裁決事例 裁決事例集 第50集

裁決事例 裁決事例集 第50集

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平成7年12月21日裁決

本件土地の譲渡価額は、請求人の主張する不動産売買契約書(甲契約書)に基づく金額ではなく、これとは別に存在する不動産売買契約書(乙契約書)が真正なものと認められるから、同契約書上の金額から実測により減額された金額を差し引いた金額とするのが相当であるとした事例

裁決事例集 第50集 163頁

要旨

 本件土地の譲渡価額について、請求人は、不動産売買契約書(甲契約書)のとおり3,966万円であると主張するが、甲契約書とは別に、譲渡価額を5,020万円とする不動産売買契約書(乙契約書)が存在するところ、[1]買主代表者のメモに実測に基づき54万円を減額する旨の記載があり、5,020万円から同額を差し引くと4,966万円となること、[2]買主の帳簿上、本件土地の支払代金として4,966万円が支払われていること、[3]仲介手数料の額が4,966万円に見合うものと認められること及び[4]買主の代表者の答述によると、甲契約書は仲介業者から裏契約の話を持ちかけられて作成したものであることから乙契約書が真正なものと認められるので、本件土地の譲渡価額は乙契約書に基づく4,966万円とするのが相当である。

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平成7年12月20日裁決

租税特別措置法第35条の居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用を受ける旨の確定申告書を提出した者が、その後に、住宅取得等特別控除の適用を受けるため、居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用を受けない旨の修正申告書を提出することは認められないとした事例

裁決事例集 第50集 13頁

要旨

 請求人は、租税特別措置法第35条の居住用財産の譲渡所得の特別控除を適用して確定申告書を提出したのは錯誤に基づくものであり、当該特別控除の適用を受けないこととした修正申告書は国税通則法第19条により適法であるから、翌年分の住宅取得等特別控除の適用を認めるべきである旨主張するが、請求人の居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用を受ける旨記載した確定申告書は、当該特別控除の適用要件を具備した適法なものであるから、その後において、修正申告書によってその適用を受けない旨に変更することはできず、当該確定申告書の提出に錯誤は認められないから、翌年分については、租税特別措置法第41条第6項の規定により住宅取得等特別控除の適用はない。

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平成7年12月18日裁決

特定の資産の買換えの課税の特例を適用した船舶の譲渡契約に係る対価の額には、内航貨物船に係る建造引当権が含まれており、当該建造引当権の対価の額につき買換えの特例が適用されないとした事例

裁決事例集 第50集 202頁

要旨

  1.  請求人は、原処分庁が認定した建造引当権の対価の額は、推定であり根拠とならず、また、高額である旨主張するが、[1]内航海運業界では、建造引当権を売買の対象とする慣行が存在し、その取引相場に基づき売買されていること、[2]取引実例による1重量トン当たりの建造引当権は、いずれも認定額を上回っていること、[3]解撤業者から請求人の代表者の口座へ別途船体に係る購入価額に相当する対価の額が振り込まれており、本件譲渡契約には船体は含まれていないと認められることから、建造引当権の対価の額につき原処分庁の認定は、相当である。
  2.  したがって、建造引当権の対価の額に相当する金額につき、特定の資産の買換えの課税の特例を適用できないとした原処分は相当である。
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平成7年12月18日裁決

譲渡土地1,567平方メートルのうちゲートボール場として使用されていた397平方メートルは、居住用家屋の敷地に該当しないので、この部分の譲渡については、租税特別措置法第35条の適用がないとした事例

