裁決事例 裁決事例集 第23集
要旨
請求人は、土地重課は国の土地政策の一環として設けられたもので、破産債権者にとって共益的な支出に当たらないから財団債権に当たらないと主張するが、破産法第47条第2号に規定する「破産財団に関して生じたる」租税債権とは、破産財団を構成する各個の財産のそれぞれからの収益そのものに対して課せられる租税と解されるところ、本件土地重課は、破産財団を構成していた土地の譲渡収益に対して課税されるものであるから、土地重課により生じた本件租税債権は、まさに「破産財団に関して生じたる」財団債権に該当する。
要旨
請求人は過去4年間、山林の伐採又は譲渡による山林所得の申告をしておらず、過去における土地の譲渡に山林の譲渡が含まれていたとしても、その価格は格別取り上げる必要がない程度のものであると認められること及び本件譲渡直前において請求人が所有していた土地の面積は事業たる林業を経営している程度のものとは認められないことなどから請求人は林業を営んでいたとは認められないから、本件山林素地の譲渡は、租税特別措置法(昭和55年法律第9号による改正前のもの)第37条に規定する事業用資産の譲渡とは認められない。
要旨
原処分庁は、本件山林との交換により取得した本件換地につき当該交換を原因とする所有権移転登記が昭和47年6月になされていることから、その取得時期は昭和47年6月であると認定しているが、本件交換契約の実体をみると、当該交換はK電鉄の一団の土地の造成事業遂行上必要最小限の範囲でやむなくなされたものであって、請求人が交換取得した本件換地は実質上請求人がかねて所有していた本件山林の一部と同一であると解して差し支えないものであるから、本件交換契約による譲渡はなかったものとして扱い、請求人が本件宅地を取得した時期は従前の土地である本件山林を取得した昭和39年5月であるとするのが相当であり、租税特別措置法(昭和57年法律第8号による改正前のもの)第28条の4第1項の規定の適用はないと解するのが相当である。
要旨
更生会社が会社更生法第177条の規定に基づき義務的に財産の評価換えをしたことにより生じた評価益は、未実現利益であるから当該財産が現実に売却されるまでは益金の額に算入すべきではないと請求人は主張するが、かかる評価についてどの程度を課税の対象外とするのかは立法政策上の問題であり、現行法の適用に関する問題としては、当該評価換えによる益金のうち同法第269条第3項の規定により繰り越された欠損金相当額を越える部分については、当事業年度の益金の額に算入することは適法とされているので、請求人の主張は採用することができない。
要旨
原処分庁は、甲土地及び乙土地のそれぞれの譲渡代金の比によって保証債務が履行されたと主張するが、乙土地とともに甲土地を一つの契約により同一人に対して一括譲渡したのは、譲受人の都合により、乙土地のみでは売却できなかったという特殊事情によるものであること、また、主たる債務者に係る和議条件によれば、乙土地の譲渡代金で本件保証債務を弁済するものとされていることから、本件保証債務は、乙土地の譲渡代金より履行されたものとみるのが相当である。
要旨
被相続人の死亡により本件会社(有限会社)が生命保険金を取得し、その生命保険金を原資として、被相続人に対する死亡退職手当金が支払われた場合において、仮決算を行わず、直前期末の資産及び負債を対象として純資産価額方式により本件会社の出資の価額を評価するに当たり、本件会社の負債に含まれる未納法人税額等の計算については、[1]相続税法の規定により当該退職金がみなす相続財産として課税の対象とされること、[2]課税時期において退職手当金の支給が未確定としても、将来支給の確定した日の属する事業年度には法人税法上当該退職金を損金として計算されることから、生命保険金から支払われた退職手当金を控除して算定するのが合理的であり、原処分は相当である。
要旨
既納の技能教習料のうち、未教習部分に係る金額は、受講者に返還請求権があること及び入所後6か月を経過した受講者も未教習部分に対し受講する権利があることなどから、入所後6か月を経過した時点で既納の技能教習料のすべてを実現した収益とするのは相当でない。
