裁決要旨 6低額譲渡と認めた事例
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060267
- 裁決年月日
- 令和7年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、滞納法人(本件滞納法人)が第三者割当増資により取得した株式(本件株式)の当該取得時における評価額が、本件滞納法人が本件株式を取得するために請求人に払い込んだ出資額(本件出資額)と比べ著しく低額であることから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する、滞納者がその財産につき行った政令で定める無償又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く。)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分に該当するとして、請求人に対し第二次納税義務の納付告知処分(本件納付告知処分)をした。これに対し、請求人は、本件株式の発行価額は会社法等の規定に基づき決定した適正な価額であって、税法に第三者割当増資の発行価額に関する規定がないにもかかわらず、原処分庁が著しく低額である旨認定して行った本件納付告知処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件滞納法人が本件出資額の対価として取得した本件株式は取引相場のない株式であり、その評価に当たっては評価の対象となる法人の規模、財務状況、将来の収益獲得能力等を総合的に判断して合理的と判断される評価方法を適用することが相当である。そして、本件株式の評価に当たっては、原処分庁が採用した評価方法は合理性があると認められ、他に合理的な評価方法があるなどの特別な事情は認められず、その一方で本件株式の発行価額が適正であると認めるに足りる証拠はない。したがって、本件滞納法人が取得した本件株式の評価額は、本件出資額に比べ著しく低い額の対価と認めるのが相当である。(令7. 6.23 東裁(諸)令6-267)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050052
- 裁決年月日
- 令和5年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.133
要旨
○ 請求人は、滞納会社(本件滞納会社)が請求人へ支給した役員退職慰労金(本件支給)の金額は、不相当に高額であるとはいえないから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、役員退職給与の不相当に高額な部分が、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するか否かの判断においては、平均功績倍率法によって求めた相当とされる役員退職給与の金額と実際に支給された役員退職給与の金額の乖離の程度に加えて、当該役員の職務又は功労の内容、程度、勤務年数のほか当該役員退職給与が支給されるに至った具体的事情等を考慮し、その役員退職給与の支給が無償譲渡等の処分に該当するか否かを判断するのが相当であるところ、本件支給の金額は、平均功績倍率法により求められる請求人の役員退職慰労金として相当と認められる金額の7倍を超えており、その乖離の程度が大きく、また、本件滞納会社における請求人の主な業務は社員教育であり、経営を担っていたとはいえない。加えて、本件支給の経緯や請求人の職務内容からすれば、本件支給がされたのは、本件滞納会社が滞納国税の徴収などを回避するためであり、本件支給の額は、本件滞納会社が所有する不動産及び保険契約を請求人に得させるために設定されたもので、請求人の職務及び功労と役員退職慰労金の金額との対価的均衡を考慮した上で決定されたものではなかったことが認められる。したがって、本件支給の額は、請求人の本件滞納会社における役員としての職務執行及び功労との対価的均衡を著しく欠くものであり、本件支給は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当する。(令5.12.14 東裁(諸)令5-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050053
- 裁決年月日
- 令和5年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納会社(本件滞納会社)が請求人に生命保険契約(本件保険契約)の契約上の地位を役員退職慰労金として支給したこと(本件支給)は、請求人の役員勤務年数を考慮すれば、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。しかしながら、役員退職給与の不相当に高額な部分が、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するか否かの判断においては、平均功績倍率法によって求めた相当とされる役員退職給与の金額と実際に支給された役員退職給与の金額の乖離の程度に加えて、当該役員の職務又は功労の内容、程度、勤務年数のほか当該役員退職給与が支給されるに至った具体的事情等を考慮し、その役員退職給与の支給が無償譲渡等の処分に該当するか否かを判断するのが相当であるところ、本件支給の額は、平均功績倍率法により求められる請求人の役員退職慰労金として相当と認められる金額の6倍を超え、その乖離の程度は大きく、また、請求人は、本件滞納会社において従業員教育を行っていたものの、経営を担っていたとはいえない。