令和4年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が納税者(本件滞納法人)の滞納国税を徴収するためにした、賃貸借契約(本件賃貸借契約)に基づく敷金(本件敷金)の返還請求権(本件敷金返還請求権)に係る差押処分(本件差押処分)について、以前請求人が本件賃貸借契約と同一の不動産に係る賃貸借契約(前賃貸借契約)を締結した際に預託した敷金をそのまま本件敷金としたにすぎず、本件敷金返還請求権が実体的には請求人に帰属することから、違法である旨主張する。しかしながら、敷金に関する法律関係は賃貸借契約に付随従属することから、当該賃貸借契約が契約書によって行われている場合には、当該契約書の名義人が敷金に関する法律関係の当事者として当該賃貸借契約を締結したものと認められ、敷金返還請求権は、契約書の記載にかかわらず当該契約書の名義人以外の者を当事者と認めるに足りる特段の事情がない限り、当該名義人である賃借人に帰属すると解するのが相当である。そして、本件敷金に関する取決めは、本件賃貸借契約において定められており、請求人が前賃貸借契約に基づく敷金として差し入れた金員は、精算されることなく本件敷金として本件滞納法人に承継されていることから、本件賃貸借契約に係る契約書(本件賃貸借契約書)の名義人である本件滞納法人が本件敷金に関する法律関係の当事者として本件賃貸借契約を締結したものと認められる。また、本件賃貸借契約書の記載にかかわらず請求人を本件賃貸借契約の当事者と認めるに足りる特段の事情は認められない。したがって、本件賃貸借契約の当事者であり、それに付随従属する本件敷金に関する法律関係の当事者は、本件滞納法人であり、本件敷金返還請求権は、本件差押処分の時点において、本件滞納法人に帰属していたものと認められることから、本件差押処分は適法である。(令4. 2.18 東裁(諸)令3-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030043
- 裁決年月日
- 令和3年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式に対する各差押処分(本件各差押処分)に係る配当処分について、本件各差押処分に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えが、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》の定めに反し、事前に催告されることなく行われたことから無効であり、時効中断の効力は生じていないとして、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権が本件各差押処分時において時効により消滅した旨主張する。しかしながら、国税徴収法基本通達第47条関係18の定めは、督促から相当期間経過して差押えを行うときは、滞納者に事前の納付の催告をすることが望ましいことを考慮し、行政措置として滞納者に対し事前に催告した後差押えを行うこととするのが適当であるとして、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、事前催告がなかったとしても当該差押えが違法、無効となるものではない。また、本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、納付等により時効の中断を繰り返していることから、本件各差押処分時において時効により消滅していない。(令3.12.16 東裁(諸)令3-43)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令020015
- 裁決年月日
- 令和3年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った債権差押処分に関する手続について、①当該差押処分に係る第三債務者との間に雇用契約は存在せず、非常勤の勤務で、賃金は日払が原則であることから、国税徴収法第66条《継続的な収入に対する差押の効力》が規定する継続収入の債権とみなす判断は誤りであること、②請求人が当該差押処分に係る差押調書謄本を受領するより前に、当該差押処分に係る債権差押通知書が第三債務者の事務所に差し置かれたこと、③当該差押処分に係る差押調書における督促年月日の記載に誤記があること等から、違法がある旨主張する。しかしながら、①国税徴収法第66条の適用を受ける債権は、給料、年金のほか、俸給、歳費、恩給、賃貸料、社会保険制度に基づく診療報酬債権等、同一の継続的関係に基づいて発生する債権と解されるところ、請求人が第三債務者に対して有する請求権は、同一の継続的関係に基づいて発生する債権として同条に規定する継続収入の債権に該当すること、②債権の差押えにおける差押調書謄本の交付は、差押えの効力発生要件ではなく、滞納者に対して債権差押えを行った事実を知らせるものであり、国税徴収法は、債権の差押えの手続において、第三債務者に差押通知書を送達するよりも前に滞納者に対して差押調書謄本を送達することを義務付けてはいないこと、③督促年月日は、国税徴収法施行令第21条《差押調書の記載事項》第1項各号に規定する差押調書の記載事項ではなく、差押調書における督促年月日の記載に誤記があったとしても、直ちに差押処分の取消事由とはならないこと等から、当該差押処分に関する手続に違法はない。(令3. 6.29 広裁(諸)令2-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020025
- 裁決年月日
- 令和2年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401080
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/8差押調書
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、原処分庁が行った債権の差押処分(本件債権差押処分)について、当該処分に係る差押調書謄本(本件差押調書謄本)には処分理由の提示等に係る不備がある旨主張する。しかしながら、行政手続法第14条《不利益処分の理由の提示》1項本文は、不利益処分をする場合に同時にその理由を名宛人に示さなければならないとしているのは、名宛人に直接に義務を課し又はその権利を制限するという不利益処分の性質に鑑み、行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を名宛人に知らせて不服申立てに便宜を与える趣旨に出たものと解されることからすると、当該処分に付された理由が、不利益処分の根拠について、上記の趣旨を充足する程度に具体的に明示するものであれば、同項本文の要求する理由の提示として不備はないと解するのが相当である。そうすると、本件差押調書謄本には、本件債権差押処分の根拠条文が記載されるとともに、滞納国税等が具体的に記載されており、原処分庁が本件債権差押処分を行ったことは、当該記載自体によって明らかであることから、行政庁の判断の恣意抑制及び処分の名宛人の不服申立ての便宜という理由提示の趣旨目的を充足する程度に具体的に処分理由を明示しているものと認められる。したがって、本件差押調書謄本に、行政手続法第14条第1項の要求する理由提示の不備はない。(令2.12.8大裁(諸)令2-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020011
- 裁決年月日
- 令和2年8月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、各株式の差押え(本件各差押処分)に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えが、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》の定めに反し、事前に催告されることなく行われため無効であり、時効中断の効力は生じず、請求人の滞納国税の徴収権が時効消滅したことから、本件各差押処分も無効であり、同処分に基づく配当処分は成立し得ない無効な処分であると主張する。 しかしながら、国税徴収法基本通達第47条関係18の定めは、督促から相当期間経過して差押えを行うときは、滞納者に事前の納付の催告をすることが望ましいことを考慮し、行政措置として滞納者に対し事前に催告した後差押えを行うこととするのが適当であるとして、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、事前催告がなかったとしても当該差押処分が違法、無効となるものではない。そして、請求人の滞納国税の徴収権は、納付等により時効の中断を繰り返しており、消滅時効が完成していないことは、過去の差押処分に対する審査請求に対して当審判所が既に示したとおりであり、請求人の主張には理由がない。(令2.8.25東裁(諸)令2-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020005
- 裁決年月日
- 令和2年8月19日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○審査請求による行政処分の取消しを求めるには、その処分が現に存在していることが必要であるところ、当該差押処分は差押解除が行われ、既にその効力が消滅しており、取消しを求める法律上の利益を有しないことから、本審査請求は不適法なものである。また、国税徴収法第171条《滞納処分に関する不服申立て等の期限の特例》第1項第4号は、換価代金等の配当処分に関し欠陥があることを理由としてする審査請求は、換価代金等の交付期日まででなければすることができない旨規定しているところ、本審査請求は、当該期日を経過した後にされていることから、法定の不服申立期限後にされた不適法なものである。(令2.8.19大裁(諸)令2-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010070
- 裁決年月日
- 令和2年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借地権付建物(本件建物)は解体費用がかかり無価値となるから、原処分庁が本件建物について行った担保物処分の差押処分(本件差押処分)は、国税徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第2項にいう無益な差押えに該当する旨主張する。しかしながら、差押処分時において、差押えの対象となる財産の価額がその差押えに係る滞納処分費及び優先債権等の金額の合計額を超える見込みのないことが一見して明らかでない限り、直ちに当該差押えが違法となるものではないと解される。本件建物には借地権相当額を前提とする処分予定価額が成立する一方で、本件差押処分時には滞納処分費も優先債権等も存在せず、差し押さえようとする財産の処分予定価額がその差押えに係る滞納処分費及び優先債権等の金額の合計額を超える見込みのないことが一見して明らかとはいえないのであるから、本件差押処分は、無益な差押えには該当しない。(令2. 2.13 東裁(諸)令元-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010011
- 裁決年月日
- 令和元年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401033
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/3動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№116
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた動産1の所有権は、商品売買契約(本件商品売買契約)により各差押処分(本件各差押処分)時までに、滞納法人から請求人に移転している旨主張する。しかしながら、①本件商品売買契約書によって本件商品売買契約が本件各差押処分より前に成立しているとは認められないこと、②本件商品売買契約書に滞納法人の代表取締役として記名のある者は、本件商品売買契約時において滞納法人の業務について執行する権限を有していないこと、③本件商品売買契約に基づき滞納法人から請求人に対し本件各差押処分より前に動産1の引渡し(占有改定)が行われていたと認められないこと、以上から、本件商品売買契約により本件各差押処分時までに、動産1の所有権が滞納法人から請求人に移転していたとは認められない。また、請求人は、動産2は、請求人から滞納法人に販売を委託したものであるとも主張するが、この主張を認めるに足りる証拠はないことから、本件各差押処分時における、動産2の所有者は滞納法人であると認められる。(令元. 7. 8 東裁(諸)令元-11)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平300009
- 裁決年月日
- 令和元年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仮に、納税者(本件滞納者)が所有し、請求人と同居していた各不動産(本件各不動産)を請求人に所有権移転したことが無償譲渡等の処分に該当するとしても、本件所有権移転により請求人が負う第二次納税義務は、請求人が、市長が行った第二次納税義務の納付告知処分(本件地方税納付告知処分)に係る第二次納税義務を履行したことにより消滅しているのであり、原処分庁が本件各不動産及び自動車を差し押さえたこと(本件各差押処分)には取り消すべき違法がある旨主張する。しかしながら、本件滞納者の滞納地方税は、本件滞納者自身が納付したものであり、請求人が本件地方税納付告知処分に係る第二次納税義務を履行したと認めるに足る証拠はなく、当審判所の調査の結果によっても、他に本件各差押処分を違法と評価すべき事情は見当たらないから、本件各差押処分には取り消すべき違法はない。(令元. 6.18 仙裁(諸)平30-9)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平300007
- 裁決年月日
- 平成31年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は請求人が承継した共有地を差し押さえるべきであり、また、承継した相続税に係る更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分の内容について、請求人が納得できる説明をしないまま、原処分庁がした請求人が所有する不動産(本件各不動産)に係る差押処分(本件差押処分)は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、差押処分に当たり、いかなる財産を差し押さえるかについては、国税徴収法(徴収法)その他の法令には差押財産の種類又は順序について制限を設けた規定はないから、徴収法第75条《一般の差押禁止財産》ないし第78条《条件付差押禁止財産》に係る差押禁止財産に関する各規定に抵触しない範囲において、徴収職員の合理的な裁量に委ねられていると解されるところ、本件各不動産は、徴収法第75条ないし第78条に規定する差押禁止財産のいずれにも該当せず、さらに、原処分庁所属の徴収担当職員は、請求人が相続により取得し、単独で所有権を有する不動産から本件各不動産を差押財産として選択しており、その選択に合理的な裁量の範囲を逸脱し又は濫用したことをうかがわせる事情は認められない。したがって、原処分庁が本件各不動産を差し押さえたことは、本件差押処分を取り消すべき事由に該当しない。(平31. 3.18 福裁(諸)平30-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290150
- 裁決年月日
- 平成30年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押財産である各建物の敷地部分である土地について、借地権を有していることを利用して、当該土地の転売を目的に、当該土地を所有者から買い取るための交渉を各差押処分(本件各差押処分)前から行っていたところ、本件各差押処分によって、買取り交渉に支障を来しているから、本件各差押処分を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、当該土地の買取り交渉に支障を来たしていたとしても、それは、本件各差押処分に係る法令の要件に関係のない請求人の事情であって、本件各差押処分の適法性を左右するものではない。(平30. 6.22 東裁(諸)平29-150)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290040
- 裁決年月日
- 平成30年1月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人に無断で建物の所有者を請求人として行われた所有権保存登記を前提とする差押処分(本件建物差押処分)は無効である旨主張する。しかしながら、行政処分が無効となるのは、当該処分に重大かつ明白な違法がある場合であると解されるところ、本件建物差押処分に重大かつ明白な違法があると認めるに足りる証拠はなく、本件建物差押処分が無効であるとは認められない。(平30. 1. 9 大裁(諸)平29-40)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290057
- 裁決年月日
- 平成29年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人の滞納国税(本件滞納国税)を徴収するため金銭及び債権の差押処分(本件各差押処分)をしたのに対し、本件各差押処分は、①過去の違法な差押処分により請求人の経営を危機に陥れたことで生じた本件滞納国税に対してされた違法な処分である、②請求人の代表者妻が居住する公団住宅に原処分庁所属の徴収職員が正当な理由がなく侵入したことから、その手続に瑕疵があり違法な処分である旨主張する。しかしながら、請求人の①の主張は、本件各債権差押処分の適法性を左右するものではなく、また、②の主張については、原処分庁所属の徴収職員は、代表者妻から玄関口のインターホンを介して代表者は居住していない旨を告げられ、住居内に入ることなく退去しているところ、これは国税徴収法第141条≪質問及び検査≫に基づく行為として相当であるから、請求人の主張には理由がない。(平29.12. 1 東裁(諸)平29-57)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290025
- 裁決年月日
- 平成29年10月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401033
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/3動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№109
要旨
○ 原処分庁は、請求人と滞納法人との間で締結された合意書(本件合意書)には、建物(本件建物)の占有移転に係る記載はあるが、本件建物内にある動産(本件動産)の占有移転に係る記載はなく、本件動産に対する差押処分(本件差押処分)時に、本件動産が請求人の所有物であることを第三者が知り得るような明示もされていないから、本件動産に係る占有改定の合意があったとはいえない上、本件建物の賃貸人は滞納法人が本件建物の賃借人であると認識していたことからしても、請求人は本件動産の引渡しを受けていない旨主張する。しかしながら、そもそも動産の引渡しには第三者が知り得るような明示が必要であるとする民法の条文や判例は見当たらないところ、請求人と滞納法人は、関係者への影響を最小限にすべく、事業の承継に必要な本件建物と本件動産を滞納法人から滞りなく請求人に承継させることを企図していたことからすると、請求人と滞納法人が、この企図に反して本件動産のみの占有を移転しないことは考えられず、たとえ、本件合意書にそのことが明示的に記載されていなくとも、本件建物の占有の移転だけでなく、本件建物内に存する本件動産の占有の移転にも合意するとともに、本件動産が現実に引き渡されるまでは本件動産を請求人のために占有することに合意したものと解するべきであり、さらに本件動産の引渡し(占有改定)は、請求人及び滞納法人間でできるものであって、上記認定が賃貸人の認識により左右されるものではないことからしても、請求人は、本件差押処分の前に、占有改定により本件動産の引渡しを受けているといえるから、原処分庁の主張は採用できない。したがって、本件差押処分は、滞納法人に帰属しない財産に対してなされた違法な処分である。(平29.10.18 大裁(諸)平29-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280023
- 裁決年月日
- 平成29年1月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした差押処分(本件差押処分)に係る不動産(本件不動産)の価額が滞納国税(本件滞納国税)の額に比して著しく高額であり、本件差押処分は国税徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第1項に規定する超過差押えに当たる旨主張する。しかしながら、どの財産をどの範囲で差し押さえるかは、徴収職員の合理的な裁量に委ねられていると解され、被差押財産の価額が、滞納国税の額を超過した場合においても直ちに超過差押えとして違法となるものではなく、滞納国税の額に比較して合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であると認められる特段の事情がある場合に初めて違法となると解するのが相当である。本件差押処分については、本件差押処分の時点における本件不動産の価額について公売の特殊性を考慮した減価を行い、ここから本件滞納国税に優先する被担保債権(本件被担保債権)の額を控除した価額(本件価額)が滞納国税の額を超過しておらず、また、本件被担保債権の額が本件不動産を構成する個々の土地の価額を上回り、本件不動産を構成する個々の土地のいずれかの差押えを欠く場合には本件滞納国税の徴収の目的を果たすことができないこととなることからすれば、徴収職員の合理的な裁量の範囲を超え本件価額が著しく高額であると認められる特段の事情は認められない。(平29. 1.18 関裁(諸)平28-23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280021
- 裁決年月日
- 平成28年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押予告通知書の指定日に滞納国税について相談をしたにもかかわらず、相談内容を考慮することなく、その翌日に差押処分を行ったことは、職権を濫用したものであり、徴収権の濫用である旨主張する。しかしながら、徴収職員は、国税徴収法第47条《差押の要件》第1項の規定に基づき、差押処分を行う権限を有するとともに、義務を負っているところ、滞納者の財産をいつ差し押さえるかについての規定を置いていないことからすると、差押処分をする時期については、これを行う徴収職員の合理的な裁量に委ねられているものと解され、差押処分を行った直後に滞納国税が完納されることが確実であったなどの特段の事情がない限り、当該差押処分を不当ということもできないと解するのが相当であるから、差押処分を行ったのが、滞納国税について相談をした翌日であったからといって、かかる事情をもって、直ちに本件各差押処分が違法又は不当であったということはできない。また、請求人の上記の相談の内容が、指定日の直後ではない月末までに納税資金を集めて滞納国税を納付する旨伝えたというものにすぎず、当審判所の調査の結果によっても、本件各差押処分の直後に本件滞納国税が完納されることが確実であったなどの特段の事情があったとは認めることはできないから、請求人の主張には理由がない。(平28.12.19 関裁(諸)平28-21)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280010
- 裁決年月日
- 平成28年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が有する不動産の共有持分(本件各不動産)の差押処分(本件差押処分)は、当該不動産についての共有物分割を請求する訴訟が係属しており、当該不動産のうちいずれを取得するかが決まっていないから、当該未確定の共有持分について行われた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、遺留分減殺請求事件の判決の確定によって、請求人が本件各不動産を取得し、その後、本件差押処分の効力が生じた日までの間に、請求人が本件各不動産を処分したなどの事情は見当たらないから、本件各不動産は、本件差押処分の時点において、請求人の財産であると認められ、また、共有物について、その分割を請求する訴訟が係属していたとしても、分割がされるまでの間は、それぞれの共有者が共有持分を有していることに変わりはないから、本件各不動産に対する差押処分が違法となることはない。(平28.10. 4 関裁(諸)平28-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平280005
- 裁決年月日
- 平成28年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納者(本件滞納者)を所有名義人とする不動産(本件不動産)を差し押さえ(本件差押処分)、これを前提とする公売公告処分(本件公売公告処分)をしたのに対し、本件不動産は請求人の財産であり、本件差押処分は要件を充足していないから、これを前提とする本件公売公告処分は違法である旨主張する。しかしながら、登記はその記載事項につき事実上の推定力を有するから、登記事項は反証のない限り真実であると推定すべきであるところ、本件滞納者に対する所有権移転登記等がされ、その後本件差押処分までの間に本件不動産の所有権に関する登記はされていないことから、本件差押処分の時点における本件不動産の所有者は本件滞納者であると推定されるところである。この点、請求人は、請求人名義では住宅ローンの融資を受けられなかったために本件不動産の登記上の名義人を本件滞納者としたにすぎない旨を主張するが、請求人が本件不動産の購入資金等を負担した部分があったとしても、本件不動産の帰属に直接関係するものではない。また、本件滞納者との間で請求人が本件不動産の所有権を取得したことを確認したものとする公正証書は、事後的に作成されたものであり、これによって請求人が本件不動産の所有権を取得したともいえない。以上によれば、上記推定に対する反証がされているとはいえず、本件不動産は、本件差押処分の時点で本件滞納者の財産であると認められる。(平28. 9. 1 名裁(諸)平28-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270144
- 裁決年月日
- 平成28年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした差押処分(本件差押処分)に係る各不動産(本件各不動産)の処分予定価額は、本件差押処分に係る滞納処分費の見込額及び滞納国税に優先する被担保債権額の合計額を超える見込みがないから、本件差押処分は、国税徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第2項にいう無益な差押えに該当する旨主張する。しかしながら、同項にいう無益な差押えに該当するか否かは、差押処分時において、その財産の処分予定価額がその差押えに係る滞納処分費及び優先債権の金額の合計額を超える見込みのないことが一見して明らかでない限り、直ちに当該差押えが同項にいう無益な差押えに該当するとして違法となるものではないと解されるところ、原処分庁が算定した本件各不動産の処分予定価額は、その評価方法、前提条件及び計算過程に不合理な点はなく、時価を基準に公売の特殊性を妥当な範囲で考慮して算定された適正な価額であるということができ、その価額は本件差押処分に係る滞納処分費及び優先債権の金額の合計額を超えるものであるから、本件差押処分は、国税徴収法第48条第2項にいう無益な差押えに該当しない。(平28. 6. 7 東裁(諸)平27-144)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平270007
- 裁決年月日
- 平成28年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために差し押さえた株式(本件株式)については、本件株式に係る株券(本件株券)の交付とともに本件滞納者から請求人に譲渡されており、請求人に帰属する本件株式の差押え(本件差押え)は違法である旨主張する。しかしながら、上場会社の株式である本件株式は、平成21年のいわゆる株券電子化の実施によって、その権利の帰属は振替口座簿の記載又は記録により定まるとされ(社債、株式等の振替に関する法律第128条第1項)、本件株券の効力は失われており、本件滞納者名義の特別口座の振替口座簿に記録された本件株式は本件滞納者に帰属するものと認められるから、本件差押えは適法である。(平28. 3.18 金裁(諸)平27-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270077
- 裁決年月日
- 平成28年1月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の滞納国税を徴収するために行った差押処分(本件差押処分)につき、本件差押処分に係る二つの被差押債権の価額は、(それ一つでも)差押えに係る国税の額に比べ著しく超過しているから、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件各債権については本件差押処分に先行する差押処分(本件先行差押処分)がされているところ、本件先行差押処分に係る国税は本件各債権の額を上回っていることからすれば、原処分庁の徴収職員は本件各債権をいずれも差し押さえる必要があったと認められる。(平28. 1.12 東裁(諸)平27-77)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270030
- 裁決年月日
- 平成27年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401039
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人甲及び請求人乙(請求人ら)は、請求人甲の信用組合(本件信組)に対する出資持分(本件出資持分)は、請求人甲が新設分割により請求人乙を設立した際に、請求人甲から請求人乙に一般承継(本件承継)されているから、原処分庁が本件出資持分を請求人甲に帰属する財産としてした差押処分(本件差押処分)は違法である旨主張する。しかしながら、中小企業等協同組合法(中協法)第17条《持分の譲渡》第1項の趣旨に鑑み、新設分割による組合員持分の承継に係る対抗要件として、組合の承諾を要するものと解したときには、本件承継につき本件信組の承諾がされたものとは認められないから、請求人乙は対抗要件を具備していない。また、中協法第10条の2《組合員名簿の作成、備置き及び閲覧》の趣旨に鑑み、新設分割による組合員持分の承継に係る対抗要件として、組合員名簿に記載・記録することを要するものと解したとしても、組合員名簿上も記載はされていないから、請求人乙は対抗要件を具備していない。したがって、本件出資持分は、請求人甲に帰属する財産であり、本件差押処分は適法である。(平27.12. 4 大裁(諸)平27-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成27年8月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第51条《相続があった場合の差押》第1項が「被相続人の国税につきその相続人の財産を差し押える場合には、まず相続財産を差し押えるよう努めなければならない」と規定しているにもかかわらず、原処分庁は、相続財産を差し押さえず、所得税等の還付金を請求人が負っていた連帯納付義務に充当したことは徴収権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、国税徴収法第51条第1項は、被相続人の納付義務を相続により承継した相続人に対して、被相続人の滞納国税に関して差押えを行う場合の規定であって、連帯納付責任額の徴収手続に同項が類推適用ないし準用されるとは解されず、連帯納付義務者に対する徴収に当たって、差押えの対象となる財産は相続財産に限定されることもない。(平27. 8.17 大裁(法・諸)平27-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260066
- 裁決年月日
- 平成27年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、請求人の納付すべき相続税(本件相続税)の納税義務額のうち、各物納許可額との差額(本件滞納国税)を徴収するために行った債権の差押処分(本件差押処分)に対し、請求人は、本件相続税に係る課税価格より低い金額を収納価額とした各物納許可処分(本件物納許可処分)は、相続税法第43条《物納財産の収納価額等》第1項本文の解釈を誤った重大かつ明白な瑕疵があり無効であり、物納財産が全て収納された時点で本件滞納国税はなく、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、行政処分が無効となるのは当該処分に重大かつ明白な瑕疵がある場合に限られるものと解されるところ、本件物納許可処分に無効とすべき重大かつ明白な瑕疵は認められず、既に、請求人が本件物納許可処分の取消し等を求めた訴えが棄却され、確定していることを鑑みても、本件差押処分に係る滞納国税が存在しない旨の請求人の主張には理由がない。(平27. 6.17 大裁(諸)平26-66)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平260014
- 裁決年月日
- 平成27年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために行った供託金還付請求権(本件還付請求権)の差押処分(本件差押処分)について、本件還付請求権は、請求人が本件滞納者から債権譲渡を受けたもので請求人に帰属するから、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、財産が滞納者に帰属するか否かの判定について、国税徴収法基本通達第47条関係20《一般の帰属認定》(7)が、債権については、「借用証書、預金通帳、売掛帳その他取引関係帳簿書類等により、滞納者に帰属すること」を参考として行う旨定めているところ、本件差押処分を行った徴収職員が、供託者及び供託官に対する調査に基づき本件還付請求権が本件滞納者に帰属すると認めたことは、同法基本通達47条関係20(7)が定める方法にかなう相当なものであるから、当該帰属認定に誤りはない。(平27. 6.15 広裁(諸)平26-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260081
- 裁決年月日
- 平成27年3月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、公売対象不動産(本件不動産)に比べて換価が容易な賃料債権の差押えを本件不動産の差押え(本件差押え)に先んじて行うべきであったから、本件不動産の公売公告処分(本件公告処分)は、差押財産の選択を誤った違法な差押えに基づく違法な処分である旨主張する。ところで、差押財産の選択について、国税徴収法その他の法令には、差押禁止財産及び第三者の権利の尊重に関する諸規定を除き、差押財産の種類又は順序に制限を設けた規定がないことなどからすると、差押財産の選択は徴収職員の合理的裁量に委ねられていると解されるから、差押財産の選択が事実の基礎を欠くか又は社会通念上著しく妥当を欠く場合には、裁量権の範囲の逸脱又は濫用があるものとして、当該差押処分は違法であると解するのが相当である。そうすると、本件では、原処分庁が本件差押え時に滞納処分の対象として把握していた財産は、本件不動産、本件不動産に係る賃料債権及び事業に係る売掛債権であり、仮に、本件不動産に係る賃料債権を差し押さえた場合、本件不動産には国税に優先する複数の抵当権が設定されていることから、当該各抵当権者が当該賃料債権を物上代位により差し押さえることにより国税への配当がされないおそれが認められ、また、事業に係る売掛債権を差し押さえた場合には当該債権を回収できないおそれや、国税への配当が見込まれても請求人の事業の継続に支障を来し生活の維持を困難にする蓋然性が高かったことが認められる。これに対し、本件差押えの場合、本件不動産の見積価額が国税に優先する抵当権の被担保債権の額を上回れば、本件不動産の公売により原処分庁への配当が見込まれた。したがって、原処分庁が当時把握していた各差押財産の権利関係を前提とする各差押財産からの回収可能性や、請求人の生活の維持を困難にする蓋然性を考慮すると、原処分庁が差押財産として本件不動産を選択したことは、事実の基礎を欠き又は社会通念上著しく妥当を欠くものではないから、原処分庁による差押財産の選択に、裁量権の範囲の逸脱又は濫用は認められない。(平27. 3.20 東裁(諸)平26-81)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260021
- 裁決年月日
- 平成27年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁所属の徴収職員(本件徴収職員)が行った債権の差押処分(本件差押処分)は、請求人の事業に対する営業妨害に当たり、徴収権を濫用した違法な処分である旨主張する。しかしながら、差押処分の時期の判断及び差押財産の選択については、いずれも徴収職員の合理的な裁量に委ねられているものと解されており、これに鑑みれば、差押処分を行うことが正義に反し権利の行使として是認し得ないと評価できるような事情が認められない限り、当該差押処分は徴収権を濫用したものとして違法と評価されることはないと解するのが相当である。本件差押処分は、本件差押処分の時点において、滞納国税を徴収するため本件差押処分を行う必要性があると認められ、また、本件においては、差押財産を選択する余地がなかったものと認められるのであって、本件差押処分が正義に反し権利の行使として是認し得ないと評価できるような事情があるとは認められない。以上のとおり、本件差押処分は、国税徴収法の各規定に基づき行われており、徴収権を濫用した違法な処分であるとはいえないから、本件差押処分は適法である。(平27.1.19 名裁(諸)平26‐21)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平260008
- 裁決年月日
- 平成26年10月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った不動産(本件各土地)の差押処分(本件差押処分)について、原処分庁が請求人の主張する共有地を差し押さえずに本件差押処分を行ったことは、不当である旨主張する。しかしながら、いかなる財産を差し押さえるかについては、国税徴収法第75条《一般の差押禁止財産》ないし国税徴収法第78条《条件付差押禁止財産》に係る差押禁止財産に関する各規定に抵触しない範囲において、徴収職員の合理的な裁量に委ねられていると解されるところ、本件各土地は、国税徴収法第75条ないし国税徴収法第78条に規定する差押禁止財産のいずれにも該当せず、また、原処分庁は、国税徴収法第49条《差押財産の選択に当つての第三者の権利の尊重》の規定に従い、第三者の権利を害さないよう本件各土地を差押財産として選択しており、その選択に徴収職員の合理的な裁量の範囲を逸脱しているという事情は認められないことから、本件各土地を差し押さえたことは、本件差押処分を取り消すべき事由に該当しない。(平26.10.30 福裁(諸)平26-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260028
- 裁決年月日
- 平成26年9月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った差押処分(本件差押処分)について、滞納国税(本件滞納国税)の一部が徴収権の時効により消滅していることを理由として、本件差押処分が違法であると主張する。しかしながら、仮に滞納国税の一部が存在しなかったとしても、それによって直ちに差押処分の消長を来すものではなく、正当な滞納国税の額についてなされたものとされる。この場合に、差押財産との関係において滞納国税を徴収するために必要のない財産の差押えや、差押財産の選択に当たり徴収職員に付与された裁量権の行使に逸脱又は濫用といえるような事情があったときには、当該差押処分は違法である。また、違法であるとまではいえないが、差押処分の基礎となる法や制度の趣旨及び目的に照らして不合理であるときには、当該差押処分は不当であると解される。これを本件についてみると、仮に本件滞納国税の一部が存在しなかったとしても、それ以外の滞納国税が存在するので、これを徴収するためには、本件差押処分の必要性が認められ、また、本件差押処分に係る債権以外の財産を差し押さえるべきであったということもいえず、加えて、国税徴収法や差押処分の趣旨・目的に照らして不合理であったとする事情も認められないことから、本件差押処分が違法又は不当となることはない。(平26. 9. 9 東裁(諸)平26-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260018
- 裁決年月日
- 平成26年8月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁の行った債権の差押処分(本件差押処分)について、請求人は原処分庁に対して弁護士(本件弁護士ら)を代理人としてその滞納国税に関して照会し対応を求めたのに、原処分庁は税理士法第18条《登録》の登録又は同法第51条《税理士業務を行う弁護士等》の通知の手続をしていないことを理由にその代理権限を認めず、請求人の求める説明をしなかったことは、行政手続法第8条《理由の提示》及び同法14条《不利益処分の理由の提示》の趣旨に照らして不当である旨主張する。この点、差押処分をする前に納付に関する相談を受けるか否かは徴収職員に一定の裁量があり、滞納国税の徴収及びそのための財産の保全という滞納処分の目的に照らして、当該裁量権の行使が適正を欠くことがあれば、不当の問題を生じるが、本件の事実関係及び当該応答の時点で、弁護士が現実に税理士業務に該当する職務を行うについては税理士法第18条《登録》に基づく税理士法登録を受けるか、税理士法第51条《税理士業務を行う弁護士等》第1項に基づく国税局長に対する通知を要すると解されるところ、原処分庁職員が、本件弁護士らの代理行為は税理士法第2条《税理士の業務》第1項第1号の税務代理に該当するものとし、本件弁護士らを代理人として取り扱うためには上記の税理士法上の手続を要する旨告げて、本件差押処分をしたことについて、滞納処分の目的及び差押えの意義に照らして裁量権の不合理な行使は認められない。 (平26. 8. 7 東裁(諸)平26-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260018
