裁決要旨 3差押財産の帰属の認定
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令070001
- 裁決年月日
- 令和7年7月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.140
要旨
○ 原処分庁は、差し押さえた商品(本件商品)の販売代金に係る支払請求権(本件債権)の帰属について、①本件商品は、滞納法人(本件滞納法人)の従業員が本件債権の第三債務者(本件第三債務者)に持参して納品されたものであること、②本件第三債務者は、差押処分時に、本件債権の債権者が本件滞納法人であることを明記した「債務承認書」を提出しており、請求人とは取引をしていないとの認識があること、③本件滞納法人の一切の業務を請求人へ移管する旨(本件業務移管)のお知らせ文書について、本件第三債務者は、請求人が単に本件滞納法人から名称変更しただけであると認識したものであるから、本件第三債務者の取引の相手方が本件滞納法人であることに変わりはなく、本件債権は本件滞納法人に帰属する等主張する。しかしながら、本件第三債務者が使用するシステムは、本件債権の差押えまでには請求人に移管されていたことや、本件商品の販売代金について、請求人は総勘定元帳に計上しているが本件滞納法人の総勘定元帳には計上がないこと等からすると、本件商品の売買契約は、本件第三債務者と請求人との間で成立したと認められる。また、本件第三債務者には、売買契約の相手方について民法第95条≪錯誤≫第1項第1号に規定する錯誤があったものと認められるが、本件第三債務者は、本件滞納法人から本件業務移管の説明を受けた後も同売買契約につき同号に基づく取消しの意思表示をしておらず、納品を受けた本件商品の返品等を行っていない上、原処分庁所属の徴収職員に本件債権の全額を給付したことから、本件第三債務者において民法第125条≪法定追認≫第1号の追認をしたものと認められる。よって、上記売買契約は有効であるため、本件債権は請求人に帰属する。(令7. 7. 3 広裁(諸)令7-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060149
- 裁決年月日
- 令和7年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401033
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/3動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.138
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った国税徴収法第58条《第三者が占有する動産等の差押手続》第2項の規定に基づく動産(本件動産)の引渡命令処分(本件処分)について、本件動産は、請求人が寄託契約に基づき参加人から寄託を受けて保管していることからすると、参加人の所有財産である可能性がある旨主張する。しかしながら、本件動産は、滞納者が取引先から取得したと認められ、その後、滞納者が本件処分までの間に、参加人を含む第三者に所有権を移転したとは認められないから、本件処分時において、本件動産は、本件処分時において滞納者の所有財産であったと認められる。(令7. 3.17 東裁(諸)令6-149)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令060011
- 裁決年月日
- 令和7年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.138
要旨
○ 請求人は、原処分庁による債権(本件債権)の差押処分時には、本件債権が第三者に帰属しているから、当該差押処分(本件差押処分)は無効である旨主張する。しかしながら、審査請求が違法又は不当な処分によって侵害された不服申立人の権利利益の救済を図るものであることからすれば、不服申立人は、自己の権利又は法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由として取消しを求めることができないと解するのが相当である。これを本件についてみると、仮に本件債権が第三者に帰属するという請求人の主張する事実が存在したとしても、本件差押処分によって不利益を受けるのは当該第三者であって請求人ではなく、請求人がかかる事実を違法事由として主張することは、自己の法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由とするものであるから、請求人の主張は審査請求の理由として取消しを求めることができないものである。(令7. 1.24 札裁(諸)令6-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050067
- 裁決年月日
- 令和6年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が各滞納会社(本件各滞納会社)に対して行った各差押処分に係る各預金債権(本件各預金債権)について、取引先が請求人の取引代金を間違えて本件各滞納会社名義の各預金口座(本件各預金口座)へ振り込んでしまったこと及び本件各滞納会社は既に解散した法人で事業活動は行っていないことから、本件各預金債権の全てが間違い振込みによって構成されるとして、本件各預金債権は請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、振込依頼人から受取人の銀行の預金口座に振込みがあったときは、振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在するか否かにかかわらず、受取人と銀行との間に振込金額相当の預金契約が成立し、受取人が銀行に対して当該振込金額相当の預金債権を取得するものと解するのが相当である。そうすると、仮に請求人の主張する取引先による振込先の誤り等があったとしても、振込依頼人から本件各預金口座に振り込まれた以上、受取人である本件各滞納会社と各銀行との間に振込金額相当の普通預金契約又は当座預金契約がそれぞれ成立し、受取人である本件各滞納会社が各銀行に対して当該振込金額相当の預金債権を取得することとなる。(令6. 2.16 東裁(諸)令5-67)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040010
- 裁決年月日
- 令和5年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人が滞納者(本件滞納者)と共同で所有する不動産の滞納者持分(本件持分)の差押処分(本件差押処分)を行ったことに対し、本件差押処分より前に、本件滞納者等を被告として、本件持分の帰属を争う訴訟(本件訴訟)を提起しており、本件訴訟は現在も係属していることから、本件差押処分の時点において、本件持分が本件滞納者に帰属するとはいえず、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、登記はその記載事項につき事実上の推定力を有するから、登記事項は反証のない限り真実であると推定すべきであるところ、本件訴訟が係属中であり、司法機関の最終判断が下されていないとの事情は、事実上の推定を覆す反証とはならず、本件持分は、本件差押処分の時点で、本件滞納者に帰属する財産であったと認められる。(令5. 2.21 名裁(諸)令4-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030064
- 裁決年月日
- 令和4年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が納税者(本件滞納法人)の滞納国税を徴収するためにした、賃貸借契約(本件賃貸借契約)に基づく敷金(本件敷金)の返還請求権(本件敷金返還請求権)に係る差押処分(本件差押処分)について、以前請求人が本件賃貸借契約と同一の不動産に係る賃貸借契約(前賃貸借契約)を締結した際に預託した敷金をそのまま本件敷金としたにすぎず、本件敷金返還請求権が実体的には請求人に帰属することから、違法である旨主張する。しかしながら、敷金に関する法律関係は賃貸借契約に付随従属することから、当該賃貸借契約が契約書によって行われている場合には、当該契約書の名義人が敷金に関する法律関係の当事者として当該賃貸借契約を締結したものと認められ、敷金返還請求権は、契約書の記載にかかわらず当該契約書の名義人以外の者を当事者と認めるに足りる特段の事情がない限り、当該名義人である賃借人に帰属すると解するのが相当である。そして、本件敷金に関する取決めは、本件賃貸借契約において定められており、請求人が前賃貸借契約に基づく敷金として差し入れた金員は、精算されることなく本件敷金として本件滞納法人に承継されていることから、本件賃貸借契約に係る契約書(本件賃貸借契約書)の名義人である本件滞納法人が本件敷金に関する法律関係の当事者として本件賃貸借契約を締結したものと認められる。また、本件賃貸借契約書の記載にかかわらず請求人を本件賃貸借契約の当事者と認めるに足りる特段の事情は認められない。したがって、本件賃貸借契約の当事者であり、それに付随従属する本件敷金に関する法律関係の当事者は、本件滞納法人であり、本件敷金返還請求権は、本件差押処分の時点において、本件滞納法人に帰属していたものと認められることから、本件差押処分は適法である。(令4. 2.18 東裁(諸)令3-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010011
- 裁決年月日
- 令和元年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401033
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/3動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№116
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた動産1の所有権は、商品売買契約(本件商品売買契約)により各差押処分(本件各差押処分)時までに、滞納法人から請求人に移転している旨主張する。しかしながら、①本件商品売買契約書によって本件商品売買契約が本件各差押処分より前に成立しているとは認められないこと、②本件商品売買契約書に滞納法人の代表取締役として記名のある者は、本件商品売買契約時において滞納法人の業務について執行する権限を有していないこと、③本件商品売買契約に基づき滞納法人から請求人に対し本件各差押処分より前に動産1の引渡し(占有改定)が行われていたと認められないこと、以上から、本件商品売買契約により本件各差押処分時までに、動産1の所有権が滞納法人から請求人に移転していたとは認められない。また、請求人は、動産2は、請求人から滞納法人に販売を委託したものであるとも主張するが、この主張を認めるに足りる証拠はないことから、本件各差押処分時における、動産2の所有者は滞納法人であると認められる。(令元. 7. 8 東裁(諸)令元-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290025
- 裁決年月日
- 平成29年10月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401033
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/3動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№109
要旨
○ 原処分庁は、請求人と滞納法人との間で締結された合意書(本件合意書)には、建物(本件建物)の占有移転に係る記載はあるが、本件建物内にある動産(本件動産)の占有移転に係る記載はなく、本件動産に対する差押処分(本件差押処分)時に、本件動産が請求人の所有物であることを第三者が知り得るような明示もされていないから、本件動産に係る占有改定の合意があったとはいえない上、本件建物の賃貸人は滞納法人が本件建物の賃借人であると認識していたことからしても、請求人は本件動産の引渡しを受けていない旨主張する。しかしながら、そもそも動産の引渡しには第三者が知り得るような明示が必要であるとする民法の条文や判例は見当たらないところ、請求人と滞納法人は、関係者への影響を最小限にすべく、事業の承継に必要な本件建物と本件動産を滞納法人から滞りなく請求人に承継させることを企図していたことからすると、請求人と滞納法人が、この企図に反して本件動産のみの占有を移転しないことは考えられず、たとえ、本件合意書にそのことが明示的に記載されていなくとも、本件建物の占有の移転だけでなく、本件建物内に存する本件動産の占有の移転にも合意するとともに、本件動産が現実に引き渡されるまでは本件動産を請求人のために占有することに合意したものと解するべきであり、さらに本件動産の引渡し(占有改定)は、請求人及び滞納法人間でできるものであって、上記認定が賃貸人の認識により左右されるものではないことからしても、請求人は、本件差押処分の前に、占有改定により本件動産の引渡しを受けているといえるから、原処分庁の主張は採用できない。したがって、本件差押処分は、滞納法人に帰属しない財産に対してなされた違法な処分である。(平29.10.18 大裁(諸)平29-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280010
