裁決事例 登録免許税法関係

裁決事例 登録免許税法関係

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昭和53年3月10日裁決

分筆後の土地の登記に係る登録免許税の課税標準額の算定に当たっては、分筆前の宅地の固定資産税評価額を基礎とすべきではないとした事例

裁決事例集 第15集 93頁

要旨

 本件土地は、1筆の宅地から分筆され、請求人に譲渡されたものであり、分筆後の宅地の背後部分に位置し、裏側の公道に接しているものの、約19度の傾斜のある不整形地であり、雑立木が自生するなどその実態は山林の態をなしている。
 したがって、分筆前の宅地の一平方メートル当たりの固定資産税評価額を基礎として本件土地の課税標準額を算定することは相当ではない。
 そこで、本件土地に類似する土地として隣地の宅地等の固定資産税評価額を基とし、不整形地等の場合の補正を行って算定するのが相当である。

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令和7年2月18日裁決

固定資産課税台帳の課税地目と異なる地目に変更された土地に係る登録免許税の課税標準たる不動産の価額を地方税法第388条第1項に規定する固定資産評価基準により算出した事例(登録免許税の還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・一部取消し)

裁決事例集 第138集

ポイント

 本事例は、固定資産課税台帳の課税地目と異なる地目に変更された土地に係る登録免許税の課税標準たる不動産の価額について、当該土地の近隣に、不動産の形状、地積、間口、奥行き、利用状況、接道状況等が類似すると認められる土地が確認されなかった場合には、当該土地の時価を表さないといえるような特段の事情がない限り、地方税法第388条第1項に規定する固定資産評価基準により算出するのが相当であると判断したものである。

要旨

 請求人は、固定資産課税台帳の課税地目と異なる地目に変更された土地(本件土地)に係る登録免許税の課税標準たる不動産の価額につき、本件土地の近隣にあるA土地を類似不動産として算出した価額とすべきである旨主張し、原処分庁は、本件土地と隣接し、所在地の大字、地目及び地積が一致するB土地を類似不動産として登記官の認定した価額(本件登記官認定額)とすべきである旨主張する。
 しかしながら、A土地は、その地積、形状等から本件土地との類似性は認められず、本件土地の類似不動産とはいえない。また、本件登記官認定額は、B土地と本件土地とが接道状況等で大きく異なる点について考慮されていないから、本件土地の価額を合理的に算定したものとは認められない。したがって、本件土地の近隣に、不動産の形状、地積、間口、奥行き、利用状況、接道状況等が類似すると認められる土地が確認されなかった場合には、本件土地に係る登録免許税の課税標準たる不動産の価額は、本件土地の時価を表さないといえるような特段の事情がない限り、地方税法第388条《固定資産税に係る総務大臣の任務》第1項に規定する、総務大臣が定める固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続によって算出した価額とするのが相当である。

参照条文等

登録免許税法第10条 登録免許税法附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項、第4項

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昭和57年8月27日裁決

申請に係る所有権移転の登記原因が実態と異なることを理由とする還付通知の請求は認められないとした事例

裁決事例集 第24集 159頁

要旨

 請求人は、本件登記は登記申請手続からみれば登記原因を売買とする所有権移転登記であるが、実質は譲渡担保契約の解除又は終了を原因とする抹消登記であるから、既に納付した登録免許税の額と正当額との差額について還付請求を求めるものであるが、登記官は、不動産登記法第49条各号に掲げる事項に関するいわゆる形式的審査権を有するにすぎず、当該申請の内容が実態に則したものか否かを審査するいわゆる実体的審査権までは有していないから、請求人の主張のように、実態とそごしていたとしても、それを理由に当該登記を当然無効とすることはできないのであって、請求人の主張には理由がない。

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平成22年10月12日裁決

登録免許税法第10条に規定する「登記の時における不動産の価額」の不動産には、マンションの団地共用部分の持分が含まれるから、登録免許税の課税標準の計算上、請求人の持分割合に応じた当該団地共用部分の価額を加算すべきとした事例

裁決事例集 第81集

要旨

 請求人は、売買により取得した本件マンションの所有権移転登記を行うに当たり、本件マンションの区分所有建物(本件建物)の所有権移転登記は行われているが、本件マンションの団地共有部分(本件団地共用部分)については、表示登記はあるものの、所有権移転登記は行われていないから、法令上の根拠なくして、本件団地共用部分を登録免許税の課税標準に含めた本件認定処分は違法である旨主張する。
 しかしながら、本件団地共用部分は、団地共用部分とする規約が定められ、その旨の登記が行われているから対抗要件を備えており、団地建物所有者の共有に属し、専有部分を処分する場合、その処分の効果は、本件団地共用部分にも及ぶ。そして、本件団地共用部分については、民法第177条《不動産に関する物権の変動の対抗要件》の規定は適用されず、団地共用部分である旨の登記がなされれば、その共有持分について登記をする必要がないから、本件建物の所有権移転登記により、本件団地共用部分についても規約による持分割合につき対抗力を有し、財産権保護の利益を享受することとなる。そうすると、請求人に係る本件建物の所有権移転登記は、本件団地共用部分の持分の移転についての登記と同様の法的効果を生じさせるものであるから、当該所有権移転登記における登録免許税法第10条《不動産等の価額》第1項に規定する「登記の時における不動産の価額」の不動産には、本件団地共用部分の請求人の持分が含まれると認められ、このことは、登録免許税は、不動産の登記を受けることにより第三者に対する対抗力を備え、それにより権利が保護される等の利益を受けることにかんがみ、その背後にある担税力に着目して課税するものであるという趣旨からしても相当であると認められる。
 したがって、本件建物の登録免許税の課税標準の計算上、請求人の持分割合に応じた本件団地共用部分の価額が含まれる。

参照条文等

登録免許税法第2条第9条第10条第26条、附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項 建物の区分所有に関する法律第11条、第15条、第67条

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平成12年5月9日裁決

登録免許税法第28条1項の規定に照らせば、登記を了したからといって、登録免許税の課税標準等が正当と認定されたことにはならず、登記後に税務署長に納付不足の通知を行うことは課税の公平等に反するとはいえないとした事例

裁決事例集 第59集 391頁

要旨

  1.  登録免許税が自動確定方式の国税であることと、登記機関が、この方式により確定した税額の全部又は一部が納付されていないとして税務署長にその旨を通知することとは相反するものではないし、これが課税の公平等に反するともいえない。
  2.  登録免許税法第28条第1項及び第29条第1項の規定に照らせば、登記官が、本件登記の申請に対し、同法第26条第1項の通知をせず、納付不足を理由に登記申請を却下することもしないで本件登記を了したからといって、登記申請書に記載された登録免許税の課税標準の金額及び税額が正当と認定されたことにはならない。
  3.  なお、本件土地については、登記申請日現在、台帳価格がなかったのであるから、その価額は、本件土地に類似する土地の台帳価格を基礎として本件登記官が認定した価額となる。
     本件登記官は、「旧5番4の土地」を本件土地に類似する土地とし、その平成10年度の台帳価格を基礎として本件土地の価額を認定しているが、これらの土地は、その形状に若干の違いはあるものの、ともに宅地で、面積もほぼ等しく、かつ、道路との位置関係や地理的条件も同一であることが認められるから、本件登記官の認定は相当である。
  4.  国税通則法第75条第1項の規定によれば、不服申立てができるのは、国税に関する法律に基づく処分に限られるところ、延滞税は、同法第60条1項各号に規定する所要の要件を充足することによって、法律上当然にその納税義務が成立し、成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税であって、上記の国税に関する法律に基づく処分により確定するものではないから、本件延滞税に関する審査請求は、対象となる処分が存在しないにもかかわらず、なされた不適法なものである。
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昭和54年6月27日裁決

課税台帳登録価格のない家屋の登録免許税の課税標準額を認定した事例

裁決事例集 第18集 127頁

要旨

 課税台帳に登録された価格のない家屋に係る登録免許税の課税標準とする価額については、[1]新築建物価格認定基準表による額又は[2]不動産取得税の課税標準額の算定基礎である家屋の価格に相当する額のいずれか低い価格によるのが相当である。

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昭和56年4月17日裁決

分筆後の土地の登記に係る登録免許税の課税標準額の算定に当たっては、分筆前の宅地の固定資産税評価額を基礎とするのは相当ではないとした事例

裁決事例集 第22集 205頁

要旨

 原処分庁は、分筆後の本件宅地の課税標準の金額の認定に当たり、比準すべき類似地として分筆前の土地を選定しているが、登録免許税法施行令附則第3項の後段の規定の趣旨は、本件宅地のように固定資産税評価額のない不動産に係る登録免許税の課税標準の金額について、その近傍類似の不動産に比準して、当該不動産の固定資産税評価額と均衡を失しないように認定すべきものと解されるところ、本件宅地と分筆前の土地は、その沿接する公道の幅員、舗装の有無の状況等、その実態が極めて異なっているものと認められるので、分筆前の土地を類似地として選定したことは相当でない。

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平成23年8月2日裁決

登録免許税の課税標準の額について、請求人が主張する鑑定評価額は合理的なものではなく、原処分庁が採用した近傍類似価格に所要の調整等を行って算定すべきであるとした事例

裁決事例集 第84集

ポイント

 本事例は、固定資産課税台帳に登録された価格のない土地の課税標準の額を算定するに当たり、固定資産評価基準における「その他の宅地評価法」を用いることは相当であるものの、原処分庁の採用した近傍類似価格は当該土地の形状等に応じた所要の調整を行って算定されていないため、当該近傍類似価格をそのまま採用することはできないとしたものである。

要旨

 原処分庁は、請求人が取得した本件土地の持分の登記に係る登録免許税の課税標準の額について、本件土地が固定資産課税台帳に登録された価格(台帳価格)のない私道の用に供されている宅地であることから、本件土地に係る固定資産評価証明書に記載された近傍類似価格(本件近傍類似価格)を基に、公衆用道路であることの補正のみを行って算定すべきである旨主張する。
 しかしながら、台帳価格のない不動産の登録免許税の課税標準の額は、当該不動産に類似する不動産の適正な台帳価格を基礎として合理的に算定するのが相当であると解されるところ、本件近傍類似価格は本件土地の存する状況類似地区内の整形地である標準宅地の単位地積当たりの価額であるのに対し、本件土地は奥行の長大な不整形地であることからすると、本件土地の持分の課税標準の額は、本件近傍類似価格を基に、本件土地の形状等に応じて固定資産評価基準による所要の調整を行った上で、公衆用道路であることの補正を行って算定するのが相当である。