裁決事例集 第50集 140頁

要旨

 請求人は、そもそもゲートボール場は、請求人及び家族が使用するものとして居住用家屋に隣接して設置したものであるから、当該土地も租税特別措置法第35条に規定する「居住用家屋の敷地の用に供されている土地」に該当する旨主張する。
 しかしながら、原処分関係書類及び請求人の答述によれば、ゲートボール場として使用されていた部分の土地について、[1]請求人は、昭和56年9月以降Q町長寿会と無償貸借契約を締結していること、[2]P市長は、昭和56年10月Q町自治会から受けた同場設置の陳情に基づき同場の整地工事を行ったこと、[3]同場の出入口は、居住用家屋の出入口と別であること、[4]請求人は、平成3年1月17日P市長に対し同場の設置されている土地の固定資産税免除申請を行い、[5]市長は、平成3年2月~5年2月までの間総額322千円の固定資産税を免除していること、[6]道具用倉庫は、Q町長寿会の会員が設置管理していることが認められる。
 ところで、租税特別措置法第35条第1項に規定する「譲渡土地が居住用家屋」の敷地に該当するか否かの判定は、社会通念に従い当該家屋と一体として利用されていたか否かにより、具体的には、敷地と当該家屋の位置、面積及び利用状況等を総合して、当該家屋と一体として利用されている土地をいうものと解されるところ、本件ゲートボール場として使用されていた部分の土地は、居住用家屋の敷地の用に供されていた土地に該当しないというべきであるから、当該土地が居住用財産に当たらないとした本件更正処分は、適法である。

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平成7年12月14日裁決

納税者本人の申告行為に重要な関係を有する部門(経理部門等)に所属し、相当な権限を有する地位(課長等)に就いている者の隠ぺい又は仮装の行為は、特段の事情がない限り、納税者本人の行為と同視すべきであり、重加算税の賦課決定処分は適法であるとした事例

裁決事例集 第50集 25頁

要旨

 請求人は、棚卸資産の減額は、請求人の経理課長が行ったものであり、請求人の代表取締役その他の役員は全く関知していないし、過少申告の事実も知らされていなかったとして、重加算税の賦課決定は違法であると主張するが、納税者本人の申告行為に重要な関係を有する部門(経理部門等)に所属し、相当な権限を有する地位(課長等)に就いている者の隠ぺい又は仮装の行為は、特段の事情がない限り、納税者本人の行為と同視すべきであるから、重加算税の賦課決定は適法である。

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平成7年12月6日裁決

本件土地の買主をG社、売買価額を17,130万円と認定した本件更正処分及び重加算税の賦課決定処分は適法であるとして、請求人の主張を排斥した事例

裁決事例集 第50集 35頁

要旨

 請求人は、本件土地を昭和62年10月8日Fに9,935万円で譲渡したにもかかわらず原処分庁は、請求人が同月31日G社に17,130万円で譲渡したとして収入金額を過大に認定しているので、本件更正処分及び重加算税の賦課決定処分は違法である旨主張する。
 しかしながら、原処分関係資料等及び本件土地取引に関与した関係者の答述によれば、次の事実が認められる。

  1.  昭和62年10月8日の売買契約書に記載されている本件土地の地積は、同月10日に実測した面積であり、また、Fは、本件土地に係る短期譲渡所得の申告をしているものの、ごく一部しか納税しておらず、行方不明であること。
  2.  [1]売主側の仲介業者であるLは、本件土地の隣接地が坪当たり1,100万円で売れたので売却を勧め、請求人の夫であるJとG社側の仲介業者であるEの間に入り4~5回交渉の上、坪当たり1,000万円と決めた。[2]Eは、Lからの依頼によりG社が坪当たり1,000万円で本件土地を購入する旨の売買契約を昭和62年10月10日W銀行の応接室で締結し、G社の代表者○○から受領した小切手8,265万円と現金8,865万円をKに渡した。[3]売買契約に立ち会った銀行員であるAは、昭和62年9月下旬にJから坪当たり1,000万円で売却するので、根抵当権の解除と売買契約時の立会いの依頼があり、立ち会った際に勘定した現金は1~2千万円程度の少額ではなく、小切手は預金、現金はJが持ち帰った旨答述していること。

 以上の事実によれば、請求人は、Fを本件土地の買主として介在させ、更に、Fを売主とする虚偽の売買契約書を作成したのであるから、請求人がG社に本件土地を17,130万円で譲渡したと認めるのが相当であるので、本件更正処分等及び重加算税の賦課決定処分は正当である。

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平成7年11月17日裁決

所得税法第212条《源泉徴収義務》第3項の「支払」の意義については、これを実質的に解し、現実に金銭を交付する行為のみならず、その支払債務が消滅すると認められる一切の行為を含むものと解するのが相当であるとして、形式的意味における清算人会の決議に基づく必要があるとする請求人の主張を排斥した事例