- 裁決年月日
- 平成28年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が有する不動産の共有持分(本件各不動産)の差押処分(本件差押処分)は、当該不動産についての共有物分割を請求する訴訟が係属しており、当該不動産のうちいずれを取得するかが決まっていないから、当該未確定の共有持分について行われた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、遺留分減殺請求事件の判決の確定によって、請求人が本件各不動産を取得し、その後、本件差押処分の効力が生じた日までの間に、請求人が本件各不動産を処分したなどの事情は見当たらないから、本件各不動産は、本件差押処分の時点において、請求人の財産であると認められ、また、共有物について、その分割を請求する訴訟が係属していたとしても、分割がされるまでの間は、それぞれの共有者が共有持分を有していることに変わりはないから、本件各不動産に対する差押処分が違法となることはない。(平28.10. 4 関裁(諸)平28-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平280005
- 裁決年月日
- 平成28年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納者(本件滞納者)を所有名義人とする不動産(本件不動産)を差し押さえ(本件差押処分)、これを前提とする公売公告処分(本件公売公告処分)をしたのに対し、本件不動産は請求人の財産であり、本件差押処分は要件を充足していないから、これを前提とする本件公売公告処分は違法である旨主張する。しかしながら、登記はその記載事項につき事実上の推定力を有するから、登記事項は反証のない限り真実であると推定すべきであるところ、本件滞納者に対する所有権移転登記等がされ、その後本件差押処分までの間に本件不動産の所有権に関する登記はされていないことから、本件差押処分の時点における本件不動産の所有者は本件滞納者であると推定されるところである。この点、請求人は、請求人名義では住宅ローンの融資を受けられなかったために本件不動産の登記上の名義人を本件滞納者としたにすぎない旨を主張するが、請求人が本件不動産の購入資金等を負担した部分があったとしても、本件不動産の帰属に直接関係するものではない。また、本件滞納者との間で請求人が本件不動産の所有権を取得したことを確認したものとする公正証書は、事後的に作成されたものであり、これによって請求人が本件不動産の所有権を取得したともいえない。以上によれば、上記推定に対する反証がされているとはいえず、本件不動産は、本件差押処分の時点で本件滞納者の財産であると認められる。(平28. 9. 1 名裁(諸)平28-5)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平270007
- 裁決年月日
- 平成28年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために差し押さえた株式(本件株式)については、本件株式に係る株券(本件株券)の交付とともに本件滞納者から請求人に譲渡されており、請求人に帰属する本件株式の差押え(本件差押え)は違法である旨主張する。しかしながら、上場会社の株式である本件株式は、平成21年のいわゆる株券電子化の実施によって、その権利の帰属は振替口座簿の記載又は記録により定まるとされ(社債、株式等の振替に関する法律第128条第1項)、本件株券の効力は失われており、本件滞納者名義の特別口座の振替口座簿に記録された本件株式は本件滞納者に帰属するものと認められるから、本件差押えは適法である。(平28. 3.18 金裁(諸)平27-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270030
- 裁決年月日
- 平成27年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401039
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人甲及び請求人乙(請求人ら)は、請求人甲の信用組合(本件信組)に対する出資持分(本件出資持分)は、請求人甲が新設分割により請求人乙を設立した際に、請求人甲から請求人乙に一般承継(本件承継)されているから、原処分庁が本件出資持分を請求人甲に帰属する財産としてした差押処分(本件差押処分)は違法である旨主張する。しかしながら、中小企業等協同組合法(中協法)第17条《持分の譲渡》第1項の趣旨に鑑み、新設分割による組合員持分の承継に係る対抗要件として、組合の承諾を要するものと解したときには、本件承継につき本件信組の承諾がされたものとは認められないから、請求人乙は対抗要件を具備していない。また、中協法第10条の2《組合員名簿の作成、備置き及び閲覧》の趣旨に鑑み、新設分割による組合員持分の承継に係る対抗要件として、組合員名簿に記載・記録することを要するものと解したとしても、組合員名簿上も記載はされていないから、請求人乙は対抗要件を具備していない。したがって、本件出資持分は、請求人甲に帰属する財産であり、本件差押処分は適法である。(平27.12. 4 大裁(諸)平27-30)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平260014
- 裁決年月日
- 平成27年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために行った供託金還付請求権(本件還付請求権)の差押処分(本件差押処分)について、本件還付請求権は、請求人が本件滞納者から債権譲渡を受けたもので請求人に帰属するから、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、財産が滞納者に帰属するか否かの判定について、国税徴収法基本通達第47条関係20《一般の帰属認定》(7)が、債権については、「借用証書、預金通帳、売掛帳その他取引関係帳簿書類等により、滞納者に帰属すること」を参考として行う旨定めているところ、本件差押処分を行った徴収職員が、供託者及び供託官に対する調査に基づき本件還付請求権が本件滞納者に帰属すると認めたことは、同法基本通達47条関係20(7)が定める方法にかなう相当なものであるから、当該帰属認定に誤りはない。(平27. 6.15 広裁(諸)平26-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250127
- 裁決年月日
- 平成26年5月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の従業員である納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために行った本件滞納者名義の不動産(本件不動産)の差押処分(本件差押処分)は、請求人に帰属する財産についてされた違法な処分であるから、本件差押処分を前提として行われた公売公告処分(本件公売公告処分)も本件差押処分の違法性を承継し違法である旨主張する。しかしながら、登記はその記載事項につき事実上の推定力を有しており、登記事項は反証のない限り真実であると推定され、登記原因たる契約(権利関係変動の原因たる事実)についても、反証のない限り真実に行われたものと推定されるところ、本件不動産をその元所有者から売買により承継取得したのは本件滞納者ではなく請求人であり、本件滞納者は名義上の買主にすぎないという請求人の主張は、証拠上、当該反証に足りるものではないから、本件不動産は本件差押処分の時点において登記上の名義人であった本件滞納者に帰属する財産であったと推定される。したがって、本件公売公告処分の前提となる本件差押処分には帰属を誤った違法はない。(平26. 5.27 東裁(諸)平25-127)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250046
- 裁決年月日
- 平成26年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№94
要旨
○請求人らは、原処分庁が、被相続人から請求人らが承継した滞納国税を徴収するため、請求人らが相続によって取得した各不動産の各共有持分を差し押さえた(本件各差押処分)のに対し、当該各不動産の各共有持分は、民法第932条《弁済のための相続財産の換価》ただし書に基づく価額弁済(本件価額弁済)により請求人らのうちの1人が固有財産として取得していることから、本件各差押処分は財産の帰属を誤ってなされた違法又は不当な処分である旨主張する。しかしながら、民法第177条《不動産に関する物権の変動の対抗要件》は、不動産に関する物権の得喪及び変更について、登記をしなければ、第三者に対抗することができない旨規定しており、滞納処分による差押えの関係においても同条の適用があり、価額弁済者も特段の事情がない限り、差押処分をした国に対し、登記なくして不動産を取得したことを対抗することができないものと解するのが相当である。もっとも、本件価額弁済の公示に当たっての登記手続において、価額弁済者以外の共同相続人の持分については、価額弁済者へ持分移転登記手続が可能であるが、価額弁済者の持分については、相続人本人が価額弁済をしたことになり、価額弁済者の固有財産に切り替わったことを公示する手段がないが、価額弁済者以外の共同相続人の持分の移転登記を経由することで、価額弁済者の固有財産へと切り替わったことを第三者からみて推測可能なように公示できる以上、移転登記がされていない本件価額弁済に関し、固有財産として取得したことを対抗できないとしても民法第177条の趣旨に反するとまではいうことはできない。以上のとおりであるから、本件各差押処分が財産の帰属を誤った違法又は不当な処分であるということにはならない。(平26. 2.19 大裁(諸)平25-46)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240058
- 裁決年月日
- 平成25年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の夫に帰属するとして普通預金に係る債権(本件債権)を差し押さえたところ(本件差押処分)、本件債権は請求人に帰属し、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、差押処分の名宛人でない者が審査請求をする場合、差し押さえられた財産がその差押処分の名宛人に帰属することが認められないというだけでは足りず、その請求人において、当該財産が請求人自身に帰属することを立証する必要があるといえ、本件債権が誰に帰属するかの判定に当たっては、預金口座の開設者が誰か、原資の出えん者は誰か、預金口座の名義は誰か、口座を管理しているのは誰かなどの事情を総合的に考慮して決するべきものと解され、また、原資の出えん者の判断は、その預金の設定当時における、名義人及び出えん者たり得る者の収入並びに資産の取得・保有状況等を総合的に勘案するのが合理的である。そうすると、請求人が働いて貯蓄した金員は本件の預金口座とは別の口座に保有されており、他に収入を得ていたと認めるに足る証拠はないことから、請求人が本件の預金の原資の出えん者と認めることはできず、また、本件債権の開設者及び管理状況などを総合的に考慮すると、本件債権は、請求人の夫に帰属するものであって、請求人に帰属するものとは認められない。(平25. 6.11 関裁(諸)平24-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240209
- 裁決年月日
- 平成25年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために行った債権の差押処分(本件差押処分)について、本件差押処分に係る債権(本件債権)は請求人に帰属することから、違法である旨主張する。しかしながら、本件債権に係る第三債務者(本件第三債務者)は、取引の相手方を本件滞納者と認識しており、本件第三債務者と請求人との間に業務契約が成立していたとは認められない。したがって、本件債権は本件滞納者と本件第三債務者との業務契約により生じたものであり、本件債権は滞納者に帰属することから、請求人の主張には理由がない。(平25. 5.10 東裁(諸)平24-209)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240121
