裁決事例 役員賞与

裁決事例 役員賞与

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平成15年2月13日裁決

代表者が同人の長男を伴って海外出張した場合のその長男の海外渡航費は、法人の業務の遂行上必要な費用であるとは認められないとした事例

裁決事例集 第65集 414頁

要旨

 代表者Gの本件海外出張は請求人の業務であるが、これに同伴した長男は、出張時は7歳から9歳であり、代表者Gの扶養親族となっている。そして、当然ながら請求人の役員でもなく使用人でもないので、長男を同伴したことは、法人業務の遂行のために必要な同伴とは認められない。
 なお、長男の同伴が出張先の代表者からの求めに応じてされたものであるとしても、また、出張先の経営陣及びその家族との次世代交流が図られたというメリットがあったとしても、そのことが請求人の業務の遂行に明らかに関係するとは認められず、出張先がその一部を負担していたことをもって、請求人が負担した長男の海外渡航費を損金の額に算入すべき理由になるとも認められない。
 そうすると、長男の海外渡航費は、長男を扶養親族とする代表者Gが個人的に負担すべき費用であるから、代表者Gに対する臨時的な給与すなわち賞与とするのが相当である。

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昭和62年11月30日裁決

使用人兼務役員の使用人としての職務に対する相当な賞与の額を算出する場合に比準者が存しないときはその地域の給与等の伸び率を勘案して算出すべきであるとした事例

裁決事例集 第34集 96頁

要旨

 使用人兼務役員に対する使用人分賞与は、請求人の他の使用人を比準者として算定すべきであり、当該他の使用人が能率給を受給する者で使用人兼務役員とは職務内容、給与の支給基準を異にしていたとしても、上記判断に何ら影響を及ぼすものではないと原処分庁は主張するが、使用人兼務役員と他の使用人とがその職務内容、給与の支給基準を著しく異にする場合には、比準者とすることは合理性がなく、その地域の平均の給与の伸び率、賞与の支給倍率等を勘案して算出するのが相当である。

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平成2年1月30日裁決

地元神社の改築資金の寄付は、会社役員(社主)が実行し、その資金を営利法人たる請求人が提供したものと認定した事例

裁決事例集 第39集 275頁

要旨

  1. 寄付の目的が、社主及びその父が生来崇拝してきた地元神社の改築資金の大部分を負担するものであること
  2. 神社の氏子・信徒の広がりは、その地域に限定されていること
  3. 宗教等の喜捨は、自然人に期待されるものであること
  4. 芳名碑及び顕彰之碑には、社主の個人名が刻され感謝状も社主個人に与えられたこと、また、募金者側は、個人の篤行に感謝の念を抱くものであること
  5. 寄付金の額が多額で、募金総額の大部分を占めること
  6. その支出決定は、社主の敬神崇祖の念に由来すること
  7. 社主の寄付申出の確言は、取締役会の決議時期よりもかなり早くなされ、その確言により、神社の奉賛会が結成され、神社改築工事に着手したものであるからその支出決定は、社主個人の判断と認められること
  8. 取締役会の決議は、本件寄付金をするかどうかというよりも、その資金負担について承認したものと認められること

等の事実からすれば、営利法人たる請求人がしたものとしては、あまりにも高額で不自然であり、社主個人が寄付を実行し、請求人が代わってその資金を提供したものと認めるのが相当である。

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昭和45年12月17日裁決

役員の結婚式、結婚披露宴の費用は損金算入できないとした事例

裁決事例集 第1集 30頁

要旨

 結婚式、結婚披露宴は、社会通念上私的行事であり、法人の取引先同業者等を招待した場合であっても、これらの費用を法人の交際費として損金とすることは相当でない。

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昭和50年9月6日裁決

親会社からの受入外人役員に支給した子女教育費について役員賞与であるとした事例

裁決事例集 第10集 34頁

要旨

 支給される子女教育費が、臨時的な給与であるかどうかは、受給者における使途とは関係なく、支給の実態により判断すべきところ、請求人が外人役員に対して支給した本件子女教育費は、毎月規則的に、継続して支給されるものではなく、年1回ないし2回支給されており、また、その具体的な数額は支給時に確定するものと解される。従って、支給されたその金員は臨時的な給与、すなわち役員賞与に該当すると認められ、損金の額に算入することはできない。

