裁決事例 裁決事例集 第34集
要旨
請求人は、請求人の夫はピアノ調律師としての事業を行っているが、請求人の司法書士業務にも、年を通じて6か月以上従事しているから、青色事業専従者に該当すると主張するが、請求人の夫は所得税法施行令第165条第2項第2号に規定する「他に職業を有する者」に該当し、しかも、自己の事業に年間240日以上従事している等の事実が認められるから、請求人の事業に専ら従事する者には該当しない。
要旨
非開業の医師である請求人が関与先病院等から受ける報酬は、対価支払者の指揮、監督に服して非独立的になされ、かつ、自己の計算と危険が伴わない労務提供の対価であるから、給与所得に該当するものであり、また、これらの報酬は、[1]関与先病院等は請求人が設立した法人に業務委託をしたことはないこと、[2]関与先病院等における請求人の従事内容は、客観的にみて請求人個人においてのみなし得るものであること等から、その報酬は個人に帰属する。
請求人が請求人の代表者の母及び義姉に支払った外注費は請求人の代表者に対する経済的利益の供与と認めるのが相当であるが、このうち毎月定額支給した金額は役員報酬として損金算入すべきであるとした事例
裁決事例集 第34集 67頁
要旨
請求人は請求人の代表者の母及び義姉に外注費を支払っているが、関係者の答述、通勤、勤務状況から、同人らは請求人の業務に従事したとは認められないから、同人らに支給した金員は請求人の代表者に対する経済的利益の供与と認められる。また、このうち毎月定額支給される金額は役員報酬と認定すべきであり、当該役員報酬認定額が法人税法施行令第69条に該当しない以上、損金に算入するのが相当である。
売買により取得した減価償却資産である特殊車両につき、その取得の日の属する事業年度において、一は車両登録を了していたが納車がなく、他は自動車検査証に代わる保安基準適合証等の交付もないことを理由にいずれも当該事業年度に事業の用に供されたものとはいえないとした事例
裁決事例集 第34集 57頁
要旨
新たに購入した運送業用甲車両(新車)及び乙車両(中古車)を事業の用に供したか否かに関して、[1]甲車両は道路運送車両法の登録を終え所要の改造架装に着手した日、[2]乙車両は保安基準に適合する修理を了した日をもってそれぞれ事業の用に供した日とすべきであるとする請求人の主張に対して、[1]甲車両は新規登録を了しているものの売買契約時の特約事項である改造架装工事が了して納車されたのは翌事業年度であること、[2]乙車両については、車検切れに伴う保安基準適合証の交付を受けるための修理は了したものの適合証の交付を受けたのは翌事業年度であることから、いずれの車両も事業の用に供したのは翌事業年度であり、当該車両に係る減価償却費は損金の額に算入できない。
電気使用料の計量誤りにより過大に支払った電力使用料等の返還金は、その返還を受けるべきことが確定した日の属する事業年度の益金の額に算入することが相当であるとした事例
裁決事例集 第34集 43頁
要旨
電力会社に支払った電気料金等のうちに電力会社の計量誤りにより支払われたものがあったとしても、その支払時には支払者と電力会社との間では有効な取引として取り扱われていたものであれば、当該電気料金等は支払時の損金となり、後日、計量誤りによる過払いがあったことが判明し、過払分について返還されることが確定した場合には、過払額は、その返還を受けるべきことが確定した日の属する事業年度の特別損益として益金の額に算入すべきものであり、支払時の損金の額を修正することは相当でない。
使用人兼務役員の使用人としての職務に対する相当な賞与の額を算出する場合に比準者が存しないときはその地域の給与等の伸び率を勘案して算出すべきであるとした事例
裁決事例集 第34集 96頁
要旨
使用人兼務役員に対する使用人分賞与は、請求人の他の使用人を比準者として算定すべきであり、当該他の使用人が能率給を受給する者で使用人兼務役員とは職務内容、給与の支給基準を異にしていたとしても、上記判断に何ら影響を及ぼすものではないと原処分庁は主張するが、使用人兼務役員と他の使用人とがその職務内容、給与の支給基準を著しく異にする場合には、比準者とすることは合理性がなく、その地域の平均の給与の伸び率、賞与の支給倍率等を勘案して算出するのが相当である。
租税特別措置法第26条“社会保険診療報酬の所得計算の特例”を適用しないで申告をした場合には、同条を適用した場合の所得の減少を理由とする更正の請求は認められないとした事例
