裁決事例 裁決事例集 第122集

裁決事例 裁決事例集 第122集

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令和3年3月26日裁決

外国子会社合算税制に係る所得が無申告であった者に対する無申告加算税の賦課決定処分において、内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律第6条《国外財産に係る過少申告加算税又は無申告加算税の特例》第2項を適用したことを適法とした事例

裁決事例集 第122集

ポイント

 本事例は、請求人が、外国子会社合算税制に係る所得の基因となる外国子会社の株式を記載した国外財産調書を提出していなかった場合において、原処分庁が、当該所得に係る無申告加算税の賦課決定処分を行う際に内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律第6条第2項の加重措置を適用したことは適法と判断したものである。

要旨

 請求人は、平成27年12月31日、平成28年12月31日及び平成29年12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有していたと認められるから、平成27年分から平成29年分までにつき、内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律(国送法)第5条《国外財産調書の提出》第1項本文に規定する国外財産調書の提出義務があったにもかかわらず、これらをいずれも法定提出期限内に提出しなかったと認められる。
 したがって、上記各年分の無申告加算税の金額につき、国税通則法第66条《無申告加算税》並びに国送法第6条《国外財産に係る過少申告加算税又は無申告加算税の特例》第2項の規定に基づいて計算すると、いずれも原処分の各金額と同額となるから、本件の無申告加算税の各賦課決定処分は、いずれも適法である。

参照条文等

内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律第2条第7号第5条第1項第6条第1項第2項、同法施行令第11条、同法施行規則第13条

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令和3年3月24日裁決

第三者が何ら根拠のない金額を必要経費として記載した試算表を作成した行為は、過少申告行為とは別の隠ぺい又は仮装行為に該当しないとした事例

裁決事例集 第122集

ポイント

 本事例は、第三者が何ら根拠のない金額を必要経費として記載した試算表は、当該第三者が請求人の確定申告書を作成するためだけの一時的な補助資料の域を出るものではなく、その作成が、過少申告行為とは別の隠ぺい又は仮装行為に該当すると認めることは困難であるから、重加算税の賦課要件を満たさないとしたものである。

要旨

 原処分庁は、請求人の申告書を作成した第三者が、何ら根拠のない金額を必要経費として記載した試算表(本件試算表)を作成した上で、それを基に作成した確定申告書を提出したことは、請求人の事業所得に係る必要経費の計上について、過少申告行為とは別の隠ぺい又は仮装行為であり、重加算税の賦課要件を満たしている旨主張する。
 しかしながら、当該第三者は、本件試算表を使用して確定申告書を作成した後には、本件試算表を保存しておくことなく、不要なものとして処分しており、また、請求人を含む他者に見せることもなかったものである。そうすると、本件試算表は、当該第三者が確定申告書を作成するためだけの一時的な補助資料の域を出るものではなく、その作成が、過少申告行為とは別の隠ぺい又は仮装行為に該当すると認めることは困難であるから、重加算税の賦課要件を満たさない。

参照条文等

国税通則法第68条第1項

参考判決・裁決

最高裁平成7年4月28日第二小法廷判決(民集49巻4号1193頁)

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令和3年3月24日裁決

第三者が何ら根拠のない金額を必要経費として記載した試算表を作成した行為は、過少申告行為とは別の隠ぺい又は仮装行為に該当しないとした事例

裁決事例集 第122集

ポイント

 本事例は、第三者が何ら根拠のない金額を必要経費として記載した試算表は、当該第三者が請求人の確定申告書を作成するためだけの一時的な補助資料の域を出るものではなく、その作成が、過少申告行為とは別の隠ぺい又は仮装行為に該当すると認めることは困難であるから、重加算税の賦課要件を満たさないとしたものである。

