裁決事例 簡易課税制度

裁決事例 簡易課税制度

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平成6年12月22日裁決

塗料を材料として家具の塗装を行う行為は、いわゆる家具の塗装業であり、卸売業に該当しないとした事例

裁決事例集 第48集 479頁

要旨

 請求人は、その事業は、他の事業者から購入した塗料を、性質及び形状を変更せずに、特定の事業者に販売するものであるから、卸売業に該当する旨主張するが、請求人の事業は、塗料を材料として得意先から預かった家具に塗装する家具の塗装業であり、塗料それ自体を商品として販売する事業とはいえないから、卸売業には該当しない。

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平成4年5月6日裁決

簡易課税選択後2年間は、本則課税の適用はできないとした事例

裁決事例集 第43集 383頁

要旨

 請求人は、課税事業者が簡易課税制度を選択している場合であっても、本則課税により申告したときは本則課税による申告を認めるべきであると主張するが、いったん簡易課税制度を選択した場合は2年間はこれを継続しなければならないこととされており、請求人は、簡易課税制度選択後2年目であり、基準期間の課税売上高が5億円以下であるから、簡易課税制度を適用して確定申告をすべきである。

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平成6年9月26日裁決

簡易課税制度選択届出書の提出は錯誤によるものであるとして、本則課税を適用し、仕入税額控除をすべきとしてされた更正の請求につき、同届出書の提出は無効でなく、請求は認められないとした事例

裁決事例集 第48集 405頁

要旨

 請求人は、消費税法に基づき簡易課税制度選択届出書を提出した上で、当期につき簡易課税に基づいて算出した消費税の確定申告書を提出した。
 その後、請求人は、簡易課税制度選択届出書の提出は錯誤によるものであり、本則課税により仕入税額控除を適用すべきとして更正の請求をした。
 請求人は、簡易課税制度選択届出書の提出は錯誤に基づくもので無効であると主張するが、同届出書の提出による簡易課税の選択が錯誤により無効となるのは、請求人の錯誤が客観的に明白かつ重大なものである場合に限られると解すべきである。請求人が提出した簡易課税制度選択届出書は、法令の規定に従い記載し提出されており、その記載には明らかな誤りは認められず、仮に請求人に錯誤があったとしても、同届出書上錯誤が表れているとはいえないから、客観的に明白かつ重大な錯誤が存在したと認定することはできない。
 したがって、簡易課税制度選択届出書の提出による簡易課税の選択が無効であるという請求人の主張は採用することができず、更正の請求に理由がないとした原処分は相当である。

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平成7年1月25日裁決

請求人の行っている業務は、会計処理業務であり、帳票類を販売する業務ではないとして、簡易課税制度の適用上、卸売業に該当しないとした事例

裁決事例集 第49集 505頁

要旨

 請求人は、J社から帳票類を仕入れ、一切手を加えず、得意先に販売しているのみであり、また、得意先は特定の事業者であって一般の消費者ではないから、請求人の業務は、消費税法施行令第57条第2項に規定する卸売業に該当すると主張し、仕入先であるJ社と情報サ-ビス提供の契約をしているのは請求人ではなく、請求人の代表者である税理士であり、また、得意先との関係においても、請求人の業務と代表者たる税理士の業務は明確に区分されていると主張する。
 しかし、請求人が行っているのは、得意先が起票した伝票等の資料をJ社の情報処理システムにより整理分析して帳簿等を作成する会計処理業務であり、請求人の主張する帳票類の販売とは、会計処理業務の成果品として作成される帳簿等を引き渡すことである。
 したがって、請求人の業務は、消費税の簡易課税制度の適用上、卸売業には該当しない。

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平成8年6月27日裁決

「消費税簡易課税制度選択届出書」の効力は、「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」の提出によっては失効しないとした事例

裁決事例集 第51集 731頁

要旨

 消費税法第57条(小規模事業者の納税義務の免除が適用されなくなった場合等の届出)第2項の規定に基づく「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」は、事業者が基準期間の課税売上高が3,000万円以下となった場合に当該基準期間に対応する課税期間において消費税の納税義務がなくなった旨を届けるもので、簡易課税の特例の適用を受けることをやめようとするとき又は事業を廃止したときは、その旨を記載した届出書を提出しなければならない旨規定されていることからすると、消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書が提出されたとしても、簡易課税制度選択届出書の効力は失効しないものと解するのが相当である。

