裁決事例 裁決事例集 第97集
請求人が主張していない行政手続法第14条に基づく理由の提示につき、審判所の調査の結果、理由の提示に不備があったと認定した事例( 平18.9.1~平19.8.31までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分、 平19.9.1~平20.8.31、平21.9.1~平22.8.31、平23.9.1~平24.8.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分、 平19.9.1~平20.8.31、平21.9.1~平22.8.31の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分、 平18.9.1~平19.8.31、平20.9.1~平21.8.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分、平22.9.1~平23.8.31の事業年度の法人税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分、 平18.9.1~平19.8.31、平20.9.1~平21.8.31、平23.9.1~平24.8.31の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分、平19.9.1~平20.8.31、平21.9.1~平22.8.31の各課税期間の消費税及び地方消費税の重加算税の各賦課決定処分、平22.9.1~平23.8.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分・ 棄却、 一部取消し)
裁決事例集 第97集
要旨
原処分庁は、所得の金額の計算上、法人税の確定申告書において損金の額に算入していた青色欠損金額(当期控除額)を加算されることが更正通知書(本件通知書)に示されていないことについて、当期控除額を加算する理由(本件理由)は、青色申告の承認の取消処分に伴うものであり、法文の規定上明らかであることから、請求人においても容易に認識でき、理由の提示不備の違法はない旨主張する。
しかしながら、行政手続法第14条《不利益処分の理由の提示》第1項本文が、不利益処分をする場合に同時にその理由を名宛人に示さなければならないとしているのは、名宛人に直接に義務を課し又はその権利を制限するという不利益処分の性質に鑑み、行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨に出たものと解されることから、更正処分をする際は、当該更正通知書自体に法の要求する程度にその理由を示す必要がある。よって、本件通知書は、本件理由の提示がなく、本件通知書自体から当期控除額を所得金額に加算する旨を特定し得る程度の理由を示していないことは明らかであるから、本件理由の提示不備の違法があると判断するのが相当である。なお、本件通知書は、本件理由の提示のないことが更正処分全体の理由の提示を不備なものとする程度に至るとは認められず、また、他に更正処分に係る理由の提示に不備があるとも認められない。
参照条文等
行政手続法第14条
参考判決・裁決
最高裁平成23年6月7日第三小法廷判決(民集65巻4号2081頁)
請求人が行った建物のリース取引に係る課税仕入れの用途区分については、共通用に区分するのが相当であると認定した事例( 平22.9.1~平23.8.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分、 平23.9.1~平24.8.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・ 一部取消し、却下、 棄却、却下)
裁決事例集 第97集
ポイント
本事例は、請求人が賃借する建物の賃貸借契約に係る取引は、法人税法上売買があったものとされるリース取引に該当し、当該リース取引に係る課税仕入れの用途区分は、非課税用ではなく共通用に該当するとして、原処分の一部を取り消したものである。
要旨
原処分庁は、請求人が締結した有料老人ホーム(本件物件)の賃貸借契約については、法人税法上売買があったものとされるリース取引に該当するところ、本件物件は、入居者が生活を営む場所及び日常生活を送る上で必要不可欠な場所で構成されており、その全体が住宅に該当することから、本件物件に係る課税仕入れの用途区分は、個別対応方式の計算上、非課税売上げのみに要するものに該当する旨主張する。
しかしながら、本件物件においては、入居者に対して、非課税売上げである居住スペースの貸付け及び介護サービスの提供だけでなく、課税売上げである居室清掃や洗濯等の各種サービスの提供が予定されていた上、実際にこれらの売上げに必要な設備を備えていたことが認められるから、本件物件に係る課税仕入れの用途区分は、個別対応方式の計算上、課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れに該当する。
参照条文等
参考判決・裁決