裁決事例集 第34集 113頁
要旨
租税特別措置法第26条“社会保険診療報酬の所得の計算の特例”第3項には、確定申告書に同条第1項の規定により計算した旨の記載がない場合には、同条の規定は適用されないと明記されているところ、本件申告書には、その旨の記載がない以上、更正の請求によって同条の適用を求めることはできない。
仮装経理に基づく過大申告額を修正経理した場合の損失はその仮装経理を行った事業年度の損金とすべきであり、修正経理を行った事業年度の損金には算入できないとした事例
裁決事例集 第34集 53頁
要旨
過去8事業年度にわたり、仮装経理に基づき過大に申告した所得金額に相当する金額につき、本件事業年度の確定決算において一括して修正経理を行い特別損失に計上した金額については、その全額を本件事業年度の損金の額に算入すべきであるとの請求人の主張に対して、本件特別損失の額は、本件事業年度に生じたものでないことは明らかであるから、その生じた各事業年度の損金の額に算入すべきものであり、その結果、もし、損金の額に算入する機会を失うこととなる金額が生じたとしても、それは国税通則法に規定する5年の更正の期間制限によるものであるから、このゆえをもって不相当な措置ということはできない。
要旨
被相続人の病院事業を相続した請求人らが、当該病院事業を廃止するため、事業廃止に伴う入院患者に対する転院の通告あるいは通院患者に対する事業所閉鎖の通知等必要な業務を行わず、当該事業の発展を図るため、病院を人格なき社団に改組した場合には、被相続人の事業が直ちに廃止されたものと認められないから、現実に退職者がいないのに退職金の名目で支払われた金員は、所得税法第63条に基づいて被相続人の事業所得の計算上必要経費に算入することはできない。
要旨
請求人は、請求人の創業○○周年記念行事に関して支出した交際費等の額は、[1]企業は、記念行事等の費用はその支出総額から受け入れた祝儀の額を控除した額であると認識していること、[2]会費制の記念行事であれば会費を費用の支出総額から控除できるが、独自の記念行事であるとそれを認めないのは、課税上アンバランスであること、[3]祝儀を支出した法人についても交際費課税の特例の対象となるので、二重課税になることなどから、費用の支出総額から記念行事に招待した者から受け入れた祝儀の額を控除した額であると主張するが、交際費課税の特例の対象となる交際費等の額は、[1]法人の交際費等の濫費の抑制等を目的とする制度の趣旨から、交際費等として法人が現実に支出した費用の総額をいうものであること、[2]会員制の記念行事と独自の記念行事とは、その性質を異にするものであり、交際費課税の特例の適用上、両者の取扱いが異なることは当然でバランスを欠くものでないこと、[3]記念行事の開催者及び祝儀を支出した法人の双方に交際費課税の特例が適用されても、それは、それぞれ別個独立した法人の個々の交際、接待等の行為に着目して交際費課税の特例が適用されるもので、祝儀を支出した法人の課税関係のいかんは問わないものであることなどから、祝儀の額を控除する前の費用の支出総額であり、祝儀の額を控除することはできない。
要旨
隠ぺいされ、相続財産として申告されていなかった無記名定期預金の原資は、被相続人及び相続人ら一族の不動産の賃貸料収入等であるから、その預金のうちに被相続人に帰属すべき金額があるにもかかわらず、本件無記名定期預金が無記名であったことを奇貨として被相続人の遺産から除外して相続税の申告書を提出した場合には、本件無記名定期預金を管理していた相続人は重加算税の課税要件を満たすが、本件無記名定期預金の存在を了知していなかった他の相続人は、重加算税の課税要件を備えていないので、重加算税を賦課した原処分は相当でない。
要旨
請求人は、本件不動産の取得及び銀行借入れ等は被相続人の委任により行ったものであると主張するが、委任の事実を立証する具体的証拠はなく、また、本件不動産の取得は、不動産の実勢価額と相続税評価額とに開差があることに着目し、被相続人が生前に取得したという事実を形式的に作り上げ、請求人らが被相続人の名義を利用して、不当に相続財産の圧縮を図ることを目的としたものであると認められるのが相当であるから、本件不動産及び本件借入金債務等は被相続人の相続財産・債務とは認められない。
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。