裁決事例 平成4年3月31日裁決

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平成4年3月31日裁決

不動産の譲渡所得が譲渡に関する契約の効力発生の日の属する年に帰属するとした事例

裁決事例集 第43集 96頁

要旨

 請求人は、本件不動産を譲渡契約の相手方A女に引き渡したのは平成2年3月末日であるから、本件譲渡所得は平成2年分に帰属する旨主張し、本件譲渡所得を平成元年分の所得としていた確定申告について更正の請求をしたのであるが、本件においては、[1]本件売買契約は平成元年6月16日に締結され、本件土地建物の所有権移転登記の手続は、同年6月29日に完了していること、[2]請求人は、平成元年中に本件譲渡代金のうち約77パーセントに相当する32,300,000円を受領していること、[3]譲渡の相手方であるA女は、本件不動産を平成元年6月29日に保証委託取引による債権の担保として提供していること及び[4]請求人は、本件不動産に係る平成元年7月から12月までの家賃相当額を事業所得の必要経費に算入していることを併せ考えると、本件不動産の所有権は平成元年中にA女に移転し、また、本件売買契約に基づく経済的利益も、同年中に発生しているというべきであって、このような場合に、請求人自身が譲渡に関する契約の効力発生の日を本件譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期と認識し、本件譲渡所得を平成元年分の所得として申告している以上、これを認めるのが相当であり、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期が資産の引渡しの日であるという理由に基づく本件更正の請求は認められない。

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平成4年3月31日裁決

納付すべき消費税が決算期末において課税売上高及び課税仕入高を集計し算出されることをもって、直ちに消費税に係る経理処理が期末一括税抜経理方式を採用したことにはならないとした事例

裁決事例集 第43集 232頁

要旨

 請求人は、納付すべき消費税は決算期末において課税期間分の課税売上高及び課税仕入高を集計し算出するのであるから、消費税の経理処理は自動的に期末一括税抜経理方式を採用したことになる旨主張するが、期末一括税抜経理方式とは、法人税の課税所得を計算する際、事業年度末に期中において税込処理した消費税を一括して税抜処理する方式であるところ、納付すべき消費税額を算出したからといって直ちに消費税の経理処理が税抜経理方式となるものではない。
 したがって、請求人が消費税の経理処理について税抜経理方式を適用していたとは認められず、また、収益に係る取引につき税込経理している以上、他の科目について税抜経理を行うことは認められないから、固定資産の取得価額が200,000円未満かどうかは税込価額により判断する。

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平成4年3月31日裁決

自動車教習所のコースとして貸し付けられている土地に係る賃借権の残存期間は、更新されることが明らかである場合には、更新によって延長されると見込まれる期間をも考慮すべきであるとした事例

裁決事例集 第43集 369頁

要旨

 賃借権の存続期間については、原則として当事者の定めた賃貸借契約に基づく賃貸借期間によるが、[1]本件賃貸借契約は昭和36年2月に契約され、当事者のいずれからも契約解除の申出のない場合には自動的に賃貸借期間を更新することとされ、これに従って過去30年近くにわたって契約が継続されてきたこと、[2]本件土地は、県公安委員会指定の自動車教習所のコースの敷地としてコンクリート舗装され、コースのほぼ中央に位置し、その利用価値は極めて高いと認められることから、契約上の賃貸借期間は3年であるが、将来にわたり更新されることが予想され、長期間にわたるものと認められるので、本件賃借権は事実上残存期間の定めのないものと認められるのが相当である。

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平成4年3月31日裁決

請求人が本件退職金を支出したのは、新出資者が支払うべき本件出資持分の譲受代金の一部を負担した行為に当たるから、本件退職金は新出資者に対する寄付金と認めるのが相当であるとした事例

裁決事例集 第43集 260頁

要旨

 総会議事録及び覚書によれば、旧出資者は本件退職金の額を含めたところで出資持分を新出資者に譲渡する旨記載されている。更に、本件退職金は、旧出資者の家庭単位の出資口数に比例して支出されており、それ以外の算定根拠が明らかでないから、請求人の損金の額に算入されるべき退職金とは認められない。
 そうすると、本件退職金は、新出資者が旧出資者に支払うべき本件出資持分の譲受代金の一部を退職金名目で旧出資者に支払ったものとなるから、本件退職金は、請求人から新出資者に対して経済的利益の供与をしたことになり、寄付金と認めるのが相当である。

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