裁決事例 裁決事例集 第33集
要旨
国税還付金の振込通知は、既存の法律関係に基づく国税還付金の額を特定の金融機関に振り込んだ旨を知らせるものであって、直接請求人の権利義務に影響を及ぼす法律効果を生じさせるものではないから、国税通則法第75条第1項に規定する国税に関する法律に基づく処分には当たらない。
要旨
本件山林は裁判上の和解に基づいて譲渡したものであるところ、和解の譲渡価額算定の基になった鑑定書に立木の評価がなく、現況も立木としての価値が見いだせず、譲受人も立木に価値を認めておらず、近隣の売買実例によれば、すべて土地のみの価額で取引されているから本件山林の立木に経済的価値は認め難く、山林所得に係る収入金額とは認められない。また、本件訴訟の目的は境界確認を求めるものであり、結果的に譲渡を内容とする和解で該当紛争の解決をしたにすぎないので、和解の譲渡価額算定のための鑑定料以外の弁護士費用及び訴訟費用は譲渡費用に該当しない。
要旨
請求人は、会社更生法に基づく更生会社であるが、会社更生法第269条第3項が、更生会社に限り、評価益及び債務免除益を過年度の欠損金との相殺を法人税法の特例として認められたものであるとの趣旨のもとに、会社更生手続開始前から繰り越されている繰越欠損金への充当を行うべき旨主張するが、繰越欠損金の控除順序は、まず法人税法第57条第1項による青色欠損金控除を行い、次いで会社更生法第269条第3項による繰越欠損金を控除すべきである。
要旨
請求人と買受人との間の本件土地売買契約は有効に成立し、履行され、更に買受人は、引渡しを受けた本件土地の造成工事を行っていることから、当該契約に関して取消し又は解除すべき事由は認められないので、本件土地売買契約を解約し、同時に再度売り渡す契約を締結する旨の請求人及び買受人間の訴訟上の和解の実質は、本件土地の売買を確認し、追加金を買受人が請求人に支払う合意が成立したものと解せられる。したがって、本件和解は本件土地譲渡所得金額の計算に影響を及ぼさない。
会社更生法第269条第3項は、既往の事業年度における法人税法第57条の青色欠損金控除の規定の適用の有無にかかわらず、更生手続開始決定事業年度の申告欠損金額の範囲内で債務免除益等を非課税とする規定であるとの主張を退けた事例
裁決事例集 第33集 107頁
要旨
請求人は、会社更生法第269条第3項の規定は、債務免除益等を更生手続開始決定事業年度の申告欠損金額の範囲内で非課税とする決定であるから、既往の事業年度において法人税法第57条の青色欠損控除に規定の適用を受けて法人の所得の計算上、損金の額に算入された欠損金額について再度損金の額に算入することができると主張するが、会社更生法第269条第3項の規定は、債務免除益等について、更生手続開始決定事業年度末の欠損金額の累計額のうち、青色欠損金控除の規定等法人税法の欠損金控除の規定が適用される欠損金額を除いた金額の範囲内で法人の所得の金額の計算上、益金の額に算入しないこととしているのであるから、既に青色欠損金控除の規定の適用を受けて損金の額に算入された欠損金額について、再度損金の額に算入することは認められない。
なお、会社更生法第269条第3項の規定の解釈について、権威のある何らの見解がないとしても、そのことは、国税通則法第65条第4項に規定する過少申告であったことの正当な理由がある場合に該当しない。
要旨
青色申告法人は、帳簿書類の備付け等の義務を負うのはもちろんのこと、これと不即不離の関係にある帳簿書類を提示する義務を負っていると解するのが相当であり、たとえ、帳簿書類の備付け等を適正に行っていたとしても、担当職員の帳簿書類の提示の求めに応じない場合には、その帳簿書類が当時どのような状態にあったかにかかわりなく、帳簿書類等の備付け等を法令の規定に従って行っていないと評価すべきであるから、法人税法第127条第1項第1号に規定する青色申告の承認の取消事由に該当する。
要旨
請求人は法人税法施行令第156条の「営業の全部の相当期間の休止」に当たる事実があるから、欠損金の繰戻しによる法人税還付請求を認めるべきであると主張するが、「営業の全部の相当期間の休止」とは事業閉鎖等に類する事態によって残財の販売等の行為以外の商行為の全部を一定期間休止する場合をいうものと解されるところ、欠損事業年度中請求人の製造プラントは、操業度の低下は認められるものの1か月程度の休止にとどまり、かつ、主取引先の取引量の急激な減少があっても製品の販売及び原材料の仕入れは絶えることなく継続している事実が認められるから、請求人の主張を採用することはできない。
