裁決事例 裁決事例集 第28集

裁決事例 裁決事例集 第28集

原文を表示
昭和59年12月27日裁決

新製品開発のために支払った費用は当期において相手方から役務の提供を受けていないので当期の損金ではないとした事例

裁決事例集 第28集 175頁

要旨

 請求人が本件技術援助契約等に基づき支払った新製品開発のための費用について、本件契約に係る契約書が作成されたのは契約書に記載の契約年月日(当期)ではなく翌期であると認められること及び契約の相手方である会社が業務を開始したのは翌期であること等から、請求人が当期において本件契約に基づき役務の提供を受けたとは認められないので、当期の損金の額に算入することはできない。

原文を表示
昭和59年12月25日裁決

過大役員退職金に当たらないとした事例

裁決事例集 第28集 225頁

要旨

 原処分庁は、退職した請求人の専務取締役(請求人の社長等とは同族関係にない。)に対して支給した退職金のうち、使用人期間分については不相当に高額な部分があると主張するが、同人は請求人の設立以来実質的に社長代理として請求人の業務発展に多大な貢献をし、昭和36年1月以降は常務取締役と呼称され、それにふさわしい功績を残したと認められることから、同人の請求人就職以来の全期間の功績を評価して、この功績倍率を請求人と類似する法人の平均功績倍率に近似する3倍とし、これによって退職給与の額を計算した請求人の計算に不合理はなく、不相当に高額な部分があるということはできない。

原文を表示
昭和59年12月14日裁決

本件贈与に係る負担は課税価格の計算上贈与財産の価額から控除すべき負担に当たらないとした事例

裁決事例集 第28集 289頁

要旨

 贈与税の課税価格の計算上、贈与財産の価額から控除すべき負担は、贈与時において負担すべき経済的な負担が具体的に確定していること、又はその確定が推認し得る状態にあることが必要であると解すべきところ、本件贈与の負担である債務保証は、主たる債務者が債務履行できない状態にあるとは認められず、今後、債務の履行ができない状態に至る可能性を推認し得る事情も全く認められないのであるから、課税価格の計算上贈与財産の価額から控除すべき負担に該当しない。

原文を表示
昭和59年11月30日裁決

崖地に施した防壁等工事に要した支出金は資本的支出であると認定した事例

裁決事例集 第28集 250頁

要旨

 本件崖地は、請求人の経営する病院の敷地に隣接するもので、取得後20数年の間に自然現象による浸食のあったことが認められるが、この間請求人は何ら防護設備を設けることなく推移したところ、病院の改築を契機に崖地の崩壊防止を兼ねて防護設備工事を施行した。この工事は、崖地の突出部分を削り取ることにより病院敷地としての有効面積を約60平方メートル拡大させたほか、その防護設備は厚さ15センチメートルの鉄筋コンクリートによるものであって、当該工事費中に修繕費の部分を認めることはできず、その費用は土地の取得価額と構築物たる防壁の取得価額に計上するのが相当である。

原文を表示
昭和59年11月24日裁決

妻の借入金の保証債務について所得税法第64条第2項の適用はなく、また所得税法第9条第1項第10号にも当たらないとした事例

裁決事例集 第28集 128頁

要旨

 本件譲渡は、妻の銀行からの借入金に係る保証債務の履行のためのものであるが、妻は資産を所有しており、求償権の行使ができないこととなった場合に当たらないので所得税法第64条第2項を適用することはできず、また、請求人は、本件譲渡時において所有する資産が負債を上回っており、請求人が資力を損失したとはいえないことは明らかであるから、同法第9条第1項第10号にも当たらない。

原文を表示
昭和59年11月9日裁決

収用裁決につき争訟が提起されている場合でも、当該収用に係る補償金は当該裁決の権利取得日の属する年分の譲渡所得の収入金額に当たるとした事例

裁決事例集 第28集 10頁

要旨

 請求人は、収用裁決は不当であるから、当該裁決は、所得税法施行令第95条に規定する「契約が成立しない場合に法令によりこれに代わる効果を認められる行政処分」に当たらないと主張するが、収用裁決が適法な手続によってなされている以上、たとえ収用裁決の取消しを求める訴訟が提起され、これが係属中であるとしても本件補償金は当該裁決の権利取得日の属する年分の譲渡所得の収入金額に当たる。

原文を表示
昭和59年11月5日裁決

元本と利子からなる債務の総額の減額がされたことにつき、本件減額はまず利子相当額からなされたものとして、所得税法第161条第6号に規定する貸付金の利子の支払額を認定するべきであるとした事例

裁決事例集 第28集 149頁

要旨

 外国法人との間の穀物の先物取引により生じた損失の決済に当たり、取引の当時者の合意によりその決済金額の一部が減額されたことにつき、原処分庁は、本件減額はその決済金額の積上げ計算上の元本と利子との金額の割合に応じて行われたものであると主張するが、通常取引における値引等の場合には原価相当部分を確保し、利益相当額部分を減額する一般取引慣行があることから、その減額はまず利子相当額からなるものとして所得税法第161条第6号に規定する貸付金の利子の支払額を認定すべきである。

