裁決事例 減価償却資産の償却等

裁決事例 減価償却資産の償却等

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平成5年12月15日裁決

リース会社から割賦で買い受け、同日当該リース会社にリースするとの契約により、当該資産につき、少額減価償却資産として、購入価額の全額を損金算入した経理処理について、これを認めなかった原処分は適法であるとした事例

裁決事例集 第46集 156頁

要旨

 請求人、リース会社、メーカー、最終使用者における一連の取引は、リース会社が本件物件を最終使用者に賃貸するに当たり、実質的には本件物件を取得することのない請求人を介在させ、請求人において少額減価償却資産の取得価額の一時損金算入の規定を適用し損失の先出しという経済的効果を生じさせることを目的として、請求人が本件物件を取得しこれを賃貸するという法形式を採用することを約して行ったものとみるのが自然で実態に則したものであり、請求人がリース物件を取得し、これを賃貸しているという実態は認められないので、減価償却を認めないとした原処分は適法である。

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昭和59年6月25日裁決

保冷施設は、建物に固着した内部造作物であるから、冷蔵業用設備の耐用年数ではなく、冷蔵倉庫用建物の耐用年数を適用するのが相当であるとした事例

裁決事例集 第27集 225頁

要旨

 本件保冷施設は、冷蔵倉庫用建物の内部に固着した[1]保冷のための天井、周壁のウレタン吹付並びに床のスタイロホーム、ピッチ、ルーフィング及びこれらに付随する取付部品等、[2]自動扉及びこれに付随する凍結防止のための造作物等から構成されており、これらは構造上いずれも冷蔵倉庫用建物と一体不可分の内部造作物であるから、建物の一部とみるのが相当であり、本件保冷施設につき減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二の冷蔵業用の機械及び装置には該当せず、同省令別表第一の冷蔵倉庫用建物に該当するとした原処分は相当である。

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平成18年5月22日裁決

取得した機械に係る減価償却費の損金算入及び同機械に係る消費税額の仕入税額控除について、事業年度末までに同機械は請求人に引き渡されていないから同算入及び同控除はいずれもできないとした事例

裁決事例集 第71集 413頁

要旨

 請求人は、G社との間で、標準機に請求人仕様の特別付属品及び特注品を取り付けた仕様の○○自動旋盤を目的物とする売買契約を締結した。そして、請求人は、同仕様の状態に至った後の、本件平成14年各旋盤については平成15年2月14日、本件平成15年各旋盤については平成16年1月14日及び同月15日に、それぞれ現実の引渡しを受けたとみるのが相当であり、それぞれ平成14年12月末及び平成15年12月末までに本件各旋盤は請求人に引き渡されていない。したがって、平成14年12月期において本件平成14年各旋盤に係る減価償却費の損金算入及び平成15年12月期において本件平成15年各旋盤に係る減価償却費の損金算入は認められない。また、同様に、消費税の仕入税額控除も認められない。

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昭和62年12月18日裁決

売買により取得した減価償却資産である特殊車両につき、その取得の日の属する事業年度において、一は車両登録を了していたが納車がなく、他は自動車検査証に代わる保安基準適合証等の交付もないことを理由にいずれも当該事業年度に事業の用に供されたものとはいえないとした事例

裁決事例集 第34集 57頁

要旨

 新たに購入した運送業用甲車両(新車)及び乙車両(中古車)を事業の用に供したか否かに関して、[1]甲車両は道路運送車両法の登録を終え所要の改造架装に着手した日、[2]乙車両は保安基準に適合する修理を了した日をもってそれぞれ事業の用に供した日とすべきであるとする請求人の主張に対して、[1]甲車両は新規登録を了しているものの売買契約時の特約事項である改造架装工事が了して納車されたのは翌事業年度であること、[2]乙車両については、車検切れに伴う保安基準適合証の交付を受けるための修理は了したものの適合証の交付を受けたのは翌事業年度であることから、いずれの車両も事業の用に供したのは翌事業年度であり、当該車両に係る減価償却費は損金の額に算入できない。

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平成29年10月31日裁決

本件機械装置は、本件販売者において使用されていたというべきであり、「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当しないとした事例(平成27年4月1日から平成28年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分並びに平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)

裁決事例集 第109集

ポイント

 本事例は、租税特別措置法第42条の6第1項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作者及び取得した販売者において使用されたことのない、いわゆる新品であるものをいい、それに該当するかどうかは販売者等における業種、業態、その資産の構成及び使用の状況に係る事実関係を総合的に勘案して判断するとしたものである。

要旨

 請求人は、租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第1項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作の後、製作者又は製作者から取得した者の下で固定資産として使用されたことのないものをいうとして、請求人が取得した機械装置(本件機械装置)は、製作された後請求人が取得するまでの間、①その販売者(本件販売者)の固定資産として使用されたことはなく、また、棚卸資産として管理されていて資産価値の減少はないこと、②本件販売者による1年間の保証の下、新品として取得したものであることから、本件機械装置は同項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当する旨主張する。
 しかしながら、同項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作者及び取得した販売者(販売者等)において使用されたことのない、いわゆる新品であるものをいい、それに該当するかどうかは販売者等における業種、業態、その資産の構成及び使用の状況に係る事実関係を総合的に勘案して判断することとなる。本件機械装置は、製作された後、本件販売者において1年以上にわたり展示場での展示及び実演に供され、部品交換もされていたのであり、これらの事情を総合的に勘案すると、本件販売者において使用されていたというべきであり、「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当しない。

参照条文等

租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第42条の6第1項

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昭和51年3月27日裁決

欠損会社である被合併法人が有していた航路権は営業権に該当すると認定した事例

裁決事例集 第11集 29頁

要旨

 海上運送法による事業免許は一定の免許基準により運輸大臣がその免許の可否を決定することとなっており、厳格な規制に基づき事業を営む権利が取得されるものである。したがって、免許を受けた一定の航路において一般旅客定期航路事業を営むという航路権は、固有の経済的価値を有するものということができ、たとえ被合併会社が欠損会社であってもこの航路権を取得するために要した費用は営業権の対価として取り扱うのが相当である。

