裁決事例 裁決事例集 第80集
要旨
請求人は、申告に先立ち申告相談をした際に、当初、原処分庁所属の職員が税金はかからないと言ったのに、申告時には税金がかかることになった事情及び滞納国税の分割納付を約10年間継続して行い、その間、差押えの話もないまま一方的に差押えが行われた事情をもって、本件差押処分は信義則に反して違法又は不当である旨主張する。
しかしながら、本件差押処分は、国税徴収法第47条《差押の要件》に基づき適法に行われており、また、原処分庁が請求人に対して差押処分をしないことを公的見解として表示したなど、租税法規の適用における納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお本件差押処分を取り消して請求人の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情は認められない。
更に、請求人は分割納付を継続してはいるものの、納付計画に従ったものではなく、その納付状況や滞納国税の額に照らせば、滞納国税の完納までに相当期間が必要であり、本件差押処分の直後に自主納付により滞納国税が完納される可能性は著しく低かったといわざるを得ないから、請求人の財産を保全する必要性があったということができ、そうすると、本件差押処分の実施時期の判断については差押処分の趣旨及び目的に沿った合理的なものということができる。
また、納税者の財産保全が差押処分の目的であり、差押えについて予告することはその目的の達成を不可能にするおそれがある行為であるから、事前に差押えの話をしないことは、このような差押処分の目的に反するものではなく、差押処分を不当とする理由にはなり得ない。
参照条文等
請負代金のうちに法人税法上寄附金の額に含まれるとされる金額があるとしても、当事者間で取り決めた実際の取引額として受領した金額であれば、消費税法上は課税資産の譲渡等の対価の額に含まれるとした事例
裁決事例集 第80集
要旨
請求人は、関係法人C社から受領した賃貸用マンション(本件建物)の新築工事に係る請負代金(本件請負代金)のうち、C社に対する税務調査により通常の取引価額を超え実質的に贈与したと認められるため法人税法上請求人に対する寄附金とされた部分の金額(本件寄附金)は、請求人においても対価性がないことになるから、消費税法上、資産の譲渡等の対価の額に該当せず消費税の課税対象外となる旨主張する。
しかしながら、消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額は、その取引額が時価であるか否かにかかわらず、その譲渡に係る当事者間で取り決めた実際の取引額であると解されるところ、本件請負代金は、請求人とC社との間で有効に成立した請負契約に基づき、請求人が本件建物を完成させ引渡しをし、それに対してC社が対価として支払ったものであるから、本件請負代金のうち本件寄附金に相当する金額は、法人税法上は寄附金の額に含まれるとしても、消費税法上は課税資産の譲渡等の対価の額に含まれると認められ、消費税等の課税対象になる。
参照条文等
共同して提出する申告書に署名した者又は記名された者に押印がない場合においては、その申告書がその提出時点において、署名した者又は記名された者の申告の意思に基づいて提出されたものと認められるか否かによって、押印のない者の申告の効力を判断すべきであるとした事例
裁決事例集 第80集
要旨
請求人は、請求人が法定申告期限までに申告の意思を有していたことを前提として、他の共同相続人が請求人の氏名を記名して提出した相続税の申告書(本件第1申告書)は、請求人の押印はされていないが、請求人の納税申告書としての形式的な記載要件を満たしているのであるから、請求人の申告の意思に基づく有効な申告書である旨主張する。
しかしながら、本件第1申告書が請求人の申告書であるといい得るためには、単に請求人が申告の意思を有していたのみでは足りず、本件第1申告書が申告の意思に基づいて提出されたものであるか否かの観点から判断すべきところ、本件第1申告書を作成した税理士は、他の共同相続人の依頼に基づきこれを作成し提出したものであり、その作成に関し請求人から依頼されていないこと及び請求人が、法定申告期限内に相続税の申告ができなかった理由を記載した書面を原処分庁に提出していることなどからすれば、本件第1申告書は請求人の意思に基づいて提出されたものとはいえない。