参照条文等

登録免許税法施行令附則第3項

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平成12年1月20日裁決

登録免許税法第31条第2項に規定する請求期限を徒過してなされた還付通知請求は適法な請求ではないとした事例

裁決事例集 第59集 401頁

要旨

 請求人が還付通知請求書を提出したのは、登録免許税法第31条第2項に規定する還付通知請求をすることができる期間を途過した後であるから、仮に、請求人の主張に理由があるとしても、本件還付通知請求には理由がないといわざるを得ない。

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昭和62年3月31日裁決

課税台帳登録価格のない家屋の登録免許税の課税標準額を認定した事例

裁決事例集 第33集 155頁

要旨

 固定資産課税台帳に登録された価格のない新築建物(以下「本件建物」という。)の所有権保存登記において、原処分庁は、「新築建物課税標準価格認定基準表」に基づき本件建物の課税標準を認定したが、請求人の本件建物の取得価額は、本件登記後の本件建物の昭和61年度固定資産税評価額とほぼ同額(昭和61年1月1日現在)であるところ、原処分庁は前記認定基準に掲げる建物と本件建物との類似性を認めるに足る具体的事実を主張・立証しない上、当該認定基準を適用した場合、本件建物の価額は、上記取得価額と昭和61年度固定資産税評価額との間に著しい開差が生ずるから、原処分庁主張の建物を本件建物に類似する不動産と認めることはできず、本件建物の価額は上記昭和61年度固定資産税評価額によるべきである。

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平成13年3月7日裁決

共同抵当権の設定登記をして納付した登録免許税については、その後、抵当権の追加担保の設定登記をすべきであったとして、錯誤を登記原因として更正登記がなされても、登録免許税の過誤納には当たらないとした事例

裁決事例集 第61集 713頁

要旨

 請求人は、当初、共同抵当権の設定登記をした後、抵当権の追加担保の設定登記をすべきであったとして更正登記申請をしたのに対し、登記官が登記原因を錯誤として当該更正登記を認めたのであるから、当初の共同抵当権の設定登記に係る登録免許税については、登録免許税法第31条第2項に規定する過誤納に当たると主張するが、登記官においては、形式的審査権による審査の結果に基づき、当該更正登記申請に形式的な無効原因がないため、申請書記載の登記原因をそのまま認容したにすぎないと認められるから、更正登記申請が受理されたことをもって、当初の登記時に遡及して、登記申請行為及び登記を受けたこと自体が変更され、登録免許税の額が減額変更されるものではないので、請求人の主張には理由がない。

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平成2年6月18日裁決

固定資産課税台帳に登録された価格のない建物の登録免許税の課税標準額を類似建物の価格を基礎として認定した事例

裁決事例集 第39集 429頁

要旨

 固定資産課税台帳に登録された価格のない建物の登録免許税の課税標準額について、請求人は当該建物の建築価額によるべきであると主張するが、当該建築価額には、本来建物の価額として当然に含まれるべき電気設備、ガス設備、衛生設備、給排水設備等、建物に附属して建物の機能を発揮するための設備に要する費用及び設計管理費用の額が含まれていないため採用することができない。また、本件建物は、簡易な種類の店舗であることが認められ、一般的な店舗についての適用を予定している「登録免許税課税標準額認定基準」の価格を適用して認定した原処分庁の課税標準も採用することができない。本件建物は登記申請時に固定資産課税台帳に登録された価格のない建物であるから、登録免許税法施行令附則第3項第2号の規定により、固定資産課税台帳に登録された本件建物と類似した建物の価格を基礎として認定するのが相当である。

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平成24年1月24日裁決

固定資産課税台帳に登録された土地の地積を基礎とした同台帳価格が、登録免許税法第10条第1項に規定する価額(時価)を超えていることから、合理的に算定した価額をもって課税標準とするのが相当であるとした事例

裁決事例集 第86集

ポイント

 この事例は、登録免許税の課税標準たる不動産の価額は、基本的には固定資産課税台帳(課税台帳)に登録された価格(課税台帳価格)によるべきであるとしつつ、本件においては、実測面積を上回る課税台帳に登録された地積(登録地積)に基づく土地の課税台帳価格が、登録免許税法第10条第1項に規定する価額(時価)を超えていること及び課税台帳価格を登録地積で除して算出した単価に実測面積を乗じて算出した価格がその土地の時価の範囲内にあることをそれぞれ検証した上で、同価格を課税標準とするのが相当と判断したものである。

要旨

 原処分庁は、登録免許税は、登記行為に対して画一的に課されるものであるから、移転登記後に、本件土地の地積が、過大であることが判明したとしても、適法に確定した登録免許税に何ら影響はない旨主張する。
 しかしながら、登録免許税の課税標準たる不動産の価額とは、登記の時における時価であると解されるところ、簡易迅速な税額確定が求められる登録免許税においては、基本的には固定資産課税台帳(課税台帳)に登録された価格(課税台帳価格)によるべきであるが、課税台帳価格が何らかの理由により不動産の時価を表していない場合には、他の方法により求めた不動産の価額(時価)を登録免許税の課税標準として採用することができると解するのが相当である。また、土地の時価とは、必ずしも一義的に確定され得るものではなく、一定の幅をもった概念であるから、時価の算定に当たり、合理性のある算定方法が複数ある場合には、それぞれの算定方法に従って算出された各価額の範囲をもって時価相当額と解すべきである。本件土地の場合、実際の地積は課税台帳に登録された地積を下回るところ、本件土地の課税台帳価格は、地価公示標準地の価格及び取引事例を基礎として合理的に算出された単価に本件土地の実際の地積を乗じて算定した本件土地の価額をいずれも上回るから、当該課税台帳価格は、時価を超えているものというべきであり、課税標準とすべきではない。他方、請求人が主張する本件土地の課税標準は、上記の本件土地の価額の範囲内にあり、合理的に算定されていると認められることから、これをもって課税標準とするのが相当である。

参照条文等

登録免許税法第10条、附則第7条

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平成13年6月27日裁決

固定資産課税台帳に登録された建物の価格(台帳価格)に基づいて登記を了した者が、その後、その課税標準額は当該建物の売買価額によるべきであるとして行った還付通知すべき請求に対してなされた、還付の通知をすべき理由がない旨の通知処分は適法とした事例

裁決事例集 第61集 693頁

要旨

 請求人は、登録免許税の課税標準となる本件建物の価額については、鑑定価額を参考にした公正かつ時価を反映した価額であるその売買価額とすべきである旨、及び台帳価格と売買価額の乖離が明白な場合には、登録免許税法施行令附則第4項にいう「特別の事情」に該当する旨主張する。
 しかしながら、請求人は、本件登記申請書に本件建物の台帳価格に基づいて計算した課税標準額と当該課税標準額を基に計算した登録免許税の額を記載しており、その登録免許税の課税標準額及び税額の計算過程に誤りのないことが認められるから、登録免許税法附則第7条の規定に基づき登録免許税を適正に計算、納付していることになるところ、請求人は、鑑定評価額を118百万円も下回った金額で売買しており、また、主張する鑑定評価額については、平成5年の本件建物の大改築(費用約14億円)がどのように反映されたかが明らかでない。
 さらに、本件不動産の売買については、売主側の事情による売買という個別的事情が認められ、他方、台帳価格は、いわゆる再建築価額法により評価され、その評価方法は家屋の適正な時価を算出する最も妥当な方法と解されており、そして、平成5年の大規模な改築後、本件登記時迄の間に、増改築、損壊等の事情は認められないから、本件登記時における本件建物の台帳価格を本件建物の時価でないと解するは相当でない。
 なお、登録免許税法施行令附則第4項にいう「特別の事情」とは、課税台帳に登録後、当該不動産自体に当該規定が列挙する事由その他これに類する事情により質的又は量的な形状の変化を生じたため、当該不動産の価額が台帳価格により難い程度に変動した場合につき、例外的な取扱を定めたものと解されるが、請求人主張の事情は、本件建物自体の質的又は量的な形状の変化ということはできず、請求人の主張は、いずれも理由がない。

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平成24年12月5日裁決

台帳価格に土地の現況が反映されておらず、当該台帳価格が登録免許税法第10条第1項に規定する価額(時価)を超えていることから、当該時価を公示価格を基に算定した事例

裁決事例集 第89集

要旨

 原処分庁は、請求人が取得した本件土地の登録免許税の課税標準たる価額について、登記を行った年度の固定資産課税台帳に登録された価額(台帳価格)となる旨主張する。
 しかしながら、登録免許税法第10条《不動産等の価額》第1項に規定する不動産の価額と同法附則第7条《不動産登記に係る不動産価額の特例》に規定する台帳価格の関係については、台帳価格が何らかの理由により不動産の時価を表していない場合には、他の方法により求めた不動産の価額(時価)を課税標準として採用することができると解するのが相当であるところ、本件土地は、登記を行った年度の台帳価格の基準日において無道路地であったと認められるのに対し、当該台帳価格は無道路地としての評価がなされていなかったと認められることから、当該台帳価格が時価を表していない場合も想定される。そこで、当審判所が土地価格比準表に準拠して公示価格を基に本件土地の時価を求めたところ、登記を行った年度の台帳価格を下回るものとなり、本件土地については他に時価を求める合理的な手法が見当たらないことからすれば、本件土地の登録免許税の課税標準たる価額は、当審判所が求めた価額とするのが相当である。

参照条文等

登録免許税法第10条、附則第7条

参考判決・裁決

平成24年1月24日裁決(裁決事例集No.86)

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平成2年2月27日裁決

固定資産課税台帳に登録された価格のない建物の登録免許税の課税標準額を本件建物の建築価額により認定した事例

裁決事例集 第39集 438頁

要旨

 原処分庁は本件建物の価額の認定が登録免許税法施行令附則第3項に規定する類似不動産の登録価格を基礎としたことの主張・立証をせず、また、原処分庁の認定額と本件登記直後における本件建物の登録価格とは著しい開差があり、原処分庁の認定価額は類似不動産の登録価格を基礎としたものと認められず、請求人の主張する本件建物の建築価額は通常の取引による客観的な価額と認められ、本件建物の課税標準価額は、登録免許税法第10条第1項の規定に照らし、請求人の主張する本件建物の建築価額と認めるのが相当である。