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平成元年4月28日裁決

確定した決算に基づき法人税の確定申告をした後に決算を変更する株主総会決議をしたとしても、確定決算において損金経理されていない減価償却費及び債権償却特別勘定繰入額は、損金の額に算入されないとした事例

裁決事例集 第37集 165頁

要旨

 請求人は、本件事業年度の決算は、定時株主総会ではなく、その後に開催された臨時株主総会において減価償却費及び債権償却特別勘定繰入額を計上した新決算書が承認されたことにより確定し、これに基づき修正申告をしたのであるから、本件償却費等の損金算入を認めるべきであると主張する。
 しかし、[1]請求人の代理人である税理士が請求人の依頼に基づき定時株主総会に報告するため本件償却費等の計上のない旧決算書を作成したこと、[2]請求人は、旧決算書が適法に確定したことを前提とする法人税の確定申告書を法定申告期限内に提出し、かつ、当該申告が有効であることを自認していること、[3]請求人が提出した臨時株主総会の議事録は、重大な誤りがあり信用できないことなどからすれば、旧決算書が、定時株主総会の承認を受けた決算、すなわち「確定した決算」であると認められ、このような確定した決算を変更することは、確定申告が無効となるような特別の事情がない限り認められないと解すべきであり、請求人には、そのような特別の事情はないのであるから、損金経理されていない本件償却費等は、損金の額に算入することはできない。

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平成4年3月31日裁決

納付すべき消費税が決算期末において課税売上高及び課税仕入高を集計し算出されることをもって、直ちに消費税に係る経理処理が期末一括税抜経理方式を採用したことにはならないとした事例

裁決事例集 第43集 232頁

要旨

 請求人は、納付すべき消費税は決算期末において課税期間分の課税売上高及び課税仕入高を集計し算出するのであるから、消費税の経理処理は自動的に期末一括税抜経理方式を採用したことになる旨主張するが、期末一括税抜経理方式とは、法人税の課税所得を計算する際、事業年度末に期中において税込処理した消費税を一括して税抜処理する方式であるところ、納付すべき消費税額を算出したからといって直ちに消費税の経理処理が税抜経理方式となるものではない。
 したがって、請求人が消費税の経理処理について税抜経理方式を適用していたとは認められず、また、収益に係る取引につき税込経理している以上、他の科目について税抜経理を行うことは認められないから、固定資産の取得価額が200,000円未満かどうかは税込価額により判断する。

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平成10年3月13日裁決

企業会計上ファイナンスリースは資産の取得を原則としていることから、機械設備に係る減価償却費の損金算入を認めるべきとする請求人の主張に対し、リース契約の内容及び取引の実態から判断すると通常の賃貸借取引に該当するとした事例

裁決事例集 第55集 353頁

要旨

 請求人は、Q公社とリース契約を締結して使用することとなった大型精密機械について、企業会計上ファイナンスリースは資産の取得を原則としていることから、本件機械設備を自己所有資産とすることにより特別償却を含めた減価償却費の損金算入を認めるべきである旨主張する。
 しかしながら、リース取引の取扱いについては、税法上具体的な規定はないので、基本的には法人税法第22条第4項の規定にのっとり、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って会計処理されるべきであり、税務上リース取引について、これを法形式どおり一般の賃貸借と同様に取り扱うことに課税上の弊害があるものは別として原則的にはその法形式に従って会計処理を行うべきである。
 また、ファイナンスリースに係る法人税の取扱いについては、その経済的実質において一般の賃貸借と同様に取り扱うことに課税上の弊害があると認められるものについては売買取引等として取り扱うこととし、昭和53年通達でその処理の統一を図ることとしたものである。
 そうすると、本件リース取引について、リース契約の内容及び取引の実態から判断すると、本件機械設備は請求人がQ公社から取得したものではなく通常の賃貸借取引であることが認められ、また、昭和53年通達に定める売買として取り扱うリース取引にも該当しない。

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平成3年3月20日裁決

土地信託に係る建物の減価償却費を損金経理していないので認めなかった事例

裁決事例集 第41集 193頁

要旨

 減価償却費の損金算入は、法人税法第31条第1項の規定により、簿外資産であるか否かを問わず損金経理することを要件とし、損金経理には、その性質上損金経理がされたとみなす場合及び減価償却資産の全部又は一部を資産に計上しないで損金経理し、法人税法施行令第63条に規定する明細書にその資産の償却費の計算明細を記載して申告調整した場合が含まれるところ、本件信託建物は財務諸表に記載されておらず、その償却費は損金経理もされていないことから、いずれにも該当せず、償却費の損金算入は認められない。

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平成30年6月19日裁決

太陽光発電設備を囲むフェンス、門扉等は、当該発電設備とは別個の減価償却資産と認められ、その取得の日に事業の用に供されたと認められるとした事例(平成27年4月1日から平成28年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・一部取消し)

裁決事例集 第111集

ポイント

 本事例は、太陽光発電設備は、その取得の日を含む事業年度の末日において系統連系のための工事が完了していないから、当該事業年度に事業の用に供されたとは認められないが、当該発電設備とともに取得した同設備を囲むフェンス、門扉等は、その取得の日から機能を発揮しているから、当該事業年度に事業の用に供されたと認められ、特別償却の適用があるとしたものである。

要旨

 原処分庁は、太陽光発電設備(本件設備)を囲むフェンス、門扉等(本件フェンス等)は、本件設備とともに生産性向上設備等の確認を受けたのであり、単独では生産活動等の用に直接供される減価償却資産とは認められないから、請求人は本件フェンス等を本件設備と一体で取得し、一体で事業の用に供したとみるべきであり、本件設備について系統連系が行われて事業の用に供したのは、取得の日を含む事業年度の末日よりも後であるから、本件フェンス等は当該事業年度に事業の用に供していない旨主張する。
 しかしながら、本件フェンス等は本件設備とは物理的にも機能的にも一体とはいえず、別個の減価償却資産であると認められるところ、本件フェンス等は、太陽光発電所内への外部からの侵入を防止し、同発電所内での事故や本件設備の毀損、盗難等を避けることを目的として設置されたものと認められ、請求人が本件設備を取得してから系統連系が行われ売電を開始するまでの間も、本件フェンス等は本件設備を第三者による毀損や盗難から保護し、接触による感電事故等を防止する機能を発揮していたと認められるから、本件フェンス等はその取得の日から使用を開始され、事業の用に供されたと認めるのが相当である。