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平成7年5月29日裁決

悉皆業(白生地卸売業及び染色加工に係る事業)は、「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供事業」に該当し、第四種事業に当たるとした事例

裁決事例集 第49集 515頁

要旨

 請求人は、その事業は、染色加工業であって日本標準産業分類によれば、製造業の中分類(繊維工業)の小分類染色整理業に該当し、請求人自らの名と責任においてすべての加工を外注先に依存する製造業であり、第三種事業に当たる旨主張するが、請求人の事業は、白生地を受注先の小売店から提供されて、それに染色等の加工をしているのであるから、「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供事業」に該当し、第四種事業に当たる。

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平成7年6月20日裁決

原材料等の有償支給を受けて行う自動車部品の加工は製造業に当たるとした事例

裁決事例集 第49集 525頁

要旨

 請求人は、受注先であるM社等に納品した製品の対価には、同社から支給された原材料の部品代金を含めた金額(製品の対価に係る消費税額を含む)を受領し、他方、M社等から製品の加工を受注するに際しては、原材料の部品の対価(製品の対価に係る消費税額を含む)をM社等に支払っていることから、消費税の課税標準額は、M社等から有償支給された原材料部品の金額を加算した金額により計算することが相当である。

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平成11年7月5日裁決

消費税につき提出した「簡易課税制度選択届出書」の効力は、課税期間の基準期間における課税売上高が3,000万円以下となった場合に提出することとされている「納税義務者でなくなった旨の届出書」の提出によっては、失効しないとされた事例

裁決事例集 第58集 292頁

要旨

 請求人は、消費税法第57条第1項第2号に規定する「納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出することにより、それまでに提出していた「簡易課税制度選択届出書」の効力も同時に失効するので、その後に提出される消費税の確定申告については、簡易課税が適用される余地はなく、本則課税方式による仕入税額控除が適用されるべきである旨主張する。
 しかしながら、「簡易課税制度選択届出書」の効力は「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出しなければ失効せず、「納税義務者でなくなった旨の届出書」は、基準期間の課税売上高が3,000万円以下となったことによりその基準期間に係る課税期間について消費税の納税義務者でなくなった旨を税務署長に届出するもので「簡易課税制度選択不適用届出書」とはその目的を異にし、また、「納税義務者でなくなった旨の届出書」の提出により当然に「簡易課税制度選択届出書」の効力が失効することを定めた法令の規定も存しないことから、請求人の主張には理由がない。

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平成13年4月27日裁決

簡易課税制度適用課税期間に仕入れた建物に係る仮払消費税は、その後の本則課税適用課税期間における仕入税額控除の対象にはできないとした事例

裁決事例集 第61集 671頁

要旨

 請求人は、簡易課税制度適用課税期間に取得した建物を、本則課税適用課税期間に売却したため、本件更正処分は、結果的に仕入税額が控除されていない不当な課税であると主張するが、請求人の場合、本件課税期間に係る基準期間の課税売上高が2億円を超えていることから、消費税法第37条第1項かっこ書の規定により簡易課税による仕入税額控除の計算を行うことはできず、同法第30条に定める本則課税の方法によらざるを得ないこととなる。
 そうすると、仕入税額控除の額の計算の基礎とすべきと主張する本件建物は、本件課税期間前に仕入れられたものであるから、本件課税期間において仕入税額控除の対象とすることはできないことは明らかであり、また、簡易課税によった場合に比べて税負担が大きくなることをもって本件更正処分が不当な課税であるということもできない。

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平成8年4月19日裁決

紳士服等の製造販売に係るフランチャイズチェーンに加盟して行う販売事業は、製造業(第三種事業)に該当するとした事例

裁決事例集 第51集 709頁

要旨

 請求人は、フランチャイズチェーン本部に紳士服等の縫製加工を委託しているとはいえず、本部から購入した商品をその性質や形状を変更しないで販売しており、小売業(第二種事業)に当たる旨主張するが、請求人の事業形態は、紳士服等の縫製を現実に行うのは本部であっても、顧客との間においては、当該紳士服等の縫製は請求人の行為として行われているものであって、本部が縫製した紳士服等の製品を請求人が購入して顧客に販売しているとみることはできないことから、請求人の事業内容は、製造業(第三種事業)に該当すると認めることが相当である。