裁決事例集 第50集 215頁

要旨

  1.  所得税法第25条第1項第3号の規定は、形式的には、法人の利益配当ではないが残余財産の分配等の方法で、実質的に利益配当に相当する法人利益の株主等への帰属が認められる行為が行われたときに、これを配当とみなして株主等に課税する趣旨である。
     したがって、法人の当該行為が残余財産の分配に当たるか否かについては、商法等の定める手続きを経ているか否かだけでなく、当該行為のもつ経済的効果をも勘案して実質的見地から判断すべきである。
  2.  上記の趣旨からすれば、所得税法第212条《源泉徴収義務》第3項の「支払」についても実質的に解し、現実に金銭を交付する行為のみならず、その支払債務が消滅すると認められる一切の行為を含むものと解するのが相当である。
  3.  協同組合における残余財産の分配は、清算人会が決定することとされている[中小企業等協同組合法第36条の2(理事会)]が、みなし配当として源泉徴収義務が発生する残余財産の分配(支払)のために、常に清算人会の決議が必要と解すると仮に法人の利益が何かの機会に組合員に移転した場合でも、形式的には決議がなければ課税されないことになるが、これは所得税法の解釈として妥当でない。上記中小企業等協同組合法の規定は、組合員や債権者保護のための手続規定であり、決議以前に法人の利益が組合員に移転したような例外的場合における所得税法の解釈にまで影響を及ぼすものではないと解するのが相当である。
  4. 本件残余財産の分配の時期
    1. 平成3年12月の分配
       11組合員に対する貸付金を仮払金と振替処理した平成3年12月10日に当該組合員に対して残余財産の一部442,895千円が分配され、その限度において請求人の残余財産の支払債務が消滅したものと認められる。
    2. 平成4年1月の分配
       平成4年1月13日付の「組合清算金一部仮払いにつきお願いの件」と題する書面を交付した上、同日にG社に対し33,570,000円、同月21日にF社に対し23,535,000円支払っているのは、残余財産の一部の分配であり、各支払時点で請求人の支払債務が一部消滅したものと認められる。
    3. 平成4年8月及び9月の分配
       請求人が、平成4年8月4日、同月20日及び同年9月21日に本件組合員に支払った金員は、同年7月17日の清算人会の承認に基づき本件念書記載のとおり、残余財産の一部を分配したものと認められる。
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平成7年11月17日裁決

滞納会社が売上除外金から取締役に支出した金員は、社員総会において承認の決議を受けた損益計算書には計上されていないことから、職務執行の対価としての役員報酬には当たらず、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡に当たるとした事例

裁決事例集 第50集 265頁

要旨

 請求人は、滞納会社が売上除外金から請求人に支出した金員(本件金員)の性格は職務執行の対価たる役員報酬であると主張するが、滞納会社では社員総会決議によって役員報酬の総額が定められており、社員総会で承認された損益計算書に計上されている金額が役員報酬となるところ、本件金員は、社員総会において承認の決議を受けた損益計算書には計上されていないことから、職務執行の対価としての役員報酬には当たらない。
 そうすると、本件金員の授受は滞納会社から請求人への贈与であり、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡に該当する。
 重加算税の賦課決定処分は課税面の処分であり、徴収面の第二次納税義務に係る告知処分とは全く別の処分であって、国税通則法第102条(裁決の拘束力)第1項の規定には抵触しないから、本件金員を賦課決定の審査請求では役員賞与と認定し、第二次納税義務に係る告知処分では贈与と認定しても違法ではない。

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平成7年11月14日裁決

建物の賃貸借予約契約は、将来の賃貸借契約を締結させる義務を確認するものであり、事実上の賃貸借契約の締結と認めることはできないので、本件土地を貸家建付地として評価することはできないとされた事例