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平成13年12月18日裁決

固定資産課税台帳上の地目が現況と異なることは「特別の事情」に当たり、その不動産の価額は、当該「特別の事情」を考慮して、登記官が認定することになるとした事例

裁決事例集 第62集 471頁

要旨

 請求人は、本件土地の所有権移転登記に係る登録免許税の課税標準の基礎となる額につき、本件土地の状況は元所有者が現況を確認した平成4年4月22日以前から請求人が登記した平成12年5月1日及びその後も変わりないから、本件土地の価額は平成12年度の台帳価格をもって算定すべきである旨主張する。
 しかしながら、原処分庁が現地調査の結果認定した本件土地の地目と固定資産課税台帳上の地目とが異なっていたものであり、この事実は租税特別措置法施行令第44条の3第2項に規定する「特別の事情」に該当するため、本件にあっては、台帳価格を基礎とすることができず、台帳価格を基礎とし、当該事情を考慮して登記官が認定した価額によることとなる。

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平成13年8月23日裁決

震災特例法の免税規定を知らずに登録免許税を納付した者が、その後、被災者証明書を添付して行った還付通知すべき請求に対してなされた、還付の通知をすべき理由がない旨の通知処分は適法とした事例

裁決事例集 第62集 480頁

要旨

 請求人は、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(震災特例法)第37条《阪神・淡路大震災の被災者が新築又は取得した建物に係る所有権の保存登記等の免税》第1項の規定の存在を知らずに登録免許税を納付したもので、過誤納といえるから、所轄税務署長に対し還付通知すべきである旨主張する。
 しかしながら、震災特例法第37条第1項は、新築又は取得をした建物で政令で定めるものの所有権の保存又は移転の登記については大蔵省令で定めるところにより受けるものに限り登録免許税を課さない旨規定し、震災特例法施行規則第20条第1項は、その登記申請書に市町村長の証明に係る書類で阪神・淡路大震災により所有建物に被害を受けた者の氏名及び住所並びに当該建物の所在地の記載があるものを添付しなければならない旨規定しており、そして、震災特例法には、登記申請時に証明書の添付がない場合でも当該免税規定の適用を受けることができるとするゆうじょ規定は存在しないため、本件で過誤納の事実があったということはできず、請求人の主張には理由がない。

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平成28年3月7日裁決

原処分庁が認定した登録免許税の課税標準たる土地の価額は、近傍類似の土地の適正な台帳価格を参考として合理的に算定されたものではないとして処分の全部を取り消した事例(平成26年11月登記により納付された登録免許税に係る還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・全部取消し)

裁決事例集 第102集

要旨

 原処分庁は、敷地権付き区分建物に係る請求人及びその配偶者が有する敷地権(本件敷地権)の登記申請(この申請に係る登記を本件登記)において、本件敷地権の目的である各土地(本件各土地)は年の途中で雑種地から宅地に地目が変更されているところ、同申請の添付書類である「固定資産(土地・家屋)評価証明書」には本件各土地の1平方メートル当たりの近傍宅地の類似価額(本件近傍類似価額)が記載されていることから、本件近傍類似価額に基づき本件敷地権に係る登録免許税の課税標準額たる価額を算出すべきである旨主張する。
 しかしながら、登録免許税の課税標準額につき、台帳価格のある土地についてはその価格に相当する額とするが、登記簿の記載により現況地目が変更していることが判然としている場合は、近傍類似の土地の固定資産評価額(台帳価格)を参考として定めるとされていることからすると、登記官が認定した課税標準たる土地の価額は、それが近傍類似の土地の適正な台帳価格を参考として合理的に算定されたものであるとすれば、適法であると解するのが相当である。これを本件についてみると、原処分庁が算出した課税標準たる本件敷地権の価額は、本件近傍類似価額に本件各土地の地積と本件敷地権の割合を乗じて算出したものであり、本件各土地の形状等に応じた固定資産評価基準に定める画地計算法等に基づく補正は行っていないことが認められるところ、このような補正を行っていない原処分庁の本件各土地の価額の算定は、合理的なものと認めることはできない。したがって、原処分庁が算出した課税標準たる本件敷地権の価額は、本件登記の時における不動産の価額として適正であるとは認められない。

参照条文等

登録免許税法第10条、同附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項及び第4項

参考判決・裁決

東京地裁平成23年8月23日判決(訟月59巻5号1299頁) 平成14年5月30日裁決(裁決事例集No.63)

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平成22年4月22日裁決

固定資産課税台帳に本件各土地の台帳価格が付された後に、本件各土地に質的又は量的な形状の変化が生じたものとは認められないから、登録免許税法施行令附則第4項に規定する「特別の事情」はないとした事例

裁決事例集 第79集

要旨

 請求人は、本件各土地の所有権移転登記を受けるに当たり、登録免許税の課税標準を登録免許税法施行令附則第3項第1号の規定に基づき、前年度における、固定資産課税台帳に登録された不動産の価格、いわゆる台帳価格により算定し、登録免許税を納付したが、本件各土地は請求人の申出により、当年度から固定資産課税台帳の台帳地目が宅地から雑種地に変更されており、前年度の台帳地目が宅地であることは、登記の時における現況(雑種地)と異なることから、このことは、同附則第4項に規定する、台帳価格を課税標準の額とすることが適当でない「特別の事情」に該当するため、当該課税標準は、登記の時における現況と一致する当年度の台帳価格によるべきである旨主張する。
 しかしながら、登録免許税法施行令附則第4項に規定する「特別の事情」とは、登記の目的となる不動産に台帳価格が付された後に、当該不動産自体に同項に列挙する事由その他これらに類する事情により、質的又は量的な形状の変化が生じ、その結果、台帳価格が当該不動産の適正な時価を示しているということができず、これを登録免許税の課税標準たる不動産の価額とすることが適当でなくなった場合をいうものと解されるところ、本件各土地については、前年度の台帳価格が付された後に、本件各土地自体の状況に変化は認められず、質的又は量的な形状の変化が生じて、課税標準の額を同台帳価格とすることが適当でなくなった事情はなく、当年度に請求人の申出により台帳地目が変更されたとしても、これをもって「特別の事情」があるということはできない。

参照条文等

登録免許税法第10条第31条、附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項、第4項

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平成3年11月14日裁決

固定資産課税台帳に登録された価額のない土地の登録免許税の課税標準額は、近傍宅地の価格を基にその土地の状況を考慮して算定した価格によるのが相当であるとした事例

裁決事例集 第42集 237頁

要旨

 固定資産課税台帳に登録された価額のない本件土地の登録免許税の課税標準額について、原処分庁は近傍宅地の単位当たりの価格に本件土地の面積を乗じた金額と認定しているが、近傍宅地と本件土地が類似しているとは認め難いので、近傍宅地の価格を基に本件土地の状況を考慮した価額によって登録免許税の課税標準の金額を認定するのが相当である。

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平成14年11月11日裁決

登録免許税を納付して登記を受けた後であっても一定の書類を添付した場合にはゆうじょ的に非課税規定の適用を認めるべきであるとの請求人の主張が排斥された事例

裁決事例集 第64集 574頁

要旨

 請求人は、登録免許税法第4条《公共法人等が受ける登記等の非課税》第2項(本件非課税規定)に規定する証明書(本件証明書)を添付せず、登録免許税法第9条《課税標準及び税率》の規定に基づいて登録免許税を納付したが、本件証明書を添付しなかったのは、原処分庁の職員や司法書士の指導不足等が原因であるから、後日、本件証明書を添付して還付通知請求をした場合でも、本件非課税規定が適用されるようゆうじょの計らいがあるべきであると主張する。
 しかしながら、請求人は登記申請時に本件証明書を添付しなかった以上、本件非課税規定を適用することはできず、また、登録免許税法には、本件証明書の添付がなかった場合でも登録免許税を非課税とする旨の規定、あるいは、ゆうじょ的に扱うべき規定もないことから、原処分庁の行った還付通知をすべき理由がない旨の通知処分は適法である。

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平成24年5月9日裁決

1通の申請書により、1つの資格に係る登録事項の変更の登録を受ける場合の登録免許税の課税標準である登録件数は、当該登録を受ける登録事項の数に関わらず1件となるとした事例

裁決事例集 第87集

要旨

 原処分庁は、薬剤師名簿の登録事項である氏名及び本籍地都道府県名を、1通の名簿訂正申請書により変更登録する場合、登録免許税法第9条《課税標準及び税率》及び同法第18条《2以上の登記等を受ける場合の税額》の規定からすると、登録免許税の課税標準たる登録件数は2件である旨主張する。
 しかしながら、登録免許税法第9条は、登録免許税の課税標準及び税率は、同法に別段の定めがある場合を除くほか、登記等の区分に応じ、同法別表第一の課税標準欄に掲げる金額又は数量及び同表の税率欄に掲げる割合又は金額による旨規定しているところ、同一の申請書により同表に掲げる同一の「登記等の区分」内の登記を受ける場合の登録免許税の額は、登記事項又は登録事項の数に関わらず、その一つの「登記等の区分」の税率を適用して計算した金額になるものと解するのが相当である。本件の場合、1通の名簿訂正申請書により、登録免許税法別表第一の三十二の(九)のロのうち「(2)に掲げる者に係る登録事項の変更の登録」という一つ「登記等の区分」内において、氏名及び本籍地都道府県名という登録事項の変更の登録を受けるものであるから、当該区分に応ずる登録件数は1件となる。

参照条文等

薬剤師法第6条 薬剤師法施行令第4条、第5条 登録免許税法第2条第9条第18条、別表第一の三十二の(九)

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平成5年11月26日裁決

固定資産課税台帳に登録された価格のない建物の登録免許税の課税標準額について、当該建物が経年変化が激しい等から、例外的なものとして、新築建物課税価格の補正によることなく、類似建物を個別的に選定し、それらの価格を基礎として認定した事例

裁決事例集 第46集 247頁

要旨

 固定資産課税台帳に登録された価格のない建物の登録免許税の課税標準額は、類似する建物の固定資産税評価額を基礎として認定することとなるところ、原処分庁は、「建物の課税標準価額認定要領」(認定要領)に基づき、新築建物課税価格基準表に掲げる価額に経過年数に応じた補正率を乗じて算出する方法により認定している。
 しかし、本件建物は、一棟が工場、事務所及び倉庫と3種類に分かれ、鉄骨及び軽量鉄骨造りと構造の異なる建物であり、更に建築年が昭和44年と昭和55年に分かれており、経年変化による損耗が激しい部分があり、登記事務の迅速な処理を図ることを目的の一つとして、一般的な建物についての適用を予定している認定要領を採用することが不相当な例外的な建物であると認められる。
 そこで、固定資産課税台帳の閲覧、市担当職員の意見聴取に基づき、本件建物と同一市内にあって種類、構造及び床面積等の類似する建物各5件計10件を採用し、これらの建物の固定資産税評価額を基礎として、本件建物の登録免許税の課税標準額を算定すると、原処分庁の認定額は過大となるから、原処分の一部を取り消すのが相当である。

