裁決事例 青色申告承認の取消し

裁決事例 青色申告承認の取消し

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昭和45年12月2日裁決

仮装隠ぺいを理由とする青色申告承認の取消しを不相当とした事例

裁決事例集 第1集 36頁

要旨

 売掛債権の貸倒処理に当たって、仮装隠ぺいがあったとする原処分庁の事実認定には誤りがあるので、青色申告承認の取消し処分は不相当である。

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平成元年3月16日裁決

無申告を原因とする青色申告の承認の取消処分に手続の違法があり、裁量権の濫用にわたる部分が存在するとの主張を退けた事例

裁決事例集 第37集 207頁

要旨

 昭和62年12月期以後の青色申告の承認を取り消した原処分は、請求人の事情を考慮せず、形式的申告期限の徒過という一事をもって、告知・聴聞の機会を与えずに行われたものであり、裁量的取消権限を濫用してなされたものであると請求人は主張するが、昭和61年12月期及び昭和62年12月期はいずれも無申告であり、昭和58年12月期から昭和60年12月期までについてはいずれも期限後申告であるという事実を踏まえて、原処分庁は、昭和62年12月期以後の青色申告の承認を取り消したものであり、当該処分に当たって、告知・聴聞など事前の手続を要する旨の法令上の規定はなく、また、裁量権を濫用した事実も認められないから、請求人の主張には理由がない。

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昭和53年7月17日裁決

青色申告に係る帳簿書類の提示に応じないことは青色申告承認の取消事由に該当するとした事例

裁決事例集 第16集 37頁

要旨

 法人税の調査のため原処分庁の職員が5回にわたり請求人の事務所に臨場して、青色申告に係る帳簿書類の提示を求めたにもかかわらず、これに応じないことは、法人税法第126条に規定する帳簿書類の備付け、記録及び保存がないというべきであるから、当該書類の不提示は同法第127条第1項第1号に規定する青色申告承認の取消事由に該当すると解するのが相当である。

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平成25年3月28日裁決

青色申告の承認の取消処分に係る通知書に記載された理由からは、いかなる事実が取消事由に該当するのか了知し得るものとはいえないから、理由付記に不備があるとした事例

裁決事例集 第90集

要旨

 原処分庁は、青色申告の承認の取消通知書(本件取消通知書)に、請求人が受領した中間金と仲介手数料を総勘定元帳の売上勘定に計上しなかった行為は、法人税法第127条《青色申告の承認の取消し》第1項第3号に規定する「帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし又は仮装して記載し又は記録し、その他その記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること」に該当する旨記載しており、請求人がこれにより不服申立ての便宜を損なうことのない程度に具体的事実を摘示していることから、法人税法第127条第2項の要件を充足している旨主張する。
 しかしながら、本件取消通知書の記載内容からは、いかなる事実が「隠ぺい」又は「仮装」であるとするのか具体的に特定して摘示しているとはいえないことに加え、原処分庁が中間金の額を売上げに計上すべきと判断した理由も何ら摘示されていないと認められるから、本件取消通知書の記載内容からは、中間金がいかなる事実関係により売上げに該当するとしているのか了知できないばかりか、中間金及び仲介手数料の額を売上勘定に計上しなかったことが、法人税法第127条第1項第3号に規定する「帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし又は仮装して記載し又は記録し」たこと、又は「記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること」のいずれに該当するのかについても了知することができないものと認められる。したがって、本件取消通知書は、いかなる事実が法人税法第127条第1項第3号に該当するとして青色取消処分がなされたかを請求人においてその記載自体から了知し得るものということはできないから、同条第2項の定める理由付記の要件を欠くものであるとするのが相当である。

参照条文等

法人税法第127条

参考判決・裁決

最高裁昭和49年4月25日第一小法廷判決(民集28巻3号405頁)

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平成7年2月28日裁決

事務処理の遅れにより確定申告書を期限までに提出しなかったことは、災害その他やむを得ない事情があったとは認められないから、青色申告承認の取消処分は適法であるとした事例

裁決事例集 第49集 340頁

要旨

 請求人は、確定申告書をその期限までに提出しなかったのは、[1]経営コンサルタント業という仕事の社会的責任から、顧問先からの至急の要請があれば、自社のことは後回しにしてでも顧問先を優先せざるを得ないこと、[2]経理部員もその影響を受けたこと及び[3]代表者の保証先の経理を全面的にみることになったため、経理事務がほとんどできなかったことによるものであり、平成4年4月1日から平成5年3月31日までの事業年度(平成5年3月期)の確定申告書の提出が遅れたのは、平成5年3月に保証先が倒産したことにより、同年4月から5月までは残務整理及び債務の弁済の準備に追われ、同年6月に入って本来の仕事をすることができたというやむを得ない事情があったことによるものであり、また、平成5年3月中に青色申告の承認の取消処分の予告をしていないこと及び同取消処分を行った平成5年3月期とその直前事業年度との取扱いに矛盾があり、同取消処分は不当である旨主張する。
 しかし、請求人が確定申告書を提出期限までに提出しなかった理由は、単に請求人の事務処理の遅れによるものであり、また、平成5年3月期のみならず同期の前5事務年度の確定申告書についてもその提出期限までに提出していないので、請求人が確定申告書をその提出期限までに提出しなかったことにつき災害その他やむを得ない事情があったとは認められないから、原処分庁が青色申告の承認の取消処分を行うに当たり裁量権の逸脱、濫用があったとも認められない。
 また、青色申告の承認の取消処分についての予告等を行わなければならない旨を定めた法令上の規定はなく、同取消処分においていずれの事業年度までさかのぼるかは、税務署長の合理的裁量にゆだねられていると解するのが相当であり、同取消処分は、原処分庁において所定の手続を経て合理的裁量の範囲においてなされたものであり、また、原処分庁には、裁量権の逸脱、濫用の事実は認められないから、本件青色申告の承認の取消処分は適法である。