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平成13年11月30日裁決

簡易課税制度選択届出書の提出があり、その後簡易課税制度不適用届出書の提出がないので、本件課税期間については簡易課税制度を適用した更正処分等は適法であるとした事例

裁決事例集 第62集 435頁

要旨

 請求人は、設備投資に係る消費税等の還付を受ける目的で、本則課税を適用して申告したものであるが、消費税等の還付が受けられないのであれば本件申告書の取り下げを認めるべきであり、簡易課税制度を適用して行った更正処分等は違法、不当であると主張するが、本件申告書は、法令の規定に従った適法なものであり、自ら自由に取り消し、撤回をすることは許されず、また、請求人は簡易課税制度選択届出書を提出しているが、その後簡易課税制度不適用届出書の提出がないので、簡易課税制度を適用して行った更正処分等は適法である。

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平成8年4月26日裁決

顧客から印刷物の注文を受けて、これを外注先に印刷させ、その印刷物を顧客に納品する事業は、製造業(第三種事業)に該当するとした事例

裁決事例集 第51集 719頁

要旨

 請求人は、請求人自らは印刷そのものを行っておらず、単に他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで顧客に販売しているだけであるから、卸売業に当たる旨主張するが、請求人の事業形態は、顧客の注文に応じて自己の計算と危険において外注先に印刷加工を行わせることにより、印刷物の性質及び形状を変更して付加価値を高め、完成された印刷物を顧客に納品することにより対価を受領していることから、請求人の事業内容は、印刷業(製造業)に該当すると認めるのが相当である。

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平成13年11月14日裁決

簡易課税制度選択事業者が、消費税の経理処理につき税抜経理方式をとっているからといって、本則課税による仕入れ税額控除が認められることにはならないとした事例

裁決事例集 第62集 444頁

要旨

 新設法人で、かつ、簡易課税制度選択届出書を提出している請求人は、消費税等の経理処理について税抜経理方式をとっているから本則課税を認めるべきであると主張するが、当該届出書は本件課税期間を適用開始課税期間として適法にその効力を有しており、かつ、本件課税期間から事業を開始しているから、基準期間のない本件課税期間においては簡易課税制度を適用しなければならず、本則課税を適用する余地はない。

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平成9年5月30日裁決

請求人の行っている事業は、第三種事業に該当するものではなく、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業であり、第四種事業に該当するとした事例

裁決事例集 第53集 491頁

要旨

 請求人は、消費税の簡易課税制度の適用についての事業区分において、得意先から表生地の無償支給を受け、自己調達した裏生地及び芯地材並びにその他の副資材を用いてプレタポルテを製造するものであるが、裏生地及び芯地材もプレタポルテの主要な原材料であるから、本件事業は、第三種事業に該当すると主張する。
 しかしながら、裏生地及び芯地材は、あくまでも表生地に付属するものであって、プレタポルテの主要な原材料である表生地の持っている特性を増補あるいは補完することにより衣服としての価値観、機能性を高めるものであるにすぎないから、プレタポルテの主要な原材料であるとは認められないので、本件事業は、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行なう事業に該当し、第四種事業とするのが相当である。

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平成9年12月5日裁決

歯科技工を営む者が自ら原材料等を購入して、歯科補てつ物を製作し受注先に納入している場合の消費税の簡易課税制度における事業区分は、第四種事業(サ-ビス業)に該当するとした事例

