裁決事例 裁決事例集 第42集
要旨
請求人は、本件譲渡価額を十分承知しており、また、請求人は、事実を仮装した本件売買契約書を自ら作成し、本件物件譲渡に関し2種類の契約書が作成されていることについても十分承知していた。
したがって、たとえ申告相談の際に本件売買契約書を取り違えて持参したという事情があったとしても、これに基づいて申告した本件においては、過少申告の意図をもって本件売買契約書を提示したか否かにかかわらず、国税通則法第68条第1項の要件を充足する。
要旨
外国のオークションを通じて購入したテーブル3脚及び電気スタンド8台は、[1]美術年鑑等に登載された作者により限定して制作されたものでないこと及び[2]美術館の照明器具や絵画購入者などの来客接待用として事業の用に供することによりその経済的価値は減少するものと認められることから、減価償却資産に当たるとするのが相当である。
要旨
納税告知は、既に確定した納付すべき源泉所得税の額を明らかにするとともに納税義務を履行するよう請求する処分であり、不納付加算税の賦課決定は同税の納税義務の確定を目的とする処分であるのに対し、差押えは既に確定している納税義務の強制的な履行を目的とする処分であるから、本件納税告知等と本件差押えとは、それぞれ別個の法律効果を目的とする独立した行政処分であり、したがって、仮に本件納税告知等に違法があったとしても、当該納税告知等が無効となるような重大かつ明白なかしがない限り、そのことにより本件差押えが違法となるものではないと解すべきであるところ、請求人は、本件滞納国税の額の確定に誤りがあり、これに基づく本件納税告知等が違法であることを理由として本件差押えの取消しを主張するが、本件納税告知等に重大かつ明白なかしはなく、かつ、その取消しもなされていないことが認められ、また、本件差押え自体については、国税徴収法第47条及び第73条の規定に基づいて適法になされていることが認められるから、本件納税告知等の違法を理由として本件差押えの取消しを求める請求人の主張は、失当である。
路線価の付されていない私道に接する宅地の価額は、その私道と状況が類似する付近の道路に付された路線価に比準してその私道の仮路線価を評定し、その仮路線価に基づき計算した価額によって評価するのが相当であるとした事例
裁決事例集 第42集 229頁
要旨
請求人は、本件私道に付される仮路線価は、いわゆる「基準価額」と同額とすべきである旨主張するが、この「基準価額」は、本件私道そのものが宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額であるから本件私道の仮路線価とすることは相当ではない。
そこで、本件私道の仮路線価は、本件私道と状況が類似する本件私道の北側に位置する道路に付された路線価を基として、道路の幅員、舗装の状況などの物理的状況及び上下水道、都市ガスの付設の有無などの経済的状況等を比較検討して求めるのが相当と認められる。
したがって、本件宅地の価額は、以上の方法によって求められた本件私道の仮路線価を基に算定すべきである。
給与所得者の特定支出(受講する研修)について、その活動の実態は、現地において教授陣と討論会を行ったり、国際会議に出席するなど、専ら、自らの調査研究のためと認められるところから、特定支出には該当しないとした事例
裁決事例集 第42集 54頁
要旨
所得税法第57条の2第2項第3号でいう「受講する研修」とは、第三者が自己の有する技術又は知識を不特定多数の者に習得させることを目的として開設されている講座等において、その第三者から訓練又は講習を受けることにより、その技術又は知識を習得する、いわば受動的立場での研修をいうと解するのが相当である。
請求人の海外における諸活動は、当初から定められたカリキュラム等に従っていたものではなく、地域的にも相当広範囲に行動しているなど、全体として、第三者が自己の有する技術又は知識を不特定多数の者に習得させることを目的として開設されている講座等において、その第三者から訓練又は講習を受けることによりその技術又は知識を習得するためのものとは認定できず、更に、請求人が海外の諸活動において習得した技術又は知識は、訓練又は講習を受けることにより習得できるものではないと認められるから、請求人の海外における諸活動は、本件研修には該当しないと認めるのが相当である。
要旨