要旨

 原処分庁は、請求人の申告書を作成した第三者が、何ら根拠のない金額を必要経費として記載した試算表(本件各試算表)を作成した上で、それを基に作成した確定申告書を提出したことは、請求人の事業所得に係る必要経費の計上について、過少申告行為とは別の隠ぺい又は仮装行為であり、重加算税の賦課要件を満たしている旨主張する。
 しかしながら、当該第三者は、本件各試算表を使用して確定申告書を作成した後には、本件各試算表を保存しておくことなく、不要なものとして処分しており、また、請求人を含む他者に見せることもなかったものである。そうすると、本件各試算表は、当該第三者が確定申告書を作成するためだけの一時的な補助資料の域を出るものではなく、その作成が、過少申告行為とは別の隠ぺい又は仮装行為に該当すると認めることは困難であるから、重加算税の賦課要件を満たさない。

参照条文等

国税通則法第68条第1項

参考判決・裁決

最高裁平成7年4月28日第二小法廷判決(民集49巻4号1193頁)

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令和3年3月23日裁決

当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動があったものと認めることはできないとして、重加算税の賦課決定処分を取り消した事例

裁決事例集 第122集

ポイント

 本事例は、請求人が、みなし相続財産である死亡保険金の申告漏れに関し、当該死亡保険金の存在を税理士に伝えなかったことをもって、当初から過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたとまではいえないことから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税の賦課要件は充足しないとしたものである。

要旨

 原処分庁は、請求人が、自身が支払を受けた2口の死亡保険金のいずれもが相続税の課税対象であることを理解しながら、そのうちの1口の死亡保険金(本件保険金)に関する資料を税理士に交付せず、本件保険金を含めない申告書を当該税理士に作成・提出させたことは、当初から財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたといえるから、重加算税の賦課要件を充足する旨主張する。
 しかしながら、請求人及び被相続人が受けた本件保険金を扱う銀行の担当者の説明によると、請求人は、本件保険金が相続税の課税の対象とならないものと誤解した可能性が否定できず、この誤解に基づいて、本件保険金の存在を税理士に伝えなかった可能性も否定できない。また、請求人は、調査の初日に本件保険金の入金事績が記録された請求人名義の銀行口座に係る通帳を原処分庁の調査担当職員に提示するなど、本件保険金の入金の事実を調査担当職員に対して隠そうとはしていなかったことが認められ、この事実は、上記誤解があった可能性を高める事実といえる。
 したがって、請求人が本件保険金の存在を税理士に伝えなかったことをもって、請求人が当初から過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたとまではいえず、重加算税の賦課要件は充足しない。

参照条文等

国税通則法第68条第1項

参考判決・裁決

最高裁平成7年4月28日第二小法廷判決(民集49巻4号1193頁)

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令和3年3月4日裁決

請求人の事業所得の金額を推計するに当たり、原処分庁が採用した類似同業者の抽出基準及び抽出方法に一応の合理性があるとした事例

裁決事例集 第122集

ポイント

 本事例は、推計の基礎数値である収入金額の異動により、審判所の認定額が原処分額を下回ったため、原処分の一部を取り消したものである。

要旨

 請求人は、請求人の事業は自動車整備業のみで、自動車販売は附帯的に行っているだけであるから、原処分庁が、自動車整備業及び自動車販売業を営む者を類似同業者の抽出基準としていることには合理性がない旨主張する。
 しかしながら、請求人は、自動車整備業だけでなく自動車の販売も行っていると認められる以上、原処分庁が、類似同業者の抽出基準において、自動車整備業及び自動車販売業を営む者を請求人の類似同業者としたことは相当である。なお、請求人の収入金額の異動により、審判所の認定額が原処分額を下回ったため、原処分の一部を取り消した。

参照条文等

所得税法第156条

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令和3年3月1日裁決

当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動があったものと認めることはできないとして、重加算税の賦課決定処分を取り消した事例

裁決事例集 第122集

ポイント

 本事例は、請求人が、みなし相続財産である死亡保険金の申告漏れに関し、その存在を一旦は認識していたものの、申告までの間に失念等した可能性を直ちには否定できず、また、請求人が、当初から当該死亡保険金をあえて申告から除外することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたともいえないことから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税の賦課要件は充足しないとしたものである。

