裁決事例 裁決事例集 第96集

裁決事例 裁決事例集 第96集

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平成26年9月9日裁決

第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額は、譲り受けた財産等の価額から無償譲渡等の処分と直接対価性のある支出又は負担を控除した残額であることを明らかにした事例

裁決事例集 第96集

要旨

 請求人は、原処分庁が納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために、請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額について、請求人は本件滞納者から売掛金債権(本件売掛金債権)を譲り受けたが、請求人が本件滞納者に支出した香典代等(本件香典代等)は、請求人が本件滞納者に利益を与える行為であるから、「受けた利益の限度」の額の算定上、本件香典代等を控除すべきである旨主張する。
 しかしながら、第二次納税義務の制度の趣旨に鑑みれば、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「受けた利益の限度」の額については、譲り受けた財産の額、免れた債務の額、又は享受した利益の額から、これらと直接の対価関係にあると認められる支出又は負担を控除した残額をいうところ、本件香典代等の支出は、本件売掛金債権の譲渡と直接の対価関係にあるとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。

参照条文等

国税徴収法第39条

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平成26年9月1日裁決

原処分庁が請求人の所得区分及び必要経費を否認して更正処分をした事案について、必要経費性を否認する支出を特定していない理由の提示に不備があると判断した事例(平成21年分~平成23年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・一部取消し)

裁決事例集 第96集

ポイント

 本事例は、支出の必要経費性を否認して更正処分をする場合、更正通知書に記載する理由には、否認する支出を特定して記載しなければならないとしたものである。

要旨

 原処分庁は、更正通知書に記載された処分の理由は行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与えるという行政手続法第14条《不利益処分の理由の提示》第1項本文の法の趣旨が求める程度に記載されていると認められるからその記載に不備はない旨主張する。
 しかしながら、更正通知書に記載された必要経費該当性の判断に係る理由のうち旅費交通費及び新聞図書費の一部の費用が必要経費に該当しない旨の理由の記載については、当該必要経費として認められない費用がどの費用(あるいは費用の一部)であるかが特定されておらず、当該費用の内容すら理解できないものであって、要件該当性をおよそ判断できないものであり、摘示された事実からは更正の理由を検証し、その適否について検討することはできない。そうすると、上記記載が行政手続法第14条第1項の法の趣旨目的を充足する程度に具体的に根拠を明示したとは評価できないから、これらの理由の記載には不備がある。

参照条文等

行政手続法第14条

参考判決・裁決

最高裁平成23年6月7日第三小法廷判決(民集65巻4号2081頁) 最高裁昭和60年4月23日第三小法廷判決(民集39巻3号850頁) 最高裁昭和47年12月5日第三小法廷判決(民集26巻10号1795頁)

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平成26年9月1日裁決

請求人が、同人の母に対して、複数年の間に行った金銭の貸付けに係る利息について、その履行期の到来する平成23年において収入すべき金額は、平成23年分の期間に対応する部分の金額のみであるとした事例( 平成23年分の所得税の更正処分、 平成23年分の所得税の過少申告加算税の賦課決定処分・ 一部取消し、 全部取消し)

裁決事例集 第96集

要旨

 原処分庁は、利息債権については、その履行期が到来すれば、権利が確定し、所得税法第36条《収入金額》第1項に規定する「収入すべき金額」に当たるものと解され、所得税基本通達36-8《事業所得の総収入金額の収入すべき時期》(7)(本件通達)における「その年に対応するもの」とは、同項の規定によりその年に権利が確定したものをいうとの解釈を前提として、請求人が母親に対して貸し付けた金銭の利息(本件利息)については、その履行期にその全額が確定したものであるから、本件通達により、同日が本件利息の全額の収入すべき時期となる旨主張する。
 しかしながら、貸付金利息については、元本使用の対価であって、元本が返還されるまで日々発生するものであるから、特段の事情のない限り、現実の支払の有無を問わず、期間の経過により直ちに利息債権が発生し、収入の原因となる権利が確定するものと解するのが相当であり、また、本件通達は、期間対応計算を採用したものであるから、「その年に対応するもの」との文言については、その年における利息の計算期間の経過に対応するものと解するのが相当であり、本件利息に係る収入金額のうち、各年中の期間に対応する部分の金額に係る収入すべき時期は、それぞれの年の末日であり、貸付期間の終了した平成23年の期間に対応する部分の金額に係る収入すべき時期は、貸付期間の終了した平成23年である。