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昭和48年6月19日裁決

役員の配偶者に支給した金員は当該役員に対する賞与であるとした事例

裁決事例集 第6集 38頁

要旨

 役員及び使用人の配偶者の内助の功は、請求人に直接及ぶものでなく、役員及び使用人による労務の提供を通じて請求人に及ぶものであるから、配偶者に支給した金員は、労務の提供者である役員及び使用人に対し支給された給与とみるのが相当である。
 したがって、役員の配偶者に支給した金員は、その役員に対する臨時的な給与であり、役員賞与と認めるのが相当である。

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昭和52年7月5日裁決

期中に増額しそ及して支給した役員報酬は賞与に当たるとした事例

裁決事例集 第14集 21頁

要旨

 請求人は、当事業年度において役員報酬を2回にわたり増額し、2回目の増額に際しては3か月そ及して支給することとし、その増額分は各受給者に支給することなく請求人に貸し付けたこととしている。また、同増額分については、その後継続して支給されておらず後に大幅に減額していること、本件2回にわたる増額がいずれも適式な株主総会等の決議によるものでないこと等の事実が認められる。これらの事実を併せ考えると、請求人は当事業年度がたまたま好況であり、予想を上回る収益が確実視されるに至ったところから、当事業年度の利益調整を意図してこれらの報酬を支給したものと思われ、特にそ及して支給したことについて、他に合理的な理由を見出すことができない。したがって、そ及して支給した当該増額差金はあらかじめ支給基準の定めのない臨時的な給与に当たるものというほかはなく、これを役員に対する賞与であると認定した原処分は相当である。

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令和2年12月17日裁決

請求人の取締役が使用人兼務役員に該当しないとした事例

裁決事例集 第121集

ポイント

 本事例は、請求人の取締役が、職務分掌の変更により使用人としての職制上の地位を有しないこととなったと認められることから、当該職務分掌以後は使用人兼務役員に該当しないとしたものである。

要旨

 請求人は、同族会社である請求人の取締役(本件取締役)について、取締役に就任した後も、請求人の営業部の部長職である職制上の地位を有していること、営業部長として代表取締役の指揮命令系統に属する職務を行っていること、請求人の代表取締役の親族でもなくまた株主でもないこと、及び請求人の実質的な意思決定の場である月例会議にも参加していないことから、使用人兼務役員に該当し、当該取締役に対して支払った賞与は使用人としての職務に対する賞与であるから、損金の額に算入できる旨主張する。
 しかしながら、請求人では、機構上、使用人としての職制上の地位が明確に定められているところ、本件取締役は、請求人及び請求人のグループ法人内での職務分掌の変更(分掌変更)により請求人の営業部の部長職の地位を失っていることから、請求人における使用人としての職制上の地位を有していないと認められるので、分掌変更以後、本件取締役は使用人兼務役員には該当せず、分掌変更以後に支給された賞与の額は損金の額に算入されない。
 なお、分掌変更前の使用人兼務役員に該当する期間において支給された賞与の額については、他の使用人と同様に給与規程に基づく方法で決定されているものではないものの、他の使用人に対する賞与の支給時期に支給され、使用人としての職務の対価であったことを否定するに足りる証拠はないことから、損金の額に算入される。

参照条文等

法人税法第34条第1項第6項 法人税法施行令第71条第1項

参考判決・裁決

東京地裁平29年1月18日判決(税資267号順号12956)

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平成27年7月28日裁決

請求人の負担した代表者が青年会議所の会議等に出席するための交通費、宿泊費及び日当は、代表者に対する給与に該当するとした事例( 平成21年11月、平成22年10月、平成22年11月及び平成23年1月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分、平成24年5月、平成24年7月及び平成25年7月の各月分の源泉徴収に係る不納付加算税の各賦課決定処分・全部取消し、 平20.8.1~平22.7.31の各事業年度の法人税の各更正処分、平23.8.1~平24.7.31の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成21年10月、平成22年6月、平成23年5月、平成23年7月、平成23年10月、平成23年11月、平成24年1月~7月及び平成24年12月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分、平成25年7月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税告知処分・一部取消し、 平22.8.1~平23.7.31の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分ほか・棄却)

