裁決事例 土地の譲渡等がある場合の特別税率

裁決事例 土地の譲渡等がある場合の特別税率

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昭和55年9月30日裁決

団地協同組合の脱退に際し土地の割当てを返還してその対価を得たことは土地重課制度における土地等の譲渡に該当するとした事例

裁決事例集 第20集 303頁

要旨

 請求人がA卸商団地協同組合(以下「組合」という。)を脱退するに際して組合と請求人との間で交わした覚書に基づき、出資の持分、高度化事業団地の割当て等を含む一切の権利を引き渡すことに伴い補償金を受領した場合において、当該補償金は当該割当土地の時価をもって算定されているところからみれば、当該補償金の額から出資持分の払戻しに相当する額を控除した額は、当該割当て土地の上に存する権利を組合に譲渡したことによる対価と認められるから、租税特別措置法(昭和55年法律第9号による改正前のもの)第63条第1項第1号に規定する「土地及び土地の上に存する権利」の譲渡に当たるとして同項の規定を適用した原処分は相当である。

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昭和54年11月22日裁決

土地とその土地の上に建築した建物の一部の交換により取得した土地の取得の時期は当該建物の完成後の引渡しの日であるとした事例

裁決事例集 第19集 144頁

要旨

 交換契約により土地とその土地の上に建築した建物の一部を交換した場合における当該交換契約の内容が、土地の譲渡人が所有していた土地と請求人が当該土地の上に建築する建物の一部とを交換することを目的とするものであることにかんがみ、それぞれの交換資産の所有権の移転の時期については、当該交換契約書の文言上、別段の定めがない限り、建物の完成後のしかるべき時期に双方同時に移転することについて契約当事者の合意があったものと解するのが合理的であると認められることから、請求人が取得した当該土地の取得時期は、当該交換契約の締結の日ではなく、交換譲渡資産である建物の完成後、土地の譲渡人に当該建物を引き渡した日であると解するのが相当である。

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平成2年6月19日裁決

土地と建物を一括譲渡した場合において、土地譲渡益重課制度の対象となる土地の譲渡対価の額は、建物の未償却残額に建築費上昇率を乗じて得た建物の価額を土地建物の譲渡対価の額から控除して算定すべきものとした事例

裁決事例集 第39集 516頁

要旨

 土地と建物を一括譲渡した場合において、土地譲渡益重課制度の対象となる土地の譲渡対価の額を算定するに当たり、請求人主張の譲渡時の土地建物の帳簿価額によりあん分する方法によると、土地と建物の譲渡対価の額が帳簿価額と同じ割合で上昇するので、土地高騰の現状に適しないといえる。
 土地価額の上昇率が都市区域において急激であるのに対し、建物価額の上昇率が比較的緩やかである現状からみて、建物価額をまず算定して控除する方式が合理的であり、建物取得価額から定率法による減価償却費を控除した未償却残額に建設省建築動態統計調査による建築価額の上昇率を乗じて計算した建物価額を算定し、これを一括譲渡対価の額から控除して土地の譲渡価額を算定するのが相当である。

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昭和50年6月30日裁決

土地の売買に関与した行為は仲介行為に当たるとしてその報酬について土地重課の規定を適用した事例

裁決事例集 第10集 45頁

要旨

 請求人は土地を買い入れた会社の指定業者となっているが、請求人が土地の売買に関与した行為は、契約内容及び取引態様からみて、代理行為ではなく仲介行為であると認められ、また、請求人が本件土地の売買に関与して得た報酬は宅地建物取引業法第64条第1項に定める報酬の額を超えるので、請求人の行為について租税特別措置法(昭和55年法律第9号による改定前のもの)第63条の規定の適用があるとした原処分は相当である。

