裁決事例 税額の計算

裁決事例 税額の計算

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昭和50年3月7日裁決

収用等によって得た営業補償金は3年以上の営業補償としてなされたものではないから臨時所得に該当しないとした事例

裁決事例集 第9集 17頁

要旨

 起業者が請求人に支払った補償金は、公共事業に伴う地上物件移転期間の一時的な営業休止の損失を補償するための営業補償金として支払われたものであり、永久的な事業縮小に対する補償ではなく、また、この補償金の額は請求人の提出に係る営業決算調書記載の数額を基礎として計算された数か月分の営業休止に見合う損失補償金であり、3年以上の事業所得の補償とは認められないから、所得税法施行令第8条第3号の臨時所得には当たらない。

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平成14年11月20日裁決

台湾の土地増値税は個人の所得を課税標準としていない税であるから外国所得税に該当しないとした事例

裁決事例集 第64集 185頁

要旨

 請求人は、台湾で納めた本件土地増値税は土地の譲渡に基因して納付する税であり、我が国の譲渡所得に係る税と類似性があるので外国税額控除の対象となる外国所得税に該当する旨主張する。
しかしながら、台湾の土地増値税は、無償譲渡の場合は受贈者、有償譲渡の場合は譲渡者、質権設定の場合は質権設定権者が納税義務者となること、所有者に対して10年ごとにその所有期間の評価差額に対して課するという基本概念があること、及び有償譲渡の場合の課税標準は現に獲得した利得ではなく譲渡時の評価額から所有開始時の評価額及び当該土地に改良のため支出した費用を控除した後の金額とされていることから、我が国の譲渡所得の所得税に相当する税には当たらないものと認められるので外国税額控除の対象となる外国所得税には該当しないと判断するのが相当である。

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平成18年11月27日裁決

所得税の確定申告において、源泉徴収義務者が過大に徴収した源泉所得税の額を算出所得税額から控除することはできないとした事例

裁決事例集 第72集 246頁

要旨

 請求人は、源泉徴収制度は、徴収義務者が一定の所得税額を天引徴収して納付する手続であり、源泉徴収によって納付された所得税は、原則的に確定申告によって清算され、給与等の支払者が誤って過大に徴収納付した金額は、所得税法第120条第1項第5号に規定する「源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額」に含まれると解することに法文上の支障はなく、このように誤った徴収納付がされた場合には、納税義務者は確定申告において清算調整することができると解すべきである旨主張する。
 しかしながら、源泉所得税と申告所得税との各租税債務の間には同一性がなく、源泉所得税の納税に関しては、国と法律関係を有するのは支払者のみで、受給者との間には直接の法律関係を生じないものとされていることからすれば、所得税法第120条第1項第5号の源泉徴収税額の控除の規定は、申告により納付すべき税額の計算に当たり、算出所得税額から源泉徴収の規定に基づき徴収すべきものとされている所得税の額を控除することとし、これにより源泉徴収制度との調整を図る趣旨のものと解されるのであり、その税額の計算に当たり、源泉所得税の徴収・納付における過不足の清算を行うことは所得税法の予定するところではない。のみならず、給与等の支払を受けるに当たり誤って源泉徴収をされた(給与等から不当に一部天引控除された)受給者は、その不足分を即時かつ直接に支払者に請求して追加支払を受ければ足りるのであるから、このように解しても、その者の権利救済上支障は生じない。
 そうすると、所得税法第120条第1項第3号に掲げる算出所得税額から控除すべき同項第5号に規定する「源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額」とは、所得税法の源泉徴収の規定に基づき、正当に徴収された又はされるべき所得税の額を意味するものであり、給与その他の所得についてその支払者がした所得税の源泉徴収に誤りがある場合に、その受給者が、所得税の確定申告の手続において、支払者が誤って徴収した金額を算出所得税額から控除し又は誤徴収額の全部若しくは一部の還付を受けることはできないと解するのが相当であり、この点に関する上記の請求人の主張は、独自の見解であって採用できない。