参照条文等

法人税法第2条第23号第31条第1項法人税法施行令第13条 租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第42条の12の5第1項、第2項

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平成2年1月30日裁決

建物に設置された鋼製建具、木製建具、畳敷物及びユニットバス等は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一の「建物」に該当するとした事例

裁決事例集 第39集 201頁

要旨

 減価償却資産の耐用年数に関する省令別表第一にいう「器具及び備品」は、建物とは構造上独立・可分のものであり、かつ、機能上建物の用途及び使用の状況に即した建物本来の効用を維持する目的以外の固有の目的により設置されたものであることを要するものと解するのが相当である。本件建具等のうち、鋼製建具、木製建具、硝子工事及び畳敷物は、建物と構造上独立・可分のものとは認められないから、「器具及び備品」に該当しないことは明らかであり、また、ユニットバスについては、建物内の浴室と予定され、給湯及び給排水設備が施工された場所に、浴室ユニット部材を結合させて一個の浴室を形成しているもので、本件建物の部屋の一つであるから「器具及び備品」に該当しないことは明らかである。

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平成24年3月13日裁決

建物の売買契約において、譲受人が負担することとした当該建物に係る譲渡日以降の期間に対応する未経過分の固定資産税に相当する金額は、譲受けに係る資産の購入の代価を構成するものとして建物の取得価額に算入すべきとした事例

裁決事例集 第86集

要旨

 請求人は、土地建物の譲渡契約における譲渡日以降の期間に対応する未経過分の固定資産税に相当する金額(未経過固定資産税相当額)を請求人が負担したことについて、未経過固定資産税相当額は、譲り受けた土地建物の取得価額に算入されるが、請求人が減価償却資産として計上している建物は、取得した建物のうち事業の用に供する本件建物のみであるから、本件建物以外の建物に係る未経過固定資産税相当額は、繰延資産である開業費に含まれる旨主張する。
 しかしながら、固定資産税は、その賦課期日である1月1日現在の所有者に課されるもので、賦課期日後に当該固定資産が譲渡された場合であってもその譲渡前の所有者が納税義務者とされていることから、売買当事者においてその譲渡時点における未経過固定資産税相当額を譲受人に負担させようとする取引慣行は、いわば売買の取引条件の一つとして行われるものであると考えられる。したがって、譲受人が未経過固定資産税相当額を負担することは、租税公課としての固定資産税の負担ではなく、飽くまでも売買の取引条件としての負担であることから、譲受人にとって未経過固定資産税相当額は、譲受けに係る資産の購入の代価を構成するものとして、当該資産の取得価額に含まれることとなる。
 そうすると、請求人が譲渡契約において取得の目的としている建物は、本件建物のみであることからすれば、請求人が支払った本件建物以外の建物に係る未経過固定資産税相当額は、本件建物の購入の代価の一部として支払ったものと認めるのが相当であるから、その全額を本件建物の取得価額に算入すべきである。

参照条文等

法人税法施行令第54条第1項第1号 法人税基本通達7-3-16の2

参考判決・裁決

平成20年3月24日裁決(裁決事例集No.75・342頁)

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平成3年10月29日裁決

建造引当権の償却開始の時期は、建造引当権付きの船舶を実際に就航させた時又は代替船舶を発注した時とみるのが合理的であるとした事例

裁決事例集 第42集 113頁

要旨

 内航船舶に係る建造引当権の実質は就航権をあらわすものであるから、建造引当権を事業の用に供した時とは、建造引当権付きの船舶を実際に就航させた時又は代替船舶を発注した時とみるのが合理的であるところ、請求人が取得した建造引当権は当期中に事業の用に供したとは認められないから、本件建造引当権に係る減価償却費を損金の額に算入することはできないとした原処分が相当である。

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昭和54年7月13日裁決

欠損会社から有償取得した営業権の償却費について損金算入を認めた事例

裁決事例集 第18集 67頁

要旨

 債務超過となっていた旧会社からの事業の譲受けに際して取得した営業権を償却したことについて、請求人は設立直後から大手工事会社の下請業者の中でも第1位の地位を保ち、相当の業績をあげているが、これは旧会社が特別の費用を投じたことにより親会社から得てきた工事施行能力等に対する信用度を請求人がそのまま引き継いだからにほかならず、この信用度が正に営業権と認められ、その営業権の取得価額も、旧会社が投じた特別の費用の見積額によっており妥当と認められるから、その償却費の損金算入を認めるのが相当である。

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昭和57年7月13日裁決

営業店舗の賃借権の譲受価額には営業権に相当する額が含まれていないとした事例

裁決事例集 第24集 75頁

要旨

 営業店舗の賃借権の譲受けに伴って営業権を取得したとの主張について、前賃借人の取扱商品と請求人の取扱商品は異なり、仕入先関係・従業員の引継ぎが全くなかったこと、譲受け時には閉店状態にあったこと、売買当事者間での譲渡価額の計算で営業権の積極的な評価がなかったことを総合して判断すると、前賃借人の営業をそのまま引き受けた営業譲渡とは認められず、譲受価額には営業権の取得価額は含まれていない。