- 裁決年月日
- 平成24年12月6日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 原処分庁は、会社分割(新設分割)の対象とされた敷金返還請求権(本件債権)には、賃貸借契約において譲渡禁止の特約が定められている上、第三債務者は本件債権の承継について承諾していないことからすれば、本件債権は滞納法人に帰属する財産である旨主張する。しかしながら、譲渡禁止特約のある指名債権を譲受人が特約の存在を知って譲り受けた場合でも、債務者がその譲渡について承諾を与えたときは、当該債権譲渡は譲渡の時に遡って有効となると解されるところ、滞納法人は、第三債務者に対し本件債権を請求人に承継した旨の通知を行い、第三債務者は原処分庁の行った債権差押え(本件差押処分)より前に、本件債権が滞納法人から請求人に承継されたことについて書面による承諾をしたものと認めるのが相当である。したがって、本件差押処分は本件債権の移転に劣後しているので、本件差押処分は請求人に帰属する財産に対してなされた違法な処分である。(平24.12. 6 東裁(諸)平24-121)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平240002
- 裁決年月日
- 平成24年7月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401039
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、請求人の代物弁済に係る契約書(本件契約書)には証拠能力が乏しく、貸付金の原資のついてもその出所が不明確で、滞納法人に貸し付けたという事実は認められないことから、請求人には第三者名義で登録されていた自動車(本件自動車)の権利取得が認められない旨主張する。しかしながら、民法482条《代物弁済》は、①債権が存在すること、②本来の給付と異なる他の給付をなすこと、③給付が履行(弁済)に代えてなされること、④債権者の承諾があることを成立要件としているところ、請求人は、本件自動車の購入資金として滞納法人に金銭を貸し付け、その貸付金を担保するために、返済ができなかった場合には本件自動車をもって代物弁済を行う旨の予約を本件契約書で行い、以後全く弁済がされなかったことから、請求人と滞納法人との間で代物弁済の予約実行の合意が行われ、その弁済の履行として本件自動車が請求人に引き渡されたと認められることから、その所有権は請求人にあるとみるのが相当である。(平24. 7. 3 熊裁(諸)平24-2)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平240002
- 裁決年月日
- 平成24年7月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401039
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、原処分庁が行った第三者名義で登録されていた自動車(本件自動車)に対する差押処分(本件差押処分)は、その所有権が滞納法人にあるのだから適法である旨主張する。しかしながら、本件自動車は、本件差押処分の前に、請求人が滞納法人に対する貸付金の代物弁済として、滞納法人からその所有権を取得したものである。また、請求人は審査請求中に自己の所有権に基づき本件自動車の登録を行っており、それに対して原処分庁は本件自動車について差押えの登録を行っていないから、請求人は、登録を行うことにより本件自動車の所有権を確定的に取得したことになり、その反面で滞納法人はその所有権を確定的に喪失したことに帰着するので、本件差押処分は違法な処分として取り消されるべきである。(平24. 7. 3 熊裁(諸)平24-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230209
- 裁決年月日
- 平成24年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納法人が請求人に資金の運用を委託し、請求人が請求人名義の外国証券に係る預け残高の償還金及び利金の支払請求権等を自己の財産として購入し、管理しているのであるから、それらは請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、請求人が、本件各差押債権の原資となった本件不動産の本件回収益を自ら管理・運用していたとは認められず、本件滞納法人が本件回収益を隠匿するために、本件各口座への入金及び本件各外国有価証券の購入によって、稼動実体のない請求人名義の財産に仮装しようとしたと認めるのが相当である。そうすると、本件各外国有価証券は請求人名義で購入されているものの、本件滞納法人に帰属するものであり、本件各外国有価証券に係る本件各差押債権も滞納法人に帰属すると認めるのが相当である。(平24. 4.20 東裁(諸)平23-209)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230058
- 裁決年月日
- 平成23年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた請求人が代表取締役を務める法人(本件滞納法人)名義の株主会員制ゴルフ会員権(本件ゴルフ会員権)は、本件滞納法人がその借入金の担保として貸主に提供していたものであり、この担保を解除するため請求人が資金を支払い請求人が購入したものであって、その後も本件滞納法人名義のままとしていただけで、本件ゴルフ会員権は、請求人個人が保管、占有していたから、請求人個人の所有する株主会員制ゴルフ会員権である旨主張する。しかしながら、本件滞納法人は、本件ゴルフ会員権を融資の担保として提供していたところ、貸主は、請求人と本件滞納法人の申出により、請求人と本件滞納法人から連帯保証の保証履行と根質権の解除料の支払がされたことを受けて、請求人の連帯保証を免除し、本件ゴルフ会員権の根質権の解除及び本件ゴルフ会員権の返還をしたにすぎず、請求人が貸主から本件ゴルフ会員権を購入した事実は認められないから、差押えが行われた際に、請求人が本件ゴルフ会員権を保管、占有していたのは、請求人が本件滞納法人の代表取締役として保管し占有していたと認めるのが相当であり、本件ゴルフ会員権は、その差押えが行われた時点において、本件滞納法人に帰属する財産であったと認められる。(平23.11.28 名裁(諸)平23-58)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230046
- 裁決年月日
- 平成23年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が国外の父親から現地で借りた資金を日本国内の請求人名義の普通預金口座(本件口座)に入金し、これを請求人の夫(本件滞納者)に貸し付け、その返済金として本件滞納者が営む事業の売上金が本件口座に入金されていたものであるから、本件口座の払戻請求権は請求人に帰属するものである旨主張する。確かに、本件口座は請求人名義で請求人によって開設されたものであるが、①請求人が父親から借りたとする資金の借用書とされる書類には、借主のサインはあるものの、貸主や公証人としての第三者のサインはなく、作成時期も不明であるから、当該借用書をもって請求人が借り入れた資金であると断定することはできず、また、父親から借り入れたとする時期から本件口座への入金までの期間の大半を日本に滞在していなかった請求人が、日本国内に多額の現金を持ち込み自宅に置いていたとする理由は見いだせず、他に、当該資金が本件滞納者以外のものであることをうかがわせる事実はない以上、当該資金がその入金手続を自ら行った本件滞納者以外の資金であると推認すべき理由はないこと、②それ以外のほとんどの入金の原資は本件滞納者が自ら営む事業の売上金の一部であること、③本件滞納者が、本件口座の預金通帳及びキャッシュカードを所持・管理しており、実際に、本件口座への入出金(預金利息、送金手数料等を除く。)は全て本件滞納者がATM操作により行っていることからすれば、事実上、本件口座は本件滞納者によって思いのまま利用され、請求人はこれを黙認していたと認められ、請求人が本件口座を自己の預金とする意思を有していたとは認めることができないので、本件口座の帰属先は請求人ではなく、本件滞納者であり、充当処分が行われた時点において、本件口座の払戻請求権は本件滞納者に帰属する財産であったというべきである。(平23.11.15 名裁(諸)平23-46)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230007
- 裁決年月日
- 平成23年10月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被差押債権の存在を示す書類は一切なく、請求人が本件滞納法人に対して差し入れたとされる借用書は偽造されたものであることから、実在しない債権に対して差押処分をしたのは不当である旨主張する。しかしながら、差押処分の取消しを求める理由が被差押債権の不存在又は消滅である場合は、当該差押手続の違法又は不当に直接関わるものでないこと、また、被差押債権の存否は国の提起する当該差押債権の取立訴訟等においてこれを主張することができ、被差押債権の全部又は一部が存在しないときは、その部分につき執行が功を奏しないことになるだけであることから、そのような債権につき差押処分がなされても第三債務者は法律上の不利益を被ることはないということができる。そうすると、被差押債権の不存在又は消滅を理由とする主張は自己の法律上の利益に関係のないものを理由とするものであり、審査請求が違法又は不当な処分によって侵害された不服申立人の権利利益の救済を図るものであることからして、かかる理由を審査請求の理由とすることはできない。(平23.10.19 福裁(諸)平23-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230022
- 裁決年月日
- 平成23年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差し押さえられた平成22年9月分の清掃作業等代金の支払請求権は、差押処分がされた当時、請求人に帰属していた旨主張する。しかしながら、当該差押処分がされた当時、第三債務者は、平成22年9月分の清掃作業等の相手方が滞納法人であると認識していたと認められ、同月分の清掃業務は、清掃業務委託契約の継続的契約の一環としてされたとみるのが相当であるから、差し押さえられた同月分の清掃作業等代金の支払請求権は、差押処分がされた当時、滞納法人に帰属していたと認められる。(平23.10.17 名裁(諸)平23-22)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220063
- 裁決年月日
- 平成23年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実弟の滞納国税に係る差押処分(本件差押処分)の対象となった貸付金の返還請求権(本件債権)は、実父の相続によりその2分の1は請求人に帰属する債権であるとして、本件差押処分の一部を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、請求人の実父と債務者との間で締結された金銭消費貸借契約書(本件契約書)は、請求人の実父がその死亡を原因として本件債権を請求人の弟及び妹に譲渡し、債務者がこれを異議なく承諾するという第三者のための契約を締結したもの解するのが相当であること、また、当該債務者は、本件債権の債権者が請求人の弟であるとして、請求人の実父の死亡後請求人の弟に対し本件債権の返済を行っており、原処分庁に対し、債権者を請求人の弟として債務承認書を提出したことからすれば、請求人の弟が本件契約による受益の意思表示をしたことによって、本件債権の返済を受けていることが推認できる。そして、請求人の妹が請求人の実父の死亡後相続放棄したことは、本件契約による受益を望まないという意思を含むものと解され、そうすると、本件債権は請求人の実父の死亡後は請求人の弟に引き継がれ、請求人の弟に全て帰属する財産であることから、本件債権には請求人に帰属する部分があるとは認められない。(平23. 6.27 名裁(諸)平22-63)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220098
- 裁決年月日
