裁決事例 平成13年6月27日裁決
ゴルフ会員権を購入した者からの届出債権が破産債権として債権表に記載されたことは国税通則法第23条第2項第1号に該当するとしてなされた更正の請求につき、当該届出債権は不法行為に基づくものであるから、同号に規定する「課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決」には該当しないとした事例
裁決事例集 第61集 1頁
要旨
請求人(破産管財人)は、破産前の請求人(ゴルフ会員権販売代行業)を介して会員権を購入した会員がその購入代金相当額を裁判所に届け出、その届出債権が破産債権として確定した旨請求人及びゴルフ場経営会社双方の債権表に記載され、確定判決と同一の効力を有することになったこと(破産法第241条、第242条、第287条)は国税通則法第23条第2項第1号に規定する「課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決」に該当する旨主張するが、当該届出債権は会員からの不法行為による損害賠償に基づくものであるから、当該届出債権を裁判所に届け出た行為をもって、請求人と当該ゴルフ場経営会社との間で締結された会員募集業務委託契約等、課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実の存否、効力等を直接審判の対象とした訴えがされたと見ることはできないため、そもそも、その事実は国税通則法第23条第2項第1号に規定する「課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決」に該当せず、請求人の主張には理由がない。
固定資産課税台帳に登録された建物の価格(台帳価格)に基づいて登記を了した者が、その後、その課税標準額は当該建物の売買価額によるべきであるとして行った還付通知すべき請求に対してなされた、還付の通知をすべき理由がない旨の通知処分は適法とした事例
裁決事例集 第61集 693頁
要旨
請求人は、登録免許税の課税標準となる本件建物の価額については、鑑定価額を参考にした公正かつ時価を反映した価額であるその売買価額とすべきである旨、及び台帳価格と売買価額の乖離が明白な場合には、登録免許税法施行令附則第4項にいう「特別の事情」に該当する旨主張する。
しかしながら、請求人は、本件登記申請書に本件建物の台帳価格に基づいて計算した課税標準額と当該課税標準額を基に計算した登録免許税の額を記載しており、その登録免許税の課税標準額及び税額の計算過程に誤りのないことが認められるから、登録免許税法附則第7条の規定に基づき登録免許税を適正に計算、納付していることになるところ、請求人は、鑑定評価額を118百万円も下回った金額で売買しており、また、主張する鑑定評価額については、平成5年の本件建物の大改築(費用約14億円)がどのように反映されたかが明らかでない。
さらに、本件不動産の売買については、売主側の事情による売買という個別的事情が認められ、他方、台帳価格は、いわゆる再建築価額法により評価され、その評価方法は家屋の適正な時価を算出する最も妥当な方法と解されており、そして、平成5年の大規模な改築後、本件登記時迄の間に、増改築、損壊等の事情は認められないから、本件登記時における本件建物の台帳価格を本件建物の時価でないと解するは相当でない。
なお、登録免許税法施行令附則第4項にいう「特別の事情」とは、課税台帳に登録後、当該不動産自体に当該規定が列挙する事由その他これに類する事情により質的又は量的な形状の変化を生じたため、当該不動産の価額が台帳価格により難い程度に変動した場合につき、例外的な取扱を定めたものと解されるが、請求人主張の事情は、本件建物自体の質的又は量的な形状の変化ということはできず、請求人の主張は、いずれも理由がない。
当初申告において補償金が非課税であると誤認して収入にも計上せず修正申告において特別控除を適用してきたが、経理担当者の入院による収入不計上及び収用の特別控除の手続きの不知はやむを得ない事情に当たらず、ゆうじょ規定は適用できないとした事例
裁決事例集 第61集 427頁
要旨
請求人は、租税特別措置法第65条の2(収用換地等の場合の特別控除)第5項のいわゆるゆうじょ規定の適用を修正申告において求めてきたものであるが、同規定における「やむを得ない事情」とは、客観的にみて本人の責めに帰すことのできない事情をいうものと解される。
しかし請求人の主張する、[1]経理担当者が入院したことから本件補償金に係る収入が会計帳簿に計上されなかったこと、[2]市役所から非課税であると聞いたため関与税理士に連絡せず申告もれになったこと及び[3]収用等の特別控除に手続きが必要であることはを知らなかったことは、いずれも請求人の主観的判断、個人的事情に過ぎず、ゆうじょ規定の適用におけるやむを得ない事情があったということはできず、かえって請求人の代表者は請求人の名義で本件補償金に係る契約を締結し、本件補償金が請求人名義の預金口座に振り込まれたことを知っていたのであるから、本件補償金が請求人の収入であることを容易に認識し得たと認められ、これを収入に計上せず、確定申告に収用換地等の場合の特別控除の記載又は明細書の添付をしなかったことは、請求人自身の責めに帰すべき事情により生じたものというべきものである。
また、請求人は、修正申告書において租税特別措置法第65条の2(収用換地等の場合の特別控除)第5項のいわゆるゆうじょ規定の適用を求めたのであるから、当該修正申告書を更正する場合にはゆうじょ規定を適用しない理由を更正理由書に附記すべきである旨主張するが、更正通知書には租税特別措置法第65条の2は確定申告書等において適用されるものであるところ、修正申告書は確定申告書等には該当しないから収用等の特別控除額を損金の額に算入できない旨記載されており、この記載内容は更正の理由附記の趣旨を満たしたものであることが認められる。
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