請求人は、滞納国税が譲渡所得に起因するものであるところ、本件譲渡所得を請求人の所得として確定申告したのは、本件譲渡所得の真の所得者であるA男からの依頼があったためであり、本件滞納国税はA男から徴収すべきであるから、請求人の財産に対して行った差押えは違法である旨主張するが、所得税は、申告納税方式をとっているところ、申告納税制度における課税標準、税額等の申告は、納税者たる私人のする行為であるが、これに対しては、納付すべき税額の確定等公法上の法律効果が付与されており、したがって、納税義務者が第三者に帰属する所得を自己の名義で納税申告することは法の全く予定していないところであり、納税申告は、外観上一見して当該納税義務者本人のものでないと判断できるような場合でない限り、当該納税義務者本人に対して、納税義務の確定という公法上の法律効果を及ぼすものであって、その他の第三者に納税義務が生じることはないし、また、滞納処分は、それに先行する確定申告に係る行為とは別個独立の行政処分であるから、当該納税義務者に係る税額が確定申告により一応形式的に確定している場合には、確定申告書の記載内容のかしが客観的に明白、かつ、重大である場合を除いては、当該確定申告に、仮にかしが存するとしても、滞納処分が違法となることはないと解するのが相当であるところ、本件滞納国税が本件譲渡所得に起因するものであり、仮に、本件譲渡所得がA男に帰属すべきものであったとしても、本件申告書に重大かつ明白なかしがない以上、請求人以外の第三者であるA男が本件申告書により確定した税額の納税義務者となることはあり得ないのであるから、請求人の財産に対して行った差押えは違法である旨の請求人の主張には理由がない。
本件特別奨励金は、雇用開発促進地域の雇用開発を促進するために支給されたものであっても、法人税法第42条第1項に規定する国庫補助金等には該当しないとした事例
裁決事例集 第42集 141頁
要旨
請求人は、本件特別奨励金は事業所を設置又は整備することを目的として交付され、それには固定資産の取得又は改良することをも含んでいるから、本件特別奨励金は法人税法第42条第1項に規定する国庫補助金等に該当すると主張するが、本件特別奨励金は、雇用の拡大及び雇用の安定を図るために必要な助成及び援助の事業として支給されるものであり、事業所の設置又は整備に要した費用の額は、雇用対象者数に応じた支給額の限度として定められているにすぎない。また、当該費用には、動産等の賃借費用も含まれており、雇用労働者数が減少した場合には、その後の支給を停止することとしているので、本件特別奨励金は、固定資産の取得又は改良のみに充てられることを要件としているものではない。
要旨
本件林道工事はP県の補助事業として5か年計画による単年度予算に基づく単年度事業として行われているので、当該林道工事に係る受益者負担金額は、単年度工事請負契約を締結した後に、その請負金額(工事金額)を基に受益者に対して納入通知することによって確定するもので、当該工事の施行決定によって確定していたとは認められない。したがって、相続開始の日までに納入通知が発行されていない本件受益者負担金については、相続税の課税価格の計算上債務控除することはできない。
数筆の宅地によって形成されている本件土地の評価は、各筆ごとに行うべきではなく、また、本件ため池について、原処分庁が現況により、本件ため池の価額を宅地比準方式によって評価したことは相当であるとした事例
裁決事例集 第42集 199頁
要旨
請求人は、8筆の宅地によって形成されている一画地の本件土地の価額を評価する場合には、各筆の固定資産税評価額の合計額を基に評価する方法を認めるべきである旨主張するが、利用状況からすると、本件土地の価額は、二つの区画に区分して評価するのが相当である。
また、本件のため池について、固定資産税が非課税であるとしても、現況が「公共の用に供するため池」でなく、開発規制もないこと、更に、本件ため池の一部が相続開始後に譲渡されている事実からすると、原処分庁が本件ため池の価額を宅地比準方式によって評価したことは相当である。
請求人の従業員は、青色事業専従者である配偶者のみであるところ、従業員等のレクリェーションのため慰安旅行をし福利厚生費として処理したが、サラリーマン家庭が行う通常の家族旅行と何ら異なる点は認められないとして否認した事例
裁決事例集 第42集 44頁
要旨