- 裁決年月日
- 平成26年8月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人の滞納国税(本件滞納国税)のうち、法定納期限から5年を経過している国税については時効により消滅しており、かつ、法定納期限から5年を経過していない国税についても行政手続法第8条《理由の提示》及び同法第14条《不利益処分の理由の提示》の類推適用による説明義務違反があることにより、原処分庁の行った債権(本件差押財産)の差押処分(本件差押処分)の全体が違法となる旨主張する。しかしながら、まず説明義務違反についてみると、国税徴収法第47条《差押の要件》第1項第1号は事前の説明を差押えの要件としておらず、行政手続法第8条は許認可等を拒否する処分をする場合につき定める趣旨であること、同法第14条は行政の恣意を抑制するため一定の事項につき理由の提示を求めるものであって、要求に応じて説明することを趣旨とするものではないこと等に照らせば、請求人の主張する説明義務があるとはいえず、事前ないし処分時の書面において請求人が求めた事項の説明がないことをもって本件差押処分が違法となることはない。そして、仮に本件滞納国税の一部が時効消滅しているとしても、法定納期限から5年を経過していない国税が存在する以上、他の違法事由が認められなければ、本件差押処分が違法となることはないところ、当該国税の額と本件差押財産の額からみても本件差押処分が滞納国税を徴収するために必要な財産以外の財産を差し押さえた場合に当たらず、また、当該滞納国税の額とした場合に本件差押財産以外の他の財産を差し押さえるべきであったという特段の事情もない。(平26. 8. 7 東裁(諸)平26-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260002
- 裁決年月日
- 平成26年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人に対して行った各差押処分(本件各差押処分)は、前提とする第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)が無効又は取り消されるべきものであるから、本件各差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件納付告知処分の一部が取り消され納付限度額が減額となっても、本件各差押処分はその範囲内にとどまるから適法であり、請求人の主張には理由がない。(平26. 7. 1 東裁(諸)平26-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250127
- 裁決年月日
- 平成26年5月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の従業員である納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために行った本件滞納者名義の不動産(本件不動産)の差押処分(本件差押処分)は、請求人に帰属する財産についてされた違法な処分であるから、本件差押処分を前提として行われた公売公告処分(本件公売公告処分)も本件差押処分の違法性を承継し違法である旨主張する。しかしながら、登記はその記載事項につき事実上の推定力を有しており、登記事項は反証のない限り真実であると推定され、登記原因たる契約(権利関係変動の原因たる事実)についても、反証のない限り真実に行われたものと推定されるところ、本件不動産をその元所有者から売買により承継取得したのは本件滞納者ではなく請求人であり、本件滞納者は名義上の買主にすぎないという請求人の主張は、証拠上、当該反証に足りるものではないから、本件不動産は本件差押処分の時点において登記上の名義人であった本件滞納者に帰属する財産であったと推定される。したがって、本件公売公告処分の前提となる本件差押処分には帰属を誤った違法はない。(平26. 5.27 東裁(諸)平25-127)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250126
- 裁決年月日
- 平成26年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、診療報酬の支払請求権の差押処分(本件差押処分)は、事業遂行の困難性、納付実績等考慮すべき事情を考慮せず、考慮すべきでない納税意思が失われたという誤った事実のみを捉えて行われたものであるから、裁量権を逸脱若しくは濫用した違法なものであるか、又は裁量権の不合理な行使をした不当な処分である旨主張する。しかしながら、差押処分は、自主納付の見込みや差押えの必要性等についての判断を徴収職員の合理的な裁量に委ねた上で、徴収職員に対し、差押えの必要があるときは早期に滞納者の財産を保全することを求めたものと解され、差押処分の時期について徴収職員の合理的裁量に委ねていると解される。したがって、差押処分は、事実の基礎を欠くか又は判断の過程において考慮すべき事情を考慮しなかったこと等によりその判断の内容が社会通念上著しく妥当性を欠くものと認められる場合に裁量権の範囲を逸脱又は濫用してされたものとして違法となると解される。また、裁量権の範囲内にある事由に関する判断が差押処分の趣旨及び目的に反しているといえるような特段の事情がある場合に限り、裁量権の不合理な行使をした不当な処分となると解される。本件差押処分は、自主納付の見込みや差押えの必要性の判断に当たり事実の基礎を欠いたものとは認められないし、考慮すべき事項について考慮された上で行われており、また、その判断の内容はむしろ合理的というべきであって、社会通念上著しく妥当性を欠くものとは認められない。差押処分の判断の内容が合理的であることからすれば、差押処分の趣旨及び目的に反しているといえるような特段の事情があるとも認められない。したがって、本件差押処分は、裁量権を逸脱又は濫用した違法な処分でも裁量権の不合理な行使をした不当な処分でもない。(平26. 5.23 東裁(諸)平25-126)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250119
- 裁決年月日
- 平成26年5月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした差押処分(本件差押処分)は、差押処分の時期を誤った違法又は不当な処分である旨主張する。しかしながら、差押処分は、事実の基礎を欠くか又は社会通念上著しく妥当を欠き、差押処分の時期の選択に関して徴収職員が裁量権の範囲を逸脱し又は裁量権を濫用してされたと認められる場合には、違法と判断すべきものと解され、また違法であるとまではいえない場合であっても、徴収職員の差押処分の時期の選択に関する判断が法の趣旨及び目的に反した不合理なものである場合には不当と判断すべきものと解される。これを本件についてみると、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の発生から本件差押処分まで約14年が経過しているにもかかわらず、その間の納付金額は本件滞納国税の額に比して極めて僅少であり、納付に向けた努力もなかったことからして、自主納付の見込みは失われており、また、本件差押処分以外の財産で本件滞納国税を徴収することは困難と認められることからして、保全措置を講じる必要性があったといえる。そうすると、原処分庁が本件差押処分を行ったことは合理的な判断であったというべきであって、本件差押処分は、差押処分に踏み切る時期についての裁量権の逸脱又は濫用した違法な処分ではない。さらに、原処分庁所属の徴収担当職員の差押処分の時期の選択に関する判断が法の趣旨及び目的に反した不合理なものであるとも認められないことから不当な処分でもない。(平26. 5.14 東裁(諸)平25-119)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250113
- 裁決年月日
- 平成26年5月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、高齢であり、過去に自己破産した経緯があり、蓄えもなく、重い病気を患っている状況にある中で、生命保険契約に係る解約返戻金の支払請求権を差し押さえた原処分(本件差押処分)は、憲法第25条に規定する最低限度の生活の保障という観点からも、裁量権を逸脱若しくは濫用した違法なものであるか、又は裁量権の不合理な行使をした不当な処分である旨主張する。しかしながら、差押処分は、事実の基礎を欠くか又は社会通念上著しく妥当を欠き、差押処分の時期又は差押財産の選択に関する徴収職員の裁量権の範囲を逸脱し又は裁量権を濫用してされたと認められる場合に限り、違法と判断すべきものと解され、また、違法であるとまではいえない場合であっても、徴収職員の差押処分の時期又は差押財産の選択に関する判断が法の趣旨及び目的に反した不合理なものであると認められる場合には、不当と判断すべきものと解される。ところで、本件の事実関係からすると、原処分庁所属の徴収担当職員が、本件差押処分に関し、差押処分の時期又は差押財産の選択について、その裁量権の範囲を逸脱し又は裁量権を濫用して本件差押処分をしたとは認められず、上記各選択に関する判断が法の趣旨及び目的に反した不合理なものであるとも認められない。したがって、本件差押処分は、裁量権の行使を誤った違法又は不当な処分ではない。(平26. 5. 7 東裁(諸)平25-113)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250046
- 裁決年月日
- 平成26年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№94
要旨
○請求人らは、原処分庁が、被相続人から請求人らが承継した滞納国税を徴収するため、請求人らが相続によって取得した各不動産の各共有持分を差し押さえた(本件各差押処分)のに対し、当該各不動産の各共有持分は、民法第932条《弁済のための相続財産の換価》ただし書に基づく価額弁済(本件価額弁済)により請求人らのうちの1人が固有財産として取得していることから、本件各差押処分は財産の帰属を誤ってなされた違法又は不当な処分である旨主張する。しかしながら、民法第177条《不動産に関する物権の変動の対抗要件》は、不動産に関する物権の得喪及び変更について、登記をしなければ、第三者に対抗することができない旨規定しており、滞納処分による差押えの関係においても同条の適用があり、価額弁済者も特段の事情がない限り、差押処分をした国に対し、登記なくして不動産を取得したことを対抗することができないものと解するのが相当である。もっとも、本件価額弁済の公示に当たっての登記手続において、価額弁済者以外の共同相続人の持分については、価額弁済者へ持分移転登記手続が可能であるが、価額弁済者の持分については、相続人本人が価額弁済をしたことになり、価額弁済者の固有財産に切り替わったことを公示する手段がないが、価額弁済者以外の共同相続人の持分の移転登記を経由することで、価額弁済者の固有財産へと切り替わったことを第三者からみて推測可能なように公示できる以上、移転登記がされていない本件価額弁済に関し、固有財産として取得したことを対抗できないとしても民法第177条の趣旨に反するとまではいうことはできない。以上のとおりであるから、本件各差押処分が財産の帰属を誤った違法又は不当な処分であるということにはならない。(平26. 2.19 大裁(諸)平25-46)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250041
- 裁決年月日
- 平成26年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401010
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/1滞納国税の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の相続税評価額を算定するのに用いた倍率方式に重大かつ明白な瑕疵があるから、各相続人の各相続税額欄等の各相続人の各相続税額欄等の効であり、しい方式で算出し直した税額に相当する分は既に納付しているから、原処分庁が行った差押処分に係る滞納国税(本件滞納国税)は不存在であり、さらに物納申請に係る税額については徴収猶予通知処分がなされておらず法定納期限から5年経過したことで時効消滅している旨主張する。しかしながら、請求人は更正の請求をしていないのであるから申告書に記載された税額が納付されていない以上、本件滞納国税は完納されていないというほかはなく、さらに物納申請者への通知は徴収猶予の効力発生の要件となるものではないと解されることから、請求人の主張はこれと異なる前提に立つものであって採用することはできない。したがって、本件滞納国税は納付されておらず、消滅時効も完成していないから、本件滞納国税は存在する。(平26. 2. 6 大裁(諸)平25-41)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250042
- 裁決年月日
- 平成26年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401010
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/1滞納国税の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の相続税評価額を算定するのに用いた倍率方式に重大かつ明白な瑕疵があるから、各相続人の各相続税額欄等の記載は無効であり、正しい方式で算出し直した税額に相当する分は既に納付しているから、原処分庁が行った差押処分に係る滞納国税(本件滞納国税)は、本件滞納国税は不存在であり、さらに物納申請に係る税額については徴収猶予通知処分がなされておらず法定納期限から5年経過したことで時効消滅している旨主張する。しかしながら、請求人は更正の請求をしていないのであるから申告書に記載された税額が納付されていない以上、本件滞納国税は完納されていないというほかはなく、さらに物納申請者への通知は徴収猶予の効力発生の要件となるものではないと解されることから、請求人の主張はこれと異なる前提に立つものであって採用することはできない。したがって、本件滞納国税は納付されておらず、消滅時効も完成していないから、本件滞納国税は存在する。(平26. 2. 6 大裁(諸)平25-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250083
- 裁決年月日
- 平成26年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁の行った各不動産の各差押処分(本件各差押処分)は、原処分庁が既に差し押さえていた請求人らの各不動産の公売処分を了していないのだから、本件各差押処分は徴収権を濫用した違法な処分である旨主張する。しかしながら、滞納者の財産について既に差押処分がされている場合において、その換価を了する前に他の財産についてされた新たな差押処分については、その新たな差押処分が事実の基礎を欠くか又は社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え又は裁量権を濫用してされたと認められる場合に限り、違法と判断すべきものと解するのが相当である。これを本件についてみると、本件各差押処分の直前において、①既差押処分に係る差押財産を換価しただけでは請求人らの滞納国税を徴収することはできず、また、②請求人らが当該滞納国税を自主的に納付する具体的な見込みもなかったものと認められるのであって、このことからすると、原処分庁が既差押処分に係る差押財産の換価を了する前にした本件各差押処分は、徴収職員の合理的な裁量の範囲内の行為であって、事実の基礎を欠くか又は社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え又は裁量権を濫用してされたものではない。したがって、本件各差押処分は、徴収権を濫用した違法な処分でない。(平26. 1.29 東裁(諸)平25-83)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250017
- 裁決年月日
- 平成25年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、主たる納税者の滞納国税を徴収するために、請求人の所有する不動産の差押処分(本件差押処分)を行ったことに対して、請求人は、収入が基準額以下の家庭に支給される職業訓練受講給付金を受けている状態にあるのだから、本件差押処分を行うことは不当である旨主張する。しかしながら、国税徴収法(徴収法)第47条《差押の要件》第1項第1号は、滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、徴収職員は滞納者の国税につき、その財産を差し押さえなければならない旨規定しているところ、本件においては、徴収法第47条第1項第1号に該当する事実が認められ、これに基づいてなされた本件差押処分には何ら不当な点はないことから、請求人の主張には理由はない。(平25.12. 2 関裁(諸)平25-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240057
- 裁決年月日
- 平成25年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①繰上請求に係る取消通知書、②当初の債権の差押処分(本件先行差押処分)に係る取消通知書及び③納付催告書は、いずれも請求人には送達されておらず、また、仮に、それらの書類が送達されていたとしても、それらの書類の送達の順序が適正でなければ、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、本件差押処分を行うに当たり、①第三債務者に対して本件先行差押処分を取り消した後、②請求人に対して繰上請求の取消通知書及び本件先行差押処分の取消通知書の各送達を行い、その後、③請求人に対して納付催告書の送達を行った後に本件差押処分を行っていると認められ、その手続も適法になされていることから、請求人の主張には理由がない。(平25. 6.11 関裁(諸)平24-57)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240057
- 裁決年月日
- 平成25年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、違法な繰上請求によって納付告知処分による納付の期限が繰り上げられたことは、請求人の期限の利益が奪われたこととなるから、改めて納付告知処分をやり直すべきである旨主張する。しかしながら、繰上請求が取り消されたことによって繰上請求がされる前の状態になったといえ、繰上請求に先行する納付告知処分に何ら影響しないことは明らかであるので、請求人の主張には理由がない。(平25. 6.11 関裁(諸)平24-57)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240057
- 裁決年月日
- 平成25年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税通則法第38条《繰上請求》第1項第1号から第6号のいずれにも該当する事実は生じていないので、原処分庁が国税徴収法第47条《差押の要件》第2項に基づき、当該事実があったとして行った差押処分(本件差押処分)は違法であるとし、また、仮に、請求人の動産が市長により差し押さえられたとしても、当該差押財産の公売が恣意的に引き延ばされたものであり、違法な強制換価手続であるから、国税通則法第38条第1項第1号に規定する強制換価手続には該当しないので、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、本件差押処分の前に、市長によって差押処分を受けており、また、市長による滞納処分が本件差押処分の手続の適法性の判断に影響を及ぼすかどうかはさておき、請求人が主張するような恣意的に公売を引き延ばしたという事実を認めるに足りる証拠はないから、請求人の主張は採用できない。(平25. 6.11 関裁(諸)平24-57)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240058
- 裁決年月日
- 平成25年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の夫に帰属するとして普通預金に係る債権(本件債権)を差し押さえたところ(本件差押処分)、本件債権は請求人に帰属し、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、差押処分の名宛人でない者が審査請求をする場合、差し押さえられた財産がその差押処分の名宛人に帰属することが認められないというだけでは足りず、その請求人において、当該財産が請求人自身に帰属することを立証する必要があるといえ、本件債権が誰に帰属するかの判定に当たっては、預金口座の開設者が誰か、原資の出えん者は誰か、預金口座の名義は誰か、口座を管理しているのは誰かなどの事情を総合的に考慮して決するべきものと解され、また、原資の出えん者の判断は、その預金の設定当時における、名義人及び出えん者たり得る者の収入並びに資産の取得・保有状況等を総合的に勘案するのが合理的である。そうすると、請求人が働いて貯蓄した金員は本件の預金口座とは別の口座に保有されており、他に収入を得ていたと認めるに足る証拠はないことから、請求人が本件の預金の原資の出えん者と認めることはできず、また、本件債権の開設者及び管理状況などを総合的に考慮すると、本件債権は、請求人の夫に帰属するものであって、請求人に帰属するものとは認められない。(平25. 6.11 関裁(諸)平24-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240209
- 裁決年月日
- 平成25年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために行った債権の差押処分(本件差押処分)について、本件差押処分に係る債権(本件債権)は請求人に帰属することから、違法である旨主張する。しかしながら、本件債権に係る第三債務者(本件第三債務者)は、取引の相手方を本件滞納者と認識しており、本件第三債務者と請求人との間に業務契約が成立していたとは認められない。したがって、本件債権は本件滞納者と本件第三債務者との業務契約により生じたものであり、本件債権は滞納者に帰属することから、請求人の主張には理由がない。(平25. 5.10 東裁(諸)平24-209)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240197
- 裁決年月日
- 平成25年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第47条《差押の要件》第1項第1号は、滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、徴収職員は財産を差し押さえなければならない旨規定しているところ、請求人に対する差押処分(本件差押処分)は、督促から長期間が経過し、延滞税が多額となった後に行われたものであるから、徴収権を濫用した違法な処分である旨主張する。しかしながら、納税者の財産を差し押さるべき時期については、税務署長の合理的な裁量に委ねられていると解され、滞納者が滞納国税を分割して納税している場合に差押処分を行ったとしても、当該差押処分を行うことが正義に反し権利の行使として是認し得ないと評価できるような事情が認められない限り、当該差押処分は徴収権を濫用したものとして違法と評価されることはないと解するのが相当である。これを本件についてみると、請求人が納付すべき滞納国税について請求人の自主納付による完納は見込まれず、本件差押処分を行った時点において、当該滞納国税を徴収するためには、本件差押処分を行う必要性があったと認められ、本件差押処分が正義に反し権利の行使として是認し得ないと評価できるような事情があったとは認められない。(平25. 4.24 東裁(諸)平24-197)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平240008
- 裁決年月日
- 平成25年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401080
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/8差押調書
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押書の滞納国税の金額に計算誤りがあるから、原処分庁が行った差押処分(本件差押処分)は違法である旨主張する。しかしながら、国税徴収法施行令第30条《不動産の差押書等の記載事項》第1項は、差押書には差押えに係る国税の年度、税目、納期限及び金額などを記載する旨規定しているところ、その趣旨は、差押えにより徴収しようとする国税とその財産を特定し、差押書を滞納者に送付することにより、滞納者に対し当該国税を徴収するための差押えがされたことを知らしめ、滞納者の不服申立て等の便宜を図るところにあると解される。本件差押処分は、請求人の滞納国税に係る換価の猶予の担保として提供された不動産を差し押さえたものであり、本件差押書には担保物処分のため不動産を差し押さえる旨の記載があることから、本件差押処分は、換価の猶予に係る滞納国税を徴収するために行われたものと容易に分かるのであるから、本件差押書に記載された滞納金額の誤りを理由として、請求人の不服申立ての便宜が図られていないとまではいえず、本件差押処分が違法ということはできない。(平25. 2.26 高裁(諸)平24-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240032
- 裁決年月日
- 平成25年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押処分の対象となった敷金返還請求権の金額は滞納国税等の額に比して著しく少額であること及び請求人の信用保証協会等に対する債務は滞納国税よりも前に生じていることなどから、請求人の敷金返還請求権の差押処分(本件差押処分)は、国税徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第2項に規定する無益な差押えに該当する旨主張する。しかしながら、同項に規定する無益な差押えに該当するか否かは、差押えの対象となる財産の価額がその差押えに係る国税に優先する債権等の金額を超える見込みのないことが一見して明らかでない限り、直ちに当該差押えが違法となるものではないところ、本件差押処分は、本件滞納国税に優先する債権の存在は認められず、滞納処分費の見込金額もないことから、本件差押処分は同項に規定する無益な差押えには該当しない。(平25. 1.22 関裁(諸)平24-32)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240135
- 裁決年月日
- 平成25年1月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税(本件国税)の納期限から5年を経過した後に不動産の差押処分(本件不動産差押処分)がされていることから、この時点で既に本件国税の徴収権が時効により消滅しているにも関わらずされた各債権の各差押処分(本件各差押処分)は違法である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、本件国税に係る督促状(本件督促状)を普通郵便で請求人の住所地あてに発送しており、本件督促状が郵政官署から返戻された事実はなく、本件督促状は通常到達し得る期間内に請求人に送達されたものと推定されるところ、本件国税の徴収権の消滅時効は、本件督促状を発した日から起算して10日を経過した日の翌日から再度進行したものの、同日から5年を経過する前に行われた本件不動産差押処分により再び中断したものである。そして、その中断後に、本件不動産差押処分が解除され又は換価等により終了した事実は認められないから、本件各差押処分の時点においても、本件国税の徴収権の時効の中断の効力は継続しており、請求人の主張には理由がない。(平25. 1. 9 東裁(諸)平24-135)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240121
- 裁決年月日
- 平成24年12月6日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 原処分庁は、会社分割(新設分割)の対象とされた敷金返還請求権(本件債権)には、賃貸借契約において譲渡禁止の特約が定められている上、第三債務者は本件債権の承継について承諾していないことからすれば、本件債権は滞納法人に帰属する財産である旨主張する。しかしながら、譲渡禁止特約のある指名債権を譲受人が特約の存在を知って譲り受けた場合でも、債務者がその譲渡について承諾を与えたときは、当該債権譲渡は譲渡の時に遡って有効となると解されるところ、滞納法人は、第三債務者に対し本件債権を請求人に承継した旨の通知を行い、第三債務者は原処分庁の行った債権差押え(本件差押処分)より前に、本件債権が滞納法人から請求人に承継されたことについて書面による承諾をしたものと認めるのが相当である。したがって、本件差押処分は本件債権の移転に劣後しているので、本件差押処分は請求人に帰属する財産に対してなされた違法な処分である。(平24.12. 6 東裁(諸)平24-121)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240107
- 裁決年月日
- 平成24年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納発生から10年以上経過した後に行われた差押処分は国税徴収法第47条《差押の要件》第1項第1号に違反している旨主張する。しかしながら、同号の規定は、差押え等の必要性についての認定、判断を徴収職員に委ねた上で、徴収職員に対して、差押えの必要性があるときは適切な時期に財産を保全することを求めたものと解される。したがって、差押えの時期の選択は徴収職員の合理的な裁量に委ねられていると解されるところ、本件における差押処分はその時点において差押えの必要性があったものと認められ、また、徴収職員に裁量権の逸脱・濫用があったことをうかがわせる事情も認められない。(平24.11.28 東裁(諸)平24-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240107
- 裁決年月日
- 平成24年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401070
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/7第三者の権利の尊重
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押えの対象となった不動産については、弟らが不動産保存の先取特権(国税徴収法第19条《不動産保存の先取特権等の優先》第1項第1号)を有していることから、当該不動産の差押処分は同法第49条《差押財産の選択に当たっての第三者の権利の尊重》に違反している旨主張する。しかしながら、国税徴収法第19条は、換価代金につき、国税と先取特権により担保される債権の優先順位を定めた規定であり、差押処分について定めた規定ではない。また、同法第49条は、いわゆる訓示規定であるから、差押処分によって第三者の権利が害された場合に直ちに当該処分が違法となるものではない。そして、差押処分に当たり滞納者の全財産を把握した上で差押財産を選択しなければならない旨の規定は存しないところ、本件において、原処分庁が差し押さえた財産以外に滞納国税の全額を徴収できる財産を把握していたとは認められないから同条が問題となる余地はない。(平24.11.28 東裁(諸)平24-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240107
- 裁決年月日
- 平成24年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産の共有持分の差押処分(本件差押処分)について、当該不動産は原処分庁による所有権移転等の代位登記が行われる以前は登記記録上請求人の名義ではなかったから、当該共有持分は国税徴収法第47条《差押の要件》第1項に規定する「その財産」に当たらない旨主張する。しかしながら、同項に規定する「その財産」とは、差押えの時点で滞納者に実質的に帰属するものでなければならないものの、その時点でその財産の登記記録上の所有者が滞納者と一致していることまでは要求していないと解される。これを本件についてみると、請求人は、相続によって差押えに係る不動産の共有持分を取得しており、相続放棄若しくは共同相続人間で遺産分割が成立した事実は認められず、当該共有持分は、差押処分時において請求人に帰属していることから、同項の「その財産」に該当する。(平24.11.28 東裁(諸)平24-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240079
- 裁決年月日
- 平成24年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、徴収担当職員が加算税や延滞税について差押えは行わない旨発言したにもかかわらず、何の警告もなく差押処分を行ったことは、信義則に反して違法であり差押処分は取り消されるべきものであるから、その後の配当処分も違法である旨主張する。しかしながら、租税法規に適合する処分については、租税法規の適用における納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお当該処分を免れしめて納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合に、初めて信義則の法理の適用の是非を考えるべきものであるところ、差押処分は租税法規に適合するものであり、また、原処分関係資料及び当審判所の調査によっても、徴収職員が差押えはしないなどと発言したことを認めるに足りる証拠はなく、請求人に対して一定の責任のある立場の者が信頼の対象となる公的見解を表示したことは認められないから、信義則の法理の適用の是非を考えるべき特別の事情が存するとは認められない。(平24.10.17 東裁(諸)平24-79)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240019
- 裁決年月日
- 平成24年7月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401070
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/7第三者の権利の尊重
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁の行った生命保険の支払請求権(本件生命保険支払請求権)の差押え(本件差押え)について、本件生命保険支払請求権は第三者に対する債務の引当てとなるべき財産であることから、本件差押えは違法である旨主張する。ところで、国税徴収法第49条《差押財産の選択に当たっての第三者の権利の尊重》は、徴収職員に対して、差押財産の選択に当たり、第三者が有する権利を尊重すべきことを定めた訓示規定であり、同条に規定する「第三者が有する権利」とは、質権等の権利をいい、「権利を害さないように努めなければならない」とは、徴収職員が差押えをするに当たって通常の調査によって知った第三者の権利を害さないように努めることをいうのであって、もとより、第三者の権利の目的となっている財産を差し押さえることを禁止しているものではないことから、請求人の主張には理由がない。(平24. 7.12 東裁(諸)平24-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240003
- 裁決年月日
- 平成24年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の普通預金口座に振り込まれている金員は滞納処分による差押えが禁止されている給付金であることが認められるものの、本件差押処分がされた普通預金は国税徴収法第75条《一般の差押禁止財産》ないし同法第78条《条件付差押禁止財産》及びその他の法律の規定する差押禁止財産のいずれにも該当しないことから、本件差押処分が違法となるということはできない。(平24. 7. 9 大裁(諸)平24-3)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平240002
- 裁決年月日
- 平成24年7月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401039
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、請求人の代物弁済に係る契約書(本件契約書)には証拠能力が乏しく、貸付金の原資のついてもその出所が不明確で、滞納法人に貸し付けたという事実は認められないことから、請求人には第三者名義で登録されていた自動車(本件自動車)の権利取得が認められない旨主張する。しかしながら、民法482条《代物弁済》は、①債権が存在すること、②本来の給付と異なる他の給付をなすこと、③給付が履行(弁済)に代えてなされること、④債権者の承諾があることを成立要件としているところ、請求人は、本件自動車の購入資金として滞納法人に金銭を貸し付け、その貸付金を担保するために、返済ができなかった場合には本件自動車をもって代物弁済を行う旨の予約を本件契約書で行い、以後全く弁済がされなかったことから、請求人と滞納法人との間で代物弁済の予約実行の合意が行われ、その弁済の履行として本件自動車が請求人に引き渡されたと認められることから、その所有権は請求人にあるとみるのが相当である。(平24. 7. 3 熊裁(諸)平24-2)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平240002
- 裁決年月日
- 平成24年7月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401039
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、原処分庁が行った第三者名義で登録されていた自動車(本件自動車)に対する差押処分(本件差押処分)は、その所有権が滞納法人にあるのだから適法である旨主張する。しかしながら、本件自動車は、本件差押処分の前に、請求人が滞納法人に対する貸付金の代物弁済として、滞納法人からその所有権を取得したものである。また、請求人は審査請求中に自己の所有権に基づき本件自動車の登録を行っており、それに対して原処分庁は本件自動車について差押えの登録を行っていないから、請求人は、登録を行うことにより本件自動車の所有権を確定的に取得したことになり、その反面で滞納法人はその所有権を確定的に喪失したことに帰着するので、本件差押処分は違法な処分として取り消されるべきである。(平24. 7. 3 熊裁(諸)平24-2)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平230012
- 裁決年月日
- 平成24年5月31日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人の代表者の滞納国税を徴収するため、請求人と第三債務者との間で締結した借家人補償契約に基づいて生じた債権の差押処分の全部取消しを求めるが、審査請求によって行政処分の取消しを求めるには、その取消しを求める処分が現に存在していることが必要であるところ、当該債権については、その一部が取り立てられ、残りはその差押えが解除された各事実が認められる。そうすると、当該差押処分は、本件債権の取立て及び差押えの解除によりその効力が消滅していることから、本件審査請求は、現に存在しない処分の取消しを求める不適法なものである。(平24. 5.31 金裁(諸)平23-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230100
- 裁決年月日
- 平成24年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分が行われた時点において、本件各滞納国税はいずれも完納されている旨主張する。ところで、原処分庁は、国税収納金整理資金に関する法律等に基づき、国税総合管理システムを使用して、国税収納金整理資金に関する法律等に基づく業務処理を行っており、本件各滞納国税に係る各一件別徴収簿(本件各一件別徴収簿)の記載内容を調査することによって、本件各滞納国税の有無を推認することは、他に、本件各一件別徴収簿の記載内容が明らかに事実と相違することをうかがわせるような事由等が認められない限り、相当であると認められる。そして、本件各一件別徴収簿の徴収決定済額には、いずれも本件各滞納国税が記載されており、収納済額には、いずれも記載されていないことからすれば、差押処分がされる前に、本件各滞納国税は、いずれも完納されていなかったと推認するのが相当であり、また、請求人は、当審判所に対し、本件各滞納国税の完納の事実を示す証拠書類を提出していないことからすれば、本件各一件別徴収簿の徴収決定済額及び収納済額の記載内容が明らかに事実と相違することをうかがわせるような事由等は認められないというべきである。そうすると、本件差押処分が行われた時点において、本件各滞納国税があったと認められる。(平24. 4.26 名裁(諸)平23-100)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230209
- 裁決年月日
- 平成24年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納法人が請求人に資金の運用を委託し、請求人が請求人名義の外国証券に係る預け残高の償還金及び利金の支払請求権等を自己の財産として購入し、管理しているのであるから、それらは請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、請求人が、本件各差押債権の原資となった本件不動産の本件回収益を自ら管理・運用していたとは認められず、本件滞納法人が本件回収益を隠匿するために、本件各口座への入金及び本件各外国有価証券の購入によって、稼動実体のない請求人名義の財産に仮装しようとしたと認めるのが相当である。そうすると、本件各外国有価証券は請求人名義で購入されているものの、本件滞納法人に帰属するものであり、本件各外国有価証券に係る本件各差押債権も滞納法人に帰属すると認めるのが相当である。(平24. 4.20 東裁(諸)平23-209)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230191
- 裁決年月日