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平成14年7月9日裁決

建物附属設備のセール&リースバック取引を金融取引であると認定した事例

裁決事例集 第64集 324頁

要旨

 請求人は、本件賃貸借契約は20年契約であるが、5年後にK社の関係会社へ譲渡することが可能であるというオプション付であること、6年目以降の賃料が不確定であること及び賃貸借期間終了後に行われる物件の売却価格が不明であることから、賃貸借期間中に支払われる賃料の合計額がフルペイアウト要件を満たすとは明確にいえないと主張する。
 しかしながら、本件賃貸借契約に基づき請求人が受領する20年間の賃料の合計額は、「本件資産の購入簿価」とほぼ一致する金額に「20年間の社債利息」及び「社債発行費用償却分」を加えた金額となり、リース物件の取得価額及びその取引に係る付随費用の合計額のおおむね全部を支弁することになる。
 また、本件賃貸借契約には、原則として中途解約禁止条項があるものの、仮に、K社が中途で解約する場合には規定損害金を支払うことになっているので、賃料等の総額はリース物件の取得価額及びその取引に係る付随費用の合計額のおおむね全部を支弁することになる。
 以上のことから、本件賃貸借契約は、フルペイアウトに該当すると認められ、また、中途解約禁止条項が定められていることを併せ考えると、本件賃貸借契約は、リース取引に該当すると認められる。
 本件取引は、通常の売買や賃貸借と異なり、K社の保有資産のオフバランス化及び資金調達を目的とした中古資産のセール&リースバック取引であること等から、その経済的実質は売買代金の支払いという形式での金銭の貸付けと賃料の支払いという形式での元利金の返済であると認められ、実質的に金融取引と認められる。
 本件各更正処分は、本件取引が税務上金融取引に該当すると認定した上で、消費税等相当額を含めて授受された金額につき貸付金の額並びに返済額及び利息の額を算定しており、その返済額及び利息の額は通常の金融取引における元本と利息の区分計算の方法である元利均等残債方式により算定されていると認められ、この計算は相当と認められる。

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平成27年6月1日裁決

競売により一括で取得した土地及び建物等の取得価額の区分について、固定資産税評価額の比率によってあん分することが相当であるとした事例( 平22.12.1~平23.11.30の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、 平22.12.1~平23.11.30の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・ 棄却、 一部取消し)

裁決事例集 第99集

要旨

 請求人は、請求人が競売により一括で取得した土地及び建物(本件建物)等の取得価額の区分について、原処分庁が用いた土地及び家屋の固定資産税評価額の比率によってあん分する方法ではなく、請求人が依頼した不動産鑑定士の鑑定評価における土地と建物等の評価額の比率によってあん分し、法人税に係る建物等の減価償却費の額を計算すべきである旨主張する。
 しかしながら、鑑定評価による価額を用いたあん分法も一応合理性が認められる方法であるところ、請求人が用いた不動産鑑定士の評価額の計算が本件建物と構造の異なる建物に基づく査定を行っているなど必ずしも合理性のある算出方法となっていない一方、原処分庁が用いた土地及び家屋の固定資産税評価額は、いずれも同一の評価機関により算定されたものであり、かつ、同一時期の時価を反映しているものであることから合理性があるというべきである。よって、固定資産税評価額の比率によってあん分することが相当である。
 なお、原処分庁の固定資産税評価額の比率によるあん分は、本件建物に設置されたディスプレイ設備に係る固定資産税評価額に相当する額が含まれていないことから、原処分庁の計算は誤りである。

参照条文等

法人税法第31条第1項

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平成24年6月19日裁決

請求人が取得した減価償却資産について、租税特別措置法第67条の5の規定は適用できないとしても、償却限度額に達するまでの金額が損金の額に算入されるとした事例

裁決事例集 第87集

ポイント

 本事例は、請求人の青色申告の承認が取り消されたことに伴い、青色申告を要件とする租税特別措置法第67条の5《中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例》は適用できないとしても、償却費として損金経理した金額のうち、取得した減価償却資産の償却限度額に達するまでの金額は減価償却費として損金の額に算入されるとしたものである。

要旨

 原処分庁は、請求人が取得価額の全額を償却費として損金の額に算入した減価償却資産(本件減価償却資産)について、請求人から資料の提出がなく、償却限度額の計算をすることが不可能であったから、その全額の損金算入を認めないとする更正処分をした。
 しかしながら、法人税法第31条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》第1項は、所得の金額の計算上減価償却費として損金の額に算入できる金額は、当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額のうち、償却限度額に達するまでの金額とする旨規定し、同条第4項は、損金経理をした金額には、償却費として損金経理をした事業年度前の各事業年度における当該減価償却資産に係る損金経理額のうち当該償却事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかった金額を含むものとする旨規定するところ、審判所の調査によれば、請求人は本件減価償却資産を取得し、事業の用に供していると認められるから、本件減価償却資産につき、各事業年度における償却限度額に達するまでの金額は減価償却費として損金の額に算入される。

参照条文等

法人税法第31条 租税特別措置法第67条の5

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平成2年5月29日裁決

釣堀用浮桟橋は減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一の「構築物」の「合成樹脂造のもの」に該当するとした事例

裁決事例集 第39集 212頁

要旨

 本件浮桟橋は鉄骨枠の中に発砲スチロールのブロックを納め、その枠の上部に鋼板を据え付け、更に、その鋼板の上にコンクリートパネルを張ったものを連結したものであるから、工作物に当たり、また、釣堀の水面に浮いているが、浮遊しないようにその一端を釣堀の周囲の岸に固着させるとともに、要所に支柱を立てて固定されており、土地に定着するものであることが認められるから、その種類を「構築物」とするのが相当である。更に、本件浮桟橋の主要な材料は発砲スチロールであり、その構造を「合成樹脂造のもの」とするのが相当である。したがって、本件浮桟橋は減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一に掲げる「構築物」の「合成樹脂造のもの」に該当し、その耐用年数は10年とするのが相当である。

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平成7年10月30日裁決

バラ出荷設備は、基礎、屋根、壁、柱、窓及びバラ輸送車の搬出口あるいは風よけのためのシャッターで構成され、機械等の蔵置あるいは人の作業の用に供されていることから、建物と認めその耐用年数を適用するのが相当であるとした事例