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平成28年6月8日裁決

火災による損害が反映されていない建物の台帳価格が、登録免許税法第10条第1項に規定する価額(時価)を超えていることから、合理的に算定した価額をもって課税標準とするのが相当であるとした事例(登録免許税の還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・一部取消し)

裁決事例集 第103集

ポイント

 本事例は、火災による損害が反映されていない台帳価格の建物の時価は、経年減点補正率により算定された建物の台帳価格に、市の建物の固定資産評価に係る調査結果に基づき算定した建築時再建築費評点数に占める補正後再建築費評点数の割合を乗ずることで、本来考慮されるべき損害を反映した建物の台帳価格に相当する価額の算出が可能であり、当該価額は、固定資産評価基準に従って適正に算定されたものといえ、登記の時における建物の適正な時価を表したものと認められると判断したものである。

要旨

 原処分庁は、所有権移転登記(本件登記)時に課税標準とした建物(本件建物)の固定資産課税の台帳価格(台帳価格)に、過去に生じた火災による損害(本件損害)が反映されていないとしても、台帳価格のある不動産の課税標準の額は、登録免許税法附則第7条《不動産登記に係る不動産価額の特例》、登録免許税法施行令附則第3項の規定により、本件建物の本件登記の時における台帳価格によるべきである旨主張する。
 しかしながら、登録免許税法第10条《不動産等の価額》第1項の登録免許税の課税標準たる不動産の価額とは不動産の「時価」をいうところ、時価の設定は基本的に当該不動産の台帳価格によるべきであるものの、台帳価格が何らかの理由により時価を表していない場合には、他の方法により求めた時価を登録免許税の課税標準として採用することができると解するのが相当である。そこで、本件建物の時価を検討すると、経年減点補正率により算定された本件建物の台帳価格に、市の本件建物の固定資産評価に係る調査結果に基づき算定した建築時再建築費評点数に占める補正後再建築費評点数の割合を乗ずることで、本来考慮されるべき本件損害を反映した本件建物の台帳価格に相当する価額の算出が可能であり、当該価額は、固定資産評価基準に従って適正に算定されたものといえ、本件登記の時における本件建物の適正な時価を表したものと認められる。そして、本件建物の台帳価格はその時価を上回るから、本件建物の登記に係る課税標準の額は、本件建物の台帳価格とはならず、当該時価によるべきである。

参照条文等

登録免許税法第10条第1項 登録免許税法附則第7条

参考判決・裁決

平成24年1月24日裁決(裁決事例集No.86) 平成24年3月6日裁決(裁決事例集No.86) 平成24年12月5日裁決(裁決事例集No.89)

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平成16年6月15日裁決

納付された登録免許税は、正当に計算され、登記申請は適法に受理されたものであるから、その後抹消登記をしても、遡及して登録免許税が変更、減額されるものではないとした事例

裁決事例集 第67集 778頁

要旨

 登録免許税は、登記、登録等を担税力の間接的表現として捉え、それを課税の対象とする租税であり、登記の時点を捉え、登記したという行為に画一的に課されるものである。一方、登記官は、いわゆる形式的審査権を有するにすぎず、当該申請が実体関係と符合しているか否かを審査する実体的な審査権まではないと解されている。
 したがって、いったん登記されると、不動産登記法第49条各号の規定の却下事由がない限り、登記が当然に無効となるものではなく、まして、当該登記をしたという行為自体が登記の時点に遡及して消滅するものではないと解され、そうすると、登録免許税の課税標準及び税額についての計算に誤りがなく、一度適法に登記を了し目的を達したときは、その登記を受けた者の納税義務は確定し、その後、抹消、変更、更正登記がされても、その確定した登録免許税の課税標準及び税額は何ら影響を受けるものではないと解される。
 本件では、本件登記申請に際して納付された本件登録免許税は、登録免許税法等に基づいて正当に税額の計算が行なわれており、また、本件登記申請には不動産登記法第49条各号に該当する却下事由があると認めるに足りる証拠はなく、適法に受理されたものである。
 したがって、請求人が本件登録免許税の額の計算に誤りがないまま、適法に本件登記を受けた以上、その後に抹消登記をしても、本件登記申請時に遡及して、本件登記申請行為及び本件登記を受けたこと自体が変更され、本件登録免許税の額が変更、減額されるものではないと認められるから、本件登録免許税に過誤納があるとは認められない。

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平成8年4月22日裁決

分筆前の土地の平成7年度の台帳価格と登記土地の同年度の台帳価格は、約2倍以上の開差があるから、分筆前の土地を類似地とすることができないとして原処分の全部を取り消した事例

裁決事例集 第51集 743頁

要旨

 請求人は、原処分庁は登記土地に類似する土地の固定資産課税台帳価格を分筆前の土地としているが、[1]分筆前の土地と登記土地は、道路状況等から効用価値に著しい差があること、[2]登記土地に付された台帳価格に基づき計算した登録免許税の課税標準の額と原処分庁が認定した同税の課税標準の額には2倍以上の差があることから、通知処分が全部取り消されるべきである旨主張する。
 ところで、登録免許税法第10条(不動産等の価額)によれば、課税標準たる不動産の価額は、登記時の不動産の価額とされているが、同法附則第7条(不動産登記に係る不動産価額の特例)によれば、当分の間は台帳価格によることができるとし、同法施行令附則第3項は、台帳価格のない不動産については、課税台帳に登録された当該不動産に類似する不動産の価格として、登記官が認定した価額とする旨定められている。
 審判所の現地及びP県税事務所の調査によれば、[1]登記土地は国道○号線から入り込んだ幅員6メートルの道路(正面道路)に面する画地であること、[2]分筆前の土地は国道○号線と正面道路に面する画地であること、[3]正面道路に面し登記土地の北側の甲土地の平成6年度及び平成7年度並びに登記土地の平成7年度の1平方メートル当たりの台帳価格は、いずれも507千円であること、[4]分筆前の土地の平成7年度の1平方メートル当たりの台帳価格は1,095千円であること、[5]登記土地は住宅地区、分筆前の土地は商業地区であることが認められる。
 以上のことを総合すると、登記土地の類似土地を分筆前の土地とするのは相当でなく、登記土地と同じ正面道路に面している甲土地を類似土地と認定するのが合理的かつ相当であるから、原処分の全部を取り消し、2,364千円を請求人に還付するのが相当である。

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平成31年2月20日裁決

本件建物の固定資産課税台帳の台帳価格は、登録免許税法第10条第1項に規定する価額(時価)を超えていると認められることから、固定資産評価基準に基づき本件建物の時価を算定した事例(登録免許税の還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・全部取消し)

裁決事例集 第114集

ポイント

 本事例は、本件建物の固定資産課税台帳の台帳価格には、当該台帳価格が付された時点より前に生じた損耗が反映されておらず、当該損耗を考慮した上で、登録免許税法第10条第1項に規定する価額(時価)として、固定資産評価基準に基づき本件建物の適正な時価を算定すべきと判断したものである。

要旨

 原処分庁は、不動産の所有権移転登記における課税標準たる不動産の価額は、登録免許税法附則第7条《不動産登記に係る不動産価額の特例》により、固定資産課税台帳の台帳価格を基礎とした価額によることができるとされ、登記実務上も同様の取扱いがなされていることから、請求人が売買により取得した建物(本件建物)の所有権移転登記(本件登記)に係る課税標準たる不動産の価額は、同条の規定に基づく台帳価格(本件台帳価格)を基礎として正当に算定されている旨主張する。
 しかしながら、本件登記に係る課税標準の基礎となる本件台帳価格が何らかの理由により本件建物の時価を表していないという事情がない限り、登録免許税法第10条《不動産等の価額》第1項に規定する課税標準たる不動産の価額は、基本的には当該台帳価格によるべきであると解されるところ、本件台帳価格は、本件台帳価格が付された時点において本件建物に既に生じていたと推認される損耗(本件損耗)の事情が考慮されていないことからすると、本件登記に係る課税標準たる不動産の価額については、本件台帳価格によるのは相当ではなく、改めて本件損耗の事情を考慮して固定資産評価基準の定める評価方法に従ってその価額を算定し、当該価額をもって本件登記の時における登録免許税の課税標準額たる不動産の価額とすべきである。

参照条文等

登録免許税法第10条、附則第7条 最高裁平成25年7月12日第二小法廷判決(民集67巻6号1255頁) 平成30年6月14日裁決(裁決事例集№111)

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平成28年9月28日裁決

登録価格のない土地の課税標準について、当該土地の近傍に存する土地の登録価格を基礎として算定した事例(平成27年3月登記により納付された登録免許税の還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・一部取消し)

裁決事例集 第104集

ポイント

 本事例は、登録価格のない土地の課税標準について、当該土地に類似する土地は当該土地に隣接する土地よりも当該土地の近傍に存する土地(近傍地)であるから、当該近傍地の登録価格を基礎として算定した価額と判断したものである。

要旨

 請求人は、登録免許税法附則第7条《不動産登記に係る不動産価額の特例》に規定する価額につき、同附則の委任を受けた登録免許税法施行令附則第3項(施行令附則第3項)に規定する固定資産課税台帳に登録された評価額(登録価格)のない土地(本件土地)の登記申請に際し納付した登録免許税額は過大であり、本件土地が合筆・分筆される前の土地(本件土地とおおむね所在地が同じ。)に係る平成27年1月1日現在の登録価格に基づく1平方メートル当たりの評価額に本件土地の地積を乗じて算定した価額(請求人主張額)を本件土地の登録免許税の課税標準(本件土地課税標準)とするべきである旨主張し、原処分庁は、登記申請に際し、登記機関が認定した価額(本件登記機関認定価額)の基礎とした本件土地に隣接する土地(本件隣接地)は、その立地条件等から本件土地との類似性が極めて高い土地であり、本件登記機関認定価額に誤りはない旨主張する。
 しかしながら、本件土地の登記申請が平成27年3月になされていることから、本件登記機関認定価額算定の基準日は、施行令附則第3項第1号の規定により、平成26年12月31日となるため、請求人の主張する平成27年1月1日現在の登録価格を算定の基礎とする請求人主張額をもって、本件土地課税標準とすることはできない。また、本件隣接地は、本件土地の属する地域の土地利用に係る行政上の規制等の内容や登録価格の算定の基礎となる価格が異なっており、本件土地と類似する土地であるとは認め難く、他方、本件土地の近傍に存する土地(本件近傍地)は、土地利用に係る行政上の規制等の内容や登録価格の算定の基礎となる価格が本件土地と同じである。したがって、本件隣接地よりも本件土地に類似する土地は、本件近傍地であると認められ、本件近傍地の登録価格を基礎として算定した価額を本件土地課税標準とするのが相当である。