参照条文等
請求人が売買の目的とした養鶏機器の据付工事を行う旨の記載のない見積書等と一体となった売買契約書は、印紙税法上の「請負に関する契約書」には該当せず、他方、据付工事を行う旨の記載のある見積書等と一体となった売買契約書は、印紙税法上の「請負に関する契約書」に該当するとした事例
裁決事例集 第80集
要旨
請求人は、養鶏用の機器を据付販売する際の契約書として、当該機器の販売に係る売買契約書及び組立据付工事に係る工事請負契約書の2通を作成したところ、当該機器の販売に係る売買契約書については、あらかじめ一定の規格で統一された養鶏機器を供給するために作成された契約書であり、発注者の指示した規格等に従い養鶏設備を製作することを請け負うために作成された契約書ではないので、印紙税法上の「請負に関する契約書」に当たらない旨主張する。
しかしながら、上記売買契約書には売買契約々款及び契約見積書が袋とじにされ契印が押されていることから、当該売買契約書が課税文書に該当するか否かの判断は、これらを一の文書として、それぞれの文書に記載されている事項に基づき総合的に行い、請負に関する契約書と物品の譲渡に関する契約書との判別が明確にできないものについては、契約当事者の意思が仕事の完成に重きをおいているか、物品の譲渡に重きをおいているかによって、そのいずれであるかを判別しなければならないところ、請求人が養鶏機器の据付工事を行う旨の記載のない契約見積書が添付された売買契約書は、印紙税法上の「請負に関する契約書」とはならず課税文書には該当しないものの、請求人が養鶏機器の据付工事を行う旨の記載のある契約見積書が添付された売買契約書は、請求人が養鶏機器の売買とともに組立据付工事を請け負うことに合意して作成された契約書であると解され、契約当事者の意思が仕事の完成に重きを置いていると認められることから、印紙税法上の「請負に関する契約書」に該当する。
参照条文等
印紙税法第2条、第20条 印紙税法別表第一「課税物件表」第2号「請負に関する契約書」 印紙税法基本通達第3条、第5条 印紙税法基本通達別表第1「課税物件、課税標準及び税率の取扱い」第2号文書「請負に関する契約書」の1、2
請求人が損金の額に算入した使用人に対する未払の決算賞与は、労働協約又は就業規則で定められた支給予定日が到来しているとは認められず、事業年度終了の日の翌日から1月以内に支払われていないことから、実際に支払った日の属する事業年度において損金の額に算入すべきであるとした事例
裁決事例集 第80集
要旨
請求人は、本件各事業年度において計上した使用人に対する決算賞与(本件各決算賞与)については、利益調整でないことが明らかであり、本件各事業年度末日における税引前利益から自動的に算出され債務が確定するから、本件各事業年度において損金の額に算入すべきである旨主張する。
しかしながら、平成22年改正前の法人税法施行令第72条の5《使用人賞与の損金算入時期》(本件施行令)は、使用人賞与の実情や支給実態にかんがみ、使用人賞与の損金算入時期を具体的に定めるとともに、これを使用人賞与一般についての統一的な基準として規定することにより課税の明確性及び統一性を図ったものであり、使用人賞与の損金算入に関し、法人税法第22条第3項第1号及び第2号について、その施行のために必要な技術的、細目的事項を定めたものと解されるから、使用人賞与については、本件施行令の規定に従って損金算入時期を判断することになるところ、本件各決算賞与は、労働協約又は就業規則で定められた支給予定日が到来しているとは認められず、また、本件各事業年度終了の日の翌日から1月以内に使用人へ支払われていないことから、本件施行令の第3号に規定する賞与として、実際に支払われた日の属する事業年度において損金の額に算入されることとなる。
参照条文等
法人税法施行令第72条の5(平成22年政令第51号による改正前のもの)、第134条の2(平成18年政令第125号による改正前のもの)
要旨
請求人は、自ら営む事業は、時間的観点からいえば、セキュリティ工事のうち配線工事が主であり、また、施工に必要とされるコードケーブル等の資材は自ら全部調達して配線工事を行っているから、第四種事業には該当しない旨主張する。