裁決事例集 第50集 175頁

要旨

 請求人は、そのバラ出荷設備のうち、「上屋及び側壁」、「基礎工事」、「出荷口防風雪設備」及び「タンク架構部分」(以下、これらを併せて「本件各資産」という。)については、出荷設備の一部であり、当該出荷設備全体として機械装置の機能を果たしているのであるから、機械及び装置に該当し、その耐用年数は10年である旨主張するが、本件出荷設備は、[1]基礎工事を施した上、支柱を立て土地に定着させた建造物であり、構造的には本件タンク等を取り囲む形で周囲に支柱があり、この支柱に上屋、側壁及び出荷口防風雪設備をタンク架構部分に直接取り付け、本件タンク等を覆ったものであること、[2]機能的には、物の蔵置に供され、人の作業の用に供されていること、[3]本件出荷設備を倉庫として、残留防止用バラ出荷設備を建築物として登記がなされ、建築物として建築確認がなされていること、[4]不動産取得申告書にバラ出荷棟を取得した旨記載して申告していることから、本件各資産は、本件タンク等に附帯的に取り付けられたものではなく、基礎、屋根、壁、柱、窓及びバラ輸送車の搬出口あるいは風よけのためのシャッターで構成され、機械等の蔵置あるいは人の作業の用に供されていることから、建物と認めその構造に従い35年の耐用年数を適用するのが相当である。

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昭和60年7月11日裁決

パチンコ遊技場経営に供されていた土地、建物の取得において営業権の取得があったとは認められないとした事例

裁決事例集 第30集 101頁

要旨

 請求人は、本件土地、建物の譲受けに伴い、当該建物において営まれていたパチンコ営業に係る営業権の取得があったと主張するが、当該パチンコ営業については、[1]近年欠損続きであったこと、[2]超過収益力の要因となる事実が認められないこと、[3]請求人はその譲渡人の商号、取引先、従業員等を引き継いでいないので、営業の譲受けがあったとも認められないことから、本件営業権の取得の事実はなく、本件営業権に係る減価償却費の額の損金算入を認めなかった原処分は相当である。

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令和5年6月21日裁決

一括取得した土地及び建物について、各資産の取得価額等の算定に当たり、不動産鑑定評価における積算価格比によりあん分するのが合理的であるとした事例( 平成30年3月1日から平成31年2月28日まで及び平成31年3月1日から令和2年2月29日までの各事業年度の法人税の各更正処分並びに令和2年3月1日から令和3年2月28日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、 令和2年3月1日から令和3年2月28日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、 平成30年3月1日から平成31年2月28日まで及び平成31年3月1日から令和2年2月29日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・ 一部取消し、棄却 一部取消し)

裁決事例集 第131集

ポイント

 本事例は、請求人が一括取得した土地及び建物について各資産の取得価額等を算定するに当たり、建物の価値を増加させると認められる改修工事が行われていた建物及びこれと一括取得した土地については、当該価値の増加が反映されていないと認められる固定資産税評価額の比ではなく、不動産鑑定評価における積算価格比によりあん分するのが合理的であると判断した事例である。

要旨

 請求人は、売買により一括取得した土地及び建物について、まず当該土地の路線価に地積を乗じることにより当該土地の売買代金相当額を算出し、これを売買代金の総額から差し引くことにより当該建物の売買代金相当額を算出する方法(本件差引法)により算出すべきである旨主張する。
 しかしながら、本件差引法を用いて土地及び建物の売買代金相当額を区分した場合、土地の売買代金相当額に反映されるべき価額が反映されず、土地の売買代金相当額が客観的な時価に比して低額になる一方、当該価額が建物の売買代金相当額に転嫁され、建物の売買代金相当額が客観的な時価に比して高額になるという看過し難い不均衡が生じるから、本件差引法は合理的とは認められない。
 一方、原処分庁は、当該土地及び建物の各売買代金相当額は、土地及び建物の売買代金総額を各資産の固定資産税評価額比によりあん分する方法(固定資産税評価額比あん分法)により算出すべきである旨主張するところ、確かに、固定資産税評価額比は、土地及び建物の価額比を推認する手がかりとして一般的な合理性を有するものであるから、固定資産税評価額比あん分法は、一般的には合理的な算定方法であると認められる。
 しかしながら、本件の一部の建物には時価を増加させると認められる改修工事が実施されていたにもかかわらず、当該建物の固定資産税評価額にはこれらの時価の増加が反映されていない。
 他方、当該一部の建物及びこれと一括取得された土地について請求人が提出した不動産鑑定評価書における土地及び建物の積算価格の比は、土地及び建物の時価の価額比を推認する手がかりとして一定の合理性が認められる上、改修工事の実施を踏まえたものであり、当該一部の土地・建物については、固定資産税評価額比あん分法よりも当該積算価格比によりあん分する方法を用いることがより合理的であると認められる。
 したがって、当該一部の土地・建物については当該積算価格比によりあん分する方法を、他の土地・建物については、固定資産税評価額比あん分法を用いるのが相当である。

参照条文等

法人税法施行令第54条 消費税法第30条

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平成30年3月27日裁決

設備を事業の用に供していなかったことから損金不算入額となった償却費は償却超過額には該当せず、翌事業年度において損金経理額に含まれないとした事例(平成26年4月1日から平成27年3月31日まで及び平成27年4月1日から平成28年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分、平成26年4月1日から平成27年3月31日まで及び平成27年4月1日から平成28年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)

裁決事例集 第110集

ポイント

 本事例は、事業年度終了時において事業の用に供されていない資産について、当該事業年度において償却費として損金経理した金額が損金不算入額となった場合、それは法人税法上の減価償却資産に該当しない資産に係るものであるから、当該事業年度の償却超過額には該当せず、翌事業年度の損金経理額に含まれないとしたものである。

