裁決事例 特定資産の買換えの場合等の課税の特例

裁決事例 特定資産の買換えの場合等の課税の特例

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昭和61年7月3日裁決

法人の事業概況説明書は特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例に係る買換資産の取得期間の延長承認申請書とは認められないとした事例

裁決事例集 第32集 283頁

要旨

 請求人は、買換資産の取得期間延長承認申請書の提出について、原処分庁の指導や所定の用紙の送付がなかったため、法定の提出期限内に事業の遅延状況を記載した法人の事業概況説明書を提出した後、所定の取得期間延長承認申請書を提出したので、課税の特例の適用を認めるべきであると主張するが、買換資産の取得期間の延長承認申請は、請求人の判断と責任において、法定事項を記載した申請書を法定提出期限までに提出すべきであり、事業の遅延状況を記載した法人の事業概況説明書は、取得期間延長承認申請書とは認められないから、特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例の適用は認められない。

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昭和47年6月28日裁決

譲渡資産は特定資産の買換えの特例の対象から除外される「たな卸資産」に当たるとした事例

裁決事例集 第4集 37頁

要旨

 事業に使用する目的をもって長期間保有されていた土地であっても、その土地を別荘地として分譲する目的で造成し、区画割が行われ、不特定多数の顧客を求めて売却された事実が認められる場合には、かかる目的の下に造成に着手した段階で、その土地は従来からの使用目的から離れて販売を目的とする土地に転換され、その売却時には棚卸資産の範ちゅうに入るものであると判断される。

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昭和63年11月22日裁決

買換資産の取得価額の変更に伴って生じた圧縮限度超過額は翌期以降における買換資産の取得に充てるための特別勘定として経理したものとすることはできないとした事例

裁決事例集 第36集 187頁

要旨

 損金経理をした買換資産の圧縮記帳額のうち、買換資産の取得価額の変更に伴って、圧縮限度額を超えることとなった金額については、その超える金額を特別勘定への繰入額として経理したものとして、所得金額の計算上損金の額に算入し、その課税を翌事業年度以降に繰り延べるとする法令の規定はないから、その繰入限度超過額を特別勘定に経理したものとして取り扱うことはできない。

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昭和53年12月25日裁決

土地等が譲渡資産との関係において買換資産に該当しないときは当該譲渡資産との関係において建物等だけを買換資産とすることはできないとした事例

裁決事例集 第17集 96頁

要旨

 租税特別措置法(昭和51年法律第5号による改正前のもの)第65条の7第1項に規定する「その土地等の取得に伴い取得をされる建物等」の「その土地等」とは、同項の規定に該当する買換資産である土地等をいうものと解されるから、一つの譲渡資産との関係において土地等が同項の規定に該当しても、他の譲渡資産との関係において当該土地等が同項の規定に該当しないときは、当該他の譲渡資産との関係において当該土地上に建築される建物等だけを買換資産として同項の規定に該当するものとすることはできない。

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平成3年3月29日裁決

特定資産の買換えの場合の圧縮記帳に伴う差益割合の計算に際し、解約違約金を譲渡費用に含めた事例

裁決事例集 第41集 381頁

要旨

 当初の契約の解約は、その目的が本件譲渡資産の譲渡の実現のためであり、その効果は専ら次の契約の譲渡に帰属することとなり、かつ、本件違約金は当初契約を合意解約するために支払われたものであるから、本件違約金は、次の契約の譲渡のために直接かつ通常必要な費用であると認めるのが相当である。
 そうすると、本件違約金は譲渡に要した経費に該当する。

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平成元年6月13日裁決

請求人が原処分庁に提出した上申書等は租税特別措置法施行令第39条の7第26項の買換資産の取得期間延長申請書としての法定記載事項を欠き、また、最終提出期限を経過した後に提出されたものであるから、適法な取得期間延長申請書とは認められないとした事例

