裁決事例 昭和49年(1974年)

裁決事例 昭和49年(1974年)

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昭和49年12月24日裁決

登記名義変更の訴訟費用を支払うための借入金の利子は土地の取得費には当たらないとした事例

裁決事例集 第9集 14頁

要旨

 既に取得した資産について、その登記名義を真正な所有権者の名義に変更するための訴訟費用を支払うために借り入れた借入金の利子は、間接的には資産の所有権を確保するための支出であっても、資産を取得するために直接要した費用ではないから、所得税法第38条に規定する資産の取得費に含めることはできない。

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昭和49年12月23日裁決

時効により取得した土地に係る一時所得の収入金額の確定時期は訴訟において時効の援用をした日であるとした事例

裁決事例集 第9集 9頁

要旨

 時効の効果については、訴訟において時効の援用があって初めて時効による権利の取得を生ずるものと解せられるところ、請求人は土地所有権移転登記手続を求める訴訟の提起以前に時効を援用した事実はなく、訴状提出の日に初めて時効の援用をしたものと認められるから、取得時効により請求人が取得した土地に係る一時所得は、時効を援用した日の属する年分の所得とすべきである。

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昭和49年12月12日裁決

同族関係会社から出漁権を取得し同時にその出漁権を当該会社に賃貸した一連の取引は、法人税法第132条の規定に該当するとした事例

裁決事例集 第9集 23頁

要旨

 請求人が、同族関係会社から許可漁業の出漁権を売買により取得し、同時にその出漁権を当該同族関係会社に賃貸した一連の行為は、漁業法及び私法上適法であるとしても、経済人の行為として不合理、不自然であり、これらの行為又は計算を容認するときは請求人の法人税負担を不当に減少させる結果となると認められるとして、法人税法第132条の規定を適用した原処分は相当である。

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昭和49年11月26日裁決

家屋に係る居住用財産の特別控除不足額をその家屋の敷地の所有者である叔母の譲渡所得金額から控除することはできないとした事例

裁決事例集 第9集 38頁

要旨

 居住用家屋の所有者と土地の所有者とが異なるものを同時に譲渡した場合に、居住用家屋の譲渡に係る特別控除額の控除不足額を土地の譲渡所得の金額から控除できるのは、家屋の所有者と土地の所有者が、夫と妻、親と子又は祖父母と孫の関係にあり、かつ、その家屋に同居して生計を一にしている場合に限られるのであるが、家屋の所有者は請求人の叔母であり、土地の所有者は請求人で、当該家屋に同居して生計を一にしているとは認められないから、家屋に係る特別控除額の控除不足額を土地の譲渡に係る所得金額から控除することはできない。

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昭和49年11月2日裁決

返還を要しないことが契約当初から確定している敷金は、貸室を引渡し、当該敷金を収受した事業年度の収益に計上するのが相当であるとした事例

裁決事例集 第10集 25頁

要旨

 請求人が貸室を賃貸するに当たり、賃借人から受領した敷金のうち、補修費相当額は、契約当初から返還を要しないものであり、その名称にかかわらず請求人が自ら処分することのできる金員と認められるのであるから、貸室を引き渡し、敷金を収受した事業年度の収益と認めるのが相当である。

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昭和49年10月16日裁決

業務遂行中に起こした交通事故の被害者に支払った損害賠償金は所得税法施行令第98条に規定する「重大な過失」により負担したものではないとした事例

裁決事例集 第9集 5頁

要旨

 所得税法施行令第98条の規定により、故意又は重大な過失によって他人の権利を侵害したことによって支払う損害賠償金は必要経費に算入されないが、ここに掲げる「重大な過失」とは、ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態をいうものと解されるところ、請求人の過失はこの「重大な過失」に当たるものとは認め難いので、請求人が業務遂行中に起こした交通事故に関し、被害者に支払った損害賠償金は、事業所得の必要経費とするのが相当である。

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昭和49年9月27日裁決

法人税法上役員賞与としたものを無償譲渡と認めて第二次納税義務を課しても矛盾がないとした事例

裁決事例集 第9集 31頁

要旨

 法人税法上の役員賞与とは、役員に対する給与のうち、臨時的に不定期で支給されるもので、退職給与以外のものをいい、債務の免除等による経済的利益をも含むものとされ、会社の役員に対する贈与等とみられる場合であっても、役員賞与となるものと解される。また、国税徴収法第39条の「無償による譲渡」とは民法上の贈与等を指すものと解すべきである。したがって法人税法上役員賞与としたものを国税徴収法第39条にいう無償譲渡と認めて第二次納税義務を課しても何ら矛盾するものではない。