裁決事例集 第100集

要旨

 請求人は、代表者が青年会議所の会議等(本件各会議等)に出席するための交通費、宿泊費及び日当(本件旅費交通費)は、本件各会議等を含む青年会議所の活動が経営者に対する教育費用、請求人の受注活動費用及び新規事業開拓費用としての性質を有していることなどからすると、請求人の事業の遂行上必要な費用であり、代表者が負担すべきものではないことから、代表者に対する給与に該当しない旨主張する。
 しかしながら、本件会議等は、特定の個人又は法人の利益を目的として行われるものではなく、青年会議所の定款に掲げられた公益的な目的及び事業の内容に則した活動が行われ、代表者は、そのプログラムに沿った活動を行っており、代表者が本件会議等に出席したことが、取引先の確保や代表者の経営者としての能力の向上、新規事業の開拓に寄与することになったとしても、それは青年会議所の活動に付随する副次的な効果にすぎないことなどからすると、本件旅費交通費は、社会通念に照らし客観的にみて、請求人の事業遂行上必要な費用ではなく、代表者が個人的に負担すべきものであるから、代表者に対する給与に該当する。

参照条文等

法人税法第22条第3項第34条第1項

参考判決・裁決

平成15年2月13日裁決(裁決事例集No.65) 平成26年3月6日裁決(裁決事例集No.94)

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昭和57年1月19日裁決

期末に一括支給した役員報酬の増額改定差額は臨時的な給与であり役員賞与に該当するとした事例

裁決事例集 第23集 146頁

要旨

 請求人が当事業年度の取締役会において役員報酬を既往の月分にさかのぼって増額改定することを決議し、これに基づいて当事業年度末に一括支給した本件追加支給額は、役員別の具体的支給額の決定を一任されている役員が報酬の定例支給日までにこれを決定していなかったことなどからあらかじめ定められた支給基準に基づいて支給された給与と認めることができず、たとえ過去における役員報酬の減額部分を補てんする目的で追加支給したとしても、年度末に一括支給した支給形態からみて臨時的な給与であることに変わりなく役員賞与に該当する。

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昭和55年12月24日裁決

法人がその役員個人との業務委託契約に基づきその業務の対価として役員に支払った金員を役員賞与に該当するとした事例

裁決事例集 第21集 116頁

要旨

 役員に対して管理職給という名目で支払った本件金員は、役員に対する給与ではなく、役員個人に対し別途委任したゴルフ会員権の販売代理権の獲得等の業務の対価であると主張するが、これらの業務を別途委任したことを証するに足りる証拠がなく、また、これらの業務に直接携わっていない管理職的地位にある使用人にも支給している事実があることから、これらの業務の対価として支払われたものとは認められず、仮に本件金員が業務の対価の名目で支払われたとしても、請求人の事業目的がゴルフ会員権の売買であることから、これらの業務そのものは、役員の業務執行の範囲に含まれ、これらの役員業務を含む役員業務一般に対する対価として支給されたとみるのが相当であり、かつ、その支給金額は売上金額を基とし、定期、定額のものでなく、臨時的なものと認められるので、本件金員は役員賞与とするのが相当である。

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昭和55年11月27日裁決

法人がその役員に土地等を低額譲渡した場合におけるその譲渡価額と時価との差額相当額は役員賞与に該当するとした事例

裁決事例集 第21集 127頁

要旨

 請求人が、その役員に対して譲渡した本件土地等の価額については、請求人が本件土地等に隣接する土地等をその直前に第三者に譲渡しており、その間、土地の価額の変動がほとんどないこと、本件土地等と隣接する土地等のいずれもその利用状況がおおむね同一であることから、隣接土地等の第三者への譲渡価額を基に本件土地等の価額を算定したところ、当該譲渡価額が著しく低額と認められるので、当該算定した価額と当該譲渡価額との差額に相当する金額を役員に対する臨時的な給与、すなわち、役員賞与として損金の額に算入しないこととした原処分は相当である。

