裁決事例 所得の帰属

裁決事例 所得の帰属

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平成13年7月9日裁決

仕入先からの特別リベートは通知日に益金に算入すべきであるが、隠ぺい又は仮装の意図はないとして加算税の一部を取り消した事例

裁決事例集 第62集 199頁

要旨

 請求人は、本件特別リベートは過去の建材仕入れに係るリベートとして受け取ったものであるが、仕入先F社と金額の協議が整っていないにもかかわらず、F社が一方的に請求人の事務所に置き去ったので収益に計上せず金庫に預かっていたものであると主張する。
 しかしながら、本件特別リベートは、予め契約により定まっているものではないところ、F社は、請求人に対して過去の取引に係る特別リベートの精算であることを請求人の代表者に告げた上で現金を手渡したものであるので、F社からの通知により請求人が認識した日の属する事業年度の益金に計上するのが相当であるので更正処分は適法である。
 しかし、請求人は、本件特別リベートの金額に不満を持ち、F社との協議が整うまで収益に計上しなくてよいとの認識で調査日現在まで金庫にそのまま預かっていたものと認められ、金員を受領した事実を隠ぺい又は仮装することを意図して収益を除外したとは認められないので、重加算税の賦課決定処分のうち過少申告加算税額を上回る部分は取り消すのが相当である。

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昭和54年12月26日裁決

得意先を構成員とする親ぼく団体は、請求人と別個の団体とは認められず、当該団体の事業は請求人の事業の一部であると認定した事例

裁決事例集 第19集 63頁

要旨

 得意先を構成員とする親ぼく団体は、定款又は規約等の定めがなく、その実態が人格のない社団等、任意組合又は得意先個人の単なる集合体にも当たらないこと、また、当該親ぼく団体は、請求人の値引収入を資金として、請求人の販売促進のための招待会を開催しているだけのものであるから、請求人と別個の団体とは認められず、したがって、当該親ぼく団体の事業は、請求人に内包される請求人の事業の一部であると解するのが相当である。

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平成12年4月26日裁決

本店ビルの新築工事に際し、その共同事業者に支払った竣工時までの建中金利相当額は本店ビルの取得価額に算入すべきものとされた事例

裁決事例集 第59集 154頁

要旨

  1.  請求人は、本店ビルの新築工事に際し、財団法人H機構(以下「H機構」という。)が共同事業者として参加したのは、H機構の成立経緯等から共同事業という法律的形式をとらざるを得なかっためであり、H機構が負担した共同事業に係る分担金の経済的実質は資金融資であるから、本店ビルの建築中にH機構に対して支払った建中金利相当額は、支払利息である旨主張する。法律的形式と経済的実質とが異なるような場合には、単に当事者によって選択された法律的形式だけでなく、その経済的実質をも検討すべきことは当然であるが、当事者によって選択された法律的形式が経済的実質からみて通常採られるべき法律的形式と明らかに一致しないものであるなどの特段の事情がない限り、当事者によって選択された法律的形式は、原則として経済的実質をも表現しているものと解される。
     そこで、H機構との取引についてみると、法律的形式は、H機構が本店ビルの建築費の一部を負担して共同事業者として参加し、本店ビルの竣工後に共有持分を請求人に譲渡したものであるが、この法律的形式が経済的実質からみて通常採られるべき法律的形式と明らかに一致しないものとは認められない。そうすると、請求人には特段の事情は認められず、H機構との共同事業の法律的形式は経済的実質をも表現していると認められる。
  2.  請求人は、本店ビルの新築工事に際し、その共同事業者であるH機構が負担した共同事業に係る分担金の実質は資金融資であるから、本店ビルの建築中にH機構に対して支払った建中金利相当額は、支払利息である旨主張するが、H機構との共同事業協定書、建物延払条件付譲渡契約書等の各契約内容及びH機構の答述等を勘案するとH機構は本店ビルの建築費の一部を負担して共同事業者として事業に参加し、本店ビルの竣工後にH機構の本店ビルの共有持分を請求人に譲渡したものと認められること及び共同事業協定書等には、建中金利相当額はH機構の本店ビルの共有持分の譲渡代金の前払金であることが明記されていることから、共同事業に係る分担金は本店ビルの建築費であり、建中金利相当額は本店ビルの取得代金であると認めるのが相当である。
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昭和46年3月2日裁決