参照条文等

所得税法第35条第1項第36条第1項 所得税基本通達36-536-8(7)、36-14(2)

参考判決・裁決

最高裁昭和49年3月8日第二小法廷判決(判タ309号255頁) 最高裁昭和53年2月24日第二小法廷判決(判タ361号210頁)

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平成26年8月21日裁決

見積価額が低廉であることを理由として公売公告処分の取消しを求めることはできないとした事例( 公売公告処分、 見積価額公告・ 棄却、 却下)

裁決事例集 第96集

要旨

 請求人は、原処分庁が行った公売公告処分(本件公売公告処分)について、当該公売に係る公売財産(本件公売財産)の見積価額が低廉であるから、本件公売公告処分は比例原則に違反し違法である旨主張する。
 しかしながら、見積価額公告は、法令上、公売公告処分の後にされることが予定されているところ、かかる見積価額公告の内容いかんによって公売公告処分の適否が左右されることはないと解され、見積価額の適否は、公売公告処分の取消しを求める審査請求において取消理由となり得ない。したがって、請求人は、本件公売財産の見積価額が低廉であることを理由として本件公売公告処分の取消しを求めることはできない。

参照条文等

国税徴収法第95条第1項第99条第1項

参考判決・裁決

最高裁昭和39年10月29日第一小法廷判決(民集18巻8号1809頁)

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平成26年8月8日裁決

相続税の小規模宅地等の特例について、特例適用対象土地を取得した相続人全員の同意を証する書類の提出がないことから、同特例の適用はないとした事例(平成22年2月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却)

裁決事例集 第96集

要旨

 請求人は、同人に相続させる旨の遺言により相続した宅地について、①他の相続人は、遺言無効確認等訴訟が終了したときには、当該宅地に租税特別措置法(平成22年法律第6号による改正前のもの)第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》第1項の規定(本件特例)を適用することに反対していない、②遺言書の効力について訴訟で争われている場合には、当該宅地を選択特例対象宅地等とすることについて相続人全員の同意を必要とすることは、不可能なことを要求するものであるなどとして、当該宅地には、相続人全員の同意を証する書類の提出がなくても本件特例の適用が認められるべきである旨主張する。
 しかしながら、本件特例を適用するためには、租税特別措置法施行令(平成22年政令第58号による改正前のもの)第40条の2《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》第3項第3号により、特例対象宅地等のうち本件特例の適用を受けるものの選択について、当該特例対象宅地等を取得した全ての個人の同意を証する書類の提出が必要とされているところ、請求人は、当該宅地につき特例対象宅地等を取得した全ての個人の同意を証する書類を提出していないから、当該宅地に本件特例を適用することはできない。なお、請求人の主張するような個別事情がある場合において、例外的に同意を証する書類の提出が必要でないとする規定はなく、また、租税特別措置法の規定をみだりに拡張解釈することは許されない。

参照条文等

租税特別措置法第69条の4 租税特別措置法施行令第40条の2第3項 租税特別措置法施行規則第23条の2第7項

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平成26年8月1日裁決

異議審理手続において異議審理庁が原処分の理由を追加した事案で、原処分庁の手続に違法、不当がないとした事例(平成21年分及び平成22年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却)

裁決事例集 第96集

要旨

 請求人は、異議申立てに係る審理は、争点主義を採用し、納税者が違法であると主張している争点についてだけ審理・判断を行うべきであるのに、異議審理庁が異議決定において、新たに、原処分では争いがなかった請求人の不動産所得の金額を算定し、総所得金額が原処分を上回るから原処分は適法であるとして棄却したことは、原処分を取り消すべき不当な事由に当たると主張する。
 しかしながら、審査請求の対象は原処分であり、裁決は、原処分が違法又は不当であるときにこれを取り消すものであるところ、異議申立ての審理・判断に仮に瑕疵があったとしても、それは原処分に対する不服申立手続において生じた原処分後の事情であって、そのことによって原処分それ自体が違法又は不当となることはないから、原処分を取り消す理由とはなり得ない。なお、原処分は、行政手続法第14条《不利益処分の理由の提示》に規定する理由の提示に欠けるところはなく、また、原処分庁が原処分の理由と異なる理由を審査請求で主張することにつき、これを制限する法令はなく、審判所がこれを審理することは、当事者の主張(争点)を審理の対象とするものであるから、争点主義的運営にも反するものではない。

参照条文等

行政手続法第14条

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平成26年7月28日裁決

原処分庁が、請求人自身の面接を経ずに無申告加算税の賦課決定処分をした事案について、国税通則法第66条第5項の「調査」は、机上調査も含む広い概念であることを明らかにした事例