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昭和61年6月18日裁決

給料手当勘定に含めて支出した金員は慶弔費等の支払に充てられた事実はなく役員賞与に該当するとした事例

裁決事例集 第31集 114頁

要旨

 請求人は、会計処理上給料手当勘定に含めて支出した本件給与の額は全額取引先関係者に対する慶弔費及び販売促進費の支払に充てたものであると主張するが、本件給与の額がこれらの支払に充てられた事実を認めるに足りる証拠はなく、代表者の個人的消費に充てられたものと推認されるから、その全額が代表者に対し給与として支給されたと認めるのが相当であり、その支出の時期、回数、金額及び趣旨等からすれば、役員賞与に該当すると認めるのが相当である。

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昭和61年12月4日裁決

役員のみで行った旅行について、業務遂行上必要なものであったと認められないとして当該旅行費用を参加役員に対する賞与とした事例

裁決事例集 第32集 220頁

要旨

 請求人は、本件旅行は、役員相互間の意思疎通を図るとともに採石場の視察及び取引先等の事業関係者にも該当する役員の接待を行い事業の円滑化に資する目的で行ったものであるから、本件旅行費用は業務遂行上必要なものであり交際費に該当すると主張するが、本件旅行において、採石場の視察を行ったとの事実は認められず、取引先等の事業関係者という者は役員の立場にある者であることなどから取引関係者の接待ということもいえず、また、旅行中に役員間の意見対立の調整等が図られたという事実も認められないので、本件旅行は役員のみで行われた観光目的の旅行であり、その費用は業務遂行上必要なものと認められず、役員賞与に該当する。

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平成元年6月7日裁決

役員給与の一部の金額を未払金に計上した上、従業員に対する賞与の支給時期に支払った場合、当該金員は役員賞与に該当するとした事例

裁決事例集 第37集 174頁

要旨

 役員に支給された給与が報酬となるか、賞与となるかは、実際に支給された給与が定期的な給与か、臨時的な給与かという支給形態ないし外形によって判断すべきところ、[1]本件役員報酬について、あらかじめ定められた支給基準に基づいて定時にその全額を支払うことができないとする特段の事情もないこと、[2]毎月の役員報酬の一部を未払金とし、その額をおおむね盆、暮れの従業員に対する賞与の支給期に支払っていること、[3]賞与の支給期に支払った金額は、未払金残高を超える金額であることから、未払金勘定に赤字が生じているが、当該赤字の金額を各事業年度の期末においては、その残高がちょうど零円となるように、その後の当該役員報酬の未払金で補てんしていること等から判断すると、当該未払金は、当初から役員賞与として支給すべきものを形式的に定期の給与にしたものにすぎない。

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平成2年6月19日裁決

法人が役員に支給した一時金が定期の給与となる歩合給でなく役員賞与に当たるとした事例

裁決事例集 第39集 255頁

要旨

 法人がその役員に対して、月俸、年俸等の固定給のほかに歩合給又は能率給を支給している場合において、これらの支給が使用人に対する支給基準と同一の基準によっているときは、これらの給与は法人税法第35条第4項に定める臨時的な給与としないで定期の給与とするのが相当と解されるところ、本件役員に対して、収入保険料に基づく歩合給は毎月支給されていないし、本件一時金の額は同人らの収入保険料の実績額に基づいて算定されていないから歩合給ではなく、かえって、一時金の支給を受けていない他の使用人については同時期に賞与を支給しているから、本件一時金は夏期、冬期、決算期等通常賞与を支給すべき時期に、一時金の名目で支給した臨時的な給与すなわち賞与に該当する。

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平成元年8月9日裁決

相当の地代を収受して貸し付けていた土地を貸付先である請求人の役員に更地価額より低い価額で譲渡したことは、時価と譲渡価額との差額相当額の役員賞与を支給したことに当たるとした事例