裁決事例集 第54集 493頁

要旨

 請求人は、請求人の歯科技工所の事業形態は、原材料、中間材料、機械設備などをすべて自ら調達し、原材料等に物理的、科学的、機械的変化を施した歯科補てつ物を患者固有の口腔内に適合、機能できるように製作して受注先へ納入していることから第三種事業(製造業)に該当する旨主張する。
 しかしながら、請求人の事業をみると、もっぱら歯科医師等の受注先から補てつ物等を作成するうえでの具体的指示事項が記載されている技巧伝票及び石こうの歯形の提供を受けて歯科補てつ物等を作成して納入しているのであり、同物を何の制約等を受けることなく自由に作成できるものではない。請求人は、歯科医師が指示する形状、サイズ、材質等に従って歯科補てつ物を作成しなければならないのであり、歯科医師の指示によらず作成する歯科材料製造業等とは全く異なっている。
 また、請求人の事業は誰でも自由に行い得るものではなく、歯科医師ないし歯科技工士としての国家資格が認められた者でなければ行い得ないものであって、歯科医師は歯科医師及び歯科技工士以外の誰にも事業としての歯科補てつ物等の作成を依頼することができないことから、本件事業は歯科医師の指示に基づいて歯科医療に係る知識若しくは技能、技術を提供するものであり、歯科補てつ物等の作成も歯科医療行為の一環として行っているものと解するのが相当である。
 そうすると、本件事業は、歯科補てつ物等を製作する製造業としてよりも、歯科補てつ物等の製造、納入による歯科医療行為に付随するサービス提供事業である点にその本質があるものと解されることから、第四種事業(サービス業)に該当する。

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平成13年12月17日裁決

簡易課税制度選択届出書の提出は錯誤によるものであり無効であるとの主張を認めなかった事例

裁決事例集 第62集 451頁

要旨

 請求人は、簡易課税制度選択届出書の提出に当たって、原処分庁から簡易課税に関する説明が一切なかったことから、簡易課税とは単に消費税を算出する計算過程が簡単になるという認識しかなく、その提出は錯誤によるものであり無効であるから、本件課税期間について本則課税を認めるべきであると主張する。
 しかしながら、簡易課税制度選択届出書が錯誤により無効となるのは、請求人の錯誤が、客観的に明白かつ重大なものである場合に限られると解すべきところ、本件簡易課税制度選択届出書は、本件課税期間から適法にその効力を有しているものと認められ、また、請求人はグループの営業担当者から消費税等の届出書の提出について指導を受けていることから、簡易課税制度の内容については十分知りえたものと認められる。
 したがって、本件簡易課税制度選択届出書の提出は、請求人自身の判断に基づいてなされたものであり、提出に当たって請求人に本件簡易課税制度選択届出書の提出が無効となるような客観的に明白かつ重大な錯誤があったとは認められないから、請求人の主張には理由がない。

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平成13年2月8日裁決

簡易課税におけるみなし仕入率の適用に際し、歯科技工所は製造業ではなくサービス業に該当するとした事例

裁決事例集 第61集 662頁

要旨

 請求人は、請求人の営む歯科技工所は、社会通念上、製造業というべきである旨主張する。
 しかしながら、歯科技工は、免許を受けた歯科技工士でなければ業として行うことができないとされ、また、設計、作成の方法、使用材料等が記載された指示書によらなければならないとされるのは、これを行うには相当高度な専門知識、技能・技術が必要とされるためだけでなく、歯科技工士は歯科医師の補助者として歯科医療行為の一環としてこれを行うものであるから、たとえ請求人において材料を購入し、その技術を駆使して義歯を作成しているとしても、本件事業の本質は、歯科医師が患者に対してする医療行為と同様、専門的な知識、技能等を提供することにあるということができ、以上からすると、本件事業は、社会通念上もサービス業に該当すると解するのが相当である。

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平成15年3月12日裁決

請求人が自らの判断で簡易課税制度選択の届出をした限りは、任意に本則課税によって申告することはできないとした事例

裁決事例集 第65集 952頁

要旨

 請求人は、送付されてきた消費税の届出書に関する案内チラシは簡易課税の選択を誘導する内容のものであったので、消費税簡易課税制度の仕組みをよくわからないまま消費税簡易課税制度選択届出書を提出したのであり、また、同届出書の「事業内容等」欄の「事業区分」の記載漏れは重要事項であるのに、原処分庁はその連絡をせず同届出書を撤回する機会を失ったのであるから、本則課税によって課税仕入れに係る消費税額を計算し、納付すべき消費税額を算出した申告は認められるべきであると主張する。
 しかしながら、本件案内チラシは、簡易課税の選択を誘導するような内容ではなく、また、撤回するかどうかは、事業者本人の判断と責任においてなされるべきであり、記載漏れがあったことについて原処分庁からの連絡があったかどうかによって左右されるものでないことは明らかである。
 また、いったん消費税簡易課税制度選択届出書を提出し、簡易課税を選択した以上、簡易課税の適用をやめようとする旨の届出書を提出しない限り本則課税が適用されることはないので、請求人の主張には理由がない。

