裁決要旨 2差押えの効力
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070082
- 裁決年月日
- 令和7年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、投資信託の受益権に対する差押処分(本件差押処分)に係る配当処分について、①督促は国税の徴収権の時効中断事由に該当しないとの主張を前提として、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権は、法定納期限から5年を経過し、本件差押処分時において時効により消滅していた旨、②本件差押処分は、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》(本件通達)の定めに反し、事前に催告されることなく行われており無効である旨主張する。しかしながら、①本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、時効の中断を繰り返していることから、本件差押処分時において時効により消滅していない。また、②本件通達の定めは、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないため、事前催告の有無は差押処分の違法又は無効事由にならない。(令7.12.22 東裁(諸)令7-82)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060036
- 裁決年月日
- 令和7年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った請求人の有する債権の差押処分(本件差押処分)に係る各滞納国税等(本件各滞納国税等)について、①本件各滞納国税等に係る一件別徴収カードの記録を根拠として、本件各滞納国税等に係る期限後申告書の提出、無申告加算税の賦課決定通知書の送達及び督促状の送達があったことにはならないこと、②納付誓約書及び債務承認書に署名及び押印した認識がないことから、本件差押処分当時、本件各滞納国税等の徴収権の消滅時効が中断していたことには疑義がある旨主張する。しかしながら、①一件別徴収カードは、債権管理のための基礎帳票として使用されるものであり、職員が職務上、申告書の提出日、納期限、収納済額等を入力した上で本税及び加算税等の現在額等を管理しているものであって、誤りが混入するおそれは小さく、その記載内容は正確で信用できるところ、請求人は、原処分庁所属の徴収職員等による納付折衝や徴収手続等の中で特に異議を述べることもなく、数年にわたり本件各滞納国税等の納付を継続してきたことからすれば、請求人が期限後申告書を提出し、賦課決定通知書及び督促状の送達を受けたと認められ、②納付誓約書及び債務承認書の記載内容からすれば、請求人が本件各滞納国税等の内容を認識した上で自ら署名及び押印したことが認められるから、本件各滞納国税等の徴収権の消滅時効は本件差押処分時に完成しておらず、本件差押処分は適法である。(令7. 3. 4 関裁(諸)令6-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060021
- 裁決年月日
- 令和6年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式に対する各差押処分(本件各差押処分)に係る配当処分(本件配当処分)について、本件各差押処分に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押処分から本件各差押処分までの間に、時効中断措置がとられておらず、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権は、本件各差押処分時において会計法の定める消滅時効期間である5年を経過し、時効により消滅していたから、その後の処分である本件配当処分は成立し得ない無効な処分である旨主張する。しかしながら、本件滞納国税の徴収権は、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)等の規定による時効の中断を繰り返しており、本件各差押処分時において時効により消滅していない。また、本件配当処分は、国税徴収法第129条《配当の原則》第1項、同法131条《配当計算書》、同法132条《換価代金等の交付期日》及び国税徴収法施行令第49条《配当計算書の記載事項等》所定の要件を充足している。(令6. 8.27 東裁(諸)令6-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050082
- 裁決年月日
- 令和6年3月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、投資信託の受益権に対する差押処分(本件差押処分)に係る配当処分について、本件差押処分に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えが、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》(本件通達)の定めに反し、事前に催告されることなく行われたことから無効であり、時効中断の効力は生じていないとして、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権が本件差押処分時において時効により消滅した旨主張する。しかしながら、本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、時効の中断を繰り返していることから、本件差押処分時において時効により消滅していない。また、本件通達の定めは、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、事前催告の有無は差押処分の違法又は無効事由にならない。(令6. 3.21 東裁(諸)令5-82)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050083
- 裁決年月日
- 令和6年3月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした換価代金等の配当処分(本件配当処分)について、同処分に先立つ株式に対する各差押処分(本件各差押処分)が行われるまでの間、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権は、時効中断措置がとられておらず、本件各差押処分時において時効により消滅していたから、その後の処分である本件配当処分は成立し得ない無効な処分である旨主張する。しかしながら、本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、時効の中断を繰り返していることから、本件各差押処分時において時効により消滅していない。(令6. 3.21 東裁(諸)令5-83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050016
- 裁決年月日
- 令和5年9月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各株式の差押え(本件各差押処分)に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えが、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》(本件通達)の定めに反し、事前に催告されることなく行われたため無効であり、時効中断の効力は生じていないから、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権は本件各差押処分時において時効により消滅しており、同処分に基づく配当処分は成立し得ない無効な処分である旨主張する。しかしながら、本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、時効の中断を繰り返しており、本件各差押処分時において時効により消滅していたとは認められない。また、本件通達は、督促から相当期間経過して差押えを行う場合、望ましい行政措置として滞納者に事前に納付の催告をする旨を定めたものと解されるところ、普通預金の払戻請求権等の差押え前に「未納国税の納付について」と題する書面が請求人へ送付されており、本件通達の定めによる催告がされていたと認められることから、請求人の主張はその前提を欠いている。(令5. 9.13 東裁(諸)令5-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040106
- 裁決年月日