裁決事例集 第38集 188頁

要旨

 本件土地の賃貸借契約に当たり、権利金に代えて相当の地代を収受することとし、それを地価の上昇に応じて増額しているから、借地権の経済的価値は零と評価されるところ、請求人は、請求人の役員である当該土地の賃借人に対し、時価を大きく下回る価額で本件土地を譲渡し、その下回ったことについて特段合理的な理由は認められず、むしろ、譲受人が請求人の取締役であるがゆえに、かかる価額で譲渡が行われたものであると認められるから、譲渡時における時価と請求人の譲渡価額との差額は、当該役員に対し実質的に贈与したものと認めるのが相当であり、役員賞与に該当する。

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平成2年4月24日裁決

取締役会の決議に基づき期首にそ及して支給することとした役員報酬の増額改訂差額は、役員賞与に該当するとした事例

裁決事例集 第39集 268頁

要旨

 法人税法上役員に支給される給与が報酬となるか賞与となるかは、実際に支給される給与が定期の給与か臨時的な給与かという支給の形態をもって判断することとなり、請求人は、役員に対し毎月規則的に反復継続して給与を支給しているから当該金額をもって役員報酬と認めるのが相当であり、請求人が取締役会の決議に基づき未払として一括損金の額に算入した改訂差額は、役員賞与と認めるのが相当である。

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平成4年11月18日裁決

大学に在学中の従業員(代表取締役の長男)に対する給料等の金員は代表取締役に支給された報酬、賞与であると認定した事例

裁決事例集 第44集 234頁

要旨

 請求人は、大学に在学中の代表取締役の長男に対する給料名義の金員は従業員である長男本人に対し支給した給与である旨主張するが、[1]請求人は同人に対して従業員としての管理等をしておらず、同人が請求人に勤務した事実も認められないこと、[2]請求人は代表取締役がその株式の過半数を所有する同族会社であり、代表取締役がその事業を主宰していること、[3]また、長男に対する給料名義の金員は、代表取締役の妻が受け取り、管理し、代表取締役の報酬等と併せて同人の生活費等に充てられていることなどから、本件金員は、代表取締役に対して支給された役員報酬、賞与と認めるのが相当であり、当該役員賞与については損金の額に算入されない。

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平成6年12月21日裁決

取締役が行った取引により当該取締役が取得した金員については、当該取締役の業務上の権限によって判断すると、役員賞与と認めることはできないとした事例

裁決事例集 第48集 305頁

要旨

  1.  原処分庁は、請求人の前代表取締役が代表取締役を退任後(退任後は単なる日常業務に従事する取締役)に行った個人名義の取引について、同人が請求人のただ一人の常勤取締役として、日常の業務をゆだねられ、請求人の実質的な代表取締役として、その業務を行っていたと認定し、同人が取得した金員は、請求人が隠れた利益処分として同人に対し賞与を支給したものと経済的実質において変わりがなく、当該取得した金員は、請求人から同人に対し賞与として支給されたものと認められるとして更正処分した。
  2.  [1]当該前代表取締役は、代表取締役退任後は、請求人の経理及び資金管理には関与せず、会社の運営は後任の代表取締役が行っていたこと、[2]当該前代表取締役は、請求人の給与の支給に関する権限を有していないこと及び[3]同人は、新代表取締役に隠れて取引をしたものと認められることから、当該前代表取締役が、代表取締役を退任後も請求人の実質的な代表取締役としての業務を行っていたとは認められず、請求人の給与の支給に関する権限を持たない同人の行為をもって、同人が取得した金員について、請求人が同人に対し賞与として支給したものと認めることはできない。
     また、上記金員に関し、請求人と当該前代表取締役との間には、金銭消費貸借契約が締結されているとは認められないから、上記金員を同人に対する貸付金であると認定することはできない。
     しかし、上記取引は、当該前代表取締役が役員の業務として行ったものであるから、請求人に帰属すると認められ、当該前代表取締役が新代表取締役に隠れて上記取引に係る金員を取得していることからすれば、請求人は、当該前代表取締役に対し同人が取得した金員に相当する債権を有しているというべきである。
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平成6年4月15日裁決

役員報酬の一部を未払金として経理し、その未払金を一般の賞与支給時期に支払うなどしていた事例につき、当該未払金に相当する金額は、臨時的な給与と認められ、役員賞与に該当するとした事例