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昭和55年8月13日裁決

契約解除に基づく違約金の支払等による損失の額は租税特別措置法第63条第1項に規定する土地譲渡に係る譲渡損益の金額に該当しないとした事例

裁決事例集 第21集 268頁

要旨

 本件契約は形式的には土地の譲渡契約(以下「原契約」という。)の解除契約であるが、その取引は実質的には当該土地を返還したのではなく譲渡したものであるから、当該土地の譲渡損失の額を他の土地の譲渡益と通算し、課税土地譲渡利益金額を算定すべきである旨の主張について、本件契約は、原契約に基づき当事者双方の合意による解除契約であること、その解除契約に基づき譲受人である請求人は原契約に定める違約金を支払って当該土地の所有権を譲渡人に復帰させたものであることが認められるから、実質的にも土地の譲渡には該当しないので、本件契約に係る損失の額が、租税特別措置法(昭和55年法律第9号による改正前のもの)第63条第1項に規定する土地譲渡に係る譲渡損益の金額に該当しないとした原処分は適法である。

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昭和56年8月13日裁決

委託販売による仲介料は課税土地譲渡利益金額の計算上土地の譲渡等に係る収益の額から控除する譲渡原価には含まれないとした事例

裁決事例集 第22集 254頁

要旨

 課税土地譲渡利益金額の計算上、土地の譲渡等に係る収益の額から控除する譲渡原価は、租税特別措置法施行令(昭和57年政令第72号による改正前のもの)第38条の4第5項第1号イの規定により「当該譲渡に係る土地等の譲渡直前の帳簿価額(当該帳簿価額のうちに各事業年度において支出した利子の額が算入されている場合には、その額を控除した金額)」と定められており、譲渡した土地が棚卸資産である場合には、法人税法施行令第32条“たな卸資産の取得価額”の規定により取得価額とすべき金額を基礎として適法に算定された税務計算上の帳簿価額をいうものと解され、この帳簿価額に販売費が含まれないことは明らかであるところ、本件仲介料はいずれも土地の譲渡に際し、販売委託による仲介料として支出した費用であることは請求人も自認しているところであるから、本件仲介料を譲渡した土地の収益に対応する譲渡原価に含まれないした原処分は相当である。

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平成4年2月25日裁決

支払仲介手数料の額は原価の額に含め、販売費及び一般管理費の額は法定割合で計算して課税土地譲渡利益金額を算出している場合には、実額配賦法を採用したとは認められないとした事例

裁決事例集 第43集 495頁

要旨

 請求人は、法人税の確定申告書別表の記載方法の知識不足のこともあって、譲渡経費主要額たる支払仲介手数料の額を原価の額に含めて課税土地譲渡利益金額を計算したが、このことは、販売費及び一般管理費(以下「販管費」という。)の額を実額配賦法により経費に算入する意思を明らかにしているとみるべきである旨主張する。しかしながら、確定申告書の添付資料である実額配賦計算書には、支払仲介手数料の額以外の販管費の額についても何ら記載がなく、また、短期所有土地等の譲渡等に係る譲渡利益金額に対する税額の計算に関する明細書には概算法の計算をして「法定の販売費及び一般管理費」欄に記載があるのみで、「実績による販売費及び一般管理費」欄には何ら記載がないことからも、請求人が実額配賦法を選択したものと認められないから、概算法に基づいて販管費の額を計算し課税土地譲渡利益金額を算定するのが相当である。

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平成4年12月22日裁決

現況が山林であり、宅建業法で定める報酬基準では採算が取れないという特殊状況にある仲介手数料については、土地譲渡益重課税の対象とすべきではないとの請求人の主張に対して、当該基準を適用した原処分は相当であるとした事例