参照条文等

登録免許税法第10条 登録免許税法附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項

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平成17年4月5日裁決

登録免許税法第13条第2項の規定を適用しないで登録免許税を納付し当該登記を受けた後において、同項の規定の適用によって納付税額が過大であったとする還付請求は認められないとした事例

裁決事例集 第69集 427頁

要旨

 請求人は、[1]社会通念上、一般に、税の申告の修正又は訂正が認められているところ、登録免許税法に登記申請の修正を認めない旨の規定はないことから、本件規定の適用を求め、同法第13条第2項に規定する証明書(以下「本件証明書」という。)を提出して行った本件還付通知請求は認められるべきであり、また、[2]共同担保である他の物件の根抵当権移転登記において、既に根抵当権の極度額を課税標準とする登録免許税を納付済みであるから、本件登記申請に本件証明書類の添付がないという手続きの不備を理由に本件還付通知請求を認めないことは、二重課税を容認することとなり違法である旨主張する。
 しかしながら、[1]登録免許税法には、本件証明書の添付がなかった場合でも本件規定の適用を認める旨の規定はなく、更に、本件登記の完了後において、本件証明書類を添付して本件還付通知請求をしても、本件規定を適用すべき事由はない、また、[2]本件登記に係る登録免許税の額は、同法第9条の規定に基づいて算出されたもので税額に誤りはないことから、本件還付通知を認めることはできない。

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平成13年3月8日裁決

いわゆる台帳価格のない建物の価額について、原処分庁がA法務局の部長通達による認定基準に基づき認定したのに対し、同認定基準は一般的な建物に適用されるものであるから、本件建物のような特殊な建物に適用すべきではないとして、本件建物と類似する建物の台帳価格によるべきであるとした事例

裁決事例集 第61集 705頁

要旨

 原処分庁は、本件建物は本件登記の申請日において台帳価格のない不動産であるから、昭和60年2月28日付1不登4第151号A法務局民事行政部長依命通達「不動産登記法の登録免許税課税標準価格の認定基準」に基づいて認定した価額が本件建物の価額となる旨主張する。
 しかしながら、本件認定基準は、一般的な建物について適用されることを前提に、建物の構造、種類の区分ごとに、画一的にその基準となる単価を定めているものにすぎないのであって、本件のように、特殊な建物についてなされた本件認定基準に基づく認定を、本件建物と類似する建物の台帳価格を基礎として登記機関が認定した価額ということはできない。

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平成18年5月24日裁決

登録免許税法第4条《公共法人等が受ける登記等の非課税》第2項の規定の適用を受けないで登記を受けた後において、非課税の登記に該当するものであることを証する書類を提出しても、既に納付した登録免許税の還付を受けることはできないとした事例

裁決事例集 第71集 741頁

要旨

 登録免許税の納付義務は、登記の時に成立し、納付すべき税額は、納税義務の成立と同時に特別の手続きを経ないで確定するのであり(国税通則法第15条第2項第12号及び同条第3項第5号)、登録免許税を納付した場合において過誤納が生じるのは、国税として納付された金員に対応する確定した登録免許税額が、登記の申請書に記載した登録免許税の課税標準又は税額の計算が国税に関する法律の規定に従っていないことなどにより存在しない場合である。
 本件の場合において過誤納が生じているか否かについてみると、各登記につき租税特別措置法第72条第1項及び登録免許税法第9条の規定に基づき適正に登録免許税額が算出されており、本件各納付も正しく行われた税額の計算に基づき行われたものであるから、請求人の各登記が、登録免許税の課税標準又は税額の計算が国税に関する法律の規定に従っていないとはいえず、本件各納付によって過誤納が生じているとはいえない。
 また、本件証明書を登記後に提出した場合に非課税規定の適用を認める規定が存在しない以上、登記後に本件証明書を提出したとしても非課税規定の適用を認めることはできない。

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平成14年5月30日裁決

原処分庁が採用した比準地を本件土地の類似土地とは認めず、審判所が調査した近傍類似地の台帳価格の路線価を基に、課税標準の額を算定した事例

裁決事例集 第63集 689頁

要旨

 固定資産税課税台帳に登録された価格(以下「台帳価格」という。)のない本件土地の登録免許税の課税標準の額及び税額の算定について、原処分庁は、本件土地の分筆及び合筆前の土地を本件土地の類似土地(以下「本件比準地」という。)とし、その土地の1平方メートル当たりの台帳価格に、本件土地の地積を乗じた額を本件土地の価額と認定しているが、本件土地と本件比準地を比較すると、その規模、立地条件及び利用条件等において明らかに異なるから、本件比準地を本件土地の類似土地とは認められず、また、請求人の主張する本件土地の台帳価額は平成13年度の価額であることから採用できない。
 そこで、当審判所が調査した近傍の土地は、その規模、立地条件及び利用条件等から本件土地に類似する土地(以下「近傍類似地」という。)とするのが相当であり、その土地の台帳価格の基礎となる平成12年1月1日現在の路線価を基に、本件土地の形状等を考慮した上で、算定するのが相当である。
 したがって、本件土地の価額は、近傍類似地の平成12年1月1日現在の基準路線価に、市が本件土地の平成13年度の修正後の台帳価格の計算に用いた補正率等を乗じて算定した額とするのが相当であるから、原処分庁が認定した登録免許税に係る課税標準の額及び登録免許税の額は、その一部を取り消すべきである。

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平成21年6月9日裁決

宗教法人が境内建物等の所有権の取得登記について登録免許税の非課税規定の適用を受けるためには、登記の申請書に非課税証明書の添付が必要であるとした事例

裁決事例集 第77集 461頁

要旨

 登録免許税法第4条第2項及び同法別表第三(以下「別表第三」という。)の12第3欄の第1号は、宗教法人が、専ら自己又はその包括する宗教法人の宗教の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内建物の所有権の取得登記又は同条に規定する境内地の権利の取得登記については、登録免許税を課さない旨規定するが、別表第三の12第4欄は、これを同号の登記に該当するものであることを証する財務省令で定める書類(以下「本件非課税証明書」という。)の添付があるものに限る旨規定している。また、登録免許税法第4条第2項は、登録免許税を課さない登記等は、別表第三の12第4欄に財務省令で定める書類の添付があるものに限る旨の規定がある登記等にあっては、当該書類を添付して受けるものに限る旨、その要件を明確に規定している。これは、権利に関する登記の申請があった場合、登記官の審査対象は、申請書類及び登記簿に限定される(形式的審査権)ことも考慮し、宗教法人が本件非課税規定の適用を受ける際の要件として、本件非課税証明書の添付を要求したものと解される。
 これを本件についてみると、請求人は、本件各登記の申請の時に本件非課税証明書を添付せず、本件非課税規定を適用しないところで登録免許税の額を算出してこれを納付しており、原処分庁は、本件非課税証明書の添付がない本件各登記申請書を受理し、本件各登記を完了したことが認められる。
 本件非課税規定は、登録免許税を非課税にするという例外的な規定であることからすると、その適用に際しては、厳格に解釈するべきであり、本件各登記について手続的要件を満たしていない以上、本件非課税規定の適用を受けることはできないというべきである。

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平成14年11月22日裁決

台帳価格のない建物の保存登記に係る登録免許税の課税標準額について、建築価額相当額が妥当であるとする主張を認容した事例

裁決事例集 第64集 565頁

要旨

 原処分庁は、固定資産課税台帳に登録された価格のない本件建物に係る登録免許税の課税標準を、法務局長通達により定められた「建物の課税標準価格認定要領」に従って認定したものであり、原処分は適法である旨主張する。
 しかしながら、原処分庁が適用した認定要領は、台帳価格のない建物に係る登録免許税の課税標準の額の認定の妥当性と課税の公平を図り、併せて登記事務の迅速な処理を図ることを目的とし、標準的な仕様・構造の建物についての適用を予定しているところ、本件建物は間仕切り及び特別の造作等のないワンフロアー形式で、天井、壁面及び床には化粧パネル等の装備がなく、構造がむき出しであり、認定要領をそのまま適用することが相当でない例外的な建物であると認められる。
 登録免許税の課税標準たる不動産の価額は当該登記の時における当該不動産の価額による(登録免許税法第10条第1項)こととされているから、本件建物に係る課税標準の額は、本件建物の時価によるものと解される。
 そして、本件建物の建築価額は通常の取引による客観的な価額と認められることから、本件建物の建築価額をもって時価とするのが相当であり、この価額を本件建物の登録免許税の課税標準の額とするのが妥当であるから、原処分はその全部を取り消すべきである。

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平成24年5月22日裁決

登録免許税の過誤納を求める還付通知請求は、還付通知請求期限を徒過して提出されたものであるから、その請求は不適法であるとした事例

裁決事例集 第87集

ポイント

 本事例は、原処分庁の「登録免許税の過誤納金の還付請求権は、時効(消滅時効5年)により消滅している」旨の不適当な主張にとらわれることなく、還付通知請求自体の適法性を検討して判断したものである。

要旨

 請求人は、土地及び工場財団について、平成18年6月に抵当権設定登記申請を行った際に納付した登録免許税額が過誤納となったことについて、①原処分庁職員の指導に基づき登録免許税額を算出したことに起因して過誤納となったものであること、②原処分庁は、登記機関として登録免許税法第26条《課税標準及び税額の認定》第1項に基づき申請書に記載された課税標準の金額等の調査をすべきであったにも関わらずこれをしなかったことから、平成23年12月にした本件還付通知請求に対しては、過誤納の事実に基づき還付通知をすべきである旨主張する。
 しかしながら、登録免許税法第31条《過誤納金の還付等》第2項の規定は、登記等を受けた者に対し、簡易迅速に還付を受ける手続を利用することができる地位を保証しているものと解されることからすれば、同項の規定に基づく還付通知をすべき旨の請求に対する拒否通知の適否を判断するに当たっては、登記等を受けた者が、登記等を受けた日から1年を経過する日までに簡易迅速に還付を受けることができる手続を利用していることが前提となるものと解するのが相当であるところ、本件還付通知請求は、同項に規定する還付通知をすべき旨の請求ができる期間(1年)を経過した後に行われた不適法なものであるから、その他の点を判断するまでもなく、原処分は、適法なものである。