- 平成24年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各債権差押処分に係る各債権は、国税徴収法上の差押禁止財産ではないが、請求人の生業ないし生活に必要な財産であるから、差押禁止財産に準じて取り扱われるべきであると主張するが、国税徴収法上、滞納者に属する財産は、金銭化することが可能な限り滞納税金の一般的な引き当てとなるべきものであるから、全て差押えの目的となり得ることが原則であり、このような制度趣旨に鑑みれば、国税徴収法の規定する差押禁止財産の各規定は、この原則に対する例外となる財産を限定列挙したものと解すべきである。そして、本件各債権差押処分の対象となっているものは、いずれも国税徴収法第75条《一般の差押禁止財産》ないし同法第78条《条件付差押禁止財産》等に規定されている差押禁止財産に該当するものではないから、請求人の主張には理由がない。(平24. 3.23 東裁(諸)平23-191)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230012
- 裁決年月日
- 平成24年2月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税等の調査による修正申告をするときに、調査担当職員との間で、1,000万円を即支払えば差押えをしない旨の合意を得た旨、また、請求人は、徴収担当職員に対して、平成22年11月までは金融機関等からの借入金の返済があるため同年12月から分割で支払う旨説明していたにも関わらず本件差押処分を行ったことは、違法、不当である旨主張する。しかしながら、①本件差押処分は当該督促状を発した日から10日を経過した後に行われていること、②本件差押処分が行われた日現在において、本件滞納国税は完納されていないこと、③本件滞納国税について、国税通則法第46条《納税の猶予の要件等》の規定による納税の猶予、同法第105条《不服申立てと国税の徴収との関係》の規定による徴収の猶予等及び国税徴収法第153条《滞納処分の停止の要件等》の規定による滞納処分の停止は行われていないことからすれば、本件差押処分が行われた時点では、同法第47条《差押の要件》第1項第1号が規定する差押えの要件が満たされており、また、差押えも制限されていなかったことが認められる。そうすると、原処分庁が本件差押処分を行ったことが、違法であるということはできない。また、請求人が主張する調査担当職員との合意は、当該調査担当職員の職務や一連の経過と整合しないことから、請求人の主張は採用することができない。そして、請求人は、徴収担当職員が再三にわたって具体的な納付計画の提示と納税の実行を促したにも関わらず、具体的な納付計画を提示せず滞納国税を納付しなかった。このような請求人のいつ納付するかも分からない対応からすれば、本件差押処分を行った時期についても、本件滞納国税が本件差押処分の直後に完納されることが確実であった、あるいは、具体的で合理的な納付計画に基づき短期間に分納されて完納されることが確実であったなどの特段の事情があったとは認められないことから、本件差押処分が不当であるということはできない。(平24. 2.10 福裁(法・諸)平23-12)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平230003
- 裁決年月日
- 平成24年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った差押処分(本件差押処分)は、差し押さえた不動産(本件不動産)の処分予定価額が国税に優先する債権(優先債権)の額を下回り、優先債権の額が弁済等によって減少する可能性があることを考慮しても、本件不動産の処分予定価額が優先債権の額を超える見込みのないことが一見して明らかであるから、無益な差押えに当たり違法である旨主張する。しかしながら、本件不動産の処分予定価額は優先債権の額を下回るものの、請求人は、本件不動産に設定されている根抵当権の根抵当権者である金融機関に対し約定元本を弁済しており、本件差押処分以降の被担保債権額の減少を考慮すると、本件差押処分時において本件不動産の処分予定価額が優先債権の額を超える見込みのないことが一見して明らかとまではいえないから、本件差押処分は無益な差押えには当たらず、請求人の主張には理由がない。(平24. 1.31 札裁(諸)平23-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230107
- 裁決年月日
- 平成24年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 差押処分が違法であるか否かの判断は、当該処分が行われた時点を基準時とすべきであり、その後に生じた事情をしんしゃくすることができない。したがって、差押処分が国税徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第1項に規定する超過差押えに該当するか否かも、一般的には差し押さえた時点における財産の処分予定価額と徴収すべき国税(延滞税の額を含む。)の額を比較して判断すべきものであるから、原処分は超過差押えとはならない。(平24. 1.10 東裁(諸)平23-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230107
- 裁決年月日
- 平成24年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 国税徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第2項に規定する無益な差押えは、差し押さえようとする財産の価額(処分予定価額)とその差押えに係る滞納処分費及び徴収すべき国税に先立つ他の国税、地方税その他の債権合計額とを比較して、当該財産の価額(処分予定価額)が当該債権合計額を超える見込みがあるか否かで判定することが相当であると解され、原処分は無益な差押えとはならない。(平24. 1.10 東裁(諸)平23-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230102
- 裁決年月日
- 平成23年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の土地及び建物は、必要最低限の生活を送るために不可欠な居宅であって、2か月分の食料、1か月の生活に必要な金銭と同様に差押えができない財産であり、また、請求人は裁判を受ける権利があるところ、本件居宅の差押えにより訴訟を維持する費用も捻出できなくなるから、本件居宅は差押禁止財産として取り扱われるべきで差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、滞納者等の最低生活の保障、生業の維持、社会保障制度の維持等の理由から、国税徴収法第75条《一般の差押禁止財産》等の法令の規定により差押禁止財産が規定されているところ、納税者等に属する総財産は、すべて差押えの目的となり得ることが原則であるから、この規定は、差押えをすることができない財産を限定列挙したものと解され、土地及び建物は、法令の規定に差押禁止財産として掲げられていないので、請求人の主張には理由がない。(平23.12.20 東裁(諸)平23-102)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230058
- 裁決年月日
- 平成23年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた請求人が代表取締役を務める法人(本件滞納法人)名義の株主会員制ゴルフ会員権(本件ゴルフ会員権)は、本件滞納法人がその借入金の担保として貸主に提供していたものであり、この担保を解除するため請求人が資金を支払い請求人が購入したものであって、その後も本件滞納法人名義のままとしていただけで、本件ゴルフ会員権は、請求人個人が保管、占有していたから、請求人個人の所有する株主会員制ゴルフ会員権である旨主張する。しかしながら、本件滞納法人は、本件ゴルフ会員権を融資の担保として提供していたところ、貸主は、請求人と本件滞納法人の申出により、請求人と本件滞納法人から連帯保証の保証履行と根質権の解除料の支払がされたことを受けて、請求人の連帯保証を免除し、本件ゴルフ会員権の根質権の解除及び本件ゴルフ会員権の返還をしたにすぎず、請求人が貸主から本件ゴルフ会員権を購入した事実は認められないから、差押えが行われた際に、請求人が本件ゴルフ会員権を保管、占有していたのは、請求人が本件滞納法人の代表取締役として保管し占有していたと認めるのが相当であり、本件ゴルフ会員権は、その差押えが行われた時点において、本件滞納法人に帰属する財産であったと認められる。(平23.11.28 名裁(諸)平23-58)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230046
- 裁決年月日
- 平成23年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が国外の父親から現地で借りた資金を日本国内の請求人名義の普通預金口座(本件口座)に入金し、これを請求人の夫(本件滞納者)に貸し付け、その返済金として本件滞納者が営む事業の売上金が本件口座に入金されていたものであるから、本件口座の払戻請求権は請求人に帰属するものである旨主張する。確かに、本件口座は請求人名義で請求人によって開設されたものであるが、①請求人が父親から借りたとする資金の借用書とされる書類には、借主のサインはあるものの、貸主や公証人としての第三者のサインはなく、作成時期も不明であるから、当該借用書をもって請求人が借り入れた資金であると断定することはできず、また、父親から借り入れたとする時期から本件口座への入金までの期間の大半を日本に滞在していなかった請求人が、日本国内に多額の現金を持ち込み自宅に置いていたとする理由は見いだせず、他に、当該資金が本件滞納者以外のものであることをうかがわせる事実はない以上、当該資金がその入金手続を自ら行った本件滞納者以外の資金であると推認すべき理由はないこと、②それ以外のほとんどの入金の原資は本件滞納者が自ら営む事業の売上金の一部であること、③本件滞納者が、本件口座の預金通帳及びキャッシュカードを所持・管理しており、実際に、本件口座への入出金(預金利息、送金手数料等を除く。)は全て本件滞納者がATM操作により行っていることからすれば、事実上、本件口座は本件滞納者によって思いのまま利用され、請求人はこれを黙認していたと認められ、請求人が本件口座を自己の預金とする意思を有していたとは認めることができないので、本件口座の帰属先は請求人ではなく、本件滞納者であり、充当処分が行われた時点において、本件口座の払戻請求権は本件滞納者に帰属する財産であったというべきである。(平23.11.15 名裁(諸)平23-46)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230034
- 裁決年月日
- 平成23年11月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁所属の徴収担当職員(徴収担当職員)との信頼関係に基づき、新規の滞納国税を発生させず、また、過去の滞納国税について、徴収担当職員より提示された金額を可能な限り納付して、滞納税金が確実に減少しているにも関わらず、原処分庁が一方的に請求人の所有する不動産に対する差押処分(本件差押処分)をしたものであり、本件差押処分は不当である旨主張する。しかしながら、差押処分が不当であるというためには、少なくとも、差押処分において裁量に委ねられている部分があることを要すると解され、国税徴収法第47条《差押の要件》第1項第1号は、滞納国税が完納されないときは、徴収職員は滞納者の財産を差し押さえなければならない旨規定しているが、①国税は滞納となった場合であっても自主的に納付されることが求められること、②差押えをするにしても、差押え可能な財産の調査が必要であること、③大量かつ反復的に発生する滞納事案の全てについて、督促状を発した日から起算して10日を経過した日後直ちに差押えを行うことは事実上困難であることからすれば、この規定は、個々の滞納事案における自主納付の見込みや差押えの必要性等についての認定・判断を徴収職員に委ねた上で、滞納となった国税債権を確実に徴収するために、徴収職員に対し、差押えの必要性があるときは早期に滞納者の財産を保全することを求めたものと解され、差押処分の時期については、徴収職員の裁量に委ねられていると解されるから、督促状を発した日から起算して10日を経過したことによって差押えが可能となったその日から相当期間が経過した後の差押えであっても、そのことゆえに当該差押処分が不当ということはできず、さらに、差押処分の直後に滞納国税が完納されることが確実であったなどの特段の事情がない限り、当該差押処分を不当ということもできないと解されるところ、請求人は、分納計画による納付及び新たに滞納国税を発生させないようにすることを約したにも関わらず、新規の滞納額が発生したことからすれば、請求人が約した納付計画による納付及び新たな滞納国税を発生させないようにすることについて、確実に履行されているとはいえないこと、納付計画に従った履行をしなくなった後に、徴収担当職員からの要請に基づき、改めて納付計画を策定しているものの、当該納付計画において、当初の納付計画による分納額を上回る金額を提示していないことを総合してみると、本件差押処分の直後に本件滞納国税が完納されることが確実であったとはいえず、他に、差押処分の時点において本件差押処分を行ったことを不当とする特段の事情も認められない。(平23.11. 7 名裁(諸)平23-34)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230007
- 裁決年月日
- 平成23年10月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被差押債権の存在を示す書類は一切なく、請求人が本件滞納法人に対して差し入れたとされる借用書は偽造されたものであることから、実在しない債権に対して差押処分をしたのは不当である旨主張する。しかしながら、差押処分の取消しを求める理由が被差押債権の不存在又は消滅である場合は、当該差押手続の違法又は不当に直接関わるものでないこと、また、被差押債権の存否は国の提起する当該差押債権の取立訴訟等においてこれを主張することができ、被差押債権の全部又は一部が存在しないときは、その部分につき執行が功を奏しないことになるだけであることから、そのような債権につき差押処分がなされても第三債務者は法律上の不利益を被ることはないということができる。そうすると、被差押債権の不存在又は消滅を理由とする主張は自己の法律上の利益に関係のないものを理由とするものであり、審査請求が違法又は不当な処分によって侵害された不服申立人の権利利益の救済を図るものであることからして、かかる理由を審査請求の理由とすることはできない。(平23.10.19 福裁(諸)平23-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230022
- 裁決年月日
- 平成23年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差し押さえられた平成22年9月分の清掃作業等代金の支払請求権は、差押処分がされた当時、請求人に帰属していた旨主張する。しかしながら、当該差押処分がされた当時、第三債務者は、平成22年9月分の清掃作業等の相手方が滞納法人であると認識していたと認められ、同月分の清掃業務は、清掃業務委託契約の継続的契約の一環としてされたとみるのが相当であるから、差し押さえられた同月分の清掃作業等代金の支払請求権は、差押処分がされた当時、滞納法人に帰属していたと認められる。(平23.10.17 名裁(諸)平23-22)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230003
- 裁決年月日
- 平成23年10月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押えに係る国税に比し、差押不動産の価額が必要以上に高いものになっている旨主張する。しかしながら、複数の財産を差し押さえた場合において、差押財産の処分予定価額の合計額が差押処分に係る滞納国税の額(延滞税等の額を含む。)に比較して著しく高額で、その一部の財産については明らかに差押えの必要性がないと認められない限り、超過差押えにならないと解されるところ、当該差押不動産の処分予定価額の合計額が滞納国税の額を上回っていることが認められるものの、当該差押不動産は、土地及び建物が結合して有機的に効用を発揮していること及び3筆の宅地はその全部が一体化した区画として利用されていることが認められ、その結合し、又は、一体化した状態を前提として、その全てを一括して換価することによって高価有利に売却することができ、仮に、その一部のみを換価した場合には、売却価額は個々の不動産の処分予定価額を更に下回ることも容易に考えられる。そして、差押財産が換価されるまでに延滞税が更に増加すること、また、当該差押不動産の各処分予定価額からすれば、当該処分予定価額の合計額が当該滞納国税の額に比較して著しく高額で、その一部について明らかに差押えの必要性がなかったということはできないから、当該差押処分が超過差押えに当たるとはいえない。(平23.10. 3 仙裁(諸)平23-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230003
- 裁決年月日
- 平成23年10月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押えに係る国税に比し、差押不動産の価額が必要以上に高いものになっている旨主張する。しかしながら、複数の財産を差し押さえた場合において、差押財産の処分予定価額の合計額が差押処分に係る滞納国税の額(延滞税等の額を含む。)に比較して著しく高額で、その一部の財産については明らかに差押えの必要性がないと認められない限り、超過差押えにならないと解されるところ、当該差押不動産の処分予定価額の合計額が滞納国税の額を上回っていることが認められるものの、当該差押不動産は、土地及び建物が結合して有機的に効用を発揮していること及び3筆の宅地はその全部が一体化した区画として利用されていることが認められ、その結合し、又は、一体化した状態を前提として、その全てを一括して換価することによって高価有利に売却することができ、仮に、その一部のみを換価した場合には、売却価額は個々の不動産の処分予定価額を更に下回ることも容易に考えられる。そして、差押財産が換価されるまでに延滞税が更に増加すること、また、当該差押不動産の各処分予定価額からすれば、当該処分予定価額の合計額が当該滞納国税の額に比較して著しく高額で、その一部について明らかに差押えの必要性がなかったということはできないから、当該差押処分が超過差押えに当たるとはいえない。(平23.10. 3 仙裁(諸)平23-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230004
- 裁決年月日
- 平成23年10月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押えに係る国税に比し、差押不動産の価額が必要以上に高いものになっている旨主張する。しかしながら、複数の財産を差し押さえた場合において、差押財産の処分予定価額の合計額が差押処分に係る滞納国税の額(延滞税等の額を含む。)に比較して著しく高額で、その一部の財産については明らかに差押えの必要性がないと認められない限り、超過差押えにならないと解されるところ、当該差押不動産の処分予定価額の合計額が滞納国税の額を上回っていることが認められるものの、当該差押不動産は、土地及び建物が結合して有機的に効用を発揮していることが認められ、その結合した状態を前提として、それぞれを一括して換価することによって高価有利に売却することができ、仮に、その一部のみを換価した場合には、売却価額は個々の不動産の処分予定価額を更に下回ることも容易に考えられる。そして、差押財産が換価されるまでに延滞税が更に増加すること、また、当該差押不動産の各処分予定価額からすれば、当該処分予定価額の合計額が当該滞納国税の額に比較して著しく高額で、その一部について明らかに差押えの必要性がなかったということはできないから、当該差押処分が超過差押えに当たるとはいえない。(平23.10. 3 仙裁(諸)平23-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230034
- 裁決年月日
- 平成23年8月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の滞納によりその固有財産を差し押さえた原処分は、相続財産の帰属についての訴訟が係属中で、納税義務が最終的に確定していない上、いまだ相続財産の引渡しがないにもかかわらずその納付を強要するものであること及び他の共同相続人への還付税額や相続財産を差し押さえないことは相続人間の公平に著しく反するから、違法又は不当であると主張する。しかしながら、当初申告及び修正申告並びに更正処分等により、各々の納税義務は原処分が行われたときには取り消されることなく有効に確定していたところ、原処分は、国税徴収法第47条《差押の要件》の規定に基づき適法に行われており、また、差押財産の選択は差押禁止財産を除き徴収職員の合理的な裁量に委ねられているところ、相続財産の帰属についての訴訟が係属中で、相続財産の大半を占める不動産には他の相続人名義の登記がされたままであったことからすれば、原処分には違法又は不当はない。(平23. 8.11 東裁(諸)平23-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230025
- 裁決年月日
- 平成23年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、生命保険契約に基づく保険金支払請求権又は解約返戻金支払請求権の処分予定価額は差押処分時の解約返戻金の価額で判断するものであるから、国税に優先する質権が設定されている当該生命保険契約に対する原処分は無益な差押えである旨主張するが、生命保険契約に基づいて発生する保険金支払請求権と解約返戻金支払請求権は、並存しているものの、一方を行使すれば他方は消滅するという択一的な関係にあり、いずれが行使されるか差押処分時には、いまだ定まっていない。したがって、保険金支払請求権及び解約返戻金がこれに先立つ債権等の金額を超える見込みがないか否かの判断に当たっては、保険金支払請求権、解約返戻金支払請求権を別個に判断すべきではなく、両者を一体としてこれを検討すべきである。そして、国税徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第2項に規定する「差し押さえることができる財産の価額」とは、差押処分時における差押えの対象となる財産の処分予定価額をいうものと解するのが相当であるところ、その処分予定価額は、その実際の取立見込額である生命保険金の額であり、国税に優先する債権等の金額を超えることは明らかである。また、原処分庁は、いつでも解約返戻金支払請求権の行使が可能であるところ、保険金解約返戻金の金額は、その取立時において、運用実績等によりその金額が増加し、一方で、質権の被担保債権については弁済等により減少する可能性もあるから、解約返戻金支払請求権の差押えが、差押処分の時点において、直ちに無益な差押えであるとはいえない。(平23. 7.25 東裁(諸)平23-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230008
- 裁決年月日
- 平成23年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁との間で請求人の滞納税金の支払を担保するために、乙社所有の物件を原処分庁が差し押さえることで、請求人及び乙社のその他の資産を差し押さえないことを合意したにもかかわらず、原処分庁は一方的に乙社所有の物件の差押えを解除し、債権差押処分をしたのであるから信義則に違反又は徴収権の濫用に当たり違法である旨主張するが、乙社は、請求人の納税保証をしておらず、請求人と原処分庁との間で上記合意があったことも認められないから、請求人の主張は、その前提を欠くものであり採用できない。(平23. 7. 6 東裁(諸)平23-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230008
- 裁決年月日
- 平成23年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①原処分庁は請求人の滞納税金について納税保証人所有の土地を差し押さえているから、新たにした債権差押処分は超過差押えに当たる、②当該差押処分は必要がないにもかかわらず債権の全額を差し押さえたものであるから違法である旨主張するが、納税保証人は請求人の滞納税金の一部を納税保証しているにすぎず、納税保証をされていない滞納税金の額は原処分庁が差し押さえた債権の額を上回っているのであるから、当該差押処分が超過差押えに当たらないこと、当該債権の全額を差し押さえる必要があることは明らかであり、請求人の主張には理由がない。(平23. 7. 6 東裁(諸)平23-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220063
- 裁決年月日
- 平成23年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実弟の滞納国税に係る差押処分(本件差押処分)の対象となった貸付金の返還請求権(本件債権)は、実父の相続によりその2分の1は請求人に帰属する債権であるとして、本件差押処分の一部を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、請求人の実父と債務者との間で締結された金銭消費貸借契約書(本件契約書)は、請求人の実父がその死亡を原因として本件債権を請求人の弟及び妹に譲渡し、債務者がこれを異議なく承諾するという第三者のための契約を締結したもの解するのが相当であること、また、当該債務者は、本件債権の債権者が請求人の弟であるとして、請求人の実父の死亡後請求人の弟に対し本件債権の返済を行っており、原処分庁に対し、債権者を請求人の弟として債務承認書を提出したことからすれば、請求人の弟が本件契約による受益の意思表示をしたことによって、本件債権の返済を受けていることが推認できる。そして、請求人の妹が請求人の実父の死亡後相続放棄したことは、本件契約による受益を望まないという意思を含むものと解され、そうすると、本件債権は請求人の実父の死亡後は請求人の弟に引き継がれ、請求人の弟に全て帰属する財産であることから、本件債権には請求人に帰属する部分があるとは認められない。(平23. 6.27 名裁(諸)平22-63)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220234
- 裁決年月日
- 平成23年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、公売の前提となる本件不動産の差押処分について、滞納者の事業継続に影響の少ない財産を選択すべきこと、本件不動産には担保権が設定されていることを理由にして、差押財産の選択を誤った違法があるから、本件公売公告は取り消されるべき旨主張する。しかしながら、滞納者に帰属する財産のうち、いかなる財産を差し押さえるかについては、徴収職員の合理的な裁量に委ねられていると解されるところ、請求人が他に滞納国税に見合う財産として主張する本件債権は換価が困難であり、本件不動産の差押えは、徴収職員の合理的な裁量の範囲を逸脱したものとは認められない。また、国税徴収法第49条《差押財産の選択に当たっての第三者の権利の尊重》は、第三者の権利の目的となっている財産の差押えを禁止しているものではないから、本件不動産の差押えたことに違法はない。(平23. 6.24 東裁(諸)平22-234)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220098
- 裁決年月日
- 平成23年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納者の登記名義となっていた本件不動産は、競売における落札資金及び落札後の税金等を請求人が負担し、いつでも所有権移転登記ができる旨の合意があったとして、本件不動産の真の所有者は請求人である旨主張する。しかしながら、本件競売では、本件滞納者が請求人の代理人としてではなく、自己の名前で売却許可決定を受け、買受代金等を納付しているから、落札資金を請求人が提供したとしても、本件不動産の所有権は本件滞納者が取得しており、その後に、合意に基づき所有権を本件滞納者から請求人に移転したと解するのが相当である。原処分庁は、本件不動産の所有者の登記が本件滞納者にあることから本件差押処分を行ったものであり、請求人に所有権があることを知らず、登記の欠缺を主張することに信義に反するような事情も存在しないから、民法第177条《不動産に関する物件の変動の対抗要件》にいう第三者に該当する。そうすると、請求人は、本件不動産の所有権移転登記を具備していないから、原処分庁にその所有権の取得を対抗することができず、本件差押処分は適法である。(平23. 6.21 関裁(諸)平22-98)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220027
- 裁決年月日
- 平成23年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、滞納者が第三債務者に対して債権を有するとして当該各債権(本件各債権)を差し押さえたことに対し、本件各債権は、請求人と滞納者との間の営業譲渡契約により、包括的に請求人に移転しており、このような包括的な移転については民法第467条《指名債権譲渡の対抗要件》の適用がないから、同条第2項が規定する第三者対抗要件を具備しなくても、本件各債権の移転を原処分庁に対抗することができる旨主張する。しかしながら、営業譲渡契約により譲受人に承継されることとなった指名債権について二重譲渡や差押えとの競合が生じることは通常の債権譲渡の場合と同様であることからすれば、営業譲渡契約による指名債権の移転を第三者に対抗するためには、民法第467条が規定する方法により第三者対抗要件を具備する必要があると解されるのであり、本件各債権の移転については、いずれも第三者対抗要件を具備していないから、請求人は、本件各債権の移転を原処分庁に対抗することはできない。(平23. 5.18 広裁(諸)平22-27)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平220008
- 裁決年月日
- 平成23年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401033
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/3動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納法人が使用する貸金庫に保管されていた本件各動産は、いずれも請求人に帰属するから、本件各動産についての差押処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の答述は具体的でなく、また、請求人の夫であり本件滞納法人の代表取締役であるAの答述には矛盾や事実と反する内容が含まれており、当審判所の調査によっても、本件各動産が請求人に帰属すると認められる証拠を見出すことができないことを総合的に判断すれば、本件各動産が請求人に帰属すると認めることはできず、本件差押処分を取り消すことはできない。(平23. 3.31 福裁(諸)平22-8)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220012
- 裁決年月日
- 平成23年2月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401080
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/8差押調書
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、①債権差押通知書(本件通知書)の別紙「財産目録」に記載された債権者(滞納者)には利息制限法所定の利率を超えて受領した過払金及び過払利息は存在せず、②本件通知書に添付された「利息制限法に基づく法定金利計算書」の欄外に「借入金を過払利息より相殺」等の記載があるが、滞納者が請求人に対し相殺の意思表示をした事実はなく、③本件通知書の「履行期限」欄には「当税務署から請求あり次第即時」とすべきところを「即時」としか記載されておらず、④上記②の法定金利計算書には、請求人を「悪意の受益者」とした上で、過払利息の支払義務があるとして差押財産の額を計算し、表示しているといった表示の不備等があるから、原処分は違法又は不当である旨主張する。しかしながら、国税徴収法施行令第27条《債権差押通知書の記載事項》第1項が債権差押通知書に滞納者の氏名及び住所又は居所のほか差し押さえる債権の種類及び額を記載しなければならない旨規定している趣旨は、被差押債権の特定することにあり、第三債務者が被差押債権を確知できる程度に表示されていればよいものと解されるところ、上記①については、「財産目録」の記載内容の全体からすれば単純な記載誤りと容易に認識することができ、原処分を取り消すほどの瑕疵があるとはいえず、また、上記②については、被差押債権の特定に影響を与えないことは明らかであり、上記③についても、履行期限の記載誤りによって被差押債権が特定できない場合には差押処分は違法となるが、本件においては、その記載が被差押債権の特定に影響しないことは明らかであって、さらに、上記④については、実体上の債権額を超える部分の不存在を主張するものであり、審査請求の理由とすることのできない理由を主張するものであるから、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平23. 2. 3 札裁(諸)平22-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220144
- 裁決年月日
- 平成23年2月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401080
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/8差押調書
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債権差押通知書には、被差押債権の履行期限につき国税徴収法基本通達の定めと異なり、「即時」としか記載されておらず、また、差し押さえる債権の額の記載が一切なく、金額を特定することができないから、本件債権差押通知書は法令記載要件を欠くものであり、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、国税徴収法施行令第27条《債権差押通知書の記載事項》第1項が債権差押通知書に差し押さえる債権の種類及び額を記載しなければならない旨を定めている趣旨は、被差押債権を特定することにあると解されるところ、本件においては、履行期限の記載が被差押債権の特定に影響しないことは明らかであり、また、本件債権差押通知書には、国税徴収法施行令に定める差押債権額の具体的な金額の記載はないものの、滞納者と請求人間の金銭消費貸借契約の個々の契約日及び金額は記載されているから、第三債務者である請求人において、当該契約に基づく過払金返還請求権の全額について差押えを受けたと容易に認識できるから、債権の特定に欠けるとはいえない。(平23. 2. 3 東裁(諸)平22-144)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220145
- 裁決年月日
- 平成23年2月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401080
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/8差押調書
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債権差押通知書には、被差押債権の履行期限につき国税徴収法基本通達の定めと異なり、「即時」としか記載されておらず、また、差し押さえる債権の額の記載が一切なく、金額を特定することができないから、債権差押通知書は法令記載要件を欠くものであり、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、国税徴収法施行令第27条《債権差押通知書の記載事項》第1項が債権差押通知書に差し押さえる債権の種類及び額を記載しなければならない旨を定めている趣旨は、被差押債権を特定することにあると解されるところ、本件においては、履行期限の記載が被差押債権の特定に影響しないことは明らかであり、また、本件債権差押通知書には、国税徴収法施行令に定める差押債権額の具体的な金額の記載はないものの、滞納者と請求人間の金銭消費貸借契約の個々の契約日及び金額は記載されており、第三債務者である請求人において、当該契約に基づく過払金返還請求権の全額について差押えを受けたと容易に認識できるから、債権の特定に欠けるとはいえない。(平23. 2. 3 東裁(諸)平22-145)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220111
- 裁決年月日
- 平成22年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた各普通預金(本件各普通預金)及び定期預金(本件定期預金)の預金者は請求人である旨主張する。しかしながら、①上記各預金の口座名義人は請求人であるものの、滞納者の依頼を受けた妻が本件各普通預金の口座開設をし、通帳を管理保管していたこと、②滞納者の判断で、本件各普通預金から、滞納者の事業関係資金の入出金を行っていたこと、③本件各普通預金の口座が開設された際の請求人の年齢、及び、請求人が滞納者の扶養親族であり、学生であることに照らし、本件各普通預金に入金された金銭は、請求人がねん出できる金額ではないこと、④滞納者は、請求人名義で14口もの預貯金の口座を開設しており、本件各普通預金は請求人の金銭を管理するために開設されたものとは考え難いことを総合勘案すれば、滞納者は、自己の事業関係資金の入出金のために本件各普通預金の口座開設をしていたものであり、本件各普通預金の払戻請求権は滞納者に帰属すると解するのが相当である。そして、本件定期預金は、滞納者に帰属する本件各普通預金から払い戻した金銭を原資として預け入れたものでから、本件定期預金の出えん者は滞納者である。よって本件定期預金の払戻請求権は滞納者に帰属すると解するのが相当である。(平22.11.19 東裁(諸)平22-111)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220035
- 裁決年月日
- 平成22年8月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、無職で収入がなく1円も無駄にできないにもかかわらず、差押処分がされたことにより、憲法第25条によって保障されている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が侵害されているから、当該差押処分は違法又は不当である旨主張する。請求人の上記主張が、国税徴収法等の法令自体が憲法に違反するという趣旨であるとすれば、当審判所は、原処分庁が行った処分の適否及び当否を判断する機関であって、その処分の基となった法令自体が憲法に違反するか否かについて判断する権限を有しないから、当審判所の審理の限りではない。仮に、請求人の主張を、当該差押処分が憲法第25条の趣旨に照らして違法であると解釈しても、請求人の有する債権は、普通預金債権であるから国税徴収法が定める差押禁止財産には該当せず、また、請求人に対して国税通則法第46条に規定する納税の猶予等の差押処分を制限する処分がされた事実は認められないから、当該差押処分は、国税徴収法第47条及び同法第62条の要件を満たしている。そうすると、原処分庁の行った差押処分は適法であり、また、原処分庁は、国税徴収法第47条第1項に該当する事実があるときは、差押処分をしなければならないのであるから、当該差押処分が不当であるともいえない。(平22. 8.23 東裁(諸)平22-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220006
- 裁決年月日
- 平成22年7月13日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った各株式の差押えは、無益な差押えに当たるから違法であると主張するが、審査請求による行政処分の取消しを求めるには、その処分が現に存在していることが必要であるところ、当審判所の調査によれば、当該差押処分は、原処分庁において取り消されていることが認められるから、当該差押処分の取消しを求める審査請求は、その対象を欠く不適法なものである。(平22. 7.13 東裁(諸)平22-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210126
- 裁決年月日
- 平成22年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた各債権は、当該差押処分の前に、滞納者から譲渡担保として譲り受け、債権譲渡登記により第三者対抗要件を具備したものとみなされたから、当該各債権は請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、原処分庁が差し押さえた各債権の一部については、原処分庁の取立て、差押えの解除、消滅、不存在により、差押えの効力が消滅したか生じなかったのであるから、請求人は、その部分についての差押えの取消しを求める法律上の利益を有せず、他の債権については、譲渡禁止特約が付されているところ、滞納者と請求人との間で交わされた集合債権譲渡契約書の「譲渡禁止特約の有・無」欄の「有」に丸印が付されていることからすれば、請求人は当該譲渡禁止特約につき悪意の譲受人と認められることから、滞納者から請求人への当該債権の譲渡は無効であり、当該債権が請求人に帰属することを前提に当該債権の差押処分の取消しを求める請求人の主張は、その前提を欠き採用できない。(平22. 6.16 関裁(諸)平21-126)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210033
- 裁決年月日
