裁決事例 裁決事例集 第21集

裁決事例 裁決事例集 第21集

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昭和56年3月31日裁決

法定納期限後になされた源泉所得税の納付について国税通則法第67条第1項に規定する正当な理由が認められないとした事例

裁決事例集 第21集 8頁

要旨

 積雪寒冷地においては、冬季の天候不順による航空機の遅延・欠航等は通常発生し得るものであり、少なくとも週に一度以上航空機を利用する請求人にとっては、このことを考慮して、あらかじめ法定納期限内に納付できるよう必要な措置を家族ないし事務所員に指示しておくことは、社会通念上当然のことと認められるから、請求人が航空機の遅延によって源泉所得税を法定納期限までに納付できなかったことについては、国税通則法第67条第1項に規定する正当な理由がある場合に当たらない。

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昭和56年3月31日裁決

駐車場として賃貸していた土地の譲渡所得について租税特別措置法第37条第1項の規定の適用は認められないとした事例

裁決事例集 第21集 257頁

要旨

 譲渡した土地は、前年7月から駐車場として賃貸していたが、当該土地の譲渡契約締結の話合いの状況及び当該土地の上に建設されるマンションの建設計画の進ちょくの状況に照らし当該賃貸は一時的なものにすぎず、相当の対価を得て継続的に行う事業に準ずるものに該当するとはいえないから、租税特別措置法(昭和55年法律第9号による改正前のもの)第37条第1項の規定の適用は認められない。

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昭和56年3月27日裁決

使途不明金と認定された取引先の板前等に対する手数料の一部について販売促進費ではなく交際費等として損金算入を認容した事例

裁決事例集 第21集 146頁

要旨

 原処分において使途不明金として認定した取引先の板前等に対して支払った本件手数料のうち、板前等の一部の者に係る手数料については、領収書等によりその板前等に支出した事実が認められ、その支出は取引を円滑に行う目的で支払われたものであり、かつ、その金額は売上金額に比例したものでないこと、また、販売額の還元金として取引先である旅館等に支払われたものでないことが認められるところから、請求人の主張する販売促進費ではなく交際費等として損金算入を認めるのが相当である。

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昭和56年3月25日裁決

共有建物の建築資金のうち請求人に対応する金員は夫からの贈与によるものであるとした事例

裁決事例集 第21集 167頁

要旨

 本件Aハイツの建築資金には、請求人の夫が同人名義の不動産を担保に融資を受けた銀行借入金及び同人名義の預金が充てられており、当該Aハイツから生ずる収入金もすべて請求人の夫名義の預金に入金しているから、当該Aハイツの真の所有者は請求人の夫であり、当該建築資金の贈与を受けていない旨の主張について、[1]夫名義の口座にAハイツの収入金を入金しているのは銀行からの借入金の返済等のためにされたものと認められること、[2]建築工事請負契約及び建築確認申請書が請求人を含む受贈者3名の名義でなされていること、[3]固定資産税は請求人等に課税され、何の異議も述べていないこと等を総合勘案すると、請求人等は、請求人の夫から建築代金支払の都度、その資金の贈与を受けたと認めるのが相当であり、請求人等の各持分は、請求人等の間で何ら取決めがなく、かつ、持分登記がないので、民法第250条“共有持分の割合”の規定に基づき、各3分の1とするのが相当である。

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昭和56年3月20日裁決

化粧品の特約店等の店舗内に化粧品メーカー等が設置した広告宣伝用資産は無償貸与されたものではなく受贈益に該当するとした事例

裁決事例集 第21集 81頁

要旨

 請求人と化粧品メーカー等との間で締結されたコーナー設置契約に、契約が終了したときは各化粧品メーカー等に本件広告宣伝用資産を返還する旨の定めがあるとしても、当該契約は化粧品メーカー等が当該資産を請求人に贈与し、中途解約又は倒産等の一定の解除条件が成就した場合には当該資産を請求人から各化粧品メーカー等に返還するという内容を含んだ解除条件付贈与契約とみるのが相当であると認められることから、当該資産は請求人に無償で貸与されているものではなく、請求人が当該資産を贈与により取得したものとしてその経済的利益の額を益金の額に算入すべきであるとした原処分は適法である。

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昭和56年3月20日裁決

職務に直接関与しない清算人に対する第二次納税義務の告知処分について適法であるとした事例

裁決事例集 第21集 231頁

要旨

 清算人としての職務に関知していないことを理由に第二次納税義務の告知処分の取消しを求める旨の主張について、滞納会社の解散に関する事務手続に清算人が直接関与せず他に委任している事実を認めることができるとしても、正規の手続に基づく清算報告書が作成されている以上、同報告書に記載された残余財産の分配に係る金額が単に形式的に算出されたものとは到底いえないことなどから、当該滞納会社の租税債務を履行せずに残余財産の分配をした清算人に対する原処分庁のした第二次納税義務の告知処分は適法である。

