裁決事例 昭和51年(1976年)

裁決事例 昭和51年(1976年)

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昭和51年11月16日裁決

スキー場用地の賃貸借契約に付随して支出された立木補償金は借地権の対価に該当するとした事例

裁決事例集 第13集 22頁

要旨

 スキー場用地の賃貸借契約に付随して支出された立木補償費は、当該立木の伐採が立木そのものに経済的商品的価値を認め、これを伐採、販売することを意図してなされたものではなく、スキー場の開設のためには、借地内にある立木が支障となるので、これを伐採除却し、そのあとを整地するためになされたものと認められるから、その費用は損金に算入すべきではなく借地権の取得価額とすることが相当である。

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昭和51年11月16日裁決

スキー場開設のために支出した村道改良費は繰延資産に該当するとした事例

裁決事例集 第13集 31頁

要旨

 請求人は、スキー場開設のため支出した村道改良費は開発費であると主張するが、本件村道は本来林道として開設された路線であり、その拡幅及び改良工事は、請求人がスキー客を誘致し、スキー場経営の成果をあげるためには、道路の構造を改良し、安全施設の設置等を行わなければならなかったものであり、その費用は自己が便益を受ける公共的施設の改良のために支出する費用に当たる。

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昭和51年11月16日裁決

新築貸家住宅等の割増償却について、5年を超える期間は認められないとした事例

裁決事例集 第13集 68頁

要旨

 租税特別措置法第47条第1項によれば新築貸家住宅の割増償却は、新築した家屋を貸家の用に供した日以後5年以内で、その用に供している期間に限りすることができるとされているから、貸家の用に供した日から5年(60か月)以内の期間についてのみ割増償却の計算を行うのが相当であり、1か月未満の端数を切り上げることにより、償却期間を5年1か月とする請求人の主張は失当である。

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昭和51年9月25日裁決

債権償却特別勘定の対象となる貸金等の額の算定に当たってはその債務者に対する支払手形の額を控除すべきであるとした事例

裁決事例集 第13集 32頁

要旨

 請求人は、債権償却特別勘定の対象となる貸金等の額を算定する場合において、同一人に対し貸付債権と支払手形があったとしても、これを相殺することはできないとして、貸金等の額から控除することとなる「実質的に貸金等とみられない金額」について、原処分庁が貸倒引当金の算定について定めた法人税基本通達11-2-4“実質的に債権とみられないもの”を準用して、貸金等の額から支払手形の額を控除して債権償却特別勘定の対象となる貸金等の額を算出したことは不当である旨主張する。
 しかしながら、既存の債務は、支払手形が当該債務の支払に代えて授受されたものでない限り、その手形債務が支払われるまでは手形債務と併存し、既存債務は、その債権者に対して有する債権となお相殺関係を失わないものと解され、また、債権償却特別勘定及び貸倒引当金はいずれも法律上存在する債権の貸倒れの見積額であり、両者はその本質を異にするものではないから、これらについての法人税基本通達の定めを区別して解する理由はない。したがって、債権償却特別勘定の対象となる貸金等の額を算定する場合において、当該債務者に対して有する貸金等の額から控除すべき「実質的に貸金等とみられない金額」には、当該債務者に対する支払手形の額を含むものと解するのが相当であり、請求人の主張は失当である。

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昭和51年9月13日裁決

空家の期間が1年を超える居住用家屋の譲渡について租税特別措置法第35条の規定を適用できないとした事例

裁決事例集 第13集 63頁

要旨

 租税特別措置法(昭和50年法律第16号による改正前のもの)第35条による特別控除の対象となる家屋は、譲渡時において実際に居住の用に供しているものに限るべきところ、譲渡時において当該家屋を空家にした場合においても、執行上は、他の用途に供することなく空家とした日から1年以内に譲渡したものに限り、従前の居住用の用途が継続しているものとして、同条の適用を認めることとしている。執行上、空家の期間を1年と定めているのは、同じく同条に規定されている災害により滅失した居住用家屋の敷地の譲渡における1年の期間制限と比較考量しているためと認められる。すなわち、災害という最悪の事態の場合においても、災害のあった日から1年以内に譲渡されたものに限り、同条の特別控除を認めているのであるから、災害以外の事由による場合に1年を超える期間延長をすることは不相当と認めたためと解され、空家とした期間が1年を超えている本件の場合においては、たとえ空家となった後貸家等の用に供しなかったとしても同条の特別控除の適用は認められない。