- 平成23年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納者の登記名義となっていた本件不動産は、競売における落札資金及び落札後の税金等を請求人が負担し、いつでも所有権移転登記ができる旨の合意があったとして、本件不動産の真の所有者は請求人である旨主張する。しかしながら、本件競売では、本件滞納者が請求人の代理人としてではなく、自己の名前で売却許可決定を受け、買受代金等を納付しているから、落札資金を請求人が提供したとしても、本件不動産の所有権は本件滞納者が取得しており、その後に、合意に基づき所有権を本件滞納者から請求人に移転したと解するのが相当である。原処分庁は、本件不動産の所有者の登記が本件滞納者にあることから本件差押処分を行ったものであり、請求人に所有権があることを知らず、登記の欠缺を主張することに信義に反するような事情も存在しないから、民法第177条《不動産に関する物件の変動の対抗要件》にいう第三者に該当する。そうすると、請求人は、本件不動産の所有権移転登記を具備していないから、原処分庁にその所有権の取得を対抗することができず、本件差押処分は適法である。(平23. 6.21 関裁(諸)平22-98)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220027
- 裁決年月日
- 平成23年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、滞納者が第三債務者に対して債権を有するとして当該各債権(本件各債権)を差し押さえたことに対し、本件各債権は、請求人と滞納者との間の営業譲渡契約により、包括的に請求人に移転しており、このような包括的な移転については民法第467条《指名債権譲渡の対抗要件》の適用がないから、同条第2項が規定する第三者対抗要件を具備しなくても、本件各債権の移転を原処分庁に対抗することができる旨主張する。しかしながら、営業譲渡契約により譲受人に承継されることとなった指名債権について二重譲渡や差押えとの競合が生じることは通常の債権譲渡の場合と同様であることからすれば、営業譲渡契約による指名債権の移転を第三者に対抗するためには、民法第467条が規定する方法により第三者対抗要件を具備する必要があると解されるのであり、本件各債権の移転については、いずれも第三者対抗要件を具備していないから、請求人は、本件各債権の移転を原処分庁に対抗することはできない。(平23. 5.18 広裁(諸)平22-27)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平220008
- 裁決年月日
- 平成23年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401033
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/3動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納法人が使用する貸金庫に保管されていた本件各動産は、いずれも請求人に帰属するから、本件各動産についての差押処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の答述は具体的でなく、また、請求人の夫であり本件滞納法人の代表取締役であるAの答述には矛盾や事実と反する内容が含まれており、当審判所の調査によっても、本件各動産が請求人に帰属すると認められる証拠を見出すことができないことを総合的に判断すれば、本件各動産が請求人に帰属すると認めることはできず、本件差押処分を取り消すことはできない。(平23. 3.31 福裁(諸)平22-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220111
- 裁決年月日
- 平成22年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた各普通預金(本件各普通預金)及び定期預金(本件定期預金)の預金者は請求人である旨主張する。しかしながら、①上記各預金の口座名義人は請求人であるものの、滞納者の依頼を受けた妻が本件各普通預金の口座開設をし、通帳を管理保管していたこと、②滞納者の判断で、本件各普通預金から、滞納者の事業関係資金の入出金を行っていたこと、③本件各普通預金の口座が開設された際の請求人の年齢、及び、請求人が滞納者の扶養親族であり、学生であることに照らし、本件各普通預金に入金された金銭は、請求人がねん出できる金額ではないこと、④滞納者は、請求人名義で14口もの預貯金の口座を開設しており、本件各普通預金は請求人の金銭を管理するために開設されたものとは考え難いことを総合勘案すれば、滞納者は、自己の事業関係資金の入出金のために本件各普通預金の口座開設をしていたものであり、本件各普通預金の払戻請求権は滞納者に帰属すると解するのが相当である。そして、本件定期預金は、滞納者に帰属する本件各普通預金から払い戻した金銭を原資として預け入れたものでから、本件定期預金の出えん者は滞納者である。よって本件定期預金の払戻請求権は滞納者に帰属すると解するのが相当である。(平22.11.19 東裁(諸)平22-111)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210126
- 裁決年月日
- 平成22年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた各債権は、当該差押処分の前に、滞納者から譲渡担保として譲り受け、債権譲渡登記により第三者対抗要件を具備したものとみなされたから、当該各債権は請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、原処分庁が差し押さえた各債権の一部については、原処分庁の取立て、差押えの解除、消滅、不存在により、差押えの効力が消滅したか生じなかったのであるから、請求人は、その部分についての差押えの取消しを求める法律上の利益を有せず、他の債権については、譲渡禁止特約が付されているところ、滞納者と請求人との間で交わされた集合債権譲渡契約書の「譲渡禁止特約の有・無」欄の「有」に丸印が付されていることからすれば、請求人は当該譲渡禁止特約につき悪意の譲受人と認められることから、滞納者から請求人への当該債権の譲渡は無効であり、当該債権が請求人に帰属することを前提に当該債権の差押処分の取消しを求める請求人の主張は、その前提を欠き採用できない。(平22. 6.16 関裁(諸)平21-126)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210033
- 裁決年月日
- 平成22年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 滞納者の子である請求人は、原処分庁が差し押さえた株券に係る株式についての真の権利者は請求人である旨主張し、請求人の祖母が請求人に当該株式に係る株券を引き渡した旨記載されている文書が存在する。ところで、当該原処分庁が差し押さえた株券は、請求人の祖母が、当該株式に係る株券についての除権判決を得るとともに、当該株式を滞納者に譲渡することについて、その発行会社であるC社の取締役会の承認を経た上で再発行された株券が滞納者に交付された後、滞納者が当該再発行株券のすべてを亡失したとして、C社に対してなされた平成20年4月23日付の株券喪失登録の申請に基づき、同社が滞納者に対して発行し、滞納者のために保管していたものであるところ、原処分庁所属の徴収職員が、滞納者がC社に対して有する当該株式に係る株券の再発行請求権を差し押さえた上で、C社が滞納者に対し発行し、滞納者に交付すべきものとして保管していた再発行株券を占有して差し押さえたものである。そうすると、商法(平成17年法律第87号による改正前のもの。)第205条第2項の規定により、上記再発行株券が滞納者に交付された時点で、滞納者が当該再発行株券に係る株式についての権利を有すると推定され、また、会社法第131条第1項の規定により、当該株式についての権利は滞納者に帰属すると推定されることから、この推定を覆す事実が認められない限り、差押処分に当該株式についての権利の帰属を誤った違法があるということはできないこととなる。しかるに、滞納者が当該株式を祖母から譲り受けたこと及びその後における滞納者による株券喪失登録の申請に不自然な点は見当たらず、滞納者が当該株式についての権利が祖母から請求人に移転していることを知りながら、あるいは、重大な過失によってそのことを知らないままに、当該再発行株券の交付を受けたと認めるべき証拠も見当たらない上、請求人が当該株式についての権利を有していたことをうかがわせる証拠もないから、当該株式についての権利が滞納者に帰属するとの推定を覆す事実は認められず、したがって、請求人が当該株式の真の権利者である旨の請求人の主張には理由がない。(平22. 6.10 福裁(諸)平21-33)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210045
- 裁決年月日
- 平成22年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、買主を滞納法人である請求人A名義とする株式売買契約の目的とされた株式の購入代金を請求人B及び同Cが負担するとともに、覚書により、請求人B及び同Cへ株式譲渡の合意がなされたことから、原処分庁が行った株券の差押処分は、滞納法人に帰属しない有価証券を差し押さえたものであり、取り消されるべき旨主張する。しかしながら、請求人B及び同Cは当該株式売買契約の当事者ではなく、売主から当該株券を取得しておらず、また、当該覚書により、滞納法人から請求人B及び同Cへの株式譲渡の合意がなされていたとしても、株式譲渡は、株券の交付を受けなければ第三者に対抗できないところ、滞納法人から請求人B及び同Cに株券の交付がされた事実は認められないから、請求人B及び同Cは当該株券の取得を原処分庁に対抗することはできない。(平22. 5.11 名裁(諸)平21-45)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210045
- 裁決年月日
- 平成22年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、買主を滞納法人である請求人A名義とする株式売買契約の目的とされた株式の購入代金を請求人B及び同Cが負担しているから、当該株式の発行会社に対する未発行株券の交付請求権は、請求人B及び同Cに帰属するとして、原処分庁が行った当該株券の交付請求権の差押処分は、滞納法人に帰属しない債権を差し押さえたものであり、取り消されるべき旨主張する。しかしながら、売買契約に係る意思表示が契約書によって行われた場合には、当該契約書の名義人が当該契約の当事者として契約を締結したと認められるから、契約書の記載にかかわらず、当該契約書の名義人以外の者を当事者と認められるに足りる特段の事情のない限り、当該名義人をもって契約当事者と解するのが相当であるところ、当該株式売買契約の当事者である買主は滞納法人であり、また、売主の認識等からしても、滞納法人以外の者が買主であったと認められる特段の事情は見当たらない。したがって、当該株券の交付請求権はすべて滞納法人に帰属するものである。(平22. 5. 11 名裁(諸)平21-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210077
- 裁決年月日
- 平成21年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 国税通則法第75条に規定する国税に関する法律に基づく処分に不服がある者とは、その処分によって直接自己の権利又は法律上の利益を侵害された者であることを要すると解され、自己の法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由とすることができないと解するのが相当であるところ、本件各差押処分の名あて人は、請求人ではないから、請求人が直接自己の権利又は法律上の利益を侵害されたといえるためには、請求人において、本件各差押債権が請求人に帰属することを立証する必要がある。そして、普通預金債権の帰属者の認定に当たっては、口座開設時における原資の出えん者、口座の開設者、預金口座の名義人、出えん者と開設者及び名義人相互の関係並びに預金通帳、キャッシュカード及び届出印等の保管・管理状況等の諸要素を総合的に勘案した上で判断するのが相当であるところ、各口座の開設者、預金口座の名義人及び預金通帳等の保管・管理状況等の各事実は、いずれも各口座が請求人に帰属することを示すものではなく、各口座開設時における原資の出えん者が請求人であることや、請求人が各口座の名義人に口座開設を依頼したことを認めるに足る証拠もないのであるから、本件各口座が請求人に帰属するとは認められない。(平21.12.14 東裁(諸)平21-77)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200013