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平成15年12月12日裁決

簡易課税制度を選択していた課税事業者が、免税事業者に該当する課税期間について課税事業者選択届出書を提出したとしても、当該課税期間において本則課税を適用して消費税の仕入れに係る消費税額を算出することは認められないとした事例

裁決事例集 第66集 341頁

要旨

 請求人は、課税事業者に該当することから簡易課税制度を選択したものであり、免税事業者であれば簡易課税制度を選択することもないし、消費税法第37条は法的効力も有しないところ、請求人の本件課税期間に係る基準期間の課税売上高は3000万円以下であり、免税事業者であるにもかかわらず、本件課税期間について課税事業者選択届出書を提出することにより、消費税法第9条第1項本文の特例規定の適用を放棄して課税事業者となったのであるから、本件課税期間の仕入れに係る消費税額の計算においては、消費税法第37条の規定の適用はなく、原則計算である同法第30条の規定により行うこととなる旨主張する。
 しかしながら、[1]請求人は平成7年3月23日に簡易課税選択届出書を提出した後、平成14年12月24日に簡易課税制度選択不適用届出書を提出しているが、それ以前に簡易課税制度選択不適用届出書を提出した事実は認めらないこと、[2]平成14年6月24日に適用開始日を本件課税期間の開始日とする課税期間特例選択届出書を提出した上で、本件課税期間について課税事業者選択届出書を提出していること及び[3]本件課税期間に係る基準期間における課税売上高は2億円以下であることから、期間において簡易課税制度の適用を受ける事業者であることは明らかである。
 消費税法第9条第4項に規定する課税事業者選択届出書を提出した事業者は、同条第1項本文の規定の適用はないのであるから同法第37条第1項のかっこ書きにある「同法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務を免除される事業者を除く」の規定により同法第37条の規定が適用されないと解する余地はないといわざるを得ず、請求人の主張は独自の見解に基づくものであるから、採用することはできない。
 以上のとおり、原処分庁が、請求人の本件課税期間の消費税等について簡易課税制度を適用して仕入れに係る消費税額を算出したことは相当と認められる。

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平成14年9月30日裁決

請求人の営む事業は、消費税法施行令第57条第5項第4号に規定する第五種事業に該当するとした事例

裁決事例集 第64集 548頁

要旨

 請求人は、自己が営む事業につき、顧客先との間で取り交わした契約書の表題は「請負契約書」であり、その「業務の内容」の項において具体的な作業内容が明記されるとともに、請負金額は生産状況により調整する旨記載されており、この契約に基づいて役務を提供して対価を受け取っていたものであるから、製造業のうち役務の提供を行う事業に該当することとなり、消費税の簡易課税制度における事業区分上、第四種事業に該当する旨主張する。
 しかしながら、消費税の簡易課税制度を公平に適用するためには、日本標準産業分類を基礎として判定することが有用であるところ、請求人が顧客先に派遣する社員は、顧客先の社員の指揮命令を受けて作業に従事していること、請求人は、顧客先との間で、別途「覚書」を交わしており、それによれば、顧客先へ請求する役務の対価の額は派遣した社員の勤務時間や時間給を基礎として算定するとされ、実際にもこれによっていること等からすれば、当該役務の対価の額は、民法第632条が規定する請負契約において予定されている仕事の結果に対する報酬でなく、派遣した社員の労働の対価と認められることから、当該取引は、形式上、請負契約の体裁をとるものの、実質的には請負といえず、日本標準産業分類の大分類「サービス業」の中分類「その他の事業サービス業」の細分類の「労働者派遣業」(派遣するために雇用した労働者を、派遣先事業所からその業務の遂行等に関する指揮命令を受けてその事業所のための労働に従事させること)に該当し、事業区分について、より合理的な他の基準がないことから、請求人の営む事業は第五種事業に区分されるサービス業に当たると認められる。

