裁決事例 所得の発生
取引先から入金された金員が貸付金の返済であるとする請求人の主張を認めず、事業所得の収入金額に該当するとした事例( 平成20年分から平成24年分までの所得税の各決定処分及び重加算税の各賦課決定処分、 平成25年分から平成26年分までの所得税及び復興特別所得税の各決定処分並びに重加算税の各賦課決定処分、 平成22年1月1日から平成26年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各決定処分並びに重加算税の各賦課決定処分・ 一部取消し、 棄却)
裁決事例集 第106集
ポイント
本事例は、請求人が業者から受領した金員について当該業者の貸付金の返済に該当するものではなく、請求人と当該業者との間で締結した飲料水等の自動販売機設置契約に基づき、手数料として支払われたものと判断したものである。
要旨
請求人は、自動販売機設置業者から入金された金員(本件入金)が請求人の当該業者に対する貸付金の返済であり、当該貸付金の元本部分について所得税法第36条《収入金額》第1項の収入すべき金額ではない旨主張する。
しかしながら、本件入金は、請求人と当該業者との間で締結した契約に基づき、請求人が当該業者に飲料水等の自動販売機を設置させ、飲料水等を販売させることにより、当該業者から販売本数に応じた手数料として請求人に支払われたものであるから、外部からの経済的価値の流入である収入に該当し、その全額が請求人の収入すべき金額となる。また、請求人と当該業者との間で、当該契約以外に金銭授受を伴う契約が締結された事実は認められないことから、本件入金は、当該業者に対する貸付金の返済であるとは認められない。
参照条文等
請求人が組合員となっている民法上の任意組合からの船舶の賃貸事業に係る損益であるとする金額は、所得税法第26条第1項に規定する不動産所得の金額の計算上、総収入金額又は必要経費に当たらないとした事例
裁決事例集 第67集 165頁
要旨
請求人は、本件船舶の賃貸事業は、請求人が投資商品の販売者から船舶の共有持分権を購入し、これを民法上の任意組合L及びケイマン諸島のリミテッド・パートナーシップPを通じて行っているのであるから、L組合の船舶賃貸事業を通じて得られる所得は、不動産所得に当たる旨主張し、原処分庁は、本件船舶の賃貸事業は、[1]請求人が本件事業に係る業務執行権を有さず、経営に参画していないこと、[2]請求人が本件船舶を実質的に保有していないこと、[3]請求人の負う本件事業のリスクが出資した船舶の持分を限度とするものであること等の理由により、請求人ら組合員の共同事業であるとは認められないから、L組合の船舶賃貸事業を通じて得られる所得は、不動産所得に当たらない旨主張する。
しかしながら、[1]G社が企画した船舶に係る投資商品は、G社から一体の投資システムとして請求人らに示されていたものであり、[2]その内容を構成する各一連の行為において、本件船舶の売却を切り離した場合には、本件船舶の賃貸事業は収益面で全く成り立ち得ない一方で、[3]L組合の出資者には、実質的に組合への事業参加の機会は全く予定されておらず、[4]しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されていないことから、当該投資商品は、本件船舶の賃貸とその売却とが一体不可分にセットされ、それらに係る収入金額から投資資金が回収され、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかである。
したがって、L組合の船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認められることから、本件船舶の賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。
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