- 平成22年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 滞納者の子である請求人は、原処分庁が差し押さえた株券に係る株式についての真の権利者は請求人である旨主張し、請求人の祖母が請求人に当該株式に係る株券を引き渡した旨記載されている文書が存在する。ところで、当該原処分庁が差し押さえた株券は、請求人の祖母が、当該株式に係る株券についての除権判決を得るとともに、当該株式を滞納者に譲渡することについて、その発行会社であるC社の取締役会の承認を経た上で再発行された株券が滞納者に交付された後、滞納者が当該再発行株券のすべてを亡失したとして、C社に対してなされた平成20年4月23日付の株券喪失登録の申請に基づき、同社が滞納者に対して発行し、滞納者のために保管していたものであるところ、原処分庁所属の徴収職員が、滞納者がC社に対して有する当該株式に係る株券の再発行請求権を差し押さえた上で、C社が滞納者に対し発行し、滞納者に交付すべきものとして保管していた再発行株券を占有して差し押さえたものである。そうすると、商法(平成17年法律第87号による改正前のもの。)第205条第2項の規定により、上記再発行株券が滞納者に交付された時点で、滞納者が当該再発行株券に係る株式についての権利を有すると推定され、また、会社法第131条第1項の規定により、当該株式についての権利は滞納者に帰属すると推定されることから、この推定を覆す事実が認められない限り、差押処分に当該株式についての権利の帰属を誤った違法があるということはできないこととなる。しかるに、滞納者が当該株式を祖母から譲り受けたこと及びその後における滞納者による株券喪失登録の申請に不自然な点は見当たらず、滞納者が当該株式についての権利が祖母から請求人に移転していることを知りながら、あるいは、重大な過失によってそのことを知らないままに、当該再発行株券の交付を受けたと認めるべき証拠も見当たらない上、請求人が当該株式についての権利を有していたことをうかがわせる証拠もないから、当該株式についての権利が滞納者に帰属するとの推定を覆す事実は認められず、したがって、請求人が当該株式の真の権利者である旨の請求人の主張には理由がない。(平22. 6.10 福裁(諸)平21-33)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210064
- 裁決年月日
- 平成22年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件差押処分の前に差し押さえた不動産を公売すれば滞納国税は完納となる旨を原処分庁所属の統括徴収官が発言したにもかかわらず、10年余りの間公売等の手続を行わないまま、新たに本件差押処分を行ったことは信義則に反し、徴収権の濫用に当たると主張する。しかしながら、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によっても、請求人が信義則違反を主張する統括徴収官の発言がされたことを認めることはできず、また、公売を行わないことが徴収権の濫用であるというには、公売を行うにつき何ら問題がないにもかかわらず、滞納者に不利益を与える目的でし意的にこれを行わないなどの事情が存することが必要であると解されるところ、原処分庁が請求人に不利益を与える目的でし意的に公売処分を怠っていたなどの事実があったとは認められない。(平22. 5.26 大裁(諸)平21-64)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210045
- 裁決年月日
- 平成22年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、買主を滞納法人である請求人A名義とする株式売買契約の目的とされた株式の購入代金を請求人B及び同Cが負担するとともに、覚書により、請求人B及び同Cへ株式譲渡の合意がなされたことから、原処分庁が行った株券の差押処分は、滞納法人に帰属しない有価証券を差し押さえたものであり、取り消されるべき旨主張する。しかしながら、請求人B及び同Cは当該株式売買契約の当事者ではなく、売主から当該株券を取得しておらず、また、当該覚書により、滞納法人から請求人B及び同Cへの株式譲渡の合意がなされていたとしても、株式譲渡は、株券の交付を受けなければ第三者に対抗できないところ、滞納法人から請求人B及び同Cに株券の交付がされた事実は認められないから、請求人B及び同Cは当該株券の取得を原処分庁に対抗することはできない。(平22. 5.11 名裁(諸)平21-45)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210045
- 裁決年月日
- 平成22年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、買主を滞納法人である請求人A名義とする株式売買契約の目的とされた株式の購入代金を請求人B及び同Cが負担しているから、当該株式の発行会社に対する未発行株券の交付請求権は、請求人B及び同Cに帰属するとして、原処分庁が行った当該株券の交付請求権の差押処分は、滞納法人に帰属しない債権を差し押さえたものであり、取り消されるべき旨主張する。しかしながら、売買契約に係る意思表示が契約書によって行われた場合には、当該契約書の名義人が当該契約の当事者として契約を締結したと認められるから、契約書の記載にかかわらず、当該契約書の名義人以外の者を当事者と認められるに足りる特段の事情のない限り、当該名義人をもって契約当事者と解するのが相当であるところ、当該株式売買契約の当事者である買主は滞納法人であり、また、売主の認識等からしても、滞納法人以外の者が買主であったと認められる特段の事情は見当たらない。したがって、当該株券の交付請求権はすべて滞納法人に帰属するものである。(平22. 5. 11 名裁(諸)平21-45)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210105
- 裁決年月日
- 平成22年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各滞納国税が存在しないことを理由に本件各差押処分には重大かつ明白な暇疵がある旨主張する。しかしながら、本件各滞納国税の確定過程に瑕疵はなく、本件各滞納国税はいずれも適法に存在していることが認められる。また、本件各滞納国税については、それぞれ督促処分が行われ、また、本件各差押処分に際して、それぞれ差押調書が作成され、差押調書謄本が請求人に、差押通知書が各口座管理機関及び各株式の発行者にそれぞれ送達されたことが認められることから、本件各差押処分は、その手続に瑕疵は認められず適法である。(平22. 4.26 関裁(諸)平21-105)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210075
- 裁決年月日
- 平成22年2月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 本件各預貯金の差押時点において、本件各差押財産の処分予定価額の合計額は滞納額を下回っていたと認められるが、本件納付告知処分の一部が取り消されることによって、本件各差押財産の処分予定価額が第二次納税義務の限度額を超過する状態になると認められる。ところで、先行する課税処分と後続の徴収処分との関係については、課税処分が租税確定手続であり、後者が租税徴収手続であって、両者は別個の法律的効果の発生を目的とする別個独立の行為であるから、前者の違法は後者に承継されないと解するのが相当であり、第二次納税義務の徴収手続の場合も同様に、先行する納付告知処分に違法があったとしても、その違法性は当該第二次納税義務に係る国税を徴収するための滞納処分には直ちに承継されないと解するのが相当であるから、第二次納税義務に係る納付告知処分の一部が取り消されたとしても、そのことをもって直ちに当該第二次納税義務に係る国税を徴収するための滞納処分を違法ということはできない。そして、国税徴収法第79条第2項第1号は、差押えに係る国税の一部の納付、充当、更正の一部の取消し、差押財産の値上りその他の理由により、その価額が差押えに係る国税及びこれに先立つ他の国税、地方税その他の債権の合計額を著しく超過すると認められるに至ったときは、差押財産の全部又は一部について、その差押えを解除することができる旨規定しており、後発的事由により超過差押えとなった場合の違法状態の是正措置が設けられているところ、同号の規定により差押えを解除するか否か、また、解除する場合に、どの財産の差押えを解除するかは徴収職員の合理的な裁量にゆだねられていると解されることからすれば、後発的事由により超過差押えとなった場合に、審判所が差押えを取り消す財産を選択し、当該財産の差押えを取り消すことは許されないと解される。また、差押えの解除と取消しの法律的効果の相違も考慮すれば、後発的事由により超過差押えとなったとしても、審判所は差押処分の取消しをすることはできないと解される。したがって、本件納付告知処分は一部を取り消すべきであるものの、これを理由として本件各差押処分の一部又は全部を取り消すことはできない。(平22. 2.16 関裁(諸)平21-75)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210021
- 裁決年月日
- 平成22年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差入保証金の返還請求権の差押処分(以下「本件保証金差押処分」という。)は、納付相談を延期した直後に行われたものであり、徴収権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、滞納者が滞納国税について何らかの納付の意思を表示すれば差押処分ができなくなる旨を定めた法令の規定はなく、むしろ、国税徴収法第47条《差押の要件》第1項第1号によれば、滞納者が督促に係る国税を完納しないときは、徴収職員は滞納者の国税につきその財産を差し押さえなければならないのであるから、納付相談を延期した直後に差押処分が行われたからといって、直ちに違法となるものではない。そして、原処分庁は、請求人から納付計画が示されず、納付相談も延期されたことから、本件保証金差押処分を行ったものと認められる。したがって、原処分庁が同法第47条第1項第1号の規定に基づいて本件保証金差押処分を行ったことは、滞納国税を徴収するために必要なものであり、これをもって徴収権の濫用があったとは認められないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平22. 1.22 名裁(諸)平21-21)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210015
- 裁決年月日
- 平成22年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分は、①滞納国税の分割納付を続けている請求人の努力を考慮しないで、一方的になされたものであること、②請求人の知人は、請求人と同程度の滞納をし、分割納付もしていなかったにもかかわらず、所有する自宅は差押えされず、現金、預金の差押えのみで、しかもその後は分割納付が認められており、徴収職員によって対応が違っていることから、徴収権を濫用した違法な処分である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、差押処分前に請求人に対して納付指導を行っていること、請求人は、原処分庁に対して行った誓約どおりに滞納国税の納付を続けていないことからすると、本件差押処分は一方的になされたものとはいえない。また、いかなる財産を差し押さえるかについては、徴収職員の合理的な裁量にゆだねられているところ、本件差押処分が行われた時点において、本件不動産のほかに本件差押処分に係る滞納国税を充足させる財産を有していないこと、滞納処分の方法は、滞納国税の完納の見込みや財産の差押えの必要性等の個々の事情により異なることが当然であることからすると、本件不動産を差し押さえたことには何ら徴収権の濫用はない。したがって、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平22. 1.20 広裁(諸)平21-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210077
- 裁決年月日
- 平成21年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 国税通則法第75条に規定する国税に関する法律に基づく処分に不服がある者とは、その処分によって直接自己の権利又は法律上の利益を侵害された者であることを要すると解され、自己の法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由とすることができないと解するのが相当であるところ、本件各差押処分の名あて人は、請求人ではないから、請求人が直接自己の権利又は法律上の利益を侵害されたといえるためには、請求人において、本件各差押債権が請求人に帰属することを立証する必要がある。そして、普通預金債権の帰属者の認定に当たっては、口座開設時における原資の出えん者、口座の開設者、預金口座の名義人、出えん者と開設者及び名義人相互の関係並びに預金通帳、キャッシュカード及び届出印等の保管・管理状況等の諸要素を総合的に勘案した上で判断するのが相当であるところ、各口座の開設者、預金口座の名義人及び預金通帳等の保管・管理状況等の各事実は、いずれも各口座が請求人に帰属することを示すものではなく、各口座開設時における原資の出えん者が請求人であることや、請求人が各口座の名義人に口座開設を依頼したことを認めるに足る証拠もないのであるから、本件各口座が請求人に帰属するとは認められない。(平21.12.14 東裁(諸)平21-77)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210007
- 裁決年月日
- 平成21年8月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がA法人に対して有する給与のうち、国税徴収法第76条第1項各号に掲げる金額を控除した金額の支払請求権の差押処分を行う前に、請求人が所有するゴルフ会員券に係る預託金返還請求権の差押え及び取立てをすれば、滞納国税を徴収することができるのであるから、差押財産の選択を誤っており、原処分庁には裁量権の範囲の逸脱があるので、当該差押処分は不当である旨主張するが、いかなる財産を差し押さえるかについては、国税徴収法その他の法令には、差押財産の種類又は順序について制限を設けた規定はないから、徴収職員の合理的な裁量にゆだねられているものと解されており、当該預託金返還請求権よりも取立ての容易な当該支払請求権を差し押さえていることから、徴収職員の合理的な裁量権の範囲を逸脱したものとは認められず、不当とはいえない。(平21. 8. 5 関裁(諸)平21-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200176
- 裁決年月日
- 平成21年5月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした請求人の預金債権に対する差押処分(以下「本件差押処分」という。)は、滞納処分が停止されている間に行われているから、同処分は違法である旨主張するが、原処分庁は、国税徴収法第154条《滞納処分の停止の取消》第1項の規定に基づき滞納処分の執行の停止取消処分を行い、同条第2項の規定に基づき請求人にその旨通知した後に、本件差押処分をしたことが認められるから、請求人の主張には理由がない。また、請求人は、年金生活者であり、国税徴収法第153条《滞納処分の停止の要件等》の規定に基づく滞納処分の執行の停止に該当するから本件差押処分は違法である旨主張するが、請求人には滞納処分を執行できる財産があり、かつ、滞納処分を執行することによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるときにも該当しないことから、請求人の主張には理由がない。(平21. 5.14 東裁(諸)平20-176)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200017
- 裁決年月日
- 平成21年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・593ページ
要旨
○ 請求人は、店舗を整理して所得が増える努力をし、滞納を整理しようとしているにもかかわらず、これを無視して行われた営業用建物についての差押処分は、営業の継続に支障を来し、納税を困難にさせる不当な処分であるとともに、中小企業を倒産させないとする国の方針と異なる不当な処分である旨主張する。ところで、差押処分は、納税者の意思にかかわりなく強制的に行われるものであるが、一方で、納税者の権利及び利益の保護並びに事業の維持のため国税徴収法は、滞納処分を一定の範囲で制限しているところ、差押処分に当たり、いかなる財産を差し押さえるかについては、差押処分が制限されることのない範囲内で徴収職員の合理的な裁量にゆだねられていると解されているとともに、差押処分を行う時期については、差押処分の直後に滞納国税が完納されることが確実であるなどの特段の事情がない限り、差押処分を不当ということはできないと解されるところ、本件建物は差押禁止財産に該当せず、請求人は本件建物以外に本件滞納国税に見合う差押可能な財産を有していないことから、本件差押処分において差押財産の選択が問題となることもなく、また、差押処分の時期についても、本件差押処分の直後に滞納国税が完納されることが確実であったことなどの特段の事情はうかがわれないことからすると、本件差押処分が不当な処分であるとはいえない。さらに、中小企業を倒産させないことが国の方針であるとしても、徴収企業の倒産を防止するために滞納処分手続を制限する法令上の定めがない段階で、中小企業を倒産させないという観点のみから、法律に基づいて課された租税を裁量で徴収しないことは、租税負担の公平を阻害することとなるとともに、国税徴収法第47条の趣旨が没却されることになるから、このような要素を裁量判断の基礎とすることはできない。したがって、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平21. 5.11 高裁(諸)平20-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200043
- 裁決年月日
- 平成21年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が同人の生活状況をよく確認することもなく、本件差押処分を行っており、また、本件差押処分によって、現在の生活が困難になり、かつ、将来の生活が成り立たなくなったことを理由として、本件差押処分は不当である旨主張する。しかしながら、差押財産の選択については、滞納者の生活の維持又は事業の継続に与える支障が少ない財産であることなどにつき、十分留意した上で、徴収職員の合理的な裁量により行われるべきところ、本件においては、本件徴収職員が請求人から生活状況を聞き取っていることが認められ、かつ、その結果、請求人に、給与収入等があり、本件普通預金のうち本件滞納国税相当額を差し押さえても現在及び将来の生活が困窮するとは認められず、差押財産の選択は合理的な裁量の範囲内といえ、不当ではないので、請求人の主張は採用できない。(平21. 3.31 関裁(諸)平20-43)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200043
- 裁決年月日
- 平成21年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、本件差押処分を行う前に、本件滞納国税の納税について具体的な説明をすべきであったにもかかわらず、何らすることなく行われた不当な処分である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、本件差押処分の前に、請求人に対して納付指導等を行っており、本件差押処分を行う前に具体的な説明をしなかったとはいえないから、請求人の主張は採用できない。(平21. 3.31 関裁(諸)平20-43)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200013
- 裁決年月日
- 平成21年3月25日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求によって行政処分の取消しを求めるには、その取消しを求める処分が現に存在していることが必要であるところ、当審判所の調査によれば、本件各差押債権については、原処分庁が国税徴収法第67条《差し押えた債権の取立》の規定に基づいて、第三債務者からその全額を取り立てていることが認められる。そうすると、本件各差押処分は、その取立てにより目的を完了してその効力が消滅しているのであるから、本件各差押処分の全部の取消しを求める審査請求は、既に効力の消滅した処分の取消しを求めるものであり、請求人は、その取消しを求めるにつき法律上の利益を有しないから、本件審査請求は不適法なものである。(平21. 3.25 福裁(諸)平20-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200126
- 裁決年月日
- 平成21年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、判例によれば、差押えに係る当座預金は、差押え前に、その出損者及び届出印章の保管者である別法人に帰属し、滞納法人には帰属していなかったから、当座預金口座に係る差押えは無効である旨主張する。しかしながら、いったん有効に成立した行政処分を当然無効というためには、処分に重大かつ明白な瑕疵がなければならず、ここにいう重大かつ明白な瑕疵というのは、処分の要件の存在を肯定する処分庁の認定に重大かつ明白な瑕疵がある場合を指すものと解されている。また、瑕疵が明白であるかどうかは、処分の外見上、客観的に誤認が一見看取し得るものであるかどうかにより決すべきものと解される。ところで、滞納処分は、最終的には納税者の財産を換価(取立てを含む)してその滞納税額に充てる連続した処分であり、多数の納税者に対して大量に行われるものであって、個々の財産につき一々真実の所有者を探求して差押処分をすることは極めて困難であって、表見上の所有者を真実に合するとの推定の下に、その所有者を認定して、差押処分をなすことは、その処分の性質上合理的なものであり、仮に、表見上の所有者が真実に合しない場合は、真の所有者は法所定の不服申立期間内に、その取消しを求めることによって権利の回復を図るべきものである。そして、原処分庁は、滞納国税を徴収するため当座預金が滞納法人名義であることを確認して差し押さえたことが認められ、原処分庁の当座預金の帰属の認定について、外見上、客観的に誤認が明白であると認められる事情は存しない。したがって、仮に請求人の主張する事由があったとしても、原処分庁が、当座預金はその名義人である滞納法人に帰属すると認定したことについて、重大かつ明白な瑕疵があるとはいえない。(平21. 2.20 東裁(諸)平20-126)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200124
- 裁決年月日
- 平成21年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押えに係る国税に比し、差押不動産の処分予定価額が著しく高額であるから当該差押処分は、超過差押えに当たる旨主張する。差押処分に当たりいかなる財産を差し押さえるかは徴収職員の合理的な裁量による判断にゆだねられていると解され、そうすると、国税徴収法第48条第1項違反となるのは、差押処分に係る滞納国税の額に比較して差押財産の価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であると認められるなどの特段の事情がある場合であると解するのが相当である。原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、差押不動産の処分予定価額は、差押えに係る国税を下回ることから、当該差押えに係る国税の額に比較して差押不動産の処分予定価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であると認められるなどの事情があるとはいえない。(平21. 2.16 東裁(諸)平20-124)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200124
- 裁決年月日
- 平成21年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納国税(以下「本件滞納国税」という。)について督促を受けて以降の請求人の自主納付の努力を考慮せずに一方的に差押処分(以下「本件差押処分」という。)を行ったのは徴収権を濫用した処分であるなどと主張する。しかしながら、原処分庁は、本件滞納国税について納税の猶予等の処分をしていた事実はなく、また、本件差押処分は超過差押えにも当たらず、その他本件差押処分をしたことについて、徴収職員の裁量の範囲を逸脱する事実は当審判所の調査によっても認められない。また、差押処分は、納税者の意思にかかわらず、強制的に行われるものであり、国税徴収法第47条の要件を充たす場合には、徴収職員は差押処分をしなければならないのであるから、差押処分が一方的に行われたからといって、当該処分が徴収権を濫用した処分ということはできないところ、原処分庁が本件滞納国税を徴収する以外の目的をもって本件差押処分を行ったというような徴収権の濫用の根拠となる事実は当審判所の調査によっても認められない。(平21. 2.16 東裁(諸)平20-124)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200116
- 裁決年月日
- 平成21年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた本件不動産から生じる家賃収入は請求人の生活の資であり、このまま差押処分が取り消されず公売処分に付されると、生活が維持できなくなるとともに、本件差押処分が請求人に精神的苦痛を与え、請求人の生活を脅かしている事実は憲法第25条に違反するから、本件差押処分は違法である主張する。しかしながら、請求人の主張する事情は、いずれも適法な差押処分に伴って滞納者が受忍すべき事情であるといわざるを得ず、請求人の上記主張が法令の違憲、法令の規定自体の不合理をいうものであれば、国税不服審判所は、税務署長等が行った処分について、国税に関する法令に反する違法、不当な処分であるか否かを判断する行政機関であって、憲法違反、規定自体の合理性について判断する権限を有しないから、この点に関する請求人の主張については当審判所の審理の限りではない。(平21. 1.20 東裁(諸)平20-116)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200116
- 裁決年月日
- 平成21年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の居宅兼賃貸物件である不動産の差押処分(以下「本件差押処分」という。)について、当該差押処分は、滞納国税を分割して納付しようとする請求人の意思に反して行われた違法、不当な処分であるなどと主張する。しかしながら、差押処分は、納期限までに完納されない国税債権を強制的に実現するために、納税者の意思にかかわりなく納税者の特定の財産の処分を禁止するものであり、納税の猶予等の徴収を緩和する処分がなされたときに制限される場合があるものの、本件不動産は差押禁止財産に該当せず、不動産収入で生計を維持している滞納者の不動産を差し押さえてはならない旨の規定はなく、本件滞納国税について納税の猶予等の処分をしていた事実もない上、本件差押処分が差押財産の選択についての徴収職員の合理的な裁量の範囲を逸脱し、又は、その行使に適切さを欠いているとも認められない。また、本件差押処分により、本件不動産の空き室が埋まらず、そのために納税資金を捻出できない事実が生じたとしても、差押処分が国税債権を強制的に実現するための処分という性質のものである以上、滞納者である請求人が受忍すべきものというほかない。したがって、本件差押処分は違法、不当な処分とはいえず、請求人の主張には理由がない。(平21. 1.20 東裁(諸)平20-116)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200109
- 裁決年月日
- 平成21年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産の差押処分について、当該差押処分に係る国税には、請求人が相続によって納税義務を承継した国税があるところ、差し押さえられた不動産は、請求人が被相続人と結婚する以前に取得した請求人の固有財産であるから、当該不動産以外の財産を差し押さえるべきである旨主張する。しかしながら、被相続人の国税につきその相続人の財産を差し押さえる場合には、滞納処分の執行に支障がない限り、まず相続財産を差し押さえるように努めなければならない旨の国税徴収法第51条《相続があった場合の差押》第1項の規定は、相続人の利益に配慮した訓示規定と解されており、同条第2項が被相続人の国税につき相続人の固有財産が差し押さえられた場合に、他に換価に容易な財産で第三者の権利の目的となっていないものを有しており、かつ、その財産により被相続人の国税の全額を徴収することができることを理由として、相続人が差押換えを請求できるとして相続人の不利益に配慮していることに照らせば、相続人の固有財産を差し押さえることで差押処分が直ちに違法又は不当になるとはいえないから請求人の主張には理由がない。(平20. 1. 7 東裁(諸)平20-109)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200109
- 裁決年月日
- 平成21年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分が、事前予告等のないままに一方的に行なわれたものであり、また、請求人が毎月少額ではあるが本件各滞納国税の納税を行なっていることを無視して行なわれたものであるから、違法又は不当である旨主張する。しかしながら、差押処分は、納期限までに完納されない国税債権を強制的に実現する目的で納税者の特定の財産の処分を禁止する滞納処分であるから、納税者の意思にかかわりなく強制的に行なわれるものであり、差押処分に当たって、事前の予告や納税者への説明をしなければならないものではなく、また、納税者の権利及び利益の保護並びに生計及び事業の維持のため、国税通則法第46条《納税の猶予の要件等》、同法第105条《不服申立てと国税の徴収との関係》に係る徴収の猶予等の規定に基づいて納税の猶予等の徴収を緩和する処分がなされたときには、差押えに一定の制限がされる場合があるが、原処分庁が本件差押処分を行った時点で本件各滞納国税について納税の猶予等の処分をしていた事実はないから、請求人が一部納付を続けていたとしても、これによって差押処分が制限される理由はない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 1. 7 東裁(諸)平20-109)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200107
- 裁決年月日
- 平成20年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社に対する差押処分の対象となった敷金は、請求人が第三債務者に支払ったものであるから、滞納会社に帰属するのではなく請求人に帰属すると主張する。しかしながら、敷金契約に係る意思表示が契約書によって行われている場合には、当該契約書の名義人以外の者を当事者と認めるに足りる特段の事情のない限り、当該名義人が契約当事者となると解するのが相当であるところ、これを本件についてみると、契約書の名義人は滞納会社であって、その後に契約当事者が作成した文書でも名義人は滞納会社になっており、賃貸人等が当事者を滞納会社であると認識し、請求人が敷金を負担した証拠もないから、上記特段の事情は認められない。したがって、本件敷金返還請求権に係る契約の当事者は滞納会社であり、本件敷金返還請求権は滞納会社に帰属することになる。(平20.12.17 東裁(諸)平20-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200103
- 裁決年月日
- 平成20年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401080
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/8差押調書
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押処分に係る差押書に記載された滞納国税の金額には差押処分の前になされた納付の事実が反映されておらず、重大な誤りがあるから、当該差押処分は無効である旨主張する。国税徴収法施行令第30条第1項第1号が、差押書に、差押えに係る国税の年度、税目、納期限及び金額を記載しなければならない旨規定している趣旨は、差押処分の根拠となる滞納国税を特定し、それを滞納者に了知させることにあると解される。したがって、差押書に記載された内容から差押えに係る国税が特定できる場合には、滞納国税の金額の記載誤りをもって差押処分を取り消す事由となるものではないと解するのが相当である。これを本件についてみると、請求人に送達された差押処分に係る差押書(以下「本件差押書」という。)の滞納国税の金額欄には誤りがあるが、他の記載事項である国税の年度等は正しく記載されており、これらの記載事項から差押処分に係る国税を特定することが可能であると認められるから、本件差押書に記載された滞納金額の誤りを理由として、本件差押処分が無効又は違法ということはできない。(平20.12.16 東裁(諸)平20-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200103
- 裁決年月日
- 平成20年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付義務者間の調停に支障を生じさせることを知りながら請求人の所有する不動産を差し押さえたことは不当である旨主張する。しかしながら、連帯納付義務者は、それぞれの連帯納付義務者が連帯して負担する義務であり、連帯納付義務者間の最終的な負担割合についての交渉は、連帯納付義務者に対する徴収権の行使を何ら制約するものではない。したがって、そのような徴収権の行使に影響を及ぼすことのない事実の存否によって、差押財産の選択等についての裁量権の行使が適切さを欠くことにはならないから、民事調停中であったことを理由に請求人の不動産を差し押さえたことが不当になるとはいえない。(平20.12.16 東裁(諸)平20-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200103
- 裁決年月日
- 平成20年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押えに係る国税に比し、差押不動産の処分予定価額が著しく高額であるから当該差押処分は、超過差押えに当たる旨主張する。国税を徴収するため滞納者の財産を差し押さえる場合、差押処分時に評価の前提となる差押財産をめぐる権利関係を把握することが必ずしも容易ではなく、しかも、国税の徴収は最終的には公売等による換価を待って初めて実現するものであり、差押処分時に換価額を正確に予測することが困難であること等の点にかんがみれば、どのような財産をどのような範囲で差し押さえるかは、徴収職員の合理的な裁量にゆだねられていると解される。そうすると、国税徴収法第48条第1項違反となるのは、差押処分に係る滞納国税の額に比較して差押財産の価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であると認められるなどの特段の事情がある場合であると解するのが相当である。当審判所の調査の結果によれば、差押不動産の現況は、第三者のための敷地の用に供された土地及びこれらの者のための道路の用に供された土地であるところ、差押不動産の処分予定価額は、差押えに係る国税を下回ることから、当該差押えに係る国税の額に比較して差押不動産の処分予定価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であると認められるなどの事情があるとはいえない。(平20.12.16 東裁(諸)平20-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200103
- 裁決年月日
- 平成20年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納となっている国税は延滞税であるところ、連帯納付義務者には当該国税がどのような経緯により発生したかが明らかではないから、当該国税について告知をせず不意打ちに行った差押処分は違法である旨主張する。延滞税は、国税通則法第60条第4項の規定により、その計算の基礎となる税額の属する税目の国税として取り扱われるから、その計算の基礎となる税が相続税であるときは、その延滞税も相続税として取り扱われることとなり、連帯納付義務の履行を求めた時点から延滞税の連帯納付の責めを負うなどの連帯納付義務者の責任を限定する規定もないのであるから、連帯納付義務を負う者は、延滞税の全額について連帯納付の責めに任ずるものと解される。そして、延滞税は国税通則法第15条第3項第6号の規定により、納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税であって、延滞税の金額が確定した場合にその金額を納税者に告知しなければならないとする規定は存しないから、延滞税の金額を事前に告知しないからといって違法な処分ということはできない。(平20.12.16 東裁(諸)平20-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200103
- 裁決年月日
- 平成20年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、他の連帯納付義務者も差押えに適した財産を有しているにもかかわらず、請求人の所有する不動産を差し押さえたものであるから、当該差押処分は違法又は不当な処分に当たる旨主張する。相続税法第34条第1項にいう相続税の連帯納付義務は、同法が相続税徴収の確保を図るため、相互に各相続人に課した特別の責任であるから、各連帯納付義務者は、他の連帯納付義務者がその義務を履行したか否かにかかわらず、相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、それぞれ連帯納付義務を負担しなければならないのであって、滞納となっている他の相続人の相続税について、相続により受けた利益の価額によりあん分して連帯納付義務を負うものではないと解するのが相当である。そして、差押財産の選択は、徴収職員の合理的な裁量による判断にゆだねられていると解されるところ、この理は、各連帯納付義務者がそれぞれ財産を有する場合においても、どの連帯納付義務者のどの財産を差し押さえるかは原処分庁の裁量権にゆだねられていると解される。したがって、原処分庁が滞納者や他の連帯納付義務者の利益を図る目的をもって一人の連帯納付義務者の財産を差し押さえたというような場合等、その裁量権を逸脱して差押処分を行ったと認められるような事実が存しない限り当該処分を違法ということはできない。これを本件についてみると、原処分庁が滞納国税を徴収するに当たって、請求人が所有する不動産を差し押さえたことについては、当審判所の調査の結果によっても、原処分庁が滞納者又は他の連帯納付義務者の利益を図る目的をもって請求人の所有する不動産を差し押さえたというような事実は見当たらないから、差押財産の選択に当たり、裁量権の逸脱はなく、また、その行使に適切さを欠いているともいえない。(平20.12.16 東裁(諸)平20-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200103
- 裁決年月日
- 平成20年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納となっている国税は延滞税であるところ、当該国税は原処分庁の怠慢により発生したものであるから、延滞税全額について徴収しようとするために行われた差押処分は徴収権を濫用した処分である旨主張する。しかしながら、連帯納付義務の履行を求めた時点から延滞税の連帯納付の責めを負うなどの連帯納付義務者の責任を限定する規定もないのであるから、連帯納付義務を負う者は、延滞税の全額について連帯納付の責めに任ずるものと解される。もっとも、本来の納税者が現に十分な財産を有し、同人から固有の相続税の徴収を図ることが極めて容易であるにもかかわらず、国税当局が同人又は第三者の利益を図りあるいは連帯納付義務者に損害を与える目的をもって、恣意的に、本来の納税者からの徴収を行わず、連帯納付義務者に対してその義務の履行を求めたという事情の存する場合には、徴収権の濫用に当たると評価できる余地もあると解される。これを本件についてみると、原処分関係資料及び当審判所の調査によっても、本来の納税者に現に十分な財産を有すると認めるに足りる資料はなく、○○税務署長及び原処分庁の徴収手続において、国税当局が同人又は第三者の利益を図りあるいは連帯納付義務者に損害を与える目的をもって、恣意的に、本来の納税者からの徴収を行わないなどの恣意的で徴収権の濫用に当たると評価されるべき事実の存在を裏付ける資料も見当たらないから請求人の主張には理由がない。(平20.12.16 東裁(諸)平20-103)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平200006
- 裁決年月日
- 平成20年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った動産の差押処分(以下「本件差押処分」という。)は、①本件差押処分を行う際の捜索に当たって、令状も裁判所の許可もなく徴収職員の身分証明書の呈示もなかったこと、②徴収職員が理由を告げずに本件差押処分を行ったこと、③捜索の立会人となった市職員が差押調書に署名押印し差押調書謄本を受領したのは公務員の職権濫用であることから、その手続に違法があり取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、①国税徴収法には滞納処分のための捜索を行う場合に令状や裁判所の許可を必要とする旨の規定はなく、徴収職員の身分証明書の呈示についても関係者から請求があったときは呈示しなければならないが、そのような請求はなかったこと、②国税徴収法には差押えに当たり徴収職員が差押えを行う理由を滞納者に説明することが差押えの要件であるとする規定はないこと、③市職員が捜索に立ち会い、差押調書に署名押印し、差押調書謄本を受領した行為は、いずれも国税徴収法の規定により徴収職員が市職員に求めたことに応じて行われたものであることからすれば、本件差押処分に違法はない。(平20.12. 1 仙裁(諸)平20-6)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200004
- 裁決年月日
- 平成20年8月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・583ページ
要旨