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昭和51年7月7日裁決

借地権を消滅させ更地として譲渡した土地の概算取得費は総収入金額から借地権相当部分の収入金額を控除して計算すべきであるとした事例

裁決事例集 第12集 61頁

要旨

 請求人が、昭和22年から土地を賃貸していた借地人に対して立退料名義の金員を支払って借地権を消滅させ直ちに更地として他に譲渡したため、底地の譲渡による所得は長期譲渡所得、借地権相当部分の譲渡による所得は短期譲渡所得に該当することとなった場合における長期譲渡所得の概算取得費については、譲渡収入金額から借地権相当部分の収入金額を控除した長期譲渡所得に係る底地部分の収入金額に100分の5を乗じて計算するのが相当である。

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昭和51年6月30日裁決

会社の休業中における土地譲渡収入を代表者個人名義預金に入金したことが事実の隠ぺいに当たらないとした事例

裁決事例集 第12集 5頁

要旨

 休業中の請求人が土地譲渡収入を代表者の個人名義預金に入金していたが、原処分庁からの照会に対して請求人名義で譲渡先、譲渡金額等を記入した回答書を提出していることは、譲渡代金が請求人に帰属していることを実質的に回答したものであり、係官の調査に対しても譲渡代金の預金先を回答している。また、確定申告書を法定申告期限までに提出しなかったことについても、請求人が休業後相当の期間を経過していてその間帳簿等の整理も十分でなかった等のためであることが認められるので、土地等を譲渡した事実を隠ぺいして確定申告書を提出しなかったとして重加算税を賦課決定したことは相当でない。

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昭和51年6月15日裁決

帳簿書類の一部のみを提示し、事後一切提示の求めに応じない者について青色申告の承認を取り消した事例

裁決事例集 第12集 13頁

要旨

 原処分庁が、青色申告者である請求人の昭和47年所得税について調査する必要があると認められたので調査を行ったところ、請求人は第1回の調査に際して金銭出納帳1冊を提示したが、その後の7回に及ぶ調査に際しては、原処分庁職員の帳簿書類の提示の求めに応ぜず、帳簿書類を提示しないことについては正当な理由が認められない。したがって、その提示しない時において請求人には帳簿書類の備付け、記録又は保存がないといえるから、その事実は所得税法第150条第1項第1号に掲げる青色申告の承認の取消し事由に該当するものである。

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昭和51年6月9日裁決

売買価額が国庫補助金相当額を圧縮記帳した簿価相当額であっても低額譲受けに当たらないとした事例

裁決事例集 第12集 21頁

要旨

 中古建物の売買取引においては、公正な市場価額の認定が困難であるところから、減価償却後の簿価による方法も慣行として一般的に肯定されているが、中古建物の譲受けが国庫補助金相当額を圧縮記帳後の取得価額を基礎として減価償却した後の帳簿価額によってなされた場合においても、当該価額が実際取得価額(圧縮記帳前の価額)を基礎として減価償却の計算をしたところによる原処分庁の認定額及び鑑定価額と比し著しい開差がないこと並びに請求人が資産を取得した経緯等を併せ考慮すると、当該譲受価額は取得した時の時価として不相当であるということはできない。

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昭和51年5月26日裁決

在外支店を経由して取り入れたユーロダラーに付すべき支払利息の利率は在外支店が借入依頼を承諾した日のロイターレートによるとした事例

裁決事例集 第12集 29頁

要旨

 金銭消費貸借に係る利率の約定は、一般的に契約の際当事者間において取り決められるところである。請求人がロンドン支店にユーロダラー資金調達による借入れを依頼するとき希望利率を申し入れ、ロンドン支店が当該借入依頼を承諾したときには貸付利率を示しており、当事者間の約定は、ロンドン支店が承諾した日に成立したものと認めるのが相当であるから、国内源泉所得に係る売上原価とすべき当該借入資金に係る支払利息は、支店間の約定が成立した日のロイターレートによることが相当である。

