裁決事例 昭和48年(1973年)
要旨
同族会社の増資に当たり、取締役会の決議では新株について公募することとしながら、実際には同族関係者に新株引受権の割当てが行われ、かつ、請求人が増資による割当て分を超えて親族である他の株主の新株引受権の割当てを受けていることは、当該親族の新株引受権に相当する利益を享受したものと認めるのが相当である。
要旨
棚卸資産に計上漏れとなった土地は、決算直前に請求人が購入者の希望により、1区画を2つの区画に分割して売買契約をした残りの一方の土地である。しかし、現場責任者から経理担当者に渡された現場見取図が不完全である等のため、経理担当者が、売買契約された一方の土地を旧区画の全部と誤認したため他の一方が計上漏れとなったものであり、本件土地は税務調査前において翌事業年度の売上げに計上されているものであるから、その計上漏れを仮装又は隠ぺいによるものであるとして重加算税を賦課決定したことは相当でない。
要旨
建物とその敷地を所有していた父がその土地を子に贈与し、その後父が当該土地を無償使用することとなった場合における当該土地に係る贈与価額の評価に当たっては、自用地として評価するのが相当である。
要旨
被相続人の下で事業に従事していた相続人が、その事業を引き継いだ後において、被相続人が経営していた当時の退職金として相続人及び従業員に支給することとした金員は、被相続人の当時には退職給与規定もなく、かつ、従業員が退職した事実も認められないので、相続開始時における被相続人の債務として確定していたものではないから、当該金員は相続財産から控除できる債務ではない。
要旨
社債の払込みに充てることを条件として支給した従業員の特別賞与は、労働協約等によって定められたものではなく、また、その支給額の決定に当たっても、請求人(会社)の一方的意思によるなどし意性があるので、これを支給する具体的な原因があったとは認められない。
さらに、本件社債については、譲渡制限があり、かつ、会社が社債を買い取る場合の換金割合も会社の一方的な内規によって定められているなど、客観的にみて本来の社債であるとは評価し難い。
したがって、本件特別賞与について債務が確定しているとは認め難く、損金の額に算入することを否認したのは相当である。
要旨
大学教授が他大学での非常勤講師としての地位は、これら他大学の定めたカリキュラムに従い、特定の学科を担当し、一定期間継続して労務を提供するものであるから、その対価として得た報酬は雑所得ではなく、給与所得と認めるのが相当である。
要旨
被相続人が売主となって生前に取り交わした売買契約書には「売買不動産の所有権は、農地転用許可申請が許可になると同時に売主より買主に移転する」旨定められており、農地の所有権移転については、農地の転用許可が先決要件となっている。
農地の転用許可書が申請人に到達したのは相続開始後であり、当該農地は相続人がすでに相続したものであるから、被相続人の譲渡資産ではなく、相続財産として相続税課税価格を算定したことは相当である。
要旨
請求人と相手方との交換契約はその後仮換地の指定変更があったので、実質上は、仮換地指定後の土地の交換であると認められる。したがって、請求人が仮換地の指定変更に伴い相手方から収受した金銭については、名目上整地費、擁壁費となっていても、その実質は、交換差金と認められ、その所得は譲渡所得に該当するものと解するのが相当である。
要旨
退職給与引当金勘定を有する請求人が、退職従業員の一部の者に退職給与を支給しなかったのは、当該従業員が会社の退職金規定及び就業規則による正規の手続を経ないで、無断退職したことに起因するものであるから、退職給与を支給しないことについて「正当の理由」があったと認めるのが相当である。
要旨
本件借地上の建物は、保存登記がされていること等から仮設物ではなく、かつ、借地契約の当時、同地域には、借地権取引の慣行があったので、請求人は、借地権を取得していたものと認められる。
しかし、本件土地の所有者と請求人との借地契約には借地期間の定めがなく、また、当該建物は無人のまま放置されており、老朽化していたと認められるので、借地期間の定めのない当該借地権は、建物の朽廃により消滅したとするのが相当である。
要旨
請求人は、更生会社について留保金課税をすることは法人税法の趣旨に反すると主張するが、法人税法及び関係諸法令においては、更生会社について、法人税法第67条の規定の適用を排除する規定は設けられていない。
また、請求人は、当事業年度の末日において新株式発行の決定により非同族会社になったと主張するが、請求人の更生計画には「新株式発行の効力は認可決定の日より4ケ月目の日の属する月の初日に生ずるものとする」旨定められているから、更生計画認可決定の日、すなわち、当事業年度終了の日の現況では同族会社である。
したがって、請求人の当事業年度の留保金について法人税を課したことは相当である。
要旨
使用人から役員に昇任させる直前に俸給を3.5倍に引き上げて過大な退職金を支給したが、このことは、請求人が同族会社であり、また、本件使用人が同族関係者であるため行われた異常な行為であって、その結果請求人の法人税の負担を不当に減少させることとなった。
したがって、その適正額を超える部分の金額について、請求人の行為又は計算を否認し、その超える部分の金額を同人に対する利益処分の賞与としたことは相当である。
要旨
役員及び使用人の配偶者の内助の功は、請求人に直接及ぶものでなく、役員及び使用人による労務の提供を通じて請求人に及ぶものであるから、配偶者に支給した金員は、労務の提供者である役員及び使用人に対し支給された給与とみるのが相当である。
したがって、役員の配偶者に支給した金員は、その役員に対する臨時的な給与であり、役員賞与と認めるのが相当である。
要旨
事業用資産の買換えの特例の適用を受けた新築貸家住宅について、同時に割増償却の特例計算を適用して不動産所得を計算していたところで、事業用資産の買換えの特例の適用を受けたのは誤りであるとして、これを撤回した場合であっても、割増償却の特例計算の規定の適用は認められないとした原処分は相当である。
要旨
人的役務の提供による収入金額の収入すべき時期は、原則として人的役務の提供を完了した日であるが、弁理士業務のうち外国特許事務に係る報酬については、慣習として現地代理人を通じて出願事務を行い、現地代理人の諸経費をも含めて請求しているので、依頼者の検収が終了した時点において請求額が確定するものと解するのが妥当であり、また、請求人は継続してこの計算基準を採用しているので、その計算を認めるのが相当である。
要旨
弁護士報酬を土地で取得した場合、その評価の基準とすべき日は、当該土地につき再換地指定の効力が発生した日であり、地積は再換地後のものによるべきであって、また、その評価額は、本件土地に近接し、条件の類似すると認められる土地の取引価額に時点修正等を加味して評価するのが相当である。
要旨
土地の賃貸契約に係る紛争について和解が成立し、当該土地の明渡しを受けるために支払った金額は、損害賠償金ではなく借地権の買戻しと認められ、また、訴訟に要した弁護士費用もその価額に加算すべき性質のもので、いずれも所得税法上の資産の取得費であり、不動産所得の金額の計算上控除される必要経費とは認められない。
要旨
得意先の従業員に対するコミッションについて、請求人は、現金仕入れ又は売上割戻金として処理していたが、本件コミッションの支払先は、得意先の担当者であって取引の相手である事業者そのものでなく、また、支払先の決定、支払金額の算出等についてはすべて請求人が任意に行っており、相手方は、この金員を請求する権利があったとは認められないから、交際費等として処理するのが相当である。
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。