- 令和5年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、投資信託の受益権に対する差押処分(本件差押処分)に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えは、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》(本件通達)の定めによる事前の催告を欠いているため、本件通達及び民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)第153条《催告》の規定に反して無効であり、時効中断の効力は生じていないので、請求人の滞納国税の徴収権は本件差押処分時において時効により消滅した旨主張する。しかしながら、本件通達の定めは、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、事前催告の有無は差押処分の違法又は無効事由にならない。また、民法第153条は、催告は、6月以内に裁判上の請求、差押え等の措置を講じなければ、当該催告に時効中断の効力が生じない旨の規定であり、督促後6月以内に差押えをしなければ時効中断の効力が生じない旨を規定したものではない。(令5. 3.27 東裁(諸)令4-106)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030123
- 裁決年月日
- 令和4年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式に対する各差押処分(本件各差押処分)に係る配当処分について、本件各差押処分に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えが、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》の定めに反し、事前に催告されることなく行われたことから無効であり、時効中断の効力は生じていないとして、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権が本件各差押処分時において時効により消滅した旨主張する。しかしながら、国税徴収法基本通達第47条関係18の定めは、督促から相当期間経過して差押えを行うときは、滞納者に事前に納付の催告をすることが望ましいことを考慮し、行政措置として滞納者に対し事前に催告した後差押えを行うこととするのが適当であるとして、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、事前催告がなかったとしても当該差押えが違法、無効となるものではない。また、本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、納付等により時効の中断を繰り返していることから、本件各差押処分時において時効により消滅していない。(令4. 6. 7 東裁(諸)令3-123)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030043
- 裁決年月日
- 令和3年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式に対する各差押処分(本件各差押処分)に係る配当処分について、本件各差押処分に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えが、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》の定めに反し、事前に催告されることなく行われたことから無効であり、時効中断の効力は生じていないとして、請求人の滞納国税(本件滞納国税)の徴収権が本件各差押処分時において時効により消滅した旨主張する。しかしながら、国税徴収法基本通達第47条関係18の定めは、督促から相当期間経過して差押えを行うときは、滞納者に事前の納付の催告をすることが望ましいことを考慮し、行政措置として滞納者に対し事前に催告した後差押えを行うこととするのが適当であるとして、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、事前催告がなかったとしても当該差押えが違法、無効となるものではない。また、本件滞納国税の徴収権は、請求人に係る過去の審査請求に対して当審判所が既に判断したとおり、納付等により時効の中断を繰り返していることから、本件各差押処分時において時効により消滅していない。(令3.12.16 東裁(諸)令3-43)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020011
- 裁決年月日
- 令和2年8月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、各株式の差押え(本件各差押処分)に先立ち行われた普通預金の払戻請求権等の差押えが、国税徴収法基本通達第47条関係18《着手前の催告》の定めに反し、事前に催告されることなく行われため無効であり、時効中断の効力は生じず、請求人の滞納国税の徴収権が時効消滅したことから、本件各差押処分も無効であり、同処分に基づく配当処分は成立し得ない無効な処分であると主張する。 しかしながら、国税徴収法基本通達第47条関係18の定めは、督促から相当期間経過して差押えを行うときは、滞納者に事前の納付の催告をすることが望ましいことを考慮し、行政措置として滞納者に対し事前に催告した後差押えを行うこととするのが適当であるとして、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取扱いを飽くまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、事前催告がなかったとしても当該差押処分が違法、無効となるものではない。そして、請求人の滞納国税の徴収権は、納付等により時効の中断を繰り返しており、消滅時効が完成していないことは、過去の差押処分に対する審査請求に対して当審判所が既に示したとおりであり、請求人の主張には理由がない。(令2.8.25東裁(諸)令2-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020005
- 裁決年月日
- 令和2年8月19日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○審査請求による行政処分の取消しを求めるには、その処分が現に存在していることが必要であるところ、当該差押処分は差押解除が行われ、既にその効力が消滅しており、取消しを求める法律上の利益を有しないことから、本審査請求は不適法なものである。また、国税徴収法第171条《滞納処分に関する不服申立て等の期限の特例》第1項第4号は、換価代金等の配当処分に関し欠陥があることを理由としてする審査請求は、換価代金等の交付期日まででなければすることができない旨規定しているところ、本審査請求は、当該期日を経過した後にされていることから、法定の不服申立期限後にされた不適法なものである。(令2.8.19大裁(諸)令2-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250126
- 裁決年月日
- 平成26年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、診療報酬の支払請求権の差押処分(本件差押処分)は、事業遂行の困難性、納付実績等考慮すべき事情を考慮せず、考慮すべきでない納税意思が失われたという誤った事実のみを捉えて行われたものであるから、裁量権を逸脱若しくは濫用した違法なものであるか、又は裁量権の不合理な行使をした不当な処分である旨主張する。しかしながら、差押処分は、自主納付の見込みや差押えの必要性等についての判断を徴収職員の合理的な裁量に委ねた上で、徴収職員に対し、差押えの必要があるときは早期に滞納者の財産を保全することを求めたものと解され、差押処分の時期について徴収職員の合理的裁量に委ねていると解される。したがって、差押処分は、事実の基礎を欠くか又は判断の過程において考慮すべき事情を考慮しなかったこと等によりその判断の内容が社会通念上著しく妥当性を欠くものと認められる場合に裁量権の範囲を逸脱又は濫用してされたものとして違法となると解される。また、裁量権の範囲内にある事由に関する判断が差押処分の趣旨及び目的に反しているといえるような特段の事情がある場合に限り、裁量権の不合理な行使をした不当な処分となると解される。本件差押処分は、自主納付の見込みや差押えの必要性の判断に当たり事実の基礎を欠いたものとは認められないし、考慮すべき事項について考慮された上で行われており、また、その判断の内容はむしろ合理的というべきであって、社会通念上著しく妥当性を欠くものとは認められない。差押処分の判断の内容が合理的であることからすれば、差押処分の趣旨及び目的に反しているといえるような特段の事情があるとも認められない。したがって、本件差押処分は、裁量権を逸脱又は濫用した違法な処分でも裁量権の不合理な行使をした不当な処分でもない。(平26. 5.23 東裁(諸)平25-126)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240135