墓地管理者が墓地使用権者から収受した管理料収入は、収益事業たる請負業に係る収入に該当すると認定した事例(平24.4.1~平25.3.31の事業年度の法人税及び平24.4.1~平25.3.31の課税事業年度の復興特別法人税の各更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分・棄却)
裁決事例集 第97集
要旨
請求人は、墓地管理者として、墓地使用権者から永代使用料とは別個に管理料を収受しているところ、当該管理料は、墓地埋葬法等によって義務付けられた墓地全体の保全管理を行うための費用として収受しているのであるから、請負業に係る収入には該当しない旨主張する。
しかしながら、請求人が定めた霊園使用規程等をみると、墳墓地の貸付けと共用部分の管理運営等を行う管理行為とは、業務形態として別個独立のものであるし、それぞれの事業についての対価も別個に定められている。さらに、請求人と墓地使用権者との間で、請求人が共用部分の管理行為に係る役務を提供すべきことを約し、墓地使用権者がその対価として当該管理料を支払う旨を約したのであって、請求人が提供する当該管理行為という役務の対価として当該管理料が支払われている関係にあるとみるのが相当である。したがって、当該管理行為は、収益事業たる請負業として行われたものであり、当該行為によって収受した当該管理料は、請負業に係る収入と認められる。
参照条文等
請求人から提出されたノート等に記載された取引の一部については、取引の事実及び金額が特定できるとした事例( 平16.9.1~平18.8.31、平20.9.1~平21.8.31の事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分、 平18.9.1~平20.8.31、平21.9.1~平23.8.31の事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分・ 棄却、 一部取消し)
裁決事例集 第97集
要旨
原処分庁は、請求人の主張する原処分庁が更正処分により益金の額に算入した特定の取引先への売上げ(本件売上げ)に係る売上原価(本件売上原価)の額について、請求人の帳簿には、本件売上げに係る仕入れ(本件仕入れ)について継続的な記録がされていないことから、本件売上原価の支払いの事実も不明であり、確定申告書に添付された貸借対照表、損益計算書に記載された仕入金額及び棚卸金額について不相当と認められる事実はないなどとして、損金の額に算入済みであると推認される旨主張する。
しかしながら、帳簿書類による以上に客観的信頼性のある資料及び計算方法に基づき、本件仕入れの事実及び金額を特定し、本件仕入れの金額が当初申告の仕入れ金額に含まれていないこと及び請求人の各事業年度の売上金額と対応することを具体的に主張立証できれば、当該主張が排斥されるものではなく、請求人から提出されたノート等に記載された取引の一部については、取引先、取引年月日、取引金額及び取引内容等により取引の事実及び金額が特定でき、当該取引金額が該当する事業年度の当初申告の仕入金額に含まれていないことが認められる。また、請求人の期首期末の棚卸金額については、不相当とする理由は認められないことから、当該取引金額は、当該事業年度の本件売上金額と対応関係を有するということができ、当該事業年度の損金の額に算入することが相当と認められる。
参照条文等
参考判決・裁決
大阪地裁平成19年6月28日判決(税資257号順号10738)
ポイント
本事例は、請求人の事業所得の必要経費の計上漏れがあったとして提出した更正の請求について、原処分庁が請求人からの必要経費の内容を示す資料の提出を待たずに原処分を行ったことは違法であるとの請求人の主張は排斥しているものの、請求人が審査請求において提出した資料等から、請求人が支払った金員は、事業所得の金額の計算上必要経費に算入されるとして、原処分の一部を取り消したものである。
要旨
請求人は、事業所得の必要経費となる租税公課の計上漏れなどがあったとして提出した更正の請求について、原処分庁からの当初申告に係る租税公課の内容を確認するための資料等(本件資料等)の提出の求めに対して、請求人が本件資料等を提出する意思を示しているにもかかわらず、原処分庁が、本件資料等の提出を待たずして、その未提出を理由に更正の請求の一部を認めないとする原処分を行ったことは、違法又は不当な処分である旨主張する。
しかしながら、調査担当職員は、約1年間、電話ないし文書により再三にわたり本件資料等の提出を求めたにもかかわらず、請求人からは本件資料等が提出されなかったため、調査を打ち切ったのであり、原処分庁が本件資料等の提出を待たずに原処分を行ったことは、原処分庁の合理的な裁量の範囲を超えておらず、違法又は不当であるとは認められない。なお、請求人は審査請求においてb町町費等の金員(本件金員)を請求する旨が記載された文書を提出したところ、当審判所が調査審理した結果、当該文書は請求人が所有する農地の所在するb町区長などが発行したものであり、当該文書に示された本件金員は、b町区などにおいて農地等の面積を賦課基準として徴収され、その用途は主に農地等の保全に係るものであると認められるから、本件金員は請求人の事業所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである。
