裁決要旨 3貸倒れの場合の税額控除
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060001
- 裁決年月日
- 令和6年8月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603010
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/1貸倒れの認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先(本件取引先)に対して、親戚関係や地域性を考慮しつつ、継続的な受注を期待しながら5年以上の長期にわたって複数回の工事(本件各工事)を行っていた上、本件取引先も工事代金の一部を未払いにすることにより請求人との取引を継続する意思を表明していたことから、本件各工事は法人税基本通達9-6-3《一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸倒れ》(本件通達)に定める「継続的な取引」に該当し、本件通達の定めに則り貸倒れとして損金経理した本件取引先に対する売掛金(本件売掛金)は、貸倒損失として損金の額に算入され、併せて貸倒れに係る消費税額が控除される旨主張する。しかしながら、①請求人と本件取引先との間で工事の必要性が継続的にあることを前提とした基本契約書等のやり取りはないこと、②本件取引先が営む事業の内容に照らせば、本件取引先が建物等に関して工事を要する状況になることや特定の時期にそのような状況が発生することが確実であったとは認められないこと、③本件各工事の内容等は様々であり、その工事別に引渡しがされていることなどからすると、請求人が本件取引先から工事を継続的に請け負う関係にあったということはできず、むしろ、請求人と本件取引先は、本件各工事の必要性が生じた都度、工事の受発注と代金の請求を行っていたとみるのが自然である。したがって、本件各工事は本件通達に定める「継続的な取引」に該当せず、本件通達と同旨の消費税法第39条《貸倒れに係る消費税額の控除等》第1項、消費税法施行令第59条《貸倒れの範囲等》及び消費税法施行規則第18条《貸倒れの範囲》第3号の規定も適用されないから、本件売掛金に係る消費税額は課税標準に対する消費税額から控除されない。(令6. 8.26 関裁(法・諸)令6-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290039
- 裁決年月日
- 平成30年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603020
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/2貸倒れの場合の税額控除の不適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先に対する売上げに係る請求金額について貸倒れが生じた事実を証する証拠書類は申告等の際に提出済みである旨主張する。しかしながら、納税者において貸倒れとなる債権の発生原因、内容、帰属並びに回収不能の事実等について具体的に特定して主張し、貸倒れの存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解するのが相当であるところ、請求人が申告書等の提出時及び調査担当職員による調査時等において提出した書類からでは、貸倒れの存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証が行われたとはいえない。したがって、当該請求金額における貸倒れについて、事実上その不存在が推定されることから、当該課税期間において、消費税法第39条《貸倒れに係る消費税額の控除等》第1項に規定する貸倒れに係る消費税額の控除の適用を受けることはできない。(平30. 3. 6 関裁(諸)平29-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260128
- 裁決年月日
- 平成27年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603010
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/1貸倒れの認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その有する金銭債権(本件金銭債権)について、債務者である法人は既に実体がなく、連帯保証人についても所有資産を競売され、その後行方不明となっており、請求人が把握した当該課税期間における連帯保証人の収入状況や年齢をも考慮すると、本件金銭債権については、当該課税期間において、その全額が回収できないことが明らかになった旨主張する。しかしながら、貸倒れに係る消費税額の控除等については、債権に係る債務者の財産の状況、支払能力等からみて当該債務者が債務の全額を弁済できないことが明らかである場合に認められるものであるところ、請求人は当該課税期間に連帯保証人に対してその資産状況等の確認をとっている状態を継続させていると認められ、本件金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかになったといえる何らかの事実が当該事業年度に両者の間に生じたとは認められないこと、連帯保証人が行方不明である事実が明らかとなったということもできないこと、請求人が把握した連帯保証人の収入状況からは本件金銭債権が全く回収できないことが客観的に明らかとなるものとは認められないことなどからすれば、本件金銭債権については、当該課税期間において、その全額が回収不能であることが客観的に明らかになったとは認められない。(平27. 6.24 東裁(法・諸)平26-128)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240066