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昭和47年8月22日裁決

棚卸計上漏れを理由とする青色申告承認の取消しを不相当とした事例

裁決事例集 第5集 38頁

要旨

 原処分が青色申告の取消原因とした棚卸計上漏れについて、その起因となった材料及び製品の受払いカードの記帳状況について審理したところ、いずれも受払いカードの単なる記帳誤りであり、当事業年度末の総体の在庫数量は請求人が確定決算に計上した数量と一致するものと認められるから、原処分は取り消すことが相当である。

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昭和56年2月27日裁決

青色申告に係る帳簿書類の提示に応じないことは青色申告承認の取消事由に該当するとした事例

裁決事例集 第21集 159頁

要旨

 青色申告法人の帳簿書類の備付け、記録及び保存の義務は、税務署の担当職員が調査のため必要とする場合にはその帳簿書類を担当職員に提示すべき義務を当然包含するものと解すべきであり、また、青色申告法人が、税務署の担当職員の調査上の必要に基づく帳簿書類の提示要求に対し、正当な理由なくこれに応じない場合には、結局その帳簿書類の備付け、記録又は保存がないこととなり、法人税法第127条第1項第1号に規定する青色申告の承認の取消事由に該当するものと解されるところ、請求人は調査の際に原処分庁の担当職員に対し、帳簿書類を一時的に提示したが、その提示も調査の目的が十分に達成されないまま一方的に中断され、その後、帳簿書類は何ら提示されなかったのであるから、このような提示は極めて不十分であり、結局帳簿書類が提示されなかったのと同視すべきものと認められるから、請求人の青色申告の承認を取り消した原処分は相当である。

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平成14年3月7日裁決

専務取締役が行った架空取引は請求人が行ったと認めるのが相当であり、青色申告の承認取消し処分は相当であるとした事例

裁決事例集 第63集 362頁

要旨

 請求人は、原処分庁が青色申告の承認取り消し理由としてあげた各事実は、元専務取締役が個人的利益を図るために行ったものであり、請求人はまったく関与していないから、法人税127条1項3号に規定する青色申告の承認取り消しは誤りである旨主張する。
 しかしながら、[1]Mに対して架空売上を計上していた事実、[2]R及びSに対して架空仕入れを計上していた事実、[3]元専務取締役がMから簿外で回収した金員とMの担当者に返還した金員の差額を収入から除外した事実、[4]元専務取締役がMの担当者から再バックを受けた金員を収入から除外した事実が認められるところ、上記[1]から[4]の各事実について代表者の認識の有無及び承認した事実の存否は必ずしも明らかではないが、帳簿書類の正確な記帳を推進するとの青色申告制度の趣旨にかんがみれば、仮装隠蔽行為が代表者によってなされたか、あるいは代表者が知っていた場合に限定されるものと解すべきではなく、当該法人のために働く従業員が代表者の承認を得ずに行った場合でも該当するものと解するのが相当であり、請求人の記帳は法人税法第127条第1項第三号に規定する要件に該当し、原処分庁が行った青色申告の承認取り消し処分は適法である。

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昭和62年6月3日裁決

帳簿書類の不提示が青色申告承認取消事由に該当するとした事例

裁決事例集 第33集 132頁

要旨

 青色申告法人は、帳簿書類の備付け等の義務を負うのはもちろんのこと、これと不即不離の関係にある帳簿書類を提示する義務を負っていると解するのが相当であり、たとえ、帳簿書類の備付け等を適正に行っていたとしても、担当職員の帳簿書類の提示の求めに応じない場合には、その帳簿書類が当時どのような状態にあったかにかかわりなく、帳簿書類等の備付け等を法令の規定に従って行っていないと評価すべきであるから、法人税法第127条第1項第1号に規定する青色申告の承認の取消事由に該当する。