請求人は、本件慰安旅行費用のうち、請求人及び事業専従者である配偶者に要した費用は、従業員等のレクリェーション費用として必要経費の額に算入される旨主張するが、[1]本件旅行は、家族4人のみで毎年8月に、配偶者及び子女の都合・希望を聞いて実施されており、サラリーマン家庭が行う通常の家族旅行と何ら異なる点は認められないこと及び[2]本件以外にも同様の旅行を実施しているのに、本件旅行費用のみ必要経費になるとした理由も明らかでないことから、本件旅行は、他の企業が実施している従業員のための慰安旅行と変わらないという請求人の主観的理由のみで事業に関連性を持たせ、必要経費に該当すると判断したにすぎず、客観的にみて事業遂行上必要なものであるかが明らかでなく、通常の家族旅行との相違点も認められないため、家事上の経費と判断するのが相当である。
固定資産課税台帳に登録された価額のない土地の登録免許税の課税標準額は、近傍宅地の価格を基にその土地の状況を考慮して算定した価格によるのが相当であるとした事例
裁決事例集 第42集 237頁
要旨
固定資産課税台帳に登録された価額のない本件土地の登録免許税の課税標準額について、原処分庁は近傍宅地の単位当たりの価格に本件土地の面積を乗じた金額と認定しているが、近傍宅地と本件土地が類似しているとは認め難いので、近傍宅地の価格を基に本件土地の状況を考慮した価額によって登録免許税の課税標準の金額を認定するのが相当である。
要旨
請求人は、本件上場株式の相対取引の1株当たりの価格を一般に公正妥当と認められる時価すなわち証券取引所が公表した最終価格(公表価格)によらなかったことについて、特段の事情の存することの具体的主張と資料の提出をする必要があると解されるところ、請求人は証券会社に相談の上、公表価格から200円引きしたと主張するのみであるから、特段の事情があったと認めることはできず、本件相対取引の適正価格は、一般に妥当な本則に返って公表価格と認定せざるを得ない。
なお、本件株式の公表価格がM&A目的下の価格であること及び大量注文を出せば当然下落することの事情については、単に憶測、仮定の域を出ず、かえって、本件株式の公表価格が本件取引日以降大勢として、常に当該公表価格以上を維持していた事実からすると、特段の事情に当たらないというべきである。
要旨
国税通則法第23条第2項第1号の「判決」は、申告等に係る課税標準又は税額等の計算の基礎となった事実についての、私法行為又は行政行為上の紛争を解決することを目的とする民事事件の判決を意味し、犯罪事実の存否範囲を確定するにすぎない刑事事件の判決は含まれない。
要旨
内航船舶に係る建造引当権の実質は就航権をあらわすものであるから、建造引当権を事業の用に供した時とは、建造引当権付きの船舶を実際に就航させた時又は代替船舶を発注した時とみるのが合理的であるところ、請求人が取得した建造引当権は当期中に事業の用に供したとは認められないから、本件建造引当権に係る減価償却費を損金の額に算入することはできないとした原処分が相当である。
買換えにより取得した診療所の事業使用面積及び診療所の内装工事金額の事業使用面積については、請求人の主張に理由がなく、また、内装工事については、その内装工事をした事実がないとした事例
裁決事例集 第42集 170頁
要旨
- 取得した建物の事業使用面積106.5平方メートルのうち、現在台所と納戸として使用されている部分については、いずれも本件建物の裏手の居住専用玄関を入った一角に位置する台所と階段を上がった2階に位置する納戸となっており、診療室からは直接通じる構造にはなっていないこと、また、台所は待合室らしい造りとはなっていないこと及び納戸にはリハビリ用の器具備品も設置されていないこと等から、診療室(一角に患者専用の待合室が設けられている)のみが専ら事業に使用されていたとするのが相当であり、事業使用面積は、72.87平方メートルが相当である。
- 関係人の答述によれば、内装工事をしたとするA社は、昭和61年4月11日会社更生手続開始の申立てを行い、昭和63年1月13日に至り更生手続の廃止が決定され、破産した。また、会社更生法の申請時から操業を停止し、閉鎖したままであった。
また、A社の領収証は、番号を付しており、市販の用紙を使用することはなかったにもかかわらず、請求人提出の本件内装工事に係るA社発行の領収証は、市販の領収証であった。