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平成16年1月26日裁決

既製服プレス加工業は、日本標準産業分類五十音索引表の「プレス仕上げ業(既製服などの仕上げ工程として行うもの)」(大分類L-サービス業)と同一の事業を意味するものと認められることからサービス業に該当し、簡易課税制度における事業区分は第五種事業であるとした事例

裁決事例集 第67集 758頁

要旨

 請求人は、本件事業は、既製服製造業者より依頼を受け、既製服製造工程の一部であるプレス加工を営むものであり、加工賃等を対価とする役務の提供を行う事業に該当するから、第四種事業となる旨主張する。
 課税事業者が簡易課税制度選択届出書を届け出た場合には、実際の仕入れに係る消費税額を計算することなく、その事業者の営む事業の種類の区分に応じたみなし仕入率を乗じて計算した金額を仕入れに係る消費税額とみなして控除することができることとされているが、消費税法及び施行令には、具体的にどの業種が何業に該当することになるかについては、格別規定がないため、社会通念に照らして判定することになる。
 日本標準産業分類は、統計調査の結果を産業別に表章する場合に用いる分類として定められたものであり、日本の産業に関する統計の正確性と客観性を保持し、産業統計の信頼性を高めるために広く定着しているものであるといえ、事業の範囲を判定するのに当たり日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎とする旨の消費税法基本通達13-2-4は、当審判所においても相当と認められる。
 一般に既製服は、[1]裁断、[2]縫製、[3]ボタン付け、[4]マトメ、[5]検針、[6]プレス(アイロンかけ)[7]値札等の取付けの各工程を経て、商品が製造されるが、本件事業の主たる作業は、商品価値を高めるために請負元から受け取った製品のしわを取り除き、膨らみを持たせるために行う[6]プレス(アイロンかけ)による仕上げであると認められるところ、日本標準産業分類五十音索引表の「プレス仕上げ業(既製服などの仕上げ工程として行うもの)」(大分類L-サービス業)と同一の事業を意味するものと認められるから、本件事業はサービス業に該当し、簡易課税制度における事業区分は第五種事業であると認められる。

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平成16年9月15日裁決

消費税の確定申告書を法定申告期限までに提出できなかったこと及び簡易課税制度選択届出書を提出できなかったことは、原処分庁の説明及び周知努力の不足のためであるから、簡易課税制度を適用して消費税等の納付すべき税額を計算すべきであり、無申告加算税の賦課決定処分も違法であるとの請求人の主張を、確定申告書の提出及び簡易課税制度の選択は請求人自身の責任と判断においてなされるべきであり、税法の単なる不知により不利益を受けたとしても、納税者自身が甘受せざるを得ないとして排斥した事例

裁決事例集 第68集 276頁

要旨

  1.  請求人は、簡易課税制度選択届出書を提出できなかったのは、[1]会社設立時の届出をした際に、原処分庁から簡易課税制度について説明が一切なかったこと、[2]会社設立時の届出書類一式の中に簡易課税制度選択届出書の用紙がなかったこと、[3]簡易課税制度について原処分庁が十分な周知を行わなかったことが原因であるから、原処分庁は、簡易課税制度を適用して消費税等の納付すべき税額を計算すべきである旨主張する。
     しかしながら、税務署長が納税者に対して、簡易課税制度について周知しなければならないとする法令上の規定はなく、また、申告納税制度の下における消費税等の確定申告、申請及び届出等の手続は納税者自身の責任と判断においてなされるべきであり、税法の単なる不知により納税者自身不利益を受けたとしても、それは納税者自身において甘受せざるを得ないと解されるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。
  2.  請求人は、消費税等の確定申告書を法定申告期限までに提出できなかったのは、原処分庁が、[1]申告書用紙を送付してこなかったこと、[2]当該申告が必要であることを事前に通知しなかったことが原因であるから、これらをしないで行った本件各賦課決定処分は違法である旨主張する。
     しかしながら、消費税は、税務署長からの通知、案内等の有無にかかわりなく、法定の期限内に確定申告書を提出することを義務付けられているのであり、原処分庁による申告書用紙の送付は、国民の納税義務の適正かつ円滑な履行を確保するため、行政上任意的に行われる納税者に対するサービスの一環にすぎず、消費税法その他の関係法令の規定に基づくものではないから、申告書用紙の送付がなかったからといって、それが法定申告期限内に提出ができなかったことの正当な理由にはならない。
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平成17年1月7日裁決