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昭和51年5月12日裁決

建築資金について贈与の事実がないとした事例

裁決事例集 第12集 35頁

要旨

 新築された居宅について、建築確認申請書及び固定資産課税台帳の名義は被相続人と請求人との連名となっているが、本件居宅の建築に際しては、被相続人から直接建築業者に対して注文がなされ、建築業者が被相続人の確認を受けた上で設計及び費用が決定されたこと、建築確認申請を請求人と連名でしたのは被相続人が老齢であったためであること、建築費用の支払に対する領収書のあて名はすべて被相続人名義となっていること等が認められることから、被相続人から請求人に資金贈与がなされ、かつ、被相続人と請求人とが共同で建築した事実を認めるに足る証拠はない。また、請求人は相続税の申告に当たり、本件居宅のすべてを被相続人の相続財産としていることからも、被相続人と共同建築したとの認識はなかったものと認められ、被相続人が単独で建築したとみるのが相当である。

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昭和51年4月30日裁決

中間省略登記の合意があっても、中間取得者に代位して原処分庁がした移転登記及び差押登記は適法であるとした事例

裁決事例集 第12集 47頁

要旨

 滞納者である請求人は本件田地等をAから取得し、それをBに譲渡したが、農地売買契約公正証書によれば、AはBの請求により仮登記に応ずる旨が規定されており、請求人とA、Bとの間に中間省略登記の合意が成立していることがうかがわれるが、中間省略登記の合意が成立している場合の中間者の登記請求権及び中間者の債権者による代位登記については、中間者は当然に登記請求権を失わず、中間者の債権者による代位登記は許されると解されているから、債権者たる原処分庁が請求人に代位してAから所有権移転登記承諾書の交付を受けて、停止条件付所有権移転仮登記を法務局出張所に嘱託の上、それについて差押処分を行ったことは適法である。

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昭和51年4月26日裁決

譲渡制限の存する信用組合の組合員の持分に対する差押えを適法とした事例

裁決事例集 第12集 51頁

要旨

 請求人である信用組合は、中小企業等協同組合法に基づくものであって、その組合員の持分の譲渡出資口数の減少については、組合の承諾を要する旨、その定款に規定されている。しかし、その持分は金銭的価値を有する財産権であり、その投下資本の回収ができることが認められたものであり、持分の譲渡について組合の承諾が必要であるとした趣旨は、本来譲渡性を有する持分の性格と人的結合体としての組合の閉鎖性との調和を図ったにすぎないものであって、持分の譲渡性を完全に否定したものとは解されない。
 したがって、滞納者が請求人に対して有する持分は国税徴収法第73条の「合名会社の社員の持分その他第三債務者等がある財産」に該当するので、本件持分に対する差押えは適法である。

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昭和51年4月22日裁決

競落代金納付前の競落土地の権利(いわゆる競落権)の譲渡は租税特別措置法(昭和55年法律第9号による改正前のもの)第63条の土地譲渡に該当するとした事例

裁決事例集 第12集 67頁

要旨

 競売によって土地を競落した後、競落代金を裁判所に支払う前に、いわゆる競落権を第三者に譲渡した場合においても、譲渡契約の目的物は競落土地の所有権であることが当事者間において認識され、売買代金は、当該土地の時価によっていることなどの事実からみれば、当該権利は独立した取引の対象としての財産的価値を有し、その譲渡は実質上土地の売買と変わりないものと認められるから、土地譲渡益重課の対象となる。