法人の代表者が個人名義でなした取引を代表者個人のものであるとした事例

裁決事例集 第2集 15頁

要旨

 法人の代表者が、個人名義で木材(素材)の取引を開始した動機及びその資金の出所等からみて、実質的にも個人の取引と認められ、かつ、既に1年を経過しているため、商法上の競業避止義務違反の行為として介入権を行使していない場合にあっては、その取引による所得を法人の所得と認定することは妥当でない。

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昭和46年7月7日裁決

法人名義の船舶の譲渡による所得はその現物出資者となっている個人に帰属するとした事例

裁決事例集 第2集 19頁

要旨

 船舶の現物出資により設立されたこととなっている請求人(法人)は、船腹調整規程による代替船舶の建造承認を得るための単なる手段として設立されたものにすぎず、当該船舶はその現物出資者となっている個人から当該法人の設立前に直接相手方に譲渡されたものと認められるから、当該船舶の譲渡に係る所得は、当該個人に帰属するものと認めるのが相当である。

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平成13年7月9日裁決

漁業協同組合である請求人が、砂利採取業者による海砂採取に際して、同社から受領した金員は、請求人の組合員にではなく、請求人に帰属すると判断した事例

裁決事例集 第62集 217頁

要旨

 請求人は、砂利採取業者による海砂採取に際して、同社から受領した金員(本件金員)は請求人の組合員に対する漁業補償金であり、組合員に帰属するものであるから、その配分金額が確定するまで仮受金として計上することが認められる旨主張する。
 しかしながら、共同漁業権は漁協とその組合員全員に質的に分有され、漁協は漁業権の保有主体として管理機能を、組合員全員はその収益権能(漁業権行使権)をそれぞれ有していると解されるところ、本件金員は、請求人が砂利採取業社による共同漁業権設定水域外の水域における海砂採取に同意することに伴い受領した、請求人に帰属するものであって、所得税法施行令第94条(事業所得の収入金額とされる保険金等)第1項第2号に規定する補償金とは認められず、請求人の所得の計算上益金の額に算入すべき金額であるため、請求人の主張は採用できない。

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平成26年11月10日裁決

請求人及び請求人の取引業者で組織された親睦団体によって開催された行事に係る損益は、請求人に帰属しないと認定した事例(平18.3.1~平24.2.29の各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分・全部取消し)

裁決事例集 第97集

要旨

 原処分庁は、請求人及び請求人の取引業者で組織された親睦団体(本件親睦団体)によって開催された懇親会及び新年会(本件懇親会等)は、請求人の意思決定により開催され、会費収入及び開催費用を含むその使途も請求人が決定していることから、請求人の業務に関連して開催されたものであり、本件懇親会等に伴う利益金は、本件親睦団体ではなく請求人に帰属する旨主張する。
 しかしながら、本件懇親会等は本件親睦団体の会則に沿った行事であること、本件懇親会等に伴う利益金は、本件親睦団体名義の預金口座に預け入れられ、本件親睦団体の年会費とともに本件親睦団体により管理されていること、及び原処分庁の主張を裏付ける証拠もないことからすると、本件懇親会等に伴う損益は、請求人に帰属するとは認められない。

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平成30年5月10日裁決

関連法人名義の口座への入金額は請求人に帰属しないとした事例(平成22年12月1日から平成23年11月30日までの事業年度の法人税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分並びに平成22年12月1日から平成23年11月30日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分・全部取消し)

裁決事例集 第111集

ポイント

 本事例は、請求人が、請求人の関連法人が休業中の時期に関連法人名義の口座に振り込まれた運送事業等の入金額は請求人に帰属するとして、法人税の修正申告をした後、当該入金額は請求人に帰属しないとして更正の請求をしたところ、原処分庁が、更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ったという事案について、当該口座に当該入金額が振り込まれた当時、請求人は運送事業を営んでいなかったとして、当該通知処分の全部を取り消したものである。

要旨

 原処分庁は、請求人の関連法人(本件関連法人)は平成20年9月以後運送事業を休業しているから、本件関連法人名義の口座(本件口座)への同年10月以降の入金額は請求人に帰属する旨主張する。
 しかしながら、本件関連法人は、少なくとも平成21年3月頃までは運送事業を行っていたとみることができる一方、請求人が運送事業を行うのに必要な許可を受けたのは平成25年9月であり、本件口座に入金があった頃に請求人が運送事業を行っていたと認めることはできないなどのことから、本件口座への運送事業の入金、保険会社からの振込み、自動車販売業者からの振込みは、本件関連法人が休業となる以前の運送事業に係る収入金額とみるのが相当であり、したがって、本件口座への入金額は、請求人に帰属しないと認められる。