○ 平成18年度における本件テナントビルの敷地部分の固定資産税評価額の合計額は○○○○円であり、土地についての固定資産税評価額は不動産鑑定評価基準に基づいて評価された正常価額(時価)の概ね70%程度であるといわれているのであるから、本件テナントビルの差押処分時における本件テナントビルの敷地部分の時価相当額は○○○○円となる。そして、平成18年度における本件テナントビルの建造物部分の固定資産税評価額の合計額は○○○○円であるところ、家屋についての固定資産税評価額は再建築価額を基準として、経過年数、損耗の程度に応じて減価し、さらに、その減価は需給事情に応じた補正を行って算出されることとされていることから、時価を反映したものといえる。もっとも、本件テナントビルは賃貸されているのであるから、公売に当たっては、借家権相当額を減額した上で処分予定価額を算出する必要があるところ、財産評価基準によれば、本件テナントビルが所在する地域の借家権割合は30%とされているのであるから、この割合に基づいて借家権相当額を減額すると、本件テナントビルの建造物部分の価額は、○○○○円となる。そして、公売の特殊性に伴う減価割合を仮に10%として本件テナントビルの差押処分時における本件テナントビルの処分予定価額を算出すると、その価額は○○○○円{(○○○○円+○○○○円)×0.9}となる。一方、本件テナントビルについては、本件滞納国税に優先する本件第1抵当権と本件第2抵当権が設定されているので、本件テナントビルの差押処分が国税徴収法第48条第2項にいう無益な差押えに当たるか否かを判断するためには、本件テナントビルの差押処分時におけるこれらの被担保債権の額と上記処分予定価額を比較する必要があるが、本件各差押処分時における本件第1抵当権の被担保債権の額は、○○○○円であり、本件第2抵当権の被担保債権の額は○○○○円である。そうすると、本件第1抵当権の被担保債権の額が弁済などによって減少する可能性があることを考慮しても、本件テナントビルの処分予定価額が本件第1抵当権の被担保債権の額を超える見込みのないことが一見して明らかであるといわざるを得ない。これに対して、原処分庁は、本件テナントビルと本件甲物件とを一括して評価すべきであると主張するが、本件甲物件の売却代金を本件第1抵当権の被担保債権に配当することはできないのであるから、本件テナントビルの差押えが無益な差押えに当たるかを否かの判断に当たって、本件甲物件の処分予定価額を考慮する必要はないというべきである。(平20. 8.11 熊裁(諸)平20-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190213
- 裁決年月日
- 平成20年6月23日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 公売公告処分に対して、超過差押、超過公売公告を理由に処分の取消しを求めて審査請求がされた後に、最高価申込者が入札を取消し、原処分庁が最高価申込者の決定を取り消した。そして、公売を続行できる場合に該当する事実も認められないことから、公売公告処分の効力は消滅しているので、請求人には処分の取消しを求める法律上の利益がない。(平20. 6.23 東裁(諸)平19-213)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190209
- 裁決年月日
- 平成20年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、滞納会社の滞納国税を徴収するため、工事請負業者に対して労務者を派遣する取引に係る各債権(以下「本件各債権」という。)について差押処分を行ったのに対し、請求人は、本件各債権のうち、滞納会社に所属していた労務者が別途組合を発足させた日後に発生した債権の取引当事者は請求人であるから、同日以後の部分は請求人に帰属する旨主張している。本件各債権のうち、上記組合の発足以前に滞納会社と工事請負業者との間には、継続して取引が存在し、当該取引により発生した債権が本件滞納会社に帰属することについて争いはないところ、請求人の組合員であるという労務者の労働の対価が、組合たる請求人に帰属するという根拠が見当たらない上、同日以降も滞納会社と本件各債権の第三債務者である工事請負業者との上記取引はなお継続していたと認められ、請求人と第三債務者との間には取引が存在しなかったと認めるのが相当であるから、当該各債権は、請求人に帰属しているとはいえず、本件滞納会社に帰属するものと認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 6.18 東裁(諸)平19-209)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190044
- 裁決年月日
- 平成20年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分は、国税徴収法基本通達47−17の趣旨に反するものであり、不当な処分である旨主張する。しかしながら、本件差押不動産は差押禁止財産(国税徴収法第75条《一般の差押禁止財産》から同法第78条《条件付差押禁止財産》までの規定)に当たらないし、請求人には、本件差押不動産以外には差押可能な財産を所有しておらず、また、本件各滞納国税を徴収するために必要な範囲内のものと認められるから、本件差押処分は不当ではない。(平20. 5.22 関裁(諸)平19-44)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190184
- 裁決年月日
- 平成20年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人ら(滞納者の相続人)は、第三債務者のある無体財産権及び債権の差押処分について、滞納者(被相続人)の生活維持を考慮しないで行われた不当な処分である旨主張する。しかしながら、差押処分に当たり、いかなる財産を差し押さえるかについては、納税者保護との調整を趣旨とする差押禁止財産や超過差押えの禁止等を定める規定により滞納処分が制限されることのない範囲において、徴収職員の合理的な裁量による判断にゆだねられていると解される。そして、本件において、差押処分に係る財産について、上記制限に該当する事実は認められず、また、原処分庁が、当該差押処分前に滞納者の収入状況等を調査していることが認められるが、納税の猶予等の徴収を緩和する処分が行われた事実もない。したがって、当該差押処分に係る各財産は、いかなる財産を差し押さえるかについて、徴収職員の合理的な裁量による選択にゆだねられた範囲内の財産であるといえるから、当該差押処分は違法といえず、また、当該裁量による判断が、国税債権の履行を強制的に実現することを目的とした滞納処分の趣旨に反しているということもないから不当とはいえない。そして、請求人が考慮すべき旨主張する事柄は、原処分庁が、納税の猶予等の徴収を緩和する処分について適用可否を判断する中で対応を考慮する事柄でもあるが、当該猶予等の処分の職権発動に係る判断の当否は、差押処分の取消理由となり得ないから、当該差押処分を不当とする請求人らの主張には理由がない。(平20. 5.15 東裁(諸)平19-184)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190071
- 裁決年月日
- 平成20年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は納付資金がないため、原処分庁所属の徴収職員(以下「本件徴収職員」という。)に本件土地を差し押さえの上、公売するように相談をしていたにもかかわらず、原処分庁が、A市との間で締結された不動産の賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約」という。)の賃料のうち、平成19年4月1日以降の賃料の支払請求権(以下「本件差押債権」という。)を差し押さえた本件差押処分は、何の連絡もなく突然に行なわれたものであるから、徴収権の濫用による不当な処分である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、請求人に対し、平成18年6月26日付で本件滞納国税の督促状を発し、平成19年1月25日付で納付の催告をしたが、請求人が本件滞納国税を納付しなかったことから、同年5月22日付で国税徴収法第47条第1項第1号の規定に基づき、本件滞納国税を徴収するため、本件差押処分を行ったものであり、本件差押処分は、その手続において適法である。また、①本件差押債権は第三者の権利の目的となっていないこと、②本件賃貸借契約に係る賃料のうち、平成17年4月1日から平成19年3月31日までの賃料は継続的に供託され、同年4月1日以降の賃料についても供託されることが見込まれたことから、本件差押債権は、滞納者の生活の維持に支障の少ない財産と判断されること、③本件差押債権は、不動産に比べ換価が容易な財産であることから、本件徴収職員が、差押財産として、本件差押債権を選択したことは、徴収職員としての合理的な裁量の範囲を逸脱したものとは認められず、請求人が、本件土地を具体的に特定して、差し押さえの上、公売してほしいと申し出たのは、異議調査の段階であり、差押えをするに当たり、滞納者にその旨を連絡しなければならないとする法令の定めもないことから、請求人の上記主張には理由がない。以上のことから、本件差押処分は、その手続において適法であり、かつ、徴収権の濫用による不当なものではないことから適法である。(平20. 3. 4 名裁(諸)平19-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190112
- 裁決年月日
- 平成20年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・779ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の夫である納税者(以下「本件滞納者」という。)の滞納国税を徴収するために行った本件滞納者名義の不動産(以下「本件不動産」という。)の差押処分について、請求人が当該不動産の共有持分を有するから、当該不動産の所有権全部が本件滞納者に帰属するとして行った当該差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件不動産の取得に当たり、請求人の協力、寄与が認められたとしても、請求人には、直ちに物権としての共有持分が認められているとは解されず、本件不動産の売買契約書、請求人と滞納者間の離婚訴訟(以下「本件訴訟」という。)における両人の供述及び当審判所に対する請求人の答述からすれば、本件滞納者が本件不動産の所有権全部を売買により取得していたものと認められる。そして、その後本件差押処分前に請求人が本件不動産の共有持分を取得したものとみるべき事実は見当たらず、本件差押処分の後、本件訴訟の判決にあたり請求人が本件不動産の所有権を取得したものというのが相当であって、本件滞納者に帰属するものとして行われた本件差押え処分には違法な点は見当たらないというべきである。(平20. 2.19 東裁(諸)平19-112)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190037
- 裁決年月日
- 平成19年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・478ページ
要旨
○ 請求人は、請求人の滞納税額に対する差押えとして、9筆にも及ぶ不動産の差押えは、差押処分時の滞納税額及び差し押さえた各不動産の評価額からみて、過大な差押えである旨主張する。 しかしながら、原処分庁は、地価公示法により公示された標準地の価格を基に差し押さえた宅地の価額を算出し、平成18年度の固定資産税評価額を基に差し押さえた建物の価額を算出しており、これは客観的な時価を算出したものであると認められ、差し押さえた各不動産が、更地でも空家でもないことからすれば、借地権及び借家権等による減額調整を行ったことは相当であり、さらに、公売の特殊性として、10%の減額調整を行っていることについても、相当であると認められる。以上のほか、原処分庁が算出した処分予定価額を不相当とする理由はない。 そして、各不動産の処分予定価額から国税に優先する被担保債権額を控除した金額は、差押処分時の徴収すべき滞納国税の額に満たないことが認められるから、超過差押えに該当しない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平19.12.17 名裁(諸)平19-37)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190037
- 裁決年月日
- 平成19年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・478ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁はC社からの家賃収入の差押え及び取立てにより滞納国税を徴収できるにもかかわらず、当該家賃収入の差押えを怠っていること及び請求人がD社に対する貸付金を有している事実の把握を怠っていることから、本件各不動産の差押えは、差押財産の選択を誤った不当な処分である旨主張する。 しかしながら、滞納者に帰属する財産のうち、いかなる財産を差し押さえるかについては徴収職員の合理的な裁量にゆだねられていると解されるところ、原処分庁所属の徴収担当職員は、請求人から、家賃収入は全額銀行からの借入金の返済に充てられて手元に残らない旨の説明があったことから、C社からの家賃収入を差し押さえなかったものと認められ、それが徴収職員の合理的な裁量の範囲を逸脱したものとは認められない。また、徴収職員が差押処分をするに当たり、滞納者の全財産を把握しなければならない旨の法令等の規定はないのであるから、原処分庁所属の徴収担当職員がD社に対する貸付金を把握していないとしても差押財産の選択を誤っているとはいえない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平19.12.17 名裁(諸)平19-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190075
- 裁決年月日
- 平成19年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った公売公告処分(以下「本件公売公告処分」という。)に対し、本件公売公告の対象となった不動産(以下「本件不動産」という。)は、請求人が滞納者から離婚に伴う財産分与により取得したものであって、本件不動産の所有権は、差押処分(以下「本件差押処分」という。)の時点以前に請求人に移転していたのであるから、滞納者の所有に属するものと認定して行った本件差押処分は違法であり、それを前提にしてされた本件公売公告処分は違法である旨主張する。 しかしながら、本件差押処分の時点において本件不動産が請求人に帰属することを窺わせる特段の事情は見当たらないことから、原処分庁が本件差押処分の時点において、本件不動産の所有権は本件滞納者に帰属すると判断したことは相当であると認められる。そして、滞納者から請求人への所有権移転登記の時期からすれば、仮に請求人が本件不動産を本件差押処分より前に取得していたとしても、所有権移転登記が経由されていなかった以上、請求人は、本件不動産の所有権を有することについて第三者である原処分庁に対抗することはできない。また、本件公売公告処分は国税徴収法第95条の規定に基づいて適法に行われており、本件公売公告処分を違法又は不当とする事由は認められない。(平19.11.29 東裁(諸)平19-75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190031ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産でない宅地を参加差押えするのは、違法である旨主張する。しかしながら、いかなる財産を差し押さえるかという差押財産の選択については、国税徴収法第75条《一般の差押禁止財産》ないし同法第78条《条件付差押禁止財産》の差押禁止財産を除き、滞納者の財産のうちいかなる財産を差押えするか又は参加差押えするかは、徴収職員の合理的な裁量にゆだねられていると解すべきであるから、固有の相続税はもちろん連帯納付責任額についても、差押えの対象となる財産は相続財産に限定されることなく、請求人の所有するすべての財産に及ぶというべきである。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19.11.28 大裁(諸)平19-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190072
- 裁決年月日
- 平成19年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の差押処分が、当該土地の持分を有する請求人の権利保護を考慮せずなされたもので国税徴収法第49条の規定に違反するとして、当該土地に係る公売公告処分が違法である旨主張している。 ところで、国税徴収法第49条は、差押財産の選択に当たり、徴収職員は滞納処分の執行に支障がない限り、第三者が有する権利を害さないよう努めるべきことを定めた訓示規定であると解されているところ、仮に当該第三者の権利の目的となっている財産が差し押さえられた場合には、同法第50条の規定に基づき、当該差し押さえられた財産の公売公告の日までにされた当該第三者の請求により、一定の要件の下に差押換えの請求権等を認めることによって、当該第三者の権利の保護が図られている。 請求人の主張は、差押財産の帰属をいうものであって、差押財産に係る第三者の権利の問題ではない上、請求人は原処分庁に対し自己に当該土地の持分があることをその旨の登記なくして対抗できない者であるから、請求人の主張には理由がない。また、請求人は、当該土地上にある建物の持分を有する者であることから、仮に当該土地上に借地権を有しているのだとしても、国税徴収法第49条は上記のとおり訓示規定であって、それだけをもって差押処分が違法とはならないところ、請求人は、原処分庁に対し、公売公告処分の日までに同法第50条に基づく差押換えの請求を行ってもいないのであるから、当該土地の差押処分について、差押財産の選択について第三者が有する権利の尊重に係る上記制度の趣旨に反する点はなく、土地の差押処分は適法に存在する。(平19.11.28 東裁(諸)平19-72)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190072
- 裁決年月日
- 平成19年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、公売処分に係る土地は、差押処分が行われる前の売買契約により当該土地の持分を請求人が取得しているから、当該土地を対象とした公売公告処分は違法である旨主張する。 本件においては、滞納者が請求人に対し、当該土地の持分を売却する旨の売買契約書が土地の差押処分前に作成されていることが認められるが、当該土地の持分の移転について登記がなされたのは、当該土地の差押処分の後であるから、土地差押処分をするに当たり国がいわゆる背信的悪意者に当たるといえるような特段の事情がない限り、民法第177条の規定により、請求人は所有権の移転があったことを国に対抗することができない。 この点につき請求人は、原処分庁は調査の際に売買契約書を入手し、当該土地の差押処分時において、その持分が請求人に移転していることを知っていた旨主張する。 しかしながら、当審判所の調査の結果によっても、当該請求人の主張に係る原処分庁の悪意につき客観的な証拠は見当たらない上、原処分庁が請求人に土地の持分が移転していることを前提として課税処分等を行ったなどの事実も見当たらないから、原処分庁は、本件土地の持分が請求人に移転していたことについて知らなかったか、仮に知っていたとしても所有権移転登記の対抗要件を欠くことを主張することにつき正当な利益を有するとはいえない者に当たるともいえない。 したがって、請求人は、売買契約に基づき当該土地の持分を取得したとしても、当該持分の所有権につき登記なくして差押処分を行った原処分庁に対抗することができないと解するのが相当である。(平19.11.28 東裁(諸)平19-72)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190073
- 裁決年月日
- 平成19年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の差押処分が、当該土地の持分を有する請求人の権利保護を考慮せずなされたもので国税徴収法第49条の規定に違反するとして、当該土地に係る公売公告処分が違法である旨主張している。 ところで、国税徴収法第49条は、差押財産の選択に当たり、徴収職員は滞納処分の執行に支障がない限り、第三者が有する権利を害さないよう努めるべきことを定めた訓示規定であると解されているところ、仮に当該第三者の権利の目的となっている財産が差し押さえられた場合には、同法第50条の規定に基づき、当該差し押さえられた財産の公売公告の日までにされた当該第三者の請求により、一定の要件の下に差押換えの請求権等を認めることによって、当該第三者の権利の保護が図られている。 請求人の主張は、差押財産の帰属をいうものであって、差押財産に係る第三者の権利の問題ではない上、請求人は原処分庁に対し自己に当該土地の持分があることをその旨の登記なくして対抗できない者であるから、請求人の主張には理由がない。また、請求人は、当該土地上にある建物の持分を有する者であることから、仮に当該土地上に借地権を有しているのだとしても、国税徴収法第49条は上記のとおり訓示規定であって、それだけをもって差押処分が違法とはならないところ、請求人は、原処分庁に対し、公売公告処分の日までに同法第50条に基づく差押換えの請求を行ってもいないのであるから、当該土地の差押処分について、差押財産の選択について第三者が有する権利の尊重に係る上記制度の趣旨に反する点はない。(平19.11.28 東裁(諸)平19-73)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190073
- 裁決年月日
- 平成19年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、公売処分に係る土地は、差押処分が行われる前の売買契約により当該土地の持分を取得したAから請求人が承継取得したものであるから、当該土地を対象とした公売公告処分は違法である旨主張する。 本件においては、滞納者がAに対し、当該土地の持分を売却する旨の売買契約書が土地の差押処分前に作成されていることが認められるが、当該土地の持分の移転について登記がなされたのは、当該土地の差押処分の後であるから、差押処分をするに当たり国がいわゆる背信的悪意者に当たるといえるような特段の事情がない限り、民法第177条の規定により、請求人は所有権移転があったことを国に対抗することができない。 この点につき請求人は、原処分庁は調査の際に売買契約書を入手し、当該土地の差押処分時において、その持分が請求人に移転していることを知っていた旨主張する。 しかしながら、当審判所の調査の結果によっても、当該請求人の主張に係る原処分庁の悪意につき客観的な証拠は見当たらない上、原処分庁がA又は請求人に土地の持分が移転していることを前提として課税処分等を行ったなどの事実も見当たらないから、原処分庁は、本件土地の持分がA又は請求人に移転していたことについて知らなかったか、仮に知っていたとしても所有権移転登記の対抗要件を欠くことを主張することにつき正当な利益を有するとはいえない者に当たるともいえない。 したがって、請求人は、売買契約に基づき当該土地の持分を取得したとしても、当該持分の所有権につき登記なくして差押処分を行った原処分庁に対抗することができないと解するのが相当である。(平19.11.28 東裁(諸)平19-73)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190010
- 裁決年月日
- 平成19年10月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件徴収職員が、①先行差押不動産の任意売却の際、実測面積に基づき売買代金が精算されたか否かを確認すべき責任があったにもかかわらず、その責任を果たさなかったこと、②先行差押不動産の買主に売却代金の一部を先行滞納国税の納付に充てさせ、差押解除を行ったにもかかわらず、その経緯について請求人に説明しなかったことが不当である旨主張するが、①本件徴収職員は、本件差押解除をするため、先行滞納国税の納付の確認をしたものであり、本件売買契約は売主を請求人、買主をA社とする私的な取引であるから、売買代金の決済が本件売買契約の約定どおり履行されたか否かについては、売主である請求人が買主であるA社を相手に解決すべきことであり、本件徴収職員には、先行差押不動産の任意売却の際に、実測面積により売買代金が精算されたか否かの確認をすべき責任はなく、②徴収職員が差押解除に至る経緯を納税者に説明をしなければならないとする旨の法令上の規定はなく、本件差押解除は、請求人の申出に沿うものであって、差押の解除を請求人に通知することによって行われたのであるから、本件徴収職員が、本件差押解除に至る経緯を請求人に説明しなかったことが不当であるとは認められない。(平19.10.22 関裁(諸)平19-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190022
- 裁決年月日
- 平成19年10月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った差押債権(以下「本件差押債権」という。)の差押処分(以下「本件差押処分」という。)により収入源が断たれ、請求人の事業の継続及び請求人の代表者の生活の維持が困難となることから、当該処分は、特別の不利益を与える不当な処分である旨主張する。 しかしながら、本件差押債権は、国税徴収法第75条ないし同法第78条で規定する差押えが禁止されている財産のいずれにも該当せず、そして、原処分庁は、請求人の財産調査を行ったが、本件差押債権以外に差し押さえるべき適当な財産は判明しなかったことが認められ、また、本件差押処分は、国税徴収法第47条第1項第1号の規定に基づき適法に行われていると認められる。したがって、原処分庁が、本件滞納国税を徴収するために行った本件差押処分は適法であり、これを不当とする理由も認められないことから、請求人の主張には理由がない。 また、請求人は、本件差押債権が継続的給付に係る債権であり、民事執行法第152条《差押禁止債権》においても給与等の一部の差押禁止が規定されていることからも、国税徴収法第76条による給与等の一部の差押禁止を適用すべきである旨主張する。 しかしながら、国税徴収法第76条の規定の趣旨は、給与収入が一般の給与生活者の生計に占める重要性にかえりみ、給与生活者の最低生活の維持等に充てられるべき金額に相当する給料等の差押えを禁止するものであり、ここでいう給料等とは、給料、賃金、俸給、歳費、退職年金及びこれらの性質を有する給与に係る債権を指すことに対し、本件差押債権は、コミッション等の支払請求権という継続的収入に係る債権ではあるものの、営利を目的とする法人間の取引に係る債権であり、その性質は明らかに給料等と異なるので、同条項を適用すべきものには当たらないので、請求人の主張には理由がない。(平19.10.18 名裁(諸)平19-22)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190009
- 裁決年月日
- 平成19年10月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 差押禁止財産については、国税徴収法第75条から第78条まで規定されているところ、土地については、国税徴収法第78条第1号の規定により、農地及び採草放牧地の差押が禁止されているにすぎず、その他の土地の差押えは禁止されていない。そして、当審判所の調査の結果によれば、本件各土地のうち、水田として使用されている土地以外の各土地は、農地及び採草放牧地ではないので、差押禁止財産には当たらない。 また、農地及び採草放牧地について、国税徴収法第78条は、滞納者がその国税の全額を徴収することができる財産で、換価が困難でなく、かつ、第三者の権利の目的となっていないものを提供したという条件を満たした場合に、選択により、差押えをしないものと規定しているにすぎず、請求人は、上記条件を満たしていないので、水田についても差押禁止財産には当たらない。(平19.10.16 関裁(諸)平19-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190035
- 裁決年月日
- 平成19年9月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 株券等の保管及び振替に関する法律に基づいて請求人名義で証券会社に預託され、当該証券会社が保管振替機関に預託した株券の共有持分が滞納者に帰属するとして、原処分庁がこれを差し押さえた上、株券の交付請求権を行使して取り立てた株券の差押処分をしたのに対し、請求人は、当該共有持分は取引口座の名義人である自己に帰属する旨主張して、当該株券の差押処分の取消しを求めている。 しかしながら、差押処分の対象となる財産の帰属の認定は、第一次的には占有や登記など財産の種類に応じて外観により判断することになるが、帳簿書類、当事者等の陳述及びその他の資料から認められる客観的な事実関係からみたとき、外観から判断される帰属の形式にかかわらず滞納者にその財産の実質的な管理支配が認められる場合には当該財産は滞納者に帰属すると判断するのが相当である。 そして、本件において株取引に使用された口座は、当初は請求人が自己の取引のために使用していたと認められるが、滞納者に帰属する株券が入庫された以降、当該口座には、滞納者が自己の資金をもって自己のために取引を行っていた株式持分が混在していたことが認められる。 そこで、当該口座の名義にかかわらず、個々の銘柄の株式持分の取引実態をみるに、①株式の売買意思の決定者、②取引に係る書面の管理保管者、③株式購入の原資及び④取引規模と取引形態についての請求人が行っていた従前の取引との著しい相違などからすると、滞納者が主体となって取引を行っていたと認められる株式持分が存することが認められ、当該取引実態に係る株式持分は、滞納者に帰属するものというべきであるから、同株式持分の交付請求権の行使により交付された株券の差押えについての帰属認定に誤りはない。 一方、当該口座に存する株式持分のうち滞納者の管理支配の下に取引が行われていたとまで認定できない株式持分については、財産の帰属認定を誤ったものであるから、当該株式持分の交付請求権の行使により交付された株券の差押えは、財産の帰属認定を誤ったものとして取り消すべきである。(平19. 9.21 東裁(諸)平19-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190036
- 裁決年月日
- 平成19年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 株券等の保管及び振替に関する法律に基づいて請求人名義で証券会社に預託され、当該証券会社が保管振替機関に預託した株券の共有持分が滞納者に帰属するとして、原処分庁がこれを差し押さえた上、株券の交付請求権を行使して取り立てた株券の差押処分をしたのに対し、請求人は、当該共有持分は株式取引口座の名義人である自己に帰属する旨主張して、当該株券の差押処分の取消しを求めている。 しかしながら、差押処分の対象となる財産の帰属の認定は、第一次的には占有や登記など財産の種類に応じて外観により判断することになるが、帳簿書類、当事者等の陳述及びその他の資料から認められる客観的な事実関係からみたとき、外観から判断される帰属の形式にかかわらず滞納者にその財産の実質的な管理支配が認められる場合には当該財産は滞納者に帰属すると判断するのが相当である。 そして、本件において請求人名義の株式取引口座に存する株式持分の取引実態をみると、①滞納者が取引書面の管理保管をして取引を管理し、②滞納者が株式の売買意思を決定し、③滞納者が取引行為を実行又は指図していたことが認められ、また、④株式の現金買付けに係る原資も滞納者に帰属するものと認められるから、株式取引口座におけるすべての取引の主体は、滞納者であったというべきであり、当該口座に存していた株式持分はすべて滞納者に帰属するとの認定は相当であるから、同株式持分の交付請求権の行使により交付された株券の差押えについての帰属認定にも誤りはない。 したがって、本件差押処分は適法である。(平19. 9.21 東裁(諸)平19-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190037
- 裁決年月日
- 平成19年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 株券等の保管及び振替に関する法律に基づいて請求人名義で証券会社に預託され、当該証券会社が保管振替機関に預託した株券の共有持分が滞納者に帰属するとして、原処分庁がこれを差し押さえた上、株券の交付請求権を行使して取り立てた株券の差押処分をしたのに対し、請求人は、当該共有持分は株式取引口座の名義人である自己に帰属する旨主張して、当該株券の差押処分の取消しを求めている。 しかしながら、差押処分の対象となる財産の帰属認定は、第一次的には占有や登記など財産の種類に応じて外観により判断することになるが、帳簿書類、当事者等の陳述及びその他の資料から認められる客観的な事実関係からみたとき、外観から判断される帰属の形式にかかわらず滞納者にその財産の実質的な管理支配が認められる場合には当該財産は滞納者に帰属すると判断するのが相当である。 そして、本件において請求人名義の株式取引口座に存する株式持分の取引実態をみると、①滞納者が取引書面を管理保管して取引を管理し、②滞納者が株式の売買意思を決定し、③滞納者が取引行為を実行していたことが認められ、また、④入庫された株券又は株式の現金買付けに係る原資も滞納者に帰属するものと認められるから、株式取引口座におけるすべての取引の主体は、滞納者であったというべきであり、当該口座に存していた株式持分はすべて滞納者に帰属するとの認定は相当であるから、同株式持分の交付請求権の行使により交付された株券の差押えについて帰属認定にも誤りはない。 したがって、本件差押処分は適法である。(平19. 9.21 東裁(諸)平19-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180091
- 裁決年月日
- 平成19年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押処分は、その前提となる繰上請求処分が、違法な処分として直ちに取り消されるべきものであるから、差押処分もまた取り消されるべきである旨主張する。 しかしながら、原処分庁は、適法にされた繰上請求処分に係る国税を請求人が納期限までに完納しなかったため、国税徴収法第47条第1項第2号に基づき差押処分を行ったことが認められる。そうすると、差押処分に違法はなく、請求人の主張は採用できない。なお、差押財産のうち一部の債権については、既に取立てを完了して消滅していることから、請求人は当該債権の差押処分の取消しを求める法律上の利益を有していないため、当該債権の差押処分に対する審査請求は請求の利益を欠く不適法なものである。 また、請求人は、差押処分は課税処分を前提とするところであり、その前提たる課税処分が違法な処分として取り消される以上、差押処分もまた、違法な処分として取り消されるべきである旨主張するが、課税処分と差押処分とは、それぞれ別個の法律効果の発生を目的とする別個独立の行政処分であって、差押処分は課税処分の違法性を承継するものではないから、課税処分が無効であるか、違法なものとして取り消されない限り、差押処分が違法であるということはできない。 したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 6.21 大裁(諸)平18-91)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180235
- 裁決年月日
- 平成19年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件差押処分の前提となる相続税の更正処分に係る調査が不十分である、②原処分庁が当該調査において把握された情報を開示しないために請求人が相続財産の全容を把握できず、遺産分割等の手続等も行えない、③原処分庁が課税の裏付けとなる証拠資料を納税者に提出し説明する責務を履行しないのは、納税者が憲法第30条の納税の義務を果たすことを阻むものであるとして、本件差押処分が違法又は不当である旨主張する。 しかしながら、課税処分と差押処分は、それぞれ別個の法的効果を目的とする独立した行政処分であるから、課税処分が重大かつ明白な瑕疵により無効となるか、又は取り消された場合でない限り、先行する課税処分の違法を理由として差押処分の取消しを求めることはできないと解され、本件において更正処分にそのような事実は認められないから、各滞納相続税の納付義務は具体的に確定し、適法に存在している。そして、相続財産の税務調査が不十分で、更に調査が必要であるか否かは、既にそれぞれが個々に確定済である相続税を徴収するためにされた差押処分とは関連しないことであるから、差押処分の違法原因とはならないし、また、課税処分に係る情報の開示が実現されないことが、適法に確定済である相続税の納付を遅延する理由にはならないから、遺産分割手続等が行えないことを理由とする本件差押処分が違法又は不当である旨の請求人の主張には理由がない。さらに、課税に係る資料を納税者に提出・説明しないことも適法に確定済である相続税の納付を遅延する理由とはならないから、納税の義務を果たすことを阻むものでもなく、本件差押処分が憲法第30条に反するとも認められない。(平19. 4.23 東裁(諸)平18-235)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平180019
- 裁決年月日
- 平成19年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った債権の差押処分(以下「本件差押処分」という。)は、督促状が送付されてから本件差押処分までの間何ら催告をすることもないまま行われ、国税徴収法基本通達第47条関係18に違反しているから、差押えの要件を欠き違法である旨主張する。 しかしながら、国税徴収法第47条第1項第1号は、督促状を発した日から10日を経過した日までに、滞納者がその督促に係る国税を完納しない場合には、差押えを行うことできる旨規定しているところ、国税徴収法基本通達47条関係18は、督促から相当期間経過して差押えを行うときは、滞納者に事前の納付の催告をすることが望ましいことを考慮し、行政措置として滞納者に対し事前に催告した後差押えを行うこととするのが適当であるとして、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取り扱いを定めているものと解されるが、この取扱いはあくまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、仮に、事前催告がなかったとしても差押処分が違法となるものではない。 なお、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、原処分庁の徴収担当職員は、平成11年7月28日から本件差押処分の間までに、請求人に対し納付交渉を行い、また、平成18年1月30日付及び同年2月15日付で文書による納付催告を行っていることが認められるから、この点からも請求人の主張には理由がない。(平19. 3.30 高裁(諸)平18-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180216
- 裁決年月日
- 平成19年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・565ページ
要旨
○ 請求人は、債権の差押処分について、当該差押債権の第三債務者が、各債権について二重弁済を請求されるリスクを負い、当該第三債務者にはその回避手段が存しない第三債務者に手続的保障が与えられていないことを理由に差押処分が違法である旨主張する。 しかしながら、差押処分を違法とする理由が自己の法律上の利益に関係のない違法を理由とするものである場合は、審査請求が違法又は不当に処分によって侵害された不服申立人の権利利益の救済を図るものであることから、かかる違法理由を審査請求の理由とすることはできないと解すべきであり、請求人の当該主張は、請求人の法律上の利益には関係のない違法理由にほかならない。 したがって、当該主張は、審査請求の理由とすることができないものであるから、当該違法理由をもって主張することはできない。(平19. 3.30 東裁(諸)平18-216)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180216
- 裁決年月日
- 平成19年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・565ページ
要旨
○ 滞納会社が行っていた警備業務を引き継いだ請求人が、取引先との間で警備委託契約を締結して行った警備業務に係る債権につき、原処分庁が、請求人は滞納会社と実質的に同一であるとみて請求人の主体性を否認し滞納会社に帰属するものとして差押処分をしたところ、請求人は、自社が当該契約の主体たる当事者であり、当該債権の帰属主体であると主張する。 しかしながら、請求人に①会社の背後にある者が会社を自己の意のままに道具として用いる支配的地位にあり、②債権者に対する債務の支払を免れるために新会社を設立する等、会社の背後にある者が、違法又は不当な目的の下に、会社形態を利用している事実が認められる場合においては、請求人は、債権者である原処分庁に対して、滞納会社とは別人格であることを信義則上、主張できないものと解するのが相当である。 そして、①滞納会社と請求人とは、あたかも別々に事業を展開しているような体裁は整えられてはいるものの、滞納会社の代表者の支配の下、滞納会社から請求人への業務の移行の前後を通じ、実質的には一体の会社が警備業務を行っていたと認められ、②滞納会社は、請求人に警備業務を移行させた時点で、既に健全な事業活動が行われる状況下になかったため、請求人を利用し、原処分庁の滞納処分を免れる意図をもって、請求人に警備業務の名義を移行をしたと認められる。 そうすると、滞納会社から請求人への警備業務の取引名義の移行は、滞納会社が、滞納国税を免れる目的で、滞納会社の代表者による同一の支配体制下にある請求人をもって、恣意的にその法人格を利用して行ったものであり、法人格を濫用しているものと認められるから、請求人は、原処分庁に対し、信義則上、請求人が滞納会社とは別異の法人格であり、債権の帰属主体であることを主張することは許されないというべきである。(平19. 3.30 東裁(諸)平18-216)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180044
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401070
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/7第三者の権利の尊重