裁決事例集 第96集

ポイント

 本事例は、国税通則法第66条《無申告加算税》第5項に規定する「その提出が、その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について…決定があるべきことを予知してされたものでないとき」の「調査」の意義について明らかにしたものである。

要旨

 請求人は、国税通則法(通則法)第66条《無申告加算税》第5項に規定する「調査」とは、外部から認識することができる面接調査、すなわち質問検査権の行使をすることであり、部内資料の収集のような手続は「調査」には当たらない旨、また、この点をおくとしても、原処分庁の担当職員(本件担当者)は、請求人の代わりに税務署を訪れた税理士(本件税理士)に税務代理権限証書を提出させていないので、面接時には、本件税理士が請求人に代理して本件担当者の質問調査権の行使を受けたことにならないから、請求人に対する「調査」があったとは認められない旨主張する。
 しかしながら、通則法第66条第5項に規定する「調査」とは、課税庁が行う課税標準等又は税額等を認定するに至る一連の判断過程の一切を意味し、課税庁の証拠書類の収集、証拠の評価あるいは経験則を通じての課税要件事実の認定、租税法その他の法令の解釈適用を経て決定に至るまでの思考、判断を含む包括的な概念であり、税務調査全般を指すものと解されるところ、①原処分庁の職員は、署内資料の検討等により、請求人の贈与税の申告が必要であると見込まれると判断していること、②本件担当者は、請求人の贈与税の申告について、本件税理士に面談し、資料の交付や説明をしていることなどが認められるから、これら一連の行為は、課税庁が行う課税標準等又は税額等を認定するに至る一連の判断過程であると認められる。また、面接時には、本件税理士が請求人に代理して本件担当者の質問調査権の行使を受けたことにならないという点については、請求人の本件税理士への連絡、本件税理士と本件担当者の面接の状況等からすると、少なくとも、本件税理士が、請求人に係る贈与税の申告の要否についての税務署での面接において、請求人に代理又は代行して応答し、面接の内容を請求人に報告するという内容の委任契約が成立していたものと認められる。以上のことから、本件においては、通則法第66条第5項に規定する「調査」があったと認められる。

参照条文等

国税通則法第66条第5項

参考判決・裁決

東京高裁平成17年4月21日判決(訟月52巻4号1269頁)

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平成26年7月28日裁決

取引先に支払ったとする販売手数料は費途不明であるとはいえないとした事例( 平18.10.1~平23.9.30の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、 平18.10.1~平23.9.30の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・ 全部取消し、 棄却)

裁決事例集 第96集

ポイント

 本事例は、請求人が取引先に支払ったとする販売手数料は、請求人から取引先に対し売上割戻し又はそれに類似する費用として支払われていたものと認められることから、費途不明であるということはできず、請求人業務との関連性を有するものと認められるから、損金の額に算入することができるとして、原処分の全部を取り消したものである。

要旨

 原処分庁は、請求人がj社に対して支払ったと主張する販売手数料(本件販売手数料)は、その費途が不明であり、また、業務関連性も明らかではないので本件各事業年度の損金の額に算入することはできない旨主張する。
 しかしながら、請求人が保存するi社名義の請求書や領収証に記載された数量が請求人が主張するj社に対する商品の販売数量と一致し、本件販売手数料の支払金額が請求人のj社に対する商品の販売数量に応じて割戻単価を乗じて算定されているものと認められることや、請求人が振り出した小切手がj社の常務取締役に支払われており、同人が管理する銀行口座で取り立てられていることなどからすれば、本件販売手数料は、j社に対し売上割戻し又はそれに類似する費用として支払われていたものと認められ、請求人業務との関連性を有するものと認められることから、費途不明であるということはできず損金の額に算入することができる。

参照条文等

法人税法第22条第1項第3項第4項 法人税基本通達9-7-20

参考判決・裁決

東京地裁平成6年9月28日判決(税資205号653頁)

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平成26年7月4日裁決

請求人の事業所得の金額等を類似同業者の平均水道光熱費率を用いて推計する方法に合理性があるとした事例( 平成21年分以後の所得税の青色申告の承認の取消処分、 平成22年分及び平成23年分の所得税の各更正処分並びに平19.1.1から平20.12.31の各課税期間の消費税及び地方消費税の各決定処分及び無申告加算税の各賦課決定処分・ 棄却、 全部取消し)