原文を表示
昭和59年10月30日裁決

架空外注費と認定した事例

裁決事例集 第28集 193頁

要旨

 請求人がA社ほかの外注先に対する外注費として計上したことについて、請求人は外注の事実に基づき正当に計上したものであると主張するが、これらの外注先をみると、外注等した時点では既に事業を廃止していたもの及びいまだ事業を開始していないもの並びに外注先の住所地に実在していないものが認められ、また、外注費の決済状況をみると、その支払ったとする小切手が請求人の役員個人の預金とされているもの等が認められるので、いずれも外注費としての支払の事実は認められず架空に計上したものである。
 なお、工事収入金額の計上期間につき翌期であるとする請求人の主張は相当であり、原処分の一部を取り消すべきである。

原文を表示
昭和59年9月27日裁決

新株権利落ちの旧株式を譲渡した場合には新株割当て基準日において株式の1株当たり取得価額の付替えを要するとした事例

裁決事例集 第28集 217頁

要旨

 請求人は、譲渡に係る株式の取得原価は新株の払込期日の翌日の価額によるべきであると主張するが、株主割当てにより増資がなされると、時価の高い旧株式の価額は新株権利落ちによって下落し、他方新株引受権に価値が生じるから、新株権利落ちをした旧株式を譲渡した場合には、新株割当て基準日において株式の1株当たりの取得価額の付替えを要すると解すべきである。したがって、当該付替え時期を示した法人税法施行令第47条の「増資等があった時」とは上の趣旨から新株割当日と解すべきであり、その時の価額によって取得原価を算出すべきである。

原文を表示
昭和59年9月18日裁決

二輪車販売店のメーカーから無償で供与された資産は専らメーカーの広告宣伝を目的としたものではないとして受贈益を認定した事例

裁決事例集 第28集 163頁

要旨

 二輪車のメーカーが、その販売代理業を営む請求人の店舗に施工した内装設備等について、当該資産は、メーカーが一方的に設計施工したものであり、専らメーカーの広告宣伝用のものであって請求人に経済的利益の額はないと請求人は主張するが、当該資産は請求人がメーカーに要望して無償で取得したものであり、その使用状況等からみて請求人は便益を受けていると認められるので、当該資産のうちブラインドについてはメーカーの製品名等の表示があることからメーカー側の広告宣伝の目的も併せ有していると認められるので、その取得価額の3分の2に相当する額を、それ以外の資産については、その取得価額に相当する額を、それぞれ受贈益として益金の額に算入すべきである。

原文を表示
昭和59年9月12日裁決

本件建物は、その一部を居住の用に供した事実はなく、そのすべてが事業の用に供されていると認定した事例

裁決事例集 第28集 62頁

要旨

 請求人所有の本件建物の一部は居住の用に供されているとして、その部分に係る固定資産税及び減価償却費の額は必要経費に算入することができないとした原処分について、本件建物は、その利用状況からみて請求人及びその家族の居住を主目的として利用された事実はなく、請求人の歯科診療所として利用されているので、当該建物全部に係る固定資産税及び減価償却費の額は事業所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである。

原文を表示
昭和59年8月23日裁決

競走馬の譲渡価額のうち正常価額を超える部分の金額は贈与に当たるとした事例

裁決事例集 第28集 281頁

要旨

 請求人は、その所有する競走馬が、故障馬でその価額が著しく低いものであることを認識していながら、親子という関係を利用して請求人の父に極めて高額で譲渡しているから、父が第三者に転売したときの価額を超える金額は父から贈与を受けたものと認めるのが相当である。

原文を表示
昭和59年8月22日裁決

保証債務の履行により生じた求償権の行使不能による損失は雑損控除の対象にはならないとした事例

裁決事例集 第28集 137頁

要旨

 雑損控除は納税者等の意思に基づかない法定原因によって資産に損失が生じた場合に認められるもので、雑損控除が適用され得る損失は、当該法定原因によって生じた損失に限られると解するのが相当であるところ、本件損失は、保証債務の履行に係る求償権の行使不能によって生じたものであって、上記法定原因によるものでないことは明らかであるから、雑損控除の対象となる損失には該当しない。

原文を表示
昭和59年7月27日裁決

土地を譲渡しその代金を債務保証をした会社に提供したことにつき、当該譲渡は保証債務の履行のためのものとは認められないとした事例

裁決事例集 第28集 116頁

要旨

 請求人は、自己が代表取締役となっている会社の借入金等につき債務保証をしていたところ、同社の業績が悪化し、借入金等の返済が困難となったので、同人所有の土地を譲渡し、その代金のほとんどを同社に提供し、同社はその資金で債務の弁済に充てたものであるから、これは実質的に保証債務を履行するための譲渡に該当すると主張するが、弁済は期限前に行われており、債権者から請求人に保証債務の履行の請求はなく、債権者は請求人から返済を受けたという認識がないので、請求人は譲渡代金を同社に単に貸し付けたにすぎず、本件譲渡は、保証債務の履行のための資産の譲渡とは認められない。