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、徴収担当職員がした差押処分に係る調査において、徴収担当職員が請求人宅に臨場した際、身分証明書の呈示がなく、調査理由を一切説明しなかったこと、一方的に関係書類の提示を求め、コピーを指示したこと、説明しないまま差押通知書を置いて立ち去ろうとしたこと、調査時間の延長から肉体的・精神的苦痛を受けたことは、調査権限の濫用である旨主張する。しかしながら、滞納処分のためにする滞納者の財産の調査において、徴収担当職員に認められている質問検査権の具体的な行使の時期、範囲、程度、場所、方法及び手段等は、質問検査の必要性と相手方の私的利益とを衡量し、社会通念上相当な限度にとどまる限り、これを行使する徴収担当職員の合理的な判断にゆだねられていると解されるから、同調査において同権限の濫用がなかったか否かは、質問検査の必要性と相手方の私的利益との衡量及び社会通念上相当といえる否かという観点から判断するのが相当である。これを本件についてみると、徴収担当職員は、身分証明書の呈示をしていないが、請求人等からその呈示を求められなかったこと、調査目的として滞納者との請負契約の確認のため来訪した旨を告げていること、関係書類の提示及びその写しの提出の求めに対し、請求人は拒むことなく協力的に応じていること、差押通知書の交付に当たり、読み上げてはいないものの、その内容を説明していること、調査時間の延長の途中で請求人から中断の申し出はなかったことなどの事実が認められることから、請求人の主張する各点にはいずれも権限の濫用はなく、その他の点についても、徴収担当職員の判断に合理性を逸脱するような点は認められないから、本件調査において徴収担当職員はその権限を濫用していなかったとみるのが相当である。(平19. 2.13 関裁(諸)平18-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180045
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分の目的となっている不動産は滞納者の所有ではなく、自己が所有するものであることを主張する。しかしながら、原処分時における本件不動産の登記簿上の名義人は滞納者であるから、徴収職員が本件不動産が滞納者の財産であると認定したことに誤りはない。(平19. 2.13 関裁(諸)平18-45)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180046
- 裁決年月日
- 平成19年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納国税等の納税義務は、本来、請求人にあるが、元妻Aが請求人の事業に係る売上金や事業資金を管理、支配し、Aが請求人の所得税等を納付する旨の合意が存在するから、原処分庁はAから滞納国税等を徴収すべきであり、請求人に対する不動産の差押処分は不当である旨主張する。そして、当審判所の調査によっても、上記のような事実が存在したことはうかがえる。しかしながら、納税義務は、租税法律主義が採用されるべき(憲法第84条参照)関係上、もっぱら強行法規たる租税関係法規に基づいて成立し、消滅するものであるから、納税者と第三者との間で、第三者がその納税義務を引き受け、納税者がこれを免れる旨の契約を締結したとしても、当該契約により、納税者が納税義務を免除され、あるいは、租税行政庁がこれに拘束されるものではないと解される。そうすると、たとえ、請求人が上記の合意をしたとしても、これにより、請求人がその納税義務を免れるわけではないし、原処分庁がAから滞納国税を徴収するよう拘束され、請求人に対する滞納処分が不当になるものではないから、この点に関する請求人の主張は理由がない。また、請求人の上記主張のうち、自らに滞納国税の納税義務があることを認めつつ、Aが請求人の事業に係る売上金や事業資金を管理、支配しているから、請求人に対する差押処分は不当である旨主張する点については、結局のところ、滞納国税の納税資金を捻出することが困難であるがゆえに、本件差押処分が不当であると主張するのと異ならないから、その主張自体理由がない。(平19. 1.24 大裁(諸)平18-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180095
- 裁決年月日
- 平成18年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が法定相続分による持分を有するとして、当該持分につき共有者に代位して登記した上でされた不動産の差押処分の後に、当該不動産を請求人が全部相続する旨の遺産分割協議がなされ、その旨の登記がされた場合、遺産分割協議の効力は相続時にさかのぼるが、これをもって、先に登記がなされた差押処分に対抗することはできず、原処分庁がした差押処分を違法ということはできない。(平18.12. 4 東裁(諸)平18-95)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180022
- 裁決年月日
- 平成18年10月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分は、請求人の生活の維持や長男の事業の継続に支障を与えるものであり、不当な処分である旨主張する。しかしながら、本件各土地は差押禁止財産(国税徴収法第75条《一般の差押禁止財産》から同法第78条《条件付差押禁止財産》までの規定)に当たらないし、請求人には、本件各土地以外に差し押さえるべき適当な財産はなかったことが認められるから、本件差押処分は不当ではない。(平18.10.10 関裁(諸)平18-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180045
- 裁決年月日
- 平成18年9月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・679ページ
要旨
○ 請求人は、本件相続に係る財産が、その売却等の結果を見れば債務超過の状態にあったとし、本件相続税に係る滞納国税を徴収するために、請求人が相続後に取得した本件各不動産を差し押さえることは、租税徴収権の濫用であり、また、本件各不動産の抵当権者に不測の損害を与えるという観点から債権者平等の原則にも反し、本件差押処分が違法又は不当である旨主張する。 しかしながら、本件相続に係る財産が、相続開始時において債務超過の状態にあったとはいえず、相続開始後の事情によって相続財産の価額に変動があっても、そのことで請求人の本件滞納国税の納税義務が変更されるものではない。 そして、相続税に係る滞納国税の徴収に当たり、相続財産以外の財産について差押えを禁止したり、徴収してはならないとする旨又は抵当権等の担保権が設定されている不動産の差押えを禁止する旨の法令上の規定はいずれもない。 また、本件各不動産が換価され、代金から本件滞納国税を徴収する場合には、国税徴収法第2章の各規定及びその他法令の規定によって権利者の優劣が定まるのであり、本件各不動産の抵当権者が不測の不利益を負うものとはいえない。 したがって、本件差押処分は、租税徴収権の濫用又は債権者平等の原則に反するものではなく、請求人の主張には理由がない。(平18. 9. 8 東裁(諸)平18-45)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180001
- 裁決年月日
- 平成18年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、原処分庁が差し押さえた普通株式に係る預託株券についての共有持分(以下「本件預託株券」という。)は滞納者から贈与された資金を滞納者に投資を委託した結果得たものであり、本件預託株券は請求人に帰属する財産である旨主張する。 しかしながら、証券会社の請求人名義の顧客口座(以下「本件口座」という。)は滞納者が開設したものであり、本件口座を通じての株式売買の注文も滞納者により頻繁に行われ、その取引形態に変化はみられず、本件口座に入金された現金の受渡しは滞納者の事務所で滞納者自身により行われ、請求人は本件口座が開設された当時13歳で、留学中であり、更に証券会社を訪れたのはただ一度というのである。また、滞納者は、本件口座の残額に係る返還請求権の差押処分についての先行した審査請求(以下「先行審査請求」という。)において、贈与に関する主張を一切しておらず、また、請求人は、先行審査請求が棄却されたにもかかわらず取消訴訟を提起しておらず、更に、投資業務を委託された滞納者は、本件預託株券の差押処分から1年近くの期間、請求人に差押処分があったことを知らせていない。これらの行動は、請求人の主張を前提とすると不自然なものであるが、本件預託株券は滞納者の資金により取得された滞納者の財産であるとの前提で考えると容易に了解できるものである。 したがって、請求人の主張には理由がなく、本件預託株券は滞納者に帰属する。(平18. 7. 3 名裁(諸)平18-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170215
- 裁決年月日
- 平成18年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・1ページ
要旨
○ 請求人は、課税通知書の送達の無効を理由に課税処分が無効であるとして、無効な課税処分に基づく差押処分も違法である旨主張する。 しかしながら、課税処分は、国税の納付義務を具体化し、その納付すべき税額を確定させることを目的とする手続であるのに対し、差押処分は既に具体化し確定した納税義務の強制履行を目的としてなされる徴収処分手続の一環であり、課税処分と差押処分とはそれぞれ別個の法律的効果を目的とする独立した行政処分であり、結合して単一の法律効果を生ずるものではない。そして、課税処分に存在する瑕疵が重大かつ明白であり、当該課税処分が無効である場合は、これに基づく差押処分はその根基を欠くものとして違法というべきであるが、その瑕疵が取消原因となるにとどまるときは、それが差押処分の時点において権限ある機関によって取り消されない限り、これに基づく差押処分は適法と解するのが相当である。 本件においては、請求人の課税処分時における納税地はp町住宅であると認められ、課税通知書はp町住宅に差し置く方法で適法に送達されており、課税処分に重大かつ明白な瑕疵は認められず、課税処分は適法に行われている。また、差押処分は、国税徴収法第47条第1項第2号の規定に基づき適法になされている。 したがって、請求人の主張には理由がない。(平18. 6.29 東裁(所・諸)平17-215)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170062
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 第二次納税義務者である審査請求人(以下「請求人」という。)は、本来の納税者の財産について、調査を行い差押えをすべきであったにもかかわらず、その調査をしないまま請求人の財産を差し押さえた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、第二次納税義務は、本来の納税者の財産につき滞納処分を行ってもなお徴収すべき国税に不足すると認められる場合に限り、その納税者と一定の関係のある者に対して、本来の納税者の国税につき、二次的に納税義務を負わせるもので、主たる納税義務とは別個の納税義務である。このことから、主たる納税義務について生じた事由の効力は原則として第二次納税義務にも及び(付従性)、第二次納税義務者は主たる納税義務の履行がないときに初めて履行の責めに任じる(補充性)ことになると解する。そして、国税徴収法第32条《第二次納税義務の通則》第4項は、この補充性の現れとして、第二次納税義務者の財産の換価は、その財産の価額が減少するおそれがあるときを除き、本来の納税者の財産を換価に付した後でなければ、行うことはできない旨規定されているが、財産の換価を除く滞納処分の着手の順序については法令上特段の規定はないから、本来の納税者の財産の調査の有無にかかわらず、第二次納税義務者である請求人の財産に差押処分がなされたとしても何ら違法となるものではない。(平18. 6.20 関裁(諸)平17-62)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170062
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、本件差押処分の先行処分である督促処分の違法を理由に本件差押処分は違法である旨主張するが、過去に、請求人の同督促処分についての不服申立てに対し、当審判所において適法である旨の裁決をしており、その後、同督促処分を不服として裁判所に提起した事実も認められないことから、同督促処分に違法はなく、本件差押処分は適法である。(平18. 6.20 関裁(諸)平17-62)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170062
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、差し押さえられた本件土地は、土地改良事業地区内に所在し、本件差押処分時点では、同事業の工事中(換地処分前)であるから、本件土地の所有権は白紙の状態にあり、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、土地改良法第53条の5《一時利用地の指定》第4項及び第5項によれば、仮換地の指定があって初めて、従前の土地の使用収益権が停止される旨規定されており、その反対解釈からすれば、土地改良事業が施行されたとしても、仮換地の指定が行われる前は、土地改良地区内の土地の権利につき、何ら変動は生じないものと解される。そうすると、本件差押処分が換地処分前に行われている本件についてみると、仮換地の指定がなければ本件土地の権利に何ら変動はなく、また、仮換地の指定が行われていたとしても、その場合には本件土地の使用収益権が制限されるにとどまり、本件各土地の所有権の帰属そのものには変動はないことから、いずれにせよ、本件差押処分時点において、本件各土地は、請求人に帰属していたと認められる。(平18. 6.20 関裁(諸)平17-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170085
- 裁決年月日
- 平成17年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401080
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/8差押調書
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押調書(債権用)謄本の滞納国税の金額に記載誤りがあるから、差押処分は違法な処分である旨主張する。しかしながら、国税徴収法施行令第21条《差押調書の記載事項》第1項は、差押調書には、差押えに係る国税の年度、税目、納期限及び金額などを記載する旨を規定しているが、その趣旨は、差押えの対象となった国税を滞納者に知らしめ、滞納者の不服申立て等の便宜を図るところにあり、その記載内容の一部に誤りがあったとしても、他の記載内容から差押えの対象となった滞納国税が特定できる場合は、その誤りをもって差押処分の取消事由となるものではないと解するのが相当である。本件は、確かに滞納国税の金額の誤記は認められるものの、他の記載事項は正しく記載されており、差押処分に係る滞納国税の特定は容易にできることから、当該誤記をもって差押処分を取り消すまでの事由とは認められず、請求人の主張には理由がない。(平17.12.20東裁(諸)平17-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170056
- 裁決年月日
- 平成17年11月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・413ページ
要旨
○ 請求人は、①督促から長期間経過した後になされた差押処分は、国税徴収法第47条第1項第1号の規定に反して違法であり、②請求人への差押書が差押処分から19日後に送達されたことは、適正な手続を遵守しない、違法な処分である旨主張する。しかしながら、①国税徴収法第47条第1項第1号の規定は、督促から一定期間経過した場合における差押えを制限する規定ではない。また、督促から長期間経過した差押処分ではあるものの、過去になされた別の差押処分が現在も継続していることから、国税の徴収権の消滅時効は中断しており、本件における差押処分は適法である。②国税徴収法第68条第1項は、不動産の差押えは滞納者に対する差押書の送達により行う旨規定しているが、差押書の送達期限についての規定はなく、本件は、原処分担当職員が差押処分に係る手続きを確実に行うため、差押登記を確認した上で請求人に対して差押書を発送したものであり、差押書は既に請求人に送達されていることから、請求人の主張には理由がない。(平17.11.4東裁(諸)平17-56)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170010
- 裁決年月日
- 平成17年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差し押さえられた証券会社の請求人名義口座(以下「本件口座」という。)の残高(以下「預り金」という。)の返還請求権は、その取引名義によって明らかなように、請求人に帰属するものであり、滞納者の財産ではないとして違法な差押え処分であると主張する。しかしながら、差押えの対象となる財産が滞納者に帰属するか否かについては、名義等の形式のみで判断するのではなく、譲渡証書、当事者の陳述等その他の資料により認められる事実関係を総合して、実質的に判断するのが相当であるところ、滞納者が、本件口座を開設し、本件口座を通じ、株式売買の注文及び資金の管理を行っていること、請求人は平成10年から留学中の身であったことなどを総合すると、本件口座は滞納者のものであり、当該預り金の返還請求権も滞納者に帰属すると認めるのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平17.8.30名裁(諸)平17-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160236
- 裁決年月日
- 平成17年4月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の納付すべき国税を納付する義務を承継したが、原処分庁は過去に滞納国税に十分な被相続人の財産の差押えを行なっているのであるから、滞納国税は既に消滅しており、新たな差押処分は不当である。仮に、新たな差押処分を行うにしても、既に差し押さえしている不動産をすべて公売してもなお徴収不足となるときに行うべきである旨主張する。しかしながら、差押処分は納税者の財産を強制換価するための保全処分であり、滞納国税は差押処分によって消滅するものではなく、差押財産を公売し、その売却代金の配当を受けることによって消滅するものであって、差押処分時における差押財産の価額に相当する滞納国税の額を消滅させることとする法令等の規定もない。また、国税徴収法第48条第1項が、国税を徴収するために必要な財産以外の財産の差押えはできない旨を規定しているが、既に差押えをしている財産を公売した後でなければ新たな財産に対して差押えをすることはできないとする規定はなく、請求人の主張には理由がない。(平17.4.19東裁(諸)平16-236)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160195
- 裁決年月日
- 平成17年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A市及びB市の土地の評価額のみで、滞納国税の金額を上回るので、株式の信用取引契約に基づき買い付けた有価証券の返還請求権及び同契約に基づき発生する清算金の支払請求権等の債権の差押えを行うことは超過差押えとなり違法であるから、債権の差押処分の取消しを行うべきである旨主張する。しかしながら、差押処分が超過差押えとなるか否かの判断は、差押処分日における差押財産の処分予定価額と徴収すべき滞納国税の額を比較して判定すべきであるところ、本件においては、差押処分日において算出可能な処分予定価額の合計額は、差押処分日現在の滞納国税の金額に満たないことは明らかであり、差押処分時において超過差押えであるとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平17.2.18東裁(諸)平16-195)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160195
- 裁決年月日
- 平成17年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差し押さえられた株式等は、請求人の事業に欠くことができない唯一の事業用資産であり、国税徴収法第75条第1項第5号の差押禁止財産に該当する旨主張する。しかしながら、国税徴収法第75条第1項第1号ないし第13号を通覧しても明らかなとおり、差し押さえた株式等が当該差押禁止財産に当たらないこと及び国税徴収法基本通達第47条関係17の財産の選択の定めに反するものとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平17.2.18東裁(諸)平16-195)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160100
- 裁決年月日
- 平成16年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った入居保証金の返還請求権に対する差押処分(以下、「本件差押処分」という。)について、当該入居保証金は賃貸借契約の解除に伴い第三債務者が有する反対債権に充当され、滞納国税への配当が見込めないことから、本件差押処分は国税徴収法第48条第2項の「無益な差押え」に該当し、違法である旨主張する。しかしながら、「無益な差押え」に該当するか否かは、差押えの対象となる財産の価額がその差押えに係る滞納処分費及び徴収すべき国税等に先だつ他の国税、地方税等の金額の合計額を超える見込みがないことが一見して明らかでない限り、直ちに当該差押えが違法となるものではないと解するのが相当である。本件についてみると、本件差押処分時において反対債権が未確定であることから、差押債権額が反対債権額を超える見込みがないということはできないので、請求人の主張には理由がない。(平16.11.19東裁(諸)平16-100)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平160010
- 裁決年月日
- 平成16年11月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各差押処分は、国税徴収法基本通達47−17又は国税徴収法第49条に抵触し、しかも、その執行に当たって本件徴収担当職員が守秘義務違反を犯し、事業継続に重大な支障を生じさせたから違法である旨主張する。しかし、差押対象財産の中からどの財産を差し押えるかについて、法令に具体的な規定はなく専ら徴収職員の合理的な裁量にゆだねられているものと解されており、国税徴収法基本通達47−17は、徴収職員が差押財産を選択する際の基準ないし留意事項を示したものにすぎない。そして、国税徴収法第49条は、訓示規定であると解するのが相当である。また、債務者に対する請求人の住所、氏名、差押えに係る国税の金額等の明示は、国税徴収法施行令第27条の規定に基づいて債権差押通知書に記載して行われたものであるから、そのこと自体は何ら守秘義務に反するものではない。以上のことから、本件各差押処分は、本件滞納国税を徴収するために、国税徴収法第47条第1項に基づき適法に行われているから、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平16.11.2仙裁(諸)平16-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160042ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第47条第1項の規定から、申告又は更正処分時に課税価額に算入されていなかった固有財産から徴収することはできず、相続税の延納許可の際に提供した担保財産が相続税として支払う限度である旨を主張する。しかしながら、いかなる財産を差し押さえるかという差押財産の選択については、国税徴収法第75条及び同法第78条を除いては、徴収職員の合理的な判断に委ねられていると解されており、差押えの対象となる財産は相続財産に限られることはなく、相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、請求人が所有する全財産に及ぶものというべきである。また、相続税の滞納国税を相続財産から徴収しなければならないとする規定や、固有財産を差し押えてはならないとする法令上の規定はなく、請求人の主張は採用できない。(平16.9.2東裁(諸)平16-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160042ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税徴収法第48条に規定する超過差押えの判断に当たっては、連帯納付義務者の財産に対して行なわれた差押財産も含めて判断すべきで、請求人及び連帯納付義務者に対する差押物件の総評価額は本件滞納国税の2倍強になり、超過差押えである旨主張する。しかしながら、請求人が自身の本件滞納国税を納付する義務と、連帯納付義務者が相続税法第34条に基づいて納付する義務とは別個のものであるから、超過差押えか否かの判断は、請求人に係る差押物件の処分予定価額によるのが相当である。そして、超過差押えの判断に当たっては、差押時点における差押財産の処分予定価額と徴収すべき滞納国税(延滞税等の附帯税も含む。)の額を比較して判断すべきであり、当該処分予定価額の算出に当たっては、差押財産の利用状況によって評価すべきであるところ、請求人の主張する評価額は利用状況を加味しない単なる更地価額であることから採用することはできない。したがって、原処分庁の評価方法に不合理な点は認められず、請求人に係る差押物件の処分予定価額が本件滞納国税の額を下回っていることから、本件差押処分は超過差押えには当たらず、請求人の主張には理由がない。(平16.9.2東裁(諸)平16-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160042ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、延納担保提供後に不動産の価格が下落したからといって延納担保財産以外の財産の差押えを行うことは、更なる増税であり、租税法律主義を定めた憲法第84条に違反する旨主張する。しかしながら、相続税法第22条は、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における価格による旨規定しており、ここでいう「時価」とは、課税時期においてそれぞれの財産の状況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいうものと解される。また、延納許可に当たって延納当初は十分な担保提供がなされていても、経済状況の変動によって、延納許可時点では予測できない担保価値の変動が生ずることは当然起こりうることであって、国税通則法第51条第1項において増担保の提供等を命ずる規定は、そのような担保価値の変動を前提としているからであり、かえって延納担保財産以外の財産の差押えを行ってはならないとする法令等の規定はなく、請求人の主張には理由がない。(平16.9.2東裁(諸)平16-42)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160010ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年7月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一回目の差押処分と審査請求に係る差押処分(以下「本件差押処分」という。)とは同一性があり、一回目の差押処分は、偽造された修正申告書に基づく無効な差押処分であり、また、遺産分割前の共有財産を差押えた違法な差押処分であるから、その後の本件差押処分も違法である旨主張する。しかしながら、当該修正申告書は、他の相続人の更正の請求書に添付された計算書であり偽造された修正申告書ではなく、一回目の差押処分は本件期限後申告書及び本件贈与税に係る滞納国税に基づくものであること、また、遺産分割前の共有財産に存する請求人の持分を差し押さえたものであることから、一回目の差押処分は違法な差押処分ということはできない。(平16.7.21名裁(諸)平16-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160012
- 裁決年月日
- 平成16年7月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一回目の差押処分及び参加差押処分(以下「一回目の差押等処分」という。)と審査請求に係る差押処分及び参加差押処分(以下「本件差押等処分」という。)とは同一性があり、一回目の参加差押処分は、偽造された修正申告書に基づく無効な差押処分であり、また、一回目の差押等処分は遺産分割前の共有財産を差押えた違法な差押等処分であるから、その後の本件差押等処分も違法である旨主張する。しかしながら、当該修正申告書は、他の相続人の更正の請求書に添付された計算書であり偽造された修正申告書ではなく、一回目の参加差押処分は本件期限後申告書に係る滞納国税に基づくものであること、また、一回目の差押等処分は遺産分割前の共有財産に存する請求人の持分を差し押さえたものであるから、一回目の差押等処分は違法な差押等処分ということはできない。(平16.7.21名裁(諸)平16-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160012ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成16年7月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、徴収担当職員は「12筆の土地」と言ったが、現実には4筆の土地のみの差押え(以下「本件差押え」という。)しかできなかったのは、本件差押えに違法があるからであると主張する。ところで、差押処分は、法律で差押えが禁止された財産以外は、滞納者の有するいかなる財産についても行うことができると解されており、また、滞納者が複数の財産を有する場合に、いかなる財産を差し押さえるかについては、国税徴収法は一般的な基準を設けておらず、差押財産の選択は徴収職員の合理的裁量にゆだねられていると解されている。したがって、仮に徴収担当職員が請求人に「12筆」と伝えていたとしても、差押財産の選択は、徴収職員の合理的裁量にゆだねられており、本件差押えに当たり、4筆土地を差し押さえたことに合理性を欠いた点は認められないから、請求人の主張には理由がない。(平16.7.21名裁(諸)平16-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150103
- 裁決年月日
- 平成16年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地建物については、滞納者である請求人の持分として法定相続分の3分の1が所有権登記されていることから、原処分庁が本件差押処分を行ったものであり、原処分庁が本件土地建物の不動産登記簿から登記名義人が滞納者であることに基づいて本件土地建物に差押処分を行ったことは適法である。なお、本件土地建物の所有権の帰属について関係当事者間で訴訟を継続しているからといって、本件差押処分の適否に影響を与えるものではない。(平16.6.30大裁(諸)平15-103)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150072
- 裁決年月日
- 平成16年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401010
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/1滞納国税の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①法人税については、滞納国税の最終支払分を税務署で納税しており、②消費税等については、本件課税期間において免税事業者であるので納付すべき税額はないので、本件滞納国税は存在しない旨主張する。しかしながら、①請求人が納税した法人税は、本件滞納国税以外の法人税の滞納国税であり、また、②請求人は本件課税期間において免税事業者に該当しないこと等、本件消費税課税処分が最高裁の上告棄却決定により確定していることから、本件滞納国税は存在し、原処分は相当である。(平16.6.11関裁(諸)平15-72)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150065
- 裁決年月日
- 平成16年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁に対し、本件相続で取得した共有不動産の請求人持分を差し押さえるよう申し立てていたにもかかわらず、その後、請求人が当該不動産を単独所有としたときに、請求人固有の不動産を含めて差押処分したことは、違法である旨主張する。しかしながら差押財産の選択については、徴収法その他の関係法令には、特に除外される財産を除き、差押財産の種類又は順序について制限を設けた規定はないから、徴収職員の合理的な裁量にゆだねられているものと解され、また、原処分庁が本件相続で取得した共有不動産の請求人持分を差し押さえずに、その後、請求人の単独所有とした本件不動産を差し押さえたことは、徴収職員の裁量権を逸脱してなされたものとは認められないため、請求人の主張には理由がない。(平16.3.25大裁(諸)平15-65)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150052
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の債権に対して行った差押処分(以下「本件差押処分」という。)は請求人の僅少な生活資金やその原資をいっせいに差押えたもので、請求人の財産権を脅かすものであって、不当・違法であるから取り消されるべきである旨主張する。ところで、差押財産の選択については、国税徴収法第48条、同法第49条及び同法第75条のほか国税徴収法上の規定により差押えが禁止されている財産があるものの、明文上の規定がない事項については、専ら徴収職員の合理的な裁量にゆだねられているものと解されている。そして、本件差押処分は、国税通則法第52条及び国税徴収法第47条の規定に従い適法に行われていることが認められ、本件差押処分の対象となった債権は、上記差押えが禁止されている財産には当たらず、本件差押処分における差押財産の選択について、徴収職員が合理的な裁量の範囲を逸脱した事実は認められないことからすれば、請求人の主張は認めることはできない。(平16.2.27名裁(諸)平15-52)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150052
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が保証債務の付従性及び補充性を考慮することなく、滞納法人が納税の意思を有していたにもかかわらず換価の猶予(以下「本件換価の猶予」という。)を取り消し、滞納法人の納税保証人(以下「本件納税保証人」という。)である請求人に告知処分(以下「本件告知処分」という。)及び差押処分(以下「本件差押処分」という。)を行った点に違法・不当がある旨主張する。しかしながら、本件換価の猶予の取消しは、滞納法人が本件換価の猶予により分割した金額ごとに定められた猶予期間内にその分割した金額に相当する国税を納付しなかったことから行われたものであって、国税徴収法第152条及び国税通則法第49条第1項第2号に従って適法に行われたものである。ところで、国税の担保としての保証人の保証は、主たる債務者である納税者の納税義務に対して付従性及び補充性を有するものと解されており、保証人に対する具体的徴収手続は、上記付従性及び補充性を考慮し、国税通則法第52条に規定されている。そして、①本件告知処分は、本件換価の猶予の取消しに伴って本件保証人に滞納国税を納付させるために必要な事項を記載した納付通知書により告知されていること並びに②本件差押処分は、請求人が上記納付通知書の納付期限までに滞納国税を完納しなかったこと、納付催告書でその納付を督促された滞納税額を納付しなかったこと及び滞納法人が既に廃業し、滞納処分を執行すべき財産がない旨判断した上で行われていることからすれば、いずれも上記付従性及び補充性を考慮し、国税通則法第52条に従い適法に行われたものである。そうすると、本件換価の猶予の取消し、本件告知処分及び本件差押処分は、いずれも違法・不当はなく適法に行われているのであって、請求人の主張を認めることはできない。(平16.2.27名裁(諸)平15-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150156
- 裁決年月日
- 平成16年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401070
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/7第三者の権利の尊重
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分が国税徴収法第49条に抵触し、また、国税通則法第52条第5項の立法趣旨に反する旨主張するが、国税徴収法第49条の規定が担保物を滞納処分の例により差し押さえる場合に適用がないことは明らかであり、また、国税通則法第52条第5項の「保証人」には請求人らのような物上保証人が含まれないことは文理上明らかであるから、原処分はこれらの規定ないしその立法趣旨に反するものではない。(平16.1.26東裁(諸)平15-156)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150156
- 裁決年月日
- 平成16年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分が国税徴収法第48条第2項の無益な差押えである旨主張するが、本件不動産は本件抵当権に優先する抵当権が設定されているとしてもなお担保価値が十分にあり、原処分は無益な差押ではない。(平16.1.26東裁(諸)平15-156)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成15年10月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・382ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた共済金支払請求権以外にも求償債権を有していることから当該債権を差し押さえるべきであると主張するが、原処分は、国税徴収法第47条《差押の要件》第1項第1号の規定に基づき適法に行われており、また、滞納者の所有する財産のうち、いかなる財産を差し押さえるかは、徴収職員の合理的な裁量にゆだねられていると解されるところ、原処分が合理的な裁量の範囲を逸脱したものと認めるに足りる証拠はないから、本件差押処分を不当とすることはできない。(平15.10.9大裁(諸)平15-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150044
- 裁決年月日
- 平成15年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件課税処分及び本件督促処分について審査請求ができる期間内になされた本件債権差押処分は違法であり、また、本件債権差押処分は本件債権を地代収入として差し押さえているのは不当である旨主張する。しかしながら、課税処分及び督促処分について審査請求ができる期間内は差押処分をしてはならない旨の租税法上の規定はない。また、本件債権差押処分は、本件債権を地代収入として差し押さえたものではない。(平15.8.28東裁(諸)平15-44)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150044
- 裁決年月日
- 平成15年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、換価の猶予に係る担保の変更を求めたにもかかわらず、何らの返答も説明もせずになされた本件担保物処分のための差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、猶予期間が経過した後は担保の変更を求めることはできないと解されるところ、請求人の担保変更要求は、猶予期間経過後にされたものであり、原処分庁にはそれに返答する法令上の義務はない。また、請求人は、本件担保物差押処分が、請求人の予定する当該土地の明渡し訴訟上、不利な条件となり人権侵害である旨主張するが、独自の見解であって根拠がない。(平15.8.28東裁(諸)平15-44)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140078
- 裁決年月日
- 平成15年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物を差し押さえる前に本件建物の賃料請求権を優先して差し押さえるべきであり、本件公売処分の前提としてなされた本件差押処分は、差押財産の選択を誤ったものであるから、本件公売処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件差押処分が徴収職員の合理的な裁量の範囲を逸脱したものと認めるべき証拠はなく、本件差押処分は適法になされており、また、国税徴収法第77条第1項により、既にその不服申立期間を徒過していることから、本件公売処分については、本件差押え処分の違法を主張し得ない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.05.29.大裁(諸)平14-78)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140009ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分(原処分)に先行する本件督促処分は、違法あるいは信義則違反、徴収権の濫用として取り消されるべきものであるから、原処分も違法である旨主張する。しかしながら、本件督促処分が適法かつ正当であることについては、本件督促処分に対する審査請求に係る裁決において示したところであるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.05.22.金裁(諸)平14-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140231
- 裁決年月日
- 平成15年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1089ページ
要旨
