裁決事例 裁決事例集 第40集

裁決事例 裁決事例集 第40集

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平成2年12月27日裁決

6年前から居住の用に供していない土地建物の所在地に引き続き住民登録をしていたことを奇貨として、その住民票の写しを確定申告書に添付するなどにより居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用を受けようとしたことは、事実の隠ぺい又は仮装に該当するとした事例

裁決事例集 第40集 16頁

要旨

 請求人は、本件建物にかつて居住していたとはいえ、6年前から譲渡の時まで、他人に貸し付けていたにもかかわらず、本件土地建物の所在地に引き続き住民登録をしていたことを奇貨として、その住民票の写しを確定申告書に添付し、また、本件建物の2階を請求人が占有使用していた旨を記載した借主の同意書を申告期限前に作成し、借主からその署名押印を拒絶されたにもかかわらず、その後の調査の際に、借主以外の者が署名押印したと認められる借主名の同意書を提出し、居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用を受けようとしたことは、事実の隠ぺい又は仮装の行為に該当すると認められるから、重加算税の賦課決定をしたことは相当である。

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平成2年12月21日裁決

所有不動産を売却する目的の甲売買契約が相手方都合により解約されたので、買換資産を取得する目的の乙売買契約をやむを得ず解約したとしても、両契約の売買物件、売主、買主、解約事情等は異なるから、甲売買契約の解約と乙売買契約の解約とは別々の行為と認められ、乙売買契約に係る解約違約金は甲売買契約に係る解約違約金収入を得るために支出した金額には該当しないとした事例

裁決事例集 第40集 33頁

要旨

 請求人は、その所有不動産を売却する目的の甲売買契約を締結するとともに、その売却代金で買換資産を取得する目的の乙売買契約を締結したところ、甲売買契約が相手方都合により解約されたので、やむを得ず乙売買契約を解約したが、甲売買契約と乙売買契約とは関連して発生した取引で因果関係があるから、甲売買契約の解約により受領した違約金3,700万円の一時所得としての課税上、乙売買契約の解除に伴い支払った1,000万円をその総収入金額から控除すべきである旨主張するが、甲売買契約及び乙売買契約をみるに、たとえ請求人が甲物件の売却代金を乙物件の購入資金に充てることを予定していたとしても、それぞれの契約の売買物件、売主、買主、解約された事情等が異なるから、甲売買契約の解約と乙売買契約の解約とは別々の行為であると認められ、支払った解約違約金が甲売買契約を解約するため又は甲売買契約の解約に伴い直接必要であったとは認められず、乙売買契約に係る解約違約金は甲売買契約に係る解約違約金収入を得るために支出した金額には該当しない。

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平成2年12月20日裁決

業務上の事故で死亡し退職した代表者の遺族に対する退職金は不相当に高額であるとした事例

裁決事例集 第40集 177頁

要旨

 請求人は、死亡退職した代表者の遺族に対し、死亡退職金として9,100万円を支給しているが、業務上の死亡により退職した者に対しては、通常の退職給与より多額に支給されるのが一般的であると認められることから、比較法人の平均功績倍率により算定した通常の退職給与額に、業務上死亡の退職事情を考慮して相続税法基本通達3-20の取扱いに準じ死亡時の普通給与の3年分を加算した金額をもって役員退職給与の適正額とし、その金額を超える部分は不相当に高額な役員退職金に当たるとした原処分は相当である。

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平成2年12月19日裁決

仕入価格は、行政庁の認可価格によらず適正な見積価格によるべきであるとした事例

裁決事例集 第40集 136頁

要旨

 副生ガスの仕入れに当たって、卸供給業者が受けたガス事業法上の認可価格は、必ずしも法人税法に規定する所得金額の計算上損金の額に算入すべき確定した仕入価格であるとはいえず、精算によって価格は確定すると認められるところ、本件については事業年度末において仕入価額が未確定となっていたことから、請求人は事業年度末に未確定の仕入価額に代えて適正なガスの仕入価額を見積り計上するのが相当である。