- 裁決年月日
- 平成25年1月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国税(本件国税)の納期限から5年を経過した後に不動産の差押処分(本件不動産差押処分)がされていることから、この時点で既に本件国税の徴収権が時効により消滅しているにも関わらずされた各債権の各差押処分(本件各差押処分)は違法である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、本件国税に係る督促状(本件督促状)を普通郵便で請求人の住所地あてに発送しており、本件督促状が郵政官署から返戻された事実はなく、本件督促状は通常到達し得る期間内に請求人に送達されたものと推定されるところ、本件国税の徴収権の消滅時効は、本件督促状を発した日から起算して10日を経過した日の翌日から再度進行したものの、同日から5年を経過する前に行われた本件不動産差押処分により再び中断したものである。そして、その中断後に、本件不動産差押処分が解除され又は換価等により終了した事実は認められないから、本件各差押処分の時点においても、本件国税の徴収権の時効の中断の効力は継続しており、請求人の主張には理由がない。(平25. 1. 9 東裁(諸)平24-135)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240079
- 裁決年月日
- 平成24年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、徴収担当職員が加算税や延滞税について差押えは行わない旨発言したにもかかわらず、何の警告もなく差押処分を行ったことは、信義則に反して違法であり差押処分は取り消されるべきものであるから、その後の配当処分も違法である旨主張する。しかしながら、租税法規に適合する処分については、租税法規の適用における納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお当該処分を免れしめて納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合に、初めて信義則の法理の適用の是非を考えるべきものであるところ、差押処分は租税法規に適合するものであり、また、原処分関係資料及び当審判所の調査によっても、徴収職員が差押えはしないなどと発言したことを認めるに足りる証拠はなく、請求人に対して一定の責任のある立場の者が信頼の対象となる公的見解を表示したことは認められないから、信義則の法理の適用の是非を考えるべき特別の事情が存するとは認められない。(平24.10.17 東裁(諸)平24-79)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平230012
- 裁決年月日
- 平成24年5月31日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人の代表者の滞納国税を徴収するため、請求人と第三債務者との間で締結した借家人補償契約に基づいて生じた債権の差押処分の全部取消しを求めるが、審査請求によって行政処分の取消しを求めるには、その取消しを求める処分が現に存在していることが必要であるところ、当該債権については、その一部が取り立てられ、残りはその差押えが解除された各事実が認められる。そうすると、当該差押処分は、本件債権の取立て及び差押えの解除によりその効力が消滅していることから、本件審査請求は、現に存在しない処分の取消しを求める不適法なものである。(平24. 5.31 金裁(諸)平23-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230100
- 裁決年月日
- 平成24年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分が行われた時点において、本件各滞納国税はいずれも完納されている旨主張する。ところで、原処分庁は、国税収納金整理資金に関する法律等に基づき、国税総合管理システムを使用して、国税収納金整理資金に関する法律等に基づく業務処理を行っており、本件各滞納国税に係る各一件別徴収簿(本件各一件別徴収簿)の記載内容を調査することによって、本件各滞納国税の有無を推認することは、他に、本件各一件別徴収簿の記載内容が明らかに事実と相違することをうかがわせるような事由等が認められない限り、相当であると認められる。そして、本件各一件別徴収簿の徴収決定済額には、いずれも本件各滞納国税が記載されており、収納済額には、いずれも記載されていないことからすれば、差押処分がされる前に、本件各滞納国税は、いずれも完納されていなかったと推認するのが相当であり、また、請求人は、当審判所に対し、本件各滞納国税の完納の事実を示す証拠書類を提出していないことからすれば、本件各一件別徴収簿の徴収決定済額及び収納済額の記載内容が明らかに事実と相違することをうかがわせるような事由等は認められないというべきである。そうすると、本件差押処分が行われた時点において、本件各滞納国税があったと認められる。(平24. 4.26 名裁(諸)平23-100)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230034
- 裁決年月日
- 平成23年11月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁所属の徴収担当職員(徴収担当職員)との信頼関係に基づき、新規の滞納国税を発生させず、また、過去の滞納国税について、徴収担当職員より提示された金額を可能な限り納付して、滞納税金が確実に減少しているにも関わらず、原処分庁が一方的に請求人の所有する不動産に対する差押処分(本件差押処分)をしたものであり、本件差押処分は不当である旨主張する。しかしながら、差押処分が不当であるというためには、少なくとも、差押処分において裁量に委ねられている部分があることを要すると解され、国税徴収法第47条《差押の要件》第1項第1号は、滞納国税が完納されないときは、徴収職員は滞納者の財産を差し押さえなければならない旨規定しているが、①国税は滞納となった場合であっても自主的に納付されることが求められること、②差押えをするにしても、差押え可能な財産の調査が必要であること、③大量かつ反復的に発生する滞納事案の全てについて、督促状を発した日から起算して10日を経過した日後直ちに差押えを行うことは事実上困難であることからすれば、この規定は、個々の滞納事案における自主納付の見込みや差押えの必要性等についての認定・判断を徴収職員に委ねた上で、滞納となった国税債権を確実に徴収するために、徴収職員に対し、差押えの必要性があるときは早期に滞納者の財産を保全することを求めたものと解され、差押処分の時期については、徴収職員の裁量に委ねられていると解されるから、督促状を発した日から起算して10日を経過したことによって差押えが可能となったその日から相当期間が経過した後の差押えであっても、そのことゆえに当該差押処分が不当ということはできず、さらに、差押処分の直後に滞納国税が完納されることが確実であったなどの特段の事情がない限り、当該差押処分を不当ということもできないと解されるところ、請求人は、分納計画による納付及び新たに滞納国税を発生させないようにすることを約したにも関わらず、新規の滞納額が発生したことからすれば、請求人が約した納付計画による納付及び新たな滞納国税を発生させないようにすることについて、確実に履行されているとはいえないこと、納付計画に従った履行をしなくなった後に、徴収担当職員からの要請に基づき、改めて納付計画を策定しているものの、当該納付計画において、当初の納付計画による分納額を上回る金額を提示していないことを総合してみると、本件差押処分の直後に本件滞納国税が完納されることが確実であったとはいえず、他に、差押処分の時点において本件差押処分を行ったことを不当とする特段の事情も認められない。(平23.11. 7 名裁(諸)平23-34)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210105
- 裁決年月日
- 平成22年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各滞納国税が存在しないことを理由に本件各差押処分には重大かつ明白な暇疵がある旨主張する。しかしながら、本件各滞納国税の確定過程に瑕疵はなく、本件各滞納国税はいずれも適法に存在していることが認められる。また、本件各滞納国税については、それぞれ督促処分が行われ、また、本件各差押処分に際して、それぞれ差押調書が作成され、差押調書謄本が請求人に、差押通知書が各口座管理機関及び各株式の発行者にそれぞれ送達されたことが認められることから、本件各差押処分は、その手続に瑕疵は認められず適法である。(平22. 4.26 関裁(諸)平21-105)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200176