裁決事例集 第44集 348頁

要旨

 土地譲渡益重課税制度は、土地又は土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)の譲渡等により短期間に得た利益に対して重ねて課税することにより土地等の価額の高騰を抑制するために設けられた制度であって、租税特別措置法(以下「措置法」という。)施行令第38条の4第2項は、土地等の売買又は交換に係る仲介手数料を受ける行為についても、その額が宅建業法の報酬の上限の額を超えた場合には土地等の譲渡に準ずるものとして土地譲渡益重課税制度の適用がある旨規定している。また、土地譲渡益重課税制度においては、宅建業法第46条第1項に規定する報酬の上限の額を基準とするのみであって、同法がもっぱら対象とする宅地及び建物に係る仲介行為のみを対象とするものではなく、山林原野等宅地以外の土地等の仲介も含まれるものと解される。
 これを本件についてみると、本件各土地の取引が特殊な状況にあるとしても、請求人が受領した本件各仲介手数料の額は、宅建業法の報酬の上限の額を超えており、土地譲渡益重課税制度の適用を免れるべき理由はないから、この点に関する請求人の主張は採用できない。

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昭和51年4月22日裁決

競落代金納付前の競落土地の権利(いわゆる競落権)の譲渡は租税特別措置法(昭和55年法律第9号による改正前のもの)第63条の土地譲渡に該当するとした事例

裁決事例集 第12集 67頁

要旨

 競売によって土地を競落した後、競落代金を裁判所に支払う前に、いわゆる競落権を第三者に譲渡した場合においても、譲渡契約の目的物は競落土地の所有権であることが当事者間において認識され、売買代金は、当該土地の時価によっていることなどの事実からみれば、当該権利は独立した取引の対象としての財産的価値を有し、その譲渡は実質上土地の売買と変わりないものと認められるから、土地譲渡益重課の対象となる。

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平成3年2月25日裁決

借地上の建物を譲渡した場合には、土地の上に存する権利も譲渡されたものとして租税特別措置法第63条の規定が適用されるとした事例

裁決事例集 第41集 365頁

要旨

 請求人は、本件建物の売買は契約書に明記されているとおり建物の売買であるから、仮にその対価が社会常識的に不自然であっても、その売買価額の中に借地権に相当する対価は含まれていない旨主張するが、本件建物を請求人が前所有者から取得し、また、本件建物の買主が請求人から買い入れたのは、単に建物自体を目的とするものではなく、本件土地の上に存する権利に経済的価値を認めた故にそれぞれが取引に応じたものであることは明らかであるから、本件建物の売買が土地の上に存する権利を含む売買であるとして、租税特別措置法第63条“土地の譲渡等がある場合の特別税率”に該当するとした原処分は相当である。

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昭和55年2月29日裁決

土地売買の仲介手数料について、宅地建物取引業法に定める報酬の額を超えているとして、租税特別措置法第63条第1項の規定が適用されるとした事例

裁決事例集 第20集 295頁

要旨

 請求人(不動産仲介を業とする法人)が売主から受領した土地売買の仲介に係る手数料が高額になったのは、買主の支払うべき手数料を含んでいるためで、実質的には、宅地建物取引業法に定める報酬の限度を超えていないと主張するが、買主は、評価先例地の価格を基準とし、本件土地の地形、地積、道路の状況、用途地域区分等を考慮して本件土地の買受価額を決定したもので、当該価額に仲介手数料の額を含めていたとは認められず、また、売主は請求人の要求どおりの手数料を支払っても、手取額が納得できる金額であったので、その要求どおり支払ったものであることなどの事実を総合勘案すれば、当該手数料は売主から支払を受けたものであり、かつ、当該金額は宅地建物取引業法第46条第1項に規定する報酬の額を超えているから、請求人の当該手数料の受領は租税特別措置法(昭和55年法律第9号による改正前のもの)第63条第1項に掲げる行為に該当することになるので、同条項の規定を適用して当該手数料の額に係る土地譲渡利益金額を課税土地譲渡利益金額とした原処分は適法である。

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平成5年12月22日裁決

建築条件付土地の譲渡について、一つの売買契約書が作成されていても、取引の経緯等から土地と建物の取引はそれぞれ別個の取引であると認められ、土地と建物の「一括譲渡」には当たらないとした事例