参照条文等
役職に変動がなくても労働条件等に重大な変動があり、単なる従前の勤務関係の延長とみることはできないとして、退職手当等としての性質を有する給与に該当すると認定した事例(平成24年5月分の源泉徴収に係る所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分・全部取消し)
裁決事例集 第97集
ポイント
本事例は、形式的な役職の変動ではなく実質的な勤務実態や支給に至った経緯等を総合勘案し、実質的に退職したのと同視し得る状況にあったと認定し、所得税法第30条の「(退職手当・・・その他の退職により一時に受ける給与及び)これらの性質を有する給与」に該当するとしたものである。
要旨
原処分庁は、学校法人である請求人が設置、運営する幼稚園(本件幼稚園)の園長兼請求人の理事長である者(本件園長)に対し退職金として支払われた金員(本件金員)について、本件園長は、引き続き他の職員と同様に出勤し請求人から給与を受領していることから、勤務関係が終了したとは認められないこと、また、本件園長が請求人の理事長としての業務を引き続き行っており、本件園長の勤務時間及び給与等の減少割合からしても、本件園長の勤務関係の性質、内容及び労働条件に重大な変動があったものと認めることはできないことから、本件金員に係る所得は給与所得に該当する旨主張する。
しかしながら、本件園長並びに本件幼稚園の副園長及び事務長の答述その他関係資料等によれば、本件園長の行う職務全体に占める理事長としての職務の割合は、本件幼稚園の園長としての職務に比べてごく僅かであったと認められること、また、実質的な園長としての職務のほとんどを副園長に引き継ぐことにより、その職務内容は量的にも質的にも大幅に軽減され、その実態に即するように基本給の額を減額するなど労働条件も大きく変動したものと認められ、本件園長の勤務関係は、その性質、内容及び労働条件等において重大な変動があって、形式的には継続している勤務関係が実質的には単なる従前の勤務関係の延長とみることができない特別の事実関係があるというべきであるから、本件金員は、所得税法第30条《退職所得》第1項に規定する退職所得に該当する。
参照条文等
参考判決・裁決
最高裁昭和58年9月9日第二小法廷判決(民集37巻7号962頁) 最高裁昭和58年12月6日第三小法廷判決(集民140号589頁)
担保物の一部に対する強制換価手続が相続税法第40条第2項に規定する「強制換価手続が開始されたとき」に該当するとした事例(相続税の延納許可の取消処分・棄却)
裁決事例集 第97集
要旨
請求人は、原処分庁が行った延納許可の取消処分(本件取消処分)について、相続税法第40条《延納申請に係る徴収猶予等》第2項の「延納税額に係る担保物につき国税徴収法第2条《定義》第12号に規定する強制換価手続が開始されたとき」とは、延納許可に係る担保物全てについて強制換価手続が開始されたときをいうことから、複数の担保物の一部のみに強制換価手続が開始されたことをもってなされた本件取消処分は適切な弁明聴取を欠いた違法な処分である旨主張する。
しかしながら、延納許可に係る担保物の一部について第三者による強制換価手続が開始された場合においても、弁明の聴取を行っていては、当該強制換価手続によって担保物の一部が換価され、延納税額等の徴収を確保できなくなるおそれがあることから、相続税法第40条第2項に基づき、弁明を聴取することなく延納許可を取り消すことができる。したがって、適切な弁明聴取が行われたか否かについて判断するまでもなく、本件取消処分が適切な弁明聴取を欠くことを理由に違法な処分であるとはいえない。
参照条文等
ポイント
本事例は、国税通則法第74条の9《納税義務者に対する調査の事前通知等》の調査は税目と課税期間によって特定される納税義務に係る調査を一の調査とみるべきであることを明らかにしたものである。
要旨
原処分庁は、請求人に対し、平成24年中に平成21~23年分の所得税の調査(当初調査)を開始しているところ、平成24年分の調査は、当初調査の対象年分に追加したものであるから、平成25年1月1日前から引き続き行われている調査に該当し、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律の附則第39条《当該職員の質問検査等に関する経過措置》第3項の規定により、国税通則法第74条の9《納税義務者に対する調査の事前通知等》第1項の適用はない旨主張し、一方、請求人は、平成24年分の調査は、改正国税通則法施行後に開始されたものであり、同法第74条の9第1項の事前通知が必要であったにもかかわらず、調査担当職員は、電話で「平成24年分の調査を行います。」とのみ通知しただけで、その後においても、改正後の国税通則法に則って通知が行われていないことから、平成24年分の調査は必要な手続要件を満たしておらず、違法である旨主張する。