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令和2年12月15日裁決

不動産売買契約に基づく土地等の譲渡に係る収益が請求人に帰属しないとした事例

裁決事例集 第121集

ポイント

 本事例は、土地等の譲渡に係る事業において、その主体は、請求人以外の法人であるから、その収益も当該法人に帰属するとしたものである。

要旨

 原処分庁は、売主を請求人又は請求人以外の法人(本件法人)とする土地及び地上権(本件土地等)並びに施設等(本件施設等)の売買契約(本件不動産等売買契約)に係る収益について、①所得の帰属主体は、諸要素を総合的に判断し、実質的に決定すべきであるから、そうすると、本件法人が本件不動産等売買契約に係る経費を支払っていなかったり、本件不動産等売買契約に係る代金が請求人名義の預金口座等に入金されていたなどのことから、本件不動産等売買契約に係る収益全てが請求人に帰属し、また、②本件不動産等売買契約は、本件土地等及び本件施設等の譲渡が一体となった一つの契約であるから、その収益は、その全てが引き渡された当該事業年度に計上すべきである旨主張する。
 しかしながら、①請求人及び本件法人は、本件不動産等売買契約において、それぞれの意思に従い、それぞれ別の債務を負う内容の契約を締結し、他にも本件法人の従業員が本件土地等の買収に係る業務を行っていたなどの諸事情があることからすれば、本件不動産等売買契約に係る収益の全てが請求人に帰属するわけではなく、また、②本件不動産等売買契約がそれぞれ別個の契約であると認められるところ、請求人が譲渡した土地等は、当該事業年度以前に買主へ移転登記がされ、さらに、当該事業年度中にその代金の相当部分も支払われていたなどからすると、当該移転登記の日をもって「引渡しがあった日」であると判断するのが相当である。したがって、本件不動産等売買契約に係る収益は、当該事業年度には計上されない。

参照条文等

法人税法第11条第22条第2項第4項

参考判決・裁決

東京地裁平成26年1月27日判決(税資264号順号12397) 平成30年6月28日裁決(裁決事例集No.111)

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平成29年3月10日裁決

取引先から元代表者に支払われた金員は、請求人に帰属する収益とは認められないと認定した事例( 平成23年7月1日から平成24年6月30日までの事業年度の法人税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分、 平成23年7月1日から平成24年6月30日まで及び平成25年7月1日から平成26年6月30日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・ 一部取消し、 棄却)

裁決事例集 第106集

ポイント

 本事例は、取引先から請求人の元代表者に支払われた金員について、当該金員の支払に係る事実関係を総合すれば、元代表者個人に支払われたものとみるのが相当であり、請求人に帰属する収益と認めることはできないとしたものである。

要旨

 原処分庁は、請求人の元代表者からの求めに応じて支払われた金員(本件金員)について、①元代表者が取引先に対して請求人の会長として振る舞っていたこと、②本件金員が請求人宛の支払明細書(本件支払明細書)に基づき支払われたこと、③本件金員の支払者が請求人との取引の継続を条件として支払っていたことから、本件金員は請求人に支払われたものである旨主張する。
 しかしながら、当時、元代表者は請求人の役員や従業員ではなく、請求人が受注した工事に飽くまで仲介人として関与したにとどまることからすれば、元代表者の行為を請求人の行為と同視することはできない。また、本件支払明細書が請求人に送付されたと認めるに足る証拠はないから、本件支払明細書の記載をもって、本件金員が請求人に支払われたものとは認められず、さらに、請求人との取引の継続を目的として本件金員が支払われたことは、本件金員が請求人に支払われたことの決め手とはいえない。以上のことからすると、本件金員は、元代表者個人に支払われたものと認めるのが相当であり、請求人に帰属する収益とは認められない。

参照条文等

法人税法第22条第2項

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昭和56年7月24日裁決

本件売上除外に係る取引は専務取締役個人に帰属するものではなく請求人に帰属するものであるとした事例

裁決事例集 第22集 97頁

要旨

 原処分庁が請求人の売上除外であると認定した取引は、[1]その販売先がいずれも請求人の得意先であることが認められ、その売上代金の大部分は専務取締役の個人預金に入金されているが、同人はその取引に係る所得について確定申告をしないこと、[2]当該取引の一部について請求人の正規の納品書、請求書、領収書が使用されていること、[3]当該取引の一部は倉庫会社に保管されている請求人の在庫商品を販売したものであること、[4]当該取引が専務取締役の個人取引であることを裏付けるに足りる証拠資料がないことから、専務取締役個人に帰属するものではなく、請求人に帰属するものと認定するのが相当である。