原文を表示
昭和59年7月11日裁決

売買契約が法的に有効なものとしては存在しなかったとして譲渡所得の課税処分を取り消した事例

裁決事例集 第28集 1頁

要旨

 請求人は、商品取引上の損失についての支払のために、商品取引の委託を業とする会社に土地を譲渡する旨の契約を一度は締結したものの、当該土地の引渡し等に係る紛争についての訴訟上の和解の結果、請求人は、買受人に対し紛争解決金を支払って両者間の売買契約は実質的に解消されていること、本件土地の引渡し、所有権移転登記等が一度も行われないまま請求人がその所有権を確保していることに照らし、結果的に売買契約が法的に有効なものとしては存在しないことを確認したのと同様の内容の和解が成立したものと解されることから本件土地についての譲渡所得はないことになり、原処分を取り消すのが相当である。

原文を表示
昭和59年7月4日裁決

当初の決算を変更し、変更後の決算において新たに貸倒引当金の繰入損等の損失を計上したことは確定決算で損金経理をしたことにならないとした事例

裁決事例集 第28集 241頁

要旨

 請求人は、申告後の臨時株主総会で承認された新計算書類において新たに損金経理が要件とされる貸倒引当金の繰入損等の損失を計上しているが、法人税法上当初決算を修正、変更した後の決算を「確定した決算」とみるかどうかについては、商法の規定による決議の無効若しくは決議の取消しに基づく決算の変更又は行政官庁の命令等特別な事由に基づく決算の変更があった場合以外には法人税法上の「確定した決算」は、依然として当初の決算を指すものと解されるところ、本件はこれら特別な事由に基づく決算の変更ではないから、請求人が新計算書類において、これらの損失を計上しても損金経理要件を充足したことにならない。

原文を表示
昭和59年7月3日裁決

住民登録のない者への外注費の支払を否認した原処分につき請求人の主張を一部容認した事例

裁決事例集 第28集 18頁

要旨

 領収証に記載された住所につき住民登録がなされていない者に対する外注費の支払は架空のものであるとして否認した原処分について、その者は実在し、外注費の支払は事実であるとする請求人の主張に基づき所在調査を行った結果、実在を確認でき、外注費支払の事実が認められるので、原処分の一部を取り消すのが相当である。

原文を表示
昭和59年4月20日裁決

居住用及び貸間用に併用されている家屋の敷地のうち観賞用の庭園等として利用されている部分を居住専用部分と認定した事例

裁決事例集 第28集 302頁

要旨

 原処分庁は、本件家屋は1階と2階の床面積が等しく、かつ、1階は居住用、2階は貸間用とされているので、敷地の利用割合も居住用部分、非居住用部分とも50パーセントずつと認定したが、[1]間借人の居住する2階部分から庭園観賞は困難であること、[2]間借人は庭を物置、物干し又は洗濯場として利用していないこと、[3]庭園があることにより賃貸料が他に比し高額になっている因果関係が認められないことから敷地のうち庭の部分は居住専用とし、残りの部分の2分の1を居住用とし、結局敷地の居住用部分の面積割合は64.5パーセントとするのが相当である。

原文を表示
昭和59年4月16日裁決

郷里に所在する病院で出産するために要した郷里旅費は医療費控除の対象となる医療費に該当しないとした事例

裁決事例集 第28集 141頁

要旨

 妻の実家に近在する産婦人科病院への転院は、医療上の必要に基づくものであり、その転院のための旅費交通費は医療費に含まれるとの請求人の主張について、その転院は医療上の必要に基づくものとは認められず、当該旅費交通費は出産の前後における準備又は育児等の見地から便宜であるとの理由で妻の実家のある市の病院で診療等を受けるための帰郷の旅費交通費にすぎないものと認められるので、所得税法施行令第207条に規定する医療費控除の対象となる医療費には該当しない。

原文を表示
昭和59年4月4日裁決

外国人女性をキャバレー等に派遣したことにより収受した対価は、所得税法第174条第4号に規定する報酬又は料金に該当せず、当該対価に対して課される所得税の額はないとした事例

裁決事例集 第28集 264頁

要旨

 外国から女性を招致して国内のキャバレー等に派遣し、その役務を提供することを業とする請求人は、その派遣先から収受した対価が所得税法第174条第4号及び同法施行令第298条第4項に規定する楽士、舞踏家、歌手の役務に関する報酬又は料金に該当するとして当該対価につき源泉徴収されるべき所得税相当額は法人税額から控除し、控除しきれなかった所得税は還付すべきであると主張するが、当該派遣先における外国人女性の実際の役務提供の内容は、主として客を接待し、遊興飲食させるホステス業務に従事していたと認められるので、当該対価は同号に規定する報酬又は料金に該当せず、当該対価に対し課される所得税の額はないから請求人の主張には理由がない。

【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】

  • 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
  • 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
  • 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
  • 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
  • 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。