裁決事例 裁決事例集 第12集

裁決事例 裁決事例集 第12集

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昭和51年7月7日裁決

借地権を消滅させ更地として譲渡した土地の概算取得費は総収入金額から借地権相当部分の収入金額を控除して計算すべきであるとした事例

裁決事例集 第12集 61頁

要旨

 請求人が、昭和22年から土地を賃貸していた借地人に対して立退料名義の金員を支払って借地権を消滅させ直ちに更地として他に譲渡したため、底地の譲渡による所得は長期譲渡所得、借地権相当部分の譲渡による所得は短期譲渡所得に該当することとなった場合における長期譲渡所得の概算取得費については、譲渡収入金額から借地権相当部分の収入金額を控除した長期譲渡所得に係る底地部分の収入金額に100分の5を乗じて計算するのが相当である。

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昭和51年6月30日裁決

会社の休業中における土地譲渡収入を代表者個人名義預金に入金したことが事実の隠ぺいに当たらないとした事例

裁決事例集 第12集 5頁

要旨

 休業中の請求人が土地譲渡収入を代表者の個人名義預金に入金していたが、原処分庁からの照会に対して請求人名義で譲渡先、譲渡金額等を記入した回答書を提出していることは、譲渡代金が請求人に帰属していることを実質的に回答したものであり、係官の調査に対しても譲渡代金の預金先を回答している。また、確定申告書を法定申告期限までに提出しなかったことについても、請求人が休業後相当の期間を経過していてその間帳簿等の整理も十分でなかった等のためであることが認められるので、土地等を譲渡した事実を隠ぺいして確定申告書を提出しなかったとして重加算税を賦課決定したことは相当でない。

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昭和51年6月15日裁決

帳簿書類の一部のみを提示し、事後一切提示の求めに応じない者について青色申告の承認を取り消した事例

裁決事例集 第12集 13頁

要旨

 原処分庁が、青色申告者である請求人の昭和47年所得税について調査する必要があると認められたので調査を行ったところ、請求人は第1回の調査に際して金銭出納帳1冊を提示したが、その後の7回に及ぶ調査に際しては、原処分庁職員の帳簿書類の提示の求めに応ぜず、帳簿書類を提示しないことについては正当な理由が認められない。したがって、その提示しない時において請求人には帳簿書類の備付け、記録又は保存がないといえるから、その事実は所得税法第150条第1項第1号に掲げる青色申告の承認の取消し事由に該当するものである。

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昭和51年6月9日裁決

売買価額が国庫補助金相当額を圧縮記帳した簿価相当額であっても低額譲受けに当たらないとした事例

裁決事例集 第12集 21頁

要旨

 中古建物の売買取引においては、公正な市場価額の認定が困難であるところから、減価償却後の簿価による方法も慣行として一般的に肯定されているが、中古建物の譲受けが国庫補助金相当額を圧縮記帳後の取得価額を基礎として減価償却した後の帳簿価額によってなされた場合においても、当該価額が実際取得価額(圧縮記帳前の価額)を基礎として減価償却の計算をしたところによる原処分庁の認定額及び鑑定価額と比し著しい開差がないこと並びに請求人が資産を取得した経緯等を併せ考慮すると、当該譲受価額は取得した時の時価として不相当であるということはできない。

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昭和51年5月26日裁決

在外支店を経由して取り入れたユーロダラーに付すべき支払利息の利率は在外支店が借入依頼を承諾した日のロイターレートによるとした事例

裁決事例集 第12集 29頁

要旨

 金銭消費貸借に係る利率の約定は、一般的に契約の際当事者間において取り決められるところである。請求人がロンドン支店にユーロダラー資金調達による借入れを依頼するとき希望利率を申し入れ、ロンドン支店が当該借入依頼を承諾したときには貸付利率を示しており、当事者間の約定は、ロンドン支店が承諾した日に成立したものと認めるのが相当であるから、国内源泉所得に係る売上原価とすべき当該借入資金に係る支払利息は、支店間の約定が成立した日のロイターレートによることが相当である。