- 裁決年月日
- 平成21年3月25日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求によって行政処分の取消しを求めるには、その取消しを求める処分が現に存在していることが必要であるところ、当審判所の調査によれば、本件各差押債権については、原処分庁が国税徴収法第67条《差し押えた債権の取立》の規定に基づいて、第三債務者からその全額を取り立てていることが認められる。そうすると、本件各差押処分は、その取立てにより目的を完了してその効力が消滅しているのであるから、本件各差押処分の全部の取消しを求める審査請求は、既に効力の消滅した処分の取消しを求めるものであり、請求人は、その取消しを求めるにつき法律上の利益を有しないから、本件審査請求は不適法なものである。(平21. 3.25 福裁(諸)平20-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200107
- 裁決年月日
- 平成20年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社に対する差押処分の対象となった敷金は、請求人が第三債務者に支払ったものであるから、滞納会社に帰属するのではなく請求人に帰属すると主張する。しかしながら、敷金契約に係る意思表示が契約書によって行われている場合には、当該契約書の名義人以外の者を当事者と認めるに足りる特段の事情のない限り、当該名義人が契約当事者となると解するのが相当であるところ、これを本件についてみると、契約書の名義人は滞納会社であって、その後に契約当事者が作成した文書でも名義人は滞納会社になっており、賃貸人等が当事者を滞納会社であると認識し、請求人が敷金を負担した証拠もないから、上記特段の事情は認められない。したがって、本件敷金返還請求権に係る契約の当事者は滞納会社であり、本件敷金返還請求権は滞納会社に帰属することになる。(平20.12.17 東裁(諸)平20-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190209
- 裁決年月日
- 平成20年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、滞納会社の滞納国税を徴収するため、工事請負業者に対して労務者を派遣する取引に係る各債権(以下「本件各債権」という。)について差押処分を行ったのに対し、請求人は、本件各債権のうち、滞納会社に所属していた労務者が別途組合を発足させた日後に発生した債権の取引当事者は請求人であるから、同日以後の部分は請求人に帰属する旨主張している。本件各債権のうち、上記組合の発足以前に滞納会社と工事請負業者との間には、継続して取引が存在し、当該取引により発生した債権が本件滞納会社に帰属することについて争いはないところ、請求人の組合員であるという労務者の労働の対価が、組合たる請求人に帰属するという根拠が見当たらない上、同日以降も滞納会社と本件各債権の第三債務者である工事請負業者との上記取引はなお継続していたと認められ、請求人と第三債務者との間には取引が存在しなかったと認めるのが相当であるから、当該各債権は、請求人に帰属しているとはいえず、本件滞納会社に帰属するものと認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 6.18 東裁(諸)平19-209)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190112
- 裁決年月日
- 平成20年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・779ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の夫である納税者(以下「本件滞納者」という。)の滞納国税を徴収するために行った本件滞納者名義の不動産(以下「本件不動産」という。)の差押処分について、請求人が当該不動産の共有持分を有するから、当該不動産の所有権全部が本件滞納者に帰属するとして行った当該差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件不動産の取得に当たり、請求人の協力、寄与が認められたとしても、請求人には、直ちに物権としての共有持分が認められているとは解されず、本件不動産の売買契約書、請求人と滞納者間の離婚訴訟(以下「本件訴訟」という。)における両人の供述及び当審判所に対する請求人の答述からすれば、本件滞納者が本件不動産の所有権全部を売買により取得していたものと認められる。そして、その後本件差押処分前に請求人が本件不動産の共有持分を取得したものとみるべき事実は見当たらず、本件差押処分の後、本件訴訟の判決にあたり請求人が本件不動産の所有権を取得したものというのが相当であって、本件滞納者に帰属するものとして行われた本件差押え処分には違法な点は見当たらないというべきである。(平20. 2.19 東裁(諸)平19-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190075
- 裁決年月日
- 平成19年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った公売公告処分(以下「本件公売公告処分」という。)に対し、本件公売公告の対象となった不動産(以下「本件不動産」という。)は、請求人が滞納者から離婚に伴う財産分与により取得したものであって、本件不動産の所有権は、差押処分(以下「本件差押処分」という。)の時点以前に請求人に移転していたのであるから、滞納者の所有に属するものと認定して行った本件差押処分は違法であり、それを前提にしてされた本件公売公告処分は違法である旨主張する。 しかしながら、本件差押処分の時点において本件不動産が請求人に帰属することを窺わせる特段の事情は見当たらないことから、原処分庁が本件差押処分の時点において、本件不動産の所有権は本件滞納者に帰属すると判断したことは相当であると認められる。そして、滞納者から請求人への所有権移転登記の時期からすれば、仮に請求人が本件不動産を本件差押処分より前に取得していたとしても、所有権移転登記が経由されていなかった以上、請求人は、本件不動産の所有権を有することについて第三者である原処分庁に対抗することはできない。また、本件公売公告処分は国税徴収法第95条の規定に基づいて適法に行われており、本件公売公告処分を違法又は不当とする事由は認められない。(平19.11.29 東裁(諸)平19-75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190072
- 裁決年月日
- 平成19年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、公売処分に係る土地は、差押処分が行われる前の売買契約により当該土地の持分を請求人が取得しているから、当該土地を対象とした公売公告処分は違法である旨主張する。 本件においては、滞納者が請求人に対し、当該土地の持分を売却する旨の売買契約書が土地の差押処分前に作成されていることが認められるが、当該土地の持分の移転について登記がなされたのは、当該土地の差押処分の後であるから、土地差押処分をするに当たり国がいわゆる背信的悪意者に当たるといえるような特段の事情がない限り、民法第177条の規定により、請求人は所有権の移転があったことを国に対抗することができない。 この点につき請求人は、原処分庁は調査の際に売買契約書を入手し、当該土地の差押処分時において、その持分が請求人に移転していることを知っていた旨主張する。 しかしながら、当審判所の調査の結果によっても、当該請求人の主張に係る原処分庁の悪意につき客観的な証拠は見当たらない上、原処分庁が請求人に土地の持分が移転していることを前提として課税処分等を行ったなどの事実も見当たらないから、原処分庁は、本件土地の持分が請求人に移転していたことについて知らなかったか、仮に知っていたとしても所有権移転登記の対抗要件を欠くことを主張することにつき正当な利益を有するとはいえない者に当たるともいえない。 したがって、請求人は、売買契約に基づき当該土地の持分を取得したとしても、当該持分の所有権につき登記なくして差押処分を行った原処分庁に対抗することができないと解するのが相当である。(平19.11.28 東裁(諸)平19-72)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190073
- 裁決年月日
- 平成19年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、公売処分に係る土地は、差押処分が行われる前の売買契約により当該土地の持分を取得したAから請求人が承継取得したものであるから、当該土地を対象とした公売公告処分は違法である旨主張する。 本件においては、滞納者がAに対し、当該土地の持分を売却する旨の売買契約書が土地の差押処分前に作成されていることが認められるが、当該土地の持分の移転について登記がなされたのは、当該土地の差押処分の後であるから、差押処分をするに当たり国がいわゆる背信的悪意者に当たるといえるような特段の事情がない限り、民法第177条の規定により、請求人は所有権移転があったことを国に対抗することができない。 この点につき請求人は、原処分庁は調査の際に売買契約書を入手し、当該土地の差押処分時において、その持分が請求人に移転していることを知っていた旨主張する。 しかしながら、当審判所の調査の結果によっても、当該請求人の主張に係る原処分庁の悪意につき客観的な証拠は見当たらない上、原処分庁がA又は請求人に土地の持分が移転していることを前提として課税処分等を行ったなどの事実も見当たらないから、原処分庁は、本件土地の持分がA又は請求人に移転していたことについて知らなかったか、仮に知っていたとしても所有権移転登記の対抗要件を欠くことを主張することにつき正当な利益を有するとはいえない者に当たるともいえない。 したがって、請求人は、売買契約に基づき当該土地の持分を取得したとしても、当該持分の所有権につき登記なくして差押処分を行った原処分庁に対抗することができないと解するのが相当である。(平19.11.28 東裁(諸)平19-73)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190035
- 裁決年月日
- 平成19年9月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 株券等の保管及び振替に関する法律に基づいて請求人名義で証券会社に預託され、当該証券会社が保管振替機関に預託した株券の共有持分が滞納者に帰属するとして、原処分庁がこれを差し押さえた上、株券の交付請求権を行使して取り立てた株券の差押処分をしたのに対し、請求人は、当該共有持分は取引口座の名義人である自己に帰属する旨主張して、当該株券の差押処分の取消しを求めている。 しかしながら、差押処分の対象となる財産の帰属の認定は、第一次的には占有や登記など財産の種類に応じて外観により判断することになるが、帳簿書類、当事者等の陳述及びその他の資料から認められる客観的な事実関係からみたとき、外観から判断される帰属の形式にかかわらず滞納者にその財産の実質的な管理支配が認められる場合には当該財産は滞納者に帰属すると判断するのが相当である。 そして、本件において株取引に使用された口座は、当初は請求人が自己の取引のために使用していたと認められるが、滞納者に帰属する株券が入庫された以降、当該口座には、滞納者が自己の資金をもって自己のために取引を行っていた株式持分が混在していたことが認められる。 そこで、当該口座の名義にかかわらず、個々の銘柄の株式持分の取引実態をみるに、①株式の売買意思の決定者、②取引に係る書面の管理保管者、③株式購入の原資及び④取引規模と取引形態についての請求人が行っていた従前の取引との著しい相違などからすると、滞納者が主体となって取引を行っていたと認められる株式持分が存することが認められ、当該取引実態に係る株式持分は、滞納者に帰属するものというべきであるから、同株式持分の交付請求権の行使により交付された株券の差押えについての帰属認定に誤りはない。 一方、当該口座に存する株式持分のうち滞納者の管理支配の下に取引が行われていたとまで認定できない株式持分については、財産の帰属認定を誤ったものであるから、当該株式持分の交付請求権の行使により交付された株券の差押えは、財産の帰属認定を誤ったものとして取り消すべきである。(平19. 9.21 東裁(諸)平19-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190036
- 裁決年月日