- 裁決年月日
- 平成24年10月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 500603010
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/1貸倒れの認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の有する売掛金債権について、当該債権に係る債務者である取引先の資産状況、支払能力等からみて当該債権の全額を回収できない状態にあることが明白であるから、領収をすることができなくなった課税資産の譲渡等の税込価額に係る消費税額がある旨主張する。しかしながら、請求人の有する当該債権が、法律上消滅したとはいえず、また、当該債権の全額の回収の見込みがないことが確実になった場合に当たるということもできないから、請求人の当該債権につき、貸倒れが生じたとはいえない。したがって、請求人には、消費税法第39条《貸倒れに係る消費税額の控除等》第1項に規定する、請求人の事業の遂行上生じた売掛金の貸倒れにより領収することができなくなった課税資産の譲渡等の税込価額に係る消費税額はない。(平24.10. 4 東裁(所・諸)平24-66)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230061
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603020
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/2貸倒れの場合の税額控除の不適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する売掛債権の放棄(本件各債権放棄)について、債権放棄の通知を行っていることから、消費税法施行規則第18条《貸倒の範囲》第2号に規定する「書面により債務の免除を行ったこと」に該当し、消費税法第39条《貸倒れに係る消費税額の控除等》第1項に規定する貸倒れに係る消費税額の控除をすることができる旨主張する。しかしながら、請求人の子会社は、実質的債務超過の状態ではあったものの、当該子会社に対する売掛債権に回収可能性がないということはできないことから、消費税法施行規則第18条第2号に規定する「債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その債務を弁済できないと認められる場合」に該当しない。したがって、本件各債権放棄が書面により行われたものであったとしても、同号の適用をすることはできず、貸倒れに係る消費税額の控除は認められない。(平24. 6.19 大裁(法・諸)平23-61)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220019
- 裁決年月日
- 平成22年9月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603020
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/2貸倒れの場合の税額控除の不適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、中央卸売市場において出荷者から販売委託を受けた牛枝肉等をせり売等の方法により買受人に販売することを業とする卸売業者であるが、本件牛枝肉の販売先である本件買受人に対する債権金額が貸倒れとなったため、消費税法第39条第1項に規定する貸倒れに係る消費税額を控除することができる旨主張する。しかしながら、貸倒れに係る消費税額の控除は、本件債権が課税資産の譲渡等により取得されたことがその前提であるところ、請求人が行う本件牛枝肉の受託販売取引においては、出荷者と締結する受託契約約款によると、①出荷者と請求人との関係は委任関係にあること、②販売価格の決定権は出荷者にあること、③譲渡代金の最終的な帰属者は出荷者にあることから、本件牛枝肉の譲渡等(課税資産の譲渡等)を行った者は、出荷者と認められ、請求人は、飽くまで出荷者の牛枝肉等の販売を代行するという役務の提供を行い、出荷者から委託手数料を収受したにすぎない。また、請求人が本件買受人と締結した代金の支払に関する約定によれば、本件買受人から確実に販売代金を回収できるように取り決めをしておきながら、長期間にわたり本件債権を回収しなかった結果、生じたものであるから、本件買受人に対する本件債権は、実質的に本件買受人に対し金銭を貸し付けたことにより生じた債権であるというべきものである。したがって、本件債権は、請求人が課税資産の譲渡等したことにより取得した債権とは認められず、当該債権について貸倒れに係る消費税額控除の適用はできない。(平22. 9. 9 大裁(諸)平22-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220001
- 裁決年月日
- 平成22年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 500603990
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/3その他
- 事例集登載頁
- №80
要旨