要旨

 請求人は、太陽光発電設備を取得した事業年度において、同設備に係る償却費の額を損金の額に算入して法人税の確定申告をした後、同設備を当該事業年度内に事業の用に供していなかったとして当該償却費の額を償却超過額として修正申告したところ、当該事業年度の翌事業年度に電力の供給を開始して同設備を事業の用に供したことから、当該翌事業年度の法人税について、同設備に係る償却費の額を損金の額に算入すべきである旨主張する。
 しかしながら、同設備は当該事業年度終了時においては事業の用に供されていないから、法人税法上の減価償却資産に該当しない。そして、当該事業年度において償却費として損金経理をしていたとしても、それは法人税法上の減価償却資産に該当しない資産に係るものであって、法人税法第31条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》第1項に規定する償却費として損金経理をした金額(損金経理額)に該当せず、また、法人税法上の減価償却資産に係る償却超過額にも当たらない。そうすると、請求人が当該事業年度に償却超過額とした金額は、当該翌事業年度において、同条第4項に規定する当該償却事業年度前の各事業年度における当該減価償却資産に係る損金経理額のうち当該償却事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかった金額(償却超過額)には該当せず、当該翌事業年度の損金経理額に含まれないから、当該翌事業年度の損金の額に算入することはできない。

参照条文等

法人税法第2条第23号第31条第1項第4項 法人税法施行令第13条 租税特別措置法第42条の5第1項・第6項

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平成18年10月19日裁決

請求人の行うリースバック取引が法人税法施行令第136条の3第2項に規定する実質的に金銭の貸借であると認められる一連の取引に該当するとした事例

裁決事例集 第72集 346頁

要旨

 請求人は、①リース業を営むJ社から同社が顧客へリースしている物件をいったん買い取り、当該物件を直ちにJ社へリースする取引及び②試薬品販売業を営むK社から同社がL大学へリースしている物件をいったん買い取り、当該物件を直ちにK社へリースする取引について、このようなリースバック取引を行う当事者の意図はリース取引を行うことであり、当事者にとって合理的かつ効率的な取引で、リースバックする相当な理由があるから、法人税法施行令第136条の3第2項に規定する実質的に金銭の貸借であると認められるリース取引には当たらない旨主張する。
 しかしながら、上記リースバック取引に関して、請求人がリースを行っているといえる実態は認められず、一方で、請求人から上記リース会社等にリース物件の購入代金として移転した金銭が当該リース物件のリース料として回収されている実態があるから、本件リースバック取引は、実質的に金銭の貸借であると認められる。
 したがって、請求人の主張は採用できない。

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平成3年12月18日裁決

外国のオークションを通じて購入した本件テーブル等は、時の経過により価値が減少する資産に当たるとした事例

裁決事例集 第42集 102頁

要旨

 外国のオークションを通じて購入したテーブル3脚及び電気スタンド8台は、[1]美術年鑑等に登載された作者により限定して制作されたものでないこと及び[2]美術館の照明器具や絵画購入者などの来客接待用として事業の用に供することによりその経済的価値は減少するものと認められることから、減価償却資産に当たるとするのが相当である。

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平成10年10月8日裁決

自走式立体駐車場設備に適用すべき耐用年数は45年であるとされた事例

裁決事例集 第56集 251頁

要旨

 請求人は、[1]自走式立体駐車場設備に適用すべき耐用年数は、耐用年数省令別表一に掲げる「構築物」に本来特掲すべきであること、また、[2]本件立体駐車場設備は、屋外露天式であること等から劣化が進み、その使用可能期間が耐用年数に比べ著しく短くなるため、法人税法施行令第57条の規定に基づき、平成9年1月22日付で耐用年数を15年とする耐用年数の短縮承認申請を所轄国税局長に対して行い、同年1月22日付の本件承認通知書を受け取り承認されているところであるが、本来、自走式立体駐車場設備は、当該制度を経由することなく耐用年数を15年として認めるべき資産である旨等主張する。
 しかしながら、[1]当審判所は、原処分庁が行った処分が違法又は不当なものであるか否かを判断する機関であって、その処分の基となった法令等自体の適否又は合理性を判断することはその権限に属さないこと、また、[2]本件立体駐車場設備の耐用年数は、耐用年数省令別表一の「構築物」の「金属造のもの(前掲のものを除く。)」、細目の「その他のもの」に該当し45年となるものであるから、請求人は、本件立体駐車場設備について、法人税法施行令第57条の規定に基づく耐用年数の短縮承認申請を、本件更正処分のあった後の平成9年1月22日に所轄国税局長に対して行っている事実が認められるものの、本件更正処分の対象とされた事業年度末の平成8年2月29日までに、当該耐用年数の短縮承認申請をした事実が認められないため、原処分庁が本件立体駐車場設備に係る耐用年数を45年と認定したことは相当であると認められる。

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平成30年8月23日裁決

設備の賃借及び転貸はいずれも法人税法上のリース取引に該当し、売買があったものとして処理することが相当とした事例(平成25年1月1日から平成25年12月31日まで、平成26年1月1日から平成26年12月31日まで及び平成27年1月1日から平成27年12月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平成25年1月1日から平成25年12月31日まで及び平成26年1月1日から平成26年12月31日までの各課税事業年度の復興特別法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平成27年1月1日から平成27年12月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成25年1月1日から平成25年12月31日まで、平成26年1月1日から平成26年12月31日まで及び平成27年1月1日から平成27年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し)

裁決事例集 第112集

ポイント

 本事例は、請求人が、設備の賃借及び転貸のいずれも賃貸借取引として処理していたことに対し、原処分庁は、設備の賃借を売買取引、転貸を賃貸借取引として原処分を行ったところ、審判所は、いずれも売買取引として処理すべきとした上で、延払基準の方法により収益の額及び費用の額を計算するのが相当であるとしたものである。

要旨

 原処分庁は、請求人による設備(本件リース資産)を賃借する取引(本件リース取引)は、法人税法第64条の2《リース取引に係る所得の金額の計算》第3項に規定するリース取引(法人税法上のリース取引)に該当する旨主張する。確かに、本件リース取引は、資産の賃貸借であり、中途解約禁止要件及びフルペイアウト要件のいずれも充足し法人税法上のリース取引に該当するものと認められるが、請求人は、さらに本件リース資産を本件リース取引とほぼ同条件で転リースしていることから、当該転リース取引についても同様に法人税法上のリース取引に該当するものと認められる。よって、本件リース取引のみならず、当該転リース取引についても売買があったものとして処理することが相当であり、当該転リース取引に係る収益の額及び費用の額は、法人税基本通達2-4-2の2《売買があったものとされたリース取引》の定めにより、法人税法63条《長期割賦販売等に係る収益及び費用の帰属事業年度》第1項の延払基準の方法により計算した収益の額及び費用の額とし、各事業年度の課税所得を計算することとなる。