要旨
贈与によって取得した本件土地は中古車の展示場及び駐車場として使用され、本件土地上に存する建物は借主が賃貸借契約書に定めるところにより上記目的に使用するための施設として取得したものと認められる等、本件土地上に建物の所有を目的とする借地権が存在するとは認められない。
本件土地の賃貸借関係については、賃借権についての登記がなく、相当な権利金の授受も行われていないので、本件土地の価額は、自用地としての価額から相続税法第23条の規定に基づいて計算される地上権等の価額の2分の1に相当する価額によって評価した賃借権の価額を控除して評価するのが相当である。
要旨
定款の定めによって選任された専務理事は、法人税法第35条第5項の規定により「使用人としての職務を有する役員」には該当しないから、その専務理事に支払われた賞与が一般使用人と同一の支給基準に基づく支払であるなどの事実が認められるとしても、これを損金の額に算入することはできない。
地方税法附則第29条の5第1項に規定する長期営農継続農地として認定を受けた農地につき、その譲渡者が都市計画法に基づく開発行為の許可を受け、譲受者が当該許可を受けていない場合には、その譲渡は租税特別措置法施行令第20条の3第2項第1号に掲げる土地等の譲渡(租税特別措置法第31条の2第2項第4号に掲げる土地等の譲渡)に該当せず、特定市街化区域農地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例は適用されないとした事例
裁決事例集 第33集 161頁
要旨
本件譲渡は、長期営農継続農地を住宅建設の用に供される一団の宅地として造成するための譲渡であることは認められるが、その譲渡が租税特別措置法(昭和60年法律第7号による改正前のもの)第31条の2第2項第4号に規定する譲渡に該当するためには、その譲受人が開発許可を受けている者であることが要件とされているところ、本件土地について開発許可を受けた者は請求人自身であって譲受人ではない。したがって、本件譲渡は同号に規定する譲渡に該当しない譲渡であるから、特定市街化区域農地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(同法第31条の3)が適用されないとして請求人の納付すべき税額を算定した更正は適法である。
要旨
固定資産課税台帳に登録された価格のない新築建物(以下「本件建物」という。)の所有権保存登記において、原処分庁は、「新築建物課税標準価格認定基準表」に基づき本件建物の課税標準を認定したが、請求人の本件建物の取得価額は、本件登記後の本件建物の昭和61年度固定資産税評価額とほぼ同額(昭和61年1月1日現在)であるところ、原処分庁は前記認定基準に掲げる建物と本件建物との類似性を認めるに足る具体的事実を主張・立証しない上、当該認定基準を適用した場合、本件建物の価額は、上記取得価額と昭和61年度固定資産税評価額との間に著しい開差が生ずるから、原処分庁主張の建物を本件建物に類似する不動産と認めることはできず、本件建物の価額は上記昭和61年度固定資産税評価額によるべきである。
要旨
請求人は、本件債務保証契約は請求人の主力取引銀行の強い要請に基づくものであり、かつ、可能な限りの債権保全策を講じた上で締結したものであるから、当該契約に基づく保証債務の履行に伴う損失は貸倒損失として損金の額に算入されるものであると主張するが、当該契約は請求人の事業と直接関係しないものであり、また、当該契約の締結時に保証債務の履行に伴う債権は回収不能となることが予想されていたものであるから、本件損失は貸倒損失として損金の額に算入されるものでなく、主たる債務者に対する経済的利益の供与と認められ、寄付金とするのが相当である。
現金主義による所得計算の特例(所得税法第67条の2)を適用して事業所得の計算をした者が発生主義による所得計算と比較して税負担が不利益になるという理由による更正の請求をすることは認められないとした事例
裁決事例集 第33集 1頁
要旨