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昭和49年8月17日裁決

非揮発油と課税済みの揮発油とをブレンドした揮発油は新たな揮発油の製造になるとした事例

裁決事例集 第8集 41頁

要旨

 揮発油税法及び地方道路税法では、製造場から移出した段階で揮発油税が課税される建前となっており、課税済みの揮発油を原料に用いて新たな揮発油を製造し、当該揮発油をその製造場から移出した場合には、原料として使用された課税済みの揮発油とは別個の課税客体となるので、混和後の新たな揮発油の総体について、揮発油税が課税されるとした原処分は相当である。

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昭和49年7月12日裁決

土地取得のための借入金の利子のうち業務の用に供していなかった期間の支払利子は不動産所得の必要経費ではないとした事例

裁決事例集 第8集 12頁

要旨

 請求人が不動産所得の基因となる土地を取得するために借り入れた資金の利子は、各年分の不動産所得の金額の計算上必要経費の額に算入するか、又は当該土地の取得価額に算入するかのいずれかによるべきであると解されるが、上記利子のうち当該土地がいまだ業務の用に供されていない期間に対応する支払利子については、当該期間における請求人の不動産所得の収入金額が皆無であるので必要経費の額に算入する余地はなく、当該土地の取得価額に算入するのが相当である。
 したがって、当該土地を業務の用に供したその後の年分の不動産所得の金額の計算上、当該利子を必要経費に算入すべきであるとする請求人の主張は認められない。

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昭和49年7月5日裁決

商品等を継続販売することを条件とする広告協賛金はその支払を受けた日を含む事業年度の収益に計上すべきであるとした事例

裁決事例集 第8集 26頁

要旨

 請求人は、自社のボーリング場において、飲料等を継続して販売させることを条件として飲料販売業者から広告協賛金を一時に収受したが、この広告協賛金については、販売を中止した場合の返還義務の取決めもなく、当該販売業者に返還請求権があるとは認められないから、支払を受けた日を含む事業年度の収益に計上するのが相当である。

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昭和49年7月5日裁決

農地を雑種地に地目変更の上宅地造成して譲渡した土地は事業用資産に当たるとした事例

裁決事例集 第8集 52頁

要旨

 請求人は農地の譲渡に当たり、その売買契約に先立って、当該農地を埋立造成した上で譲渡する旨の念書を譲受人に差し出しており、その時点では間違いなく農地であり、かつ、その造成も土地の形質変更を伴うような性格のものでなく引渡しまでの期間も短期間であるので、事業の用に供している資産の譲渡と認め、事業用資産の買換えの特例の適用を認めるのが相当である。

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昭和49年5月27日裁決

従業員の一部の者に手当と称して支給した金員について損金算入を否認した事例

裁決事例集 第8集 17頁

要旨

 請求人が、毎年6月及び12月に一部の従業員に対し、手当と称して給与に上積み支給したとする金額は、退職慰労金規程等に基づいて計算されていること、毎年これらの金額を積み立て、その累積額を拘束していること、当該金額を借入金として経理しながら、職員等からの他の借入金と区別して利息も付していないこと等、経済的実質的な観点からみて、給与として支給したものとは認められないとした原処分は相当である。
 また、請求人所定の上記規程等が、法の規定する退職給与規程にも該当しないので、給与とした金額は、税法上の退職給与引当金勘定への繰入額にも当たらない。

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昭和49年5月20日裁決

合併法人の合併前における被合併法人の株式取得が被合併法人の清算所得の金額を不当に減少させる結果になると認定した事例

裁決事例集 第8集 33頁

要旨

 合併法人が、合併前に被合併法人の株主からその株式を取得してその後に合併した場合の法人税法施行令第170条の適用の当否については、その株式取得が合併を予期したものであるか否かを直接的な資料によって立証するまでもなく、合併法人の株式取得から合併に至るまでの一連の取引並びに合併法人、被合併法人及びそれら株主の相互関係等種々の状況から総合判断すべきであり、本事案のように株式取得から合併に至る一連の取引に不自然、不合理な事実が認められる場合は、同条を適用するのが相当である。