- 裁決年月日
- 平成21年5月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がした請求人の預金債権に対する差押処分(以下「本件差押処分」という。)は、滞納処分が停止されている間に行われているから、同処分は違法である旨主張するが、原処分庁は、国税徴収法第154条《滞納処分の停止の取消》第1項の規定に基づき滞納処分の執行の停止取消処分を行い、同条第2項の規定に基づき請求人にその旨通知した後に、本件差押処分をしたことが認められるから、請求人の主張には理由がない。また、請求人は、年金生活者であり、国税徴収法第153条《滞納処分の停止の要件等》の規定に基づく滞納処分の執行の停止に該当するから本件差押処分は違法である旨主張するが、請求人には滞納処分を執行できる財産があり、かつ、滞納処分を執行することによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるときにも該当しないことから、請求人の主張には理由がない。(平21. 5.14 東裁(諸)平20-176)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200126
- 裁決年月日
- 平成21年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、判例によれば、差押えに係る当座預金は、差押え前に、その出損者及び届出印章の保管者である別法人に帰属し、滞納法人には帰属していなかったから、当座預金口座に係る差押えは無効である旨主張する。しかしながら、いったん有効に成立した行政処分を当然無効というためには、処分に重大かつ明白な瑕疵がなければならず、ここにいう重大かつ明白な瑕疵というのは、処分の要件の存在を肯定する処分庁の認定に重大かつ明白な瑕疵がある場合を指すものと解されている。また、瑕疵が明白であるかどうかは、処分の外見上、客観的に誤認が一見看取し得るものであるかどうかにより決すべきものと解される。ところで、滞納処分は、最終的には納税者の財産を換価(取立てを含む)してその滞納税額に充てる連続した処分であり、多数の納税者に対して大量に行われるものであって、個々の財産につき一々真実の所有者を探求して差押処分をすることは極めて困難であって、表見上の所有者を真実に合するとの推定の下に、その所有者を認定して、差押処分をなすことは、その処分の性質上合理的なものであり、仮に、表見上の所有者が真実に合しない場合は、真の所有者は法所定の不服申立期間内に、その取消しを求めることによって権利の回復を図るべきものである。そして、原処分庁は、滞納国税を徴収するため当座預金が滞納法人名義であることを確認して差し押さえたことが認められ、原処分庁の当座預金の帰属の認定について、外見上、客観的に誤認が明白であると認められる事情は存しない。したがって、仮に請求人の主張する事由があったとしても、原処分庁が、当座預金はその名義人である滞納法人に帰属すると認定したことについて、重大かつ明白な瑕疵があるとはいえない。(平21. 2.20 東裁(諸)平20-126)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200116
- 裁決年月日
- 平成21年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が差し押さえた本件不動産から生じる家賃収入は請求人の生活の資であり、このまま差押処分が取り消されず公売処分に付されると、生活が維持できなくなるとともに、本件差押処分が請求人に精神的苦痛を与え、請求人の生活を脅かしている事実は憲法第25条に違反するから、本件差押処分は違法である主張する。しかしながら、請求人の主張する事情は、いずれも適法な差押処分に伴って滞納者が受忍すべき事情であるといわざるを得ず、請求人の上記主張が法令の違憲、法令の規定自体の不合理をいうものであれば、国税不服審判所は、税務署長等が行った処分について、国税に関する法令に反する違法、不当な処分であるか否かを判断する行政機関であって、憲法違反、規定自体の合理性について判断する権限を有しないから、この点に関する請求人の主張については当審判所の審理の限りではない。(平21. 1.20 東裁(諸)平20-116)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200116
- 裁決年月日
- 平成21年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の居宅兼賃貸物件である不動産の差押処分(以下「本件差押処分」という。)について、当該差押処分は、滞納国税を分割して納付しようとする請求人の意思に反して行われた違法、不当な処分であるなどと主張する。しかしながら、差押処分は、納期限までに完納されない国税債権を強制的に実現するために、納税者の意思にかかわりなく納税者の特定の財産の処分を禁止するものであり、納税の猶予等の徴収を緩和する処分がなされたときに制限される場合があるものの、本件不動産は差押禁止財産に該当せず、不動産収入で生計を維持している滞納者の不動産を差し押さえてはならない旨の規定はなく、本件滞納国税について納税の猶予等の処分をしていた事実もない上、本件差押処分が差押財産の選択についての徴収職員の合理的な裁量の範囲を逸脱し、又は、その行使に適切さを欠いているとも認められない。また、本件差押処分により、本件不動産の空き室が埋まらず、そのために納税資金を捻出できない事実が生じたとしても、差押処分が国税債権を強制的に実現するための処分という性質のものである以上、滞納者である請求人が受忍すべきものというほかない。したがって、本件差押処分は違法、不当な処分とはいえず、請求人の主張には理由がない。(平21. 1.20 東裁(諸)平20-116)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200109
- 裁決年月日
- 平成21年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分が、事前予告等のないままに一方的に行なわれたものであり、また、請求人が毎月少額ではあるが本件各滞納国税の納税を行なっていることを無視して行なわれたものであるから、違法又は不当である旨主張する。しかしながら、差押処分は、納期限までに完納されない国税債権を強制的に実現する目的で納税者の特定の財産の処分を禁止する滞納処分であるから、納税者の意思にかかわりなく強制的に行なわれるものであり、差押処分に当たって、事前の予告や納税者への説明をしなければならないものではなく、また、納税者の権利及び利益の保護並びに生計及び事業の維持のため、国税通則法第46条《納税の猶予の要件等》、同法第105条《不服申立てと国税の徴収との関係》に係る徴収の猶予等の規定に基づいて納税の猶予等の徴収を緩和する処分がなされたときには、差押えに一定の制限がされる場合があるが、原処分庁が本件差押処分を行った時点で本件各滞納国税について納税の猶予等の処分をしていた事実はないから、請求人が一部納付を続けていたとしても、これによって差押処分が制限される理由はない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 1. 7 東裁(諸)平20-109)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180091
- 裁決年月日
- 平成19年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押処分は、その前提となる繰上請求処分が、違法な処分として直ちに取り消されるべきものであるから、差押処分もまた取り消されるべきである旨主張する。 しかしながら、原処分庁は、適法にされた繰上請求処分に係る国税を請求人が納期限までに完納しなかったため、国税徴収法第47条第1項第2号に基づき差押処分を行ったことが認められる。そうすると、差押処分に違法はなく、請求人の主張は採用できない。なお、差押財産のうち一部の債権については、既に取立てを完了して消滅していることから、請求人は当該債権の差押処分の取消しを求める法律上の利益を有していないため、当該債権の差押処分に対する審査請求は請求の利益を欠く不適法なものである。 また、請求人は、差押処分は課税処分を前提とするところであり、その前提たる課税処分が違法な処分として取り消される以上、差押処分もまた、違法な処分として取り消されるべきである旨主張するが、課税処分と差押処分とは、それぞれ別個の法律効果の発生を目的とする別個独立の行政処分であって、差押処分は課税処分の違法性を承継するものではないから、課税処分が無効であるか、違法なものとして取り消されない限り、差押処分が違法であるということはできない。 したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 6.21 大裁(諸)平18-91)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180235