裁決事例集 第37集 320頁

要旨

 請求人が原処分庁に提出した上申書及び嘆願書は、租税特別措置法施行令第39条の7第26項の買換資産の取得期間延長申請書としての法定記載事項を欠くものであり、また、仮に同項かっこ書に規定するやむを得ない事情があったとしても、これらの書類は取得期間延長申請書の最終提出期限を経過した後に提出されたものであるから、適法な取得期間延長申請書とは認められない。

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平成2年5月28日裁決

本件船舶の譲渡価額のうちには船舶建造引当権の対価の額が含まれており、当該船舶建造引当権の譲渡対価については、租税特別措置法第65条の7に規定する特定資産の買換えの特例の適用はないとした事例

裁決事例集 第39集 53頁

要旨

 請求人は、船舶の譲渡価額は船体価額であって建造引当権の対価は含まれていないと主張するが、[1]内航海運業界では、船腹量調整のため船舶の解撤等を引当てに代替船の建造等を認める方式がとられ、建造引当権を売買の対象とする慣行があること、[2]請求人所在地近辺の取引実例5件では、建造引当権の対価が定められていること、[3]転売に係る譲受人の所持する売買契約書原本には建造引当権の特約があること、及び[4]船舶を建造した造船所及び譲受人の答述を総合すれば、本件船舶の譲渡価額には、建造引当権の対価の額が含まれていることが認められ、その対価は、租税特別措置法(昭和59年法律第6号による改正後のもの)第65条の7“特定の資産の買換えの場合の課税の特例”に規定する特定の資産の買換えの特例の対象とはならず、したがって、同法第65条の8“特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例”に規定する特別勘定の金額のうち上記建造引当権の対価の額に相当する繰入限度超価額を益金の額に算入した原処分は相当である。

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平成7年12月18日裁決

特定の資産の買換えの課税の特例を適用した船舶の譲渡契約に係る対価の額には、内航貨物船に係る建造引当権が含まれており、当該建造引当権の対価の額につき買換えの特例が適用されないとした事例

裁決事例集 第50集 202頁

要旨

  1.  請求人は、原処分庁が認定した建造引当権の対価の額は、推定であり根拠とならず、また、高額である旨主張するが、[1]内航海運業界では、建造引当権を売買の対象とする慣行が存在し、その取引相場に基づき売買されていること、[2]取引実例による1重量トン当たりの建造引当権は、いずれも認定額を上回っていること、[3]解撤業者から請求人の代表者の口座へ別途船体に係る購入価額に相当する対価の額が振り込まれており、本件譲渡契約には船体は含まれていないと認められることから、建造引当権の対価の額につき原処分庁の認定は、相当である。
  2.  したがって、建造引当権の対価の額に相当する金額につき、特定の資産の買換えの課税の特例を適用できないとした原処分は相当である。
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平成18年3月27日裁決

建物を譲渡し土地を取得した買換えについては租税特別措置法第65条の7に規定する特定の資産の買換えの場合の課税の特例は適用されないとした事例

裁決事例集 第71集 459頁

要旨

 請求人は、租税特別措置法第65条の7の解釈及びその立法趣旨から、建物を譲渡し土地を取得した買換えの場合に本件特例が適用される旨主張する。
 しかしながら、租税特別措置法第65条の7第2項は、同条第1項の規定を適用する場合の条件を加重的に定めたものであり、第1項に定める表の区分ごとに、買換資産である土地等のうち、譲渡資産である土地等の面積の一定割合を超える部分の面積に対応するものは、買換資産に該当しないものとされている。そうすると、譲渡資産に土地等がない買換えの場合には、譲渡資産である土地等の面積は零となるので、買換資産である土地等のすべての面積が、譲渡資産である土地等の面積の一定割合を超える部分の面積に該当して買換資産に該当しないこととなる。
 この解釈は、国土政策に反する不要不急の土地の取得や仮需要の抑制を図り、不要の土地取得を制度上認めないという租税特別措置法第65条の7第2項の立法趣旨にも沿うものである。

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