参照条文等

法人税法(平成30年法律第7号による改正前のもの)第63条第1項、第64条の2第1項、第3項及び第4項 法人税法施行令(平成30年政令第132号による改正前のもの)第124条第1項及び第2項、第131条の2第2項 法人税基本通達(平成30年5月30日付課法2-8による改正前のもの)2-4-2の2

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平成6年10月17日裁決

一般貨物自動車運送事業の許可(青ナンバー権)を有する会社の売買に関し、当該会社が存続し、営業していること等から、買主に支払ったのは、会社の社員持分権の対価であって、営業権の対価ではなく、その支払額につき営業権として減価償却することはできないとした事例

裁決事例集 第48集 155頁

要旨

 請求人は、昭和59年に有限会社Gの代表者から、同社の有する一般貨物自動車運送事業の許可(いわゆる青ナンバー権)を売買により取得したとし、当時の有限会社Gは、運送用車両はもとより、従業員もなく、事業を行っていなかったのであるから、その当時、有限会社Gで唯一評価できるのは、青ナンバー権であり、請求人の支払った対価の対象目的物は、同社の有する青ナンバー権そのものであるので、これが営業権に該当することは明らかであると主張し、減価償却資産である営業権として経理したこと及び上記の額を減価償却費として損金の額に算入したことは、正当な会計処理である旨主張する。
 ところで、法人が他の者から青ナンバー権を有償で承継取得し、これを自らの事業の用に供している事実があれば、適正な価格で営業権として資産計上すること及び任意償却をすることも当然認められる。
 しかし、[1]有限会社Gは、解散等の事実はなく、現在まで継続している法人であること、[2]有限会社Gの出資金900万円の全部を請求人が有していること、[3]請求人は、有限会社Gに対し、所有していた貨物自動車を売却するほか、請求人の運送事業に係る顧客を移管し、同社は、運送事業を営んでいるが、請求人は、運送事業を営んでいる事実はないこと等が認められるのであるから、上記の売買の価格は有限会社Gの社員の持分の実勢価額と認められ、請求人は同社の社員の持分のすべてを取得したことにより、結果的に同社の青ナンバー権を支配しているに過ぎないのであるから、売買価額の全額が社員の持分の取得の対価として投資有価証券勘定に計上すべきものであり、その一部につき営業権の減価償却として損金の額に算入することはできない。

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平成11年8月27日裁決

請求人が取得した事業用建物は、主要構造体である耐力壁が鉄筋コンクリートで造られていることから、耐用年数省令の別表一に掲げられている「鉄筋コンクリート造のもの」に該当するされた事例

裁決事例集 第58集 161頁

要旨

 請求人は、取得した事業用建物(以下「本件建物」という。)の減価償却費の計算に当たり、本件建物は、不動産登記簿上鉄筋コンクリート造となっているが、いわゆる総鉄筋と言われるものではなく、鉄筋コンクリート造となっているのは外壁及び内壁の一部だけであり、その他は木造で、その構造様式は鉄筋コンクリート造と木造の折衷様式であるから、このような構造の建物は、耐用年数省令の別表一に掲げる「鉄筋コンクリート造のもの」に該当せず、耐用年数の短縮の承認申請を却下した原処分は違法である旨主張する。
 しかしながら、[1]税法上、建物の法定耐用年数の算定において、その骨格的存在とも考えられる構成部分(構造体)が中核となっているので、構造様式の判定においてもその構造体に着目して判定するのが相当であること、[2]社会通念上、建物の構造様式は、主要構造部により判定することとされていることからすれば、本件建物は、屋根を含め内部構造には木造が主体となっていることが認められるものの、主要構造体である耐力壁が鉄筋コンクリートで造られていることから、耐用年数省令の別表一に掲げられている「鉄筋コンクリート造のもの」に該当するというべきである。
 そうすると、本件建物の耐用年数は、法定耐用年数を適用すべきであり、本件耐用年数の承認申請を却下した原処分は適法である。

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平成8年12月10日裁決

パチンコ遊技場業を営んでいる会社の売買に関し、当該会社の正味財産を超える金員を支払ったとしても、当該会社が存続し自ら営業をしていること等から、買主が支払ったその全額が当該会社の社員持分権の対価であって営業権の対価ではないことから、その支払額について営業権の取得の対価として減価償却をすることはできないとした事例

裁決事例集 第52集 98頁

要旨

 請求人は、パチンコ遊技場を営む有限会社の社員持分の全部をパチンコ遊技場経営の権利と併せて1億5,800万円で譲り受け、当該会社の正味財産が1,030万円余りであったことから、1,100万円を当該会社への出資金として経理処理をするとともに、正味財産を超える1億4,700万円は、当該超過収益力に係る無形の財産的価値の見積額であり、将来の請求人の営業利益によって償却されるべき営業権の取得価額にほかならないとして、無形の減価償却資産である営業権の取得の対価として経理し、本件各事業年度において営業権の減価償却費735万円を損金の額に算入したことは正当な処理である旨主張する。
 しかしながら、当該会社は継続してパチンコ遊技場業の許可を有してその営業を営んでいること等からすると、請求人が将来の期待利益である超過収益力を得るために当該会社の営業権を取得し、自らの事業の用に供してパチンコ遊技場を営んでいる事実は認められないから、当該会社の正味財産を超える金員を営業権の取得の対価として経理処理し、営業権の減価償却費を損金の額に算入することはできない。

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平成12年9月28日裁決

耐用年数省令別表第一に基づき耐用年数を適用する場合には、新たな技術又は素材により製造等されたものであっても、個々の減価償却資産を同表に掲げる「種類」、「構造又は用途」及び「細目」の順に従って同表のいずれに該当するかを判断し、その該当する耐用年数を適用するとした事例