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昭和51年5月12日裁決

建築資金について贈与の事実がないとした事例

裁決事例集 第12集 35頁

要旨

 新築された居宅について、建築確認申請書及び固定資産課税台帳の名義は被相続人と請求人との連名となっているが、本件居宅の建築に際しては、被相続人から直接建築業者に対して注文がなされ、建築業者が被相続人の確認を受けた上で設計及び費用が決定されたこと、建築確認申請を請求人と連名でしたのは被相続人が老齢であったためであること、建築費用の支払に対する領収書のあて名はすべて被相続人名義となっていること等が認められることから、被相続人から請求人に資金贈与がなされ、かつ、被相続人と請求人とが共同で建築した事実を認めるに足る証拠はない。また、請求人は相続税の申告に当たり、本件居宅のすべてを被相続人の相続財産としていることからも、被相続人と共同建築したとの認識はなかったものと認められ、被相続人が単独で建築したとみるのが相当である。

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昭和51年4月30日裁決

中間省略登記の合意があっても、中間取得者に代位して原処分庁がした移転登記及び差押登記は適法であるとした事例

裁決事例集 第12集 47頁

要旨

 滞納者である請求人は本件田地等をAから取得し、それをBに譲渡したが、農地売買契約公正証書によれば、AはBの請求により仮登記に応ずる旨が規定されており、請求人とA、Bとの間に中間省略登記の合意が成立していることがうかがわれるが、中間省略登記の合意が成立している場合の中間者の登記請求権及び中間者の債権者による代位登記については、中間者は当然に登記請求権を失わず、中間者の債権者による代位登記は許されると解されているから、債権者たる原処分庁が請求人に代位してAから所有権移転登記承諾書の交付を受けて、停止条件付所有権移転仮登記を法務局出張所に嘱託の上、それについて差押処分を行ったことは適法である。

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昭和51年4月26日裁決

譲渡制限の存する信用組合の組合員の持分に対する差押えを適法とした事例

裁決事例集 第12集 51頁

要旨

 請求人である信用組合は、中小企業等協同組合法に基づくものであって、その組合員の持分の譲渡出資口数の減少については、組合の承諾を要する旨、その定款に規定されている。しかし、その持分は金銭的価値を有する財産権であり、その投下資本の回収ができることが認められたものであり、持分の譲渡について組合の承諾が必要であるとした趣旨は、本来譲渡性を有する持分の性格と人的結合体としての組合の閉鎖性との調和を図ったにすぎないものであって、持分の譲渡性を完全に否定したものとは解されない。
 したがって、滞納者が請求人に対して有する持分は国税徴収法第73条の「合名会社の社員の持分その他第三債務者等がある財産」に該当するので、本件持分に対する差押えは適法である。

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昭和51年4月22日裁決

競落代金納付前の競落土地の権利(いわゆる競落権)の譲渡は租税特別措置法(昭和55年法律第9号による改正前のもの)第63条の土地譲渡に該当するとした事例

裁決事例集 第12集 67頁

要旨

 競売によって土地を競落した後、競落代金を裁判所に支払う前に、いわゆる競落権を第三者に譲渡した場合においても、譲渡契約の目的物は競落土地の所有権であることが当事者間において認識され、売買代金は、当該土地の時価によっていることなどの事実からみれば、当該権利は独立した取引の対象としての財産的価値を有し、その譲渡は実質上土地の売買と変わりないものと認められるから、土地譲渡益重課の対象となる。

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昭和51年4月15日裁決

売買契約をした農地の移転許可前に買主に相続が開始した場合、相続財産は農地ではなく前渡金であるとした事例

裁決事例集 第12集 41頁

要旨

 請求人が被相続人から相続により取得したと主張する農地については、昭和47年6月20日付の売買契約がなされ、同年8月31日までに代金の全額が支払われている事実が認められるが、農地法上の権利移転についての許可は相続開始の日である昭和47年9月4日より後の昭和48年6月11日付でなされているから、相続開始の日において被相続人が当該農地の所有権を取得していないことは明らかである。
 この場合において、被相続人は既に支払済みの本件農地の代金の額及び仲介手数料の額に相当する債権を有していたことになるから、相続財産は農地ではなくて本件農地に係る前渡金であるとするのが相当である。

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