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平成12年11月21日裁決

法人税の青色申告の承認の取消処分について、原処分庁の裁量権の逸脱、濫用はなく、また取消し理由の附記も不備はないとした事例

裁決事例集 第60集 463頁

要旨

 請求人は、法人税の青色申告の承認の取消処分は、請求人に対し事前に説明や予告なしに行われたもので、原処分庁の裁量権を逸脱し、これを濫用して行われたものであり、また通知書に記載された取消し理由が記載されていないので、違法又は不当である旨主張する。
 しかしながら、法人税法第127条第1項各号の一に該当する事実がある場合に、実際に青色申告の承認を取り消すか否かは、税務署長の合理的な裁量に委ねられており、その裁量権の行使が社会通念上妥当性を欠き濫用したと認められるときは、当該処分が違法又は不当となると解されるところ、請求人は本件確定申告書のみならず、その前事業年度及び前々事業年度の確定申告書の提出についてもその期限を徒過しており、しかもその徒過した理由が請求人の事務処理の遅れであることから、本件取消処分が裁量権を濫用して行われたということはできない。
 また、請求人は、本件確定申告書を、その提出期限の延長申請をすることもなく、当該申告期限までに提出しなかったものであり、この事実は法人税法第127条第1項第4号に規定する取消事由に該当すること、また青色申告の承認の取消手続において、当該処分の相手方に対し事前に説明や予告を行わなければならない旨を定めた法令の規定はないことからすると、本件取消処分は適法である。

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平成15年3月20日裁決

「その事実の発生について特別な事情があり、かつ、再発防止のための監査体制を強化する等今後の適正な記帳及び申告が期待できる」(「法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」)とは認められないとして、青色申告の承認の取消処分は適法であるとした事例

裁決事例集 第65集 500頁

要旨

 請求人は、本件青色申告承認取消処分につき、平成12年7月3日付課法2-10「法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」の5「相当の事情がある場合の個別的な取扱い」の[1](「その事実の発生について特別な事情があり、かつ、再発防止のための監査体制を強化する等今後の適正な記帳及び申告が期待できる」)の判断を誤ったものであり、違法である旨主張する。
 しかしながら、本件売上除外(法人税法第127条第1項第3号該当)の実行者は、当時の請求人の代表取締役(父)から指示を受けて、請求人の仕入れ及び在庫管理に係る業務を担当していた者であることからすると、請求人に、「その事実の発生について特別な事情がある」ということはできず、また、当該実行者が請求人の代表取締役に就任した以後においても、不正な申告については是正(修正申告)を行わず、引き続き売上金の一部を除外し、それに基づいて確定申告書を提出していたものであるから、請求人が再発防止のために強化したとする監査体制は、適正な申告を行うという観点からは、十分に機能していると認められない。
 したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。

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平成14年12月12日裁決

期限後申告を理由とした青色申告の承認の取消処分は税務署長の合理的な裁量の範囲内で行われた適法なものであるとした事例

裁決事例集 第64集 359頁

要旨

 請求人が本件確定申告書をその提出期限である平成12年11月30日までに提出していないことは、法人税法第127条第1項第4号に規定する青色申告の承認の取消事由に該当することは明らかである。
 請求人は、何者かから請求人に対する仕事上の妨害、代表者に対する身体への危害や生活妨害等を受けていたことにより、本件確定申告書の提出が遅延したことにやむを得ない事情があったと主張するが、当審判所に提出された資料等によっても、当審判所の調査によってもこれを認めるに足りる証拠はないので、請求人の主張を認めることはできず、本件取消処分は原処分庁の合理的裁量の範囲内で行われた適法なものであると認められる。

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平成3年7月2日裁決

豪雨により水浸しになった帳簿を誤って廃棄した場合には、やむを得ない事由があるから青色申告の承認の取消は裁量権を逸脱した違法なものであるとの請求人の主張を排斥した事例

裁決事例集 第42集 147頁

要旨

 請求人主張の経緯で帳簿が紛失したとしても、請求人は帳簿書類を防水措置を講ずることなく収納していた等、日ごろから帳簿書類の保存について十分な配慮をしていたとはいえず、漏水で帳簿が水浸しになった後も適切な措置を講じていなかったことなどからすると、本件帳簿の紛失は、請求人の責めに帰することのできないやむを得ない事由に基づくものとはいえない。

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平成25年6月13日裁決

請求人が取引先に対し内容虚偽の請求書を作成させた事実を推認することはできないとした事例

裁決事例集 第91集

要旨

 原処分庁は、青色申告承認取消処分の理由として、請求人が外注費として計上したテレビ番組の制作費等の額は、実際には取引がないにもかかわらず、内容虚偽の請求書を取引先に作成させて取引があるかのように仮装して計上したものである旨主張する。
 しかしながら、原処分庁が処分の根拠とした取引先の関係者の申述等には不自然な点が散見され、にわかに信用することができず、むしろ、当該申述等によれば、請求人は取引先との間で実際に取引を行ったものの、請求人が当該取引から何ら結果を出すことができなかったため、当該取引先が当該取引に係る受領額を別の取引の代金に充当することとしたと推認するのが合理的であり、請求人が内容虚偽の請求書の作成を取引先に対し依頼した事実を推認することはできないから、青色申告承認取消処分は、これを取り消すべきである。

参照条文等

法人税法第127条

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