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昭和56年3月10日裁決

旧会社における勤務月数を計算の基礎に含めた使用人賞与についてその全額を新会社の損金に算入すべきものとした事例

裁決事例集 第21集 140頁

要旨

 旧会社(合資会社)の解散の翌日において設立され、旧会社の従業員のうち相当数の者を雇用した新会社(株式会社)が、旧会社から引き継いだ使用人に対し、設立後1か月以内に支給した賞与について、旧会社の就業規則には賞与の支給に関する支給対象期間、支給時期及び支給額の定めがないこと、したがって、旧会社は解散の時において退職使用人に対する賞与の支払債務を負っていたものとは認められないことから、当該使用人に対する賞与を設立後1か月以内に支給したとしても、当該賞与は新会社においてその総額を決定し、各人別の金額を確定されたものであると認められ、新会社が当該賞与の全額をその支給した日を含む事業年度の損金の額に算入したのは相当であって、当該使用人賞与額の一部を、新会社が旧会社において支給すべき賞与を支給したものとして、旧会社に対する贈与であると認定したのは相当でない。

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昭和56年3月5日裁決

買換資産として取得した農地が自己の農業の用に供されていない場合の譲渡所得について租税特別措置法第37条第1項の規定の適用は認められないとした事例

裁決事例集 第21集 249頁

要旨

 農業所得を有する者とは、自らが耕作の方法等を決定して耕作し、又は他人に耕作させ、その耕作の結果生じた利益なり損失を自己に帰属させる者をいうと解すべきところ、請求人は本件買換資産たる農地につきその耕作を他人に一切まかせて、単に小作料に相当する玄米を受け取っているのみであるから、これによる所得は農業所得とするのは相当でなく、したがって、本件買換資産は自己の農業の用に供している農地とは認められず、租税特別措置法(昭和53年法律第11号による改正前のもの)第37条第1項の表第5号に規定する買換資産に該当しないので、本件の譲渡所得については同項の規定の適用は認められない。

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昭和56年3月3日裁決

申告後に改正された通達を根拠として法定の期限経過後になされた更正の請求は、不適法であるとした事例

裁決事例集 第21集 1頁

要旨

 原処分庁の申告指導により、昭和52年分の分離短期譲渡所得の金額について、譲渡資産の取得に要した借入金の利子を取得費に算入しないで確定申告をしたところ、その後の通達の改正により当該借入金利子は取得費に算入することに変更されたことに伴い、当該確定申告は過誤のあるものとなったが、その過誤につき請求人に何らの過失はなく、したがって、本件更正の請求は国税通則法第23条第2項の規定に基づく適法なものであるとすべきであり、仮に、当該更正の請求が期限後によるもので不適法であるとしても、原処分庁には申告の過誤を是正すべき職責があり、これをしないのは違法又は不当である旨の主張について、請求人の主張するような抽象的な基準の変更等の場合は、同項各号に規定するいずれの事由にも該当しないものと解されるから、当該更正の請求は不適法というべく、また、職権による更正を求めることは請求人の権利ではなく、これに応じない場合であってもそれが著しく正義公平に反するものでなければ、その不作為をもって直ちに違法とすることはできないものと解すべきであり、原処分庁が行った申告指導は、その当時においては、その解釈、取扱いは多数の判例によって支持されていたところであり、また、その後の改正による通達も、「今後処理するものからこれによることとする。」と定めており、それ以前の解釈、取扱いについては、それなりに正当なものであるとして肯定しているところであるから、原処分庁が職権による更正をしないとしても著しく正義公平に反する場合に該当せず、違法又は不当ではない。

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昭和56年2月27日裁決

借地権の無償返還と当該借地権に係る土地の低廉取得とはそれぞれの時価相当額による有償取引であるとした事例

裁決事例集 第21集 35頁

要旨

 請求人が、借地上にあった請求人の所有に係る本件貸家を地主に譲渡するとともに、本件借地権を返還し、他方、地主から本件譲受土地等を時価よりも相当低い価額で譲り受けた取引は、[1]双方の取引が同一時期に行われていること、[2]請求人が、本件借地権を無償で返還する特別な理由がないこと、[3]請求人は本件譲受土地に借地権を有していないにもかかわらず、その譲受価額は借地権を有していたと同様な低価額となっているところから、本件双方の取引は別個の贈与取引ではなく、それぞれの土地に係る借地権の価額相当額を相互に相殺した有償取引であると認めるのが相当である。

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昭和56年2月27日裁決

青色申告に係る帳簿書類の提示に応じないことは青色申告承認の取消事由に該当するとした事例

裁決事例集 第21集 159頁

要旨

 青色申告法人の帳簿書類の備付け、記録及び保存の義務は、税務署の担当職員が調査のため必要とする場合にはその帳簿書類を担当職員に提示すべき義務を当然包含するものと解すべきであり、また、青色申告法人が、税務署の担当職員の調査上の必要に基づく帳簿書類の提示要求に対し、正当な理由なくこれに応じない場合には、結局その帳簿書類の備付け、記録又は保存がないこととなり、法人税法第127条第1項第1号に規定する青色申告の承認の取消事由に該当するものと解されるところ、請求人は調査の際に原処分庁の担当職員に対し、帳簿書類を一時的に提示したが、その提示も調査の目的が十分に達成されないまま一方的に中断され、その後、帳簿書類は何ら提示されなかったのであるから、このような提示は極めて不十分であり、結局帳簿書類が提示されなかったのと同視すべきものと認められるから、請求人の青色申告の承認を取り消した原処分は相当である。