裁決事例集 第46集 191頁

要旨

 請求人は、新築した建物を土地とともに一括譲渡したとして、租税特別措置法関係通達63の2(2)-4に定めるいわゆる142パーセント基準を適用して課税土地譲渡利益金額を計算しているが、本件の場合、請求人は、[1]建築条件付である土地の販売価額を記載したチラシを配布して土地の購入者を募集し、その上で土地の購入予定者と新築しようとする建物の額を交渉の上決定していること、[2]建物の建築確認通知書の建築主は、請求人でなく土地の購入者であること、[3]売買契約書は、[1]のチラシに記載された土地の譲渡対価の額及び交渉の上決定した建物の譲渡対価の額並びにそれらの総額を記載したものであること、[4]消費税の確定申告は、売買契約書に記載されている建物の譲渡対価の額により課税標準を計算していることからみると、租税特別措置法関係通達63の2(2)-4にいう「土地と建物の一括譲渡」に該当するとは認められず、原処分庁が売買契約書の土地の譲渡対価の額を基に課税譲渡利益金額を計算したのは相当である。

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昭和57年11月30日裁決

確定した決算において原価外処理している未確定の公租公課を課税土地譲渡利益金額の計算上原価の額に算入することはできないとした事例

裁決事例集 第25集 125頁

要旨

 法人税法は、不動産取得税及び固定資産税のような公租公課を棚卸資産である土地の取得価額に算入するかどうかは法人の選択にゆだねているものと解されるところ、従来の請求人の確定した決算における経理処理は、これらの公租公課を、その確定し又は支出した日の属する事業年度の公租公課勘定(販売費及び一般管理費)で処理するいわゆる原価外処理の方法を採用しているから、課税土地譲渡利益金額の計算上未確定の不動産取得税及び固定資産税を原価の額に算入することはできない。

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平成9年7月2日裁決

請求人が作成した土地売買契約書及び建物売買契約書は、土地の譲渡価額の圧縮を目的として形式的に作成されたもので、建物売買契約は存在せず、土地を譲渡したものであるとした事例

裁決事例集 第54集 344頁

要旨

 請求人は、土地及び建物の売買を取り決め、土地売買契約書と倉庫を建築して譲渡する建物売買契約書を取り交わしているが、国土法の規制により、勧告価格を超えて譲渡することができないため、本件倉庫を建築し、当初予定した利益相当額を確保することで合意したもので、実際の契約に基づき作成されており、この記載内容に事実と異なるものはないと主張する。
 しかしながら、[1]本件請負契約書に添付されたとする仕様書は存在しておらず、また、契約書の検査引渡しの時期は完成から10日以内と記載されているが、完成時に検査をして引渡しを受けた事実も認められない等、契約が実行されたとは、にわかに信用し難いこと、[2]契約金額の決済については通常あり得ない不自然な決済方法であること、[3]請求人は、工事の進行管理や関係諸官庁への手続きなどの事実行為を一切行っていないことが認められ、発注者としての危険と責任を負っていた客観的事実も認められないこと、[4]本件倉庫の売買先に対しては、積算根拠が細部にわたって記載されている見積書が作成されているのに対して、請求人の見積書には、ほとんどその記載がないことが認められ、そうすると、請求人の見積書は、その見積金額が本件建物売買契約書の契約金額と同額であるところから、この契約金額に合わせて便宜上作成されたものにすぎないと認められる。
 以上のことから、本件請負契約書は形式的に作成されたもので実体がなく、実質的には、倉庫の請負契約は請負業者と建物売買契約先との間で行われたと認められ、本件建物売買契約書の実体もありえない。
 そうすると、本件建物売買契約書は、本件土地の売買金額の一部を本件倉庫の工事代金に仮託するために形式的に作成されたとみるのが相当である。