事業を廃止した場合において、簡易課税制度選択の届出の効力が失われるのは事業廃止届出書の提出があった日の属する課税期間の末日の翌日であり、事業を廃止した日の属する課税期間の末日の翌日と解することはできないとした事例

裁決事例集 第69集 402頁

要旨

 請求人は、事業廃止届出書の提出がなかったとしても、事業の廃止という事実が否定されるものではないから、消費税法第37条第2項に規定する事業廃止届出書提出の有無にかかわらず、事業を廃止した日の属する課税期間の末日の翌日に、簡易課税制度選択届出書の効力は喪失すると解すべきである旨主張する。
 しかしながら、消費税法第37条第2項及び同条第4項には、簡易課税制度を選択した事業者が事業を廃止した場合は、事業廃止届出書を提出しなければならず、当該届出書が提出された日の属する課税期間の末日の翌日以後、簡易課税制度選択届出書の効力が失われると規定されているのであるから、簡易課税制度選択届出書の効力が喪失するのは、事業廃止届出書の提出があった日の属する課税期間の末日の翌日と解するほかないというべきであり、消費税法第37条第2項に規定する事業廃止届出書を提出しない限り、事業を廃止した日の属する課税期間の翌課税期間以後も、簡易課税制度を適用しなければならないこととなる。
 請求人は、いずれも消費税法第37条第2項に規定する事業廃止届出書等と認められる「簡易課税税制度選択不適用届出書」及び「事業廃止届出書」を平成14年8月30日に提出しており、これらの届出書はいずれも、本件各課税期間の開始の日の前日までに提出されていないことから、本件各課税期間については、本件簡易課税制度選択届出書の効力は存続しているものといわざるを得ない。
 したがって、請求人の主張は、消費税法第37条第2項及び同条第4項の解釈上、採用することはできない。

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平成22年9月2日裁決

請求人の営む事業は、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業であるから第四種事業に該当するとした事例

裁決事例集 第80集

要旨

 請求人は、自ら営む事業は、時間的観点からいえば、セキュリティ工事のうち配線工事が主であり、また、施工に必要とされるコードケーブル等の資材は自ら全部調達して配線工事を行っているから、第四種事業には該当しない旨主張する。
 しかしながら、当該事業は、発注者からセキュリティ機器の提供を受け、当該機器の設置、配線、調整等を行い、セキュリティシステムを正常に稼動させるまでの工事を行うものであり、また、当該事業は、電気工事士2種以上、電話工事担任者及び消防設備士甲4類の各資格保持者の技術を提供するものであること、かつ、請求人が受領する工事代金が配線工事、機器設置工事、機器調整等の作業に対する対価であると認められることからすれば、請求人が受領する工事代金は、人的役務の提供に対する対価であると認めるのが相当である。したがって、当該事業は、他の者の原材料等に加工等を施して、当該加工等の対価を受領する役務の提供又はこれに類する役務の提供に当たり、消費税法施行令第57条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》第5項第3号かっこ書の「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業」に該当する事業というべきであるから、同項第5号に規定する第四種事業に該当するものと認められる。

参照条文等

消費税法第37条第1項 消費税法施行令第57条 消費税法基本通達13-2-7

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平成24年2月22日裁決

消費税法第12条第1項から第4項までに規定する「分割等」として、同条第7項第3号に規定するのは、一の法人により行われる事後設立であると解するのが相当とした事例

裁決事例集 第86集

要旨

 請求人は、請求人の被合併法人であるD社は、消費税の控除対象仕入税額の算定において、消費税法第37条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》第1項に規定するいわゆる簡易課税方式を適用しているところ、D社の設立形態は、同法第12条《分割等があった場合の納税義務の免除の特例》第7項第3号に規定する分割等に該当するから、D社の本件課税期間の基準期間における課税売上高は、消費税法施行令第55条《仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用がない分割等に係る課税期間》第1項第3号の規定に基づき、D社及び同社の親法人であるGホールディングスの課税売上高の合計額によるべきであり、そうすると、当該合計額は5,000万円を超え、かつ、同号に規定する特定要件も満たすから、本件課税期間は、同法第37条第1項に規定する分割等に係る課税期間に該当し、同法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第1項に規定するいわゆる本則課税方式を適用すべきである旨主張する。
 しかしながら、消費税法第12条第7項第3号に規定する分割等は、金銭を出資する法人と資産を譲渡する法人が同一であること、金銭を出資する法人の設立時の持分割合が100%であることを要件としているから、一の法人により行われる事後設立であると解するのが相当であるところ、D社の設立形態は、金銭を出資したのはGホールディングスである一方、D社に資産を譲渡したのはGホールディングスの子会社である合併前の請求人であり、同一の法人によるものではないから、同号に規定する分割等には該当しない。