裁決事例集 第60集 387頁

要旨

 原処分庁は、本件空調設備のように冷凍機に直結する電動機がない場合には、その冷凍能力を冷凍機の出力として判定すべき旨、また、その場合の冷凍能力は351.6キロワットとなり、耐用年数省令で定める基準22キロワットを超えるから、本件空調設備は「その他の冷暖房設備」に該当し、耐用年数は15年となる旨主張するが、本件空調設備が冷凍機の出力が22キロワット以下の「冷暖房設備」又は冷凍機の出力が22キロワット超の「その他の冷暖房設備」のいずれに該当するかは、「冷凍機の出力」のみを基準として区分しており、「冷凍機の出力」とは、冷凍機に直結する電動機の出力をいうものと解するのが相当であるから、冷凍機に直結する電動機を有しない本件空調設備は「冷暖房設備」に該当し、その耐用年数は13年とするのが相当である。

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平成24年2月6日裁決

工事移転のために支出した費用のうち、既存設備の移転費用及び少額減価償却資産の取得費用は損金の額に算入されるとした事例

裁決事例集 第86集

要旨

 原処分庁は、新工場におけるエレベータ工事、電気設備工事、内装工事等の各工事費用(本件各工事費用)の金額が、機械及び装置、建物附属設備並びに建物として、減価償却資産の取得価額に該当し損金の額に算入できない旨主張する。
 しかしながら、本件各工事費用には、既存の機械設備の移設に要した移転費用として、また、法人税法施行令第133条《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》に規定する少額の減価償却資産の取得価額として、損金の額に算入することが相当と認められる金額があるから、これらについては、原処分庁の主張は採用できない。

参照条文等

法人税法第2条第23号第31条第1項及び第6項 法人税法施行令第13条第54条第1項第133条 法人税基本通達7-1-11 減価償却資産の耐用年数等に関する省令第1条 耐用年数の適用等に関する取扱通達1-1-3、2-2-2

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平成16年10月22日裁決

賃借した土地に設置した支柱付き鉄骨屋根の駐輪場施設は、当該土地の賃借期間満了時に解体撤去されることが確実であることを理由としてされた当該賃借期間を耐用年数とする短縮承認申請は、法人税法施行令第57条第1項に掲げる事由に該当せず認められないとした事例

裁決事例集 第68集 125頁

要旨

 請求人は、自転車駐車場設備に係る支柱付き鉄骨屋根の耐用年数の短縮承認事由として、[1]駐車場設備を供する事業は公共性が高いこと、[2]事業契約期間の満了時には当該駐車場設備を無償譲渡又は解体撤去することが将来確実であり、当該賃借期間は法定耐用年数に比して短くなっているから短縮承認されるべきと主張する。
 しかしながら、耐用年数の短縮を規定する法人税法施行令第57条第1項は、減価償却資産の材質や製作方法が著しく異なったり、地盤の隆起沈下や陳腐化する等使用可能期間がその法定耐用年数に比して短いこととなった事由が現に発生している場合を列挙しているところ、当該支柱付き鉄骨屋根については、その設置状況及びそれ自体に使用可能期間が法定耐用年数よりも物理的ないし客観的に短いこととなった事由が現に発生しているとは認められず、また、請求人の短縮申請事由は規定された短縮事由のいずれにも該当しないから、これを却下した原処分は適法である。

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平成17年6月9日裁決

金属造のさん橋の耐用年数については、金属造の鋼矢板岸壁の25年が適用できると判断した事例

裁決事例集 第69集 177頁

要旨

 原処分庁は、耐用年数省令別表第一の第1欄「種類」が「構築物」、第2欄「構造又は用途」が「金属造のもの」に該当する本件各さん橋の耐用年数については、耐用年数の適用等に関する取扱通達1-1-9の取扱いによっても、その構造が鋼矢板岸壁と類似しないことから、「構築物」の「金属造のもの」の第3欄「細目」欄に特掲されている「鋼矢板岸壁」の25年を適用することはできず、「その他のもの」の45年の耐用年数を適用すべきである旨主張する。
 しかしながら、本件各さん橋と鋼矢板岸壁は、「構造又は用途」及び使用状況が類似していると認められることから、本件各さん橋の法定耐用年数として、「構築物」の「金属造のもの」の「鋼矢板岸壁」の25年を適用することができる。

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平成25年12月17日裁決

中古資産の耐用年数を法定耐用年数ではなく使用可能期間の年数を見積り適用するには当該中古資産を事業の用に供した最初の事業年度において適用しなければならないとした事例(平19.4.1~平24.3.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却)

裁決事例集 第93集

要旨

 請求人は、中古建物に適用すべき耐用年数について、誤って法定耐用年数を適用していた場合、その誤りに気付いた時点において是正できないという解釈は、社会通念等に即さないものであり、また、新築建物の耐用年数を遡って是正する以上、中古建物についても使用可能期間を実態に即して見直した耐用年数を遡って適用すべきである旨主張する。
 しかしながら、請求人は、中古建物を取得した事業年度において、法定耐用年数を適用していたものと認められるところ、中古資産についての減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)第3条《中古資産の耐用年数等》第1項第1号及び第2号に掲げる各方法(見積法等)による耐用年数の算定は、当該中古資産を取得してこれを事業の用に供した最初の事業年度に限りすることができ、当該事業年度においてその算定をしなかった場合は、その後の事業年度において算定することができないこととなるのは、耐用年数の適用等に関する取扱通達1-5-1《中古資産の耐用年数の見積法及び簡便法》の定めのとおりであるから、当該事業年度後の事業年度において、当該中古建物の耐用年数を見積法等を用いて変更することはできない。

参照条文等

減価償却資産の耐用年数等に関する省令第1条第3条 耐用年数の適用等に関する取扱通達1-5-1

参考判決・裁決

広島地裁平成8年12月19日判決(税資221号961頁)

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