参照条文等

登録免許税法第31条第2項

参考判決・裁決

最高裁平成17年4月14日第一小法廷判決(民集59巻3号491頁)

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平成15年3月24日裁決

登記嘱託書に記載されていた類似地と本件土地の形状等に比較検討を加え、課税標準額を認定した事例

裁決事例集 第65集 961頁

要旨

 原処分庁は、固定資産課税台帳に登録された価格(台帳価格)のない土地に係る登録免許税の課税標準の額の算定について、本件土地近傍の宅地(本件類似地)の台帳価格の1平方メートル当たりの価額に本件土地の地積を乗じた金額を基としているが、本件土地と本件類似地の形状は大きく異なることから、たとえ本件類似地の台帳価格を基に固定資産税評価額を算定するとしても、本件土地が有する特殊事情について所要の調整を行った上、本件土地の登録免許税の課税標準の額及び登録免許税の額を認定するのが相当である。
 したがって、還付の通知をすべき理由がないとした本件通知処分は、その限りにおいて違法であるから、その一部を取り消すべきである。

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平成25年6月3日裁決

納付済みであった登録免許税について、事後に震災特例法の規定による登録免許税の免税の特例に当たるとしてなされた還付通知をなすべき旨の請求が認められないとした事例

裁決事例集 第91集

ポイント

 本事例は、震災特例法の登録免許税の免税規定の適用を受けるには、登記申請の際に法所定の書類の添付が必要であり、登記の際その添付がなかった場合には、既に確定した登録免許税を事後に免除することはできないとしたものである。

要旨

 東日本大震災の被災者である請求人は、請求人が行った所有権移転登記及び抵当権設定登記(本件各登記)が、被災代替建物に係る土地の取得のために行ったものであり、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(震災特例法)第40条《東日本大震災の被災者等が被災代替建物に係る土地を取得した場合の所有権の移転登記等の免税》の規定(本件免税規定)に該当することから、登記申請の際に必要書類の添付がなくても本件免税規定の適用には問題がなく、本件各登記に係る登録免許税は過誤納となっている旨主張する。
 しかしながら、登録免許税の納付及び納付すべき税額は、国税通則法第15条《納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定》第2項第12号及び第3項第5号の規定により、登記の時に成立し、その成立と同時に特別の手続きを要しないで確定するのであり、登録免許税第31条《過誤納金の還付》第2項によれば、登録免許税の納付をした場合において過誤納が生じるのは、国税として納付された金員に対応する確定した登録免許税の額が、登記の申請書に記載した登録免許税の課税標準又は税額の計算が国税に関する規定に従っていないなどの場合であるところ、本件各登記に係る登録免許税は、登録免許税法等の規定に従って適正に算出されており過誤納は生じていない。また、所有権移転登記の申請書に、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行規則第16条《東日本大震災の被災者等が被災代替建物に係る土地を取得した場合の所有権の移転登記等の免税》に規定する書類を添付しなかった場合について、既に確定した登録免許税を免除できる規定は存在しない。

参照条文等

東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第40条 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行規則第16条

参考判決・裁決

平成21年6月9日裁決(裁決事例集No.77・461頁)

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平成16年5月20日裁決

固定資産課税台帳価格のない土地について登記官が認定する価額は、類似する土地の路線価に画地計算法を適用して求めた価格によるべきであるとした事例

裁決事例集 第67集 767頁

要旨

 租税特別措置法施行令第44条の2第1項は、固定資産税評価額の付されていない土地の価額は、その土地に類似する土地の固定資産税評価額を基に、登記官が認定した価額とする旨規定しているところ、原処分庁の行った本件土地の価額の認定方法についてみると、本件土地に類似する土地の固定資産税評価額をP市長に照会し、その回答額を基として本件土地の価額を認定したことが認められる。
 本件土地は、二方の道路に接面した、間口が狭小の不整形な形状をした土地であると認められるところ、この回答額は、不整形等の事情が一切考慮されない価額であるところの本件土地が接面する道路に付された路線価の額と同額であり、結果として原処分庁が認定した本件土地の価額は、本件土地に類似しない土地の価額を基礎として認定されたものであることが認められ、租税特別措置法施行令第44条の2第1項の規定に従って算定されたものということはできない。
 登録免許税における土地の課税標準の額は、固定資産税評価額を基礎としているところ、その固定資産税評価額は、地方税法第388条第1項に規定する固定資産評価基準に基づき行うこととされており、認定事実のとおり、本件土地と間口、奥行き、形状及び接道状況が類似する土地が存在しない本件にあっては、本件土地が接面する道路の路線価を基として、固定資産評価基準に定める不整形の補正率等を適用して本件土地の価額を算定することが、租税負担の公平の観点からも合理的であると認められる。

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平成27年5月25日裁決

登記記録の地目が畑で現況が墓地の土地の登記につき、登録免許税法第5条《非課税登記等》第10号に規定する「墳墓地に関する登記」に該当するかどうかは、不動産の現況ではなく登記記録の地目によるべきであるとした事例(登録免許税に係る還付通知の請求に対してされた還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・棄却)

裁決事例集 第99集

要旨

 請求人らは、請求人らが相続した登記記録の地目が畑で現況が墓地の土地の登記につき、登録免許税法第5条《非課税登記等》第10号に規定する「墳墓地に関する登記」に該当するかどうかは、登記記録の地目ではなく現況に従って判断すべきである旨主張する。
 しかしながら、同号は「墳墓地に関する登記」について非課税とするものであるところ、この規定を適用するについては、登記記録の地目が墓地と記録されている土地に限られる。これは、登録免許税が、納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が自動的に確定する国税で、相続税等の財産税とは異なり流通税としての性格を有し、このような性格を持つ登録免許税において、登記官は、不動産登記の際、登記記録や登記申請に基づき、当該不動産の地目を形式的に判断する必要があるためである。したがって、登録免許税法第5条第10号に該当するかどうかは、不動産の現況ではなく登記記録の地目によるべきであることから、現況地目が墓地であっても、登記記録の地目が墓地でなければ、同号の適用はない。

参照条文等

登録免許税法第2条第5条第10号

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平成17年9月29日裁決

登記機関が認定する価額の算定に当たり、本件土地の現況地目と登記嘱託書に添付された固定資産課税台帳記載事項証明書の課税地目とは異なるとして、現況地目に基づき課税標準を認定した事例

裁決事例集 第70集 397頁

要旨

 原処分庁は、登録免許税法施行令附則第3項に規定する類似する不動産の台帳価格を基礎として登記機関が認定する価額の算定に当たり、登記嘱託書に添付されていた近傍宅地の固定資産課税台帳記載事項証明書には法務局提出用近傍証明書との記載があるから当該近傍宅地は本件土地に近傍類似していることが証明されており、当該証明書の評価額に基づいて本件土地の価額を算定したことは適法である旨主張する。
 しかしながら、本件各土地の登記申請時の現況は、市道沿いから中央にかけて雑草が密生し、奥の部分は竹やぶが進入してきているが、かつて整地されたこともうかがえる状況にあり、P市の固定資産評価事務取扱要領によれば、「その他の雑種地」で、人の手は加えられているが、駐車場、運動場及び資材置場等として利用できる程度の造成が加えられていない土地(以下「その他の雑種地で直ちに利用可能でないもの」という。)に該当すると認められるのに対し、当該近傍宅地の課税地目は専用宅地であり、双方の土地は課税地目が異なるから、原処分庁の主張は採用できない。
 そうすると、本件各土地に類似する土地としては、本件各土地が接する路線(以下「本件路線」という。)に接する土地のうち、課税地目が「その他の雑種地で直ちに利用可能でないもの」を選定するのが合理的と考えられる。
 本件各土地の所在するP市では、「その他の雑種地で直ちに利用可能でないもの」の固定資産税評価額の算定は、面積、形状にかかわらず、画地調整をせずに、路線価に0.2を乗じた1平方メートル当たりの価格に面積を乗じて算定した価額によるとされており、この取扱いは相当と認められることから、本件各土地に類似する土地の価額は、特定の類似する土地を選定するまでもなく、本件路線に接面して本件各土地に類似する土地の平成15年1月1日現在の台帳価格、すなわち、平成15年1月1日現在の本件路線の路線価に0.2を乗じた1平方メートル当たりの価格に本件各土地の面積を乗じて算定した価額によることが合理的である。

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平成23年2月16日裁決

分筆及び合筆された土地については、課税台帳に登録された価格のない土地に該当し、登記機関が認定した価額が登録免許税法附則第7条に規定する政令で定める価額であるとした事例

裁決事例集 第82集

ポイント

 この事例は、課税台帳に登録された価格のない不動産の価額について登記官が認定した価額が妥当とはいえないものであったことから、審判所において価額の認定を行った上で、登記官の認定した価額は過大とはいえないとしたものである。

要旨

 請求人は、分筆登記により分筆された土地又は分筆登記により分筆された土地が合筆登記により合筆された14筆の土地(本件各土地)には、分筆前の台帳価格(本件分筆前台帳価格)があることから、所有権移転を目的とする本件各登記に係る登録免許税の課税標準の額は、本件分筆前台帳価格を基に算定した価額によるべきである旨主張する。
 しかしながら、不動産の価額は、登記申請の日がその年の4月1日から12月31日までの期間内であるものは、その年の1月1日現在において課税台帳に登録された不動産の価額を基礎として計算した金額に相当する価額とするとされているところ(登録免許税法附則7、登録免許税法施行令附則3前段)、本件各土地は、平成21年2月の分筆登記により分筆された土地又は同日の分筆登記により分筆された複数の土地が同年5月の合筆登記により合筆された土地であることから、本件各登記がされた平成21年6月においては、平成21年度の台帳価格がなかったと認められる。そうすると、台帳価格のない不動産の価額は、当該不動産の登記の申請の日において当該不動産に類似する不動産で台帳価格のあるものの価額を基礎として、登記機関が認定した価額とするとされていることから(登録免許税法施行令附則3後段)、本件各土地の価額は、それらの近傍類似の土地で平成21年度の台帳価格のあるものの当該台帳価格を基礎として登記機関が認定した価額となる。ところで、本件各土地のうち12筆の土地(本件12筆土地)の価額の認定に当たり、その近隣類似の土地の平成21年度の台帳価格を基礎とするところ、本件登記官がその基礎とした比準宅地は、三角形状の不整形地であり、ほぼ長方形状の本件12筆土地と形状の類似性を著しく欠くなど、適切な比準宅地とはいえない。そこで、本件12筆土地の価格形成に影響を与えるような特性を有する地域の中から、本件12筆土地と近傍の分譲住宅地に所在する宅地(本件認定宅地)を選定し、本件認定宅地の平成21年度台帳価格を基に、地価下落率、画地条件及び場所的条件の格差を考慮して本件12筆土地の価額を算定し、認定したところ、本件12筆土地の本件各登記に係る登録免許税の課税標準の額は、本件登記官の認定した課税標準の額を上回ることから、本件登記官の認定した課税標準の額は過大とはいえない。