- 平成19年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 株券等の保管及び振替に関する法律に基づいて請求人名義で証券会社に預託され、当該証券会社が保管振替機関に預託した株券の共有持分が滞納者に帰属するとして、原処分庁がこれを差し押さえた上、株券の交付請求権を行使して取り立てた株券の差押処分をしたのに対し、請求人は、当該共有持分は株式取引口座の名義人である自己に帰属する旨主張して、当該株券の差押処分の取消しを求めている。 しかしながら、差押処分の対象となる財産の帰属の認定は、第一次的には占有や登記など財産の種類に応じて外観により判断することになるが、帳簿書類、当事者等の陳述及びその他の資料から認められる客観的な事実関係からみたとき、外観から判断される帰属の形式にかかわらず滞納者にその財産の実質的な管理支配が認められる場合には当該財産は滞納者に帰属すると判断するのが相当である。 そして、本件において請求人名義の株式取引口座に存する株式持分の取引実態をみると、①滞納者が取引書面の管理保管をして取引を管理し、②滞納者が株式の売買意思を決定し、③滞納者が取引行為を実行又は指図していたことが認められ、また、④株式の現金買付けに係る原資も滞納者に帰属するものと認められるから、株式取引口座におけるすべての取引の主体は、滞納者であったというべきであり、当該口座に存していた株式持分はすべて滞納者に帰属するとの認定は相当であるから、同株式持分の交付請求権の行使により交付された株券の差押えについての帰属認定にも誤りはない。 したがって、本件差押処分は適法である。(平19. 9.21 東裁(諸)平19-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190037
- 裁決年月日
- 平成19年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 株券等の保管及び振替に関する法律に基づいて請求人名義で証券会社に預託され、当該証券会社が保管振替機関に預託した株券の共有持分が滞納者に帰属するとして、原処分庁がこれを差し押さえた上、株券の交付請求権を行使して取り立てた株券の差押処分をしたのに対し、請求人は、当該共有持分は株式取引口座の名義人である自己に帰属する旨主張して、当該株券の差押処分の取消しを求めている。 しかしながら、差押処分の対象となる財産の帰属認定は、第一次的には占有や登記など財産の種類に応じて外観により判断することになるが、帳簿書類、当事者等の陳述及びその他の資料から認められる客観的な事実関係からみたとき、外観から判断される帰属の形式にかかわらず滞納者にその財産の実質的な管理支配が認められる場合には当該財産は滞納者に帰属すると判断するのが相当である。 そして、本件において請求人名義の株式取引口座に存する株式持分の取引実態をみると、①滞納者が取引書面を管理保管して取引を管理し、②滞納者が株式の売買意思を決定し、③滞納者が取引行為を実行していたことが認められ、また、④入庫された株券又は株式の現金買付けに係る原資も滞納者に帰属するものと認められるから、株式取引口座におけるすべての取引の主体は、滞納者であったというべきであり、当該口座に存していた株式持分はすべて滞納者に帰属するとの認定は相当であるから、同株式持分の交付請求権の行使により交付された株券の差押えについて帰属認定にも誤りはない。 したがって、本件差押処分は適法である。(平19. 9.21 東裁(諸)平19-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180216
- 裁決年月日
- 平成19年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・565ページ
要旨
○ 請求人は、債権の差押処分について、当該差押債権の第三債務者が、各債権について二重弁済を請求されるリスクを負い、当該第三債務者にはその回避手段が存しない第三債務者に手続的保障が与えられていないことを理由に差押処分が違法である旨主張する。 しかしながら、差押処分を違法とする理由が自己の法律上の利益に関係のない違法を理由とするものである場合は、審査請求が違法又は不当に処分によって侵害された不服申立人の権利利益の救済を図るものであることから、かかる違法理由を審査請求の理由とすることはできないと解すべきであり、請求人の当該主張は、請求人の法律上の利益には関係のない違法理由にほかならない。 したがって、当該主張は、審査請求の理由とすることができないものであるから、当該違法理由をもって主張することはできない。(平19. 3.30 東裁(諸)平18-216)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180216
- 裁決年月日
- 平成19年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・565ページ
要旨
○ 滞納会社が行っていた警備業務を引き継いだ請求人が、取引先との間で警備委託契約を締結して行った警備業務に係る債権につき、原処分庁が、請求人は滞納会社と実質的に同一であるとみて請求人の主体性を否認し滞納会社に帰属するものとして差押処分をしたところ、請求人は、自社が当該契約の主体たる当事者であり、当該債権の帰属主体であると主張する。 しかしながら、請求人に①会社の背後にある者が会社を自己の意のままに道具として用いる支配的地位にあり、②債権者に対する債務の支払を免れるために新会社を設立する等、会社の背後にある者が、違法又は不当な目的の下に、会社形態を利用している事実が認められる場合においては、請求人は、債権者である原処分庁に対して、滞納会社とは別人格であることを信義則上、主張できないものと解するのが相当である。 そして、①滞納会社と請求人とは、あたかも別々に事業を展開しているような体裁は整えられてはいるものの、滞納会社の代表者の支配の下、滞納会社から請求人への業務の移行の前後を通じ、実質的には一体の会社が警備業務を行っていたと認められ、②滞納会社は、請求人に警備業務を移行させた時点で、既に健全な事業活動が行われる状況下になかったため、請求人を利用し、原処分庁の滞納処分を免れる意図をもって、請求人に警備業務の名義を移行をしたと認められる。 そうすると、滞納会社から請求人への警備業務の取引名義の移行は、滞納会社が、滞納国税を免れる目的で、滞納会社の代表者による同一の支配体制下にある請求人をもって、恣意的にその法人格を利用して行ったものであり、法人格を濫用しているものと認められるから、請求人は、原処分庁に対し、信義則上、請求人が滞納会社とは別異の法人格であり、債権の帰属主体であることを主張することは許されないというべきである。(平19. 3.30 東裁(諸)平18-216)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180045
- 裁決年月日
- 平成19年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分の目的となっている不動産は滞納者の所有ではなく、自己が所有するものであることを主張する。しかしながら、原処分時における本件不動産の登記簿上の名義人は滞納者であるから、徴収職員が本件不動産が滞納者の財産であると認定したことに誤りはない。(平19. 2.13 関裁(諸)平18-45)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180001
- 裁決年月日
- 平成18年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401035
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/5有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、原処分庁が差し押さえた普通株式に係る預託株券についての共有持分(以下「本件預託株券」という。)は滞納者から贈与された資金を滞納者に投資を委託した結果得たものであり、本件預託株券は請求人に帰属する財産である旨主張する。 しかしながら、証券会社の請求人名義の顧客口座(以下「本件口座」という。)は滞納者が開設したものであり、本件口座を通じての株式売買の注文も滞納者により頻繁に行われ、その取引形態に変化はみられず、本件口座に入金された現金の受渡しは滞納者の事務所で滞納者自身により行われ、請求人は本件口座が開設された当時13歳で、留学中であり、更に証券会社を訪れたのはただ一度というのである。また、滞納者は、本件口座の残額に係る返還請求権の差押処分についての先行した審査請求(以下「先行審査請求」という。)において、贈与に関する主張を一切しておらず、また、請求人は、先行審査請求が棄却されたにもかかわらず取消訴訟を提起しておらず、更に、投資業務を委託された滞納者は、本件預託株券の差押処分から1年近くの期間、請求人に差押処分があったことを知らせていない。これらの行動は、請求人の主張を前提とすると不自然なものであるが、本件預託株券は滞納者の資金により取得された滞納者の財産であるとの前提で考えると容易に了解できるものである。 したがって、請求人の主張には理由がなく、本件預託株券は滞納者に帰属する。(平18. 7. 3 名裁(諸)平18-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170062
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、差し押さえられた本件土地は、土地改良事業地区内に所在し、本件差押処分時点では、同事業の工事中(換地処分前)であるから、本件土地の所有権は白紙の状態にあり、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、土地改良法第53条の5《一時利用地の指定》第4項及び第5項によれば、仮換地の指定があって初めて、従前の土地の使用収益権が停止される旨規定されており、その反対解釈からすれば、土地改良事業が施行されたとしても、仮換地の指定が行われる前は、土地改良地区内の土地の権利につき、何ら変動は生じないものと解される。そうすると、本件差押処分が換地処分前に行われている本件についてみると、仮換地の指定がなければ本件土地の権利に何ら変動はなく、また、仮換地の指定が行われていたとしても、その場合には本件土地の使用収益権が制限されるにとどまり、本件各土地の所有権の帰属そのものには変動はないことから、いずれにせよ、本件差押処分時点において、本件各土地は、請求人に帰属していたと認められる。(平18. 6.20 関裁(諸)平17-62)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170010
- 裁決年月日
- 平成17年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差し押さえられた証券会社の請求人名義口座(以下「本件口座」という。)の残高(以下「預り金」という。)の返還請求権は、その取引名義によって明らかなように、請求人に帰属するものであり、滞納者の財産ではないとして違法な差押え処分であると主張する。しかしながら、差押えの対象となる財産が滞納者に帰属するか否かについては、名義等の形式のみで判断するのではなく、譲渡証書、当事者の陳述等その他の資料により認められる事実関係を総合して、実質的に判断するのが相当であるところ、滞納者が、本件口座を開設し、本件口座を通じ、株式売買の注文及び資金の管理を行っていること、請求人は平成10年から留学中の身であったことなどを総合すると、本件口座は滞納者のものであり、当該預り金の返還請求権も滞納者に帰属すると認めるのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平17.8.30名裁(諸)平17-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150103
- 裁決年月日
- 平成16年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地建物については、滞納者である請求人の持分として法定相続分の3分の1が所有権登記されていることから、原処分庁が本件差押処分を行ったものであり、原処分庁が本件土地建物の不動産登記簿から登記名義人が滞納者であることに基づいて本件土地建物に差押処分を行ったことは適法である。なお、本件土地建物の所有権の帰属について関係当事者間で訴訟を継続しているからといって、本件差押処分の適否に影響を与えるものではない。(平16.6.30大裁(諸)平15-103)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130085
- 裁決年月日
- 平成14年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・728ページ