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昭和56年2月23日裁決

民法第958条の3の規定により特別縁故者が分与を受けた財産に対する相続税の課税時期及びその価額についての請求人の主張を退けた事例

裁決事例集 第21集 187頁

要旨

 被相続人の特別縁故者が、家庭裁判所の審判により民法第958条の3の規定による相続財産の分与を受けた場合の相続税の課税時期は、裁判所の審判確定時ではなく、相続開始の日と解すべきである。また、本件財産分与においては、審判確定に至るまで相当長期間を要し、このため弁護士費用等の分与を受けるための諸経費も相当額を要したことはうかがえるが、分与財産の価額は、相続税法第3条の2において「その与えられた時における当該財産の時価に相当する金額」と規定されているから、分与財産の価額の算定における分与を受けるための諸経費を考慮する余地はない。

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昭和56年2月12日裁決

将来において担保を提供する旨の誓約書の提出は相続税の延納申請の要件である担保の提供に該当しないとした事例

裁決事例集 第21集 213頁

要旨

 相続税の延納申請に当たって、遺産分割調停中のため本件土地の抵当権設定に必要な書類の提出に代えて、将来、当該土地を担保に提供する旨の誓約書を提出したとしても、延納許可は例外的な措置であり、国税徴収確保のためその要件は厳正に解すべきところ、当該誓約書は国税通則法第50条に規定する担保に該当せず、かつ、土地及び建物について担保提供する場合には、同法施行令第16条第2項の規定により、抵当権を設定するに必要な書類を提出することがその要件とされており、請求人が提出した当該誓約書は、担保提供の要件を満たしたとはいえないから、本件延納申請につき却下処分をした原処分は適法である。

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昭和56年2月7日裁決

土地が物上保証に供されているとしてもその土地の評価額と同額の債務があるとはいえないとした事例

裁決事例集 第21集 207頁

要旨

 相続開始時において、本件土地には、他人の債務のために根抵当権が設定され、物上保証に供されていることが認められるところ、本件土地について、債権者が根抵当権を実行したことも、また、その行使を迫ったことも認められず、物上保証人としての債務の弁済もないから、求償権行使不能を理由に、本件土地が全く無価値であるとはいえず、また本件土地の評価額と同額の債務があるということもできない。

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昭和56年1月29日裁決

専務取締役に選任されていない取締役が専務取締役の名称を付した名刺を使用しているとしても当該取締役は使用人兼務役員に該当するとした事例

裁決事例集 第21集 107頁

要旨

 専務取締役の名称を付した名刺を使用して営業活動を行っている取締役であっても、取締役会等により、専務取締役に選任された事実はなく、また、確定決算書、各種議事録等においても、専務取締役の名称を付したものはなく、さらに、取締役に就任する前から当該名刺を使用していたことから、単なる通称としてこの名称が冠されていることが認められるので、当該名刺を使用していたことのみをもって、法人税法上の専務取締役とみなすことは適当ではなく、その常時従事している職務は、他の使用人の職務と何ら異なるものではないから、使用人兼務役員と認めるのが相当である。

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昭和56年1月29日裁決

転勤に伴って賃貸した家屋をその後居住の用に供さないで譲渡した当該譲渡所得について租税特別措置法第35条第1項の規定の適用は認められないとした事例

裁決事例集 第21集 237頁

要旨

 請求人は、本件家屋を、勤務先に借上げ社宅として賃貸していたため、請求人が本社へ復帰後、直ちに本件家屋に居住することができず、いったん勤務先の社宅に家族と共に入居し、その後請求人のみが本件家屋へ引っ越し、それ以後、請求人の生活の拠点として居住していたものであるから、本件家屋は、居住用財産に該当する旨の主張について、請求人が1週間のうち4日ないし5日をA市の社宅で家族と共に生活していたこと、家財道具の大部分がA市の社宅に残されていたこと、本件家屋においては新聞の購読、郵便物の配達、電話の架設等がなかったこと及び請求人のみが家族と別居して通勤に不便な本件家屋に居住しなければならない生活上の必要性が認められないこと等からみて、本件家屋が一時的に使用されていたとしても、これを請求人の生活の拠点として居住の用に供していたものとは認めることはできず、租税特別措置法(昭和57年法律第8号による改正前のもの)第35条第1項の規定を適用しなかった原処分は相当である。

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昭和56年1月28日裁決

相続開始後に成立した和解に基づく債務は相続税法第14条に規定する債務に該当しないとした事例

裁決事例集 第21集 193頁

要旨

 相続開始から3年を経過した後に被相続人に係る債務があるとして債権者から貸金の返還請求を訴訟により求められた請求人が裁判上の和解において同人の負担とされた金額につき、これを相続債務として債務控除するように更正の請求をしたが、借入れを立証する証書、借入金の授受、弁済に係る事実等に照らして当該債務が被相続人に帰属したとする確実な証拠は認められないから、当該債務を債務控除の対象にすることはできないとした原処分は相当である。

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