○ 請求人は、平成16年に取引先であるG社の破産管財人から受けたファックスにより、G社の破産終結を知り得たのであるから、所得税基本通達51−12《回収不能の貸金等の貸倒れ》の定めにより、請求人がG社に対して有する債権の本件貸倒損失の計上時期は平成16年分となる旨主張する。しかしながら、請求人が当該ファックスの受信時にG社の破産終結を知り得た事実は認められるものの、裁判所が破産法人に配当可能な財産がないことを認めた場合には、廃止決定又は終結決定をして、当該法人の登記が閉鎖されることとされており、これらの決定がなされた時点で当該破産法人は消滅することからすると、この時点において、当然、破産法人に配当可能な財産はないのであって、当該決定等により請求人がG社に対して有する債権もその全額が客観的に回収不能となったと認めるのが相当である。よって、請求人の本件貸倒損失の計上時期は、G社の破産手続終結の決定がなされた平成14年分となる。(平22. 7. 1 大裁(所・諸)平22-1)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200008
- 裁決年月日
- 平成21年1月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603020
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/2貸倒れの場合の税額控除の不適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、民事再生法による再生計画認可の決定による免除総額は、請求人の如何なる意思によってもこの債権免除を覆せるものではなく、法律上「絶対的消滅の債権」であり事実上回収が見込めないことは明らかであることから、認可決定のあった日において法律上消滅しており、また、再生計画の再生債権弁済計画表の脚注にある条件が成就していないから債権は消滅していないとの原処分庁の主張は、社会的常識から逸脱しており、当該脚注は主権者たる善良な債権者に及ぶものではなく、事実認定に当たっては、外部的な法形式よりも内部的に実質経済的意義を基準として考察すべきである旨主張する。しかしながら、再生計画認可の決定による再生計画は、平成18年○月○日に認可決定が確定したものであり、同計画によれば、債務者は、平成18年から平成27年まで毎年12月末日限りそれぞれ弁済額の10分の1(再生債権の元本の1%)に相当する額を弁済する都度、元本の9%ずつの免除を受けることとなっており、再生債権者である請求人の権利も、この計画の定めに従って変更されていることとなる。また、当該脚注は再生債権の権利の変更及び弁済方法を記載したものであり、再生計画の一部である。以上のとおり、再生計画による再生債権の免除総額は、認可決定のあった日(平成18年○月○日)において、再生債務者がその免責を受けておらず、請求人が債権として有していることから、法律上消滅していないこととなる。したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平21. 1.15 福裁(法・諸)平20-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180032
- 裁決年月日
- 平成18年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603010
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/1貸倒れの認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・410ページ
要旨
○ 請求人は、同人が放棄した債権(以下「本件債権」といい、本件債権の放棄を「本件債権放棄」という。)は、本件債権放棄の当時、回収不能であったから、本件債権放棄は貸倒損失に該当し、本件債権に係る消費税額を貸倒れに係る税額として控除できる旨主張する。しかしながら、本件債権の債務者が施主である本件建物は、約70%程度完成していて既に建物として成立し、何らの担保も設定されておらず、本件債権放棄の前後を通じ、その処分についての協議が請求人を交えて継続されていたということからすると、本件債権放棄の当時において、本件建物自体に資産価値がないことが最終的に明らかとはなっていなかったものということができ、そうすると、本件債権放棄の当時、本件債権の回収不能の事態が客観的に明らかであったということはできないから、本件債権放棄は貸倒損失には該当せず、したがって、本件債権に係る消費税額を貸倒れに係る税額として控除することはできない。(平18.11.27 関裁(法・諸)平18-32)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170044
- 裁決年月日
- 平成18年6月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 500603020
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/2貸倒れの場合の税額控除の不適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失について、売掛先の代理人弁護士からの通知書に基づき売掛金全額が回収不能と判断したものであるから、消費税法第39条第1項に該当し、平成15年11月課税期間の課税標準額に対する消費税額から貸倒損失に係る消費税額を控除できる旨主張する。しかしながら、破産債権については、破産手続の終結時の実態に応じて処理すべきところ、破産申立て自体は当該課税期間終了後に行われていることから当該課税期間において破産手続が終結したとは到底認められない。また、当該課税期間において、当該売掛先が資力を喪失したとする証拠もなく、請求人がその調査を行ったとする事実も認められず、また、当該売掛先に係る預り保証金の処分も行っておらず、さらには、請求人と当該売掛先に係る保証人との間での負担額の合意も当該課税期間終了後に成立したものと認められる。そうすると、当該売掛金は、当該課税期間において、その全額が回収不能となったとは認められず、当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から当該貸倒損失に係る消費税相当額を控除することはできない。(平18. 6. 9 広裁(法・諸)平17-44)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170111