○ 原処分庁は、担保の提供されている国税について延納を取り消したことから、国税通則法第52条第1項の規定に基づき、その担保として提供されていた請求人らの所有する本件不動産を差し押さえたものであり、原処分は適法である旨、請求人らは、本件滞納者自身が換価の容易な財産を所有しているのであるから、まず、本件滞納者所有の財産を差し押さえるべきである旨主張する。しかしながら、請求人らは物上保証人であり、物上保証人は民法第453条に規定するいわゆる検索の抗弁権を有しない。また、国税通則法第52条第1項は、延納許可を取り消したときは、その担保として提供された金銭以外の財産を滞納処分の例により処分してその国税及び当該財産の処分費に充てる旨を、同条第4項は、担保として提供された財産の処分の代金を、同条第1項の国税及び処分費に充ててなお不足があると認めるときは、税務署長は、滞納者の他の財産について滞納処分を執行する旨規定している。したがって仮に、本件滞納者が本件不動産より容易に換価可能な財産を所有しているとしても、まず、担保として提供された財産を処分しなければならないのであるから、請求人の主張には理由がない。(平15.04.23.東裁(諸)平14-231)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140018
- 裁決年月日
- 平成15年4月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件不動産には、本件滞納国税に優先する根抵当権が設定されており、時価で売却した場合、本件滞納国税への配当は見込めないことから、本件差押処分は無益な差押えに該当し違法である旨主張する。ところで、「無益な差押」に該当するか否かは、差し押さえしようとする財産の価額とその差押えに係る滞納処分費及び徴収すべき税に先だつ他の税金その他の債権額の合計額を比較して判断することになると解されるが、差し押さえることのできる財産の価額や優先する債権の金額の正確な評価は、実際上、必ずしも容易ではなく、その厳密な評価を要するとすると税の滞納処分の円滑な遂行が期待できないこと、優先する債権の金額は弁済などによって減少する可能性があることなどを考慮すれば、差押えの対象となる財産の価額がその差押えに係る滞納処分費及び徴収すべき国税等に優先する他の税金その他の債権の金額の合計額を超える見込みのないことが一見して明らかでない限り、直ちに当該差押えが違法となるものではないと解するのが相当である。これを本件についてみると、原処分庁は、本件不動産の評価額を、相続税財産評価基準に基づき、路線価及び固定資産税評価額を基に10,443,412円と算定しており、原処分庁が算定した当該価額を特に不相当とする理由は認められない。また、本件差押処分時において、本件滞納国税に優先する債権の額は、根抵当権の極度額5,000,000円で担保される債権の額であり、他に本件滞納国税に優先する債権等はない。したがって、本件差押処分のときにおいて、本件不動産の価額がその差押えに係る滞納処分費及び徴収すべき国税等に優先する他の税金その他の債権の金額の合計額をこえる見込みのないことが一見して明らかとはいえず、本件差押処分は、本件滞納国税への配当が見込めない無益な差押えに該当し、違法であるとする請求人の主張には理由がない。(平15.04.15.熊裁(諸)平14-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140223
- 裁決年月日
- 平成15年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1095ページ
要旨
○ 国税徴収法第48条第1項が規定する超過差押えとなるか否かを判断する場合、一般的には、差押財産の処分予定価額と徴収すべき滞納国税(延滞税等の附帯税も含む。)の額とを比較して判定すべきものであるとしても、差押財産の処分予定価額が滞納国税の額を超過した場合に、直ちに当該差押えが超過差押えとして違法となるものではなく、他に滞納国税を満足できる換価に見合う財産があるにもかかわらず、滞納国税の額に比較して差押財産の処分予定価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であると認められるような財産を差し押さえたというような特段の事情がある場合に、初めて当該差押えが違法となるものと解される。また、複数の財産を差し押さえた場合において、そのうちの一部の差押えによって国税徴収の目的が十分達成できるにもかかわらず、あえて他の財産も差し押さえたときは、超過差押えとなる余地もあり得るが、差押えに係る財産が法律上分割できない場合、あるいは分割することはできるが、分割することにより物の経済的価値を著しく害する場合には、たとえその財産の価額の合計額が滞納国税の額を超過したとしても違法とはならないと解される。(平15.04.07.東裁(諸)平14-223)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140223
- 裁決年月日
- 平成15年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・1095ページ
要旨
○ 請求人は、差押処分の対象となった自宅底地以外に不動産を所有していたので当該不動産を差押財産として差し押さえるべきであったと主張する。しかしながら、差押財産の選択については、徴収職員の合理的判断にゆだねられているところ、請求人が差し押さえるべきであったと主張する不動産は換価に不適又は不便な財産であるから、本件自宅底地の差押えには合理性を欠いた点はなく、違法ではない。(平15.04.07.東裁(諸)平14-223)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140163
- 裁決年月日
- 平成15年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納国税を納付したくても納付することができない経済状態にあり、本件不動産を実際に売りに出して納税の意思を示しているにもかかわらず、原処分庁が一方的に本件差押えを行ったことは違法である旨、また、請求人は、銀行へ本件不動産を担保として提供することにより得られる資金をもって本件滞納国税を納付したいと考えているのであるから、原処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件差押処分は国税徴収法第47条の規定に基づき適法に行われている。また、上記の請求人の主張が、原処分の適法性に影響を及ぼすものではないことは明らかである。(平15.02.12.東裁(諸)平14-163)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140140
- 裁決年月日
- 平成14年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401010
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/1滞納国税の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押処分の前提となる過少申告加算税及び延滞税(以下「本件滞納国税」という。)は存在しないと主張し、その根拠として、①請求人の相続税の延納担保として設定された抵当権の設定登記が本件滞納国税の納期限後に完納を原因として抹消されていること、②請求人が延納分の相続税の繰上納付をした際に原処分庁の職員から未納税額が零円であるという説明を受けたことを挙げる。しかしながら、①当該抵当権登記の抹消は、当該抵当権によって担保される延納許可に係る相続税及び利子税が完納されたことから行なわれたものであり、本件滞納国税の有無とは関係がなく、②仮に未納税額が零円であるという説明があったからといって本件滞納国税が存在しなくなるものではない。本件滞納国税は存在しており、本件差押処分は適法になされている。(平14.12.20.東裁(諸)平14-140)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140004
- 裁決年月日
- 平成14年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押調書謄本には請求人の納付すべき金額が明示されていないから違法である旨主張する。しかしながら、①本件差押調書謄本には、Aの滞納国税として「差押に係る国税の年度、税目、納期限及び金額」及び請求人の納付すべき金額として「以上本来の納税者Aの滞納国税のうち、連帯納付義務者として納付すべき金額」との記載があること、②本件督促処分に係る督促状には、請求人の連帯納付責任限度額として「被相続人から相続による受けた利益の価額に相当する金額」及びその根拠となる法令が記載されていること及び③請求人が相続により受けた利益の価額に相当する金額は、請求人にとって容易に把握できる金額であることから、差押調書謄本に請求人の納付すべき具体的な金額が明示されていないことをもって直ちに差押処分の効力を左右するものではないと解するのが相当である。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14.12.19.金裁(諸)平14-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140004
- 裁決年月日
- 平成14年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分は超過差押で違法である旨主張する。ところで、徴収職員が国税の徴収のため滞納者の財産を差し押さえる場合において、①差押処分時に差押財産をめぐる権利関係を把握することが必ずしも容易でないこと、②その価値を正確に評価することが困難であること及び③国税の徴収は最終的に差押財産の公売等の方法による換価を待って初めて実現するものであることから、どの財産をどの範囲で差し押さえるかは徴収職員の合理的な裁量にゆだねられているものと解されている。したがって、超過差押となるか否かを判断するに当たっては、一般的には、差押財産の処分予定価額と徴収すべき滞納国税(延滞税等の附帯税を含む。)の額とを比較して判定すべきものであるとしても、差押財産の価額が滞納国税の額を超過した場合に、直ちに当該差押えが超過差押として違法となるものではなく、滞納国税の額に比較して差押財産の価額が合理的な裁量の範囲を超えて著しく高額であると認められるような特段の事情がある場合に、初めて当該差押が違法となるものと解するのが相当である。これを本件についてみると、請求人の連帯納付責任限度額は、当該差押財産の額を超えることが明らかであると認められるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14.12.19.金裁(諸)平14-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130100
- 裁決年月日
- 平成14年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・739ページ
要旨
○ 請求人は、相続税の滞納国税に係る差押処分は、相続税法が相続財産に担税力を求めて立法されたものであるから、相続財産の範囲内で行うべきであり、請求人の固有財産にまで及び本件差押処分の一部を取り消すべきである旨主張するが、原処分庁が請求人の固有財産にまで及ぶ本件差押処分をしたのは、相続開始時から本件差押処分時までの間の地価の下落を原因とする担保不足によるもので、本件先行差押物件の処分代金を本件滞納国税に充ててもなお不足があると認められるからであり、相続税法の立法趣旨とは何ら関係はなく、また、相続税の滞納国税を相続財産から徴収しなければならないとする法令上の規定はないから、請求人の主張には理由がない。(平14. 6.11大裁(諸)平13-100)裁決事例集NO63・739ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130085
- 裁決年月日
- 平成14年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・728ページ
要旨
○ 請求人は、滞納法人はAに対し有していた売掛債権をBに譲渡しており、Aが本件預金口座へ振り込んだ金額のうち、1200000円はBに帰属するものでありから、第三者の債権まで差し押さえた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件預金口座が滞納法人に帰属するものであると認められるところ、Bに対する債権譲渡の効力はともかく、Aは滞納法人に対する売掛金債務の履行として本件預金口座へ振り込んだものであり、形式的な手違いによる誤振込みであるような場合には当たらないというべきであるから、Aが本件預金口座へ振り込んだ金額の全額が滞納法人に帰属することとなると解される。したがって、請求人とBとの間でなされた1200000円を支払う旨の合意も、Bが当該振込金自体に権利を有することを意味するものではなく、Bが滞納法人に対して1200000円の一般債権を有していることを意味するにすぎないというべきであるから、請求人の主張には理由がない。(平14. 5.31関裁(諸)平13-85)裁決事例集NO63・728ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130085
- 裁決年月日
- 平成14年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・728ページ
要旨
○ 請求人は、本件預金債権は同人に帰属するものであり、これを滞納法人に帰属するものとしてなされた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、預金債権の帰属の認定に当たっては、特段の事情がない限り、出捐者、すなわち、預金に係る資産を現実に拠出した者に預金債権が帰属すると解されるところ、(1)本件預金口座は、請求人が、本件任意整理の業務を遂行するための資金を管理するために開設したものであること、(2)本件預金口座の入出金は、滞納法人の売掛債権の回収又は債務の弁済という専ら滞納法人関連のものであること、(3)請求人が、本件預金口座に係る通帳及び届出印の保管、入出金等の管理を行っていたのは、同人にとってこれらの行為が本件任意整理の業務を遂行する上で必要であったからにほかならないこと、(4)本件預金口座の名義人は、社会通念上滞納法人であると解されるところ、請求人であると解する特段の事情が存すると認められないこと等を併せ考えると、本件預金口座の預金者は、その出捐者である滞納法人であるというべきであり、したがって、本件預金債権は滞納法人に帰属すると認めるのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。(平14. 5.31関裁(諸)平13-85)裁決事例集NO63・728ページ
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平130018
- 裁決年月日
- 平成14年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各債権は事業の継続に与える支障が大きい財産であり、国税徴収法第48条第1項に規定する「国税を徴収するために必要な財産以外の財産」を差し押さえたものであるから、本件差押処分は違法である旨主張する。原処分庁は、本件差押処分時において、本件滞納国税の額を○○○円、差押不動産の処分予定価額を○○○円、差押不動産に係る国税に優先する私債権の額を○○○円と算定していることが認められ、当審判所の調査によっても、これを不相当とする理由は認められない。そうすると、差押不動産の処分予定価額○○○円から差押不動産の係る国税に優先する私債権の額○○○円を控除し、本件各債権の合計額○○○円を加算した金額○○○円が本件差押処分時における差押不動産及び本件各債権の処分予定価額となり、これを本件滞納国税の額○○○円と対比すると、処分予定価額は本件滞納国税の額を超えていないことが認められる。したがって、本件差押処分は超過差押えには当たらず、本件各債権は国税徴収法第48条第1項が規定する国税を徴収するために必要な財産以外の財産に該当しないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 5.28札裁(諸)平13-18)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平130018
- 裁決年月日
- 平成14年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押えた財産は国税徴収法基本通達第47条関係17の定めによる事業計画に支障を与える財産であり、本件差押処分は不当である旨主張する。同通達では、滞納者の生活の維持又は事業の継続に与える支障が少ない財産であることなどに十分留意してその選択を行うものとする旨定められており、このことは、滞納国税を満足させることのできる複数の差押対象財産がある場合において、徴収職員が差押財産を選択する際の留意事項を定めたものと解され、同通達がこのように定めたことは相当である。本件各債権は、いずれも請求人に帰属する債権であり、かつ、国税徴収法の規定により差押えが禁止されている財産及びその他の法令により差押えが禁止されている財産のいずれにも該当しないことが明らかであるから、いずれも差押えの対象になるものである。また、当審判所が調査したところによれば、原処分庁は請求人の財産調査を行っているが、本件各債権以外に差し押さえるべき財産は判明しなかったことが認められる。したがって、本件各債権が事業決画に支障を与える財産であるかどうかについて判断するまでもなく、原処分庁が本件各債権を差し押さえたことは適法であり、これを不当とする理由もないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 5.28札裁(諸)平13-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130244
- 裁決年月日
- 平成14年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401070
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/7第三者の権利の尊重
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税通則法第73条第2項及び国税徴収法第49条の各規定は裁量権行使の指針となることは明らかであるから、本件差押処分は裁量の範囲を逸脱した違法な処分である旨主張する。しかしながら、当該各規定はいずれも訓示規定であると解するのが相当であるから、当該各規定に違反して督促処分又は差押処分がなされたとしても、そのことにより当該各処分が違法となるものではない。なお、そもそも請求人は、本件差押処分がなされたことにより、請求人が本件競売から配当を受けられなくなったから本件差押処分は違法であると主張するものであるところ、本件競売事件は、民事執行法第68条の3第3項及び同法第188条の規定により、平成13年12月4日に取り消されているから、請求人の主張はその前提を欠くこととなる。したがって、いずれにしても請求人の主張には理由がないというべきである。(平14. 5.21東裁(諸)平13-244)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130062
- 裁決年月日
- 平成14年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件更正処分に伴う所得税の滞納処分として本件差押処分をしたが、差押えの物件を請求人に事前に相談せず不動産としたのは違法であるので、本件差押処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、差押処分は、法律をもって特に除外したもの以外は、滞納者の有するいかなる財産についても実施することができると解されており、また、滞納者が複数の財産を有する場合に、いかなる財産を差し押さえるかについては国税徴収法は一般的基準を設けておらず、差押財産の選択は徴収職員の合理的裁量に委ねられていると解されている。また、差押処分を行うに当たり、滞納者の納付する意思を尊重し、滞納者の了解を得なければならない旨を定めた法令の規定はなく、仮に原処分庁が滞納者の了解を得ず、また、滞納者に対し差押処分を行う旨の説明をしなかったとしても、差押処分が違法となるものではない。(平14. 4.15名裁(諸)平13-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130148
- 裁決年月日
- 平成14年2月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・718ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人が加害者を被告として提起していた損害賠償請求訴訟の第1審において認容された「貞操を侵害されたことにより請求人が被った精神的苦痛に対する慰謝料請求権」を、判決の言い渡しの日に差し押さえた処分は、慰謝料請求権が差押禁止財産に当たらないから適法である旨主張する。しかしながら、貞操を侵害されたことを理由とする被害者の慰謝料請求権は、被害者が慰謝料請求権を行使する意思を表示しただけでいまだその具体的な金額が当事者間において客観的に確定しない間は、被害者がなおその請求意思を貫くかどうかをその自律的判断に委ねるのが相当であるから、なお行使上の一身専属性を有するものというべきであって、被害者の債権者はこれを差押えの対象とすることはできないものと解される。これを本件についてみると、本件慰謝料請求権については、加害者が控訴して、その後において裁判上の和解がされているから、差押処分の時点においては行使上の一身専属性が失われたとはいえないから、差押えの対象とすることができないものというべきである。よって、本件差押処分は、違法であるといわざるを得ない。(平14. 2. 8.東裁(諸)平13-148)裁決事例集NO63・718ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130040
- 裁決年月日
- 平成13年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・513ページ
要旨
○ 請求人は、差押調書に記載された滞納税額に誤りがあるので、差押調書に瑕疵があり、瑕疵ある差押調書に基づいて行われた差押処分は無効である旨主張する。しかしながら、数個の租税債権を差押債権として行われた差押処分は、各租税債権ごとに数個の差押処分が競合するものではなく、差押処分は1個であり、従って、原因となった租税債権の一部に数額の誤りがあっても、そのことによって直ちに差押処分の効力が左右されるものではないと解されるところ、本件については、本件差押調書に記載された滞納税額の合計額は、その誤りが特に大きいとはいえないこと、及び滞納税額に誤りがなければ、本件差押物件を差し押えなかったであろう特段の事情があると認められないことからすれば、本件差押調書の滞納税額の記載の一部に誤りがあったというだけで、本件差押処分が無効であるということはできない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平13.12.19関裁(諸)平13-40)裁決事例集NO62・513ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130035
- 裁決年月日
- 平成13年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差し押さえられたゴルフ会員権について、その譲渡には理事会の承認が必要であり、承認を得られない会員権は実質上無価値であるため、国税徴収法第48条第2項で禁止されている無益な差押えに当たる旨主張するが、本件ゴルフ会員権は預託金会員制ゴルフ会員権であると認められ、譲渡の当事者間においては、理事会の承認により会員資格を取得するという条件付権利の譲渡として有効であると解され、第三債務者がある無体財産権として差し押えることができるから、請求人の主張は採用できない。(平13.11. 8.大裁(諸)平13-35)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130019
- 裁決年月日
- 平成13年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)請求人名義の普通貯金口座は、請求人の前代表者が自らの意思で開設したものであること、(2)当該口座の通帳と印鑑は請求人と請求人の納税保証人であるA社の共同事務所に保管されており、請求人の前代表者がいつでも持ち出せる状態であったこと、(3)当該口座への入金の大部分は請求人がA社から借入れたものであることから、当該普通貯金は請求人に帰属するものであり、原処分庁が当該口座に係る払戻請求権はA社に帰属するとして行った本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、(1)当該口座は、A社の代表者が差押えを回避するために請求人の前代表者に指示して開設した口座であること、(2)当該口座の通帳と印鑑は、A社の代表者が保管、管理していたと認められること、(3)請求人が、当該口座へ入金した金員をA社から借入れた事実は認められないことから、当該口座の預金者はA社というべきであり、本件払戻請求権はA社に帰属するものと認められる。したがって、原処分庁が行った本件差押処分は適法である。(平13.10.29名裁(諸)平13-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130070
- 裁決年月日
- 平成13年10月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、物納申請の却下処分は明らかに違法であり、そして、その取消しを求める訴訟が係属しているにもかかわらず、原処分庁が差押処分をしたことは違法である旨主張するが、そもそも物納申請の却下処分と差押処分とはそれぞれ目的及び効果を異にした別個の行政処分であるから、物納申請の却下処分の違法を理由に差押処分の取消しを求めることはできず、また、行政事件訴訟法第25条第1項は処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力を妨げない旨規定しているのであって、本件訴訟が係属中であっても、本件却下処分の効力は妨げられないのであるから、請求人の主張には理由がない。(平13.10.24東裁(諸)平13-70)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130020
- 裁決年月日
- 平成13年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分の起因となった本件更正処分等が違法な処分であるから、当該差押処分も取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件更正処分等は、当審判所の裁決により、その一部が取り消されたが、当該取り消された部分以外の処分等の効力は消滅しておらず、かつ、これを無効とすべき重大かつ明白な瑕疵も存在しない。したがって、本件差押処分は、依然として適法に存在していると認められるから、請求人の主張には理由がない。(平13.10. 2.大裁(諸)平13-20)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130010
- 裁決年月日
- 平成13年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした滞納者の亡父所有名義の土地について各相続人に代位して共同相続登記を経由した上で滞納者の所有持分を差し押さえた処分について、本件土地は遺産分割協議により請求人が取得したものであり、原処分庁は処分当時このことを知っていたから民法第177条の第三者に当たらないことを理由にその取消しを求めているが、亡父名義のままであった土地について法定相続分に従って持分の移転登記をした上で滞納者の持分を差し押さえた手続は適法であり、請求人は遺産分割による土地の取得を登記なくしては第三者に対抗できないところ、原処分庁は処分当時請求人の単独所有であるという事実を知り得る状況になかったので民法第177条の第三者に当たらないというべき特段の事情は存在しないから、本件差押処分は適法である。(平13. 9.11大裁(諸)平13-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130005
- 裁決年月日
- 平成13年8月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・521ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁は滞納国税を相当額上回る価額の土地3筆と建物を差し押さえたのであるから、国税徴収法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第1項に規定する超過差押えに該当する旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、請求人は本件差押財産のほかに換価できる財産を有しておらず、差押財産である土地と建物は一体として請求人の居住の用に供されており、また、これらの全部に差押国税に優先する根抵当権が設定されていると認められるところ、仮に、原処分庁が差押財産のうちの一部の財産を差し押さえるとすると、分割することによって差押財産の経済的価値が害されることになり相当ではない。以上のことからすれば、原処分庁のした差押処分は、差押財産の担保価値の維持、有効利用の見地、優先債権者への配当等を考慮した妥当なものといえるから、国税徴収法第48条第1項に規定する超過差押えには該当しない。(平13. 8. 8.名裁(諸)平13-5)裁決事例集NO62・521ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130002
- 裁決年月日
- 平成13年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納税額を上回る価値を有する本件土地等に対する本件差押処分は明らかに合理的な裁量の範囲を超えたものである旨主張するが、請求人から本件土地等を滞納国税の担保として提供する旨を申し出た事実が認められるので、請求人は、本件土地等の価額が滞納税額を超過していることを理由に、本件差押処分について超過差押えを主張することはできないというべきであるから、請求人の主張には理由がない。(平13. 7. 3.大裁(諸)平13-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120199
- 裁決年月日
- 平成13年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401010
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/1滞納国税の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件差押書の本件滞納金目録には連帯納付義務の限度額が明示されていないから、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、(1)差押書に記載すべき事項を規定している徴収令第30条第1項は、連帯納付義務の限度額を記載すべき事項とはしていないこと、(2)本件滞納金目録には「Aらの滞納分の連帯納付義務に係る分」と記載されていること、(3)本件差押処分に先立って送付された本件督促状の「連帯納付義務限度額」欄には、「被相続人から相続により受けた利益の価額に相当する金額」と記載され、「根拠となる法律の規定」欄には「相法第34条第1項」と記載されていること、そして、(4)連帯納付義務の限度額は、請求人らにとっては容易に把握できる金額であること、を総合勘案すると、本件滞納金目録に連帯納付義務の限度額が明示されていないからといって本件差押処分が違法となるものではないと解するのが相当であるから、請求人らの主張には理由がない。(平13.6.28東裁(諸)平12−199)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120076
- 裁決年月日
- 平成13年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 業種
- 製造小売業・仕出し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押処分の対象となった本件不動産は同人の生活の本拠であり、また、当該処分により、抵当権者等から競売の申立てを受けることになるから、本件差押処分は違法であり取り消すべき旨主張する。しかしながら、本件不動産が生活の本拠であるからといって、これを徴収法第75条((一般の差押禁止財産))から第78条((条件付差押禁止財産))までに規定する差し押さえることができない財産ということはできないし、また、本件差押処分により、抵当権者等から競売の申立てを受けることになっても、それは請求人と当該抵当権者等との契約に基づくものであるから、このことをもって、本件差押処分を違法、不当ということはできない。(平13.2.20東裁(諸)平12−76)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120027
- 裁決年月日
- 平成13年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分は、差押財産の価額が滞納国税を大幅に上回り財産権の侵害に当たり違法である旨主張する。しかしながら、国税徴収法第48条第1項の規定は、国税を徴収するために他にこの条件を充足する財産があるにもかかわらず、徴収金額をはるかに超過するような財産を差し押さえるようなことは許されない趣旨であると解されることから、他に国税を徴収するために必要な財産がない場合等には、徴収金額を超過する不動産等を差し押さえたとしても違法となるものではなく、納付交渉の際に請求人から申出のあった本件宅地を差押財産に選択した本件差押処分に違法な点はない。(平13.1.25高裁(諸)平12−27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120050
- 裁決年月日
- 平成12年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401010
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/1滞納国税の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父親が国税を滞納していることを知らなかったのことを理由として、納税義務の承継者として自己に対してされた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、通則法第5条第1項は、相続があった場合には、相続人はその被相続人に課されるべき、又はその被相続人が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継する旨規定しており、請求人は、相続により当然に納税義務を承継するのであって、請求人において、父親が国税を滞納していることを知らなかったからといって、本件差押処分が違法となるものではない。(平12.12.20東裁(諸)平12−50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120024ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成12年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・612ページ
要旨
○ 請求人は、本件養老生命共済契約は請求人が息子である滞納者の名義を借りて契約したもので共済掛金も請求人が支払っていることから、被差押債権(滞納者が契約した養老生命共済に係る満期共済金の支払請求権及び解約返戻金の支払請求権)は請求人に帰属するものであり、本件差押処分は財産の帰属を誤った違法があり取り消すべき旨主張する。しかしながら、共済金約款によればいずれも滞納者に帰属するものと認められるのであり、仮りに請求人主張のものであったとしても、請求人には虚偽の外形を自己の意思で作出したことが認められることから、民法第94条第2項の類推適用により、請求人は本件債権が請求人に帰属することをもって善意の第三者である原処分庁に対抗することはできない。したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平12.11.27名裁(諸)平12−24)裁決事例集NO60・612ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120020
- 裁決年月日
- 平成12年10月31日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押債権(預金)は請求人に帰属するものではない旨主張して本件差押処分の取消しを求めている。また、本件差押処分により、預金名義人から弁護料の支払請求を再度受けることとなるため、自己の権利又は法律上の利益が侵害されている旨主張している。しかしながら、請求人は、直接自己の権利又は法律上の利益を侵害された者に当たらないことから、本件差押処分の取消しを求める法律上の利益を有するとはいえず、また、差押債権が取立て完了により既に消滅していることから、本件審査請求は、請求の利益を欠く不適法なもである。(平12.10.31東裁(諸)平12−20)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120012
- 裁決年月日
- 平成12年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 業種
- 贈答品小売
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、徴収担当職員が、本件保険金請求権等を差し押さえた上、請求人が分割納付をすれば、本件差押不動産の差押処分は行わない旨約したことから、これを信用し、本件保険金請求権等を担保として提供していたにもかかわらず、原処分庁が当初の約束を無視して、本件差押処分を行ったことは違法である旨主張する。しかしながら、原処分庁が当初の約束を無視した事実は認められず、かえって、請求人自身が自ら約した分割納付計画を、自ら履行しないということを繰り返していることが認められるから、原処分庁が、当初の約束を無視して本件差押処分を行った旨の請求人の主張には理由がない。(平12.9.11関裁(諸)平12−12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120004
- 裁決年月日
- 平成12年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分により金融機関に対する債務の期限の利益を喪失し、本件不動産に設定された抵当権が実行されるとその住居及び収入を失うから、本件差押処分は取り消すべき旨主張する。しかしながら、当該差押処分によって、請求人が、債務の期限の利益を喪失し不利益を負ったとしても、それは請求人と金融機関との契約に基づくもので、ひいては請求人が延納の条件に違反したことによるものであるから、これをもって当該差押処分を不当ということはできない。なお、請求人は、原処分庁は本件不動産について抵当権の設定を受けているのであるから、本件差押処分を行う必要はない旨の主張もするが、担保財産から国税を徴収するためにはこれを滞納処分の例により処分する必要があるところ、徴収法第47条第1項第1号は、滞納処分の手続について、滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押さえなければならない旨を規定しているのであるから、当該差押処分が不必要であるとはいえず、やはり、請求人の主張には理由がない。(平12.8.24東裁(諸)平12−4)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110067
- 裁決年月日
- 平成12年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産(農地)の取得に当たって、請求人(真実の取得者)の意思に基づき、請求人の登記を経由せず、滞納者に虚偽の登記移転をしたことについては、民法第94条第1項の通謀虚偽表示が類推される。そして、虚偽の滞納者名義とされた本件土地については登記簿上請求人の名称は表れていないこと、また、請求人の確定申告書の添付書類にも、本件土地を請求人の所有とする記載もないことから、このような虚偽の滞納者名義とされた本件土地について差押処分をした徴収職員は、民法第94条第2項の善意の第三者に当たる。したがって、差押処分は適法である。(平12. 6.28高裁(諸)平11-67)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平110006
- 裁決年月日
- 平成12年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株券は質権実行のために証券会社へ持ち込んだものであり、また、本件委任状は間違って作成されていることから、質権の第三者対抗要件である占有は継続しており、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件差押処分をした時点においては、約定の弁済期日は到来しておらず、また、滞納者が期限の利益を失ったと認められる事実を確認できる証拠もないことから、履行遅滞の状態ではなかったとみるのが相当であり、質権実行の要件は満たしていなかったと解すべきである。また、本件委任状は、滞納者が債務弁済のための事務手続を請求人に依頼したことによるものというべきであり、証券会社の本件株券の占有は、滞納者から本件株券の売却の委託を受けたことによるものと解すべきである。したがって、請求人の占有が継続しているとはいえず、請求人の略式質は第三者対抗要件を欠くことになり、本件差押処分は適法である。(平12. 5.31沖裁(諸)平11-6)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110055
- 裁決年月日
- 平成12年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、納税意欲はあるのに、ほとんど話し合いの機会を与えられないまま、請求人に何の相談もなしに、すぐに原処分を行ったのは、違法・不当である旨主張するが、既に滞納期間は長期間にわたっており、この間、①原処分庁は、いったん平成8年7月19日付で生命保険契約に基づく解約返戻金の支払請求権の差押えを行っており、②その後、請求人において滞納国税の一部について約束手形を提供することを条件に当該差押えを解除したが、請求人は上記②の金額を納付したのみで、それ以降、原処分に至るまで、一度も納付を行わず、誠意ある対応をしなかったことが認められる上、そもそも、差押処分を行うに当たり、滞納者の了解を得なければならない旨を定めた法令の規定はなく、原処分庁が請求人の了解を得ず原処分を行ったとしても、原処分が違法・不当になるものではない。(平12. 5.29広裁(諸)平11-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110133
