裁決事例 平成27年6月1日裁決

裁決事例 平成27年6月1日裁決

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平成27年6月1日裁決

差押処分の直後に自主納付により滞納国税が完納される可能性は著しく低く、請求人の財産を早期に保全する必要性があったと認められることからすると、差押処分に係る徴収職員の裁量権の行使は差押処分の趣旨及び目的に反して不合理なものであったとはいえず、差押処分は不当なものではないとされた事例(債権の差押処分・棄却)

裁決事例集 第99集

要旨

 原処分庁が、請求人の滞納国税(本件滞納国税)を徴収するために債権の差押処分(本件差押処分)をしたことに対し、請求人は、原処分庁との納付相談において請求人の申し出た分割納付が認められたと理解して分割納付をしていたにもかかわらず、また、分割納付を依頼する各種事情を説明したにもかかわらず、これらの事情を一切考慮せずに行った本件差押処分は不当である旨主張する。
 しかしながら、本件滞納国税の納付状況等からすると、本件差押処分の直後に自主納付により本件滞納国税が完納される可能性は著しく低かったといわざるを得ず、請求人の財産を早期に保全する必要性があったと認められるから、本件差押処分に係る裁量権の行使は、差押えの趣旨及び目的に反して不合理なものであったとはいえず、本件差押処分は不当なものではない。

参照条文等

国税徴収法第47条第1項第1号 行政事件訴訟法第30条 行政不服審査法第1条第1項

参考判決・裁決

平成21年5月11日裁決(裁決事例集No.77) 平成22年9月29日裁決(裁決事例集No.80)

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平成27年6月1日裁決

更正処分の理由の提示について不備がないと判断した事例(平成22年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)

裁決事例集 第99集

ポイント

 本件は、納税義務者以外の者による納税申告について、納税義務者が明示又は黙示に当該納税申告をする権限を与えていたとは認められないものの、納税義務者が、当該納税申告について追認していると認められるとしたものである。

要旨

 請求人は、所得税の更正処分に係る通知書(本件更正通知書)には、請求人が匿名組合契約の出資者である外国法人(本件外国法人)との間で締結した参加利益契約(本件参加利益契約)は配当を受ける旨を約す契約であり、請求人と本件外国法人との間の本件買戻合意(本件参加利益契約に基づく匿名組合契約に係る利益の分配を受ける権利を本件外国法人が買い戻すことなどの合意)は本件参加利益契約を解除する契約であると認定した根拠となる具体的な事実が摘示されておらず、また、原処分庁においてその法的評価の判断に至った過程自体を明示したものではないから、本件更正通知書に附記された理由は、更正処分庁の恣意抑制及び不服申立ての便宜という理由附記制度の趣旨から著しく逸脱した違法なものである旨主張する。
 しかしながら、本件更正通知書には、更正処分の理由として、①本件参加利益契約は、請求人が本件外国法人に対して出資を行い、当該出資額に応じた配当を受ける契約であったと認められること、②本件買戻合意は、本件参加利益契約を解除するものであったと認められるとして、原処分庁において当該合意を権利の譲渡ではないと捉えていることが明らかであり、また、③請求人が本件参加利益契約に基づき支払った拠出金と本件買戻合意に基づき受領した金員との差額である損失額は、資産の譲渡により生じたものではないことが示されており、本件更正通知書には原処分庁の判断の過程が明示されており、同通知書に附記された更正処分の理由に不備はない。

参照条文等

国税通則法第74条の14第1項 行政手続法第14条

参考判決・裁決

最高裁平成23年6月7日第三小法廷判決(民集65巻4号2081頁)

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平成27年6月1日裁決

競売により一括で取得した土地及び建物等の取得価額の区分について、固定資産税評価額の比率によってあん分することが相当であるとした事例( 平22.12.1~平23.11.30の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、 平22.12.1~平23.11.30の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・ 棄却、 一部取消し)

裁決事例集 第99集

要旨

 請求人は、請求人が競売により一括で取得した土地及び建物(本件建物)等の取得価額の区分について、原処分庁が用いた土地及び家屋の固定資産税評価額の比率によってあん分する方法ではなく、請求人が依頼した不動産鑑定士の鑑定評価における土地と建物等の評価額の比率によってあん分し、法人税に係る建物等の減価償却費の額を計算すべきである旨主張する。
 しかしながら、鑑定評価による価額を用いたあん分法も一応合理性が認められる方法であるところ、請求人が用いた不動産鑑定士の評価額の計算が本件建物と構造の異なる建物に基づく査定を行っているなど必ずしも合理性のある算出方法となっていない一方、原処分庁が用いた土地及び家屋の固定資産税評価額は、いずれも同一の評価機関により算定されたものであり、かつ、同一時期の時価を反映しているものであることから合理性があるというべきである。よって、固定資産税評価額の比率によってあん分することが相当である。
 なお、原処分庁の固定資産税評価額の比率によるあん分は、本件建物に設置されたディスプレイ設備に係る固定資産税評価額に相当する額が含まれていないことから、原処分庁の計算は誤りである。

参照条文等

法人税法第31条第1項

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