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昭和49年5月13日裁決

不動産管理会社を通じて貸家の用に供した新築住宅について、新築貸家住宅の割増償却を認めた事例

裁決事例集 第8集 47頁

要旨

 請求人は新築住宅を一括して不動産会社に賃貸し、不動産会社はこれを更に賃借人に賃貸して貸家の用に供しているので請求人が直接貸家の用に供していることは認められない。しかしながら、請求人と不動産会社との間の賃貸借契約によれば、現状の住居の用途以外に使用することはできないとされており、また、不動産会社は管理料相当額を超えて利得しておらず、単なる貸家の管理を行っているものと認められるので、事実上請求人が貸家の用に供している実態に着目して新築貸家住宅の割増償却の規定の適用を認めるのが相当である。

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昭和49年5月1日裁決

財産分与を原因として行った土地の所有権移転は特有財産の譲渡に当たるとした事例

裁決事例集 第8集 6頁

要旨

 請求人が取得した不動産については、その取得及び維持管理に関し配偶者の寄与、貢献があったとしても、当該不動産は名実ともに請求人の取得した財産であると認められているので、同人の特有財産であったというほかはない。
 したがって、請求人が離婚に伴う財産分与の調停に基づく債務を履行するために、本件不動産の所有権を配偶者に移転したことは所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡に当たるとした原処分は相当である。

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昭和49年3月30日裁決

山林の伐採譲渡について、所得税法第64条第2項の所得計算の特例の適用は認められないとした事例

裁決事例集 第7集 19頁

要旨

 保証債務を履行するために資産を譲渡した場合、その履行に伴う求償権の行使ができないときには、所得金額の計算上、譲渡がなかったこととする特例が所得税法上規定されているが、営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得については、この特例の適用はない。
 したがって、本件のように請求人が1,500ヘクタールもの山林を保有し、営利を目的として継続的に山林の伐採譲渡を行っている山林経営者である場合には、山林の伐採譲渡の所得であっても、所得計算の特例の適用はないものとするのが相当である。

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昭和49年3月12日裁決

役員及び使用人に支給した休暇帰国のための旅費は請求人の業務上必要な旅費に当たるとした事例

裁決事例集 第8集 1頁

要旨

 請求人がその役員及び使用人に対して与えた休暇帰国のための旅行は、一定期間(約3年)を超える勤務の後に従来からの慣例に従い、請求人の業務を兼ねて行われたものであり、本人の業績によって休暇帰国の認否及び旅費の支給額が左右されるような報償的性格を持つものではなく、また、その支給内容は、直行往復の航空券の現物交付であること等の事実が認められるもので、休暇帰国のための旅費については、役員等の分はもとより、その家族分をも含め、請求人の業務上の支出として認めるのが相当である。

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昭和49年3月11日裁決

賃貸用共同住宅と併設された居住用住宅部分について住宅取得控除の適用はないとした事例

裁決事例集 第9集 35頁

要旨

 住宅取得控除の対象となる家屋の要件は、1棟の家屋の床面積が租税特別措置法施行令(昭和49年政令第78号による改正前のもの)第26条第1項第1号に規定する床面積以下であり、かつ、その床面積の2分の1以上に相当する部分を自己の居住の用に供していることである。
 したがって、1棟の家屋が賃貸用と居住用とに区分されており、それぞれの居住用部分の床面積が同号に規定する床面積以下であっても、その家屋の総床面積が同号の要件を満たさないときは、住宅取得控除の適用はない。

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昭和49年2月27日裁決

長期間にわたって実質的に離婚状態にあった夫から受領した金員のなかには慰謝料に相当する金額が含まれているとした事例

裁決事例集 第7集 49頁

要旨

 長期間にわたって実質的に離婚状態にあった夫から受領した金員については、婚姻関係が事実上破たんしていた特段の事情等から判断して、妻に対する長年にわたる悪意の遺棄に対する解決金であると認められるから、当該金員のなかには相当部分の慰謝料が含まれているものと認めるのが相当である。

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昭和49年1月31日裁決

株主である地位に基づかないで取得した新株引受けに伴う経済的利益は一時所得に当たるとした事例

裁決事例集 第7集 11頁

要旨

 株式会社の増資払込みに際し、当該会社の全株式を所有する親会社が、割当てを受けた新株引受権を失権したため、親会社の社長が株主である地位に基づかないで、当該新株引受権を与えられて払込みを行った場合には、新株引受けによって額面価額を上回る経済的利益を受けているのであるから、この経済的利益は収入金額となり、一時所得として課税することが相当である。

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