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平成17年9月21日裁決

海面使用料は、砂利採取業者等から支払を受けた段階で請求人に確定的に帰属しているとした原処分を適法とした事例

裁決事例集 第70集 197頁

要旨

 請求人は、砂利採取業者等から受領した海面使用料は組合員に対する漁業補償金であるから、請求人の所得として課税するのは違法である旨主張する。
 しかしながら、請求人が所有する共同漁業権にその基礎を置く組合員の有する漁業権の行使権は、漁業協同組合の構成員たる組合員としての地位と不可分な、いわゆる社員権的権利であり、共同漁業権から派生しこれに附従する第二次的権利であって、砂利採取業者等との関係は間接的なものとなるから、漁業操業上の利益の喪失による損害を請求することはできず、これを請求できるのは共同漁業権を有する請求人のみであること、海面使用料に関する契約ないし請求はいずれも請求人が当事者となっていることからすれば、海面使用料は、砂利採取業者等から支払を受けた段階で請求人に確定的に帰属しているというべきである。

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昭和59年3月30日裁決

請求人名義で支払を受けた火災保険金の受取人は、請求人ではなく、代表者ら個人であるとした事例

裁決事例集 第27集 157頁

要旨

 原処分庁が請求人の益金であると認定した本件建物の焼失による本件保険金については、[1]本件建物を請求人が売買・贈与等により取得したとする証拠がなく、請求人の資産として会計帳簿に計上がないこと、[2]本件建物の登記簿上の名義人は請求人の代表者らの被相続人Eとなっており、少なくとも昭和52年11月から代表者個人名義で賃貸していたこと、[3]保険契約書に被保険者名の記載はないが、契約の締結に際し、本件建物の所有権者は、Eの共同相続人であると告知していること、[4]本件保険金の支払に際し、請求人が保険会社に提出した「本件建物は請求人に帰属する」旨の確認書は、保険契約者に代理受領させるため行われたものと認められること等から、請求人は本件保険金の真実の受取人とは認められない。

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昭和59年3月2日裁決

代表者の個人名義で行われた商品先物取引に係る損失は請求人に帰属するものではないとした事例

裁決事例集 第27集 133頁

要旨

 代表者個人名義で行われた商品先物取引(以下「本件取引」という。)に係る損失の帰属について、[1]商品取引受託会社の備付帳簿その他本件取引に関連する帳票は、すべて代表者個人名義(同人の子供名義を含む。)で作成されていること、[2]本件取引の資金は代表者個人が自己に帰属する預金を担保にして銀行から借り入れた資金が充てられていること、[3]本件取引に係る利益金又は精算金はすべて代表者の個人預金に入金されていること、[4]本件取引に係る証拠金の払込事実、同返還金の受入事実その他本件取引に関する事実について請求人の会計帳簿に記載されていないこと、[5]商品先物取引は、請求人の事業目的外であることなどの事実から、本件取引は代表者が個人的に行った行為であると認められ、本件取引に係る損失は請求人に帰属するものではない。

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平成8年1月16日裁決

収益の計上について、委任状の発行があることを絶対的なものとして、売買契約の名義人を取引の当事者と認定したことは相当でないとした事例

裁決事例集 第51集 281頁

要旨

  1.  原処分庁は、本件輸出取引は[1]請求人が取引先あてに委任状を発行し、取引先は請求人の代理人として入札に参加していること、[2]インボイスは、請求人から取引先の売上先あてに発行されていること、[3]信用状は、取引先の売上先が発行し請求人が受益者になっていること、[4]輸出報告書の名義は請求人であること及び[5]船荷証券の輸出者は請求人であることなどから、請求人と取引先の売上先との直接取引である旨主張する。
  2.  しかしながら、委任状は、代理権を与えたというより取引先が入札の際入札製品を特定するために発行したとみるのが相当であり、委任状の発行を絶対的な要件として、売買契約の当事者を請求人とすることはできない。また、売買契約書の条項には特則条項があることから、請求人は、取引先の指示に基づいてかかる措置を講じたものと認められ、[1]本件調達に係る納入業者の製品を請求人が仕入れた事実がなく、請求人が取引先の指示により船積みしたと推認できること、[2]本件通信文等には、本件輸出取引に係るほとんどすべての経過が記載されており、記載内容から実際の物及び金の流れと一致していることなどから、請求人の主張は相当である。
  3.  なお、請求人が取引先の指示によって送金した金員は、原処分庁は支払理由及び支払先が不明であると主張するが、請求人が銀行から送金小切手の受領を受け、当該取引先の指示する相手先に送金し、裏書人も当該相手先であることが認められることから、原処分庁主張は理由がない。
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令和4年1月12日裁決