しかしながら、当該事業は、発注者からセキュリティ機器の提供を受け、当該機器の設置、配線、調整等を行い、セキュリティシステムを正常に稼動させるまでの工事を行うものであり、また、当該事業は、電気工事士2種以上、電話工事担任者及び消防設備士甲4類の各資格保持者の技術を提供するものであること、かつ、請求人が受領する工事代金が配線工事、機器設置工事、機器調整等の作業に対する対価であると認められることからすれば、請求人が受領する工事代金は、人的役務の提供に対する対価であると認めるのが相当である。したがって、当該事業は、他の者の原材料等に加工等を施して、当該加工等の対価を受領する役務の提供又はこれに類する役務の提供に当たり、消費税法施行令第57条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》第5項第3号かっこ書の「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業」に該当する事業というべきであるから、同項第5号に規定する第四種事業に該当するものと認められる。
参照条文等
請求人は、確定申告に係る一連の手続について兄に包括的に委任していたというべきであり、その委任の効力は、その後の修正申告にも及ぶと解すべきであるから、当該確定申告及び当該修正申告は有効と認められるとした事例
裁決事例集 第80集
要旨
納税申告は、原則として納税義務者本人が申告書を提出して行うこととされているから、納税義務者以外の者が、本人の承諾なく勝手に納税義務者の申告書を作成し、提出した場合には、その納税申告は無効であると解される。もっとも、納税義務者以外の者が申告書を作成し提出した場合であっても、その者が、納税義務者から明示又は黙示に当該申告行為をする権限を与えられている場合は、その納税申告は有効であると解される。
請求人は、あらかじめ兄が用意し所得金額等が記載された本件確定申告書に自ら署名しており、本件確定申告書には、署名欄のすぐ上に、大きく「平成9年分の所得税の確定申告書」と印刷されていること、請求人が当時20歳で、意思能力等に問題があったことを窺わせる証拠がなく、請求人は、調査担当職員に、本件確定申告書は、自身で住所と名前を記載し提出した旨を説明していること、還付金の振込先として説明した口座が、還付金が振り込まれた口座と一致していることに照らすと、請求人は、自己が署名した書類が、所得税の確定申告書であることを認識していたものと認められ、また、本件確定申告書には、還付金の受取場所(振込先)として、請求人名義の口座が記載されていたと推認することができ、請求人は、その記載も認識していたと認めることができる。そして、請求人は、これら本件確定申告書の記載内容及びこれを提出することについて、何ら異議を述べていないことなどに照らすと、請求人は、本件確定申告に係る一連の手続について、兄に包括的に委任していたというべきであり、上記委任の効力は、その後の、本件確定申告の内容を是正する手続である本件修正申告にも及ぶと解すべきである。そうすると、請求人の兄が、本件確定申告書を提出し、また、本件修正申告書に請求人の氏名等を記載して提出したとしても、本件確定申告及び本件修正申告はいずれも有効というべきである。
参照条文等
国税通則法第17条第1項 民法第99条
国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分の効力発生時期につき、請求人が父から贈与された農地については所有権移転に係る農地法上の許可を受けていないことから、その他の不動産等については贈与された時若しくは請求人がその不動産等に係る第三者対抗要件を具備した時のいずれに解しても、同条の「国税の法定納期限の1年前の日以後に無償譲渡等の処分が行われたこと」という要件が充足されていないとした事例
裁決事例集 第80集
要旨