- 裁決年月日
- 平成19年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件差押処分の前提となる相続税の更正処分に係る調査が不十分である、②原処分庁が当該調査において把握された情報を開示しないために請求人が相続財産の全容を把握できず、遺産分割等の手続等も行えない、③原処分庁が課税の裏付けとなる証拠資料を納税者に提出し説明する責務を履行しないのは、納税者が憲法第30条の納税の義務を果たすことを阻むものであるとして、本件差押処分が違法又は不当である旨主張する。 しかしながら、課税処分と差押処分は、それぞれ別個の法的効果を目的とする独立した行政処分であるから、課税処分が重大かつ明白な瑕疵により無効となるか、又は取り消された場合でない限り、先行する課税処分の違法を理由として差押処分の取消しを求めることはできないと解され、本件において更正処分にそのような事実は認められないから、各滞納相続税の納付義務は具体的に確定し、適法に存在している。そして、相続財産の税務調査が不十分で、更に調査が必要であるか否かは、既にそれぞれが個々に確定済である相続税を徴収するためにされた差押処分とは関連しないことであるから、差押処分の違法原因とはならないし、また、課税処分に係る情報の開示が実現されないことが、適法に確定済である相続税の納付を遅延する理由にはならないから、遺産分割手続等が行えないことを理由とする本件差押処分が違法又は不当である旨の請求人の主張には理由がない。さらに、課税に係る資料を納税者に提出・説明しないことも適法に確定済である相続税の納付を遅延する理由とはならないから、納税の義務を果たすことを阻むものでもなく、本件差押処分が憲法第30条に反するとも認められない。(平19. 4.23 東裁(諸)平18-235)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平180019
- 裁決年月日
- 平成19年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った債権の差押処分(以下「本件差押処分」という。)は、督促状が送付されてから本件差押処分までの間何ら催告をすることもないまま行われ、国税徴収法基本通達第47条関係18に違反しているから、差押えの要件を欠き違法である旨主張する。 しかしながら、国税徴収法第47条第1項第1号は、督促状を発した日から10日を経過した日までに、滞納者がその督促に係る国税を完納しない場合には、差押えを行うことできる旨規定しているところ、国税徴収法基本通達47条関係18は、督促から相当期間経過して差押えを行うときは、滞納者に事前の納付の催告をすることが望ましいことを考慮し、行政措置として滞納者に対し事前に催告した後差押えを行うこととするのが適当であるとして、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合の事前催告の取り扱いを定めているものと解されるが、この取扱いはあくまでも行政措置として望ましいものとして定めているにすぎず、督促後6月以上を経過して差押えを行う場合に事前催告をしなければならないとする法令上の規定は存しないことから、仮に、事前催告がなかったとしても差押処分が違法となるものではない。 なお、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、原処分庁の徴収担当職員は、平成11年7月28日から本件差押処分の間までに、請求人に対し納付交渉を行い、また、平成18年1月30日付及び同年2月15日付で文書による納付催告を行っていることが認められるから、この点からも請求人の主張には理由がない。(平19. 3.30 高裁(諸)平18-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180046
- 裁決年月日
- 平成19年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、滞納国税等の納税義務は、本来、請求人にあるが、元妻Aが請求人の事業に係る売上金や事業資金を管理、支配し、Aが請求人の所得税等を納付する旨の合意が存在するから、原処分庁はAから滞納国税等を徴収すべきであり、請求人に対する不動産の差押処分は不当である旨主張する。そして、当審判所の調査によっても、上記のような事実が存在したことはうかがえる。しかしながら、納税義務は、租税法律主義が採用されるべき(憲法第84条参照)関係上、もっぱら強行法規たる租税関係法規に基づいて成立し、消滅するものであるから、納税者と第三者との間で、第三者がその納税義務を引き受け、納税者がこれを免れる旨の契約を締結したとしても、当該契約により、納税者が納税義務を免除され、あるいは、租税行政庁がこれに拘束されるものではないと解される。そうすると、たとえ、請求人が上記の合意をしたとしても、これにより、請求人がその納税義務を免れるわけではないし、原処分庁がAから滞納国税を徴収するよう拘束され、請求人に対する滞納処分が不当になるものではないから、この点に関する請求人の主張は理由がない。また、請求人の上記主張のうち、自らに滞納国税の納税義務があることを認めつつ、Aが請求人の事業に係る売上金や事業資金を管理、支配しているから、請求人に対する差押処分は不当である旨主張する点については、結局のところ、滞納国税の納税資金を捻出することが困難であるがゆえに、本件差押処分が不当であると主張するのと異ならないから、その主張自体理由がない。(平19. 1.24 大裁(諸)平18-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180095
- 裁決年月日
- 平成18年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が法定相続分による持分を有するとして、当該持分につき共有者に代位して登記した上でされた不動産の差押処分の後に、当該不動産を請求人が全部相続する旨の遺産分割協議がなされ、その旨の登記がされた場合、遺産分割協議の効力は相続時にさかのぼるが、これをもって、先に登記がなされた差押処分に対抗することはできず、原処分庁がした差押処分を違法ということはできない。(平18.12. 4 東裁(諸)平18-95)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170215
- 裁決年月日
- 平成18年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・1ページ
要旨
○ 請求人は、課税通知書の送達の無効を理由に課税処分が無効であるとして、無効な課税処分に基づく差押処分も違法である旨主張する。 しかしながら、課税処分は、国税の納付義務を具体化し、その納付すべき税額を確定させることを目的とする手続であるのに対し、差押処分は既に具体化し確定した納税義務の強制履行を目的としてなされる徴収処分手続の一環であり、課税処分と差押処分とはそれぞれ別個の法律的効果を目的とする独立した行政処分であり、結合して単一の法律効果を生ずるものではない。そして、課税処分に存在する瑕疵が重大かつ明白であり、当該課税処分が無効である場合は、これに基づく差押処分はその根基を欠くものとして違法というべきであるが、その瑕疵が取消原因となるにとどまるときは、それが差押処分の時点において権限ある機関によって取り消されない限り、これに基づく差押処分は適法と解するのが相当である。 本件においては、請求人の課税処分時における納税地はp町住宅であると認められ、課税通知書はp町住宅に差し置く方法で適法に送達されており、課税処分に重大かつ明白な瑕疵は認められず、課税処分は適法に行われている。また、差押処分は、国税徴収法第47条第1項第2号の規定に基づき適法になされている。 したがって、請求人の主張には理由がない。(平18. 6.29 東裁(所・諸)平17-215)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170062