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平成16年4月26日裁決

中途解約に伴い賃借人に対し返還不要となった敷金及び建設協力金は、不動産所得の収入金額に当たるとするとともに、当初申告で平均課税の適用をしていないことに「やむを得ない事情」があると認められないとした事例

裁決事例集 第67集 135頁

要旨

 請求人は、中途解約に伴い返還不要となった敷金及び建設協力金のうち不動産所得の収入金額とされるのは、賃料の減収による損失及び解約に伴う諸費用の実費弁償等としての補償額等に限定され、その余は一時所得に該当する旨、また、仮に不動産所得の収入金額となるのであれば、臨時所得に該当し平均課税の規定が適用される旨主張する。
 しかしながら、中途解約の合意内容等によると、返還不要の敷金及び建設協力金は、賃料の減収によって生ずる損失等、その後の不動産貸付業務に係る収益の減収に対する補償として取得したものと認められ、不動産賃貸業務の遂行によって生ずる収入金額に代わる性質を有するものであることから、その全額が不動産所得に係る収入金額であると認められる。
 また、当初の確定申告で、臨時所得に該当する金額がなかったのは、請求人が、税法の解釈を誤って、返還不要の敷金及び建設協力金を一時所得として申告したためであり、これは、客観的にみて納税者の責めに帰すことのできない事情とはいえず、「やむを得ない事情」があると認められないことから、平均課税の規定の適用を受けることはできない。

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平成19年10月9日裁決

外国に所有するマンションに係る譲渡所得を申告しなかったため平成16年分の所得税の更正処分を受けた請求人が外国税額控除の適用があるとして同処分の取消しを求め、また、外国税額控除が平成16年分の所得税において適用されないなら、平成17年分において適用すべきとの主張を排斥した事例

裁決事例集 第74集 98頁

要旨

 請求人は、A国に所在する不動産を平成16年に譲渡した所得は日本とA国の両方で課税対象となっており、二重課税の状況にあることから平成16年分の所得税において外国税額控除を適用すべきであり、また、平成16年分の所得税において外国税額控除が適用されないのであれば、平成17年分の所得税において外国税額控除を適用すべきであるから、請求人の更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の通知処分を取り消すべきである旨主張する。
 しかしながら、請求人の場合、A国で納付すべき外国所得税の額が確定したのは平成17年中であり、平成16年中に納付する外国所得税の金額はないから、平成16年分の所得税額の計算において外国税額控除の適用を認める余地はなく、平成16年分の所得税の更正処分は適法である。
 また、請求人が提出した平成17年分の所得税の確定申告書及びこれに添附された外国税額控除に関する明細書には、適法に計算された金額が記載されているから、更正の請求に理由がないとする当該通知処分は適法である。

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平成24年12月20日裁決

裁判上の和解により取り消された配当に係る源泉所得税について、申告等の手続により還付を求めることはできないとした事例

裁決事例集 第89集

要旨

 請求人は、裁判上の和解(本件和解)により取り消された配当(本件配当)について源泉徴収された所得税の額(本件源泉所得税)は、所得税法第181条《源泉徴収義務》の規定に基づいて適法に徴収・納税されたものであるから、適法に源泉徴収された年金について受給者が申告等の手続で精算することを認めた最高裁平成22年7月6日第三小法廷判決(本件最高裁判決)を準用し、申告等の手続によって精算できる旨主張する。
 しかしながら、本件和解により本件配当が取り消された後は、本件配当はその支払の時点まで遡って無効となるのであるから、所得税法第181条の源泉徴収義務の適用対象とならず、本件源泉所得税は、同法第120条《確定所得申告》第1項第5号の「源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額」には該当しない。また、本件最高裁判決は、生命保険契約等に基づく年金に係る源泉徴収義務について判断したものであり、源泉徴収義務についての法令の根拠がなくなった源泉所得税についてまでも申告等の手続においてその精算を認めたものではない。