本件告知処分が適法であるとするためには、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受等の第二次納税義務》の無償譲渡等の処分の効力が、本来の納税者である請求人の父が納付すべき国税(本件国税)の法定納期限の1年前の日以後に発生していることが要件となるが、父から請求人へ贈与された不動産等(本件贈与不動産等)のうち農地法上の農地については、所有権を移転する場合には、農地法第3条《農地又は採草放牧地の権利移動の制限》又は第5条《農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限》の規定により、農業委員会又は都道府県知事の許可を受けなければならず、この許可は農地の所有権移転についての効力発生要件と解されているところ、これらの不動産については、農地法が定める所有権移転のための許可を得ていないのであるから、本件告知処分時においてこれらの不動産について無償譲渡等の処分の効力が発生したということはできない。
また、その他の不動産等についてみると、請求人が父から不動産等を贈与されたのは、本件国税の法定納期限の1年前の日よりも前であること、更に、不動産のように、第三者に対する対抗要件として登記を要するものについては、第三者対抗要件を具備したときに無償譲渡等の処分の効力が発生すると解したとしても、本件国税の法定納期限の1年前の日から本件告知処分時までの間において、請求人は、本件贈与不動産等につき第三者対抗要件を具備していないから、「国税の法定納期限の1年前の日以後に無償譲渡等の処分が行われたこと」という国税徴収法第39条の適用要件を欠くこととなる。
なお、原処分庁は、無償譲渡等の処分の効力の発生時期に関し、本件贈与不動産等につき、贈与を原因とする請求人への所有権移転登記手続を命ずる判決の確定によって、請求人は当該不動産についての所有権移転登記手続をなし得る権利を取得したのであり、同判決の確定がなければ請求人は第三者対抗要件を具備することはできないのであるから、本件においては同判決の確定をもって国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分の効力が発生したと解するのが相当である旨主張するが、同判決の確定によってはじめて贈与による所有権移転の効果が生じるものではなく、同判決を債務名義として請求人が単独で所有権移転登記手続をなし得るとしても、同判決の確定によって請求人が第三者対抗要件を具備したことにならないことは明らかであるから、原処分庁の主張には理由がない。
参照条文等
遺産分割の一部が財産評価基本通達7-2(1)注書に定める不合理分割に当たる場合には、その不合理分割に当たる部分のみ分割前の画地により評価単位を判定し、それ以外の部分は分割後の画地により評価単位を判定するのが相当であるとした事例
裁決事例集 第80集
要旨
請求人らは、相続開始前までは被相続人が一団の農地として利用していた本件各土地について、本件各土地の一部の遺産分割は財産評価基本通達7-2《評価単位》(1)注書に定める不合理分割に該当するから、同定めのとおり、分割前の利用の単位である本件各土地の全体を1つの評価単位として評価すべきである旨主張する。
しかしながら、財産評価基本通達7-2(1)注書の趣旨は、不合理分割された土地をそのまま評価した場合、実態に即した評価がなされないため、課税の公平に資する目的で評価単位を是正することにあると解されることからすると、遺産分割の一部が不合理分割である場合には、不合理分割に当たる部分についてのみ是正すれば足りるから、その部分のみ分割前の画地により評価単位を判定し、その余の部分については、分割後の画地により評価単位を判定するのが相当である。
参照条文等
適格退職年金制度の終了に伴い信託銀行が供託した年金基金の分配金として支払われる一時金に係る収入すべき時期は、当該制度の終了に関する裁判上の和解が成立した日ではなく、年金信託契約が解除された日であるとした事例
裁決事例集 第80集
要旨
請求人は、本件における年金受給権は、退職時点におけるH社との個別的な合意に基づいて発生したものであるが、H社が行った適格退職年金制度の終了及びこれに伴う措置は、H社と請求人との間の給付内容の変更であるから、請求人の同意がない限りその効力は発生しないところ、本件においては、請求人が平成19年3月○日に本件和解をした時点で初めて請求人が上記変更に同意をしたものと評価できるから、請求人に分配される一時金の受給権は平成19年に発生したものである旨主張する。