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昭和57年12月24日裁決

道路占有権の譲渡による所得について租税特別措置法第63条第1項の適用があるとした事例

裁決事例集 第25集 116頁

要旨

 道路用地上(具体的には、道路高架下)に道路管理者の許可を得て建設されたビルの区分所有権を、第三者に道路占有権と共に譲渡したことについて、[1]道路占用権は、道路管理者の許可を受けて譲渡されていること、[2]本件建物の建設が都市再開発の新しい方法として実施されたものであり、当該道路占用許可の取消し等はおよそ考えられないこと、[3]一般に道路占有権は、仮にそれが道路管理者との関係では、公法上の債権と解すべきであるとしても、その実質は私権としての土地使用権に基づく利用形態と同一であり、第三者との関係では私法上の財産権的性質を有し、譲渡可能であり、また、占有侵害者に対しては妨害排除請求や損害賠償請求が認められる権原として承認されていること等から、本件道路占有権の譲渡は、租税特別措置法(昭和55年法律第9号による改正前のもの)第63条第1項第1号規定の「土地の上に存する権利の譲渡」に該当すると解するのが相当である。

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昭和54年11月19日裁決

開発公社等を経由して取得した工業団地内の土地の取得時期について、旧地主から市開発公社が買収した時ではなく、請求人が協同組合から取得した時であるとした事例

裁決事例集 第19集 164頁

要旨

 譲渡した土地は、旧地主から市開発公社及び協同組合を経由して請求人が取得したこととなっているが、それは、請求人ら組合員が公社に買収依頼をしたことにより、公社が本件土地を含む工業団地の土地を買収し、それを組合を経由して取得する形式をとったためであるから、当該土地の実質的な取得の日は、公社が取得を完了した昭和43年7月以前であるとの主張について、公社は請求人の代理人としてではなく公社自らが工業団地分譲事業として取得したものであることから、当該土地の取得時期は、公社の取得した日を請求人の取得した日と認めることはできず、組合と請求人との間において売買価額が確定した売買予約契約の締結の日である昭和45年4月1日と解すべきである。

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平成7年4月27日裁決

土地及び建物の一括譲渡契約において、その契約書の特約条項欄に土地及び建物の譲渡価額の記載があるとしても、本件建物の固定資産税の評価額が少額であって固定資産税も賦課されていないこと、本件建物の取得時及び譲渡時の取引先がいずれも本件建物の評価価値はない旨申述していること、請求人自ら確定申告において本件土地建物の取得価額を全額本件土地の原価の額としていること等から本件建物の譲渡価額は零円とするのが相当であるとした事例

裁決事例集 第49集 347頁

要旨

  1.  請求人は、課税土地譲渡利益金額の計算上、土地及び建物を一括譲渡した場合の土地の譲渡価額はその不動産売買契約書の特約条項欄に売買金額の内訳として記載されている土地及び建物の価格のうちの土地の価格であると主張するが、本件建物の固定資産税の評価額が少額であって固定資産税も賦課されていないこと、本件建物の取得時及び譲渡時の取引先がいずれも本件建物の評価価値は無い旨申述していること、請求人自ら確定申告及び修正申告において本件土地建物の取得価額を全額本件土地の原価の額としていることから本件建物の価額はないものと認められ、また、近隣の土地の売買実例からみて本件物件の譲渡価額の総額は本件土地の譲渡価額と認められ、不動産売買契約書の特約条項欄の売買金額の内訳として記載されている土地及び建物の価格は取引の真実を反映したものではないと認めるのが相当である。
  2.  本件土地の譲渡費用の算定について、請求人は、実額配賦法によって本件土地の譲渡に係る部分の金額を合理的に計算して申告したと主張しているが、租税特別措置法施行令第38条第8項及び第38条の5第4項の規定は、土地の譲渡等の全てについて支出する経費のうち、当該土地の譲渡等に係る部分の金額を合理的に計算することができるものにあっては、概算法に代えて実額配賦法により計算することを例外的に認めたものと解されるところ、請求人は、実額配賦法により算定した根拠を何ら示さないためそれによる方法が合理的か否か審理できないのであるから概算法により算定したことは相当である。
  3.  譲渡収益の一部を除外していたことについて、請求人は会計帳簿に正当に記帳さており隠ぺい又は仮装の事実はないこと、また、その除外した金員は代表者からの借入金の返済に充てたものであって代表者が個人的に費消したものではないと主張するが、本件物件について契約価額の違う2通の契約書を作成していること、除外した本件金員の一部を代表者個人の普通預金口座に入金していること、請求人の会計帳簿への記載はなく申告もしていないこと等の行為は国税通則法第69条第1項に規定する隠ぺい又は仮装に該当する。
     また、請求人の代表者は、請求人の株式の80パ-セントを所有しており、その代表取締役として請求人を支配・管理していること、その地位を利用して本件金員を受領したと認められること、代表者から請求人に対し返金した事実はないこと等の事実から代表者が当該金員を費消したものと認めるほかはなく、原処分庁が本件金員を代表者に対する賞与と認定したことは相当である。
     なお、源泉所得税の計算に当たって、代表者に対する賞与と認定した本件金員の支払確定日は、代表者が本件金員を受領した事実に応じ、現金受領日、代表者個人の普通預金口座に振り替えた日(入金した日)又は当該事業年度終了の日とするのが相当である。
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昭和58年7月18日裁決

