裁決事例 平成6年12月12日裁決

裁決事例 平成6年12月12日裁決

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平成6年12月12日裁決

売上金額について主張、立証せず、一般経費についてのみ実額を主張しても、これを採用することはできないとした事例 また、売上原価から売上金額を推計するに当たり、6か月のみの本人比率によることは合理的ではないとした事例

裁決事例集 第48集 246頁

要旨

  1.  原処分庁は、請求人の各事業年度の売上金額は、各事業年度の売上原価の額を平成4年3月期の下半期(「本件下半期」)の売上原価率で除して算定し、一般経費の額は、売上金額に類似同業者の平均一般経費率を乗じて認定しているのに対し、請求人は、上記売上原価率には合理性がないとして売上金額を争うとともに、一般経費の額については取引金額により算定すべきであると主張する。
  2.  請求人は、自ら売上金額については主張、立証せず、各事業年度の一般経費の額については取引金額により算定すべきであるとして、当審判所に対し平成4年3月期の売掛帳納品書(控)及び買掛帳の各写し並びに各事業年度の人件費以外の一般管理費に係る領収証写しをそれぞれ提出した。
     しかしながら、請求人の営む婦人ブラウス卸売業にあっては、一般経費の額は売上金額と密接な関係ないし対応関係を有するものと認められるから、請求人が一般経費について取引金額を主張する以上、一般経費の支出の事実及び支出の内容を証拠資料等によって明らかにするだけでなく、売上金額についても同様に明らかにすべきである。
     したがって、請求人の一般経費に係る取引実額の主張は、請求人が提出した証拠資料等の信ぴょう性を検討するまでもなく、これを採用することができないから、当審判所においても各事業年度の一般経費の額を推計の方法により算定せざるを得ない。
  3.  当審判所の調査によれば、請求人の営む事業にあっては、各事業年度相互間においてはその売上原価率に著しい変動があるとは認められないものの、請求人について1年を半期単位でみた場合には、請求人の取り扱う商品の性格からその売上原価率は、上半期と下半期とではこれを異にするがい然性が高いものと認められる。このため、原処分庁が請求人の本件下半期の取引に係る係数を基に算定した売上原価率は、本件にあっては、必ずしも合理的な数値とはいえず、平成4年3月期の1年間の計数に基づいてこれを算定することが合理的であり、相当であると認められる。
  4.  原処分庁が行った類似同業者の選定は、合理的な方法によっているものと認められ、これに基づいて算出された平均一般経費率を適用して請求人の一般経費の額を算定することに合理性があると認められる。
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平成6年12月12日裁決

帳簿等には、仕入先としてその氏名の氏に相当する部分が記載されているのみであり、また、請求人は、本件調査の際に本件仕入先を明らかにして記載不備を補完しようとしなかったことから、帳簿又は請求書等の保存がない場合に該当するとして、仕入税額控除の適用は認められないとした事例

裁決事例集 第48集 411頁

要旨

  1.  請求人は、[1]本件帳簿等は、消費税法第30条第8項及び第9項に規定する記載要件を充足し、かつ、それを保存しているのであるから、同条第7項に規定する仕入税額控除に係る帳簿又は請求書等を保存しない場合には該当しない、また、[2]請求人は、本件取引の際に、仕入先に消費税を支払ったのであるから、仕入税額控除を認めるべきである旨主張する。
  2.  審判所の判断は、次のとおりである。
    1.  本件帳簿等には、仕入先としてその氏名の氏に相当する部分が記載されているのみで、住所、電話番号等の記載もないため、本件帳簿等から仕入先を特定することはできない。消費税法第30条第8項第1号のイは、明確に「課税仕入れの相手方の氏名又は名称」を記載することと規定しているのであるから、当該記載が同項の帳簿としては不備なものであることは明らかである。
    2.  原処分に係る調査(「本件調査」)の際に、調査担当職員が、請求人に仕入先を特定できない場合には仕入税額控除が適用できない旨説明し、本件取引の仕入先を特定するよう求めたにもかかわらず、請求人が本件仕入先を明らかにして記載不備を補完しようとしなかったことが認められるから、その時点において保存されている帳簿等は、記載不備な状態における本件帳簿等のみであることになる。
    3.  請求人は、当審判所に対して、仕入先が特定できるものがあっても、仕入先を明らかにすると取引ができなくなるおそれがあるため明らかにすることはできない旨答述しているが、これをもって請求人が適法な帳簿又は請求書等を保存しないことにつき災害その他やむを得ない事情がある旨主張していると解しても、そのような主張は仕入先の相手方の氏名又は名称を記載した帳簿等の保存を求める消費税法第30条第7項ないし第9項の規定の趣旨とまったくあいいれないところであるから、このような理由をもってしては、同条第7項の「その他やむを得ない事情」に該当するとはいえない。
    4.  本件帳簿等に記載された氏の真偽について検討するまでもなく、本件取引については、消費税法第30条第7項に規定する仕入税額控除に係る帳簿又は請求書等の保存がない場合に該当し、同条第1項の規定による仕入税額控除を適用することはできない。
    5.  本件取引については、消費税法第30条第7項の規定により、同条第1項の仕入税額控除の規定は適用することができないのであるから、本件取引に係る仕入れの存否、その支払対価の額、消費税相当額の仕入先への支払の有無について検討するまでもなく、仕入税額控除をすることはできない。
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平成6年12月12日裁決

課税土地譲渡利益金額の計算に関し、請求人が提出した物件調査等手数料及び外注工事費に関する関係書類は証拠として認められず、また、これらの支出先であるとする3社の経理事務は、いずれも請求人の本社事務所において請求人の経理課長の責任管理の下で行われている等から、物件調査等手数料及び外注工事費は、そのいずれも支払っていなかったと認めるのが相当であるから、土地等の譲渡原価としては認められないとした事例

裁決事例集 第48集 278頁

要旨

 請求人は、課税土地譲渡利益金額の計算上、物件調査等手数料(「本件手数料」)及び外注工事費(「本件外注費」)を譲渡原価として認めるべきである旨主張するが、本件手数料及び本件外注費に関して異議調査時に提出された仕訳日記帳は、本件手数料及び本件外注費の発生のみを記帳したものであり、証拠としては認められない。さらに、本件手数料及び本件外注費の支払先であるとするA株式会社、B株式会社及び株式会社Cの経理事務は、請求人の本社事務所において、請求人の経理課長の責任管理の下で行われており、その会社印等も請求人の管理の下に保管されていることが認められる。
 また、[1]本件手数料については、請求人が原処分庁に対して提出した売買契約書に記載されている仲介業者名は、請求人自ら記入したことを自認していることから、当該売買契約書は仲介業者の関与を裏付ける証拠とはならず、また、本件手数料に係る領収書は、請求人が審査請求後に初めて提出したものであること等から、支払を裏付ける証拠とはいえない。[2]本件外注費については、審査請求に至って提出された見積書及び工事図面に記載の有限会社Iは、昭和50年以降無申告で、所在地には存在した形跡が認められないこと及び土地の前所有者の申述等から、造成工事が行われたと認めるのは、あまりにも不合理である。
 以上を総合して判断すると、本件手数料及び本件外注費は、いずれも支払っていなかったと認めるのが相当であるから、譲渡原価としては認められない。

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