以上のとおり、請求人は、本件内装工事を行ったとする主張を認めるに足る証拠を何ら提出せず、また、関係人の答述等からも明らかなとおり、本件内装工事代金を買換対象金額に算入することはできない。
要旨
請求人は、本件現物出資により出資の価額は現物出資前より増加しているものの、その価額は実際の取得価額に満たないから、本件現物出資により利益を受けていない旨主張するが、時価より著しく低い価額で現物出資があった場合に利益を受けたか否かは、現物出資後における出資の価額とその前の価額との差額によって判断すべきである。
駐車場として貸し付けていた本件土地は、事業に準ずるものの用に供する資産として政令で定めるものに該当せず、租税特別措置法第37条第1項の規定の適用は認められないとした事例
裁決事例集 第42集 271頁
要旨
本件土地の駐車場としての貸付状況等は、[1]貸付契約が専ら口頭によるものであって契約書の作成もなく、契約期間の定めもないこと、[2]駐車場に係る施設等は、砕石敷き、フェンス、ラインロープ及び立て看板等であること、[3]貸付期間は昭和59年7月から昭和62年2月までで、貸付台数は2台から4台、各年の利益(収入金額から固定資産税、減価償却費等の経費を控除した金額)は、昭和59年が△15,451円、昭和60年が1,345円、昭和61年が27,155円であること等から、本件土地の貸付けは、租税特別措置法施行令第25条第2項に規定する「事業と称するにいたらない不動産の貸付け・・・で・・・相当の対価を得て継続的に行う」ものには該当せず、したがって、本件土地については租税特別措置法第37条第1項の規定の適用は認められない。
裁判所の関与なくなされた当事者間の合意は、国税通則法第23条第2項第1号の更正の請求の事由(判決と同一の効力を有する和解その他の行為)には該当しないとした事例
裁決事例集 第42集 1頁
要旨
国税通則法第23条第2項第1号の「判決と同一の効力を有する和解その他の行為」とは、国家機関としての裁判所がする私人間の紛争の法律的解決のための民事訴訟手続等におけるものを意味し、かつ、これに限定されている。
顧問契約を締結している税理士が、重加算税の課税要件を満たす過少申告をした場合、これを請求人が認識していたか否かにかかわらず、請求人は重加算税を負うとした事例
裁決事例集 第42集 13頁
要旨
税理士が、請求人に代わって行った税務申告等の行為は、納税義務者である請求人が行ったと同様に扱われるべきであるから、これに付随する重加算税の責任も、請求人が本件確定申告について不適正であることを認識していたか否かにかかわらず、当然請求人が負うと解すべきである。
要旨
請求人は、C社から請求人に対し漁業共同組合を通じて支払われた空港建設事業に係る漁業補償金の配分額のうちには、漁業に従事する長男に帰属する金額が含まれていると主張するが、[1]漁業協同組合の配分は、同漁協の配分委員会で、組合員等について個々に決定され、それぞれ受領していること、[2]漁業補償金の配分額の訂正は、請求人のし意に基づき行われたこと、[3]請求人は、漁業者であるが、長男は、配分額の決定前は請求人の扶養親族であり、刺網漁業の許可を受けたのは組合員への配分額が確定する直前であること、[4]配分額は請求人が受領しており、その中から長男に支払った事実がないことから、請求人に帰属する本件漁業補償金は、配分委員会で決定された配分額であると認めるのが相当である。
要旨
[1]本件有価証券は、本件覚書により被相続人から被相続人が会長であったE社に贈与されており、請求人らの相続財産となるものではない旨、及び[2]被相続人のF社に対する本件貸付金債権は、本件覚書により被相続人がF社に対して放棄しているので、請求人らの相続財産となるものではない旨の請求人らの主張について、認定事実に基づき判断すると、[1]本件有価証券は、被相続人がその配当金を受領していることから、相続開始前においては被相続人により管理運用されていたものであり、本件有価証券中、(a)請求人が相続開始前に売却した贈与株式は、当初覚書(本件覚書が作成される前に作成されたもの)の記載等から、同人が被相続人から贈与により取得した後に売却したものと認めるのが相当であって、贈与株式の価額は、相続税法第19条“相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額”の規定により請求人が取得した相続財産に加算すべきであり、また、(b)遺贈株式は、当初覚書の文面等から、被相続人と請求人A男及びB女(A男とB女を併せて「分家」という。)間において遺贈株式は被相続人の相続開始後分家の所有とする旨の合意がなされていると認められるので、A男及びB女に対し死因贈与がなされたと認めるのが相当であり、[2]本件貸付金債権は、相続開始日現在F社の借入金勘定に計上されていること及び当初覚書にはその帰属配分についての記載がないことから、請求人らに対する未分割の相続財産とするのが相当である。