また、既納の学科教習料のうち、未教習部分に係る金額については、いったん納入されると受講者に返還請求権がないこと及び請求人は受講者に対し道路交通法規則に従い入所後6か月以内に学科教習をする義務があり、受講者が6か月以内に終了できる時間割表によって学科教習を実施していることなどからみれば、入所後6か月を経過した受講者の未教習に係るものは実現した収益とし、入所後6か月以内の受講者の未教習に係るものは、未実現の収益とするのが合理的である。
要旨
請求人が滞納者から不動産の売買契約の不履行により、保証金を没収したことが国税徴収法第39条に規定する無償譲渡に該当するかどうかは、保証金と対価的関係に立つ請求人の給付の存否を確定することによって判定すべきであるところ、請求人は本件不動産の保全に要した資金に係る金利その他諸費用一切の負担をすることになっていて、これらの負担と対価的関係に立つ金員として保証金を取得したこと、かつ、没収されるべき保証金の額が当該給付の内容等に照らして不相当に高額でないことが認められるから、当該没収は無償譲渡に当たらず、したがって、原処分庁が同条の規定に基づいてなした第二次納税義務の告知処分は相当でない。
要旨
請求人を共有名義人の一人とするマンションの譲渡所得につき請求人に帰属する金額はないと請求人は主張するが、[1]本件購入資金のうち、その5分の3に相当する金額が請求人を名義人とする住宅ローンによって調達され、当該住宅ローンの返済金を請求人が負担していると推認されること、[2]請求人が本件マンションの譲渡代金の約63パーセント相当額を他に購入したマンションの購入資金の一部に充てていることを併せ考えると、本件マンションの5分の3に相当する持分は同人の所有に帰すべきものと認めるのが相当であり、本件マンションの譲渡による所得の帰属につき請求人の共有持分を5分の3とした原処分は適法である。
要旨
本件家屋の居住用部分と非居住用部分との区分割合につき、原処分庁は、居住用部分は3分の1にすぎないと認定したが、本件家屋の使用状況からみると、非居住用部分と認められるのは物置、土間の一部だけで、居住用部分の占める割合は82.2パーセントと認められるから、この割合により居住用部分に係る譲渡所得の金額を算出し、これにつき租税特別措置法(昭和53年法律第11号による改正前のもの)第35条に規定する居住用財産の譲渡所得の特別控除を認めるのが相当である。
要旨
貸付金から生ずる利息は、その利息の計算期間の経過に応じて益金の額に算入するのが原則であるが、債務者が債務超過に陥っていることその他の相当の理由により、その支払を督促したにもかかわらず、相当期間未収が継続し、現実に利息を回収することが極めて困難であり、未収利息を益金の額に算入することが著しく実情に即さないと認められる場合には、実際に利息を回収するまで益金の額に算入しないことも、公正妥当な会計処理の基準に従っているものと解すべきであるところ、請求人が利息を免除した請求人と株主を同じくする関連会社は、業績が逐年悪化し、相当期間債務超過の状態が継続しており、同社から、現実に利息を回収することは極めて困難な状態にあったものと認められる。
したがって、本件利息を請求人の益金の額に算入すべきものと認定し、当該金額を免除したことは、相手方会社に対する経済的利益の無償供与に当たるから法人税法上寄付金に該当するとした更正は相当でない。
要旨
還付を求める確定申告書について誤りがある場合には、法定申告期限内に納税者が訂正できるよう措置を講じ、適切な指導をすべきであるのに原処分庁はこれを怠ったとの主張について、申告納税制度の下における所得税の確定申告は、本来、納税者自身の判断と責任においてなされるべきであり、当初の確定申告に誤りがあったとしても、それは納税者自身の責任であり、これについて原処分庁が法定申告期限内にその誤りにつき請求人に適切な指導をしなかったからといって、過少申告したことにつき国税通則法第65条第2項に規定する正当な理由があるとは認められない。
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