- 裁決年月日
- 平成18年2月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603020
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/2貸倒れの場合の税額控除の不適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に対する本件和議債権に関して、A社の財務状況及び支払能力を評価したところ、A社は本件和議債権の全額を弁済できないと認められるから、このことは消費税法施行令第59条《貸倒れの範囲等》に規定する事実に該当し、消費税法第39条《貸倒れに係る消費税額の控除等》第1項の規定により、本件和議債権に係る消費税額を控除の対象とすることができる旨主張する。しかしながら、A社は、本件各課税期間をとおして、請求人に対し、○○自動車道の建設計画に伴い受領する予定の営業補償金を原資として、本件和議債権を弁済する旨を報告しており、現に、本件各課税期間後において、当該営業補償金を受領する旨の契約が成立していることからみれば、A社が本件和議債権の一切を弁済できない状況にあったと認めることはできない。以上のとおり、本件和議債権につき、A社の支払能力からみて、その全額が回収できないと認められる事実はないから、請求人の主張には理由がない。(平18.2.10東裁(諸)平17-111)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170030
- 裁決年月日
- 平成17年12月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 500603010
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/1貸倒れの認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、AないしDの4社に対する貸倒れ(以下「本件各貸倒れ」という。)に係る消費税を課税標準に対する消費税額から控除したのは、いずれも当該各社に対する商品の販売による課税資産の譲渡等の債権が、当該各社の倒産等により当該各債権の回収が困難であるためであり、本件各貸倒れに係る課税資産の譲渡等の各取引は真実である旨主張する。しかしながら、本件各貸倒れに係る取引は、①A社については、請求人から当該貸倒れに係る取引を証明する資料の提出がなく、請求人の帳簿書類に当該取引を課税売上げに計上した事実も認められず、A社は実質的に請求人が支配している関係会社と認められるところ、A社を利用し架空の当該取引を計上してA社に対する債権を発生させた、②BないしD社については、当該各社の帳簿書類等では当該各貸倒れに係る取引の事実は認められないこと及び請求人の帳簿書類に当該各取引に係る課税売上げが計上されたとは認められず、加えて、請求人から提出された当該各社の各貸倒れに係る取引の請求書等の資料は、いずれも内容虚偽のものであると認められることから、本件各貸倒れに係る取引は存在しないと認められる。そうすると、請求人は、本件各貸倒れに係る取引が存在しないにもかかわらず、当該各社に対する架空の債権を発生させ、請求人の帳簿書類に本件各貸倒れを仮装したものと認められるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。したがって、本件各貸倒れに係る消費税額を、請求人の課税標準に対する消費税額から控除できない。(平17.12.9名裁(法・諸)平17-30)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平160010
- 裁決年月日
- 平成17年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603020
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/2貸倒れの場合の税額控除の不適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件破産法人に消費税等の納税義務があるとしても、同じく破産した売上先に対し、少なくみても合計で3億円を超える売掛金の残高が破産宣告時にあり、課税期間の終了日時点においては貸倒れが確定していることから、貸倒れに係る消費税額の控除が認められるべきである旨主張する。ところで、消費税法第39条第1項は、貸倒れに係る消費税額の控除を計算するための規定であり、当該控除の計算を行うためには、当該領収ができないこととなった日の当該領収をすることができなくなった課税資産の譲渡等の税込価額を明らかにしておく必要があると解するのが相当である。これを本件についてみると、破産した売上先の状況から本件破産法人は債権の全額を領収できなくなったことがうかがえる。しかしながら、請求人は、破産した売上先に対する売掛金の正確な残高は会計資料の保存がないから不明である旨自認しているように、当審判所の調査によっても、課税資産の譲渡等の税込価額の全部を領収できないこととなった日の領収をすることができなくなった当該税込価額が明らかとはいえないので消費税法第39条第1項の規定を適用することはできない。したがって、請求人のこの点に関する主張には理由がない。(平17.5.16金裁(諸)平16-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150137
- 裁決年月日
- 平成15年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603020