寄付金と認定されたグループ3社の共同社員旅行に係る請求人の負担額は、著しく合理性を欠く配分によるものであるとは認められないから、その全額が福利厚生費として損金の額に算入されるのが相当であるとした事例
裁決事例集 第42集 128頁
要旨
企業グループに属する関係会社が共同して行事を行う場合、その共同行為により生じた経費は、合理的な基準により関係会社に配分されることを要するが、その配分比率は、必ずしも算術的に平等である必要はなく、合理的な理由がある限り、傾斜配分することも認められるものと解されるところ、本件グループ3社の共同社員旅行は、その目的・規模・行程、従業員の参加割合・負担額等からみて、社会通念上一般的に行われているレクリェーションのための旅行であること、その一人当たりの費用も通常要する額を著しく上回るものとは認められないこと、及びグループの中心となる法人が企画立案等を行っていることを総合すると、請求人の負担額は、著しく合理性を欠く配分によるものであるとは認められない。
譲渡物件は、譲渡時まで約1年10か月の間空閑地であったが、譲渡に至る経緯等を総合すると、いまだ事業用資産としての従前の性質を失っていなかったと判断されるが、しかしながら、本件買換物件の賃貸料の額は相当の対価とはいえず、したがって、本件買換物件は事業用資産には該当しないので租税特別措置法第37条第1項の規定の適用は認められないとした事例
裁決事例集 第42集 259頁
要旨
譲渡物件のうち、甲土地上にあった共同住宅がすべて取り壊され、譲渡時まで約1年10か月の間空閑地のままであったが、譲渡に至る経緯等を総合すると、この期間は「相当の期間」の範囲を超えていないものと認められるので、本件土地は、譲渡時には事業用資産としての従前の性質を失っていなかったと判断されるが、しかしながら一方、買換資産として取得した貸店舗の年間賃貸料1,200,000円は、取得価額の0.3パーセントにしかならず、普通預金の利率に比しても極めて低廉であり、かつ、本件賃貸料の額から固定資産税及び借入金利息を控除すれば利益が生じないことが明らかであるから、相当の対価とはいえず、本件買換物件は事業用資産には該当しない。したがって、租税特別措置法第37条第1項の規定の適用を認めなかった原処分は相当である。
要旨
請求人と得意先の代表者等との間におけるコミッション及びロイヤリティ契約は、得意先の代表者等が所有するブランド商品の販売に係るコミッションないしロイヤリティの支払に関して、請求人と得意先の代表者等との間で正当に取り交わされたものであると認められるから、この契約等に基づき、請求人が当該ブランド名を使用して商品販売を行ったことによりそのコミッションないしロイヤリティとして支払った手数料及び販売した商品のクレーム費用は、交際費等には該当しない。
要旨
墓石業者等は、それぞれ相当以前から請求人との間で取引を行っており、それぞれの業界における寺院との取引に確立した商慣習に従って本件謝礼金を支払っているものと認められ、しかも請求人が請求人の檀家からの要請があれば墓石業者等へ取り次ぐこととしていることからして、周旋業を営んでいるとするのが相当である。
豪雨により水浸しになった帳簿を誤って廃棄した場合には、やむを得ない事由があるから青色申告の承認の取消は裁量権を逸脱した違法なものであるとの請求人の主張を排斥した事例
裁決事例集 第42集 147頁
要旨
請求人主張の経緯で帳簿が紛失したとしても、請求人は帳簿書類を防水措置を講ずることなく収納していた等、日ごろから帳簿書類の保存について十分な配慮をしていたとはいえず、漏水で帳簿が水浸しになった後も適切な措置を講じていなかったことなどからすると、本件帳簿の紛失は、請求人の責めに帰することのできないやむを得ない事由に基づくものとはいえない。
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