- 裁決年月日
- 平成12年4月18日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件異議申立ては、請求人が、債権差押処分に係る差押調書の謄本の送達を受け、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して2月を経過した後になされた不適法なものであるから、本件審査請求は、適法な異議申立てを経ないでなされた不適法なものである。(平12. 4.18東裁(諸)平11-133)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110131
- 裁決年月日
- 平成12年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・450ページ
要旨
○ 請求人は、同人名義の本件定期預金口座に係る払戻請求権は請求人に帰属しており、これが滞納会社に帰属するものとしてなされた本件差押処分は違法である旨主張する。本件定期預金口座は、滞納会社から請求人名義の普通預金口座(以下「本件普通預金口座」という。)に振り込まれた金員(以下「本件金員」という。)により開設されたものであることから、まず、本件普通預金口座の預金者について検討すると、①請求人は、本件金員は請求人が滞納会社から支給を受けた役員報酬である旨主張するが、請求人が滞納会社に対し役員としての役務を提供した事実は認められず、本件金員が役員報酬であるとは認められないから、本件普通預金口座は、滞納会社の出捐によって開設されたものというべきであり、また、②本件普通預金口座の開設手続等は、滞納会社の実質的経営者の指示でその社員が行っていたこと及び本件普通預金口座の届出印は滞納会社において管理保管していたことが認められることから、本件普通預金口座は、滞納会社が自らの預金とする意思で開設したものというべきであり、したがって、本件普通預金口座の預金者は、請求人ではなく滞納会社というべきである。次に、本件定期預金口座の預金者について検討すると、本件定期預金口座の届出印には請求人の印章が用いられており、このことのみからは、本件定期預金口座は請求人が自らの預金とする意思で開設したとみる余地もある。しかしながら、その原資となった本件普通預金口座の預金者は元々請求人ではないし、本件定期預金口座の開設に当たり、滞納会社が請求人に対し本件普通預金口座に係る払戻請求権を譲渡した事実も、請求人が、本件普通預金口座から払戻を受けた金員を自己のものとした上、自らの預金とする意思で本件定期預金口座に入金したなどの特段の事情も認められないことから、本件定期預金口座の預金者は、やはり滞納会社というべきである。したがって、本件払戻請求権は、請求人ではなく、滞納会社に帰属するものであり、請求人の主張には理由がない。(平12. 4.11東裁(諸)平11-131)裁決事例集 №59・450ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110132
- 裁決年月日
- 平成12年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人名義の本件定期預金口座に係る払戻請求権は請求人に帰属しており、これが滞納会社に帰属するものとしてなされた本件差押処分は違法である旨主張する。そこで検討すると、本件定期預金口座は、滞納会社から請求人名義の普通預金口座(以下「本件普通預金口座」という。)に振り込まれた金員(以下「本件金員」という。)により開設されたものであることが認められ、請求人は、本件金員は請求人が滞納会社から支給を受けた役員報酬である旨主張するが、請求人が滞納会社に対し役員としての役務を提供した事実は認められず、本件金員が役員報酬であるとは認められないから、本件普通預金口座及び本件定期預金口座は、いずれも請求人の出捐によるものではなく、滞納会社の出損によって開設されたものというべきである。そして、本件普通預金口座及び本件定期預金口座の開設手続等は、滞納会社の実質的経営者の指示でその社員が行っていたこと、及び当該各預金口座の届出印は滞納会社において管理保管していたことが認められることから、本件普通預金口座及び本件定期預金口座は、いずれも滞納会社が自らの預金とする意思で開設したものというべきであり、本件普通預金口座及び本件定期預金口座の預金者は、請求人ではなく滞納会社というべきである。したがって、本件払戻請求権は、請求人ではなく、滞納会社に帰属するものというべきであり、請求人の主張には理由がない。(平12. 4.11東裁(諸)平11-132)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110100
- 裁決年月日
- 平成12年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、滞納国税の納付方法等について、総代が徴収担当職員と話し合っていたにもかかわらず、原処分庁が一方的に差押処分をした旨主張するが、徴収担当職員は、本件滞納国税について、総代と再三にわたって納付方法等の話し合いをしたが、総代が申し出た分割納付計画では、換価の猶予期間である1年を超えるため、同人に対して、差押の猶予することはできないとして、本件差押処分をする旨申し渡したもので、本件差押処分が一方的にされたものとは認められないから、この点に関する請求人らの主張は採用できない。また、請求人らは、被相続人の家族は本件差押物件がいつ換価されるか分からないという不安を抱えており、本件差押処分は被相続人の家族の人権を侵害するものであるから直ちに解除すべきである旨主張するが、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、本件差押物件以外に本件滞納国税に見合う適当な財産は見当たらず、本件差押物件が差押禁止財産に該当しないこと及び差押の猶予又は解除の要件もないことは明らかであるから、この点に関する請求人らの主張は採用できない。(平12. 3.31大裁(諸)平11-100)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110006
- 裁決年月日
- 平成12年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401070
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/7第三者の権利の尊重
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押財産の選択に当たっては、第三者の権利が尊重されなければならず、差し押さえられた不動産は金融機関の担保物件となっていることから、差押処分は取り消されるべきである旨主張する。徴収法第49条で規定する差押処分に当たって、第三者が有する権利を害さないように努めなければならないとは、差押えに当たって滞納者の全財産を調査して、その中から第三者の権利の対象となっていない財産を差し押さえることまでを要求するものではなく、例えば、徴収職員が差押えに当たって通常の調査をした結果、差し押さえ得る財産が複数あることが判明した場合において、一方には抵当権が設定されており、他方は第三者の権利の対象となっていない場合で、かつ、この財産により滞納国税の額を満足させることができる場合は、後者を差し押さえなければならないとの趣旨であると解される。これを本件についてみると、請求人所有の不動産にはすべて抵当権が設定されており、第三者の権利の対象となっていない不動産は他にはなかったことが認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平12. 2.25金裁(諸)平11-6)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110006
- 裁決年月日
- 平成12年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差し押さえられた不動産は、滞納国税の額に比して過大であり、超過差押えに該当し違法である旨主張する。滞納者の財産を差し押さえる場合、どの財産をどの範囲で差し押さえるかは、差押処分時における財産評価の困難性や国税の徴収が公売等による換価を待って初めて実現されることなどに照らし、徴収職員の合理的な裁量にゆだねられていると解される。したがって、差押財産の価額が滞納額を超過した場合においても、直ちにその差押えが超過差押えとして違法となるのではなく、滞納額に比較して差押財産の価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であると認められる場合に初めて違法となると解するのが相当である。これを本件についてみると、差押財産等の額は、滞納国税の額に満たないこととなり、国税を徴するために必要な財産以外の財産を差し押さえたことにならないから、徴収法第48条第1項に規定する超過差押えには当たらず、適法である。(平12. 2.25金裁(諸)平11-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110069
- 裁決年月日
- 平成12年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件課税処分は明白性を論ずる必要のない程度に重大な瑕疵のある違法・無効なものであり、このような無効な課税処分を前提としてなされた本件差押処分は違法である旨主張する。ところで、課税処分と差押処分との関係についてみると、両者は、それぞれ別個の独立した法律効果の発生を目的とするものであり、結合して単一の法律効果を生ずるものではないから、仮に、先行処分である課税処分が違法であってもそれが取り消されずに存続している以上、後行処分である差押処分は、原則として、それ自体に瑕疵がない限り違法とはならない。そこで、これを本件についてみると、本件課税処分は、不服申立期間内に不服申立てがされていないので確定しており、また、課税庁が本件課税処分を行ったことに重大かつ明白な瑕疵があると認めるに足りる証拠はないばかりか、むしろ、本件課税処分は適正であると認められることから、本件課税処分に係る違法を理由として本件差押処分の取消しを求める請求人の主張は採用できない。(平12. 2.25名裁(諸)平11-69)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110015
- 裁決年月日
- 平成12年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件預金は、請求人が滞納法人から依頼された本件任意整理を行うため、弁護士としての職印を用いて請求人名義で開設したもので、本件預金の通帳及び印章を請求人が管理し、請求人が本件預金の入出金を管理支配していることから、本件預金の出損者は請求人であり、請求人に帰属するものである旨主張する。しかしながら、預金の帰属の判断に当たっては、出捐者が誰であるかにより判断するべきであるところ、①本件預金の原資は、滞納法人の財産及び債権を現金化したものであること、②請求人が委任事務を処理するに当たり受け取った金銭の所有権は、委任者である滞納法人に帰属するものと解されること及び③本件預金は、請求人が本件整理資金を管理する目的で滞納法人のために預け入れたものではなく、本件任意整理のため資金を滞納法人の代理人として預け入れたものであり、それらの行為は滞納法人との委任契約における委任の範囲内の行為であると認めるのが相当である。したがって、本件預金の出捐者は滞納法人であると認められ、本件預金が請求人に帰属する旨の主張には理由がない。(平12. 2.23熊裁(諸)平11-15)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110066
- 裁決年月日
- 平成12年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401050
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/5超過差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、数度の差押が行われた場合に超過差押に当たるかどうかの判断は、最初の差押が行われた時点によるべきであり、既にその時において超過差押の状態にあったので、その後の差押処分はいずれも超過差押というべきである旨主張する。しかしながら、超過差押の判断をする際の財産の価額は、差し押さえようとする時の処分予定価額によるものと解されており、数度の差押を行う場合には、その都度、差し押さえようとする時の差押財産の処分予定価額と徴収すべき国税の額とを比較して判定することになる。本件差押処分は、各差押時の差押財産の価額が本件滞納国税の額を超過しているとは認められないので、原処分は相当である。(平12. 2.23名裁(諸)平11-66)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平110009
- 裁決年月日
- 平成11年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401039
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納会社の財産として差し押さえた預託金制ゴルフ会員権(以下「本件会員権」という。)は、その名義人である滞納会社の代表者(以下「代表者」という。)に帰属するものであり、本件会員権の差押えは第三者(代表者)の権利を差し押さえたものであるから違法である旨主張する。しかしながら、預託金制ゴルフ会員権は債権的法律関係を包含するので、名義人以外に実質上の権利者がいる場合には、当該権利者に帰属する財産と認定して滞納処分を行い得ることは、もとより許されるべきである。本件会員権の名義は代表者であることが認められるが、滞納会社は、本件会員権を貸借対照表に資産として計上し、さらに取得に要した資金を事業資金から支出しているので、本件会員権を滞納会社の資産として認識し経理処理を行っていたと認められる。また、名義人である代表者の答述等によっても、本件会員権が名義人に帰属しているとは認められないばかりか、代表者の立場から滞納会社の資産と認識していたことが認められる。したがって、本件会員権は、滞納会社がその取得資金を支出して、代表者の名義を利用して取得したものであり、滞納会社に帰属するものと認めるのが相当である。なお、当審判所の調査したところによれば、本件差押処分前に本件会員権が他に譲渡されたとする事実は認められず、本件会員権に係る借入金の返済が滞納会社の普通預金口座から行われていたことから、本件差押処分時においても本件会員権は、滞納会社に帰属していたと推認できる。以上のとおり、本件会員権は、滞納会社に帰属する財産と認めるのが相当であるから、本件差押処分は第三者の権利に対する差押えには当たらず、原処分庁が本件差押処分をしたことに違法な点は認められないので、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平11.12.13札裁(諸)平11-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110031
- 裁決年月日
- 平成11年11月9日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件債権が請求人に帰属しないことを理由として、本件債権に対する差押処分の取消しを求めているのであるが、請求人に帰属しない債権につき差押処分がなされたとしても、これにより権利又は法律上の利益が侵害されるのは当該債権の真正な権利者とされる第三者であり、請求人自身が本件差押処分により権利又は法律上の利益の侵害を受けるわけではない。したがって、本件債権の帰属に争いがあるというだけで、請求人が本件差押処分の取消しを求めることに法律上の利益を有することにはならず、他に請求人が当該法律上の利益を有するとすべき事情も認められないのであるから、本件審査請求は不適法である。(平11.11. 9東裁(諸)平11-31)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110020
- 裁決年月日
- 平成11年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税は被相続人に属する財産を対象として課税されるものであり、請求人が売買により取得した固有の財産に対して行なわれた本件各処分は法的根拠がない旨主張する。しかしながら、相法第34条第1項は、租税債権確保を図るため、現実の相続財産の取得者らの取得した財産に相当する金額を限度として、納付責任を負わせることとしたものであり、また、徴収法上明文の規定がない事項については、差押財産の選択は、専ら徴収職員の合理的な裁量にゆだねられていると解されており、請求人の所有するすべての財産が差押の対象となるのであるから、請求人の主張には理由がない。(平11.10. 7大裁(諸)平11-20)、(平11.10. 7大裁(諸)平11-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110020
- 裁決年月日
- 平成11年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付責任額については、税額確定手続を必要とするものであり、税額確定手続がないままにされた本件各処分は、その基礎となる税額が存在しないことから無効である旨主張する。しかしながら、相法第34条第1項の連帯納付責任は、固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して法律上当然に生じるものであるから、連帯納付責任につき格別の税額確定手続を要するものではなく、請求人の主張には理由がない。(平11.10. 7大裁(諸)平11-20)、(平11.10. 7大裁(諸)平11-21、22)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110006
- 裁決年月日
- 平成11年7月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401060
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/6無益な差押え
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・339ページ
要旨
○ 参加差押処分は、滞納処分による差押の要件を充たすものについてのみ参加差押が許可される処分であるところ、原処分庁は、A市が既に滞納処分による差押をしていた甲土地について、本件参加差押処分をしたのであるから、交付要求としての効力は認めるべきであり、かつ、交付要求たる参加差押処分に徴収法第48条を適用することはできないから、本件参加差押処分は無益な差押えとはいえない。(平11. 7.14大裁(諸)平11-6)裁決事例集 №58・339ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110006
- 裁決年月日
- 平成11年7月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・339ページ
要旨
○ 滞納者の財産を差し押さえる場合の時期及び選択は、徴収職員の合理的な裁量に委ねられているところ、原処分庁は、督促処分をした日から10日を経過した日以後に差押処分をし、当該差押財産につき請求人の要望に沿って相当の換価努力をしたが換価するに至らなかったため、当該差押財産の公売を有利に進めるために参加差押処分を執行したものであるから、本件参加差押処分は、徴収職員の合理的な裁量の範囲内で行われたものと認められる。(平11. 7.14大裁(諸)平11-6)裁決事例集 №58・339ページ
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平100064
- 裁決年月日
- 平成11年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100027
- 裁決年月日
- 平成11年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①滞納者が建物等を請求人に譲渡した際に建物の敷地の一部として、本件土地も譲渡した旨証明していること、②本件土地は法律で定められた公道に通ずる最小限の4メートル幅の敷地(道路)であり、建物を建設するために絶対に必要な敷地であるため、建物の敷地の一部として建築確認通知書及び一般建売住宅適格認定書に記載されていることから、本件土地が請求人の所有であることは明らかであり、本件差押処分は、違法な処分である旨主張するが、①請求人が建物等を取得した際の契約書には本件土地は記載されていないこと、②平成10年度までに滞納者に本件土地の固定資産税等が課税されていたこと、③滞納者が建売住宅を販売する際には、通常、共同使用の道路部分についても建売住宅購入者に当該建売住宅と併せて譲渡し、所有権の移転登記を行っていること及び④滞納者が建物等を譲渡した際に建物の敷地の一部として本件土地を譲渡した旨証明したのは、本件差押処分後のことであるから、本件差押処分時に請求人が本件土地の所有権を取得していたと認定することはできない。(平11. 6. 3福裁(諸)平10-27)、(平11. 6. 3福裁(諸)平10-28)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平100059
- 裁決年月日
- 平成11年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共有財産の持分に対する差押処分は実効性がない処分であるから違法である旨主張する。しかしながら、滞納者の所有に属する財産のうち、いかなる財産を差し押さえるかは、徴収職員の合理的判断に委ねられていると解されるところ、差押処分は、請求人の居宅及びその敷地の共有持分に対してであるが、請求人の滞納国税を徴収するために必要な範囲内のものと認められるので、原処分庁が請求人の意に反して差押処分をしたとしても、やむを得ないと言うべきである。また、共有持分のある不動産においても、金銭的価値を有すると解すべきであり、原処分庁が本件不動産の差押処分をしたとしても合理的判断の範囲を逸脱したとは認められない。(平11. 3.31広裁(諸)平10-59)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平100034
- 裁決年月日
- 平成11年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納者の滞納国税の徴収のために差し押さえた本件土地の所有権について、本件土地は時効取得を原因として、滞納者から請求人へ移転しており、本件土地の所有権は請求人に帰属することが明らかであるから、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、一般的に登記の制度は、権利公示手段としての公の制度であることに鑑み、登記の記載事項には事実上の推定力があると解されるところ、本件土地の不動産登記簿上の所有者は滞納者であり、また、請求人が主張の根拠とする本件土地の時効取得についても、請求人を原告、滞納者を被告とする所有権移転登記手続請求訴訟によって争われていることから、本件土地の所有権が請求人に帰属することが明らかであるとは認められない。したがって、本件差押処分は、違法な処分とは認められず、請求人の主張は採用できない。(平11. 3.23札裁(諸)平10-34)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100065
- 裁決年月日
- 平成11年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納国税について、原処分庁との約束に基づいて納付等を履行しているにもかかわらず、原処分庁がそれを無視して差押処分をしたことは不当である旨主張するが、請求人は、約束を履行したとは認められず、また、将来に向けても計画的に納付する見込みが認められず、差押処分自体にも何ら違法は認められないのであるから、原処分庁が請求人の意思に反して一方的に差押処分を行ったとしてもこれはやむを得ないものというべきであり、これを不当であるとする請求人の主張は採用できない。(平11. 3.11名裁(諸)平10-65)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100045
- 裁決年月日
- 平成10年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押不動産は物納申請した不動産であり、国に収納されるべきものであるのに、その不動産を差押処分したことは不当である旨主張するが、本件物納申請不動産は、国が対象物を管理又は処分するにつき事実上、法律上の障害があると認められ、納税者が物納の許可を受けるための要件を満たすものとは認められず、物納申請不動産を差押財産として選択したことが徴収職員の裁量権行使において適切さを欠いたことになるとは認められない。(平10.12.18名裁(諸)平10-45)、(平10.12.18名裁(諸)平10-46,47)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100020
- 裁決年月日
- 平成10年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・435ページ
要旨
○ 請求人は、B土地は本件滞納国税を大幅に上回る価値がある上、賃借権などの法律上の負担もなく換価も容易であることから、請求人は差押物件として同土地を選択するよう要望していたにもかかわらず、A土地について本件差押処分を行ったことは裁量権の著しい濫用である旨主張する。しかしながら、徴収職員は滞納処分の執行に支障がない限り、その財産につき第三者が有する権利を害さないように努めなければならないと規定されているが、差押財産の選択については徴収職員の合理的な選択に委ねられているところ、A土地は、青空駐車場として利用され抵当権等の土地に関する権利の設定がないのに対して、B土地は請求人を含む他の相続人の固有の土地とともに強固な塀で囲まれ、しかも、同土地上には居住用の建物が存しており、その利用状況及び権利関係を勘案すると、換価に相当な困難性が見込まれることから、換価が容易と考えられるA土地を差押財産に選択した原処分には合理性がある。(平10.10.21大裁 (諸) 平10-20)裁決事例集 №56・435ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100040
- 裁決年月日
- 平成10年10月21日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401070
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/7第三者の権利の尊重
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被差押債権に係る金員は弁護士である請求人が滞納者から破産申立手続を受任するに当たり、その報酬及び費用として預り保管しているものであって、本件差押処分により当該預り金の一切の処分が禁止されれば請求人は弁護士としての職務の遂行ができなくなる等、本件差押処分は請求人の権利や利益を侵害している旨主張するが、請求人の主張する不利益は、請求人と滞納者との間の委任契約の内容に起因するものであって、本件差押処分の法的効果として生ずるものとはいえない。(平10.10.21東裁(諸)平10-40)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090154
- 裁決年月日
- 平成10年4月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401990
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・787ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁の請求人所有の不動産に対する本件差押処分について、(1)本件課税処分に係る国税の納税義務はないこと及び(2)10年以上の間、原処分庁から滞納国税の納付について何ら連絡がなく、国税の徴収権は時効により消滅したことなどを理由に、原処分を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、本件課税処分に重大かつ明白な瑕疵はなく、しかも、これが取り消された事実もないから、本件課税処分の違法を理由として本件課税処分の取消しを求めることはできず、また、請求人の他の財産に対する差押えにより滞納国税の徴収権の時効が中断され、消滅したとは認められないから、請求人の主張には理由がない。(平10. 4.13東裁(諸)平 9-154) 裁決事例集No55・787ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090050
- 裁決年月日
- 平成10年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・1ページ
要旨
○ 請求人は、相続放棄の申述書が家庭裁判所に受理されているから初めから相続人とならず、したがって納付義務を承継していないから、本件差押処分も違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、被相続人の死亡当時の平成7年3月21日、被相続人と住所を同じくしていて、請求人が被相続人の死亡届出を行っており、また、同月31日受付で相続を原因として請求人の法定相続分と異なる持分による所有権移転登記がなされているので、当該受付の前に請求人らの間で遺産分割協議が行われたものと推認されることから、請求人は、遅くとも同月31日までには相続開始の原因たる事実及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知ったということになり、その時点から相続の承認又は放棄を選択できる民法第915条第1項の3か月の期間は起算すべきこととなる。そうすると、請求人が相続の放棄をしたのは平成7年9月22日であるから、上記期間内に相続の放棄をしなかったことに該当し、当該相続放棄は実体的要件を欠き無効となり、請求人は民法第921条の単純承認をしたものとみなされるから、原処分庁が納付義務の承継があったと認定したことは相当である。また、本件差押処分の手続に違法な点はないから、請求人の主張はいずれも採用できない。(平10. 2.19名裁(諸)平 9-50) 裁決事例集No55・1ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090099
- 裁決年月日
- 平成10年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件不動産の所有権は請求人に帰属していたから、その売却代金を原資とする本件預託金債権も請求人に帰属し、請求人の父である滞納者の滞納国税を徴収するため、本件預託金債権に対してされた差押処分は違法である旨主張するが、認定事実によれば、真実は滞納者自身がA社から取得した本件不動産を、宗教法人Bに売却してその代金を取得したにもかかわらず、滞納者の財産に対する差押えを免れるために、請求人が当該代金を取得したかのように仮装したものとみるのが相当である。そうすると、本件不動産の売却代金は滞納者に帰属し、当該売却代金を原資とする本件預託金債権も滞納者に帰属して請求人には帰属しないとみるべきであるから、請求人の主張は採用できない。(平10. 1.19東裁(諸)平 9-99)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090031
- 裁決年月日
- 平成9年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押不動産は物納申請した不動産であり、国に収納されるべきものであるのに、その不動産を差押処分したことは不当である旨主張するが、本件物納申請不動産を差押財産として選択したことは徴収職員の裁量権行使に適切を欠くとまでは認められないから、請求人の主張には理由がない。(平 9.12.17名裁(諸)平 9-31)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090013
- 裁決年月日
- 平成9年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、他の相続人の滞納相続税について、当該相続人の相続財産以外の財産を差し押さえずに、請求人に連帯納付義務があるとの理由により、未分割の相続財産である不動産を職権で持分登記して、既に完納している請求人の持分について差押処分をしたのは、滞納している他の相続人に有利な処分で不当である旨主張するが、他の相続人が所有する相続財産以外の財産は本件差押処分の対象となった不動産に比し換価性に劣ること及び徴収職員が差押えの対象としてどのような財産を選択するかは、徴収職員の裁量にゆだねられていることからすると、本件差押処分の対象となった不動産は差押要件に合致し、裁量権を逸脱しているとは認められず、また、他の相続人の持分についても差押処分がなされていることから、他の相続人に有利な処分とは認められない。したがって、本件差押処分は何ら不当となるものではなく適法であるから、請求人の主張には理由がない。(平 9.12.16熊裁(諸)平 9-13)、(平 9.12.16熊裁(諸)平 9-14)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090016
- 裁決年月日
- 平成9年10月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各定期預金については同人が13歳の時、交通事故に遭い、その時受け取った賠償金(本件賠償金)の一部を本件差押処分が行われる前に、滞納者(請求人の父)から返還を受けて開設したものであるから、請求人の固有の財産である旨主張する。しかしながら、(1)請求人が主張する金額の賠償金が支払われたことを認めるに足りる証拠はないこと、(2)請求人は、本件賠償金から同人名義のマンション購入代金を控除した後の残金50,500,000円(本件金員)をもって、滞納者から請求人に返還される額であるとするが、当該マンションの取得に要した費用、同人の治療・療養、弁護士費用、海外渡航費用及び同人が成年に達した後、原処分が行われるまでの10年以上の生計に伴う費用等をも控除すべきであり、これらの金額は具体的に確定することはできないものの、その総額は相当の金額に及ぶことが推認されること及び(3)本件各定期預金の一部について、いったん請求人の母名義とした後、請求人名義に変更するなど、滞納者が請求人に本件金員を返還する意図をもって、当該各定期預金を開設したか疑問であることなどによれば、本件各定期預金が開設されるまでの間、本件金員が請求人の滞納者に対する債権として存在していたと解することはできず、本件各定期預金は、滞納者が自己の預金とする意思で請求人の名義を使用し、滞納者の妻(請求人の母)を使者として開設した預金であると推認するのが相当である。(平 9.10.14大裁 (諸) 平 9-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090003
- 裁決年月日
- 平成9年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納国税に係る督促状はもちろん、本件相続税の納税に関する一切の通知又は連絡を受けていないから、これらの手続を欠いた上で行われた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件滞納国税に係る督促状は請求人に郵送されていることが認められ、その督促状が返戻された事実は確認できないから、当該督促状は、通常到達すべきであった時に送達があったものと推定され、また、請求人はこの推定を覆す特段の主張、立証をしていないから、当該督促状の送達の効力は生じていると解するのが相当である。なお、督促状を除き、申告額又は滞納税額を納税者に連絡し、又は通知する旨を定めた法令の規定はないから、原処分庁がこれらのことをしなかったとしても、それによって本件差押処分が違法となるものではない。(平 9. 7.25大裁 (諸) 平 9-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090002
- 裁決年月日
- 平成9年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた本件預金について、自分が働いて得た収入を預金したものである旨主張するが、本件預金の一部は、滞納者の普通預金から払い出された金員で積み立てられた定期積金の解約金を原資としており、また、残りの預金についても滞納者の普通預金から払い出されたことがうかがわれることから、本件預金は普通預金の帰属者である滞納者に帰属するものとみるのが相当である。また、請求人は、滞納者と離婚した後の積立金を滞納者に帰属すると認めるのは不合理である旨主張するが、請求人が滞納者と離婚した後も、預金の管理等に特に変わった状況は認められないから、離婚後に積み立てられた定期積金についても滞納者に帰属するものと認めるのが相当である。(平 9. 7. 1関裁(諸)平 9-2)、(平 9. 7. 1関裁(諸)平 9-3〜6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080231
- 裁決年月日
- 平成9年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が10,000円の滞納国税を完納しないため、電話加入権の差押処分をした。これに対し、請求人は、電話加入権に比べ、請求人に生じ得る損失をより少なくさせるよう請求人の預金債権を差し押さえるべきであるから、差押処分は原処分庁の嫌がらせによるもので不当である旨主張する。しかしながら、国税徴収法その他の関係法令には、特に差押えの対象から除外した財産のほか差押財産の種類又は順序について制限を設けた規定はないから、滞納者の財産のうちいかなる財産を差し押さえるかは、徴収職員の合理的な裁量に任されているものと解するのが相当であり、また、差押処分が原処分庁の嫌がらせ等合理的な裁量の範囲を逸脱したものと認めるに足りる証拠はないから、本件差押処分を不当とすることはできない。(平 9. 6.30東裁(諸)平 8-231)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080071
- 裁決年月日
- 平成9年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人には、原処分庁が、請求人の夫であるAの死亡に係る相続税の滞納国税の徴収のために、請求人が実父から相続し登記されている不動産に対して差押処分を行ったことに対し、当該不動産はB家の先祖供養の費用に充てるために代々受け継がれてきた財産であり、請求人にはB家の先祖供養とともに当該不動産を子孫に継承する責任と義務があることから、請求人の名義で登記されているものの、いわば請求人がB家から預かって管理しているにすぎないから、B家の財産として国から保護されるべきであり、したがって差押処分は憲法に違反しており、また、滞納国税を納付できなかったこと及び本件滞納国税の延滞税の額が増加して滞納国税の額が相続に係る相続財産の価額を超えたことについては、請求人に責任がないから差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、当該不動産は請求人の所有に係るものと認められるところ、憲法違反の主張については、当審判所の権限に属さないことで審理の限りではなく、また、相続によって取得した財産以外の財産について差押えができない旨の法律上の規定はないところ、当該不動産を差し押さえた徴収職員の判断は差押財産の選択において合理的と認められることから、請求人の主張は採用できない。(平 9. 5.15名裁(諸)平 8-71)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080062
- 裁決年月日
- 平成9年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成7年10月1日から運送業を開業し、A社に対し滞納会社に替わって請求人が運送を請け負う旨の本件通知書を同年9月末までに交付しているから、本件債権(運送代金の支払請求権)のうち同年10月1日以降の債権は、滞納会社ではなく請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、滞納会社が不渡りを出した後、業務を停止して会社を閉鎖する一方、請求人が運送業を始めて滞納会社に替わって運送を請け負うようになったとはにわかに信じ難いところ、A社の代表取締役Bの申述によれば、当該通知書は差押処分が行われた日の翌日である平成7年10月12日に請求人の父親が持参したものであるから、当該通知書によって、同年9月末日までに滞納会社ではなく請求人が運送を請け負う旨の申入れがなされたと認めることはできず、またこれをA社が承諾したという事実も認めることはできない。したがって、平成7年10月1日以降も、A社との間で運送契約を締結し、運送に当たっていたのは、請求人ではなく滞納会社であると認められる。(平 9. 3.28名裁(諸)平 8-62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080098
- 裁決年月日
- 平成9年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401040
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/4差押財産の選択
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第三者の権利の対象となっている差押財産よりも、過去に差し押さえたが滞納国税の額に比し評価額が過大であるとして解除した旧差押土地を差し押さえるべきである旨主張する。しかしながら、旧差押土地は面積の広い一筆の土地であって、借地権者も多く、その見積額も滞納国税の額を明らかに上回ると見込まれること及び過去において分筆することをしょうようしたが、請求人は、これに応じなかった経緯があるのに対し、当該差押財産は、既に差押処分を行っている土地の上に存する建物であるから、換価が容易である上、その見積額も超過差押の禁止等法令の規定に抵触するとは認められないから、原処分庁が差押財産として当該建物を選択したことには合理性があると認められる。(平 9. 3.25大裁 (諸) 平 8-98)
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