裁決事例集 第47集 303頁

要旨

 請求人は、会計処理上給料手当勘定に含めて支出した本件給与の額は全額取引先関係者に対する慶弔費及び販売促進費の支払に充てたものであると主張するが、本件給与の額がこれらの支払に充てられた事実を認めるに足りる証拠はなく、代表者の個人的消費に充てられたものと推認されるから、その全額が代表者に対し給与として支給されたと認めるのが相当であり、その支出の時期、回数、金額及び趣旨等からすれば、役員賞与に該当すると認めるのが相当である。

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平成19年12月5日裁決

毎月の役員報酬の一部を未払計上し、当該未払額を使用人の賞与の支給時期に支払った場合に、当該未払額は法人税法第35条に規定する役員賞与に当たるとした事例

裁決事例集 第74集 133頁

要旨

 法人税法第35条第4項に規定する「臨時的な給与」の意義については、法令に格別の規定はないが、同項が、「毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づいて支給される給与」も「臨時的な給与」に含まれ得ることを前提として、「他に定額の給与を受けていない者」に対し支給したものについてこれを「臨時的な給与」のうちから除外していること並びに社会通念によって考えれば、単に当該給与の支給時期又は支給額が予め定められているか否かのみによって一律に決まるものではなく、その支給時期、支給回数及び支給の趣旨等を、年間のその他の給与の支給状況全体との関連において考察し、これによって当該給与が経常性のない一時的なものと認められるときは、同項に規定する「臨時的な給与」に該当するものと解するのが相当である。
 これを本件についてみると、①本件未払金勘定貸方計上額は、その支給時期及び支給回数が使用人の賞与の支給日及び支給回数と同じであることからすると、その全額が経常性のない一時的なものと認めるのが相当であること、②平成17年7月計上額は、その計上日にその全額が各役員に対し支給されているところ、同人らに対する同月の前3か月及び後4か月の各支給額が、それぞれ定額であることからすると、同人らに対する各支給額のうち当該各定額を超える額は、支給状況全体との関連から、経常性のない一時的なものと認めるのが相当であること、③平成17年12月計上額のうちHに係る計上額は、その計上日にその全額が同人に対し支給されているところ、同人に対する同月の前後3か月の各支給額が定額であることからすると、同人に対する支給額のうち当該定額を超える額は、支給状況全体との関連から、経常性のない一時的なものと認めるのが相当であること、④平成17年12月計上額のうちE、G及びFに係る各計上額は、その計上日にその全額が同人らに対し支給されているところ、同人らに対する同月の前4か月の各支給額が上記②のとおり定額であり、また、同人らに対する同月の後7か月の各支給額も、それぞれ定額であることからすると、同人らに対する各支給額のうち上記各定額(同月の後7か月の各支給額)を超える額は、支給状況全体との関連から、経常性のない一時的なものと認めるのが相当であり、比較する各定額が平成17年12月の後7か月の各支給額ではなく、同月の前4か月の各支給額であることについては、これを認めるに足る証拠はないのであるから、比較する各定額は同月の後7か月の各支給額とするのが相当であることから、本件未払金勘定貸方計上額並びに上記②、③及び④の各超過額は、法人税法第35条第4項に規定する「臨時的な給与」すなわち役員賞与に該当し、本件各事業年度の損金の額に算入することはできない。

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平成7年6月9日裁決

簿外の売上金等から支出した功労金及び支払利息は、事業年度末において、債務が確定しているとはいえず、当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することができないとした事例

裁決事例集 第49集 324頁

要旨

 請求人は、簿外資金から支出した功労金について、念書等で使用人に確約したものであり、事業年度末に金額及び債務が確定しているので、未払いであっても、本件事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入すべきである旨主張するが、本件念書等が支給日より前に作成され、かつ、本件事業年度終了の日までに支給金額、支給日を本件使用人に周知していたと認定することはできず、債務が確定していたと認めるに至らないから、本件功労金は、本件事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することはできない。
 また、請求人は、簿外資金から支出した支払利息(本件金員)につき、約定書のとおり、金額及び債務が確定している旨主張するが、本件約定書は、金利を年6パーセント程度の割合で支払うとする不確定の数字のものであり、支払期日の具体的な記載がないこと及び本件功労金に係る同日付の念書等については上記のとおりであることからすると、本件約定書が作成日とする日に存在したとは認めがたいこと並びに計算明細書についても、審査請求書の作成時に作成され、本件金員の額と一致していないことから、本件約定書は、後日作成されたものと推認するのが相当である。