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 第二次納税義務者である審査請求人(以下「請求人」という。)は、本来の納税者の財産について、調査を行い差押えをすべきであったにもかかわらず、その調査をしないまま請求人の財産を差し押さえた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、第二次納税義務は、本来の納税者の財産につき滞納処分を行ってもなお徴収すべき国税に不足すると認められる場合に限り、その納税者と一定の関係のある者に対して、本来の納税者の国税につき、二次的に納税義務を負わせるもので、主たる納税義務とは別個の納税義務である。このことから、主たる納税義務について生じた事由の効力は原則として第二次納税義務にも及び(付従性)、第二次納税義務者は主たる納税義務の履行がないときに初めて履行の責めに任じる(補充性)ことになると解する。そして、国税徴収法第32条《第二次納税義務の通則》第4項は、この補充性の現れとして、第二次納税義務者の財産の換価は、その財産の価額が減少するおそれがあるときを除き、本来の納税者の財産を換価に付した後でなければ、行うことはできない旨規定されているが、財産の換価を除く滞納処分の着手の順序については法令上特段の規定はないから、本来の納税者の財産の調査の有無にかかわらず、第二次納税義務者である請求人の財産に差押処分がなされたとしても何ら違法となるものではない。(平18. 6.20 関裁(諸)平17-62)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170062
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、本件差押処分の先行処分である督促処分の違法を理由に本件差押処分は違法である旨主張するが、過去に、請求人の同督促処分についての不服申立てに対し、当審判所において適法である旨の裁決をしており、その後、同督促処分を不服として裁判所に提起した事実も認められないことから、同督促処分に違法はなく、本件差押処分は適法である。(平18. 6.20 関裁(諸)平17-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170056
- 裁決年月日
- 平成17年11月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・413ページ
要旨
○ 請求人は、①督促から長期間経過した後になされた差押処分は、国税徴収法第47条第1項第1号の規定に反して違法であり、②請求人への差押書が差押処分から19日後に送達されたことは、適正な手続を遵守しない、違法な処分である旨主張する。しかしながら、①国税徴収法第47条第1項第1号の規定は、督促から一定期間経過した場合における差押えを制限する規定ではない。また、督促から長期間経過した差押処分ではあるものの、過去になされた別の差押処分が現在も継続していることから、国税の徴収権の消滅時効は中断しており、本件における差押処分は適法である。②国税徴収法第68条第1項は、不動産の差押えは滞納者に対する差押書の送達により行う旨規定しているが、差押書の送達期限についての規定はなく、本件は、原処分担当職員が差押処分に係る手続きを確実に行うため、差押登記を確認した上で請求人に対して差押書を発送したものであり、差押書は既に請求人に送達されていることから、請求人の主張には理由がない。(平17.11.4東裁(諸)平17-56)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160010ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年7月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一回目の差押処分と審査請求に係る差押処分(以下「本件差押処分」という。)とは同一性があり、一回目の差押処分は、偽造された修正申告書に基づく無効な差押処分であり、また、遺産分割前の共有財産を差押えた違法な差押処分であるから、その後の本件差押処分も違法である旨主張する。しかしながら、当該修正申告書は、他の相続人の更正の請求書に添付された計算書であり偽造された修正申告書ではなく、一回目の差押処分は本件期限後申告書及び本件贈与税に係る滞納国税に基づくものであること、また、遺産分割前の共有財産に存する請求人の持分を差し押さえたものであることから、一回目の差押処分は違法な差押処分ということはできない。(平16.7.21名裁(諸)平16-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160012
- 裁決年月日
- 平成16年7月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一回目の差押処分及び参加差押処分(以下「一回目の差押等処分」という。)と審査請求に係る差押処分及び参加差押処分(以下「本件差押等処分」という。)とは同一性があり、一回目の参加差押処分は、偽造された修正申告書に基づく無効な差押処分であり、また、一回目の差押等処分は遺産分割前の共有財産を差押えた違法な差押等処分であるから、その後の本件差押等処分も違法である旨主張する。しかしながら、当該修正申告書は、他の相続人の更正の請求書に添付された計算書であり偽造された修正申告書ではなく、一回目の参加差押処分は本件期限後申告書に係る滞納国税に基づくものであること、また、一回目の差押等処分は遺産分割前の共有財産に存する請求人の持分を差し押さえたものであるから、一回目の差押等処分は違法な差押等処分ということはできない。(平16.7.21名裁(諸)平16-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150052
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が保証債務の付従性及び補充性を考慮することなく、滞納法人が納税の意思を有していたにもかかわらず換価の猶予(以下「本件換価の猶予」という。)を取り消し、滞納法人の納税保証人(以下「本件納税保証人」という。)である請求人に告知処分(以下「本件告知処分」という。)及び差押処分(以下「本件差押処分」という。)を行った点に違法・不当がある旨主張する。しかしながら、本件換価の猶予の取消しは、滞納法人が本件換価の猶予により分割した金額ごとに定められた猶予期間内にその分割した金額に相当する国税を納付しなかったことから行われたものであって、国税徴収法第152条及び国税通則法第49条第1項第2号に従って適法に行われたものである。ところで、国税の担保としての保証人の保証は、主たる債務者である納税者の納税義務に対して付従性及び補充性を有するものと解されており、保証人に対する具体的徴収手続は、上記付従性及び補充性を考慮し、国税通則法第52条に規定されている。そして、①本件告知処分は、本件換価の猶予の取消しに伴って本件保証人に滞納国税を納付させるために必要な事項を記載した納付通知書により告知されていること並びに②本件差押処分は、請求人が上記納付通知書の納付期限までに滞納国税を完納しなかったこと、納付催告書でその納付を督促された滞納税額を納付しなかったこと及び滞納法人が既に廃業し、滞納処分を執行すべき財産がない旨判断した上で行われていることからすれば、いずれも上記付従性及び補充性を考慮し、国税通則法第52条に従い適法に行われたものである。そうすると、本件換価の猶予の取消し、本件告知処分及び本件差押処分は、いずれも違法・不当はなく適法に行われているのであって、請求人の主張を認めることはできない。(平16.2.27名裁(諸)平15-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150044
- 裁決年月日
- 平成15年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件課税処分及び本件督促処分について審査請求ができる期間内になされた本件債権差押処分は違法であり、また、本件債権差押処分は本件債権を地代収入として差し押さえているのは不当である旨主張する。しかしながら、課税処分及び督促処分について審査請求ができる期間内は差押処分をしてはならない旨の租税法上の規定はない。また、本件債権差押処分は、本件債権を地代収入として差し押さえたものではない。(平15.8.28東裁(諸)平15-44)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150044
- 裁決年月日
