裁決事例 裁決事例集 第25集
要旨
請求人が支払った報酬は一人親方に対するものであって、外注費として取り扱うべき旨請求人は主張するが、本件報酬について、各職人の労務の提供は、職人個々の独立した事業として行われたものとは認められず、かつ、その労務の提供の対価は基本賃金のほか時間外勤務手当等の支払基準により支払われていることからして、請求人と職人との間の雇用契約書の作成はないものの、その実質は請求人がこれら職人を雇用の上、その就労の対価、すなわち給与等として支払ったものと解するのが相当である。また、仮にこれら職人が請求人主張の一人親方に当たるとしても、その支払う報酬が当該親方の危険と計算によらず、請求人の指揮監督の下に提供された労務の対価としての性質を有するものであれば、所得税法第28条第1項に規定する給与等に当たるとみるのが相当である。
要旨
請求人が借り入れた資金の一部をもって定期預金を設定していた場合に、当該借入れが具体的な不動産事業の拡張計画に基づいてなされ、しかも、この資金調達が物件の取得に先行してなされたとしても、それが著しく不合理でなく、その計画が順次実行されており、また、本件借入金を効率的に運用する一方法として定期預金を利用したにすぎないと認められることから、本件借入金が定期預金を設定するためのものとみるのは不相当であり、したがって、本件借入金に係る支払利息を事業上の必要経費に算入すべきである。
要旨
請求人が買換資産である車両を請求人の代表者が事業の主宰者となっている甲社及び乙社から取得する際に、実際の取引当事者でないディーラーに協力を求めて、ディーラーから高価で買い入れたごとく架空の売買契約書を作成して、当該売買価額があたかも通常取引される価額であるかのように仮装し、これに基づいて圧縮限度額を過大に計算して損金の額に算入した上、過少に確定申告をした行為は、国税通則法第68条第1項に規定する事実の隠ぺい又は仮装に該当する。
要旨
法人税法第2条第15号は、監査役を法人税法上の役員としており、この場合に、実質的に監査役としての職務を果たしていないものを除外するというような規定は置いていないから、商業登記簿上監査役である者が日常使用人としての職務に従事し、実質的に監査役としての職務を果たしていなかったとしても、同人は請求人の役員であり、したがって、同人に支給した賞与は損金に算入することはできない。
要旨
家事関連費が必要経費として控除されるためには、業務上の必要性及びその必要である部分が客観的に明らかでなければならないものと解されるところ、請求人においてロータリークラブの例会を中心とする各種会合に参加し、各種職業の経営者と懇親を深め、社会的信用を高めることは、請求人の公認会計士としての業務に何らかの利益をもたらすであろうことは否定できないが、ロータリークラブに入会したこと及びその例会に参加することが主として業務上の必要性に基づくものであると客観的に認めることはできないので、本件ロータリークラブ年会費の額を事業所得の金額の計算上必要経費の額に算入することはできない。
要旨
テナントを立ち退かせて引き渡す旨の特約がある土地及び建物の譲渡において、テナントの立退きは未了であるが、[1]請求人は譲渡代金の大部分である77.8パーセント相当の金員を収受していること、[2]所有権移転登記がなされていること、[3]買主が登記済権利証を担保に取得資金を借り入れていること、[4]請求人及び買主がテナントにあてた書面によれば、請求人が買主から委任を受けて本件取引物件の賃貸及び管理をしていたものと認められることなどから、本件取引物件の実質的な引渡しは完了しているとして当該譲渡益を当期の収益に計上した原処分は相当である。
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