要旨
○ 請求人は、滞納法人はAに対し有していた売掛債権をBに譲渡しており、Aが本件預金口座へ振り込んだ金額のうち、1200000円はBに帰属するものでありから、第三者の債権まで差し押さえた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件預金口座が滞納法人に帰属するものであると認められるところ、Bに対する債権譲渡の効力はともかく、Aは滞納法人に対する売掛金債務の履行として本件預金口座へ振り込んだものであり、形式的な手違いによる誤振込みであるような場合には当たらないというべきであるから、Aが本件預金口座へ振り込んだ金額の全額が滞納法人に帰属することとなると解される。したがって、請求人とBとの間でなされた1200000円を支払う旨の合意も、Bが当該振込金自体に権利を有することを意味するものではなく、Bが滞納法人に対して1200000円の一般債権を有していることを意味するにすぎないというべきであるから、請求人の主張には理由がない。(平14. 5.31関裁(諸)平13-85)裁決事例集NO63・728ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130085
- 裁決年月日
- 平成14年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・728ページ
要旨
○ 請求人は、本件預金債権は同人に帰属するものであり、これを滞納法人に帰属するものとしてなされた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、預金債権の帰属の認定に当たっては、特段の事情がない限り、出捐者、すなわち、預金に係る資産を現実に拠出した者に預金債権が帰属すると解されるところ、(1)本件預金口座は、請求人が、本件任意整理の業務を遂行するための資金を管理するために開設したものであること、(2)本件預金口座の入出金は、滞納法人の売掛債権の回収又は債務の弁済という専ら滞納法人関連のものであること、(3)請求人が、本件預金口座に係る通帳及び届出印の保管、入出金等の管理を行っていたのは、同人にとってこれらの行為が本件任意整理の業務を遂行する上で必要であったからにほかならないこと、(4)本件預金口座の名義人は、社会通念上滞納法人であると解されるところ、請求人であると解する特段の事情が存すると認められないこと等を併せ考えると、本件預金口座の預金者は、その出捐者である滞納法人であるというべきであり、したがって、本件預金債権は滞納法人に帰属すると認めるのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。(平14. 5.31関裁(諸)平13-85)裁決事例集NO63・728ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130019
- 裁決年月日
- 平成13年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)請求人名義の普通貯金口座は、請求人の前代表者が自らの意思で開設したものであること、(2)当該口座の通帳と印鑑は請求人と請求人の納税保証人であるA社の共同事務所に保管されており、請求人の前代表者がいつでも持ち出せる状態であったこと、(3)当該口座への入金の大部分は請求人がA社から借入れたものであることから、当該普通貯金は請求人に帰属するものであり、原処分庁が当該口座に係る払戻請求権はA社に帰属するとして行った本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、(1)当該口座は、A社の代表者が差押えを回避するために請求人の前代表者に指示して開設した口座であること、(2)当該口座の通帳と印鑑は、A社の代表者が保管、管理していたと認められること、(3)請求人が、当該口座へ入金した金員をA社から借入れた事実は認められないことから、当該口座の預金者はA社というべきであり、本件払戻請求権はA社に帰属するものと認められる。したがって、原処分庁が行った本件差押処分は適法である。(平13.10.29名裁(諸)平13-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130010
- 裁決年月日
- 平成13年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした滞納者の亡父所有名義の土地について各相続人に代位して共同相続登記を経由した上で滞納者の所有持分を差し押さえた処分について、本件土地は遺産分割協議により請求人が取得したものであり、原処分庁は処分当時このことを知っていたから民法第177条の第三者に当たらないことを理由にその取消しを求めているが、亡父名義のままであった土地について法定相続分に従って持分の移転登記をした上で滞納者の持分を差し押さえた手続は適法であり、請求人は遺産分割による土地の取得を登記なくしては第三者に対抗できないところ、原処分庁は処分当時請求人の単独所有であるという事実を知り得る状況になかったので民法第177条の第三者に当たらないというべき特段の事情は存在しないから、本件差押処分は適法である。(平13. 9.11大裁(諸)平13-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120024ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成12年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・612ページ
要旨
○ 請求人は、本件養老生命共済契約は請求人が息子である滞納者の名義を借りて契約したもので共済掛金も請求人が支払っていることから、被差押債権(滞納者が契約した養老生命共済に係る満期共済金の支払請求権及び解約返戻金の支払請求権)は請求人に帰属するものであり、本件差押処分は財産の帰属を誤った違法があり取り消すべき旨主張する。しかしながら、共済金約款によればいずれも滞納者に帰属するものと認められるのであり、仮りに請求人主張のものであったとしても、請求人には虚偽の外形を自己の意思で作出したことが認められることから、民法第94条第2項の類推適用により、請求人は本件債権が請求人に帰属することをもって善意の第三者である原処分庁に対抗することはできない。したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平12.11.27名裁(諸)平12−24)裁決事例集NO60・612ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120020
- 裁決年月日
- 平成12年10月31日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押債権(預金)は請求人に帰属するものではない旨主張して本件差押処分の取消しを求めている。また、本件差押処分により、預金名義人から弁護料の支払請求を再度受けることとなるため、自己の権利又は法律上の利益が侵害されている旨主張している。しかしながら、請求人は、直接自己の権利又は法律上の利益を侵害された者に当たらないことから、本件差押処分の取消しを求める法律上の利益を有するとはいえず、また、差押債権が取立て完了により既に消滅していることから、本件審査請求は、請求の利益を欠く不適法なもである。(平12.10.31東裁(諸)平12−20)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110067
- 裁決年月日
- 平成12年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産(農地)の取得に当たって、請求人(真実の取得者)の意思に基づき、請求人の登記を経由せず、滞納者に虚偽の登記移転をしたことについては、民法第94条第1項の通謀虚偽表示が類推される。そして、虚偽の滞納者名義とされた本件土地については登記簿上請求人の名称は表れていないこと、また、請求人の確定申告書の添付書類にも、本件土地を請求人の所有とする記載もないことから、このような虚偽の滞納者名義とされた本件土地について差押処分をした徴収職員は、民法第94条第2項の善意の第三者に当たる。したがって、差押処分は適法である。(平12. 6.28高裁(諸)平11-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110131
- 裁決年月日
- 平成12年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・450ページ
要旨
○ 請求人は、同人名義の本件定期預金口座に係る払戻請求権は請求人に帰属しており、これが滞納会社に帰属するものとしてなされた本件差押処分は違法である旨主張する。本件定期預金口座は、滞納会社から請求人名義の普通預金口座(以下「本件普通預金口座」という。)に振り込まれた金員(以下「本件金員」という。)により開設されたものであることから、まず、本件普通預金口座の預金者について検討すると、①請求人は、本件金員は請求人が滞納会社から支給を受けた役員報酬である旨主張するが、請求人が滞納会社に対し役員としての役務を提供した事実は認められず、本件金員が役員報酬であるとは認められないから、本件普通預金口座は、滞納会社の出捐によって開設されたものというべきであり、また、②本件普通預金口座の開設手続等は、滞納会社の実質的経営者の指示でその社員が行っていたこと及び本件普通預金口座の届出印は滞納会社において管理保管していたことが認められることから、本件普通預金口座は、滞納会社が自らの預金とする意思で開設したものというべきであり、したがって、本件普通預金口座の預金者は、請求人ではなく滞納会社というべきである。次に、本件定期預金口座の預金者について検討すると、本件定期預金口座の届出印には請求人の印章が用いられており、このことのみからは、本件定期預金口座は請求人が自らの預金とする意思で開設したとみる余地もある。しかしながら、その原資となった本件普通預金口座の預金者は元々請求人ではないし、本件定期預金口座の開設に当たり、滞納会社が請求人に対し本件普通預金口座に係る払戻請求権を譲渡した事実も、請求人が、本件普通預金口座から払戻を受けた金員を自己のものとした上、自らの預金とする意思で本件定期預金口座に入金したなどの特段の事情も認められないことから、本件定期預金口座の預金者は、やはり滞納会社というべきである。したがって、本件払戻請求権は、請求人ではなく、滞納会社に帰属するものであり、請求人の主張には理由がない。(平12. 4.11東裁(諸)平11-131)裁決事例集 №59・450ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110132
- 裁決年月日
- 平成12年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人名義の本件定期預金口座に係る払戻請求権は請求人に帰属しており、これが滞納会社に帰属するものとしてなされた本件差押処分は違法である旨主張する。そこで検討すると、本件定期預金口座は、滞納会社から請求人名義の普通預金口座(以下「本件普通預金口座」という。)に振り込まれた金員(以下「本件金員」という。)により開設されたものであることが認められ、請求人は、本件金員は請求人が滞納会社から支給を受けた役員報酬である旨主張するが、請求人が滞納会社に対し役員としての役務を提供した事実は認められず、本件金員が役員報酬であるとは認められないから、本件普通預金口座及び本件定期預金口座は、いずれも請求人の出捐によるものではなく、滞納会社の出損によって開設されたものというべきである。そして、本件普通預金口座及び本件定期預金口座の開設手続等は、滞納会社の実質的経営者の指示でその社員が行っていたこと、及び当該各預金口座の届出印は滞納会社において管理保管していたことが認められることから、本件普通預金口座及び本件定期預金口座は、いずれも滞納会社が自らの預金とする意思で開設したものというべきであり、本件普通預金口座及び本件定期預金口座の預金者は、請求人ではなく滞納会社というべきである。したがって、本件払戻請求権は、請求人ではなく、滞納会社に帰属するものというべきであり、請求人の主張には理由がない。(平12. 4.11東裁(諸)平11-132)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110015
- 裁決年月日