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平成2年12月19日裁決

航空機による運送の事業にあって、収入金額を基準として国内源泉所得を判定する場合の国内業務に係る収入金額の範囲について判断した事例

裁決事例集 第40集 205頁

要旨

 航空機による運送の事業にあって、収入金額を基準として国内源泉所得を判断する場合の「国内業務に係る収入金額」に含まれる収入金額は、その法人が国内において搭乗又は積込みをした旅客又は貨物に係る収入金額はもとより国内における受注活動その他の事業活動に基因して得られる収入金額の全てが含まれることになる。したがって、請求人が自己の計算と運航計画に基づいて国内から目的地までの一部区間を他社の航空機を利用することにより運送を行っていることは、実質的に全区間について運送契約に基づく運送を行っているものと認められるから当該運送事業から生ずる収入も「国内業務に係る収入金額」に含まれる。

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平成2年12月18日裁決

1. 期末にたな卸しすべき株式の評価に当たり、信用取引の決済に充てられるべき株式の買付けについては、期中の他の株式の取得に関係させることなく、個別に当該買付け株式の取得に要した金額により評価すべきものとした事例 2. 債券先物取引につき、相反する同数量、同金額の売建て玉と買建て玉とが設定されている場合に、一方の建て玉を手仕舞いしたとしても、再び同方向の建て玉が同数量設定されているときは、損益の認識は、1組の売建て玉と買建て玉とが共々手仕舞いされたときに行うべきものとした事例

裁決事例集 第40集 104頁

要旨

  1.  請求人は、期末に有する有価証券(株式)の評価額の計算につき、総平均法に基づく低価法によるべき旨主張するが、請求人は期末直前において現物株式の買付けの約定とあわせて、同一銘柄の株式の同株数、同価格の信用売付けの約定をし、さらに現株渡しによる決済の約定をしているところ、法人税法施行令第47条の2の規定によれば、信用取引等の方法による株式の売買にあっては、1個の買付けと売付けを単位として個別に期末評価額を算定すべきことになる。
     これを本件に即していえば、信用取引の決済手段に充てられるべき期末買付け株式のうち、期末においてその決済期日が到来していないものは、信用取引の未決算勘定の一つとして、期中に売買が完了した株式とは別個に、当該買付け株式の取得に要した金額により評価するのが相当である。
  2.  請求人は、債券先物取引について、期末の直前において相反する同数量、同金額の売建て玉と買建て玉とを設定し、次いで損失の発生している一方の建て玉を手仕舞いして名目上の損失を確定させるとともに、新たに同方向の建て玉を同数量設定することにより、常に売建て玉と買建て玉を均衡させ、最終的には、これらの建て玉の差金決済日を翌期首とする反対売買によりその損益を確定させている。
     請求人は、債券先物取引に係る損益については、反対取引により手仕舞いして差金を決済する日に計上すべきである旨主張し、この建て玉を個別的にみれば、その主張に沿うかにみえるが、このような1組の売建て玉と買建て玉は、もともと一方に利益があれば他方に損失が生じる仕組みのものであって、一方に生じるかもしれない損失を他方の利益によって補てんすることを目的として設定されるべきものとみられるから、売建て玉と買建て玉とが同時に手仕舞いされて初めて意味のある取引であり、損益の認識も両者を総合して行うべきものであるから、相互に損益を担保し合っている売建て玉と買建て玉とが共々手仕舞いされるべきとき、すなわち翌期首(差金決済日)に損益が確定し、中間的に一方の建て玉のみについて手仕舞いしたことによる損益は、未決算勘定として翌期に繰り越されるべきこととなる。
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平成2年12月18日裁決

期末にたな卸しすべき株式の評価に当たり、信用取引の決済に充てられるべき株式の買付けについては、期中の他の株式の取得に関係させることなく、個別に当該買付け株式の取得に要した金額により評価すべきものとした事例