請求人とは別の法人名義で行われた取引に係る収入は請求人に帰属するとは認められないとした事例(平成24年4月1日から平成25年3月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分、平成24年4月1日から平成25年3月31日まで及び平成27年4月1日から平成29年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分並びに平成25年4月1日から平成26年3月31日まで及び平成29年4月1日から平成30年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分、平成24年4月1日から平成26年3月31日までの各課税事業年度の復興特別法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分、平成27年4月1日から平成29年3月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分並びに平成29年4月1日から平成30年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分、平成24年4月1日から平成30年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分、平成25年7月から平成29年6月までの各期間分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに重加算税の各賦課決定処分・全部取消し)

裁決事例集 第126集

ポイント

 本事例は、別法人の代表者及び請求人の関係者の申述の信用性を検討した上で、事業の経緯、業務の遂行状況、費用の支払状況などから、別法人名義で行われた取引に係る収入が請求人に帰属するとは認められないと判断したものである。

要旨

 原処分庁は、請求人とは別法人(本件法人)名義で行われた土地売買取引等(本件取引)について、本件法人の代表者や請求人の関係者などの各申述から、請求人が主体となって本件取引に係る業務を遂行し、請求人の代表者が本件法人名義の預金通帳を管理し、本件法人の代表者は請求人の代表者の指示により本件法人名義の預金口座から現金を引き出し同人に渡していたのであり、請求人が本件取引に係る収益を享受していたというべきであるから、本件法人の総勘定元帳に記載された売上高(本件収入)は請求人に帰属する収益である旨主張する。
 しかしながら、本件法人の代表者や請求人の関係者などの各申述を的確に裏付ける証拠資料がなく、本件法人の代表者は後に当初の申述を全面的に否定しており、当該申述をそのまま信用することはできない。そのほかに審判所に提出された証拠資料等を精査しても、請求人が本件取引に係る業務を主体的に行った事実や請求人が本件取引に係る収益を享受した事実は認められず、本件法人の事業の経緯、本件取引に係る業務の遂行状況、当該業務に係る費用の支払状況などを総合的に判断すると、本件収入が請求人に帰属する収益であるとは認められない。

参照条文等

法人税法第11条

参考判決・裁決

東京地裁平成22年9月15日判決(税資260号順号11512)

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昭和60年9月30日裁決

本件売上除外に係る取引は請求人の取締役営業部長個人に帰属するものではなく請求人に帰属するものであるとした事例

裁決事例集 第30集 84頁

要旨

 本件取引差額について、請求人は取締役営業部長個人に帰属すると主張するが、[1]当該取締役が請求人から仕入れ、売上げの一切の業務を任されて取引したものであること、[2]売上代金の一部を架空名義で請求し、通常は手形払いであるに対し、現金又は小切手払いで受領したものであること、[3]当該取締役の個人口座に入金されてはいるが、請求人の取引先に対する裏口銭、接待費用等に充てられていると認められること等から、当該取締役個人に帰属するものではなく、請求人に帰属するものと認定するのが相当である。
 なお、土地に係る支出金のうち借地を返還するに当たってのクレーン撤去跡の整地工事費及びクレーン軌道に係る支出金は、修繕費と認められるので、原処分の一部を取り消すべきである。

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平成5年12月27日裁決

請求人の代表者名義等の普通預金口座に入金されている小切手等の一部については、売上除外による入金であると認定できず、また、債権償却特別勘定の対象としている約束手形等は請求人の債権とは認定できないとした事例