加えて、本件支給の経緯や請求人の職務内容からすれば、本件支給がされたのは、本件滞納会社が滞納国税の徴収などを回避するためであり、本件支給の額は、本件保険契約を請求人に得させるために設定されたもので、請求人の職務及び功労と役員退職慰労金の金額との対価的均衡を考慮した上で決定されたものではなかったことが認められる。したがって、本件支給の額は、請求人の本件滞納会社における役員としての職務執行及び功労との対価的均衡を著しく欠くものであり、本件支給は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当する。(令5.12.14 東裁(諸)令5-53)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300018ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成31年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各土地は実質的に請求人らに帰属しており、第二次納税義務の制度趣旨にいう「滞納者に財産が帰属していると認めても公平を失しないような場合」ではないから、第二次納税義務が課せられる場合に該当せず、各土地の売却価額は正当な金額である旨主張する。しかしながら、第二次納税義務の制度は、形式的には第三者に財産が帰属しているものの、実質的には、なお滞納者にその財産が帰属していると認めても公平を失しないような場合には、その形式的権利の帰属を否定しながら、しかも、私法秩序を乱すことを避けつつ、形式的に財産が帰属している第三者に対し、補充的に滞納者の納税義務を負担させることによって租税徴収の確保を図る制度であるから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の「著しく低い額」に該当するか否かは、当該財産の種類、数量の多寡、時価と対価の差額の大小等を総合的に勘案して、社会通念上、通常の取引に比べ著しく低い額の対価であるかどうかによって判定すべきものと解するのが相当であり、対象となる財産が土地のように値幅のある財産である場合には、当該取引価額が、一般市場において、当該土地の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額(時価のおおむね2分の1に満たない価額)をもって、特段の事情のない限り、「著しく低い額」と解するのが相当である。本件においては、請求人らは、各土地の売却により、各土地を時価の2分の1を下回る価額で買い受けており、売却価額が国税徴収法第39条の「著しく低い額」ではないとする特段の事情も見当たらないから、当該価額は、社会通念上、通常の取引に比べ著しく低い額の対価であるといえる。(平31. 2.15 広裁(諸)平30-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人は、請求人が第二次納税義務を負う場合であっても、請求人は国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲譲受人等の第二納税義務》に規定する「親族その他の特殊関係者」に該当せず、財産分与(本件財産分与)により受けた利益が現に存する限度に限り責任を負うというべきである旨主張する。しかしながら、請求人は本件財産分与の時点において、滞納者の配偶者であり「親族その他の特殊関係者」に該当することから、請求人が負う第二次納税義務の範囲(限度額)は、本件財産分与により受けた利益の限度である。(平25. 7. 4 東裁(諸)平25-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人は、離婚に伴い滞納者である夫から財産分与(本件財産分与)として不動産(本件分与財産)を譲り受けたが、本件財産分与は不相当に過大ではないから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二納税義務》が規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」に該当しない旨主張する。しかしながら、離婚における財産分与が同条の「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」等の処分に当たるか否かは、夫婦間における諸事情を考慮して清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素を算定した上で当該財産分与が不相当に過大か否かを判断するのが相当であるところ、本件分与財産の価額は、財産分与相当額の8倍以上であるから、本件財産分与は、国税徴収法第39条が規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」に該当する。(平25. 7. 4 東裁(諸)平25-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230025
- 裁決年月日
