裁決事例 裁決事例集 第11集
要旨
不動産会社に勤務する請求人が、同社所有の不動産を顧客に販売した場合に、その契約高に比例して支給される金員は、請求人が自ら独立の事業として同社に提供した役務の対価とは認められず、請求人が同社に雇用されている営業社員として、会社の就業規則に基づく給与規定による能率給として支給されるものであるから、給与所得の収入金額とするのが相当である。
要旨
海上運送法による事業免許は一定の免許基準により運輸大臣がその免許の可否を決定することとなっており、厳格な規制に基づき事業を営む権利が取得されるものである。したがって、免許を受けた一定の航路において一般旅客定期航路事業を営むという航路権は、固有の経済的価値を有するものということができ、たとえ被合併会社が欠損会社であってもこの航路権を取得するために要した費用は営業権の対価として取り扱うのが相当である。
要旨
土地の売買契約において、土地の引渡しの日とは、登記手続を完了すると同時に最終代金を支払った日であるとしている場合が多い。
請求人は、土地代金のうち最終的な金額を受領し、登記に必要な権利証等の書類を引き渡した日の属する事業年度に土地の売却益を計上しているのであるからこれを不相当とする理由はない。
要旨
被合併法人時代の所得の計算は、合併の日をもって打ち切ることを建前としており、最終事業年度の末日である合併の日にすべて遮断されるのであるから、合併法人の欠損金額の繰戻し還付の請求が合併前の被合併法人の所得金額に及ぶと解することはできない。
要旨
相続税に係る重加算税賦課決定通知書が、受領能力のない相続人たる未成年者にあてて送達されたとしても、国税通則法が通知書を納税者に送達するとした目的は、納税者に処分の内容を知らしめ、不服申立ての機会を与えることにあるから、その法定代理人である親権者が未成年者と同居して通知書を受領し、内容を了知し得る状態におかれていれば、その送達は有効である。
要旨
相続税法第32条第3号に掲げる「遺留分による減殺の請求があったこと」について、遺留分権利者が受贈者に対し減殺の請求を行えば足りると解すると受贈者が直ちにその請求に応じた場合はともかく、相手方がその請求に応じない場合には、その争いのため更正の請求の期間の制限を超えることによって、同号の適用の余地がなくなる場合が生ずることとなる。
同法第32条は一たび確定した課税価格等が新たに生じた事由に基づき過大となった者に更正の余地を与えようとする特別規定であることから、減殺の請求が調停、判決等によって解決した場合にはその調停等の時を受贈者が更正の請求ができる期間の始期と解するのが相当である。
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