裁決事例集 第46集 98頁

要旨

 原処分庁は、請求人の代表者及び従業員の個人名義の普通預金口座に預け入れた小切手、約束手形及び現金は、すべて請求人が売上を除外したものであると主張するが、[1]約束手形の一部については、振出人がAから融資を受けた際、Aに対し振り出したこと及び当該融資の資金を請求人が出したこと等が認められ、[2]また、小切手の一部については、振出人がBに対し貸付けのために振り出した小切手であり、振出人は請求人と取引がないこと及びBは行方不明であること等が認められることから請求人の売上金額であると認定することはできない。
 また、請求人は、資産として仮払金勘定及び受取手形勘定に計上し、期末に債権償却特別勘定への繰入れの対象とした小切手及び約束手形について、代表者に一時立て替えてもらい、支払った残土捨場の権利取得につき、その取得ができなくなったため小切手及び約束手形で返済を受け、一時立替分の返済として小切手等を代表者に渡したのであるから、請求人の債権であると主張する。しかし、[1]立替えをした事実を証する資料がないこと、[2]代表者は小切手について金融機関に対し依頼返却の届けをし、同一の小切手債務者が振り出した他の小切手を返却日以降同金融機関で取り立てており又小切手に相当する金額は現に代表者に支払われたとみるのが相当であることから、これらの小切手及び約束手形を請求人の債権と認定することはできない。

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平成13年5月9日裁決

請求人の代表者が車両販売業者から新築祝金として受領した金員は、請求人の収益に計上すべきものではなく車両の購入価額を水増してディーラーに支払った上受領したものであるとした事例

裁決事例集 第61集 379頁

要旨

 原処分庁は、請求人の代表者が車両の販売業者から受領した金員は、代表者個人に対する新築祝金ではなく、同社が請求人との今後の継続的取引を期待して支払った謝礼的性格を有するいわゆるリベートであり、請求人の雑収入として収益に計上すべきである旨及び当該金員は代表者が自宅新築資金として費消していることから代表者への役員賞与である旨主張する。
 しかしながら、当該金員は請求人が車両販売会社から車両を購入する際に車両価格に上乗せして一旦車両販売会社へ預け、同社を通じ新築祝金に仮装して代表者へ支払ったものであるから請求人の収益ではなく、購入した車両の取得価額を過大に計上していたものであると認められる。
 よって、当該金員を益金に算入した原処分は取り消されるべきであり、他方、車両の取得価額の過大な部分は減額すべきであるので減価償却超過額相当額を損金の額から減算するのが相当である。

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平成21年9月9日裁決

請求人の従業員が貯蔵品を売却したことによる収益は、取引を行った従業員の地位・権限などを総合考慮すれば、請求人の売上げとはいえないことから、請求人には帰属しないとした事例

裁決事例集 第78集 327頁

要旨

 原処分庁は、請求人の元課長が、請求人の印刷用紙を売却した取引(以下「本件紙取引」という。)は、請求人の事業の一環として行われたものと認められるから、本件紙取引に係る収益は、請求人の売上げである旨主張する。
 しかしながら、①元課長は、経営に従事する立場にはなく、また、本件紙取引の対象となった印刷用紙の払出しの指示を出す業務を行ってはいたものの、印刷用紙の保管及び管理に関する業務を遂行する職務及び権限を請求人から与えられておらず、印刷用紙を自己の判断で売却する権限を有していなかったこと、②本件紙取引は、元課長が、請求人から窃取した印刷用紙を、実在しない名義を使用して売却したものであること、③請求人は、印刷の請負及び製本紙器の製作等を目的とし、印刷用紙の販売を目的としていない上、本件各事業年度において、請求人が印刷用紙を他に販売した事実はなく、外注先に対し有償で支給した事実もなかったこと、④本件紙取引の相手方は、本件紙取引が請求人との取引であるとは認識していなかったことがそれぞれ認められるところ、以上のことを総合考慮すれば、本件紙取引に係る収益は、請求人の売上げとはいえないから、原処分は取り消すのが相当である。

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平成28年8月22日裁決

各店舗の収益の帰属は、当該各店舗の営業許可の名義人ではなく請求人であるとした事例( 平成22年2月1日から平成23年1月31日まで及び平成24年2月1日から平成25年1月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分、平成22年2月1日から平成23年1月31日まで及び平成24年2月1日から平成25年1月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分、平成23年1月分の源泉徴収に係る所得税の納税告知処分並びに不納付加算税及び重加算税の各賦課決定処分、平成25年1月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税告知処分並びに不納付加算税の賦課決定処分・一部取消し、 法人税の青色申告の承認の取消処分ほか・棄却、平成28年8月22日裁決)