裁決事例集 第40集 56頁

要旨

 請求人は、期末に有する有価証券(株式)の評価額の計算につき、総平均法に基づく低価法によるべき旨主張するが、請求人は期末直前において現物株式の買付けの約定とあわせて、同一銘柄の株式の同株数、同価格の信用売付けの約定をし、さらに現株渡しによる決済の約定をしているところ、所得税法施行令第119条の規定によれば、信用取引等の方法による株式の売買にあっては、1個の買付けと売付けを単位として個別に期末評価額を算定すべきことになる。
 これを本件に即していえば、信用取引の決済手段に充てられるべき期末買付け株式のうち、期末においてその決済期日が到来していないものは、信用取引の未決算勘定の一つとして、期中に売買が完了した株式とは別個に、当該買付け株式の取得に要した金額により評価するのが相当である。

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平成2年11月30日裁決

クレーンに装着して使用されるリフティング・マグネットについて租税特別措置法第42条の7第1項の規定に基づく特別償却の適用があるとした事例

裁決事例集 第40集 284頁

要旨

 リフティング・マグネットについて租税特別措置法第42条の7第1項の規定に基づく特別償却の適用が認められるためには、それが機械部品等のように単体として取引の対象となるというだけでは足りず、それ自体独立した機械及び装置といえる程度の固有の機能を有していることを要すると解されるところ、本件リフティング・マグネットは、クレーンに装着して使用されているものの、それ自体単体として取引され、かつ、電力を利用して単体として磁力を発生し、電磁石として、クレーンとは離れて固有の機能を有していることが認められるから、上記特別償却の適用があるものと解すべきである。

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平成2年11月22日裁決

昭和62年に譲渡したマンションの取得時期は、建物利用権を取得した昭和45年ではなく、その所有権を取得した昭和58年であるから、その譲渡所得の金額の計算に当たって居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用はないとした事例

裁決事例集 第40集 265頁

要旨

 請求人は、昭和62年2月に譲渡したマンションは昭和45年に1,430万円の金員を支払って取得し、以後居住の用に供していたのであるから、居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例等の適用があると主張するが、請求人とマンションの所有者であった会社との間には昭和45年に「建物利用権設定契約」が締結され、その内容は、[1]請求人は、利用区を自己の持家と同様に居住のために占有使用し、相続その他の包括承継の対象とすることができ、転貸することができること、[2]契約期間は、昭和45年5月1日から昭和60年4月30日までであり、一定の条件のもとに解約でき、契約が終了した場合には保証金(1,430万円)を返還し、請求人は抵当権の設定登記又は代物弁済予約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記を付することができること、[3]保証金は無利息であること等が定められており、請求人は、本件マンションについて昭和45年当時、建物利用権と所有権のうちどちらか一方を選択取得できたにもかかわらず、自己の意思で建物利用権を取得したものであって、この建物利用権は、借家権と同一の性格を有しているものと解するほかないから、請求人は昭和45年に建物利用権を取得して以後債権を有していたものであり、昭和58年に至って本件マンションの所有権を取得したものと認められる。そうすると、本件譲渡所得については、譲渡の年1月1日現在において所有期間が10年を超えていないから、居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例等の適用はない。

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平成2年11月21日裁決

学校法人が他の学校法人の行う講習会等のために施設を貸し付けることは、収益事業たる席貸業に当たるとした事例

裁決事例集 第40集 81頁

要旨

 収益事業から除外されるべきものとして法人税法施行令第5条第1項第14号ロ(3)に規定する「学校法人等がその主たる目的とする事業に関連して行う席貸業」とは、専ら学生、生徒や教職員が自ら行う教育、研究、研修等、あるいは、地域住民等が自ら行う社会教育、スポーツ、文化活動等に使用される場合のように、本来の公益的活動を支援し、推進するための席貸業をいうものと解すべきであって、学校法人等がその所有する講堂、体育館等の施設をその所有目的に沿って使用するために行う席貸業であっても、その施設を使用して営利事業その他の事業活動を行うためのものは、ここにいう収益事業たる席貸業から除かれるものには該当しないものと解すべきである。
 請求人は、他の学校法人が行う講習会等のためにその所有する施設を貸し付けて対価を得ているところ、当該他の学校法人が行う講習会等の業務は収益事業を含む事業活動として行われるものであるから、その貸付けは、収益事業たる席貸業から除外されるものには該当しない。