参照条文等

所得税法第120条第1項第5号第181条第1項第207条

参考判決・裁決

最高裁平成4年2月18日第三小法廷判決(民集46巻2号77頁) 最高裁平成22年7月6日第三小法廷判決(民集64巻5号1277頁)

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平成21年12月2日裁決

確定申告書に外国税額控除を受けるべき金額の記載及び書類の添付をしなかったことについて、やむを得ない事情はないとした事例

裁決事例集 第78集 200頁

要旨

 請求人は、A国での所得に係る税金を故意に逃れたわけではなく、A国での所得が日本で課税の対象となることを知らなかっただけであるから、所得税法第95条第7項に規定する「やむを得ない事情」があったといえる旨主張する。
 しかしながら、所得税法第95条第7項に規定する「やむを得ない事情」とは、例えば、外国所得税を課されたことを証する書類を添付しようとしたが、外国政府の事務処理上の都合でこの書類の作成が遅れ、期限までに入手できず確定申告書に添付できなかった場合など、納税者の責めに帰すことのできない客観的事情をいい、納税者の法の不知や事実の誤認などの主観的事情はこれに当たらないと限定的に解するのが相当である。
 本件の場合、請求人において、確定申告書に外国税額控除を受けるべき金額の記載及び外国税額控除に関する書類の添付のいずれもしなかったのは、同人がA国での所得が日本で課税の対象となることを知らなかったことに基因するものであるところ、このことは、請求人の税法の不知という主観的な事情によるものであるから、請求人の責めに帰すことのできない客観的事情によるものということはできない。

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平成19年3月12日裁決

賃貸借契約の中途解約に伴い賃借人に対し返還不要となった敷金及び建設協力金に係る所得は、3年以上の期間の不動産所得の補償に当たらないから臨時所得に該当せず、平均課税は適用されないとした事例

裁決事例集 第73集 265頁

要旨

 請求人は、解約合意書に補償対象期間の具体的な記載はないものの、賃貸借契約書には契約期間が明記されていることから賃貸借契約の終期までの残存期間である9年9か月を本件返還不要敷金等が補償の対象としているとみるべきである旨主張する。
 しかしながら、臨時所得の範囲として、所得税法施行令第8条第3号は、不動産貸付業務に係る「3年以上の期間の不動産所得の補償として受ける補償金に係る所得」と規定しているところ、所得の補償とは、中途解約に伴い生じた逸失利益、すなわち不動産貸付業務を継続すれば得られたであろう所得の額を補償するものであり、その所得を得るために継続して生ずる費用、例えば、減価償却費、租税公課等の費用の額を併せて補償することが必要であると解するのが相当であるから、所得の額と費用の額の合計額、すなわち収入金額に相当する金額を補償して初めて所得の補償といえる。
 これを本件についてみると、本件返還不要敷金等は、違約金名目ではあるが、その実質は、①解約後の収益補償として支払われるもの及び②解約に伴う諸費用の実費弁償として支払われるものから成っていると考えられるから、本件返還不要敷金等に係る所得が、臨時所得となる3年以上の期間の補償に該当するか否かを判断するためには、本件返還不要敷金等の金額のうち、上記①に係る金額について、1年当たりの収入金額に相当する金額で除して補償対象期間を算定するのが合理的であると認められる。
 そこで、本件返還不要敷金等の金額の全額を上記①に係る金額と仮定して、本件返還不要敷金等の金額(18,111,800円)を1年当たりの収入金額に相当する金額(9,864,792円(中途解約時の月額賃貸料822,066円×12月))で除して補償対象期間を計算すると、約1年10か月となり、3年以上の期間の不動産所得の補償には当たらない。
したがって、本件返還不要敷金等に係る所得は臨時所得に該当しないことになるため、平均課税の方法により所得税の額を計算することはできない。

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平成19年11月29日裁決

所得税法第90条に規定する平均課税を適用せずに確定申告が行われた後、平均課税の適用を求めてなされた国税通則法第23条第1項に基づく更正の請求が認められないとした事例