裁決事例集 第50集 235頁

要旨

 請求人は、被相続人が建築中の本件建物について相続開始日前に賃貸借予約契約を締結し、相続開始日後に賃貸借契約を締結したが、その内容は予約契約とほとんど同じであり、予約金が敷金の一部に充当されているので、賃貸借予約契約は本件建物の竣工引渡日を賃料支払開始日とする賃貸借契約であるから、予約日に賃貸借契約が締結されたとみるべきであり、また、最終賃貸人は相続開始日までに独自で行う1階部分の造作工事の発注を行っており、本件建物に自由に立入ることが可能であったことから、少なくとも1階部分については引き渡されていたというべきであるから、本件建物の敷地は貸家建付地として評価すべきであると主張する。
 ところで、貸家建付地とは、借家権の目的となっている建物の敷地として利用されている現況にある宅地でなければならず、原則として、[1]完成した建物が存在していること、[2]賃借人が建物の引渡しを受けて現実に入居していることあるいは契約上の賃貸借開始期日が到来していること及び[3]通常の賃料に相当する金銭の授受があることあるいはその権利義務が発生していること等の要件をすべて具備する建物の敷地をいうものと解することができる。
 しかし、賃貸借予約契約は将来の賃貸借契約を締結させる義務を確認するものであり、事実上の賃貸借契約の締結と解することはできず、仮に、賃貸借予約契約の締結をもって賃貸借契約の締結がされたと判断しても、相続開始日現在、本件建物は完成しておらず、賃料の支払いもされていないので、上記の要件のすべてを具備していないことになる。
 また、最終賃借人の造作工事の工事期間は平成3年9月1日から同年10月15日までと認められるから、相続開始日(平成3年8月10日)以前に本件建物の引渡しを受けて工事を着工していたと認めることはできず、仮に、工事会社が本件建物に立ち入っていたとしても、請求人は平成3年10月16日に本件建物の引渡しを受けたものであるから、最終賃借人が請求人から便宜の供与を受けたものとしか解せず、賃貸借に基づく占有が開始した結果とは認められない。
 したがって、本件宅地を貸家建付地として評価することはできない。

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平成7年11月6日裁決

加算税の賦課決定処分に当たり、その計算の基礎とした「更正処分により納付すべき税額」には、更正により増加する部分の納付すべき税額のほか、更正により減少する部分の還付金の額に相当する税額が含まれ、当該税額の還付を受けたか否かを問わないとした事例

裁決事例集 第50集 1頁

要旨

 請求人は、過少申告加算税の基礎となる更正処分等により納付すべき税額には、「納付義務が存在するところの」という限定をつけて解釈すべきであるとし、本件課税期間の確定申告書に記載した還付金の額に相当する税額である控除不足還付税額の還付を受けていないので、本件更正処分により「減少する部分の税額」となった当該控除不足税額については、納付義務が存在しないこととなり、国税通則法第65条第1項に規定する納付すべき税額ではないことになるから、これを過少申告加算税の計算の基礎として賦課決定処分する根拠はない旨主張するが、同法第65条第1項は、更正等に基づく過少申告加算税は、同法第35条第2項の規定により課される旨規定しているところ、同項及び同法第28条第2項の規定内容から、当該「納付すべき税額」には、同法第28条第2項第3号イの更正により増加する部分の納付すべき税額のほか、同号ロの更正により減少する部分の還付金の額に相当する税額が含まれることは明らかであるから、当該税額の還付を受けたか否かを問わないと解するのが相当である。そうすると、更正により更正前の還付金の額に相当する税額がなくなり、納付すべき税額が生じた場合、過少申告加算税の計算の基礎となる税額は、その更正により生じた税額と、なくなった(消滅した)還付金の額に相当する税額を合計した税額となるところ、本件賦課決定処分は、更正処分により納付すべき税額と消滅した還付金の額に相当する税額を合計した税額を過少申告加算税の計算の基礎としており、請求人の主張には理由がない。

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平成7年10月31日裁決

台風により被害を受けた宅地の擁壁工事の費用の額は、雑損控除の対象とされている「原状回復のための支出」に当たるとした事例

裁決事例集 第50集 102頁

要旨

 原処分庁は、台風により被害を受けた本件宅地の擁壁の工事費用の額については、原状回復のための費用と資本的支出とに明確に区分できない旨主張するが、本件復旧事業は、本件宅地と一体である市道に係る擁壁の復旧事業と同様の形状、材質により行われたことが認められ、当該復旧事業は、位置、形状、寸法、材質を変えずに原形復旧するものであることから、請求人が支出した本件宅地の擁壁工事費用の額は、その全額が原状回復のために支出したものであって、資本的支出の額はないとみるのが相当である。