破産管財人が破産会社の整理目的のために行う土地の譲渡について租税特別措置法第63条の適用があるとした事例

裁決事例集 第26集 193頁

要旨

 租税特別措置法(昭和57年法律第8号による改正前のもの)第63条は、破産宣告を受けた法人の破産管財人が換価のために行う土地の譲渡には適用がないと請求人は主張するが、同条の規定は、法人税の納税義務のあるすべての法人を適用対象としており、これら法人が昭和44年1月1日以後に取得した土地を譲渡した場合は、国、地方公共団体に対する譲渡等特別な場合を除いてすべて同条が適用されるところ、本件土地は破産会社が昭和45年10月31日に取得したものでその譲渡について上記の特別な場合に該当しないことから、本件土地の譲渡が同条の土地重課税の対象となることは明らかである。

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平成6年12月12日裁決

課税土地譲渡利益金額の計算に関し、請求人が提出した物件調査等手数料及び外注工事費に関する関係書類は証拠として認められず、また、これらの支出先であるとする3社の経理事務は、いずれも請求人の本社事務所において請求人の経理課長の責任管理の下で行われている等から、物件調査等手数料及び外注工事費は、そのいずれも支払っていなかったと認めるのが相当であるから、土地等の譲渡原価としては認められないとした事例

裁決事例集 第48集 278頁

要旨

 請求人は、課税土地譲渡利益金額の計算上、物件調査等手数料(「本件手数料」)及び外注工事費(「本件外注費」)を譲渡原価として認めるべきである旨主張するが、本件手数料及び本件外注費に関して異議調査時に提出された仕訳日記帳は、本件手数料及び本件外注費の発生のみを記帳したものであり、証拠としては認められない。さらに、本件手数料及び本件外注費の支払先であるとするA株式会社、B株式会社及び株式会社Cの経理事務は、請求人の本社事務所において、請求人の経理課長の責任管理の下で行われており、その会社印等も請求人の管理の下に保管されていることが認められる。
 また、[1]本件手数料については、請求人が原処分庁に対して提出した売買契約書に記載されている仲介業者名は、請求人自ら記入したことを自認していることから、当該売買契約書は仲介業者の関与を裏付ける証拠とはならず、また、本件手数料に係る領収書は、請求人が審査請求後に初めて提出したものであること等から、支払を裏付ける証拠とはいえない。[2]本件外注費については、審査請求に至って提出された見積書及び工事図面に記載の有限会社Iは、昭和50年以降無申告で、所在地には存在した形跡が認められないこと及び土地の前所有者の申述等から、造成工事が行われたと認めるのは、あまりにも不合理である。
 以上を総合して判断すると、本件手数料及び本件外注費は、いずれも支払っていなかったと認めるのが相当であるから、譲渡原価としては認められない。

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平成4年6月25日裁決

本件譲渡価額には、組合の事業地を安価で取得する権利(本件譲受権)の対価の額が含まれ、当該権利は譲受けの場所及び買受価額は予定されているものの、あくまでも譲受けの予約であって、まだ売買契約の締結もなされていないこと等から、土地又は土地の上に存する権利には当たらないとした事例