参照条文等

消費税法第12条第7項第3号第37条第1項 消費税法施行令第23条第9項第55条

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平成23年6月30日裁決

請求人が第一種事業として主張する廃油回収販売業は、第一種事業、第四種事業及び第五種事業から成る事業に該当するとした事例

裁決事例集 第83集

ポイント

 簡易課税制度において、2種類以上の事業を営む事業者が控除対象仕入税額を計算する場合は、課税売上高をそれぞれの事業ごとに区分する必要がある。
 この事例は、請求人の売上げに係る取引の形態に応じ、日本標準産業分類の分類を基礎として事業の範囲を判定し、その事業区分に応じたみなし仕入率の適用を判断したものである。

要旨

 請求人は、廃油の回収形態(有償、無償及び処分料を受領の別)にとらわれず、物(廃油)の流れを重要視して事業区分を判断すべきであり、回収した廃油をそのままの状態で販売していることから、当該廃油を事業者に販売する本件事業は卸売業に該当する旨主張する。
 しかしながら、請求人の売上げに係る取引の形態に応じて事業区分を判断すると、本件事業のうち、処分料を徴して廃油を収集する取引及び廃油の収集・運搬業務の委託取引は、消費税法施行令第57条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》第5項に規定する第五種事業に、無償又は処分料を徴して収集した廃油を販売する取引は、同項に規定する第四種事業に該当する。

参照条文等

消費税法第37条第1項 消費税法施行令第57条第4項第5項

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令和7年9月8日裁決

請求人が自家栽培したさつま芋を干し芋に加工して販売する事業は、消費税法施行令第57条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》第5項第3号に規定する第三種事業(製造業)に該当するとした事例(令和2年1月1日から令和4年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却)

裁決事例集 第140集

ポイント

 本事例は、請求人が自家栽培したさつま芋を干し芋に加工して販売する事業は、日本標準産業分類の大分類「製造業」に分類されるから、当該事業は、簡易課税制度の適用において第三種事業に分類される製造業に該当するとしたものである。

要旨

 請求人は、自家栽培したさつま芋を干し芋に加工して販売する事業(本件干し芋事業)は、日本標準産業分類の大分類に掲げる「農業」に該当するから、消費税法施行令第57条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》第5項第3号に規定する第三種事業(製造業)に該当しない旨主張する。
 しかしながら、消費税法施行令第57条第5項第3号の規定により第三種事業に該当することとされている事業の範囲は、おおむね日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎として判定することが合理的であるところ、日本標準産業分類の総説には、農家が自家栽培した原材料を使用して製造活動を行っている場合は原則として農業に分類されるが、①同一構内に工場、作業所とみられるもの(作業所等)があり、かつ、②その製造活動に専従の常用従業者がいる場合には農業には分類されず製造業に分類される旨が記載されている。そして、①請求人の自宅敷地内にある建物には、干し芋の加工のための機械等が設置され、作業所等の機能を有していたといえること、②請求人が干し芋の加工時期のみ雇用し、加工作業に従事している者は、雇用期間及び作業内容からすると、本件干し芋事業の製造活動に専従する常用従業者に該当することからすれば、本件干し芋事業は、日本標準産業分類の大分類に掲げる「製造業」に該当し、消費税法施行令第57条第5項第3号に規定する第三種事業(製造業)に該当する。

参照条文等

消費税法第37条(令和6年法律第8号による改正前のもの)第1項 消費税法施行令第57条第1項及び第5項 消費税法施行令等の一部を改正する政令(平成28年政令第148号)附則第11条の2第1項 消費税法基本通達(令和5年8月10日付課消2-9ほか5課共同による改正前のもの)13-2-4

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