参照条文等

国税通則法第15条第36条 登録免許税法第9条第10条第28条第29条第31条、附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項

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平成23年6月30日裁決

台帳価格のない建物の登録免許税の課税標準について登記機関が認定した価額が類似する建物の台帳価格を基礎として算定されていない場合は、客観性が認められる当該建物の建築価額によるのが相当であるとした事例

裁決事例集 第83集

要旨

 原処分庁は、請求人が所有権保存登記を受けた倉庫(本件倉庫)は、新築されたものであり、いわゆる台帳価格のない不動産であるから、その課税標準の額の算定に当たっては、認定基準表によるべきである旨主張する。
 しかしながら、登記機関が、台帳価格のない建物について認定基準表に基づき認定する価額は、認定基準表の作成に当たり選定した類似する建物の台帳価格を基礎として合理的に算定されたものであれば適法と解されるものの、台帳価格のない建物が、認定基準表の作成に当たり選定された建物の状況と類似しているとは認められず、認定基準表に基づき認定された価額が、登録免許税法施行令附則第3項に規定する「類似する不動産で台帳価格を基礎として登記機関が認定した価額」を表していない場合には、登記申請人は、当該建物と類似する近傍の建物の台帳価格があればその台帳価格を基にして求めた価額を、当該建物と類似する近傍の建物の台帳価格がなければ他の方法により求めた不動産の価額(時価)を採用できると解するのが相当である。本件倉庫については、一般的な倉庫に比して簡易な仕様・構造の建物であり、認定基準表の作成に当たり選定された建物の状況と類似していないことは明らかであるから、認定基準表に基づく本件倉庫の価額は、「類似する不動産の台帳価格を基礎として登記機関が認定した価額」を表しているとは認められず、また、本件倉庫に類似する建物は、本件倉庫の登記の申請の年の前年12月31日現在において認められないことからすると、請求人は、本件倉庫の課税標準の額の算定に当たり、他の方法により求めた本件倉庫の価額(時価)を採用することができることとなる。そこで、本件倉庫の価額(時価)を検討すると、建築価額(工事費及び設計監理料の合計額)によるのが相当と認められるから、本件倉庫の課税標準の額は、当該建築価額とするのが相当である。

参照条文等

登録免許税法第10条、附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項

参考判決・裁決

平成14年11月22日裁決(裁決事例集No.64・565頁)

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平成24年3月6日裁決

台帳価格の決定後に既存建物の一部を利用して増築された部分の登録免許税の課税標準たる価額は、固定資産評価基準を基礎として算定するのが相当とした事例

裁決事例集 第86集

ポイント

 この事例は、建物の台帳価格の決定後に既存建物の一部を利用した増築工事により当該建物の床面積が増加した場合の当該増築部分の登録免許税の課税標準たる価額は、①登記実務上、法務局長が定める認定基準表により算定することになるが、当該認定基準表は平均的な新築建物の価額を基準として定められていることから、当該認定基準表により難いときには、②当該増築部分の工事費用が通常の取引における客観的な価額であると認められれば、当該増築工事費用の額を基礎とするのが最適であるが、当該増築工事費用の額が不明であるときには、③固定資産税法上の固定資産評価基準を基礎として算定するのが相当であると判断したものである。

要旨

 原処分庁は、平成22年6月における所有権移転登記の目的となった建物(本件建物)は、既存建物(本件旧建物)に事務所部分(本件事務所部分)を増築したものであって、その増築は、固定資産課税台帳(課税台帳)に本件旧建物の同年1月1日現在における価額が登録された後になされているから、本件建物の登録免許税の課税標準たる価額は、本件旧建物については、課税台帳に登録された同年1月1日現在の本件旧建物の価格(本件旧建物台帳価格)を基礎として計算した金額とし、本件事務所部分については、法務局長が定めた「登録免許税課税標準額認定基準」(本件通達)の新築建物課税標準額認定基準表(本件認定基準表)により算定した価額として、これらを合計した価額とするのが相当である旨主張する。
 しかしながら、登記の目的となる建物について登録免許税法施行令附則第4項に規定する「特別の事情」が認められる場合には、本件通達が定めた本件認定基準表を一律に適用して登記官がその価額を認定することは、簡易迅速な税額の確定が求められる登録免許税において課税の公平を担保するという観点から相当であると認められるものの、本件認定基準表により難い場合には、これによらないことができるものと解するのが相当であり、本件認定基準表は法務局長が平均的な新築建物の価額の基準として定めたものであるのに対し、本件事務所部分は既存の物置の一部を使用するなどして増築されたものであることからすると、本件事務所部分については、本件認定基準表に定める方法により難い場合に該当すると認められるから、他の方法により求めた登記の時の価額を課税標準の額とするのが相当である。そして、その価額は、市役所の職員が本件事務所部分を実地調査して固定資産評価基準に基づき算定した増築時点の再建築費評点を基礎として算出した価額(本件事務所部分価額)とするのが相当である。したがって、本件建物の登録免許税の課税標準たる価額は、本件旧建物台帳価格を基礎として計算した金額と本件事務所部分価額とを合計した金額とするのが相当である。

参照条文等

登録免許税法第10条、附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項、第4項

参考判決・裁決

最高裁平成15年7月18日第二小法廷判決(判タ1139号62頁) 平成23年6月30日裁決(裁決事例集No.83)

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平成24年10月12日裁決

固定資産課税台帳に登録された価格のない不動産について類似する不動産が存在しない場合における登録免許税の課税標準の額は、固定資産評価基準を基礎として算定するのが相当とした事例

裁決事例集 第89集

ポイント

 本事例は、固定資産課税台帳に登録された価格のない不動産について類似する不動産が存在しない場合又は類似する不動産が把握できない場合における登録免許税の課税標準の額のたる不動産の価額(時価)は、登録免許税における不動産の課税標準の額が、固定資産課税台帳に登録された価格を基礎としていることなどから、固定資産課税標準によってその価額を算定し、その算定した価額が時価を上回らない限り、その価額とするのが相当であると判断したものである。

要旨

 請求人は、固定資産課税台帳に登録された価格のない本件土地の登記に係る登録免許税の課税標準たる本件土地の価額について、本件土地の周辺に本件土地の時価と同水準の土地が見当たらない場合には、本件土地の売払いに際して売払人が依頼した民間精通者による評価額(本件精通者評価額)とすべきである旨主張する。
 しかしながら、登録免許税の課税標準の額たる土地の価額は、当該土地と類似する土地が存在しない場合にあっては、固定資産評価基準によって算定した価額が時価を上回らない限りにおいて、その価額は相当と認められるところ、本件の場合、本件土地と類似する土地は存在せず、また、固定資産評価基準によって算定した本件土地の価額(本件固定資産評価額)は、仮に本件精通者評価額が時価として相当と認められるとしても、本件精通者評価額を下回るものであること及び他に本件固定資産評価額が時価を上回ることを認めるに足る証拠もないことから、本件登記に係る登録免許税の課税標準の額たる本件土地の価額として相当なものと認められる。したがって、本件登記に係る登録免許税の課税標準たる本件土地の価額は、本件固定資産評価額とするのが相当である。

参照条文等

登録免許税法第10条、附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項

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平成28年4月7日裁決

原処分庁が認定した登録免許税の課税標準たる土地の価額は、当該土地に類似する不動産の登録価格を基礎としたものということはできないとして処分の一部を取り消した事例(平成27年2月登記により納付された登録免許税に係る還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・一部取消し)

裁決事例集 第103集

ポイント

 本事例は、平成27年2月にした平成26年12月31日現在の固定資産課税台帳に登録された価格(登録価格)がない土地の所有権移転登記に係る登録免許税の課税標準について、他に当該土地の登記の時における適正な価額とは認められるものがないときは、平成26年度の固定資産評価基準の定めにより計算した価額が当該土地の登記の時の価額として相当なものであると認められるとしたものである。

要旨

 請求人は、平成27年2月にした平成26年12月31日現在の固定資産課税台帳に登録された価格(登録価格)がない土地(本件土地)の所有権移転登記に当たり、納付した登録免許税は過誤納となっている旨主張し、原処分庁は、登録免許税法施行令附則第3項の規定に基づき付近の土地の登録価格から認定した価額は適正であり、過誤納はない旨主張する。
 しかしながら、本件土地の周辺で、本件土地と形状、間口、奥行き、利用状況及び接道状況等が類似する不動産は存在しなかったと認められる上、登記官が認定した価額は、単に近傍の固定資産評価の路線価に雑種地等補正をして算定されただけであるとうかがわれ、これを本件土地に類似する不動産の登録価格を基礎としたものということはできない。本件の登記申請は、平成27年2月になされており、用いるべき登録価格は平成26年12月31日現在のものであって、これと異なり、平成27年1月1日を基準日とする平成27年度の登録価格を用いる請求人の主張額は、登録免許税法施行令附則第3項第1号の規定に反しており、また、平成27年2月と平成27年1月1日とでは、本件土地の造成工事が完了していたか否かという差異があるから、平成27年度の登録価格をもって直ちに同項所定の登記官が認定する価額とは認められない。いずれの価額も本件土地の登記の時における適正な価額とは認められないから、平成26年度の固定資産評価基準の定めにより計算した価額が本件土地の登記の時の価額として相当なものであると認められる。

参照条文等

登録免許税法第10条、同附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項

参考判決・裁決

平成24年10月12日裁決(裁決事例集No.89)

原文を表示
平成30年3月14日裁決

原処分庁が認定した登録免許税の課税標準たる土地の価額は、当該土地に類似する不動産の固定資産課税台帳の登録価格を基礎としたものということはできないとした事例(登録免許税の還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・一部取消し)

裁決事例集 第110集

ポイント

 本事例は、平成27年中にした平成26年12月31日現在の固定資産課税台帳に登録された価格(台帳登録価格)がない土地(本件各土地)の所有権移転登記に係る登録免許税の課税標準について、本件各土地の周辺で、本件各土地と不動産の形状、地積、間口、奥行き、利用状況及び接道状況、土地利用に係る行政上の規制等の内容や固定資産評価に適用される路線価等が類似すると認められる土地の台帳登録価格の1平方メートル当たりの価格を基礎として、本件各土地の価額を算定するのが相当であるとしたものである。