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平成7年10月30日裁決

バラ出荷設備は、基礎、屋根、壁、柱、窓及びバラ輸送車の搬出口あるいは風よけのためのシャッターで構成され、機械等の蔵置あるいは人の作業の用に供されていることから、建物と認めその耐用年数を適用するのが相当であるとした事例

裁決事例集 第50集 175頁

要旨

 請求人は、そのバラ出荷設備のうち、「上屋及び側壁」、「基礎工事」、「出荷口防風雪設備」及び「タンク架構部分」(以下、これらを併せて「本件各資産」という。)については、出荷設備の一部であり、当該出荷設備全体として機械装置の機能を果たしているのであるから、機械及び装置に該当し、その耐用年数は10年である旨主張するが、本件出荷設備は、[1]基礎工事を施した上、支柱を立て土地に定着させた建造物であり、構造的には本件タンク等を取り囲む形で周囲に支柱があり、この支柱に上屋、側壁及び出荷口防風雪設備をタンク架構部分に直接取り付け、本件タンク等を覆ったものであること、[2]機能的には、物の蔵置に供され、人の作業の用に供されていること、[3]本件出荷設備を倉庫として、残留防止用バラ出荷設備を建築物として登記がなされ、建築物として建築確認がなされていること、[4]不動産取得申告書にバラ出荷棟を取得した旨記載して申告していることから、本件各資産は、本件タンク等に附帯的に取り付けられたものではなく、基礎、屋根、壁、柱、窓及びバラ輸送車の搬出口あるいは風よけのためのシャッターで構成され、機械等の蔵置あるいは人の作業の用に供されていることから、建物と認めその構造に従い35年の耐用年数を適用するのが相当である。

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平成7年10月30日裁決

保証債務の履行に伴う求償権放棄の取消通知が、消滅時効の援用により求償権の行使不能となったとしても、所得税法第152条に規定する更正請求ができないとした事例

裁決事例集 第50集 91頁

要旨

 請求人は、被相続人が昭和63年3月に行った求償権放棄(債務免除)の通知を平成5年1月に取り消したところ、平成5年6月に主債務者から消滅時効の援用により求償権の行使不能となったのであるから、所得税法第152条の規定により昭和62年分の譲渡所得について更正請求ができる旨主張する。
 しかしながら、次の事実からすると、本件求償債権は、被相続人が求償権放棄(債務免除)の通知を行った昭和63年3月で既に消滅していることが明らかであるので、所得税法第152条の規定に該当しないこととなる。したがって、更正をすべき理由がないとした本件通知処分は適法である。

  1.  被相続人が行った求償権放棄(債務免除)の通知書には、[1]金融機関及び関係者と協議の結果、主債務者であるG社の倒産を回避して事業を継続するために被相続人所有の土地を譲渡して、G社の借入金を弁済した、[2]被相続人がG社に有する求償債権36,076千円のうち、14,500千円を放棄する、[3]この結果、G社の財務体質が改善されると思う、旨記載されていること。
  2.  G社は、昭和63年4月期の事業年度で14,500千円を雑収入に計上するとともに、現在まで事業を継続していること。
  3.  民法第519条は、債権者が債務者に債務免除の意思表示をしたときは、当該債権は消滅する旨規定し、この債務免除は債権者の一方的な意思表示により成立し、この意思表示は撤回できないと解されていること。
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平成7年9月21日裁決