- 平成12年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件預金は、請求人が滞納法人から依頼された本件任意整理を行うため、弁護士としての職印を用いて請求人名義で開設したもので、本件預金の通帳及び印章を請求人が管理し、請求人が本件預金の入出金を管理支配していることから、本件預金の出損者は請求人であり、請求人に帰属するものである旨主張する。しかしながら、預金の帰属の判断に当たっては、出捐者が誰であるかにより判断するべきであるところ、①本件預金の原資は、滞納法人の財産及び債権を現金化したものであること、②請求人が委任事務を処理するに当たり受け取った金銭の所有権は、委任者である滞納法人に帰属するものと解されること及び③本件預金は、請求人が本件整理資金を管理する目的で滞納法人のために預け入れたものではなく、本件任意整理のため資金を滞納法人の代理人として預け入れたものであり、それらの行為は滞納法人との委任契約における委任の範囲内の行為であると認めるのが相当である。したがって、本件預金の出捐者は滞納法人であると認められ、本件預金が請求人に帰属する旨の主張には理由がない。(平12. 2.23熊裁(諸)平11-15)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平110009
- 裁決年月日
- 平成11年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401039
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納会社の財産として差し押さえた預託金制ゴルフ会員権(以下「本件会員権」という。)は、その名義人である滞納会社の代表者(以下「代表者」という。)に帰属するものであり、本件会員権の差押えは第三者(代表者)の権利を差し押さえたものであるから違法である旨主張する。しかしながら、預託金制ゴルフ会員権は債権的法律関係を包含するので、名義人以外に実質上の権利者がいる場合には、当該権利者に帰属する財産と認定して滞納処分を行い得ることは、もとより許されるべきである。本件会員権の名義は代表者であることが認められるが、滞納会社は、本件会員権を貸借対照表に資産として計上し、さらに取得に要した資金を事業資金から支出しているので、本件会員権を滞納会社の資産として認識し経理処理を行っていたと認められる。また、名義人である代表者の答述等によっても、本件会員権が名義人に帰属しているとは認められないばかりか、代表者の立場から滞納会社の資産と認識していたことが認められる。したがって、本件会員権は、滞納会社がその取得資金を支出して、代表者の名義を利用して取得したものであり、滞納会社に帰属するものと認めるのが相当である。なお、当審判所の調査したところによれば、本件差押処分前に本件会員権が他に譲渡されたとする事実は認められず、本件会員権に係る借入金の返済が滞納会社の普通預金口座から行われていたことから、本件差押処分時においても本件会員権は、滞納会社に帰属していたと推認できる。以上のとおり、本件会員権は、滞納会社に帰属する財産と認めるのが相当であるから、本件差押処分は第三者の権利に対する差押えには当たらず、原処分庁が本件差押処分をしたことに違法な点は認められないので、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平11.12.13札裁(諸)平11-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110031
- 裁決年月日
- 平成11年11月9日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件債権が請求人に帰属しないことを理由として、本件債権に対する差押処分の取消しを求めているのであるが、請求人に帰属しない債権につき差押処分がなされたとしても、これにより権利又は法律上の利益が侵害されるのは当該債権の真正な権利者とされる第三者であり、請求人自身が本件差押処分により権利又は法律上の利益の侵害を受けるわけではない。したがって、本件債権の帰属に争いがあるというだけで、請求人が本件差押処分の取消しを求めることに法律上の利益を有することにはならず、他に請求人が当該法律上の利益を有するとすべき事情も認められないのであるから、本件審査請求は不適法である。(平11.11. 9東裁(諸)平11-31)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100027
- 裁決年月日
- 平成11年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①滞納者が建物等を請求人に譲渡した際に建物の敷地の一部として、本件土地も譲渡した旨証明していること、②本件土地は法律で定められた公道に通ずる最小限の4メートル幅の敷地(道路)であり、建物を建設するために絶対に必要な敷地であるため、建物の敷地の一部として建築確認通知書及び一般建売住宅適格認定書に記載されていることから、本件土地が請求人の所有であることは明らかであり、本件差押処分は、違法な処分である旨主張するが、①請求人が建物等を取得した際の契約書には本件土地は記載されていないこと、②平成10年度までに滞納者に本件土地の固定資産税等が課税されていたこと、③滞納者が建売住宅を販売する際には、通常、共同使用の道路部分についても建売住宅購入者に当該建売住宅と併せて譲渡し、所有権の移転登記を行っていること及び④滞納者が建物等を譲渡した際に建物の敷地の一部として本件土地を譲渡した旨証明したのは、本件差押処分後のことであるから、本件差押処分時に請求人が本件土地の所有権を取得していたと認定することはできない。(平11. 6. 3福裁(諸)平10-27)、(平11. 6. 3福裁(諸)平10-28)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平100034
- 裁決年月日
- 平成11年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401031
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/1不動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が滞納者の滞納国税の徴収のために差し押さえた本件土地の所有権について、本件土地は時効取得を原因として、滞納者から請求人へ移転しており、本件土地の所有権は請求人に帰属することが明らかであるから、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、一般的に登記の制度は、権利公示手段としての公の制度であることに鑑み、登記の記載事項には事実上の推定力があると解されるところ、本件土地の不動産登記簿上の所有者は滞納者であり、また、請求人が主張の根拠とする本件土地の時効取得についても、請求人を原告、滞納者を被告とする所有権移転登記手続請求訴訟によって争われていることから、本件土地の所有権が請求人に帰属することが明らかであるとは認められない。したがって、本件差押処分は、違法な処分とは認められず、請求人の主張は採用できない。(平11. 3.23札裁(諸)平10-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090099
- 裁決年月日
- 平成10年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件不動産の所有権は請求人に帰属していたから、その売却代金を原資とする本件預託金債権も請求人に帰属し、請求人の父である滞納者の滞納国税を徴収するため、本件預託金債権に対してされた差押処分は違法である旨主張するが、認定事実によれば、真実は滞納者自身がA社から取得した本件不動産を、宗教法人Bに売却してその代金を取得したにもかかわらず、滞納者の財産に対する差押えを免れるために、請求人が当該代金を取得したかのように仮装したものとみるのが相当である。そうすると、本件不動産の売却代金は滞納者に帰属し、当該売却代金を原資とする本件預託金債権も滞納者に帰属して請求人には帰属しないとみるべきであるから、請求人の主張は採用できない。(平10. 1.19東裁(諸)平 9-99)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090016
- 裁決年月日
- 平成9年10月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各定期預金については同人が13歳の時、交通事故に遭い、その時受け取った賠償金(本件賠償金)の一部を本件差押処分が行われる前に、滞納者(請求人の父)から返還を受けて開設したものであるから、請求人の固有の財産である旨主張する。しかしながら、(1)請求人が主張する金額の賠償金が支払われたことを認めるに足りる証拠はないこと、(2)請求人は、本件賠償金から同人名義のマンション購入代金を控除した後の残金50,500,000円(本件金員)をもって、滞納者から請求人に返還される額であるとするが、当該マンションの取得に要した費用、同人の治療・療養、弁護士費用、海外渡航費用及び同人が成年に達した後、原処分が行われるまでの10年以上の生計に伴う費用等をも控除すべきであり、これらの金額は具体的に確定することはできないものの、その総額は相当の金額に及ぶことが推認されること及び(3)本件各定期預金の一部について、いったん請求人の母名義とした後、請求人名義に変更するなど、滞納者が請求人に本件金員を返還する意図をもって、当該各定期預金を開設したか疑問であることなどによれば、本件各定期預金が開設されるまでの間、本件金員が請求人の滞納者に対する債権として存在していたと解することはできず、本件各定期預金は、滞納者が自己の預金とする意思で請求人の名義を使用し、滞納者の妻(請求人の母)を使者として開設した預金であると推認するのが相当である。(平 9.10.14大裁 (諸) 平 9-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090002
- 裁決年月日
- 平成9年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401036
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/6預金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた本件預金について、自分が働いて得た収入を預金したものである旨主張するが、本件預金の一部は、滞納者の普通預金から払い出された金員で積み立てられた定期積金の解約金を原資としており、また、残りの預金についても滞納者の普通預金から払い出されたことがうかがわれることから、本件預金は普通預金の帰属者である滞納者に帰属するものとみるのが相当である。また、請求人は、滞納者と離婚した後の積立金を滞納者に帰属すると認めるのは不合理である旨主張するが、請求人が滞納者と離婚した後も、預金の管理等に特に変わった状況は認められないから、離婚後に積み立てられた定期積金についても滞納者に帰属するものと認めるのが相当である。(平 9. 7. 1関裁(諸)平 9-2)、(平 9. 7. 1関裁(諸)平 9-3〜6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080062
- 裁決年月日
- 平成9年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401037
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/3差押財産の帰属の認定/7債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成7年10月1日から運送業を開業し、A社に対し滞納会社に替わって請求人が運送を請け負う旨の本件通知書を同年9月末までに交付しているから、本件債権(運送代金の支払請求権)のうち同年10月1日以降の債権は、滞納会社ではなく請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、滞納会社が不渡りを出した後、業務を停止して会社を閉鎖する一方、請求人が運送業を始めて滞納会社に替わって運送を請け負うようになったとはにわかに信じ難いところ、A社の代表取締役Bの申述によれば、当該通知書は差押処分が行われた日の翌日である平成7年10月12日に請求人の父親が持参したものであるから、当該通知書によって、同年9月末日までに滞納会社ではなく請求人が運送を請け負う旨の申入れがなされたと認めることはできず、またこれをA社が承諾したという事実も認めることはできない。したがって、平成7年10月1日以降も、A社との間で運送契約を締結し、運送に当たっていたのは、請求人ではなく滞納会社であると認められる。(平 9. 3.28名裁(諸)平 8-62)
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