裁決事例 昭和45年(1970年)
要旨
原処分は、故障を原因として低額で譲渡した機械装置を、直ちにスクラップ化した資産の譲渡とみて、帳簿価額と譲渡価額の差額を「資産損失」としている。しかし、譲渡した機械装置は、その後多額な修繕を要することもなく使用されていることから、スクラップ化しているものではなく、この原処分は相当ではない。
この場合において、その譲渡時の適正価額を評価した上、帳簿価額と当該適正価額との差額は「資産損失」、当該適正価額と譲渡価額との差額は「譲渡損失」とすべきである。
要旨
借入金によって新設法人の株式を取得し、当該法人の代表者となることによって、代表者が経営する個人事業の利益が増大することになったとしても、当該借入金は株式取得のためのものであり、その利子は当該個人事業経営上の必要経費として認めることはできない。
要旨
結婚式、結婚披露宴は、社会通念上私的行事であり、法人の取引先同業者等を招待した場合であっても、これらの費用を法人の交際費として損金とすることは相当でない。
要旨
売掛債権の貸倒処理に当たって、仮装隠ぺいがあったとする原処分庁の事実認定には誤りがあるので、青色申告承認の取消し処分は不相当である。
要旨
本件は、第三者の借入金について、担保として提供した土地を譲渡し、当該借入金の返済に充てたにもかかわらず、当該第三者が所在不明で無財産のため求債権を行使することができなかったものであるが、これは、保証債務を履行し求債権を行使できなかったものとして、その行使することができなかった金額を譲渡所得の金額の計算上なかったものとすることが相当である。
要旨
共同相続人の納付義務の承継割合は、民法に規定する相続分の割合によることとなっており、たとえ遺産分割の協議で特定の相続人のみに相続させることとしても、納付義務の承継割合には影響を及ぼさない。
要旨
不動産仲介業を営んでいた個人が、その事業を法人に組織替えした後において、個人事業当時に、棚卸資産として取得し、法人に引き継がれなかった土地を売却した場合には、その限りにおいて個人事業が継続しているとみるべきであり、その売却による所得は、固定資産の売却による譲渡所得とみるべきではない。
要旨
土地の譲渡価額は、不動産鑑定士の評価に基づいたものであるとしても、その根基が抽象的で具体性と合理性を欠いているときは、これを採用することができない。
要旨
業務遂行の傍ら、旅行期間の一部を観光に充てているが、旅行の経路日程及び旅行てん末書等から判断すると、海外渡航は業務上の旅行であり、当該渡航に要した航空運賃は全額損金とするのが相当である。
要旨
有価証券の売買は、継続的に行われているが、売買の実態を総合的に勘案すると、その所得は事業所得ではなく雑所得とすることが相当である。
要旨
譲渡した資産は、譲渡時において貸し付けられていたが、当該貸付けは、相当の対価を得て継続的に行われているものとは認められないので、当該資産は事業用資産とはならない。
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