裁決事例集 第43集 507頁

要旨

 請求人が和解に応じた理由は、本件土地の競売により事業継続が困難になり、寄託者との約定の履行ができなくなるためであり、請求人の債権者にとっても本件土地の競売代金のみでは債権の回収が図れないことから、本件土地のほかに、本件譲受権も譲渡の対象としたものと認めるのが相当である。
 本件譲受権は、組合から取得した債権であり、譲受けの場所及び買受価額は予定されているものの、あくまでも譲受けの予約であって、まだ売買契約の締結もなされていないこと等から、土地又は土地の上に存する権利には当たらないと解される。
 なお、本件譲受権の対価の額は、譲受予定地に係るP組合の坪当たり処分予定価額と請求人と組合との覚書による請求人の購入予定価額との差額によって予想される販売粗利益の額とみれるから、それを下回る寄託金返済債務額を本件譲受権の対価の額とした請求人の主張は認めるべきである。

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平成8年6月26日裁決

請求人がJ社から受領した金員は、請求人及びJ社を含む5社が各1,300万円を出資して構成した本件共同体(民法第667条の組合)が、土地等の譲渡をして得た譲渡益の分配金であるから、その構成員たる請求人が本件共同体から受領すべき金額は請求人の土地等の譲渡益であり、また、当該土地等の取得から譲渡までの期間は2年以下であるから、租税特別措置法第63条の2に規定する超短期所有に係る土地等の譲渡利益に該当するとした事例

裁決事例集 第51集 429頁

要旨

  1.  本件共同体は、本件土地等の取引のために5社が各1,300万円を出資していること、5社のうち請求人を除く4社は本件土地等の取引を共同事業として認識していたこと、請求人の代表者も出資目的が本件土地等のリゾート開発事業のためであることを認めていること等を併せ考えると、本件土地等の取引について共同事業を営む旨の合意があったと認められるから民法第667条に規定する組合に該当する。また、請求人は、その構成員であると認めるのが相当である。
  2.  本件金員は、本件共同体により行われた本件土地等の譲渡による譲渡代金30億3,676万円(内砂代金6億円)のうち、請求人が受け取るべき金額6億666万円(内砂代金1億2,000万円)に係る利益の分配金である。
  3.  本件土地等の取得の日については、本件取得契約書上、土地等の代金の決済期日を昭和62年5月末日とし、引渡しは所有権移転登記申請手続及び売買代金授受の完了後遅滞なく当事者立会いの上これを行う旨定めており、現実には平成元年2月15日に所有権移転登記又は所有権移転請求権仮登記がされていること、売買代金の支払が平成元年2月27日に完結していること、本件清算書上も同日が取得日と記載されていること、請求人を除4社はいずれも同日を取得日と認識していたこと等の事実から、平成元年2月27日に本件土地の取得等があったものと認められる。
     また、その譲渡の日については、本件共同体が本件売却契約書の日付である平成2年3月6日に買主との間で土地等の代金の授受が行われたものであるから同日が譲渡の日であると認められる。
     そうすると、本件共同体による本件土地等の所有期間は2年以下となるから、租税特別措置法第63条の2(超短期所有に係る土地の譲渡等がある場合の特別税率)に規定する超短期所有に係る土地等の譲渡に該当する。
  4.  本件土地等の譲渡代金のうち請求人が受け取るべき金額6億666万円のうち砂代金1億2,000万円については、本件共同体において、本件砂が現に採掘・精製されたものであり、本件土地から分離された別個の売買の対象とされていると認められること、また、砂利採取業者に周知されている取引価格に基づいて決定された陸砂の1立方メートル当たりの単価に本件砂の体積を乗じて算定された6億円のうちの請求人の収受すべき金額であることから本件土地等の譲渡代金6億666万円から控除するのが相当である。
     そうすると、4億8,666万円が土地の譲渡価額となる。

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