本件土地の譲渡収入金額は126,160千円であり、また、G社と本件土地の売買契約の事実がないので、当該契約解除に伴う違約金の支払いがないと認定した事例

裁決事例集 第50集 56頁

要旨

  1.  請求人は、F社から受領した123,372千円のうち、20,000千円はG社との売買契約の解除に伴う違約金であって、本件土地の譲渡収入金額ではない旨主張するが、[1]請求人とF社との間で作成された本件土地の売買価額を126,160千円とする契約書が存在すること、[2][1]の契約書は、請求人が内容を確認した上で署名・押印したものである旨答述していること、[3]請求人は、F社から123,372千円を受領したことを自認していること、[4]G社は、請求人から本件土地を購入したことも、違約金を受領したこともない旨答述していることから、本件土地の譲渡収入金額は126,160千円であり、また、G社と本件土地の売買契約の解除に伴う違約金の支払事実がないと認定して、分離短期譲渡所得金額を24,183千円とした本件更正処分は適法である。
  2.  原処分庁は、請求人が不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した借入金の支払利子のうち、平成2年4月に購入したP市S町所在の貸家(本件貸家)の使用開始までの期間の支払利子は、必要経費に算入できない旨主張するが、[1]請求人は、昭和62年頃から不動産賃貸業務を行っていること、[2]本件貸家の取得も不動産賃貸業務の遂行上行われていること、[3]借入金1億円は、本件貸家の取得のためと認められるので、本件貸家の使用開始までの支払利子5,630千円は、不動産所得の必要経費に算入するのが相当であり、不動産所得の金額は△5,766千円となる。
  3.  以上の結果、請求人の総所得金額は△1,504千円(事業所得4,262千円、不動産所得△5,766千円)となるから、課税短期譲渡所得金額は22,679千円となり、この金額は、本件更正処分額を下回るので、本件更正処分の一部を取り消すべきである。
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平成7年7月31日裁決

譲渡土地は平成元年から耕作放棄されているので、特定の事業用資産の買換特例の適用がないと認定した事例

裁決事例集 第50集 151頁

要旨

 請求人は、平成3年1月に譲渡した農地は親子3人の生活を賄うとともに減反政策にも協力してきたことを考慮し、本件買換特例の適用対象資産に該当する旨主張する。
 しかしながら、租税特別措置法は一定の政策目的で定められた特則・例外規定であるから、その解釈適用は、厳格にされなければならないところ、特定の事業用資産の買換特例は、譲渡資産が事業の用に供されていることを大前提としている。
 ところで、請求人は、水田農業確立対策要綱に基づき、譲渡土地を預託水田として助成金の交付を受けていたが、市道工事の終了した昭和62年頃、譲渡土地に土盛を行い自家用の野菜を植栽し昭和63年11月頃の収穫を最後に耕作を止め、放置していた旨審判所に答述していることから、当該土地の譲渡時(平成3年1月)において、当該土地は事業(農業)の用に供されていないことが明らかである。
 したがって、譲渡土地が租税特別措置法第37条に規定する買換特例の適用対象資産に該当しないとした更正処分は相当である。

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平成7年7月7日裁決

貸室の入居に当たり前賃借人から買い取った造作及び備品の買取費用は、その造作及び備品をすぐ取り壊し、新たな造作を取得したこと等からみて、繰延資産に該当するとした事例

裁決事例集 第50集 190頁

要旨

 前賃借人に支払った造作及び備品の買取費用は、[1]本件貸室は、引渡しを受けた日の翌日から本件造作等の取壊し又は廃棄及び新店舗の改修工事が始まり、請求人が本件造作等を利用した事実はないこと、[2]前賃借人の営業していた麻雀店と、請求人が新店舗にて営業しようとしていたバーとでは業種が全く異なること等から、前賃借人が営業していた麻雀店舗としての本件造作等の利用価値に着目して支出したものではなく、既存の本件造作等を取壊し又は廃棄して、新たな内部造作を施してバーを営業できるという価値に着目しての支出と認められ、実質的には建物の賃借に際して支払う権利金とその性質を異にするものではなく、繰延資産に該当する。