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平成2年11月19日裁決

求償権の放棄が、主たる債務者の資産状況、経営状況からみて求償権を行使することができない状況でなされたものとは認められないので、所得税法第64条第2項の適用がないとした事例

裁決事例集 第40集 65頁

要旨

 請求人は、債権者集会の決議にも相当する覚書に基づいて、保証債務の履行に伴う求償権を放棄したものであると主張するが、当該覚書は、主たる債務者、請求人及びごく限られた大口債権者2社との間で締結されたものであって、法令の規定に基づく整理手続きによらない債権者集会の協議決定等で合理的な基準により負債整理を定めたものとは認められない。また、主たる債務者は、大口債権者2社の援助を受けているにせよ、自己の有する資産の売却等により欠損金を補てんし現在に至るまで引き続き事業を継続し、しかも、債務超過の額は減少の傾向にあり、請求人が本件不動産を譲渡する直前において既に当期利益を計上している事実からすれば、請求人の求償権放棄時において、主たる債務者は求償権行使不能の状況にあったとは認められないので、所得税法第64条第2項の適用を認めなかった原処分は相当である。

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平成2年11月15日裁決

無申告加算税の賦課決定に当たって国税通則法第66条第1項ただし書に規定する正当な理由の存否の調査は要しないとした事例

裁決事例集 第40集 2頁

要旨

 請求人は、無申告加算税の賦課決定に当たって国税通則法第66条第1項ただし書に規定する正当な理由に該当するかどうかの調査が行われていないと主張するが、同項ただし書の規定は、期限内に申告書の提出がなかったにもかかわらず無申告加算税を課さない例外的規定であるから、無申告加算税の賦課決定に当たって正当な理由の存否の調査は要しないと解される。

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平成2年10月19日裁決

更正通知書の相続税の総額の計算明細に係る更正額に誤記があることから更正を取り消すべきであるとした請求人の主張を退けた事例

裁決事例集 第40集 1頁

要旨

 請求人は、更正通知書の相続税の総額の計算明細に係る3年以内の贈与加算額の更正額に更正前の金額と同額を記載するという誤記があることから、更正を取り消すべきであると主張するが、本件更正通知書の、[1]納付税額の計算明細に係る課税価格及び納付税額の更正額は、正当な額が記載されていること、[2]相続税の総額の計算明細に係る課税価格の合計額及び相続税の総額の更正額は、正当な額が記載されていること、[3]農業投資価格に基づく相続税の総額の計算明細に係る3年以内の贈与加算額の更正額は、本件贈与加算額に対応するものであるところ、その金額は正当な額が記載されていること等から判断すると、本件更正通知書の誤記は、更正の手続上軽微なかしにとどまり、処分の効力に影響がないと認めるのが相当である。

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平成2年9月28日裁決

相続人らが所有する取引相場のない株式は、被相続人から相続開始前3年以内に贈与を受けたものと認定した事例

裁決事例集 第40集 236頁

要旨

 請求人らは、被相続人が代表取締役をしていた会社の株式を元従業員ら10名から贈与により取得した旨主張するが、[1]当該元従業員及びその相続人は、同会社の株主であったとする認識がなく、当該従業員らが当該株式の実質の所有者であったとする資料は見当らないこと、[2]被相続人及び請求人総代は、相続開始前3年以内に当該株式の名義が請求人らに異動したとして会社の関与税理士に通知していることなどを総合すると、本件株式は、被相続人の名義株であって、請求人らは相続開始前3年以内に被相続人から本件株式の贈与を受けたものであると認めるのが相当である。