裁決事例集 第96集

ポイント

 本事例は、請求人の事業所得の金額等を類似同業者の平均水道光熱費率を用いて推計する方法について、合理性があると認められるものの、推計の基礎とする水道光熱費の額の計算に当たり、原処分庁の認定誤りがあったため、これを是正し、類似同業者を選定し直した上で、改めて平均水道光熱費及び平均所得率を算出し、原処分庁が採用した推計の方法により請求人の事業所得の金額等を算定することが相当であるとしたものである。

要旨

 請求人は、原処分庁が採用した類似同業者の水道光熱費率に基づく推計の方法について、類似同業者間の水道光熱費率に較差があること、また、請求人が経営する民宿(本件民宿)が所在する地区の水道料金は他の地区に比べ割高であるなどの特殊事情があるにもかかわらず、これが考慮されていないことから、原処分庁の推計の方法には合理性がない旨主張する。
 しかしながら、類似同業者の水道光熱費率の平均値により推計する場合、その平均値を算出することによって類似同業者間の水道光熱費率に開差があったとしても、各類似同業者の個別性が平均化され、推計の合理性が高められるのであるから、多少の較差があるからといって、原処分庁の推計方法に合理性がないというのは相当ではなく、本件において、これを不合理ならしめる程度の較差は見当たらない。また、仮に水道料金が他の地区に比べ割高であったとしても、基礎数値である水道光熱費の額に占める水道料金の額の割合は、せいぜい10%程度にすぎないことからすれば、水道光熱費の額を基礎とする推計方法を不合理ならしめる程度に顕著な事情とはいえない。したがって、原処分庁が採用した推計の方法には、合理性があると認められる。そして、推計の基礎とする水道光熱費の額の計算に当たり、本件民宿に係る水道光熱費の額から家事費相当額を控除する計算方法は、当審判所においても相当と認められる。しかしながら、家事費相当額の計算上、請求人世帯の人員について、原処分庁の認定誤りが存するため、これを是正した上で、原処分庁が設定した抽出基準に従って、改めて類似同業者を抽出すると、誤って類似同業者に選定された者及び選定漏れの類似同業者が認められたことから、誤って類似同業者に選定された者を除外し、選定漏れの類似同業者を採用し、改めて平均水道光熱費及び平均所得率を算出して、事業所得の金額を推計することが相当である。

参照条文等

所得税法第156条

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平成26年7月1日裁決

請求人が代表取締役を務める内国法人が外国法人と締結した業務委託基本契約に基づく業務委託手数料は、請求人の給与には当たらず、当該内国法人に帰属するとした事例(平成21年分~平成23年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し)

裁決事例集 第96集

ポイント

 本事例は、請求人が外国法人との間で雇用契約を締結して給与を受領するのと同時に、請求人が代表取締役を務める内国法人と当該外国法人との間で業務委託基本契約を締結して、当該内国法人が業務委託手数料を受領していることについて、当該業務委託基本契約は通謀虚偽表示により仮装されたものである旨の原処分庁の主張に対し、当該業務委託基本契約について通謀虚偽表示は成立しないから、同契約は有効に締結されたものとして、同契約に基づく当該業務委託手数料は、請求人の給与には当たらず、当該内国法人に帰属するとしたものである。

要旨

 原処分庁は、請求人が外国法人(本件外国法人)との間で雇用契約を締結して給与を受領するのと同時に、請求人が代表取締役を務める内国法人(本件法人)と本件外国法人との間で業務委託基本契約(本件業務委託基本契約)を締結して、本件法人が業務委託手数料を受領していることについて、本件業務委託基本契約は通謀虚偽表示によりなされたもので無効であるとして、本件外国法人から本件法人に支払われた業務委託手数料の全部が請求人の給与に当たる旨主張する。
 しかしながら、本件業務委託基本契約において合意されている内容は、本件法人が、その代表者である請求人に、本件外国法人の下で、当該外国法人の副社長としての業務を行わせ当該外国法人が本件法人にその対価を支払うというものであり、本件法人が本件外国法人に対して、請求人の労働力を提供することを債務とするものと認められ、実際、同契約に基づき、本件法人は、その債務を履行し、本件外国法人から業務委託手数料を受領している。そして、当審判所の調査によっても、本件業務委託基本契約が通謀虚偽表示により仮装されたものであることを基礎づける証拠は見当たらず、原処分庁からも提出されていない。したがって、本件業務委託基本契約に基づく業務委託手数料は、請求人の給与には当たらず、本件法人に帰属する。

参照条文等

民法第94条

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