裁決事例 平成31年2月20日裁決

裁決事例 平成31年2月20日裁決

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平成31年2月20日裁決

本件建物の固定資産課税台帳の台帳価格は、登録免許税法第10条第1項に規定する価額(時価)を超えていると認められることから、固定資産評価基準に基づき本件建物の時価を算定した事例(登録免許税の還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・全部取消し)

裁決事例集 第114集

ポイント

 本事例は、本件建物の固定資産課税台帳の台帳価格には、当該台帳価格が付された時点より前に生じた損耗が反映されておらず、当該損耗を考慮した上で、登録免許税法第10条第1項に規定する価額(時価)として、固定資産評価基準に基づき本件建物の適正な時価を算定すべきと判断したものである。

要旨

 原処分庁は、不動産の所有権移転登記における課税標準たる不動産の価額は、登録免許税法附則第7条《不動産登記に係る不動産価額の特例》により、固定資産課税台帳の台帳価格を基礎とした価額によることができるとされ、登記実務上も同様の取扱いがなされていることから、請求人が売買により取得した建物(本件建物)の所有権移転登記(本件登記)に係る課税標準たる不動産の価額は、同条の規定に基づく台帳価格(本件台帳価格)を基礎として正当に算定されている旨主張する。
 しかしながら、本件登記に係る課税標準の基礎となる本件台帳価格が何らかの理由により本件建物の時価を表していないという事情がない限り、登録免許税法第10条《不動産等の価額》第1項に規定する課税標準たる不動産の価額は、基本的には当該台帳価格によるべきであると解されるところ、本件台帳価格は、本件台帳価格が付された時点において本件建物に既に生じていたと推認される損耗(本件損耗)の事情が考慮されていないことからすると、本件登記に係る課税標準たる不動産の価額については、本件台帳価格によるのは相当ではなく、改めて本件損耗の事情を考慮して固定資産評価基準の定める評価方法に従ってその価額を算定し、当該価額をもって本件登記の時における登録免許税の課税標準額たる不動産の価額とすべきである。

参照条文等

登録免許税法第10条、附則第7条 最高裁平成25年7月12日第二小法廷判決(民集67巻6号1255頁) 平成30年6月14日裁決(裁決事例集№111)

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平成31年2月20日裁決

請求人らが、相続により取得した建物の価額は、固定資産評価基準を基に財産評価基本通達に従って評価すべきであり、請求人の主張する不動産鑑定評価額には合理性が認められないとした事例(平成27年12月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・一部取消し)

裁決事例集 第114集

ポイント

 本事例は、請求人が相続により取得した建物は、機能的、経済的観点から市場性が全く認められないため解体除去を要し、このことを前提として算定された不動産鑑定評価額が時価であるとの主張に対し、当該不動産鑑定評価額には合理性が認められないとした上で、固定資産評価基準が定める評価の方法によっては再建築費を適切に算定することができない特別の事情等は認められないから、同基準に従って決定した固定資産税評価額に依拠した相続税評価額は適正な時価であると判断したものである。

要旨

 請求人らは、相続により取得した家屋(本件家屋)及びその敷地(本件土地)について、本件家屋は、大改修を行っても収益性回復は困難で、機能的、経済的観点から市場性が全く認められないため、解体除去が必要であるとして本件家屋及び本件土地(併せて本件不動産)の最有効使用を判定した不動産鑑定士による鑑定評価書(本件鑑定評価書)には合理性があり、本件鑑定評価書に基づく価額が時価である旨、また、本件家屋の固定資産税評価額は一般常識からかけ離れた評価がされている旨主張する。
 しかしながら、本件家屋は、相続の開始時において、その一部が貸店舗や被相続人等の居宅として利用されていたことからすると、本件家屋には相応の経済価値があったと認められる。一方、本件鑑定評価書における最有効使用の判定に当たっては、不動産鑑定評価基準に定める現実の本件家屋の用途等を継続する場合の経済価値と本件家屋を解体除去した場合の解体除去費用等を適切に勘案した経済価値との十分な比較考量がされているとは認め難いことなどから、本件鑑定評価書に合理性があるとは認めるに足りず、本件土地の更地価格から本件家屋の解体除去費用を控除した本件鑑定評価書による価額が、本件不動産の時価を適正に評価したものであるとは認め難い。したがって、本件鑑定評価書に基づく請求人らの主張立証によって、財産評価基本通達の定めに従って評価した本件不動産の価額が時価であるとの事実上の推認を覆すには至らない。また、本件家屋の固定資産税評価額については、その価額を求めるに当たり、固定資産評価基準が定める評価の方法によっては再建築費を適切に算定することができない特別の事情又は固定資産評価基準が定める減点補正を超える減価を要する特別の事情は認められないから、固定資産評価基準に従って決定した固定資産税評価額が適正な時価であると推認される。ところで、当審判所の調査によると、本件家屋の固定資産税評価額は相続開始日前に遡及して一部減額されており、その減額前の固定資産税評価額に依拠した相続税評価額によりなされた原処分は、その一部を取り消すこととなる。

参照条文等

相続税法第22条

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