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平成27年7月1日裁決

売上除外をして請求人の役員らの各預金口座に振り込まれた金員は、請求人からの役員給与に該当し、じ後に請求人に対し役員らの返還債務が発生した場合であっても、当該金員につき役員らが現実に取得している限り、当該各預金口座に振り込まれた時点で役員らの給与に該当するとした事例(平18.6.1~平25.5.31の各事業年度の法人税の各更正処分ほか・棄却)

裁決事例集 第100集

要旨

 請求人は、請求人の役員ら名義の各預金口座に振り込まれた金員(本件各金員)は、請求人の意思決定の下に役員らへ支給されたとはいえず、また、本件各金員については、役員らが請求人へ返金する旨株主総会において決議したのであるから、本件各金員を請求人から役員らに支給された給与であるとした納税告知処分は違法である旨主張する。
 しかしながら、法人の代表者等が法人経営の実権を掌握し、法人を実質的に支配している事情がある場合には、法人の代表者等が当該法人の事業活動を通じて得た利得は、給与支出の外形を有しない利得であっても、それが法人の資産から支出されたと認められる場合には、当該利得は法人の代表者等がその地位及び権限に対して受けた給与であると解されるところ、本件においては、役員らが請求人の株式の3分の1ずつを保有し、役員らの決議の下に請求人の経営方針が決定されていることから、請求人の業務においては、役員らが法人経営の実権を掌握し、法人を実質的に支配しているものと認められ、また、本件各金員は、役員らが請求人の事業活動を通じて得た利得であり、役員らが管理する各預金口座に振り込まれ任意に処分できる状態になったことからすれば、役員らの各預金口座に振り込まれた時点で役員らに帰属したといえる。そうすると、本件各金員は、役員らがその地位及び権限に対して請求人から受けた給与であると認められ、当該給与につき、じ後に返還債務が発生した場合であっても、本件役員らが現実に本件各金員を取得した限り、その時点で給与に該当するというべきである。

参照条文等

法人税法第34条所得税法第28条

参考判決・裁決

仙台高裁平成16年3月12日判決(税資254号順号9593)

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平成22年5月24日裁決

請求人の支給した役員給与は事前確定届出給与に該当せず、損金の額に算入することはできないとした事例

裁決事例集 第79集

要旨

 請求人は、請求人が支給した役員給与のうち、①事前確定届出給与に関する届出書において、支給対象者とした役員に支給した役員給与は、事業年度首において年俸通知書により期末報酬額を期末に支給する旨を通知し、その旨を記載した事前確定届出給与に関する届出書を期限内に税務署長へ提出していること、②使用人兼務役員に対する給与は、年俸制に基づく年俸の金額から毎月支給する給与の金額を控除した差額を支払ったものであり、損金算入できない使用人兼務役員の使用人としての職務に対する賞与に該当しないことから、いずれも損金の額に算入されるべきである旨主張する。
 しかしながら、①事前確定届出給与は、職務執行の開始の日から1月を経過する日までに役員給与の支給時期や支給金額が確定していることを要するところ、当該日までに、株主総会の決議等により、役員給与の支給すべき確定額及び確定時期を定めたとはいえず、事前確定届出給与に関する届出書において支給対象者とした役員に支給した役員給与は、事前確定届出給与に該当するとは認められないこと、また、②使用人兼務役員に対する給与は、上記役員給与と同様な経緯で支給時期及び支給金額が決定され、同日に支払われているが、当日に他の使用人に賞与を支払った事実もないことから、使用人としての職務に対する給与と認められないので、いずれも損金の額に算入することはできない。

参照条文等

法人税法第34条第1項第2項 法人税法施行令第69条第70条 法人税基本通達9-2-149-2-159-2-16

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