- 平成15年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、換価の猶予に係る担保の変更を求めたにもかかわらず、何らの返答も説明もせずになされた本件担保物処分のための差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、猶予期間が経過した後は担保の変更を求めることはできないと解されるところ、請求人の担保変更要求は、猶予期間経過後にされたものであり、原処分庁にはそれに返答する法令上の義務はない。また、請求人は、本件担保物差押処分が、請求人の予定する当該土地の明渡し訴訟上、不利な条件となり人権侵害である旨主張するが、独自の見解であって根拠がない。(平15.8.28東裁(諸)平15-44)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140009ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分(原処分)に先行する本件督促処分は、違法あるいは信義則違反、徴収権の濫用として取り消されるべきものであるから、原処分も違法である旨主張する。しかしながら、本件督促処分が適法かつ正当であることについては、本件督促処分に対する審査請求に係る裁決において示したところであるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.05.22.金裁(諸)平14-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140163
- 裁決年月日
- 平成15年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納国税を納付したくても納付することができない経済状態にあり、本件不動産を実際に売りに出して納税の意思を示しているにもかかわらず、原処分庁が一方的に本件差押えを行ったことは違法である旨、また、請求人は、銀行へ本件不動産を担保として提供することにより得られる資金をもって本件滞納国税を納付したいと考えているのであるから、原処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件差押処分は国税徴収法第47条の規定に基づき適法に行われている。また、上記の請求人の主張が、原処分の適法性に影響を及ぼすものではないことは明らかである。(平15.02.12.東裁(諸)平14-163)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140004
- 裁決年月日
- 平成14年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、差押調書謄本には請求人の納付すべき金額が明示されていないから違法である旨主張する。しかしながら、①本件差押調書謄本には、Aの滞納国税として「差押に係る国税の年度、税目、納期限及び金額」及び請求人の納付すべき金額として「以上本来の納税者Aの滞納国税のうち、連帯納付義務者として納付すべき金額」との記載があること、②本件督促処分に係る督促状には、請求人の連帯納付責任限度額として「被相続人から相続による受けた利益の価額に相当する金額」及びその根拠となる法令が記載されていること及び③請求人が相続により受けた利益の価額に相当する金額は、請求人にとって容易に把握できる金額であることから、差押調書謄本に請求人の納付すべき具体的な金額が明示されていないことをもって直ちに差押処分の効力を左右するものではないと解するのが相当である。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14.12.19.金裁(諸)平14-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130148
- 裁決年月日
- 平成14年2月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・718ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人が加害者を被告として提起していた損害賠償請求訴訟の第1審において認容された「貞操を侵害されたことにより請求人が被った精神的苦痛に対する慰謝料請求権」を、判決の言い渡しの日に差し押さえた処分は、慰謝料請求権が差押禁止財産に当たらないから適法である旨主張する。しかしながら、貞操を侵害されたことを理由とする被害者の慰謝料請求権は、被害者が慰謝料請求権を行使する意思を表示しただけでいまだその具体的な金額が当事者間において客観的に確定しない間は、被害者がなおその請求意思を貫くかどうかをその自律的判断に委ねるのが相当であるから、なお行使上の一身専属性を有するものというべきであって、被害者の債権者はこれを差押えの対象とすることはできないものと解される。これを本件についてみると、本件慰謝料請求権については、加害者が控訴して、その後において裁判上の和解がされているから、差押処分の時点においては行使上の一身専属性が失われたとはいえないから、差押えの対象とすることができないものというべきである。よって、本件差押処分は、違法であるといわざるを得ない。(平14. 2. 8.東裁(諸)平13-148)裁決事例集NO63・718ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130040
- 裁決年月日
- 平成13年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・513ページ
要旨
○ 請求人は、差押調書に記載された滞納税額に誤りがあるので、差押調書に瑕疵があり、瑕疵ある差押調書に基づいて行われた差押処分は無効である旨主張する。しかしながら、数個の租税債権を差押債権として行われた差押処分は、各租税債権ごとに数個の差押処分が競合するものではなく、差押処分は1個であり、従って、原因となった租税債権の一部に数額の誤りがあっても、そのことによって直ちに差押処分の効力が左右されるものではないと解されるところ、本件については、本件差押調書に記載された滞納税額の合計額は、その誤りが特に大きいとはいえないこと、及び滞納税額に誤りがなければ、本件差押物件を差し押えなかったであろう特段の事情があると認められないことからすれば、本件差押調書の滞納税額の記載の一部に誤りがあったというだけで、本件差押処分が無効であるということはできない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平13.12.19関裁(諸)平13-40)裁決事例集NO62・513ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130070
- 裁決年月日
- 平成13年10月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、物納申請の却下処分は明らかに違法であり、そして、その取消しを求める訴訟が係属しているにもかかわらず、原処分庁が差押処分をしたことは違法である旨主張するが、そもそも物納申請の却下処分と差押処分とはそれぞれ目的及び効果を異にした別個の行政処分であるから、物納申請の却下処分の違法を理由に差押処分の取消しを求めることはできず、また、行政事件訴訟法第25条第1項は処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力を妨げない旨規定しているのであって、本件訴訟が係属中であっても、本件却下処分の効力は妨げられないのであるから、請求人の主張には理由がない。(平13.10.24東裁(諸)平13-70)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130020
- 裁決年月日
- 平成13年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件差押処分の起因となった本件更正処分等が違法な処分であるから、当該差押処分も取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件更正処分等は、当審判所の裁決により、その一部が取り消されたが、当該取り消された部分以外の処分等の効力は消滅しておらず、かつ、これを無効とすべき重大かつ明白な瑕疵も存在しない。したがって、本件差押処分は、依然として適法に存在していると認められるから、請求人の主張には理由がない。(平13.10. 2.大裁(諸)平13-20)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平110006
- 裁決年月日
- 平成12年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株券は質権実行のために証券会社へ持ち込んだものであり、また、本件委任状は間違って作成されていることから、質権の第三者対抗要件である占有は継続しており、本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件差押処分をした時点においては、約定の弁済期日は到来しておらず、また、滞納者が期限の利益を失ったと認められる事実を確認できる証拠もないことから、履行遅滞の状態ではなかったとみるのが相当であり、質権実行の要件は満たしていなかったと解すべきである。また、本件委任状は、滞納者が債務弁済のための事務手続を請求人に依頼したことによるものというべきであり、証券会社の本件株券の占有は、滞納者から本件株券の売却の委託を受けたことによるものと解すべきである。したがって、請求人の占有が継続しているとはいえず、請求人の略式質は第三者対抗要件を欠くことになり、本件差押処分は適法である。(平12. 5.31沖裁(諸)平11-6)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110055