現金主義による所得計算の特例の制度は、小規模な個人事業者のうちには発生主義によって所得金額を計算することになじめない者が多く、青色申告の帳簿書類の簡素化とあいまって設けられたもので、納税者の税負担の軽減を目的としたものではない。また、同特例を選択することは納税者の任意であるが、所得税法施行令第197条第2項により、その適用を受けることをやめようとする場合には、その年の3月15日までにその旨の届出書を提出しなければならない旨規定されているから、同特例を選択した場合、その適用をやめる手続を踏まなければ発生主義による所得計算をすることができないところ、請求人は係争年分について上記手続をしていない。したがって、請求人が係争年分の事業所得の金額を現金主義により計算したことは、所得税法の規定に基づいた適法な計算であり、当該計算に誤りがあったことも認められないから、更正の請求には理由がない。
要旨
売上金額の一部を除外し、これを正規の帳簿に記載のない代表者名義の預金口座に預け入れるとともに当該預金に係る受取利息も収益に計上せずに、所得の金額を過少に記載した確定申告書を提出したことは、偽りその他不正の行為によって、一部の税額を免れようとしたものと認められるので、更正をすることができる期間を5年(昭和56年5月27日以後に法定申告期限が到来するものは7年)とするのが相当であり、また、免れようとした税額に対して重加算税を賦課決定したのも相当である。
土地の売買契約において、土地の引渡しと同時に残金を支払うこととされている場合に、その土地につき移転登記がなされ、売買代金の大部分を受領しているときは、当該土地の引渡しの日は所有権移転登記関係書類を引き渡した日であるとした事例
裁決事例集 第33集 63頁
要旨
請求人は、売買契約書において、土地の引渡しと同時に残金を支払うこととされており、当該引渡しの時期とは外形的かつ具体的に明確に把握可能な場合には、本件土地の引渡しの日は、占有の移転があった時をいうべきであるから、占有を移転し、残代金を決済した日であると主張するが、土地の引渡しの日とは、現実の占有移転時期や売買契約書上の引渡しの時期に関する文言のみにとらわれることなく、実質的にその資産に対する支配関係の変動があった時期がいつかという観点から判断すべきであり、本件土地の場合、売買代金の大部分の支払を受け、所有権移転登記申請に必要なすべての書類を引き渡した日を土地の引渡しの日とするのが相当である。
要旨
請求人は資産の取得資金を得るため、本件山林の譲渡を営業担当に委託し、その譲渡代金をもって資産の売買契約に係る支払をし、当該資産の預り証券を取得しているから、本件山林の譲渡代金について横領の事実は認められないので、所得税法第72条第1項に規定する雑損控除の対象とすることはできない。
要旨
実際地積が固定資産税評価額算定上の課税地積と異なる土地を倍率方式により評価する場合、固定資産税評価額を課税地積で除して得た1平方メートル当たりの金額に実際地積を乗じ、更に評価倍率を乗じて算出された金額をもってその評価額であるとすることは、課税時期の時価をもって相続財産の価額とする相続税法第22条の規定からは当然であり、実際地積は関係がないとすることはできない。
要旨
請求人は、「未分割財産である本件土地家屋を占有していた他の共同相続人に対して遺産分割の調停に基づいて支払った和解金は、立退料的和解金であるから本件土地建物の譲渡取得の金額の計算上譲渡費用として控除すべきである。」と主張するが、本件和解金は、遺産の代償分割に伴って請求人が負担することになった代償債務の履行として支払われたものであるから、本件土地家屋を譲渡するために要した費用には当たらない。
要旨
請求人は、所得税法上国内に住所を有するかどうかは、所得税法施行令第14条第1項の継続1年以上の居住基準によってのみ判定すべきであり、請求人の前代表者は国内に継続して1年以上居住した事実がないから居住者に該当しないと主張するが、同項の規定は国内に住所を有するか否かが明確でない個人について適用される推定規定であって、国内に住所を有することが明らかな者についてまで適用されないことは明らかであるところ、請求人の前代表者は、国内に土地、家屋を有し、そこに妻が永年居住していること、関連企業の総帥として永年にわたり国内に居住することを必要とする職業に従事していること及び請求人はその本店所在地以外の場所における同人の勤務を出張扱いとして出張費用の内部処理をしていることなどの事情を考え併せると、同人は、同項各号の住所推定規定によるまでもなく国内に住所を有することとなり、所得税法上の居住者に該当する。
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。