- 平成24年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が滞納者からマンションの住戸(本件住戸)を著しく低い額の対価により譲り受けたこと(低額譲渡)と滞納者の国税(滞納国税)につき徴収すべき額に不足すること(徴収不足)との間に国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の基因関係はない旨主張する。この点、低額譲渡と徴収不足との間に基因関係が認められる場合とは、その低額譲渡がなかったならば、現在の徴収不足は生じなかったであろう場合をいうものと解される。債務超過になっていた滞納者は、請求人に対し低額譲渡を行い、これによって損失を生じさせた一方、低額譲渡により取得した譲渡代金も債権者への支払に全て費消した。すなわち、低額譲渡の日において、低額譲渡が直接の原因となって、滞納国税の徴収不足が生じたといわざるを得ず、低額譲渡の日から請求人に対する第二次納税義務の納付告知処分に至るまでの間に、滞納者の納付資金が回復したと認められる事情もなく、低額譲渡により生じた徴収不足の状態が、当該納付告知処分の時点まで継続していたものと認められる。そうすると、低額譲渡がなかったならば、当該納付告知処分の時点において、滞納国税を全く納付できないという事態は生じなかったであろうといえるから、低額譲渡と徴収不足との間に基因関係が認められる。(平24.6.15 福裁(諸)平23-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210116
- 裁決年月日
- 平成22年5月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納者から地上権の負担のある本件土地の底地権を○○○円で取得したのであるから、低額譲渡には当たらないと主張する。しかしながら、所有者に大きな負担となる地上権のような権利の設定を認めるには、当事者が何らかの理由で強固な権利を設定することを意図したと認められるべき特段の事情を必要とするところ、本件においてはそのような特段の事情は認められない。また、滞納者は不動産業者としての相応の知識を持っているにもかかわらず、当該地上権設定に関する契約書は作成されておらず、地上権の登記もされていないのであるから、本件売買契約書の「所有権底地権」との記載をもって、地上権の設定がなされているとはいえず、請求人は、本件譲渡を原因として地上権の負担のない本件土地の所有権の全部を取得したと認めるのが相当である。ところで、本件建物の所有者(滞納者)が賃借人と締結した賃貸契約は、滞納者が本件土地の所有者であったことから、賃借人は土地所有権の機能に属する本件土地の利用権(敷地利用権)も有していると解されるから、本件譲渡日の本件土地の評価額は、財産評価基本通達26に定める貸家建付地として評価した価額によるのが相当であるところ、本件土地の貸家建付地としての評価額は○○○○円と認められるから、請求人は、本件土地をその時価の2分の1に満たない○○○円で取得したことになり、本件譲渡は国税徴収法第39条に規定する低額譲渡に当たる。(平22. 5.20 関裁(諸)平21-116)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150165
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、本件取引は、本件取引に当たり取り交わした覚書等に基づいて行われたもので、当事者間で将来の買戻しを予定した上で、もともと時価以下で売却した株式を、時価以下で買い戻したものであるから、本件取引時の時価がいくらであろうとも低額譲渡には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が主張する覚書の合意事項が本件取引を拘束するとは認められない。そうすると、本件株式は時価の1割にも満たない価額で譲渡されたこととなり、本件取引の対価は、本件株式の時価の2分の1を大きく下回ることになるから、本件取引は、無償譲渡等の処分に当たるといわざるを得ない。(平16.1.29東裁(諸)平15-165)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平080038
- 裁決年月日
- 平成9年3月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 600305060
- 争点
- 3第二次納税義務/5無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務/6低額譲渡と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納者に対する貸付金の回収のため滞納者の所有していた不動産を代物弁済により取得したことが、徴収法第39条に規定する無償又は著しい低額の譲渡等に該当するとしてなされた第二次納税義務の告知処分について、(1)告知処分に係る調査において、徴収担当職員が威圧的な言動や事実に反する発言を行ったこと、(2)法定の要件に該当しないのに行われた告知処分は手続に誤りがあることから、違法である旨主張する。しかしながら、(1)徴収担当職員が威圧的な言動や事実に反する発言を行ったという事実は認められず、また、(2)滞納者と請求人の間でなされた不動産の代物弁済は、低額譲渡等による処分に該当し、徴収法第39条に規定する要件を満たしていることから、告知処分の手続に誤りはなく、請求人の主張は採用できない。なお、原処分庁が、滞納者から請求人への代物弁済による低額譲渡等の処分であると認定した不動産のうち、その一部は、滞納者から請求人以外の第三者へ代物弁済が行われた後、当該第三者の代物弁済として請求人へ所有権が移転しており、代物弁済のすべてが滞納者から請求人への代物弁済とは認められないことから、告知処分は、その一部を取り消すべきである。(平 9. 3.28熊裁(諸)平 8-38)
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