裁決事例 令和7年9月8日裁決
請求人が自家栽培したさつま芋を干し芋に加工して販売する事業は、消費税法施行令第57条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》第5項第3号に規定する第三種事業(製造業)に該当するとした事例(令和2年1月1日から令和4年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却)
裁決事例集 第140集
ポイント
本事例は、請求人が自家栽培したさつま芋を干し芋に加工して販売する事業は、日本標準産業分類の大分類「製造業」に分類されるから、当該事業は、簡易課税制度の適用において第三種事業に分類される製造業に該当するとしたものである。
要旨
請求人は、自家栽培したさつま芋を干し芋に加工して販売する事業(本件干し芋事業)は、日本標準産業分類の大分類に掲げる「農業」に該当するから、消費税法施行令第57条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》第5項第3号に規定する第三種事業(製造業)に該当しない旨主張する。
しかしながら、消費税法施行令第57条第5項第3号の規定により第三種事業に該当することとされている事業の範囲は、おおむね日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎として判定することが合理的であるところ、日本標準産業分類の総説には、農家が自家栽培した原材料を使用して製造活動を行っている場合は原則として農業に分類されるが、①同一構内に工場、作業所とみられるもの(作業所等)があり、かつ、②その製造活動に専従の常用従業者がいる場合には農業には分類されず製造業に分類される旨が記載されている。そして、①請求人の自宅敷地内にある建物には、干し芋の加工のための機械等が設置され、作業所等の機能を有していたといえること、②請求人が干し芋の加工時期のみ雇用し、加工作業に従事している者は、雇用期間及び作業内容からすると、本件干し芋事業の製造活動に専従する常用従業者に該当することからすれば、本件干し芋事業は、日本標準産業分類の大分類に掲げる「製造業」に該当し、消費税法施行令第57条第5項第3号に規定する第三種事業(製造業)に該当する。
参照条文等
消費税法第37条(令和6年法律第8号による改正前のもの)第1項 消費税法施行令第57条第1項及び第5項 消費税法施行令等の一部を改正する政令(平成28年政令第148号)附則第11条の2第1項 消費税法基本通達(令和5年8月10日付課消2-9ほか5課共同による改正前のもの)13-2-4
請求人が行ったとしていた各仕入取引に係る資産の譲受け及び各販売取引に係る資産の譲渡は、請求人に帰属しないとした事例(令和2年10月課税期間から令和4年7月課税期間他の消費税等の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却)
裁決事例集 第140集
ポイント
本事例は、請求人は、各販売取引について資産の譲渡等に係る対価を享受していないことから、消費税法第13条《資産の譲渡等又は特定仕入れを行った者の実質判定》の規定に基づき、各仕入取引に係る資産の譲受け及び各販売取引に係る資産の譲渡は、請求人に帰属しないとしたものである。
要旨
請求人は、消費税法第13条《資産の譲渡等又は特定仕入れを行った者の実質判定》は、租税回避を目的とした事案への適用を想定した規定であり、独立した事業者間で締結された契約に沿って行われた取引に適用される余地はないところ、請求人が仕入先又は売上先との間の各契約の中で各取引に係る商品の種類、数量及び金額を定めていること、契約は当事者の自由な意思に基づいて結ぶことができ、当事者の意思どおりの効果が認められることなどから、請求人は、各販売取引に係る対価を売上先から享受し、課税仕入れに係る対価を仕入先に支出しており、各取引に同条は適用されない旨主張する。
しかしながら、消費税法第13条の趣旨は、資産の譲渡等の法形式上の帰属主体と法律的実質的な帰属主体が一致しない場合においては、後者すなわち実質的に資産の譲渡等に係る対価を享受する者を資産の譲渡等の帰属者とするものと解されるところ、法律的実質的にみて、請求人は、各販売取引について資産の譲渡等に係る対価を享受していないから、同条の規定に基づき、請求人以外の者が資産の譲渡をしたものとして同法を適用すべきである。
参照条文等
参考判決・裁決
大阪地裁平成25年6月18日判決(税資263号順号12235) 津地裁令和2年10月1日判決(税資270号順号13457) 広島地裁平成18年6月28日判決(税資256号順号10436) 令和4年11月9日裁決(裁決事例集No.129) 平成28年8月22日裁決(裁決事例集No.104)
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。