しかしながら、当該一時金は、適格退職年金制度の終了に伴って年金信託契約が解除されたことにより、当該年金信託契約に係る年金基金がH社における退職年金規定の定めに従って請求人に分配されたものであるところ、当該年金信託契約は、所得税法施行令第183条《生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得の金額の計算上控除する保険料等》第3項第3号に規定する「退職年金に関する信託、生命保険又は生命共済の契約」に該当することから、当該一時金は、同条第2項に規定する生命保険契約等に基づく一時金に該当する。
したがって、当該一時金の収入すべき時期は、所得税基本通達36-13《一時所得の総収入金額の収入すべき時期》に定める「その支払を受けるべき事実が生じた日」である当該年金信託契約が解除された日、すなわち、平成17年4月1日であり、当該一時金は、請求人の平成17年分に帰属する所得であると認められる。
参照条文等
住宅借入金等特別控除の適用を意図して、住民票上の住所の記載を居住の事実がない住宅の所在地とするべく住民票上の異動を繰り返し、確定申告書に当該住宅の所在地等を記載し税務署長に提出した請求人の行為は、偽りその他不正の行為であると認めた事例
裁決事例集 第80集
要旨
請求人は、①平成12年12月の住民票異動時には請求人が取得した本件住宅に住むつもりであったこと、②少なくとも平成12年分の所得税の確定申告時には住宅借入金等特別控除の適用がないことを知らなかったこと及び③当該確定申告時の税務相談において住宅借入金等特別控除の適用ができる旨を告げられたためこれに沿った申告をしたとの事情から、請求人の住民票上の住所を異動させた行為等は偽りその他不正の行為には該当しない旨主張する。
しかしながら、請求人は、本件住宅を「自己の居住の用」に供していないことから住宅借入金等特別控除の適用を受けることができないにもかかわらず、住宅借入金等特別控除の適用を意図して、課税庁に対し請求人が本件住宅所在地に居住しているように装うため、請求人の住民票上の住所の記載を本件住宅所在地とするべく住民票上の異動を繰り返し、平成13年分、平成14年分及び平成16年分の所得税の確定申告書には本件住宅所在地等を記載し税務署長に提出して住宅借入金等特別控除の適用を受けたのであり、このことは、住宅借入金等特別控除の要件の一つである「自己の居住の用に供した」事実について虚偽の外形を作出する等の偽りその他不正の行為をしたものと認められるのであるから、上記①又は②の主張をもってしても、請求人の上記各年分における偽りその他不正の行為の存在が左右されるものではなく、また、上記③の主張である相談担当者が請求人に対して居住の事実がなくとも住宅借入金等特別控除の適用がある旨の指導等を行ったと認められる証拠もない。
参照条文等
国税通則法第70条第5項 租税特別措置法(平成13年3月法律第7号による改正前のもの。)第41条第1項
請求人が有する破産会社に対する売掛債権の貸倒損失の計上時期は、配当可能な財産がなくその全額が客観的に回収不能となったと認められる破産手続終結の決定がなされた時点であるとした事例
裁決事例集 第80集
要旨
請求人は、平成16年に取引先であるG社の破産管財人から受けたファックスにより、G社の破産終結を知り得たのであるから、所得税基本通達51-12《回収不能の貸金等の貸倒れ》の定めにより、請求人がG社に対して有する債権の本件貸倒損失の計上時期は平成16年分となる旨主張する。
しかしながら、請求人が当該ファックスの受信時にG社の破産終結を知り得た事実は認められるものの、裁判所が破産法人に配当可能な財産がないことを認めた場合には、廃止決定又は終結決定をして、当該法人の登記が閉鎖されることとされており、これらの決定がなされた時点で当該破産法人は消滅することからすると、この時点において、当然、破産法人に配当可能な財産はないのであって、当該決定等により請求人がG社に対して有する債権もその全額が客観的に回収不能となったと認めるのが相当である。よって、請求人の本件貸倒損失の計上時期は、G社の破産手続終結の決定がなされた平成14年分となる。
参照条文等
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