裁決事例集 第104集

ポイント

 本件は、請求人とは異なる者が営業許可の名義人となっている飲食店について、当該各飲食店に係る収益は当該各名義人ではなく請求人と認められるものの、当該各店舗に係る収益の計算において原処分庁が算定した売上原価の額等に誤りがあることから、原処分の一部を取り消したものである。

要旨

 請求人は、請求人とは異なる者が営業許可の名義人となっている複数の飲食店(本件各店舗)について、本件各店舗の経営者は営業許可の各名義人(本件各名義人)であるから、本件各店舗に係る収益は請求人に帰属しない旨主張する。
 ところで、実質的な費用収益の帰属主体及び資産の譲渡等の帰属主体については、名義と実質が一致しない場合、実質的にこれらを享受する者に対して課税されることとなるところ、その判断は事業に至る経緯、経営の実態、経理関係、関係者の認識等を総合して行うべきである。これを本件についてみると、①請求人の代表者(本件代表者)の指示により、本件各名義人が本件各店舗の賃借人及び営業許可の名義人になっていること、②本件代表者が開業前の工事等に関与していたこと、③本件代表者によって、本件各名義人及び本件各店舗の従業員の勤務状況が管理されていたことからすると、本件代表者が本件各店舗の開業を決意し、経営の実権を握っていたといえる。また、本件代表者の指示の下、本件各店舗の売上日報等が作成され、本件代表者が売上金の回収、売上げ及び経費の管理を行い、給与を支給していたことからすると、本件代表者が主体となって本件各店舗に係る経理処理をしていたと認められる。そうすると、かかる経営状況は、本件代表者が自ら主体となって経理処理をしている請求人が経営する飲食店(申告店舗)と同様であって、申告店舗と本件各店舗はその経営実態において何ら変わることはないことから、本件代表者には本件各店舗の収益が全て請求人に帰属するとの認識があったものと認められる。
 したがって、本件各店舗に係る収益の帰属者は請求人であると認められる。ただし、原処分庁が算定した売上原価の額等に誤りがあることから、原処分の一部を取り消すべきである。

参照条文等

法人税法第11条 消費税法第13条(平成27年法律第9号による改正前のもの)

参考判決・裁決

岡山地裁平成23年10月25日判決(税資261号順号11798)

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平成30年6月28日裁決

請求人が請求人の従業員に帰属するとした販売業務の収益は、請求人に帰属するところ、一部売上原価等は損金の額に算入されるとした事例( 平成25年6月1日から平成26年5月31日までの事業年度の法人税及び同期間の課税事業年度の復興特別法人税の各更正処分、 平成26年6月1日から平成27年5月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分、 平成27年6月1日から平成28年5月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分、 平成27年6月1日から平成28年5月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分、 平成26年6月1日から平成28年5月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分・ 棄却、 一部取消し)

裁決事例集 第111集

ポイント

 本件は、事業収益の帰属者が誰であるかについて、当該事業の遂行に際して行われる法律行為の名義だけでなく、①事業の経緯、②業務の遂行状況、③業務に係る費用の支払状況及び④請求人の認識などの事実関係を総合勘案して判断したものである。

要旨

 請求人は、インターネットオークションによる販売業務(本件業務)の事業主体は請求人の従業員であるから、本件業務に係る収益は請求人に帰属しない旨主張する。
 しかしながら、①本件業務は個人名義で出品するものの請求人の従業員名義であったこと、②請求人の事務所において従業員が本件業務の事務及び商品の発送を行っていたこと、③請求人が仕入れた商品を出品することによって収益が獲得されていたこと、④本件業務に従事する者の給与を請求人が支払っていたこと及び⑤請求人の代表者は、本件業務で収益を得ていたとの認識があったことなどの事実関係から、本件業務は請求人の業務の一環として行われたものとみるのが相当であり、本件業務に係る収益は請求人に帰属する。そこで、①本件業務において売り上げた商品のうち一部請求人の仕入れに計上されていない商品の仕入額及び②本件業務に係る人件費のうち一部請求人の給与手当勘定に計上されていない給与支給額については、請求人の損金の額に算入するのが相当である。

参照条文等

法人税法第11条及び第22条第3項 国税通則法第68条第1項及び第74条の2

参考判決・裁決

最高裁昭和62年5月8日第二小法廷判決(集民151号35頁) 平成26年12月10日裁決(裁決事例集No.97)

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