裁決事例 平成28年8月22日裁決
各店舗の収益の帰属は、当該各店舗の営業許可の名義人ではなく請求人であるとした事例( 平成22年2月1日から平成23年1月31日まで及び平成24年2月1日から平成25年1月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分、平成22年2月1日から平成23年1月31日まで及び平成24年2月1日から平成25年1月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分、平成23年1月分の源泉徴収に係る所得税の納税告知処分並びに不納付加算税及び重加算税の各賦課決定処分、平成25年1月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税告知処分並びに不納付加算税の賦課決定処分・一部取消し、 法人税の青色申告の承認の取消処分ほか・棄却、平成28年8月22日裁決)
裁決事例集 第104集
ポイント
本件は、請求人とは異なる者が営業許可の名義人となっている飲食店について、当該各飲食店に係る収益は当該各名義人ではなく請求人と認められるものの、当該各店舗に係る収益の計算において原処分庁が算定した売上原価の額等に誤りがあることから、原処分の一部を取り消したものである。
要旨
請求人は、請求人とは異なる者が営業許可の名義人となっている複数の飲食店(本件各店舗)について、本件各店舗の経営者は営業許可の各名義人(本件各名義人)であるから、本件各店舗に係る収益は請求人に帰属しない旨主張する。
ところで、実質的な費用収益の帰属主体及び資産の譲渡等の帰属主体については、名義と実質が一致しない場合、実質的にこれらを享受する者に対して課税されることとなるところ、その判断は事業に至る経緯、経営の実態、経理関係、関係者の認識等を総合して行うべきである。これを本件についてみると、①請求人の代表者(本件代表者)の指示により、本件各名義人が本件各店舗の賃借人及び営業許可の名義人になっていること、②本件代表者が開業前の工事等に関与していたこと、③本件代表者によって、本件各名義人及び本件各店舗の従業員の勤務状況が管理されていたことからすると、本件代表者が本件各店舗の開業を決意し、経営の実権を握っていたといえる。また、本件代表者の指示の下、本件各店舗の売上日報等が作成され、本件代表者が売上金の回収、売上げ及び経費の管理を行い、給与を支給していたことからすると、本件代表者が主体となって本件各店舗に係る経理処理をしていたと認められる。そうすると、かかる経営状況は、本件代表者が自ら主体となって経理処理をしている請求人が経営する飲食店(申告店舗)と同様であって、申告店舗と本件各店舗はその経営実態において何ら変わることはないことから、本件代表者には本件各店舗の収益が全て請求人に帰属するとの認識があったものと認められる。
したがって、本件各店舗に係る収益の帰属者は請求人であると認められる。ただし、原処分庁が算定した売上原価の額等に誤りがあることから、原処分の一部を取り消すべきである。
参照条文等
参考判決・裁決
岡山地裁平成23年10月25日判決(税資261号順号11798)
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。