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昭和51年4月15日裁決

売買契約をした農地の移転許可前に買主に相続が開始した場合、相続財産は農地ではなく前渡金であるとした事例

裁決事例集 第12集 41頁

要旨

 請求人が被相続人から相続により取得したと主張する農地については、昭和47年6月20日付の売買契約がなされ、同年8月31日までに代金の全額が支払われている事実が認められるが、農地法上の権利移転についての許可は相続開始の日である昭和47年9月4日より後の昭和48年6月11日付でなされているから、相続開始の日において被相続人が当該農地の所有権を取得していないことは明らかである。
 この場合において、被相続人は既に支払済みの本件農地の代金の額及び仲介手数料の額に相当する債権を有していたことになるから、相続財産は農地ではなくて本件農地に係る前渡金であるとするのが相当である。

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昭和51年3月31日裁決

不動産販売会社に勤務する者がその販売契約高に比例して支給される金員は事業所得ではなく給与所得であるとした事例

裁決事例集 第11集 9頁

要旨

 不動産会社に勤務する請求人が、同社所有の不動産を顧客に販売した場合に、その契約高に比例して支給される金員は、請求人が自ら独立の事業として同社に提供した役務の対価とは認められず、請求人が同社に雇用されている営業社員として、会社の就業規則に基づく給与規定による能率給として支給されるものであるから、給与所得の収入金額とするのが相当である。

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昭和51年3月27日裁決

欠損会社である被合併法人が有していた航路権は営業権に該当すると認定した事例

裁決事例集 第11集 29頁

要旨

 海上運送法による事業免許は一定の免許基準により運輸大臣がその免許の可否を決定することとなっており、厳格な規制に基づき事業を営む権利が取得されるものである。したがって、免許を受けた一定の航路において一般旅客定期航路事業を営むという航路権は、固有の経済的価値を有するものということができ、たとえ被合併会社が欠損会社であってもこの航路権を取得するために要した費用は営業権の対価として取り扱うのが相当である。

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昭和51年3月23日裁決

土地の売却益の計上すべき時期はその代金を受領し権利証等の書類を引き渡した日の属する事業年度であるとした事例

裁決事例集 第11集 23頁

要旨

 土地の売買契約において、土地の引渡しの日とは、登記手続を完了すると同時に最終代金を支払った日であるとしている場合が多い。
 請求人は、土地代金のうち最終的な金額を受領し、登記に必要な権利証等の書類を引き渡した日の属する事業年度に土地の売却益を計上しているのであるからこれを不相当とする理由はない。

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昭和51年2月28日裁決

合併法人の欠損金を被合併法人の所得に対する法人税額に繰り戻して還付することはできないとした事例

裁決事例集 第11集 34頁

要旨

 被合併法人時代の所得の計算は、合併の日をもって打ち切ることを建前としており、最終事業年度の末日である合併の日にすべて遮断されるのであるから、合併法人の欠損金額の繰戻し還付の請求が合併前の被合併法人の所得金額に及ぶと解することはできない。

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昭和51年1月31日裁決

未成年者にあてた通知書の送達は適法であるとした事例

裁決事例集 第11集 1頁

要旨

 相続税に係る重加算税賦課決定通知書が、受領能力のない相続人たる未成年者にあてて送達されたとしても、国税通則法が通知書を納税者に送達するとした目的は、納税者に処分の内容を知らしめ、不服申立ての機会を与えることにあるから、その法定代理人である親権者が未成年者と同居して通知書を受領し、内容を了知し得る状態におかれていれば、その送達は有効である。

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昭和51年1月19日裁決

相続税法第32条第3号の「減殺の請求があったことを知った日」とは減殺の請求が調停、判決等で解決した場合にはその解決した日とした事例

裁決事例集 第11集 67頁

要旨

 相続税法第32条第3号に掲げる「遺留分による減殺の請求があったこと」について、遺留分権利者が受贈者に対し減殺の請求を行えば足りると解すると受贈者が直ちにその請求に応じた場合はともかく、相手方がその請求に応じない場合には、その争いのため更正の請求の期間の制限を超えることによって、同号の適用の余地がなくなる場合が生ずることとなる。
 同法第32条は一たび確定した課税価格等が新たに生じた事由に基づき過大となった者に更正の余地を与えようとする特別規定であることから、減殺の請求が調停、判決等によって解決した場合にはその調停等の時を受贈者が更正の請求ができる期間の始期と解するのが相当である。

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