要旨

 請求人は、平成27年中にした固定資産課税台帳に登録された価格(台帳登録価格)がない土地(本件各土地)の所有権移転登記(本件登記)に当たり、原処分庁が、登録免許税法施行令附則第3項の規定に基づき近傍宅地(本件近傍宅地:面積が150平方メートル程度の画地)の価格から認定した価額(登記官認定価額)は過大であり、平成28年度台帳登録価格が、本件登記時の正当な価額であるから、納付した登録免許税は過大になっている旨主張する。
 しかしながら、本件各土地に係る登記申請は、平成27年中になされており、用いるべき台帳登録価格は平成26年12月31日現在のものであって、これと異なり、平成28年1月1日を基準日とする平成28年度台帳登録価格を用いる請求人の主張額は、同項第1号の規定に反しており、また、登記官認定価額は、単に本件近傍宅地の固定資産評価の路線価に雑種地等補正をして算定されただけであることがうかがわれ、不動産の形状、地積等の異なる本件各土地に類似する不動産の台帳登録価格を基礎としたものということはできない。したがって、当審判所が認定した、本件登記の嘱託の日において、本件各土地の周辺で、本件各土地と不動産の形状、地積、間口、奥行き、利用状況及び接道状況、土地利用に係る行政上の規制等の内容や固定資産評価に適用される路線価等が類似すると認められる土地の台帳登録価格の1平方メートル当たりの価格を基礎として、本件各土地の価額を算定するのが相当である。

参照条文等

登録免許税法第10条 登録免許税法附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項

参考判決・裁決

東京地裁平成23年8月23日判決(訟月59巻5号1299頁) 平成28年4月7日裁決(裁決事例集No.103) 平成28年9月28日裁決(裁決事例集No.104)

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平成30年6月14日裁決

固定資産課税台帳に登録された価格のない不動産について類似する不動産が存在しない場合における課税標準の額は、登記の時の基準日における台帳価格相当額を基礎として算定するのが相当とした事例(平成28年3月登記により納付された登録免許税に係る還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・全部取消し)

裁決事例集 第111集

ポイント

 本事例は、固定資産課税台帳に登録された価格のない不動産について、類似する不動産が存在しない場合又は類似する不動産が把握できない場合における登録免許税の課税標準たる不動産の価額(時価)は、登録免許税における不動産の課税標準の額が、固定資産課税台帳に登録された価格を基礎としていることから、固定資産評価基準に従い計算したその登記の時における基準日の台帳価格相当額を算定し、その算定した価額が不動産の時価を表さないなどの特段の事情がない限り、その価額とするのが相当であると判断したものである。

要旨

 原処分庁は、固定資産課税台帳に登録された価格(台帳価格)のない土地(本件各土地)の価額は、登記(本件登記)の時に、本件各土地が所在する自治体の長が、本件各土地に類似するとした宅地の台帳価格を基礎として算定したものであり、適正に認定されている旨主張し、請求人は、本件各土地の価額は、本件登記の時の翌年度に付された台帳価格及び本件各土地と一体をなす一団の土地(別件土地)の登記の時の価額を基礎として算定すべきである旨主張する。
 しかしながら、本件各土地の、本件登記の時における現況地目は雑種地であり、さらに本件各土地に類似する不動産が存在しない場合又は類似する不動産が把握できない場合に該当するのであるから、原処分庁の主張は採用できない。また、本件登記の時とは時点の異なる台帳価格や、時点及び対象の異なる別件土地の台帳価格を基礎とするのは相当ではないから、請求人の主張は採用できない。したがって、本件登記に係る登録免許税の課税標準額は、固定資産評価基準に従い計算した、本件各土地の本件登記の時の台帳価格相当額を基礎として算定すべきである。

参照条文等

登録免許税法第10条、附則7条 登録免許税法施行令附則第3項

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平成30年8月6日裁決

固定資産課税台帳に登録された価格のない不動産について類似する不動産が存在しない場合における課税標準の額は、登記の時の基準日における台帳価格相当額を基礎として算定するのが相当とした事例(平成28年5月登記により納付された登録免許税に係る還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・一部取消し)

裁決事例集 第112集

ポイント

 本事例は、固定資産課税台帳に登録された価格のない不動産について、類似する不動産が存在しない場合又は類似する不動産が把握できない場合における登録免許税の課税標準たる不動産の価額(時価)は、登録免許税における不動産の課税標準の額が、固定資産課税台帳に登録された価格を基礎としていることから、固定資産評価基準に従い計算したその登記の時における基準日の台帳価格相当額を算定し、その算定した価額が不動産の時価を表さないなどの特段の事情がない限り、その価額とするのが相当であると判断したものである。
 なお、台帳価格相当額については、個別的要因である埋蔵文化財包蔵地を考慮した上で算定している。

要旨

 請求人は、平成28年5月にした固定資産課税台帳に登録された価格(台帳登録価格)がない土地(本件各土地)の所有権移転登記(本件登記)に当たり、原処分庁が、登録免許税法施行令附則第3項の規定に基づき、本件各土地に係る固定資産評価通知書に記載された近傍宅地の1平方メートルの価額(本件近傍地価額)に、本件各土地の地積をそれぞれ乗じて認定した価額により算出した登録免許税額は過大であり、平成29年度台帳登録価格を本件登記に係る登録免許税の課税標準の額を算出するための基礎とすべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地に係る登記申請は、平成28年5月になされているため、用いるべき台帳登録価格は平成28年1月1日現在のものであって、これと異なる平成29年1月1日を基準日とする平成29年度台帳登録価格を用いる請求人の主張額は、同項第2号の規定に反している。また、登記官認定額についても、画地計算法に基づく補正等の所要の修正を行うことなく、本件近傍地価格に本件各土地の地積を乗じただけであることがうかがえるため、登記機関認定額として適正なものとはいえない。当審判所の認定では、登記嘱託の日において、本件各土地の周辺で、本件各土地と不動産の形状、地積、間口、奥行き、利用状況及び接道状況、土地利用に係る行政上の規制等が類似すると認められる土地等は存在しなかったため、固定資産評価基準によって本件各土地の価額を算定するのが相当である。すなわち、本件各土地を一団の土地とみた上で、本件各土地の接する路線の平成28年度の固定資産税の路線価を基礎として、固定資産評価基準及び本件各土地の所在する市区町村の土地評価事務取扱要領に定める各種補正率等を適用し、さらに本件各土地の適正な時価に影響を与える個別的要因である埋蔵文化財包蔵地を考慮した上で算出した本件各土地の価額を基礎として、本件各土地の価額を算定するのが相当である。

参照条文等

登録免許税法第10条、附則7条 登録免許税法施行令附則第3項

参考判決・裁決

平28年4月7日裁決(裁決事例集No.103)

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令和3年6月25日裁決

原処分庁が固定資産課税台帳に登録された価格のない土地の登録免許税の課税標準額の算定の基とした近傍宅地価格は、類似する不動産の価額とは認められないとした事例

裁決事例集 第123集

ポイント

 本事例は、固定資産課税台帳に登録された価格のない土地(本件土地)の所有権移転登記に係る登録免許税の課税標準について、原処分庁が算定の基礎とした本件土地の形状等が考慮されていない本件土地に類似するとした宅地の台帳価格(本件近傍宅地価格)ではなく、本件土地を固定資産評価基準に定める評価方法に従って算定した台帳価格相当額とすべきとしたものである。

要旨

 原処分庁は、固定資産課税台帳に登録された価格(台帳価格)のない土地(本件土地)の所有権移転登記(本件登記)に当たり、登記官が登録免許税法施行令附則第3項の規定により、本件土地が所在する自治体の長が本件土地に類似するとした宅地の台帳価格(本件近傍宅地価格)を基に算定した登録免許税の課税標準価額は適正である旨主張する。
 しかしながら、本件近傍宅地価格は、本件土地が不整形な雑種地であることを考慮したものではないから類似する不動産の価額とは認められず、本件土地の課税標準価額は、当該土地を固定資産評価基準に定める評価方法に従って算定した台帳価格相当額とすべきである。

参照条文等

登録免許税法施行令附則第3項

参考判決・裁決

平成30年6月14日裁決(裁決事例集No.111)

原文を表示
令和6年5月27日裁決

固定資産課税台帳に登録された価格のない土地に類似する不動産は存在せず、当該土地の登録免許税の課税標準たる価額は、当該土地を固定資産評価基準に定める評価方法に則して算定するのが相当であるとした事例(令和4年12月登記により納付された登録免許税に係る還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・一部取消し)

裁決事例集 第135集

ポイント

 本事例は、原処分庁が主張する固定資産課税台帳に登録された価格のない土地に類似する不動産は、当該土地に類似する不動産とは認められず、当審判所における調査の結果においても、当該土地に類似する不動産は存在しないため、当該土地の登録免許税の課税標準たる価額は、本件各土地を固定資産評価基準に定める評価方法に則して算定するのが相当であるとしたものである。

要旨

 請求人は、所有権移転登記(本件登記)を受けた各土地(本件各土地)には、本件登記の時に固定資産課税台帳に登録された価格(台帳価格)があったとして、当該価格をもって登録免許税の課税標準たる価額とすべきである旨主張する。一方、原処分庁は、本件各土地には台帳価格がなく、登記官が登録免許税法施行令附則第3項の規定により、本件各土地に類似する不動産の台帳価格を基に算定した価額(本件登記官認定額)を登録免許税の課税標準たる価額としたことは適正である旨主張する。
 しかしながら、本件登記の時に本件各土地の台帳価格はなく、請求人の認識には誤りがある。また、原処分庁が主張する本件各土地に類似する不動産は、本件各土地とは形状が大きく異なるほか、地積や接道状況等にも違いがあるため、本件各土地に類似する不動産とは認められないから、本件登記官認定額は、登録免許税法施行令附則第3項に規定する登記機関が認定した価額として適正なものとはいえない。そして、当審判所における調査の結果においても、本件各土地に類似する不動産は存在しないから、本件各土地の登録免許税の課税標準たる価額は、本件各土地を固定資産評価基準に定める評価方法に則して算定した台帳価格相当額とすべきである。

参照条文等

登録免許税法第10条、附則第7条 登録免許税法施行令附則第3項

参考判決・裁決

平成30年6月14日裁決(裁決事例集No.111) 令和3年6月25日裁決(裁決事例集No.123)

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