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平成7年7月4日裁決

交換取得土地は棚卸資産であるから、固定資産の交換の特例の適用がないと認定した事例

裁決事例集 第50集 77頁

要旨

 請求人は、平成3年1月に甲土地(昭和28年取得、時価187,825万円)とF社所有の乙土地(昭和63年取得、時価159,660万円)を交換し、28,165万円の差金(時価の20%以内)を取得したのであるから、交換の特例の適用対象資産に該当する旨主張する。
 所得税法第58条に規定する交換特例は、それぞれ1年以上所有する固定資産である同種の資産(交換のために取得したと認められるものを除く)と交換し、交換取得資産を交換譲渡資産と同一の用途に供した場合には、譲渡所得の計算上、交換譲渡資産の譲渡がなかったものとみなされる。
 ところで、審判所が原処分関係資料等を調査したところ、次の事実が認められる。

  1.  F社の開発事業部が昭和61年7月に発議して社内決裁を了した乙土地の取得に係る稟議書によれば、乙土地は商業ビルの請負工事条件付の転売目的で取得する旨記載されていること。
  2.  F社の昭和63年3月期の貸借対照表によれば、乙土地は棚卸資産として計上されていること。
  3.  F社のK総務部長は、乙土地は購入当初から交換時まで棚卸資産であり、固定資産としての利用計画及び固定資産として利用した事実は一切なかった旨記載した確認書を国税局の調査官あてに提出していること。

 以上の事実によれば、F社所有の乙土地は棚卸資産と認めるのが相当であるから、所得税法第58条に規定する交換特例の適用対象資産に該当しないとした本件更正処分は適法である。

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平成7年7月3日裁決

仮換地の指定変更は、土地区画整理事業の遂行の必要性から行われたものではなく、私人間の仮換地の交換に基づく指定変更願により行われたものであるから、租税特別措置法第33条の3の規定の適用はないとされた事例

裁決事例集 第50集 111頁

要旨

 請求人は、租税特別措置法第33条の3(換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例)は、個人が、その有する土地などにつき土地区画整理法による土地区画整理事業が施行された場合において、当該土地等に係る換地処分により土地等を取得したときは、換地処分により譲渡した土地等の譲渡はなかったものとみなす旨規定しているところ、本件仮換地の指定変更は、土地区画整理審議会の委員から公共性のあるもので、所得税の課税関係は生じないと言われて行ったものであり、土地区画整理事業の終了しない段階で行われたものであるから、租税特別措置法第33条の3の規定により譲渡はなかったとみなされるべきであると主張する。
 しかしながら、本件仮換地は指定後10数年の間、特に問題もなく請求人の自動車板金業の敷地として使用されていたものであり、本件仮換地の指定変更は、事業施行者が土地区画整理事業遂行上の必要性から働きかけたものではなく、請求人とF社との間における仮換地が事実上付帯した従前地の交換契約を実現するために行われたものと認められるところ、租税特別措置法第33条の3の規定は、土地区画整理事業施行地内であっても、土地区画整理事業の遂行とは直接関係のない土地等の交換契約を実現するための本件指定変更のようなものまでも、譲渡がなかったとみなす規定ではなく、請求人の主張は採用できない。

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平成7年7月3日裁決

取引先である外国法人の発注に基づき第三者を介して当該法人に販売し、輸出代金を受領している取引は、輸出取引に該当するものの、請求人には、輸出証明書が交付されていないことから、消費税法第7条第1項に規定する輸出免税の適用を受けることができないとした事例

裁決事例集 第50集 257頁

要旨

  1.  本件取引は、取引先である外国法人からの発注に基づき、第三者に納入して当該外国法人から輸出代金を受領していることから、消費税法第7条第1項第1号に規定する輸出取引に該当するものと認められる。
     しかし、輸出免税の適用を受けるためには、輸出取引等を行った事業者は、税関長から交付を受ける輸出の許可若しくは積み込みの承認があったことを証する書類又は輸出の事実を税関長が証明した書類の保存が要件とされているところ、請求人に対して本件取引に関する輸出証明書が交付されていないため、輸出取引に該当するとしても、請求人は輸出免税の適用を受けることはできない。
  2.  請求人は、消費税法施行規則第5条第1項第4号において税関長の証する書類以外であっても取引の事実を証する書類であれば輸出取引を証明するものとする旨の規定をしていることをもって、本件取引も輸出免税の対象となる旨主張するが、本件取引は、同号に規定する取引に該当しないので、請求人主張は採用することができない。

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