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平成2年8月23日裁決

請求人の常務取締役として経営に参画し、担当部門に係る取引全般を総括的に委任されている者の行った仕入金額の架空計上は、たとえそれを請求人の代表者が知らなかったとしても、請求人の隠ぺい又は仮装行為と同視すべきであり、重加算税の賦課決定は適法であるとした事例

裁決事例集 第40集 8頁

要旨

 請求人は仕入金額の架空計上は、請求人の常務取締役であるA男に全面的に任せている部門に係るものであり、しかもそれはA男が私欲に基づき行ったもので、請求人の代表者はその不正経理を知らなかったから、その架空計上は請求人の行為には当たらず、これに重加算税を賦課するのは違法であると主張するが、重加算税の賦課の目的は、隠ぺい又は仮装に基づく過少申告による納税義務違反の発生を防止し、申告納税制度の信用を維持するところにあることから、隠ぺい又は仮装の行為者が法人の代表者に限定されるものではなく、その役員及び家族等で経営に参画していると認められる者の行為は、法人の代表者がそれを知らなかった場合であっても当該法人の行為と同視されるべきものであり、A男は請求人の常務取締役として経営に参画し、担当部門に係る取引全般を総括的に委任されている者であることから、A男の行った仕入金額の架空計上は請求人の行為と同視すべきものであると認められ、これに重加算税を賦課したのは適法である。

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平成2年7月31日裁決

滞納会社の所有する土地持分の上に請求人が建物を新築するに当たり、借地権の無償設定によって国税徴収法第39条にいう利益を受けたものと認定した事例

裁決事例集 第40集 247頁

要旨

 滞納会社の所有する本件土地持分を請求人が利用する場合の法律関係について、請求人は、使用貸借であって借地権の無償設定ではない旨主張するが、滞納会社の所有する本件土地持分の利用関係が無償のものであるからといって、直ちにこれを単なる使用貸借と即断することは相当ではなく、右土地持分の利用関係は、請求人らによる本件建物の新築によって開始されたもので少なくとも本件建物を長期間にわたって使用することが予定されたものであり、また、本件土地の共有者である滞納会社の代表取締役は、請求人の夫の父であり、同社の発行済株式の80パーセントに相当する株式は当該代表取締役の親族によって所有されていることからみて、滞納会社が請求人らに対して滞納会社の所有する本件土地持分の返還を求めるようなことは実際上ほとんど考えられないから、請求人らの、滞納会社の所有する本件土地持分の利用関係は、事実上、権利性のかなり強いものであって、税法上はこれを借地権と評価するのが相当である。
 したがって、請求人らの本件建物の新築に際し、滞納会社の所有する本件土地持分につき無償で借地権が設定された事実が認められるので、請求人は、借地権の無償設定により、国税徴収法第39条にいう利益を受けたものというべきである。

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平成2年7月6日裁決

外国法人の香港本店名義で外国の銀行に保有している円建て定期預金に係る受取利息は、外国法人の日本支店が独自に運用したことに基づくものであって同支店において行う事業に帰せられるものであるから、外国法人の日本支店の国内源泉所得に該当するとした事例

裁決事例集 第40集 192頁

要旨

 請求人の香港本店名義で外国の銀行に保有している円建て定期預金は、請求人の親会社であるA外国銀行東京支店が保有していた円建て定期預金を、同支店の閉鎖に伴い引き継いだものであるが、[1]当該預金がA外国銀行東京支店から請求人の香港本店に引き継がれた旨の約定がないこと、[2]国内おける調達資金ないし融資先との決済の状況等は、A外国銀行東京支店が本件預金の所有者であった当時と全く同じであり、しかも、請求人の日本支店は当該預金に係る資金調達コストを負担していること等の事実が認められ、これらの行為に請求人の香港本店が関与していた事実は認められないから、当該預金はその名義にかかわらず日本支店によって実質的に所有されているとするのが相当である。
 したがって、当該預金に係る受取利息の額は、請求人の内部取引に基づくものではなく、請求人の日本支店独自の運用等によるものであって、同支店が国内にある事業所において行う事業に帰せられるものであり、かつ、当該受取利息については外国において法人税が課されないから、請求人の日本支店の国内源泉所得に係る収益に該当する。