- 裁決年月日
- 平成12年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、納税意欲はあるのに、ほとんど話し合いの機会を与えられないまま、請求人に何の相談もなしに、すぐに原処分を行ったのは、違法・不当である旨主張するが、既に滞納期間は長期間にわたっており、この間、①原処分庁は、いったん平成8年7月19日付で生命保険契約に基づく解約返戻金の支払請求権の差押えを行っており、②その後、請求人において滞納国税の一部について約束手形を提供することを条件に当該差押えを解除したが、請求人は上記②の金額を納付したのみで、それ以降、原処分に至るまで、一度も納付を行わず、誠意ある対応をしなかったことが認められる上、そもそも、差押処分を行うに当たり、滞納者の了解を得なければならない旨を定めた法令の規定はなく、原処分庁が請求人の了解を得ず原処分を行ったとしても、原処分が違法・不当になるものではない。(平12. 5.29広裁(諸)平11-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110133
- 裁決年月日
- 平成12年4月18日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件異議申立ては、請求人が、債権差押処分に係る差押調書の謄本の送達を受け、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して2月を経過した後になされた不適法なものであるから、本件審査請求は、適法な異議申立てを経ないでなされた不適法なものである。(平12. 4.18東裁(諸)平11-133)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110100
- 裁決年月日
- 平成12年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、滞納国税の納付方法等について、総代が徴収担当職員と話し合っていたにもかかわらず、原処分庁が一方的に差押処分をした旨主張するが、徴収担当職員は、本件滞納国税について、総代と再三にわたって納付方法等の話し合いをしたが、総代が申し出た分割納付計画では、換価の猶予期間である1年を超えるため、同人に対して、差押の猶予することはできないとして、本件差押処分をする旨申し渡したもので、本件差押処分が一方的にされたものとは認められないから、この点に関する請求人らの主張は採用できない。また、請求人らは、被相続人の家族は本件差押物件がいつ換価されるか分からないという不安を抱えており、本件差押処分は被相続人の家族の人権を侵害するものであるから直ちに解除すべきである旨主張するが、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、本件差押物件以外に本件滞納国税に見合う適当な財産は見当たらず、本件差押物件が差押禁止財産に該当しないこと及び差押の猶予又は解除の要件もないことは明らかであるから、この点に関する請求人らの主張は採用できない。(平12. 3.31大裁(諸)平11-100)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110069
- 裁決年月日
- 平成12年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件課税処分は明白性を論ずる必要のない程度に重大な瑕疵のある違法・無効なものであり、このような無効な課税処分を前提としてなされた本件差押処分は違法である旨主張する。ところで、課税処分と差押処分との関係についてみると、両者は、それぞれ別個の独立した法律効果の発生を目的とするものであり、結合して単一の法律効果を生ずるものではないから、仮に、先行処分である課税処分が違法であってもそれが取り消されずに存続している以上、後行処分である差押処分は、原則として、それ自体に瑕疵がない限り違法とはならない。そこで、これを本件についてみると、本件課税処分は、不服申立期間内に不服申立てがされていないので確定しており、また、課税庁が本件課税処分を行ったことに重大かつ明白な瑕疵があると認めるに足りる証拠はないばかりか、むしろ、本件課税処分は適正であると認められることから、本件課税処分に係る違法を理由として本件差押処分の取消しを求める請求人の主張は採用できない。(平12. 2.25名裁(諸)平11-69)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110020
- 裁決年月日
- 平成11年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連帯納付責任額については、税額確定手続を必要とするものであり、税額確定手続がないままにされた本件各処分は、その基礎となる税額が存在しないことから無効である旨主張する。しかしながら、相法第34条第1項の連帯納付責任は、固有の相続税の納税義務の確定という事実に照応して法律上当然に生じるものであるから、連帯納付責任につき格別の税額確定手続を要するものではなく、請求人の主張には理由がない。(平11.10. 7大裁(諸)平11-20)、(平11.10. 7大裁(諸)平11-21、22)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平100064
- 裁決年月日
- 平成11年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090050
- 裁決年月日
- 平成10年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・1ページ
要旨
○ 請求人は、相続放棄の申述書が家庭裁判所に受理されているから初めから相続人とならず、したがって納付義務を承継していないから、本件差押処分も違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、被相続人の死亡当時の平成7年3月21日、被相続人と住所を同じくしていて、請求人が被相続人の死亡届出を行っており、また、同月31日受付で相続を原因として請求人の法定相続分と異なる持分による所有権移転登記がなされているので、当該受付の前に請求人らの間で遺産分割協議が行われたものと推認されることから、請求人は、遅くとも同月31日までには相続開始の原因たる事実及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知ったということになり、その時点から相続の承認又は放棄を選択できる民法第915条第1項の3か月の期間は起算すべきこととなる。そうすると、請求人が相続の放棄をしたのは平成7年9月22日であるから、上記期間内に相続の放棄をしなかったことに該当し、当該相続放棄は実体的要件を欠き無効となり、請求人は民法第921条の単純承認をしたものとみなされるから、原処分庁が納付義務の承継があったと認定したことは相当である。また、本件差押処分の手続に違法な点はないから、請求人の主張はいずれも採用できない。(平10. 2.19名裁(諸)平 9-50) 裁決事例集No55・1ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090003
- 裁決年月日
- 平成9年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 600401020
- 争点
- 4差押え/1差押えの通則/2差押えの効力
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件滞納国税に係る督促状はもちろん、本件相続税の納税に関する一切の通知又は連絡を受けていないから、これらの手続を欠いた上で行われた本件差押処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件滞納国税に係る督促状は請求人に郵送されていることが認められ、その督促状が返戻された事実は確認できないから、当該督促状は、通常到達すべきであった時に送達があったものと推定され、また、請求人はこの推定を覆す特段の主張、立証をしていないから、当該督促状の送達の効力は生じていると解するのが相当である。なお、督促状を除き、申告額又は滞納税額を納税者に連絡し、又は通知する旨を定めた法令の規定はないから、原処分庁がこれらのことをしなかったとしても、それによって本件差押処分が違法となるものではない。(平 9. 7.25大裁 (諸) 平 9-3)
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