要旨

 原処分庁は、申告漏れとなっていた死亡保険金(本件死亡保険金)について、請求人が、自身でその支払請求手続を行ったこと、原処分庁の調査担当職員に本件死亡保険金の存在を伝えなかったことなどから、本件死亡保険金の存在を認識しつつ、それをあえて申告していないから、過少に申告する意図を有していたといえ、また、本件死亡保険金の存在を関与税理士等に説明せず、関係資料の提示もしなかった行為は、本件死亡保険金を相続税の申告財産から除外するという過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動に該当するものとして、重加算税の賦課要件を充足する旨主張する。
 しかしながら、請求人が当初は生命保険契約に係る申告すべき保険金は同じ保険会社の別件の申告済の保険金(本件申告済保険金)のみであると誤認していたことに加えて、本件申告済保険金及び本件死亡保険金の請求手続は、請求人が仕事で多忙な中でその合間に行われたものであることなどからすると、請求人が、本件死亡保険金について、その存在及び申告が必要な相続財産であることを一旦認識したものの、相続税の申告までの間に、本件死亡保険金の存在とこれについても申告が必要であることを失念ないし誤認した可能性を直ちに否定することはできない。さらに、関与税理士等とのやりとりの経過等を見ても、請求人が当初から本件死亡保険金をあえて申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたともいえないため、重加算税の賦課要件は充足しない。

参照条文等

国税通則法第68条第1項

参考判決・裁決

最高裁平成7年4月28日第二小法廷判決(民集49巻4号1193頁)

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令和3年2月5日裁決

みなし相続財産に該当する生命保険金が申告漏れとなったことにつき、請求人が殊更過少な相続税申告書を提出したとは認められないとした事例

裁決事例集 第122集

ポイント

 本事例は、相続税の重加算税を賦課する場合の殊更過少な相続税申告書を提出したか否かの認定に当たっては、請求人や税理士の証言の一部分をもって判定するのではなく、その証言内容を裏付けるに足る事情の存在を含めて判定すべきとしたものである。

要旨

 原処分庁は、請求人が一部の生命保険金について相続税の申告すべき財産であることを十分認識していたにもかかわらず、関与税理士に対してその存在を殊更に秘匿したことなどに照らせば、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税の賦課要件を満たす旨主張する。
 しかしながら、同税理士は関係資料等の提出時や申告書の作成時に請求人に対して具体的な確認等をしていなかった上、その他に、請求人が同税理士に対して殊更にその存在を秘匿したと裏付けるに足りる事情も存在しないことなどに照らせば、請求人が当初から過少申告を意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合に該当するとまでは認められないから、同項に規定する重加算税の賦課要件を満たすとはいえない。

参照条文等

国税通則法第68条第1項

参考判決・裁決

最高裁平成7年4月28日第二小法廷判決(民集49巻4号1193頁)

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令和3年1月20日裁決

源泉所得税の納付が法定納期限後になったことについて、その納付が、告知があるべきことを予知してされたものではないと認められた事例

裁決事例集 第122集

要旨

 原処分庁は、請求人が法定納期限を徒過して源泉所得税等を納付したことについて、当該納付は調査担当職員が実地調査の日程調整を依頼した際に行った源泉徴収義務の存否に関する発言(本件発言)を起因としたものであり、その後の調査が進行すれば告知に至るであろうことを予知して行ったものであるから、国税通則法第67条《不納付加算税》第2項に規定する「当該国税についての調査があったことにより当該告知があるべきことを予知してされたものでないとき」に該当しない旨主張する。
 しかしながら、当該規定の適用に係る判断に当たっては、調査の内容・進捗状況、それに関する納税者の認識、納付に至る経緯、納付と調査の内容との関連性等の事情を総合考慮して判断するのが相当であるところ、調査担当職員が署内調査を行い、実地調査の日程調整を依頼した時点では、その後の調査の進行により、やがて納税の告知に至る可能性が高い状況にあったといえるものの、本件発言からは、具体的な取引内容や調査対象期間も示されず、そのため、請求人は署内調査の内容・進捗状況を具体的に認識していないと認められ、さらに、請求人が当該納付を自主的に行ったと認められるから、当該納付と署内調査との関連性も乏しいと言わざるを得ない。したがって、当該納付は、同項に規定する「当該国税についての調査があったことにより当該国税について当該告知があるべきことを予知してされたものでないとき」に該当する。

参照条文等

国税通則法第67条第2項

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