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/2貸倒れの場合の税額控除の不適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒れの事実が生じたことを証する書類を保存していることから、貸倒れに係る消費税額の控除を認めるべき旨主張する。しかしながら、貸倒れに係る消費税額の控除の適用を受ける場合には、消費税法第39条第2項及び同法施行規則第19条の規定により、その貸倒れとなる事実が生じたことを証する書類を保存することを要件としており、帳簿等の保存とは、ただ単に帳簿等が事業者の支配下に存在するというだけでは足りず、適法な税務調査に際し、調査を担当する税務職員からその提示を求められた場合は、正当な事由がない限りこれに応じ、当該税務職員が帳簿等の閲覧、検査をなしうる状態に置くべきことを含むと解するのが相当であるところ、請求人は、調査担当職員が再三にわたり、課税標準に係る帳簿等の提示を求めたにもかかわらず、消費税の課税標準及び仕入税額控除の計算に必要な帳簿等を提示していないことが認められるので、このことは、請求人が消費税法第39条第2項に規定する保存しない場合に該当することから貸倒れに係る消費税額の控除の適用を受けることはできない。(平15.12.19東裁(諸)平15-137)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090003
- 裁決年月日
- 平成9年9月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 500603010
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/1貸倒れの認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売上先が倒産して破産の申立てを行う時点で売上先の収支が極めて悪化していることから、売上債権の全額が弁済を受けることができないとして、同時点の年分で本件売上債権に係る消費税額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件売上債権を放棄することなく、破産手続上その権利を行使し配当を受けるため破産債権として届出をしていることからすると、債権調査期日以降でなければ、破産債権が確定せず、破産者(売上先)である債権者の財産状況、支払能力等が確定し得ないのであるから、債権調査期日以降において同売上債権の全額が弁済を受けられるかどうかが明らかになるものと認めるのが相当であり、請求人の主張は採用できない。(平 9. 9.19名裁(所・諸)平 9-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080180
- 裁決年月日
- 平成9年4月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 500603010
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/1貸倒れの認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不渡りとなった約束手形を返還して不渡手形受取書を受領したことは、消規第18条第3号に規定する「書面による債権放棄の通知」以上に公証力があるので、同号に規定する「書面により債務の免除を行ったこと」に該当するから、貸倒れに係る消費税額の控除を行ったことは適法である旨主張するが、「書面により債務の免除を行ったこと」とは、その文言どおり、債務者に対し書面により債務を免除することを明らかにすることが要件と解されているところ、請求人が約束手形を返還した行為は、当該約束手形譲受の原因となった印刷代金債権を実現しようとする債権回収のためのひとつの手段を放棄したものにすぎず、印刷代金債権そのものを放棄したものではないと解するのが相当である。したがって、不渡手形受取書は単に当該約束手形10枚を受領した証明書であり、これをもって、債務者に対し印刷代金債権の免除の事実を明らかにした書面ということはできないから、請求人の主張を採用することはできない。(平 9. 4.22東裁(諸)平 8-180)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080180
- 裁決年月日
- 平成9年4月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 500603010
- 争点
- 6税額控除等/3貸倒れの場合の税額控除/1貸倒れの認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人がした債権放棄につき、貸倒れの事実がないにもかかわらず債権を放棄しA社に対し無償の経済的利益を与えたものであり、債権放棄額相当額の寄付を行ったものと認められるとし、貸倒れに係る消費税額の控除は認められない旨主張する。しかしながら、A社の平成4年9月期及び平成5年9月期の法人税の所得金額はいずれも多額の欠損金額であり、訴訟を提起して和解に至った経緯を考えれば、同社が債務超過の状態にあったのは明らかである。また、裁判上の和解条項は、当事者相互の争いを訴訟の対象物に限定せず、訴訟外の争いも含めてすべてを解決するための条項であると解するのが相当であり、事実上も、請求人はA社に対する債権を放棄していることが認められるから、裁判上の和解に基づく債権放棄は、消令第18条第2号ロに規定する貸倒れに該当すると解するのが相当であり、原処分庁の主張を採用することはできない。(平 9. 4.22東裁(諸)平 8-180)
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