しかしながら、調査は、納税義務者について税目と課税期間によって特定される納税義務に関してなされるものであるから、当該納税義務に係る調査を一の調査とみるべきであり、請求人に対する平成24年分の調査は、独立した一の調査となり、平成25年1月1日前から引き続き行われている調査には該当せず、国税通則法第74条の9第1項の適用があると認められる。一方、調査担当職員は、調査の対象税目及び調査の対象期間に加えて、調査の開始時期、調査の場所、調査の目的及び調査の対象となる帳簿書類を請求人に対し通知していると認められ、請求人に対して平成24年分の所得税の調査を行う旨の通知しか行われていないとはいえない。そうすると、平成24年分の調査の事前通知については、国税通則法第74条の9第1項の適用があるところ、調査担当職員は、同条同項の規定に沿った事前通知を行っており、調査手続に違法とすべき点はない。
参照条文等
請求人及び請求人の取引業者で組織された親睦団体によって開催された行事に係る損益は、請求人に帰属しないと認定した事例(平18.3.1~平24.2.29の各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分・全部取消し)
裁決事例集 第97集
要旨
原処分庁は、請求人及び請求人の取引業者で組織された親睦団体(本件親睦団体)によって開催された懇親会及び新年会(本件懇親会等)は、請求人の意思決定により開催され、会費収入及び開催費用を含むその使途も請求人が決定していることから、請求人の業務に関連して開催されたものであり、本件懇親会等に伴う利益金は、本件親睦団体ではなく請求人に帰属する旨主張する。
しかしながら、本件懇親会等は本件親睦団体の会則に沿った行事であること、本件懇親会等に伴う利益金は、本件親睦団体名義の預金口座に預け入れられ、本件親睦団体の年会費とともに本件親睦団体により管理されていること、及び原処分庁の主張を裏付ける証拠もないことからすると、本件懇親会等に伴う損益は、請求人に帰属するとは認められない。
被相続人の妻が被相続人の財産内容を開示しなかった等の事情は、相続人間の主観的事情にすぎないから、期限内申告書の提出がなかったことについて、国税通則法第66条第1項ただし書の「正当な理由」があるとは認められないと認定した事例(平成20年3月相続開始に係る相続税の無申告加算税の賦課決定処分・一部取消し)
裁決事例集 第97集
要旨
請求人は、亡弟(本件被相続人)の相続(本件相続)に係る亡父の相続税の納付義務を承継しているところ、①亡父は、本件被相続人の相続財産の全てを管理していた本件被相続人の妻に対して、相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項各号に規定する財産(みなし相続財産)を含む相続財産の全容を把握するための明細の提示を依頼したが応じてもらえず、また、②本件被相続人の妻が申し立てた遺産分割調停に係る遺産目録等にはみなし相続財産が記載されていなかったが、記載された財産等に基づいて本件相続に係る相続税の課税価格を計算すると課税価格は基礎控除額を下回ることとなったことから、亡父が相続税の期限内申告書を提出しなかったことについて、国税通則法第66条《無申告加算税》第1項ただし書に規定する「正当な理由があると認められる場合」に該当する旨主張する。
しかしながら、請求人が主張する上記①の事情は、相続人相互の人間関係に基因する事情であり、また、上記②の事情は、相続人相互の人間関係によりみなし相続財産の確認ができなかったが、亡父がみなし相続財産を課税価格に加えないことを自己判断して課税価格を計算した結果、課税価格が基礎控除額以下になったというものであるから、相続人相互の人間関係を前提とした亡父の自己判断に係る事情といえる。そうすると、請求人が主張する事情は、亡父を含む相続人間の主観的事情にすぎず、亡父が相続税の期限内申告書を提出しなかったことについて、真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があったということはできないから、国税通則法第66条第1項ただし書に規定する「正当な理由があると認められる場合」に該当しない。
参照条文等
参考判決・裁決
大阪高裁平成5年11月19日判決(裁Web)
役務の提供等の完了前に請求書の発行を受ける等、通常と異なる処理を行った行為は、事実を仮装したものと認めた事例( 平23.2.1~平24.1.31の事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分、 平23.2.1~平24.1.31の課税期間の消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分・ 棄却、 一部取消し)
裁決事例集 第97集
要旨
請求人は、翌期の経費として計上すべき修繕工事等の費用及び備品等の購入費用を当期の経費として計上したことについて、単なる経理処理の誤りで、修繕工事等の一部は事業年度末までに役務の提供が完了しており、また、修繕工事等の費用及び備品等の購入費用が翌事業年度に支払われていることなどからすると、帳簿書類の虚偽記載等には該当しないから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する事実を仮装したものではない旨主張する。