裁決事例集 第74集 88頁

要旨

 請求人は、国税通則法第23条に規定する更正の請求は確定申告書の誤りを申告後に変更するための制度であり、確定申告書自体を訂正する意味を持つため、本件規定を適用せずに本件確定申告書を提出しても、本件更正の請求により本件規定の適用が認められるべきである旨主張する。
 しかしながら、本件規定の適用を受けるには、所得税法第90条第4項において確定申告書に本件規定の適用を受ける旨及び平均課税の計算明細を記載することが要件とされているところ、本件確定申告書にはこれらの記載はなく、請求人は本件規定を適用せずに税額計算を行ったということとなる。そうすると、本件確定申告書において本件規定を適用せずに税額計算を行ったことは、そのこと自体法律の規定に反するものではなく、また、その計算に誤りはないと認められることから、本件確定申告書には、国税通則法第23条第1項に規定する課税標準等若しくは税額等の計算が国税の法律に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったとは認められないため、請求人の主張には理由がない。

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平成20年4月15日裁決

賃借人が預託していた保証金で返還不要とされた金員は臨時所得に該当しないとした事例

裁決事例集 第75集 260頁

要旨

 請求人は、賃借人が請求人に預託していた保証金で返還不要とされた本件返還不要保証金は臨時所得に該当するから、平均課税の適用が認められるべきである旨主張する。
  しかしながら、本件返還不要保証金は、3年以上の期間の不動産所得の補償に当たるとは認められないことから、臨時所得に該当しない。また、本件申告書には平均課税の適用を受ける旨の記載等がなく、当該記載等がないことについて、やむを得ない事情は認められない。
  したがって、請求人の場合、平均課税の適用を受けるために必要な要件を欠いているから、更正の請求の要件である「申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより、同申告書の提出により納付すべき税額が過大である場合」には当たらないことになる。

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平成23年2月2日裁決

転貸の目的となった建物の賃貸借契約の終了に伴い生じた債務免除益について3年以上の期間の不動産所得の補償であるか否かを判断するに当たり、その転貸に係る賃貸人の地位を承継する場合は、その賃貸借契約終了前後の1年当たりの賃貸料の額と新たに負担することとなる修繕費の額を基礎として判断するのが相当とした事例

裁決事例集 第82集

ポイント

 臨時所得となる3年以上の期間の補償に該当するか否かについて、補償の期間が契約等で示されていない場合などは、補償に至った各種事情等を総合的にみて、補償に係る金額の算定の基礎とされるべき内容及びその金額に基づき判定するのが相当と解される。
 この事例は、建物の賃貸借契約の終了後も一定の賃料収入が保証された上で生じた債務免除益が3年以上の期間の補償に該当するか否かにつき、判断の基礎となる1年当たりの減収額を、当該賃貸借契約終了前の1年当たりの賃貸料の額(収入していた金額の全部)とすべきか、同契約終了前後の1年当たりの賃貸料の額の差額に、新たに負担することとなる修繕費の額を加味した額(収入していた金額の一部)とすべきかが争われたものである。

要旨

 原処分庁は、債務免除により補償されたのは請求人らがF支社から受領する年間賃貸料であり、そうすると債務免除益は3年以上の期間の不動産所得の補償には当たらない旨主張する。
 しかしながら、補償に係る契約等において、補償に係る金額が3年以上の期間の補償に該当するか否かの判定について、賃借人が賃借物件を転貸しており、賃貸人との賃貸借契約期間の満了後は、賃貸人が、転借人との間で新たに賃貸借契約を結び、転貸人の地位を承継することに伴い補償されたような場合で、その内容が不動産貸付業務の形態の転換に伴い減少することとなる収入の額又は新たに負担することとなる費用の額を考慮した補償と認められる場合であれば、補償に係る金額が、減少することとなる収入の額又は新たに負担することとなる費用の額の3年以上の期間に相当する金額であるか否かで、臨時所得の要件である3年以上の期間の補償に該当するのかを判定するのが相当である。
 したがって、賃貸借契約の終了に伴い、賃貸住宅に係る賃貸人たる地位を承継し、賃貸借契約終了前の賃借人(転貸人)に代わって賃貸住宅の入居者から賃貸料収入を得ることができた請求人らに係る1年当たりの減収額は、請求人らの所有する住宅の賃借料の額と転貸人が入居者から受領していた賃貸料の額から転貸人が負担していた修繕費の額を控除した額との差額とするのが相当であり、そうすると、F支社が請求人らに対して行った債務免除に係る補償の期間は3年以上の期間の不動産所得の補償に該当する。