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平成2年7月6日裁決

被相続人が生前立退料を支払うなどして借家人を立ち退かせた上、その貸家用の家屋を取り壊し、その敷地に貸家用の家屋を建築中である場合において相続が開始したときのその敷地について、貸家建付地としてではなく、自用地として評価すべきであるとした事例

裁決事例集 第40集 235頁

要旨

 貸家建付地とは、相続開始時点において現に貸付けの用に供されている建物の敷地を指すものと認められる。貸家建付地は自用地に比べて低額に評価することとされているが、これは、借家人はその借りている建物の敷地に対して借地権等の権利を有しているわけではないが、借家した建物利用の範囲内でその敷地に対しても事実上の支配権を有していることから、敷地の所有者にとっては、その分その敷地の経済的な価値がこれらの権利の目的となっていない自用地に比べ低くなっていることを考慮したものと認められる。
 本件は、相続開始の時においては、本件宅地の上に建築中の新建物が存在したが、当該建物はまだ現実に貸付けの用に供されておらず、かつ、立退料の支払等により終了した新建物の建築前に賃貸されていた旧建物に係る賃貸借契約と新建物に係るそれとの間には継続性も認められないから、本件宅地には貸家建付地としてその評価額算定上考慮すべき借家人の事実上の支配権は存在せず、他に本件宅地の評価額算定上考慮すべき特段の事情も認められない。したがって、本件は、貸家建付地としてではなく、自用地として評価すべきものである。

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平成2年7月6日裁決

貸家用の家屋を建替中の敷地が事業の用に供されているものとして、事業用の小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例が適用されるとした事例

裁決事例集 第40集 302頁

要旨

 被相続人は、本件宅地を含む土地にあった旧建物(1,708平方メートル、居住用の部分を除く)を長期間賃貸していたこと、被相続人は、旧建物の敷地の一部を譲渡したことに伴う買換資産として、相続開始時点において、その残りの本件宅地に新建物を建築中であったこと(新建物の完成後、相続人は直ちに賃貸している)、被相続人は、本件旧建物以外にも24戸のマンションを賃貸していたこと等から、被相続人の旧建物を含む不動産の貸付けは、社会通念上事業というべき規模、対価及び継続性を備えたものとするのが相当である。
 本件宅地は、貸家建付地としての評価はできないとしても、被相続人の不動産貸付けは事業というべきであり、新建物は、被相続人が賃貸していた旧建物の敷地の一部の譲渡に伴い建替中であったものであるから、これを被相続人の事業の面からみた場合、その事業には継続性が認められる。
 したがって、本件宅地は、相続開始直前においても被相続人の事業の用に供されていたとするのが実態に即しており、租税特別措置法第69条の3の規定による事業用の小規模宅地等としての相続税の課税価格の計算の特例を適用するのが相当である。

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平成2年7月3日裁決

遺留分減殺請求により取得した不動産を取得後1月で譲渡しても、その譲渡が相続税の法定申告期限の翌日以後2年経過後である場合には、相続財産を譲渡した場合の取得費の加算の特例の適用がないとした事例

裁決事例集 第40集 272頁

要旨

 請求人は、租税特別措置法第39条“相続財産に係る譲渡所得の課税の特例”に規定する「(相続税法)第27条第1項の規定による(相続税の)申告書の提出期限」は、遺留分減殺請求の調停の成立した日、又は遺留分減殺請求の意思表示をした日の翌日から6月以内と解すべきであるから、本件譲渡について、同条を適用すべきであると主張するが、相続税の申告書の提出期限は、被相続人の死亡を覚知することにより、相続財産の一定額を取得し得る地位に立つことを知った日の翌日から6月以内と解すべきである。本件譲渡は相続税の申告書の提出期限の翌日以後2年を経過する日までの間の譲渡に該当しないので、措置法第39条の適用はない。

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