しかしながら、事業年度末までに役務の提供が完了していないにもかかわらず、修繕工事等の役務の提供や備品等の引渡しの完了より前に請求書の発行を受ける等、通常と異なる処理を行うことにより故意に事実をわい曲した請求人の行為は、事実を仮装したものと認められる。なお、修繕工事等の一部は事業年度末までに役務が完了していることから、当該完了部分については、事実を仮装したものとは認められない。
参照条文等
顧客から商品の返品若しくは交換又は売価が異なるなどの申出を受けた際に使用する「お客様返金伝票」と題する伝票のつづりは、印紙税法上の「判取帳」に該当するとした事例(平成21年12月~平成24年3月及び平成24年4月~平成24年11月に作成された各課税文書に係る印紙税の過怠税の各賦課決定処分・棄却)
裁決事例集 第97集
要旨
請求人は、「売場控、事務所控及び商品貼付用」の3枚一組複写式の伝票が100組つづられている伝票つづりのうち、伝票作成後も切り離されずに残されている「売場控」つづり(本件各文書)が、①伝票1枚1枚が一の文書であること、②二以上の相手方から金銭受領の付込事実の証明を受ける目的で作成されていないものであること、③印紙税法上の帳簿に当たらないことからすると、判取帳には該当しない旨主張する。
しかしながら、本件各文書は、①切り離されずに残されている「売場控」伝票(本件各伝票)が、本件各文書から切り離されることが予定されていたものとはいえず、また、請求人も1冊につづった状態で保管していたから、全体として一の文書に当たると認められるものであること、②請求人には、返金を行う場合において、複数の顧客から本件各伝票に署名を受けることによって金銭受領証明目的があったと認められることからすると、二以上の相手方から金銭の受領事実の証明を受ける目的で作成されたものと認められること、③継続的又は連続的に、金銭受領の事実、すなわち、課税事項を記載するための文書といえるものと認められるから、帳簿に当たると認められるものであることからすると、判取帳に該当する。
滞納法人の破産管財人から債権譲渡の否認を求める訴訟が提起されたことは、国税通則法第77条第3項の「やむを得ない理由」には当たらないとした事例(譲渡担保権者の物的納税責任に関する各告知処分及び債権の各差押処分・却下)
裁決事例集 第97集
要旨
国税通則法第77条《不服申立期間》第1項は、不服申立ては、処分があったことを知った日(処分に係る通知を受けた場合には、その受けた日)の翌日から起算して2月以内にしなければならない旨規定するところ、請求人の審査請求は、同項所定の不服申立期間が経過した後に行われたものであり、また、請求人の主張する、訴訟中であることは同条第3項の「やむを得ない理由があるとき」に、徴収担当職員の「全て終了した時点で連絡してもらえば結構です。」との発言は同条第6項の「誤って法定の期間より長い期間を不服申立期間として教示した場合」にそれぞれ当たらないことから、請求人の審査請求は、法定の不服申立期間を経過した後に行われた不適法なものである。
参照条文等
輸入貨物に係る消費税及び地方消費税の申告につき、意図的に過少申告することを認識した上で、正規の価格を示す書類を隠匿したものとは認められないと認定した事例(輸入申告に係る消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分・全部取消し)
裁決事例集 第97集
ポイント
本事例は、貨物の輸出者から送付されたインボイスに記載された貨物の価格が本来の価格に比し著しく低い金額であったため、輸入貨物に係る消費税等の申告が過少申告になったのであるが、かかる過少申告に事実の隠ぺいは認められないとして、重加算税の賦課決定処分を取り消したものである。
要旨
原処分庁は、請求人が、機械部品(本件貨物)の輸入に際し、本件貨物の課税価格が輸出者から受領した各書類(本件各書類)に記載された金額であることを認識し、また、本件貨物に係るインボイス(本件インボイス)に記載された金額が現実に支払う金額より著しく過少であり、本件インボイスが課税価格の決定のための資料として不十分であることを認識していたにもかかわらず、本件貨物の輸入申告手続を依頼した通関業者(本件通関業者)に対して本件インボイスのみを送付し、あえて本件各書類を送付しなかったことは書類の隠匿に該当し、さらに、請求人にはこのことが事実を隠ぺいする行為であるとの認識があったのであるから、事実の隠ぺいがあったと認められる旨主張する。
しかしながら、請求人が本件インボイスを本件貨物の輸入申告手続に必要な書類と判断し、本件インボイスのみを本件通関業者に送付したとしても不自然な行動であったとは認められず、また、請求人が本件通関業者が作成する本件貨物の輸入に係る申告書の記載内容を意識した上で本件インボイスのみを送付したとまでは認められない。さらに、請求人が、本件の調査担当者に対し、本件インボイスのみならず、本件貨物の課税価格が記載された本件各書類も提示していたことを併せ考慮すると、請求人が本件通関業者に対し本件各書類を送付せず、本件インボイスのみを送付したことをもって、事実の隠ぺいがあったとは認められない。
参照条文等
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。