参照条文等

所得税法第2条第1項第24号第90条 所得税法施行令第8条第3号

参考判決・裁決

昭和59年1月24日裁決(裁決事例集No.27・63頁)平成19年3月12日裁決(裁決事例集No.73・265頁)平成20年4月15日裁決(裁決事例集No.75・260頁)

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平成25年4月25日裁決

県民住宅経営安定化促進助成制度に基づいて一括交付を受けた金員は、所得税法施行令第8条第2号に掲げる所得に類する所得に当たらず、臨時所得には該当しないとした事例

裁決事例集 第91集

要旨

 請求人は、県民住宅経営安定化促進助成制度に基づいて一括交付を受けた金員(本件金員)は、不動産所得の必要経費(支払利息)を補填するために県優良民間賃貸住宅等利子補給制度に基づき交付を受けていた利子補給金の17年間分を一括で受けたものであるから、本件金員に係る所得は、所得税法施行令第8条《臨時所得の範囲》第2号に掲げる所得に類する所得に当たり、所得税法第2条《定義》第1項第24号に規定する臨時所得に該当する旨主張する。
 しかしながら、本件金員は、賃借人である県住宅供給公社又は転借人である入居者に請求人の所有不動産を使用させることを約することにより受ける対価ではないところ、所得税法施行令第8条第2号に規定する資産を使用させることを約することにより受ける「対価」そのものではなく、また、当該「対価」としての性質を有するものでもないから、本件金員に係る所得は、同号に掲げる所得に類する所得に当たらない。したがって、本件金員に係る所得は、所得税法第2条第1項第24号に規定する臨時所得には該当しない。

参照条文等

所得税法第2条第1項第24号 所得税法施行令第8条

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令和元年5月28日裁決

サンゴ漁に係る所得が平均課税の対象となる変動所得に当たるとした事例

裁決事例集 第115集

ポイント

 本事例は、請求人の営むサンゴ漁に係る所得は「漁獲から生ずる所得」として変動所得に該当するとしたものである。

要旨

 原処分庁は、請求人が営むサンゴ漁について、①宝石サンゴは自ら移動せず水産植物と同様の生態であることや採取された宝石サンゴのほとんどは死滅した枯れ木であることなどから、所得税基本通達2-30《漁獲の意義》に定める「水産動物を捕獲すること」に当たらず、また、②宝石サンゴは他の水産動物とは異なり、天候等の自然現象によって漁獲高が変動しないことを理由に、所得税法第2条《定義》第1項第23号に規定する「漁獲」には該当せず、請求人が営むサンゴ漁に係る所得は変動所得に該当しない旨主張する。
 しかしながら、平均課税制度の趣旨や変動所得に係る規定の改正経緯に照らすと、同号に規定する「漁獲」とは、水産物の捕獲又は採取を意味し海草等の水産植物の採取や養殖(水産養殖)はこれに含まれないと解されるところ、宝石サンゴは海中から採れる水産物(生物学上は動物に分類される。)であり、サンゴ漁は水産動物の捕獲又は採取にほかならないから同号に規定する「漁獲」に該当する。したがって、請求人の営むサンゴ漁に係る所得は、「漁獲から生ずる所得」として変動所得に該当するというべきである。

参照条文等

所得税法第2条第1項第23号第90条 所得税法施行令第7条の2 所得税基本通達2-30

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